(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】合成樹脂製容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/02 20060101AFI20240910BHJP
B65D 1/42 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B65D1/02 221
B65D1/42
(21)【出願番号】P 2020060582
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-02-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安川 大樹
(72)【発明者】
【氏名】勝田 秀彦
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0186538(US,A1)
【文献】特開2011-136705(JP,A)
【文献】特開2018-002293(JP,A)
【文献】特開2016-030602(JP,A)
【文献】特開平09-272523(JP,A)
【文献】特開2019-116289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部、肩部、胴部、及び底部を備え、内容物を充填、密封した後の容器内が陽圧になる用途に利用可能な合成樹脂製容器であって、
前記胴部が、
角筒状の基本形態を以て形成される前記胴部の各コーナー部が、前記コーナー部を介して隣り合う一方の胴部側面の横幅方向中央と他方の胴部側面の横幅方向中央との間に架け渡される底面部が形成されるように、周方向に沿って容器内方に陥入する凹陥部と、
前記凹陥部に対し、前記コーナー部が相対的に容器外方に張り出すとともに、周面が高さ方向に沿って傾斜する角錐台状に形成された角錐台状部と
を有し、
前記凹陥部と前記角錐台状部とが、高さ方向に沿って交互に配設され、
少なくとも前記胴部側面の横幅方向中央において、前記凹陥部
の前記底面部が、前記角錐台状部の周面とは逆向きに高さ方向に沿って傾斜することを特徴とする合成樹脂製容器。
【請求項2】
前記底面部を含む前記凹陥部の周面が、全周にわたって前記角錐台状部の周面とは逆向きに高さ方向に沿って傾斜する請求項1に記載の合成樹脂製容器。
【請求項3】
前記角錐台状部の周面が、高さ方向に沿って末広がり状に傾斜するとともに、
前記コーナー部における前記角錐台状部の上底面側が円弧状に膨出して、前記凹陥部の前記底面部に連接している請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
【請求項4】
前記胴部が、平面視正方形状の角筒状の基本形態を以て形成されている請求項1~3のいずれか一項に記載の合成樹脂製容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を充填、密封した後の容器内が陽圧になる炭酸飲料用などの用途に利用可能な合成樹脂製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて有底筒状のプリフォームを形成し、次いで、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製の容器が、各種飲料品、各種調味料等を内容物とする容器として広い分野で一般的に利用されている。
【0003】
そして、この種の合成樹脂製容器にあっては、角形ボトルと称される角筒状の容器形状を有するものと、丸形ボトルと称される円筒状の容器形状を有するものとに大別されるが、その用途によっては、適用可能な容器形状が限定されていた。例えば、炭酸飲料用の用途に利用される容器にあっては、内容物を充填、密封した後の容器内が炭酸ガスによって陽圧になるため、圧力を均等に分散させて形状が著しく不均一に変形してしまわないように、通常、その容器形状は円筒状とされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、角筒状の容器形状を有する角形ボトルは、搬送のために箱詰めする際の収納効率がよく、また、店頭に陳列する際のスペース効率もよいなどの利点がある。このため、角形ボトルを炭酸飲料用の用途に利用できるように、例えば、特許文献2では、角筒状に形成された容器胴部に、円環状の補強リブを形成することで、内圧による容器胴部の膨らみを抑制しようとする試みがなされている。
【0005】
しかしながら、特許文献2のように、円環状の補強リブを形成しただけでは、内圧による容器胴部の膨らみを十分には抑制することができなかった。
一般に、容器胴部には、内容物が充填、密封された後に、内容物を表示するラベルが巻き付けられて市場に供される。このため、内圧による容器胴部の膨らみを十分に抑制できていないと、カートンへの収納が困難なだけでなく、輸送時の振動でラベルが擦れ合うなどして破損してしまうというような問題がある。
【0006】
また、この種の合成樹脂製容器の利用が広い分野でより一般的なものとなってきた近年の状況下にあっては、他の商品との差別化を図り、商品訴求力を高めることが求められている。従来、適用可能な容器形状が限定されていた炭酸飲料などを内容物とする容器に、角筒状の容器形状を適用できれば、デザインの多様化により商品訴求力を高めることも可能となる。
【0007】
そこで、本発明者らは、特許文献3において、角筒状の容器形状を有しながらも、内圧による容器胴部の膨らみを十分に抑制することができる合成樹脂製容器を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平10-264917号公報
【文献】特開2008-7147号公報
【文献】特開2018-2293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、さらなる耐圧性能の向上を図るべく、内圧による容器胴部の膨らみをより有効に抑制することができるように鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る合成樹脂製容器は、口部、肩部、胴部、及び底部を備え、内容物を充填、密封した後の容器内が陽圧になる用途に利用可能な合成樹脂製容器であって、前記胴部が、角筒状の基本形態を以て形成される前記胴部の各コーナー部が、前記コーナー部を介して隣り合う一方の胴部側面の横幅方向中央と他方の胴部側面の横幅方向中央との間に架け渡される底面部が形成されるように、周方向に沿って容器内方に陥入する凹陥部と、前記凹陥部に対し、前記コーナー部が相対的に容器外方に張り出すとともに、周面が高さ方向に沿って傾斜する角錐台状に形成された角錐台状部とを有し、前記凹陥部と前記角錐台状部とが、高さ方向に沿って交互に配設され、少なくとも前記胴部側面の横幅方向中央において、前記凹陥部の前記底面部が、前記角錐台状部の周面とは逆向きに高さ方向に沿って傾斜する構成としてある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内容物を充填、密封した後の容器内が陽圧になる用途に利用可能であり、角筒状の基本形態を以て形成された胴部を備えながらも、内圧による胴部の膨らみによる変形が有効に抑制された合成樹脂製容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を示す正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の概略を正面に対して斜め45°の方向から示す斜め側面図である。
【
図7】
図3のA-A端面図と
図3のB-B端面図とを重ねて示す説明図である。
【
図9】実施例において、炭酸水を充填、密封した状態を示す説明図である。
【
図10】従来例の容器胴部の横断面形状を示す説明図である。
【
図11】他の従来例の容器胴部の横断面形状を
図7に対応させて示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る合成樹脂製容器について、その斜め上方から斜視して示す斜視図、
図2は、平面図、
図3は、正面図、
図4は、正面に対して斜め45°の方向から示す斜め側面図である。
また、
図5は、
図3のA-A端面図、
図6は、
図3のB-B端面図、
図7は、
図3のA-A端面図と
図3のB-B端面図とを重ねて示す説明図、
図8は、
図3のC-C端面図であり、これらの端面図にあっては、端面にあらわれる肉厚を省略している。
【0014】
これらの図に示す容器1は、口部2、肩部3、胴部4、及び底部5を備えており、胴部4が角筒状の基本形態を以て形成された、一般に、角形ボトルと称される容器形状を有している。
【0015】
このような容器1は、熱可塑性樹脂を使用して射出成形や圧縮成形などにより有底筒状のプリフォームを作製し、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などにより所定の容器形状に成形することによって製造することができる。
【0016】
使用する熱可塑性樹脂としては、ブロー成形が可能な任意の樹脂を使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,非晶ポリアリレート,ポリ乳酸,ポリエチレンフラノエート又はこれらの共重合体などの熱可塑性ポリエステルが使用でき、特に、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが好適に使用できる。これらの樹脂は二種以上混合してもよく、他の樹脂をブレンドしてもよい。ポリカーボネート,アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン-エチレン共重合体,ポリエチレンなども使用できる。
また、プリフォームは、単層に成形するに限らず、容器1に求められる特性に応じて、ガスバリヤー層などを含む多層に成形することもできる。
【0017】
口部2は、内容物の取り出し口となる円筒状の部位であり、かかる口部2には、容器内を密封する図示しない蓋体が取り付けられる。
また、口部2の下端は、胴部4に向かって拡径して口部2と胴部4との間をつなぐ肩部3に連接している。図示する例において、肩部3は、概ね円錐台状に形成されているが、肩部3の形状は、これに限定されない。
【0018】
胴部4は、容器1の高さ方向の大半を占める部位であり、上端が肩部3に連接し、下端が底部5に連接している。図示する例において、底部5は、容器内が陽圧になっても自立安定性が損なわれないように、複数の脚部50が中心軸周りに回転対称に、かつ、均等な間隔で放射状に配設した形状とされているが、内容物を充填、密封した後も容器1が自立可能であれば、底部5の形状は、特に限定されない。
【0019】
ここで、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に正立させたときに、水平面に直交する方向をいうものとし、この状態(
図3又は
図4に示す状態)で容器1の上下左右及び縦横の方向を規定するものとする。
また、
図3及び
図4には、中心軸Cを一点鎖線で示しているが、特に断りのない限り、中心軸Cに直交する面で切断した断面を横断面というものとする。
【0020】
本実施形態において、胴部4は、
図2に示すように、コーナー部がR面取りされた、平面視正方形状の角筒状の基本形態を以て形成されるのが好ましいが、これに限定されない。
【0021】
また、胴部4は、高さ方向に沿って交互に配設された、凹陥部41と角錐台状部40を有している。図示する例では、五つの凹陥部41と、四つの角錐台状部40とが、高さ方向に沿って交互に配設されているが、凹陥部41の配設数と角錐台状部40の配設数は、容器1の容量などに応じて適宜変更することができる。
【0022】
凹陥部41では、角筒状の基本形態を以て形成される胴部4の各コーナー部が、コーナー部を介して隣り合う一方の胴部側面の横幅方向中央と他方の胴部側面の横幅方向中央との間に架け渡される底面部41aが形成されるように、周方向に沿って容器内方に陥入している(特に、
図1、
図6及び
図7参照)。
【0023】
一方、角錐台状部40は、周面が高さ方向に沿って傾斜する角錐台状(図示する例では、四角錐台状)に形成された部位であり、角錐台状部40では、コーナー部が容器内方に陥入する凹陥部41に対し、コーナー部が相対的に容器外方に張り出すことによって、角筒状の基本形態を以て胴部4が形成されるようにしている(特に、
図1及び
図4参照)。
【0024】
換言すれば、凹陥部41は、上方及び/又は下方に位置する角錐台状部40の周面と連なる部位が、胴部側面の横幅方向中央に残るように、胴部4の各コーナー部を容器内方に陥入させることによって形成されている。
【0025】
これにより、底面部41aを辺とする凹陥部41の横断面形状が、角錐台状部40の横断面形状に概ね相似するとともに、その頂部(底面部41aの周方向両端部)が各胴部側面の横幅方向中央に位置するようにしている(特に、
図5、
図6及び
図7参照)。
【0026】
なお、
図5は、角錐台状部40の横断面形状(
図3のA-A端面)を示しており、
図6は、凹陥部41の横断面形状(
図3のB-B端面)を示しており、これらの横断面形状を
図7に重ねて示している。
【0027】
ここで、「概ね相似する」とは、角錐台状部40の横断面形状と、凹陥部41の横断面形状とが、同数の辺、同数の頂部を有する同様の形状と認識できる程度に類似していることをいうものとする。
図示する例では、凹陥部41の周方向に隣り合う底面部41a,41aが、一方の底面部41aの周方向端部と他方の底面部41aの周方向端部とが、胴部側面の横幅を二等分した真ん中の部位で高さ方向に沿って線状に交わるように形成されているが、両者の間には、上方及び/又は下方に位置する角錐台状部40の周面に連なる面が形成されるようにしてもよい。これにより、凹陥部41の横断面形状は、頂部がC面取り状に面取りされた形状となるが、このような態様とした場合にも、図示する例における角錐台状部40の横断面形状と概ね相似するのはいうまでもない。
したがって、本発明でいう「胴部側面の横幅方向中央」は、胴部側面の横幅を厳密に二等分した真ん中の部位と解すべきではなく、上記態様が含まれるように解するものとする。
【0028】
そして、本実施形態にあっては、このような凹陥部41と角錐台状部40を高さ方向に沿って交互に配設するとともに、少なくとも胴部側面の横幅方向中央において、凹陥部41が、角錐台状部40の周面とは逆向きに高さ方向に沿って傾斜するようにしている(特に、
図8参照)。
【0029】
このようにすることで、本実施形態によれば、容器内が陽圧になっても、胴部4の膨らみによる変形を有効に抑制することができる。その理由について、従来例と対比しつつ説明する。
【0030】
胴部の横断面形状が正方形状とされた角形ボトルは、容器内が陽圧になると、
図10に示すように、胴部側面には、容器外方に膨らむように変形させようとする力が作用するとともに、胴部のコーナー部には、当該コーナー部を容器内方に引き込むように変形させようとする力が作用する。その結果、これらの力の作用によって、角形ボトルは、胴部の横断面形状が円形状となるように変形する。
【0031】
また、特許文献2のように、横断面形状が正方形状とされた角形ボトルの胴部に、円環状の補強リブを形成すると、円環状の補強リブが形成された部位の横断面形状は円形状となる。このため、容器内が陽圧になったときに、円環状の補強リブが形成された部位は、補強リブ全体に均等に内圧(力)が作用するため容器外方に膨らみ難くなる。一方、横断面形状が正方形状の胴部においては、容器外方に膨らむように変形させる内圧(力)が作用すると、胴部側面は容易に膨らんで変形し、コーナー部は容器内方に引き込むように変形するため、角形ボトルの胴部の角形を維持できなくなってしまう(
図11参照)。
【0032】
これらに対し、本実施形態にあっては、容器内が陽圧になると、凹陥部41には、その底面部41aに容器外方に膨らむように変形させる力が作用するとともに、胴部側面の横幅方向中央に位置する凹陥部41の横断面頂部となる部位には、容器内方に引き込むように変形させる力が作用する。そして、
図7に、それぞれの力の向きを矢印で示すように、これらの力の作用によって、胴部4のコーナー部を容器内方に引き込むように変形させる力と、胴部側面を容器外方に膨らむように変形させる力の両方が相殺され、その結果、胴部4の膨らみによる変形を抑制できる。
【0033】
さらに、本実施形態にあっては、少なくとも胴部側面の横幅方向中央において、凹陥部41と角錐台状部40をそれぞれ高さ方向に沿って逆向きに傾斜させることによって、凹陥部41と角錐台状部40との交点における周長を短くして、凹陥部41と角錐台状部40が大きく変形しても、概ね
図8に二点鎖線で示す程度にまでしか変形しないようにすることができ、胴部側面の変形をより有効に抑制することができる。
【0034】
このようにして、凹陥部41と角錐台状部40とが容器外方に大きく変形してしまうのを抑制するにあたり、高さ方向に沿った凹陥部41の傾斜角度θ1と角錐台状部40の傾斜角度θ0は、これらの部位に容器内方から作用する力の大きさに応じて適宜設計できるが、例えば、2~14°とするのが好ましい。
【0035】
なお、図示する例では、底部5の形状との関係から、最も下側に位置する凹陥部41では、その胴部側面の横幅方向中央の部位が、高さ方向に沿って傾斜するようになっていない。本実施形態では、高さ方向に沿って上下に隣り合って配設された少なくとも一対の凹陥部41と角錐台状部40において、胴部側面の横幅方向中央の部位が、それぞれ高さ方向に沿って逆向きに傾斜する関係にあればよい。
【0036】
また、凹陥部41の底面部41aに容器内方から作用する力に抗して、底面部41aの変形を抑制する観点から、底面部41aを含む凹陥部41の周面が、全周にわたって角錐台状部40の周面とは逆向きに高さ方向に沿って傾斜しているのが好ましい。さらに、同様の観点から、角錐台状部40の周面が、高さ方向に沿って末広がり状に傾斜するようにし、これとともに、コーナー部における角錐台状部40の上底面40a側が円弧状に膨出して、凹陥部41の底面部41aに連接しているのが好ましい(特に、
図4参照)。
【実施例】
【0037】
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
【0038】
ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いて、有底筒状のプリフォームを射出成形により作製した。作製したプリフォームを加熱して軟化させた後、ブロー成形型にセットして、二軸延伸ブロー成形により
図1などに示す容器形状となるように、容器1を成形した。
容器1の高さHは206mm、横幅Wは60mm、対角幅Dは71mm、対角幅Dと横幅Wとの比(D/W)は1.18であった。
【0039】
次いで、容器1に、22℃の温度条件下において容器内の圧力が0.42MPaとなるように炭酸水を充填・密封し、設定温度38℃の恒温槽に24時間静置した。
静置後の容器1を3Dスキャンした正面図に対応する画像データを
図9に示す。
また、静置後の容器1について、胴部4の最大横幅W1、最大対角幅D1を測定した。測定値から求めた横幅変化率[((W1-W)/W)×100%]は-0.13%、対角幅変化率[((D1-D)/D)×100%]は0.23%、最大対角幅D1と最大横幅W1との比(D1/W1)は1.18であった。
これらの結果から、胴部4の膨らみによる変形を有効に抑制できていることが確認できた。
【0040】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0041】
例えば、前述した実施形態では、角錐台状部40の周面が、高さ方向に沿って下方に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜し、凹陥部41の周面が、高さ方向に沿って下方に向かうにつれて中心軸Cに近づくように傾斜する例を図示して説明したが、それぞれ図示する例とは逆向きに傾斜するようにしてもよい。
【0042】
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、炭酸飲料用の用途の他にも、例えば、窒素ガスなどが内容物とともに封入されて容器内が陽圧になる用途にも利用可能であるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 容器
2 口部
3 肩部
4 胴部
40 角錐台状部
40a 角錐台状部の上底面
41 凹陥部
41a 底面部