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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】車両用制御装置及び車両用制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20240910BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240910BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240910BHJP
   B60R 16/037 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G06F21/62 318
H04Q9/00 301B
H04M1/00 R
B60R16/037
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020066477
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021163346
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 晋
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-233064(JP,A)
【文献】特開2016-172472(JP,A)
【文献】特開2012-203428(JP,A)
【文献】特開2010-238090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0210287(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
H04Q 9/00
H04M 1/00
B60R 16/037
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるデバイスを制御する制御部と、
アカウントを管理するアカウント管理部とを具備し、
前記制御部は、ユーザによって選択された前記アカウントの種類が前記車両の管理者用のアカウントである場合、運転席の照明及び運転席のシート位置の操作を禁止し、運転席以外の照明及び運転席以外のシート位置の操作を可能とすることを特徴とする車両用制御装置。
【請求項2】
前記ユーザによって選択された前記アカウントの種類が第1アカウントである場合、前記制御部は、前記ユーザの携帯端末により可能な前記デバイスに対する操作を、前記車両の運転者への影響度が小さい操作として予め定められた範囲の操作に制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記ユーザによって選択された前記アカウントの種類が前記第1アカウントである場合、前記制御部は、予め定められた期間内において、前記ユーザの携帯端末による前記デバイスに対する操作を可能とすることを特徴とする請求項2に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
前記ユーザによって選択された前記アカウントの種類が第2アカウントである場合、前記制御部は、前記車両の管理者による承認が得られた場合に、前記ユーザの携帯端末により前記予め定められた範囲の操作及び前記予め定められた範囲の操作以外の操作を可能とする請求項2又は3に記載の車両用制御装置。
【請求項5】
車両に搭載されるデバイスを制御する車両用制御装置が、アカウントに対応する二次元コードを表示する工程と、
ユーザの携帯端末が、前記二次元コードを読み取ることによって、前記車両用制御装置にアクセスする工程と、
前記車両用制御装置が、前記ユーザによって選択された前記アカウントの種類が前記車両の管理者用のアカウントである場合、運転席の照明及び運転席のシート位置の操作を禁止し、運転席以外の照明及び運転席以外のシート位置の操作を可能とする工程と、を有することを特徴とする車両用制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制御装置及び車両用制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年販売されている車両の中には、車両内のエンターテインメントが充実しており、各シートに座る乗員に対して個別の空調装置が装備されているものもある。このようなデバイス(車載装置)の増加に伴い、かかるデバイスを操作するためのスイッチが増加してシステムが複雑化している。
【0003】
したがって、かかる問題点を解決するために、スマートフォンのような携帯端末を用いてデバイスを操作する技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-135688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、運転者以外の者によって自由にデバイスの操作を行うことができるため、安全運転に支障の出るようなデバイスの操作(例えば、運転者のシートを倒すような操作)が行われてしまう可能性があるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安全運転に対して配慮しつつユーザの利便性を向上させることができる車両用制御装置及び車両用制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る車両用制御装置は、車両に搭載されるデバイスを制御する制御部と、アカウントを管理するアカウント管理部とを具備し、前記制御部は、ユーザによって選択された前記アカウントの種類及び前記車両の運転者への影響度に応じて、前記ユーザの携帯端末により可能な前記デバイスに対する操作を制限することを要旨とする。
【0008】
一実施形態に係る車両用制御方法は、車両に搭載されるデバイスを制御する車両用制御装置が、アカウントに対応する二次元コードを表示する工程と、前記ユーザの携帯端末が、前記二次元コードを読み取ることによって、前記車両用制御装置にアクセスする工程と、前記車両用制御装置が、前記アカウントの種類及び前記車両の運転者への影響度に応じて、前記ユーザの携帯端末により可能な前記デバイスに対する操作を制限する工程とを有することを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る車両用制御装置を含むシステムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る車両用制御装置によって制限される操作を示す表の一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係る車両用制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、一実施形態に係る車両用制御装置の動作の一例を説明するための図である。
図5図5は、一実施形態に係る車両用制御装置の動作の一例を説明するための図である。
図6図6は、一実施形態に係る車両用制御装置の動作の一例を説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係る車両用制御装置の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
以下、図1図3を参照して、本発明の一実施形態に係る車両用制御装置100を含む制御システム10について説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る制御システム10は、車両1と、ユーザの携帯端末2と、ネットワーク3とを有している。
なお、携帯端末2は、スマートフォンやタブレット端末等の通信機能を有する機器である。図1に示すように、携帯端末2は、送受信部2Aと、制御部2Bと、入力部2Cと、表示部2Dと、記憶部2Eと、撮像部2Fとを有している。
送受信部2Aは、上述の通信機能によって構成されており、例えば、ネットワーク3や車両1の送受信部103との間で信号の送受信を行うように構成されている。
制御部2Bは、携帯端末2の各機能を制御するように構成されている。入力部2Cは、携帯端末2のユーザによる入力を受け付けるように構成されている。表示部2Dは、各種情報を表示するように構成されている。記憶部2Eは、各種情報を記憶するように構成されている。撮像部2Fは、動画像や静止画像を撮像するように構成されている。
例えば、入力部2C及び表示部2Dは、タッチ液晶によって構成されており、撮像部2Fは、カメラによって構成されている。
【0013】
図1に示すように、車両1には、エアコン31や電動パワーシート32やカーナビゲーション33や室内灯34等のデバイスが搭載されている。ここで、かかるデバイスとして、他のデバイスが搭載されていてもよい。また、本実施形態では、カーナビゲーション33が、テレビ電波を受信して映像及び音声を出力するテレビ機能や、ラジオ電波を受信して音声を出力するラジオ機能を含むオーディオ機能を有しているが、かかるオーディオ機能を有するデバイスが、別途設けられていてもよい。
【0014】
また、車両1には、車両用制御装置100が搭載されている。車両用制御装置100は、制御部101と、アカウント管理部102と、送受信部103と、親画面104と、子画面105とを有している。
【0015】
制御部101は、車両1に搭載されるデバイス31~34を制御するように構成されている。
【0016】
具体的には、制御部101は、ユーザによって選択されたアカウントの種類及び車両1の運転者への影響度に応じて、ユーザの携帯端末2により可能なデバイス31~34に対する操作を制限するように構成されている。
【0017】
例えば、ユーザによって選択されたアカウントの種類が第1アカウントである場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なデバイス31~34に対する操作を、運転者への影響度が小さい操作として予め定められた範囲の操作に制限するように構成されている。
【0018】
ここで、ユーザによって選択されたアカウントの種類が第1アカウントである場合、制御部101は、予め定められた期間内において、ユーザの携帯端末2によるデバイス31~34に対する操作を可能とするように構成されていてもよい。すなわち、かかる場合、制御部101は、予め定められた期間が経過した後は、ユーザの携帯端末2によるデバイス31~34に対する操作を禁止するように構成されていてもよい。
【0019】
一方、ユーザによって選択されたアカウントの種類が第2アカウントである場合、制御部101は、車両1の管理者による承認が得られた場合に、ユーザの携帯端末2により予め定められた範囲の操作及び予め定められた範囲の操作以外の操作を可能とするように構成されている。
【0020】
なお、以下、第1アカウントは、ゲストアカウント或いはチャイルドアカウントに対応し、第2アカウントは、管理者アカウント或いは標準アカウントに対応する。
【0021】
ここで、管理者アカウントは、車両1の管理者用のアカウントであり、標準アカウントは、車両1の運転者以外のユーザや家族等の一般ユーザ用のアカウントであり、ゲストアカウントは、タクシー客等のゲスト用のアカウントであり、チャイルドアカウントは、子供用のアカウントである。
【0022】
図2に、制御部101によって制限されるユーザの携帯端末2によるデバイス31~34の操作を示す。
【0023】
図2の例では、ユーザによって管理者アカウント或いは標準アカウントが選択された場合、制御部101は、特段の制限を設けることなく、ユーザの携帯端末2によるオーディオ機能における音量の調節及び選択やモードの切り換えを可能とするように構成されている。ここで、モードの切り換えとは、TVモードと音楽モードとラジオモードとを切り替えることである。
【0024】
同様に、ユーザによって管理者アカウント或いは標準アカウントが選択された場合、制御部101は、特段の制限を設けることなく、ユーザの携帯端末2によるカーナビゲーション33における目的地の設定やエアコン31における設定温度の調節も可能とするように構成されている。
【0025】
なお、ユーザによって管理者アカウントが選択された場合であっても、運転者への影響度が大きいため、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能な室内灯34の照明の調節及び電動パワーシート32におけるシート位置の調節については、運転席以外の調節に制限するように構成されている。
【0026】
同様に、ユーザによって標準アカウントが選択された場合であっても、運転者への影響度が大きいため、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能な室内灯34の照明の調節及び電動パワーシート32におけるシート位置の調節については、自席の調節のみ或いはシートレバーがPレンジに入っているときの調節のみに制限するように構成されている。
【0027】
一方、ユーザによってゲストアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なオーディオ機能における音量の調節及び選択やモードの切り換えを、運転者への影響度が小さい操作として予め定められた範囲の操作(規定範囲内の操作)に制限するように構成されている。
【0028】
また、ユーザによってゲストアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能な室内灯34の照明の調節については、自席の読書灯の調節のみに制限するように構成されている。
【0029】
また、ユーザによってゲストアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能な電動パワーシート32におけるシート位置の調節については、自席の調節のみに制限するように構成されている。
【0030】
また、ユーザによってゲストアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なカーナビゲーション33における目的地の設定については、目的地の設定のみに制限するように構成されている。ここで、ゲストアカウントが、タクシー客用のアカウントである場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なカーナビゲーション33における目的地の設定について、初回の目的地の設定のみに制限するように構成されてもよい。
【0031】
さらに、ユーザによってゲストアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なエアコン31における設定温度の調整については、特段の制限なく可能とするように構成されていてもよいし、自席の調節のみに制限するように構成されている。
【0032】
ユーザによってチャイルドアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なオーディオ機能における操作を、選曲、早送り及び早戻しのみに制限するように構成されている。
【0033】
また、ユーザによってチャイルドアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2によるオーディオ機能におけるモードの切り換え、室内灯34の照明の調節、電動パワーシート32におけるシート位置の調節及びカーナビゲーション33における目的地の設定について禁止するように構成されている。
【0034】
なお、ユーザによってチャイルドアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2によるオーディオ機能におけるモードの切り換えやカーナビゲーション33における目的地の設定については、禁止せずに、ユーザによってゲストアカウントが選択された場合等と同様の制限とするように構成されていてもよい。
【0035】
さらに、ユーザによってチャイルドアカウントが選択された場合、制御部101は、ユーザの携帯端末2により可能なエアコン31における設定温度の調整については、自席の調節のみに制限するように構成されている。
【0036】
アカウント管理部102は、アカウントを生成して管理するように構成されている。
【0037】
例えば、アカウント管理部102は、図2に示すように、各アカウントのユーザの携帯端末2によって操作可能な機能を設定するように構成されている。図2の例では、アカウント管理部102は、斜線部分の機能の操作について、運転者への影響がない範囲で許可している。また、図2の例では、アカウント管理部102は、太線で囲まれた機能の操作について、運転者への影響を配慮すべき操作として設定を行っている。
【0038】
送受信部103は、インターネット等のネットワーク3を介して、或いは、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)や赤外線通信等の短距離通信を用いて、ユーザの携帯端末2との間で通信するように構成されていている。
【0039】
親画面104は、ユーザの携帯端末2による操作(遠隔操作)の設定を行うための操作パネルであり、管理者アカウント、標準アカウント、ゲストアカウント及びチャイルドアカウントへのアクセスキー(例えば、リンク先のURLアドレス)及びアクセスコードを含む二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))、すなわち、各アカウントに対応する二次元コードを表示する(後述の図4(a)を参照)。
【0040】
例えば、親画面104は、車両1の運転席と助手席との間に配置される。かかる場合、親画面104は、カーナビゲーション33のディスプレイ上の画面であってもよい。
【0041】
子画面105は、親画面104によって指示されたアカウント(例えば、ゲストアカウント)へのアクセスキー及びアクセスコードを含む二次元コード(例えば、QRコード)を表示する(後述の図4(b)を参照)。例えば、子画面105は、車両1の後部座席に配置される。
【0042】
以下、図3図7を参照して、本実施形態に係る車両用制御装置100の動作の一例について説明する。
【0043】
図3に示すように、ステップS101において、車両用制御装置100は、アクセス要求を受信すると、本動作は、ステップS102に進む。
【0044】
例えば、個人用の車両1の場合、管理者が、親画面104を操作してアクセス要求を送信する。或いは、タクシーやバス等の交通機関用の車両1の場合、客が、例えば、客席等に配置された操作パネル等を操作してアクセス要求を送信する。
【0045】
ステップS102において、車両用制御装置100は、各アカウントへのアクセスキー及びアクセスコードを含む二次元コードを表示する。例えば、個人用の車両1の場合、車両用制御装置100は、管理者によって選択されたアカウントへのアクセスキー及びアクセスコードを含む二次元コードを表示する。或いは、交通機関用の車両1の場合、車両用制御装置100は、ゲストアカウントへのアクセスキー及びアクセスコードを含む二次元コードを表示する。
【0046】
ここで、管理者によって管理者アカウントが選択された場合、図4(a)に示すように、車両用制御装置100は、親画面104に、管理者アカウントへのアクセスキー及びアクセスコードを含む二次元コードを表示してもよい。なお、親画面104にのみ二次元コードを表示するように構成することで、後部座席の乗員からアクセス要求が行われることを抑制することができる。
ここで、管理者によって「後部座席に表示」ボタンが押下された場合、車両用制御装置100は、かかる二次元コードを後部座席に配置されている子画面105に表示する。
【0047】
また、管理者によってゲストアカウントが選択された場合(例えば、公共交通機関用の車両1の場合)、図4(b)に示すように、車両用制御装置100は、子画面105に、ゲストアカウントへのアクセスキー及びアクセスコードを含む二次元コードを表示してもよい。
【0048】
ステップS103において、ユーザの携帯端末2は、表示された二次元コードを読み取ることによって、かかる二次元コードに含まれるアクセスキーによって指定されるネットワークサーバや車載ゲートウェイ等に接続してアクセスコードを受信する。
【0049】
そして、ユーザの携帯端末2及び車両用制御装置100は、上述の二次元コードに含まれているアクセスコード及び受信したアクセスコードが一致するか否かについて確認することによって認証を行う。かかる認証に成功した場合、本動作は、ステップS104に進み、かかる認証に失敗した場合には、本動作は、ステップS103を繰り返す。
【0050】
ステップS104において、認証に成功したアカウントが管理者アカウントである場合には、本動作は、ステップS105に進み、それ以外の場合には、本動作は、ステップS106に進む。
【0051】
ステップS105において、管理者は、上述のユーザが管理者アカウントとしてデバイス31~34にアクセスを許可するか否かについて判断する。
【0052】
具体的には、図5に示すように、車両用制御装置100は、親画面104に、管理者に対して、上述のユーザの携帯端末2により管理者アカウントとしてデバイス31~34を操作することを許可するかどうかを確認するためのメッセージを表示する。なお、かかるメッセージは、管理者によって指定された管理者の携帯端末2に表示することで、よりセキュリティ性を向上させることができる。
【0053】
ここで、管理者によって、上述のアクセスが許可された場合、車両用制御装置100は、かかるユーザの携帯端末2を、管理者アカウントとして登録し、上述のユーザの携帯端末2により管理者アカウントとしてデバイス31~34を操作することを許可する。
【0054】
上述の構成によれば、第三者からの不正なデバイス31~34へのアクセスを抑制することができる。
【0055】
なお、管理者によって、上述のアクセスが許可されない場合、本動作は、ステップS105を繰り返す。ここで、ステップS105について所定回数だけ繰り返されても、上述のアクセスが許可されなかった場合、車両用制御装置100は、かかるアクセス要求について取り下げてもよい。
【0056】
ステップS106において、認証に成功したアカウントが標準アカウントである場合には、本動作は、ステップS107に進み、それ以外の場合には、本動作は、ステップS108に進む。
【0057】
ステップS107において、管理者は、ステップS105と同様に、上述のユーザが標準アカウントとしてデバイス31~34にアクセスを許可するか否かについて判断する。
【0058】
ここで、管理者によって、上述のアクセスが許可された場合、車両用制御装置100は、かかるユーザの携帯端末2を、標準アカウントとして登録し、上述のユーザの携帯端末2により標準アカウントとしてデバイス31~34を操作することを許可する。
【0059】
なお、管理者によって、上述のアクセスが許可されない場合、本動作は、ステップS107を繰り返す。ここで、ステップS107について所定回数だけ繰り返されても、上述のアクセスが許可されなかった場合、車両用制御装置100は、かかるアクセス要求について取り下げてもよい。
【0060】
ステップS108において、認証に成功したアカウントがゲストアカウントである場合には、車両用制御装置100は、かかるユーザの携帯端末2を、ゲストアカウントとして登録し、上述のユーザの携帯端末2によりゲストアカウントとしてデバイス31~34を操作することを許可し、それ以外の場合には、本動作は、ステップS111に進む。
【0061】
ステップS109において、車両用制御装置100は、終了フラグが設定されたか否かについて確認する。かかる終了フラグの設定が確認された場合、本動作は、ステップS110に進む。
【0062】
例えば、交通機関の車両1(例えば、タクシー)の場合、ゲストアカウントとして登録されている携帯端末2のユーザによる乗車運賃の精算が終わった場合に、かかる終了フラグが設定されてもよい。
【0063】
或いは、ゲストアカウントとしてユーザの携帯端末2を登録する際に設定された所定期間(例えば、1日間や3日間)が経過した場合に、かかる終了フラグが設定されてもよい。
【0064】
或いは、チャイルドアカウントとして登録されている携帯端末2によるオーディオ機能の操作によって再生された映画や音楽等が終了した場合に、かかる終了フラグが設定されてもよい。
【0065】
或いは、図6に示すように、任意のタイミングで管理者によって親画面104において対象アカウントに対応する二次元コードの「リセット/更新」ボタンが押下された場合、かかる終了フラグが設定されてもよい。
【0066】
ステップS110において、車両用制御装置100は、かかるゲストアカウントとしてのユーザの携帯端末2の登録をリセットする。
【0067】
ステップS111において、認証に成功したアカウントがチャイルドアカウントである場合には、車両用制御装置100は、かかるユーザの携帯端末2を、チャイルドアカウントとして登録し、上述のユーザの携帯端末2によりチャイルドアカウントとしてデバイス31~34を操作することを許可し、それ以外の場合には、本動作は、ステップS110に進む。
【0068】
ステップS112において、車両用制御装置100は、上述の終了フラグが設定されたか否かについて確認する。かかる終了フラグの設定が確認された場合、本動作は、ステップS110に進む。
【0069】
図7に、ゲストアカウント或いはチャイルドアカウントとして登録されたユーザの携帯端末2における表示形態の一例を示す。図7(a)の例では、ユーザの携帯端末2によりエアコン31の操作のみが許可されており、図7(b)の例では、ユーザの携帯端末2によりカーナビゲーション33の操作のみが許可されている。
【0070】
図7(a)の例では、ユーザの携帯端末2により可能なエアコン31の操作は、風量の調節及び温度の調節である。図7(a)の例では、ユーザの携帯端末2による操作が禁止されている機能に対してはハッチングされているが、図7(b)に示すように、ユーザの携帯端末2による操作が許可されている機能のみ表示するように構成されていてもよい。
【0071】
一般的に、運転者以外のユーザが、デバイスの操作を行った場合、安全運転を行う運転者への配慮が不足する可能性がある。特に、子供やタクシー客の場合、その可能性が大きくなる。したがって、本実施形態によれば、ユーザの携帯端末2によりデバイス31~34の操作を行う場合、ユーザに応じたアカウントを付与し、デバイス31~34の操作を制限することによって、運転者への配慮及びユーザの利便性を確保することができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、運転者への影響度に基づいて、ユーザの携帯端末2により可能なデバイス31~34の操作を変更することによって、運転者への配慮及びユーザの利債性をより確保することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、タクシー等の交通機関の車両1を対象とする場合、ユーザの乗車期間のみデバイス31~34の操作を可能とすることや、ユーザの乗車時のみにカーナビゲーション33における目的地の設定を可能とすることができる。また、本実施形態によれば、個人の車両1の場合、友人等の一時的な乗員を対象にゲストアカウン卜を付与することができる。その結果、運転者への配慮を確保しながら、セキュリティ性及びユーザの利便性を両立させることが可能である。
【0074】
さらに、本実施形態によれば、運転者への影響をあまり考慮することなくユーザの携帯端末2によりデバイス31~34を操作可能な管理者アカウントや標準アカウントを付与する場合には、管理者によって事前に承認を行うことで、セキュリティ性を向上させつつ、運転者への配慮及びユーザの利便性を確保することができる。
【0075】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本実施形態によれば、安全運転に対して配慮しつつユーザの利便性を向上させることができる車両用制御装置及び車両用制御方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
1…車両
2…携帯端末
2A…送受信部
2B…制御部
2C…入力部
2D…表示部
2E…記憶部
2F…撮像部
3…ネットワーク
10…制御システム
31…エアコン
32…電動パワーシート
33…カーナビゲーション
34…室内灯
100…車両用制御装置
101…制御部
102…アカウント管理部
103…送受信部
104…親画面
105…子画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7