(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ネットワークカメラ装置およびネットワークカメラ装置の撮像方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/65 20230101AFI20240910BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240910BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20240910BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20240910BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20240910BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20240910BHJP
H04N 23/74 20230101ALI20240910BHJP
【FI】
H04N23/65
G03B15/00 S
G03B15/02 G
G03B15/02 L
G03B15/02 V
G03B15/03 W
G03B15/03 X
G03B15/05
H04N23/56
H04N23/74
(21)【出願番号】P 2020055952
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 克也
(72)【発明者】
【氏名】池田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】池内 崇典
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-139689(JP,A)
【文献】特開2003-114463(JP,A)
【文献】特開2019-193196(JP,A)
【文献】特開2013-026656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/65
G03B 15/00
G03B 15/02
G03B 15/03
G03B 15/05
H04N 23/56
H04N 23/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像方向を撮像するカメラと、
前記カメラの撮像方向に発光する複数の発光部と、
第1電源および前記第1電源より少ない所定の電力以下の第2電源のうちいずれか一方による給電が可能な電源部と、
前記カメラおよび前記複数の発光部を制御する制御部とを有するネットワークカメラ装置であって、
前記制御部は、前記電源部への給電が前記第2電源による給電か否か判定する電源判定部と、
前記電源判定部が前記電源部への給電が第2電源による給電であると判定した場合に、前記発光部の出力を規制する出力規制部と、を備え、
前記複数の発光部は、撮像方向に対して第1の拡散角度を有して拡散して発光する第1発光部と、撮像方向に対して前記第1の拡散角度よりも広い第2の拡散角度を有して拡散して発光する第2発光部とからなり、
前記制御部は、前記第1発光部と前記第2発光部とを含む複数の出力を設定する発光出力設定により構成される発光出力テーブルを備え、
前記発光出力テーブルは、
前記第1発光部と前記第2発光部との出力設定が同じとなる設定の撮像範囲と撮像距離とを基準とし、撮像範囲が広く撮像距離が短い場合に、前記第2発光部の出力設定を前記第1発光部の出力設定に比べ
て大きく設定し、撮像範囲が狭く撮像距離が長い場合に、前記第2発光部の出力設定を前記第1発光部の出力設定に比べて
小さく設定し、
前記出力規制部は、前記発光出力テーブルの出力設定に所定の出力規制率を乗じる、
ネットワークカメラ装置。
【請求項2】
撮像方向を撮像するカメラと、前記カメラの撮像方向に向けて発光する複数の発光部と、第1電源および前記第1電源より少ない所定の電力以下の第2電源のうちいずれか一方による給電が可能な電源部と、前記カメラおよび前記電源部を制御する制御部と、を有するネットワークカメラ装置を用いて、
前記電源部への給電が前記第2電源による給電か否か判定するステップと、
前記発光部の発光出力を規制するステップと、を有し、
前記発光部の発光出力を規制するステップは
、第1発光部
と第2発光部とを含む複数の出力を設定する発光出力設定により構成される発光出力テーブルを参照するステップと、
前記第1発光部と前記第2発光部との出力設定が同じとなる設定の撮像範囲と撮像距離とを基準とし、撮像範囲が広く撮像距離が短い場合に、前記第2発光部の出力設定を前記第1発光部の出力設定に比べ
て大きく設定するステップと、撮像範囲が狭く撮像距離が長い場合に、前記第2発光部の出力設定を前記第1発光部の出力設定に比べて
小さく設定するステップと、
前記発光出力テーブルの出力設定に所定の出力規制率を乗じるステップと、を有する、
ネットワークカメラ装置の撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワークカメラ装置およびネットワークカメラ装置の撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PoE(Power over Ethernet)対応のネットワークカメラ装置は、例えばPoE対応のハブに接続するPoE対応のLAN(Local Area Network)ケーブルを介してネットワークに接続する。このため、各接続ポートから給電可能な電力は、一定の電力以下に規制される。すなわち、PoE対応のハブの接続ポートに接続するネットワークカメラは、一定の消費電力以下に制限される。
【0003】
特許文献1には、監視カメラ付きソーラー照明灯装置において、監視カメラの動作により消費した消費電力量に応じて、LED照明へ供給する電力を所定の時間低減、すなわち一時的にLED照明による明かりを暗くして、全体としての消費電力を一定に保つ発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ネットワークカメラ装置の発光部からの発光の照射範囲が、近くの広い範囲を撮像範囲とするのに対応させて設定された場合、カメラがズーム機能により遠くの狭い範囲を撮像する場合に、発光部からの発光による照射範囲は、撮像範囲外に及んでいた。また、発光部は遠くまで光を届けるために、発光出力を高くする必要があり、ネットワークカメラ装置全体としての消費電力が高くなることがある。ネットワークカメラ装置の消費電力が一時的にでも所定値を超えると、LANケーブルを介してネットワークカメラ装置に給電するPoE対応のハブは、給電を停止する場合がある。さらに、ネットワークカメラ装置が給電される電力が一定値以下に制限されるPoEにより給電される場合、移動動作等による生じる電力ピークの抑制のため発光部からの発光を一時的に低くした場合、その間にネットワークカメラ装置で撮像された映像の画質が低下するおそれがある。
【0006】
本開示は、このような問題に鑑みてなされたものであり、給電される電力が一定値以下に制限されるPoEから給電される場合においても、ネットワークカメラの撮像範囲に向けて発光する発光部からの発光を所定の照度に維持して撮像することができるネットワークカメラ装置およびネットワークカメラ装置の撮像方法の技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのネットワークカメラ装置は、撮像方向を撮像するカメラと、前記カメラの撮像方向に発光する複数の発光部と、第1電源および前記第1電源より少ない所定の電力以下の第2電源のうちいずれか一方による給電が可能な電源部と、前記カメラおよび前記複数の発光部を制御する制御部とを有するネットワークカメラ装置であって、前記制御部は、前記電源部への給電が前記第2電源による給電か否か判定する電源判定部と、前記電源判定部が前記電源部への給電が第2電源による給電であると判定した場合に、前記発光部の出力を規制する出力規制部とを備える。
【0008】
上記課題を解決するためのネットワークカメラ装置の撮像方法は、撮像方向を撮像するカメラと、前記カメラの撮像方向に向けて発光する複数の発光部と、第1電源および前記第1電源より少ない所定の電力以下の第2電源のうちいずれか一方による給電が可能な電源部と、前記カメラおよび前記電源部を制御する制御部と、を有するネットワークカメラ装置を用いて、前記電源部への給電が前記第2電源による給電か否か判定するステップと、前記発光部の発光出力を規制するステップとを有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ネットワークカメラ装置がPoEにより給電されて駆動する場合に、発光部の発光出力を一律に規制することで、消費電力を、所定の電力以下に抑制することができる。これにより、消費電力のピークが、所定の電力を一時的にも超えることがないため、PoE対応のハブからの給電が停止することを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るネットワークカメラ装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るネットワークカメラ装置の撮像方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定1における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
【
図5】
図5は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定2における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
【
図6】
図6は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定3における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
【
図7】
図7は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定4における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係るネットワークカメラ装置の出力規制部により規制された場合の発光部の照射範囲を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る実施例について、
図1から
図8を参照して説明する。
図1は、本実施例係るネットワークカメラ装置の概略斜視図である。
図2は、本実施形態に係るネットワークカメラ装置のブロック図である。
図3は、本実施形態に係るネットワークカメラの撮像方法を示すフローチャートである。
図4は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定1における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
図5は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定2における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
図6は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定3における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
図7は、本実施例に係るネットワークカメラ装置の発光出力設定4における焦点距離および照明範囲を示した概略図である。
図8は、第2実施形態に係るネットワークカメラ装置の出力規制部により規制された場合の発光部の照射範囲を示す概略図である。なお、本実施例で説明するのは、本開示の一例であり、これにより本発明が限定されるものではない。
【0012】
本開示では、
図1に示すように、ネットワークカメラ装置100の鉛直軸(Z軸)周りの回転方向をパン方向Pと称することがあり、ネットワークカメラ装置100の水平軸(X軸またはY軸)周りの回転方向をチルト方向Tと称することがある。また、本開示では、第1電源をAC(Alternating Current)、第2電源をPoEとして説明する。
【0013】
<第1実施形態>
<ネットワークカメラ装置>
ネットワークカメラ装置100は、
図2に示すように、カメラ110と、撮像方向移動部120と、発光部130と、制御部140と、記録部170と、電源部180と、入出力部190とを有する。
【0014】
<カメラ>
カメラ110は、ズーム機能を有しており、撮像する。カメラ110は、
図4から
図7に示すように、集光レンズ112と、撮像センサ114と、を備える。カメラ110は、集光レンズ112により集光された光を、カメラ110の内部の撮像センサ114に集光する。撮像センサ114に集光された光は、撮像センサ114によって電気信号に変換されて、撮像制御部150に送られる。
【0015】
撮像センサ114は、集光レンズ112に対して焦点距離fを変化可能に構成されている。カメラ110のズーム機能は、集光レンズ112に対して撮像センサ114を変位させて焦点距離fを変化させることにより行われる。なお、ズーム機能は、カメラ110が、集光レンズ112と撮像センサ114との間に、図示しない調整レンズを有し、調整レンズの位置を移動させることにより焦点距離fを変化させて行われても良い。カメラ110の焦点距離fは、例えば4.3mm~129mmの間で設定することができる。撮像センサ114は、例えばCMOSイメージセンサにより構成される。
【0016】
<発光部>
発光部130は、カメラ110の撮像方向に発光する。発光部130は、発光制御部154によって発光が制御される。発光部130は、
図1に示すように、カメラ110と一体に構成され、カメラ110が撮像方向移動部120により移動するのに伴って移動する。
【0017】
発光部130は、図示しない発光体および図示しない発光レンズとを含んで構成される。発光部130の発光体は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)である。なお、発光部130の発光体は、白色LEDに限らない。発光部130は、例えば
図1に示すように、カメラ110の集光レンズ112を取り囲むように配置される。
【0018】
発光部130は、
図4から
図7で示すように、第1の拡散角度θ
Aで拡散して発光する第1発光部130Aと、第1の拡散角度より広い拡散角度θ
Bで拡散して発光する第2発光部130Bとを備える。第1発光部130Aおよび第2発光部130Bは、それぞれカメラ110の撮像範囲Aの中心に向けて発光する。ここで、拡散角度とは、発光体から発光して発光レンズにより拡散される光の、拡散する範囲を示す角度である。発光部130の拡散角度は、発光レンズにより規定される。第1の拡散角度θ
Aは、例えば8°であり、第2の拡散角度θ
Bとは例えば50°である。第1発光部130Aを構成する発光体と、第2発光部130Bを構成する発光体とは同種のものであってもよい。
【0019】
<撮像方向移動部>
撮像方向移動部120は、
図1に示しすように、カメラ110の向きを移動させることにより、カメラ110の撮像方向をパン方向Pまたはチルト方向Tに移動させる。撮像方向移動部120は、後述するPTZ制御部152からの指示に基づき、カメラ110の向きを移動させる。撮像方向移動部120は、
図1に示すように、カメラ110の撮像方向を、パン方向Pに360°旋回移動させることができ、チルト方向Tに水平に対して上30°の方向まで傾斜移動させることができる。
【0020】
<制御部>
制御部140は、ネットワークカメラ装置100の制御を行う。制御部140は、ネットワークカメラ装置100の起動時に、記録部170に記録されるプログラムを実行し、撮像制御部150、PTZ制御部152、発光制御部154、通信制御部158および電源判定部160を発現する。ここで、ネットワークカメラ装置100の起動時とは、ネットワークカメラ装置100の電源が接続された時を意味する。なお、ネットワークカメラ装置100の起動時は、ネットワークカメラ装置100が図示しない電源入力スイッチを有する場合には、電源入力スイッチを操作した時としてもよい。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0021】
撮像制御部150は、カメラ110による撮像を制御する。具体的には、撮像制御部150は、カメラ110から送られた電気信号からの撮像データの生成および、撮像データの記録部170への記録を行う。また、撮像制御部150は、予め設定された一連の動作に基づきカメラ110を制御する。また、撮像制御部150は、ネットワーク経由で外部から指令信号が送られた場合には、その指令信号に基づき、カメラ110の撮像を制御する。
【0022】
PTZ制御部152は、カメラ110の撮像方向のパン方向Pへの旋回移動、チルト方向Tへの傾斜移動、およびカメラ110のズームレベルを制御する。具体的には、PTZ制御部152は、撮像方向移動部120をパン方向Pへ旋回動作させることにより、カメラ110の撮像方向をパン方向Pに移動させる。また、PTZ制御部152は、撮像方向移動部120をチルト方向Tへ傾斜動作させることにより、カメラ110の撮像方向をチルト方向Tに移動させる。また、PTZ制御部152は、撮像センサ114の集光レンズ112に対する距離である焦点距離fを変位させることにより、カメラ110のズームレベルを変化させ、カメラ110の撮像範囲を広角から望遠までの間で切り替えることができる。
【0023】
PTZ制御部152は、予め設定された一連の動作に基づき、一定の周期でカメラ110の撮像方向のパン方向Pへの旋回動作、チルト方向Tへの傾斜動作、またはカメラ110のズームレベルを移動するよう構成される。また、PTZ制御部152は、ネットワーク経由で送られる指令信号に従って、撮像方向を移動するよう構成される。
【0024】
発光制御部154は、発光部130からの発光についての制御を行う。具体的には、発光制御部154は、後述する発光出力設定を満たすように、発光部130の発光強度および発光領域のうち少なくとも一つを制御する。「発光強度」とは、発光部130の所定の発光出力に対する、実際の発光出力である。発光強度の制御は、例えば図示しない抵抗の抵抗値を変化させて発光部130の発光体に供給する電流値を調整することにより行う。「発光領域」とは、例えば発光部130を構成する複数の発光体のうち、同じ発光強度で発光する発光体により構成される領域である。発光部130における発光領域は、第1発光部130Aおよび第2発光部130Bである。
【0025】
<出力規制部>
出力規制部156は、後述する電源判定部160が、電源部180への給電がPoEによる給電であると判定した場合に、発光部130の出力を規制する。具体的には、出力規制部156は、電源判定部160が、電源部180への給電がPoEによる給電であると判定した場合に、制御部140が記録部170に記録される出力規制プログラムを実行することにより発現し、発光出力テーブルを構成する発光出力設定に出力規制率を乗じることにより、発光部130の発光出力を規制し、発光部130へ供給される電力を規制する。
【0026】
通信制御部158は、外部への撮像データ等の出力、および外部からの指令信号等の入力といった通信を制御する。通信制御部158は、データおよび信号の外部との通信を、入出力部190を介して行う。
【0027】
<電源判定部>
電源判定部160は、後述する電源部180への給電が、PoEによる給電か否かを判定する。具体的には、電源判定部160は、電源部180に有する検出回路182により、電源部180への給電がPoEによる給電か否かを判定する。電源判定部160による判定は、ネットワークカメラ装置100の起動時に行われる。
【0028】
記録部170は、データおよびプログラムを記録する。具体的には、記録部170には、発光出力テーブルデータ、カメラ110により撮像された撮像データ、撮像制御プログラム、PTZ制御プログラム、発光制御プログラム、通信制御プログラムおよび出力規制プログラムその他データが記録される。記録部170は、例えば持ち運び可能な記録媒体が接続可能に構成される。
【0029】
<電源部>
電源部180は、給電された電力を変電する。電源部180は、AC(第1電源)およびPoE(第2電源)がそれぞれ接続するための接続ポート、検出回路182および図示しない電源回路を有する。電源部180は、ACおよびPoEが共に接続ポートに接続する場合には、PoEからの受電を優先するよう構成される。ここで、PoEから給電される電力は、例えば54Vの直流電流である。また、ACから給電される電力は、例えば100Vまたは200Vの交流電流である。また、消費電力は、ACの場合、例えば1900mA/110Wであり、PoEの場合、例えば940mA/51Wである。
【0030】
検出回路182は、電源部180に給電される電力について、PoEによる給電か否かを判定する。検出回路182が、給電される電力がPoEによる給電であると判定した場合、電源部180は、制御部140に出力規制部156を発現させる。
【0031】
入出力部190は、外部とのデータの入出力を行う。入出力部190は、例えばLANポートにより構成される。LANポートに接続されたLANケーブルがPoEによる給電を行う場合、LANポートは電源部180を兼ね、PoEから給電される電力は、電源判定部160により判定される。
【0032】
<発光出力テーブル>
以下に発光出力テーブルについて、表1を例に説明する。表1に示す発光出力テーブルは、4つの発光出力設定により構成されている。各発光出力設定は、第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光出力がそれぞれ予め設定されている。発光出力設定は、例えばカメラ110の撮像範囲A、撮像距離Lおよび撮像範囲Aの撮像に必要な照度に基づき、設定される。
【表1】
【0033】
表1に示す発光出力設定1においては、第1発光部130Aの発光強度はゼロであり、第2発光部130Bの発光強度は50%である。また、発光出力設定2においては、第1発光部130Aの発光強度はゼロであり、第2発光部130Bの発光強度は100%である。また、発光出力設定3においては、第1発光部130Aの発光強度は50%であり、第2発光部130Bの発光強度は50%である。また、発光出力設定4においては、第1発光部130Aの発光強度は100%であり、第2発光部130Bの発光強度はゼロである。
【0034】
<撮像方法>
ネットワークカメラ装置の撮像方法について、
図3を参照して、説明する。
図3は、ネットワークカメラ装置100の撮像処理の一連の流れを示すフローチャートである。ネットワークカメラの撮像方法は、示すように、ネットワークカメラ装置を起動させるステップ(S10)と、電源部への給電が第2電源による給電か否か判定するステップ(S20)と、電源判定部が電源部への給電が第2電源による給電であると判定した場合に(S20のYes)、発光設定テーブルに出力規制率を乗じるステップと(S30)、カメラのズームレベルを取得するステップと(S40)、発光出力設定を取得するステップと(S50)、発光部が発光するとともに、カメラが撮像するステップと(S60)、を有する。以下ネットワークカメラの撮像方法の各ステップについて説明する。
【0035】
図3の処理は、ネットワークカメラ装置100を起動することで開始され(S10)、ネットワークカメラ装置100は、給電される電力について、PoEによる給電か否かを判定する(S20)。具体的には、ネットワークカメラ装置100が有する電源判定部160は、電源部180に有する検出回路182により、電源部180への給電がPoEによる給電か否かを判定する。ネットワークカメラ装置100は、電源判定部160により、給電された電力がPoEによる給電であると判定された場合(S20のYes)、発光設定テーブルに出力規制率を乗じるステップ(S30)に進む。
【0036】
電源部への給電が前記第2電源による給電か否と判定された場合(S20でNo)、ネットワークカメラ装置100は、カメラのズームレベルを取得するステップ(S40)に進む。
【0037】
発光設定テーブルに出力規制率を乗じるステップ(S30)において、ネットワークカメラ装置100は、記録部170に記録される発光出力テーブルを構成する発光出力設定のそれぞれに、所定の出力規制率を乗じる。ここで、出力規制率とは、発光部130の発光出力を規制する比率を示す数値であり、100%より小さい。出力規制率は、例えばネットワークカメラ装置100の最大消費電力、およびネットワークカメラ装置100からのLANケーブルが接続するPoE給電ハブの、1つの接続につき許容される供給電力に基づいて、あらかじめ設定される。
【0038】
発光出力設定に出力規制率が乗ぜられた発光出力テーブルについて、表2に、例として出力規制率が70%に設定された場合のものを示す。発光出力設定に出力規制率が乗ぜられた発光出力テーブルは、表2によると、発光出力設定1から発光出力設定4までの各発光出力設定における第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光強度は、いずれも表1に示す発光出力設定に出力規制率を乗じる前の発光出力テーブルの第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光強度の70%に設定される。すなわち、それぞれの発光出力設定における第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光強度は、表2に示すように、出力規制部により、表1に示す出力規制率が乗ぜられる前の第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光強度に、出力規制率が乗ぜられた発光出力となる。以下に、発光出力テーブルの発光出力設定について、発光出力設定ごとに発光の概略を示す。
【表2】
【0039】
以下、引き続きネットワークカメラ装置の撮像方法について説明する。カメラのズームレベルを取得するステップ(S40)においてネットワークカメラ装置100は、PTZ制御部152から、カメラ110のズームレベルを示す指標であるカメラ110の焦点距離fを取得する。カメラ110が広角の場合、
図4に示すように、ズームレベルの指標である焦点距離fが、
図7に示すズームレベルが望遠の場合における焦点距離fより短くなる。また、カメラ110が望遠の場合、
図7に示すように、ズームレベルの指標である焦点距離fが長くなる。
【0040】
発光出力設定を取得するステップ(S50)において、ネットワークカメラ装置100は、発光出力テーブルから、取得されたカメラ110のズームレベルに応じた発光出力設定を特定し取得する。カメラ110が、
図4に示すような広角の場合、発光出力設定は、例えば表2における発光出力設定2が特定される。カメラ110が、例えば
図7に示すようなズームレベルが望遠の場合、発光出力設定は、例えば表2における発光出力設定4が特定される。
【0041】
発光部が発光およびカメラが撮像するステップ(S60)において、ネットワークカメラ装置100は、発光出力テーブルから特定した発光出力設定に基づいて発光部130を発光させるとともに、カメラ110により撮像する。カメラ110が、発光出力設定2に設定された場合、撮像範囲A2は広いものの、撮像距離L2が短いため発光強度は抑えることができるため、消費電力を抑えることができる。また、カメラ110が、発光出力設定4が特定された場合、撮像距離L4が長いため、発光部130は高い発光強度を要するものの、撮像範囲A4は狭いため、消費電力を抑えることができる。
【0042】
<発光出力設定>
発光部130からの発光出力テーブルの発光出力設定ごと発光の概略を、一例として、
図4から
図7に示す。ここで、
図4から
図7に示す焦点距離は、例えばf
1<f
2<f
3<f
4である。また、
図4から
図7に示す照射距離は、例えばL
1<L
2<L
3<L
4である。また、
図4から
図7に示す撮像範囲は、例えばA
4<A
3<A
2<A
1である。
【0043】
発光出力設定1の場合における第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光の概略を、
図4に示す。
図4では、カメラ110から撮像距離L
1にある撮像対象S
1の撮像範囲A
1に対して、焦点距離f
1でズームレベルが設定される。また、カメラ110の焦点距離f
1に対して発光出力設定1が特定され、設定される。発光出力設定1における発光部130の発光強度は、表2の発光出力設定に示すように、第1発光部130Aの発光強度はゼロおよび第2発光部130Bの発光強度は35%である。
図4では、撮像範囲A
1に対応して、拡散角度θ
Bを有する第2発光部130Bが発光している。なお、
図4に示す例では撮像範囲A1の外側が第2発光部130Bの照射範囲から外れている。但し、第2発光部130Bは、撮像範囲A1の全体を照射できても良い。
【0044】
また、発光出力設定2の場合における第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光の概略を
図5に示す。
図5では、カメラ110から撮像距離L
2にある撮像対象S
2の撮像範囲A
2に対して、焦点距離f
2でズームレベルが設定される。また、カメラ110の焦点距離f
2に対して発光出力設定2が特定され、設定される。発光出力設定2における発光部130の発光強度は、表2の発光出力設定に示すように、第1発光部130Aの発光強度はゼロおよび第2発光部130Bの発光強度は70%である。
図5では、撮像範囲A
2に対応して、拡散角度θ
Bを有する第2発光部130Bが発光している。なお、
図5に示す例では撮像範囲A2の外側が第2発光部130Bの照射範囲から外れている。但し、第2発光部130Bは、撮像範囲A2の全体を照射できても良い。
【0045】
また、発光出力設定3の場合における第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光の概略を
図6に示す。
図6では、カメラ110から撮像距離L
3にある撮像対象S
3の撮像範囲A
3に対して、焦点距離f
3でズームレベルが設定される。また、カメラ110の焦点距離f
3に対して発光出力設定3が特定され、設定される。発光出力設定3における発光部130の発光強度は、表2の発光出力設定に示すように、第1発光部130Aの発光強度は35%および第2発光部130Bの発光強度は35%である。
図6では、撮像範囲A
3に対応して、拡散角度θ
Aを有する第1発光部130Aおよび拡散角度θ
Bを有する第2発光部130Bが発光している。
【0046】
また、発光出力設定4の場合における第1発光部130Aおよび第2発光部130Bの発光の概略を
図7に示す。
図7では、カメラ110から撮像距離L
4にある撮像対象S
4の撮像範囲A
4に対して、焦点距離f
4でズームレベルが設定される。また、カメラ110の焦点距離f
4に対して発光出力設定4が特定され、設定される。発光出力設定4における発光部130の発光強度は、表2の発光出力設定に示すように、第1発光部130Aの発光強度は70%および第2発光部130Bの発光強度はゼロである。
図7では、撮像範囲A
4に対応して、拡散角度θ
Aを有する第1発光部130Aが発光している。
【0047】
<第2実施形態>
<ネットワークカメラ装置>
ネットワークカメラ装置200は、
図8に示すように、カメラ110と、発光部210と、図示しない撮像方向移動部、制御部、記録部、電源部および入出力部とを有する。なお、以下の説明では、第2実施形態に係るネットワークカメラ装置200の制御部および電源部については、第1実施形態のネットワークカメラ装置100の制御部140および電源部180を用いて行う。
【0048】
<発光部>
発光部210は、カメラ110の撮像方向に発光する。発光部210は、第1実施形態の発光部130と同様に、発光制御部154によって発光が制御される。発光部210は、第1実施形態の発光部130と同様、カメラ110と一体に構成される。発光部210は、図示しない発光体および発光レンズとを含んで構成される。発光部210の発光体は、例えば白色LEDである。なお、発光部210の発光体は、白色LEDに限らない。
【0049】
発光部210は、
図8に示すように、第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dを有している。第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dは、集光レンズ112の周囲の集光レンズ112を中心とした両側に、カメラ110の撮像方向の直交方向に並んでそれぞれ配置される。第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dは、それぞれ所定の拡散角度で拡散して発光する。なお、第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dの拡散角度は、それぞれ異なっていても良い。
【0050】
発光した第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210C、および第4発光部210Dは、
図8に示すように、撮像対象S5にそれぞれ対応した照射範囲R1、R2、R3およびR4を有する。例えば、集光レンズ112の周囲おける最も中心側の位置に配置される第1発光部210Aは、撮像範囲A5の最も中心側の位置に照射範囲R1を有する。集光レンズ112の周囲における中心側から2番目の位置に配置される第2発光部210Bは、撮像範囲A5の中心側から2番目の位置に照射範囲R2を有する。集光レンズ112の周囲における中心側から3番目の位置、すなわち、集光レンズ112の周囲における外側から2番目の位置に配置される第3発光部210Cは、撮像範囲A5の外側から2番目の位置に照射範囲R3を有する。集光レンズ112の周囲における中心側から4番目の位置、すなわち、集光レンズ112の周囲における最も外側の位置に配置される第4発光部は、撮像範囲A5の最も外側の位置に照射範囲R4を有する。
【0051】
電源判定部160は、
図1に示すように、電源部180に給電される電力について、検出回路182により、PoEによる給電か否かを判定する。電源判定部160が、給電される電力がPoEによる給電であると判定した場合、電源部180は、制御部140に出力規制部156を発現させる。この場合において、出力規制部156は、
図8に示す、撮像範囲A5における外側の位置に照射範囲(例えばR3、R4)を有する複数の発光部(例えば210C、210D)に供給する電力を規制することにより、出力を規制する。
【0052】
以下に、ネットワークカメラ装置200の出力規制部156が、発光部210に供給する電力を規制することにより出力を規制する場合の例を、表3を用いて説明する。表3は、出力規制部156が規制されない場合に発光部210全体に給電される電力を100%とした場合の、第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dに給電される電力の分配率を示している。表3によると、電源部への給電がACによる場合、第1発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dに分配されて供給される電力は、それぞれ25%づつである。この場合、発光部210A、第2発光部210B、第3発光部210Cおよび第4発光部210Dは、
図8に示すように、撮像対象S5に、それぞれ照射範囲R1、R2、R3およびR4を有する。
【0053】
ネットワークカメラ装置200は、電源部180への給電がPoEによる給電と判定した場合には、発光制御部154から発光部210への電力の供給が出力規制部156により、例えば70%に規制される。この場合、第1発光部210Aおよび第2発光部210Bに供給される電力が25%、第3発光部210Cに供給される電力が20%、第4発光部210Dに供給される電力がゼロとなる。すなわち、ネットワークカメラ装置200は、出力規制部156により、撮像範囲A5の最も外側を照射範囲R4とする発光部第4発光部210Dへの電力の供給をゼロとし、撮像範囲A5の2番目に外側の照射範囲R3とする第3発光部210Cへの電力の供給を20%とすることにより発光出力を規制し、発光部全体の電力をACの場合の70%に規制する。
【表3】
【0054】
<変形例>
ネットワークカメラ装置100は、カメラ110のズームレベルが、例えば
図7のように望遠の場合において、さらに第2発光部130Bを撮像範囲A
4に向けて発光させることで、第1発光部130Aの発光強度を抑制し、消費電力のピークを下げることができる。具体的には、発光部130は、発光部130のそれぞれの発光方向を移動させる、図示しない発光方向移動機構を備えている。この場合において、第2発光部130Bの発光体の発光方向は、発光方向移動機構により、カメラ110の撮像範囲A
4の中心に向いている。これにより、撮像範囲A
4の撮像に必要な照度の一部が、第2発光部130Bからの発光により分担されるため、第1発光部130Aの発光強度を抑制して、発光部130の消費電力のピークを下げることができる。
【0055】
<効果の説明>
以下に、本開示のそれぞれの態様に係る効果について、図を参照して説明する。本開示の第1の態様に係るネットワークカメラ装置100は、撮像方向を撮像するカメラ110と、カメラ110の撮像方向に発光する複数の発光部130と、第1電源および第1電源より少ない所定の電力以下の第2電源のうちいずれか一方による給電が可能な電源部180と、カメラ110および複数の発光部130を制御する制御部140とを有するネットワークカメラ装置100であって、制御部140は、電源部180への給電が第2電源による給電か否か判定する電源判定部160と、電源判定部160が電源部180への給電が第2電源による給電であると判定した場合に、発光部130の出力を規制する出力規制部156とを備える。
【0056】
第1の態様によれば、ネットワークカメラ装置100は、電源部180に給電される電力が所定の電力以下での給電を行う第2電源か否かを判定する電源判定部160と、電源判定部160が、第2電源による給電と判定した場合に、発光部130の出力を規制する出力規制部156を有する。これにより、ネットワークカメラ装置100は、第2電源であるPoEにより給電される場合に、出力規制部156により発光部130の発光出力が規制されるため、消費電力を抑制することができる。
【0057】
第2の態様に係るネットワークカメラ装置100は、第1の態様において、制御部140は、発光部130の出力を設定する複数の発光出力設定により構成される発光出力テーブルを備え、出力規制部156は、発光出力テーブルに所定の出力規制率を乗じる。
【0058】
第2の態様によれば、ネットワークカメラ装置100は、発光出力テーブルに所定の出力規制率を乗ずることにより消費電力を抑制するため、いずれの発光出力設定においても、一律に発光強度を抑制することにより消費電力を抑制することができ、撮像したデータにおいて一時的に画質が低下することがない。
【0059】
第3の態様に係るネットワークカメラ装置100は、第2の態様において、カメラ110は、焦点距離fを変化させることによるズーム機能を備え、制御部140は、カメラ110の焦点距離fに基づいて、発光出力テーブルから発光出力設定を特定する。
【0060】
第3の態様によれば、ネットワークカメラ装置100のカメラ110は、焦点距離fに対応した発光出力設定で発光部130を発光させることが可能となる。
【0061】
第4の態様に係るネットワークカメラ装置100の発光部130は、第2の態様または第3の態様において、複数の発光部130は、制御部140が特定した発光出力設定に基づき、発光強度および発光領域のうち少なくとも一方が制御されて発光する。
【0062】
第4の態様によれば、ネットワークカメラ装置100の発光部130は、発光強度および発光領域のいずれか少なくとも一方を制御して発光することが可能となる。
【0063】
第5の態様に係るネットワークカメラ装置100は、第2の態様から第4の態様のいずれかにおいて、発光部130は、撮像方向に対して第1の拡散角度θAで発光する第1発光部130Aと、撮像方向に対して第1の拡散角度θAよりも広い第2の拡散角度θBで発光する第2発光部130Bとを備え、発光出力設定は、第1発光部130Aおよび第2発光部130Bのそれぞれの出力の設定を有する。
【0064】
第5の態様によれば、ネットワークカメラ装置100は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、発光部130は、撮像方向に対して第1の拡散角度θAで発光する第1発光部130Aと、撮像方向に対して第1の拡散角度θAよりも広い第2の拡散角度θBで発光する第2発光部130Bとを備えるので、撮像対象Sまでの撮像距離Lおよび撮像範囲Aに対応して、発光領域を選択することができる。
【0065】
第6の態様におけるネットワークカメラ装置200は、第1の態様において、複数の発光部210A、210B、210C、210Dは、カメラ110の撮像範囲A5において、それぞれの照射範囲R1、R2、R3、R4が、カメラ110の撮像範囲A5における中心側から外側に向けて並ぶようそれぞれ配置される。出力規制部は、複数の発光部のうち、カメラ110の撮像範囲A5における外側を照射範囲とする複数の発光部の発光出力を規制する。
【0066】
第6の態様によれば、電源部180に給電される電力がPoEであると電源判定部160が判定した場合に制御部140に発現する出力規制部156は、発光制御部154を規制することにより、カメラ110の撮像範囲A5における外側を照射範囲(例えばR3およびR4)とする複数の発光部(照射範囲R3およびR4が規制された場合においては210Cおよび210D)の発光出力を規制するので、カメラ110の撮像範囲A5における中心側を照射範囲(照射範囲R3およびR4が規制された場合においてはR1およびR2)における照度を落とすことがない。これにより、所定の電力以下のPoEから電力が給電されるおいても、ネットワークカメラ装置200で本来注視すべきカメラ110の中心における画質を落とすことがない。
【0067】
第7の態様に係るネットワークカメラ装置の撮像方法は、撮像方向を撮像するカメラ110と、カメラ110の撮像方向に向けて発光する複数の発光部130と、第1電源および第1電源より少ない所定の電力以下の第2電源のうちいずれかによる給電が可能な電源部180と、カメラ110および電源部180を制御する制御部140と、を有するネットワークカメラ装置100であって、電源部180への給電が第2電源による給電か否か判定するステップと、発光部130の発光出力を規制するステップとを有する。
【0068】
第7の態様によれば、ネットワークカメラ装置100は、ネットワークカメラ装置の撮像方法により撮像対象Sを撮像することで、第1の態様と同じ効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0069】
100、200 ネットワークカメラ装置
110 カメラ
112 集光レンズ
114 撮像センサ
120 撮像方向移動部
130、210 発光部
130A、210A 第1発光部
130B、210B 第2発光部
140 制御部
150 撮像制御部
152 PTZ制御部
154 発光制御部
156 出力規制部
158 通信制御部
160 電源判定部
170 記録部
180 電源部
190 入出力部
210C 第3発光部
210D 第4発光部
A、A1、A2、A3、A4 撮像範囲
f、f1、f2、f3、f4 焦点距離
L、L1、L2、L3、L4 撮像距離
P パン方向
R1、R2、R3、R4 照射範囲
S、S1、S2、S3、S4、S5 撮像対象
T チルト方向
θA、θB 拡散角度
S10 ネットワークカメラ装置を起動するステップ
S20 第2電源による給電か否かを判定するステップ
S30 発光出力テーブルに出力規制率を乗じるステップ
S40 カメラのズームレベルを取得するステップ
S50 発光出力設定を取得するステップ
S60 発光部が発光およびカメラが撮像するステップ