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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】投光装置および車両用投光装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240910BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240910BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20240910BHJP
   F21S 41/25 20180101ALI20240910BHJP
   F21S 41/33 20180101ALI20240910BHJP
   F21S 41/675 20180101ALI20240910BHJP
   F21S 41/148 20180101ALI20240910BHJP
   F21S 41/16 20180101ALI20240910BHJP
   F21V 14/04 20060101ALI20240910BHJP
   B60Q 1/14 20060101ALI20240910BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20240910BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20240910BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240910BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240910BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21V5/04 400
F21V7/00 590
F21S2/00 355
F21S41/25
F21S41/33
F21S41/675
F21V5/04 600
F21S41/148
F21S41/16
F21V14/04
B60Q1/14 A
B60Q1/04 Z
F21W102:10
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020080019
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021174739
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】竹本 誠二
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-523897(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0072433(US,A1)
【文献】特開2014-222567(JP,A)
【文献】国際公開第2020/065391(WO,A1)
【文献】特開2015-025874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
F21V 7/00
F21S 41/00
F21V 14/04
B60Q 1/00
F21W 102/10
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に並んで配置された複数の発光部を有する光源と、
前記複数の発光部から光が照射されるとともに光を集束させる、前記複数の発光部と同じ数設けられる複数の凸状レンズと、
前記複数の凸状レンズを透過した光を前記複数の発光部が並ぶ方向に走査するミラー部と、前記ミラー部を揺動させる駆動源と、を有する光スキャナと、
前記複数の凸状レンズと前記ミラー部との間に配置されるか、または前記ミラー部から走査された光が投影される位置に配置される投影レンズと、を備え、
前記複数の凸状レンズは、前記ミラー部の静止時に前記複数の凸状レンズを透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されるとともに、前記光源を挟んで反対側に形成される前記複数の凸状レンズの虚像が並んで配置されるように構成され
前記投影レンズが前記複数の凸状レンズと前記ミラー部との間に配置される場合には、前記凸状レンズは、照射された光を前記投影レンズに照射するように構成され、
前記投影レンズが前記ミラー部から走査された光が投影される位置に配置される場合には、前記投影レンズは、前記ミラー部から走査された光を集光するように構成されている、投光装置。
【請求項2】
隣接する前記複数の凸状レンズは、前記複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔と同じか、または前記複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔よりも小さい間隔で所定の方向に並んで配置されている、請求項1に記載の投光装置。
【請求項3】
前記複数の凸状レンズは、前記複数の発光部に対向する位置から前記複数の凸状レンズが並ぶ方向にずれて配置される、請求項2に記載の投光装置。
【請求項4】
前記複数の凸状レンズは、前記ミラー部または前記投影レンズに入射される位置において、前記複数の発光部が並んで配置される方向における光の集束の幅の大きさが、隣接する前記複数の発光部間の間隔の大きさ以下となるように配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の投光装置。
【請求項5】
前記光スキャナは、前記駆動源を制御する制御部を有し、
前記光スキャナの前記制御部は、前記ミラー部の走査時の走査角度を静止時の前記ミラー部から反射される光の光度のピークの値の半分の値になる角度である半値全角以下にするように前記駆動源を制御するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の投光装置。
【請求項6】
前記複数の凸状レンズは、主点を通るとともに前記光源を挟んで反対側に形成される前記複数の凸状レンズの虚像が近接して並んで配置されるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の投光装置。
【請求項7】
前記ミラー部の静止時の前記光源からの光の入射角が、35度以上45度以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の投光装置。
【請求項8】
前記投影レンズは、照射された光が走査される方向に沿って光を結像させるとともに、照射された光が走査される方向と直交する方向に向かって光を集光させるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の投光装置。
【請求項9】
車両に搭載され、前記車両の前方に光を照射する車両用投光装置であって、
所定の方向に並んで配置された複数の発光部を有する光源と、
前記複数の発光部から光が照射されるとともに光を集束させる、前記複数の発光部と同じ数設けられる複数の凸状レンズと、
前記複数の凸状レンズを通過した光を前記複数の発光部が並ぶ方向に走査するミラー部と、前記ミラー部を揺動させる駆動源と、を有する光スキャナと、
前記複数の凸状レンズと前記ミラー部との間に配置されるか、または前記ミラー部から走査された光が投影される位置に配置される投影レンズと、を備え、
前記複数の凸状レンズは、前記ミラー部の静止時に前記複数の凸状レンズを透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されるとともに、前記光源を挟んで反対側に形成される前記複数の凸状レンズの虚像が並んで配置されるように構成され
前記投影レンズが前記複数の凸状レンズと前記ミラー部との間に配置される場合には、前記凸状レンズは、照射された光を前記投影レンズに照射するように構成され、
前記投影レンズが前記ミラー部から走査された光が投影される位置に配置される場合には、前記投影レンズは、前記ミラー部から走査された光を集光するように構成されている、車両用投光装置。
【請求項10】
前記ミラー部は、前記ミラー部の静止時の前記ミラー部から反射される光の光度のピークの値の半分の値になる角度である半値全角が、前記複数の発光部の1つ当たりの半値全角と前記複数の発光部の個数との積の値以上になるように設定されている、請求項9に記載の車両用投光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投光装置および車両用投光装置に関し、特に、複数の発光部を有する光源を備える投光装置および車両用投光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発光部を有する光源を備える投光装置および車両用投光装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、発光素子を備えた光源と、光源が出射した光を反射するミラーと、ミラーを往復回動しミラーの反射光により照明領域をスキャンする操作用アクチュエータとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-89990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているように複数の発光部を備える場合、複数の発光部間の間隔が広いと、照射光の強度分布において、ミラー部に照射される発光部毎の光度のピークの間に光度が低い谷部が大きく形成される。そのため、ミラー部を往復回動しミラー部の反射光により照明領域をスキャン(走査)させたときに局所的な光度のばらつきが発生するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ミラー部を走査した際に局所的な光度のばらつきの発生を抑制することが可能な投光装置および車両用投光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による投光装置は、所定の方向に並んで配置された複数の発光部を有する光源と、複数の発光部から光が照射されるとともに光を集束させる、複数の発光部と同じ数設けられる複数の凸状レンズと、複数の凸状レンズを透過した光を複数の発光部が並ぶ方向に走査するミラー部と、ミラー部を揺動させる駆動源と、を有する光スキャナと、複数の凸状レンズとミラー部との間に配置されるか、またはミラー部から走査された光が投影される位置に配置される投影レンズと、を備え、複数の凸状レンズは、ミラー部の静止時に複数の凸状レンズを透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されるとともに、光源を挟んで反対側に形成される複数の凸状レンズの虚像が並んで配置されるように構成され、投影レンズが複数の凸状レンズとミラー部との間に配置される場合には、凸状レンズは、照射された光を投影レンズに照射するように構成され、投影レンズがミラー部から走査された光が投影される位置に配置される場合には、投影レンズは、ミラー部から走査された光を集光するように構成されている。ここで、近接とは、集束した光の照射範囲の一端が交わっている場合に加えて、光同士が近いが交わっていない場合も含む。
【0008】
この発明の第1の局面による投光装置では、上記の通り複数の凸状レンズは、静止時に複数の凸状レンズを透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されている。これにより、静止時に凸状レンズを透過した光が近接していることにより、発光部間の距離がある場合でも局所的に光度が小さい部分が形成されることを抑制することができるため、光度のばらつきを抑制することができる。その結果、静止時に局所的な光度のばらつきを抑制することにより、ミラー部を走査した際に局所的な光度のばらつきの発生を抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による投光装置において、好ましくは、隣接する複数の凸状レンズは、複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔と同じか、または複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔よりも小さい間隔で所定の方向に並んで配置されている。このように構成すれば、隣接する凸状レンズの配置されている間隔が発光部間の間隔と同じかそれよりも小さくすることにより、隣接する集束した光の間隔を小さくすることができるため、凸状レンズが発光部からの光を集束した際に集束した光を近接させることができる。その結果、光同士の間に間隔が開くことにより、光度が小さい部分が形成されることを抑制することができるため、光度のばらつきをより抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、複数の凸状レンズは、複数の発光部に対向する位置から複数の凸状レンズが並ぶ方向にずれて配置される。このように構成すれば、複数の発光部から複数の凸状レンズに光が入射される位置および複数の凸状レンズから光を出射する位置を調整できるため、凸状レンズを透過した光が近接するように調整することができる。
【0011】
上記第1の局面による投光装置において、好ましくは、複数の凸状レンズは、ミラー部または投影レンズに入射される位置において、複数の発光部が並んで配置される方向における光の集束の幅の大きさが、隣接する複数の発光部間の間隔の大きさ以下となるように配置されている。このように構成すれば、隣接する複数の発光部間の間隔の大きさ以下にすることにより、集束された光が重なる領域が大きくなることを抑制することができるため、部分的に光度が大きくなることを抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による投光装置において、好ましくは、光スキャナは、駆動源を制御する制御部を有し、光スキャナの制御部は、ミラー部の走査時の走査角度を静止時のミラー部から反射される光の光度のピークの値の半分の値になる角度である半値全角以下にするように駆動源を制御するように構成されている。このように構成すれば、走査角度が半値全角以下であるため、静止時と走査時とで照射される光の範囲がミラー部の中央付近で一部重複するため、ミラー部の中心付近の光度を他の位置よりも高くすることができる。
【0013】
上記第1の局面による投光装置において、好ましくは、複数の凸状レンズは、主点を通るとともに光源を挟んで反対側に形成される複数の凸状レンズの虚像が近接して並んで配置されるように構成されている。このように構成すれば、虚像が近接していることにより、主点と虚像との距離と同じ距離にミラー部または投影レンズを配置することにより、ミラー部または投影レンズへの入射光を互いに近接させることができる。
【0014】
上記第1の局面による投光装置において、好ましくは、ミラー部の静止時の光源からの光の入射角が、35度以上45度以下である。このように構成すれば、入射角が35度以上であることにより、ミラー部と光源との距離を小さくすることができるため、投光装置が大きくなることを抑制することができることを本願発明者は見出した。また、入射角を45度以下にすることにより、ミラー部に入射する光量が小さくなることを抑制することができることを本願発明者は見出した。
【0015】
上記第1の局面による投光装置において、好ましくは、投影レンズは、照射された光が走査される方向に沿って光を結像させるとともに、照射された光が走査される方向と直交する方向に向かって光を集光させるように構成されている。このように構成すれば、一部の光が結像することにより均一に照射することができるとともに、一部の光を集光させることにより光度を大きくすることができる。
【0016】
この発明の第2の局面による車両用投光装置は、車両に搭載され、車両の前方に光を照射する車両用投光装置であって、所定の方向に並んで配置された複数の発光部を有する光源と、複数の発光部から光が照射されるとともに光を集束させる、複数の発光部と同じ数設けられる複数の凸状レンズと、複数の凸状レンズを通過した光を複数の発光部が並ぶ方向に走査するミラー部と、ミラー部を揺動させる駆動源と、を有する光スキャナと、複数の凸状レンズとミラー部との間に配置されるか、またはミラー部から走査された光が投影される位置に配置される投影レンズと、を備え、複数の凸状レンズは、ミラー部の静止時に複数の凸状レンズを透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されるとともに、光源を挟んで反対側に形成される複数の凸状レンズの虚像が並んで配置されるように構成され、投影レンズが複数の凸状レンズとミラー部との間に配置される場合には、凸状レンズは、照射された光を投影レンズに照射するように構成され、投影レンズがミラー部から走査された光が投影される位置に配置される場合には、投影レンズは、ミラー部から走査された光を集光するように構成されている。
【0017】
この発明の第2の局面による投光装置では、上記の通り複数の凸状レンズは、静止時に複数の凸状レンズを透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されている。これにより、静止時に凸状レンズを透過した光が近接していることにより、光源間の距離がある場合でも局所的に光度が小さい部分が形成されることを抑制することができるため、光度のばらつきを抑制することができる。その結果、静止時に局所的な光度のばらつきを抑制することにより、ミラーを走査して車両の前方に光を照射する際に局所的な光度のばらつきの発生を抑制することができる。
【0018】
上記第2の局面による投光装置において、好ましくは、ミラー部は、ミラー部の静止時のミラー部から反射される光の光度のピークの値の半分の値になる角度である半値全角が、複数の発光部の1つあたりの半値全角と複数の発光部の個数との積の値以上になるように設定されている。このように構成すれば、一部の光を消灯する場合に、複数の発光部の1つ当たりの半値全角分消灯すればよいため、照射する範囲が狭くなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、ミラー部を走査した際に局所的な光度のばらつきの発生を抑制することが可能な投光装置および車両用投光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】投光装置が設けられた車両を示した図である。
図2】投光装置の構成を示す図である。
図3】光スキャナの構成を示した図である。
図4】第1実施形態による発光部と、凸状レンズと、ミラー部と、投影レンズとの位置関係を示す図である。
図5】発光部と凸状レンズとの配置を説明するための図である。
図6】凸状レンズの配置の一例を示す図である。
図7】発光部とミラー部の半値全角との関係を説明するための図である。
図8】ミラー部の静止時の半値全角を説明するための図である。
図9】静止時の半値全角よりも走査角度が小さい場合の操作角度と光度との関係を説明するための場図である。
図10】静止時の半値全角よりも走査角度が小さい場合の操作角度と光度との関係を示す図である。
図11】静止時の半値全角と走査角度とが同じ場合の操作角度と光度との関係を説明するための場図である。
図12】静止時の半値全角と走査角度とが同じ場合の操作角度と光度との関係を示す図である。
図13】ミラー距離と、角度と、入射光量比との関係を示す図である。
図14】第2実施形態による発光部と、凸状レンズと、ミラー部と、投影レンズとの位置関係を示す図である。
図15】投光装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
(車両用電子ミラーの構成)
図1図13を参照して、本発明の第1実施形態による投光装置100の構成について説明する。
【0023】
(移動体)
図1に示すように、本実施形態による投光装置100は、車両110に搭載されている。また、投光装置100は、車両110の前方に光を照射するように構成されている。なお、本明細書では、また、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、Z方向と直交する面内において互いに直交する2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。X方向のうち、一方側をX1方向とし、他方側をX2方向とする。また、Y方向のうち、一方側をY1方向とし、他方側をY2方向とする。図1に示す例は、車両110の前方がX1方向である。
【0024】
(投光装置の構成)
本実施形態による投光装置100は、図2に示すように、光源1と、凸状レンズ2と、投影レンズ3と、光スキャナ4と、検知部5と、走査角度取得部6と、制御部7と、を備えている。投光装置100は、車両110の進行方向(X1方向)に向けて、光を照射するように構成されている。
【0025】
光源1は、光を出力するように構成されている。具体的には、光源1は、所定の方向に並んで配置された複数の発光部10を有する。なお、第1実施形態ではX方向に沿って並んで配置される。本実施形態では、複数の発光部10は、第1発光部10aと、第2発光部10bと、第3発光部10cと、第4発光部10dと、第5発光部10eとを含む。複数の発光部10から照射された光は、凸状レンズ2および投影レンズ3を介して、光スキャナ4が有するミラー部4aに照射するように構成されている。光源1は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)または、LD(Laser Diode)などを含む。本実施形態では、光源1は、LEDを含む。
【0026】
凸状レンズ2は、光源1から照射された光を集束するように構成されている。凸状レンズ2は、複数の発光部10と同じ数設けられる。凸状レンズ2は、たとえば、拡大レンズまたは集束レンズである。
【0027】
投影レンズ3は、凸状レンズ2を透過し、集束した光が照射される。投影レンズ3は、凸状レンズ2を透過し、集束した光を光スキャナ4が有するミラー部4aにさらに集束させるように構成されている。投影レンズ3は、複数の凸状レンズと前記ミラー部との間に配置される。
【0028】
光スキャナ4は、ミラー部4aと、駆動源4bとを含む。光スキャナ4は、駆動源4bが発生させた板波によってミラー部4aを揺動させながら、複数の発光部10から照射された光を走査させるように構成されている。
【0029】
ミラー部4aは、投影レンズ3を透過した光を、複数の発光部10が並ぶ方向に走査するように構成されている。
【0030】
駆動源4bは、ミラー部4aを揺動させるように構成されている。駆動源4bは、たとえば、圧電素子を含む。圧電素子は、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成される。駆動源4bがミラー部4aを揺動させる構成の詳細については、後述する。
【0031】
検知部5は、ミラー部4aによって走査された光が照射される領域Riのうち、消灯する領域Rsを検知するように構成されている。検知部5は、たとえば、光学式の撮像装置(撮像カメラ)、または、レーザセンサ、超音波センサなどを含む。
【0032】
走査角度取得部6は、ミラー部4aの走査角度θ(図4参照)を取得するように構成されている。走査角度取得部6は、たとえば、磁気式の角度センサを含む。
【0033】
制御部7は、投光装置100の各部を制御するように構成されている。また、制御部7は、光源1による光の照射を制御するように構成されている。また、制御部7は、光スキャナ4を制御するように構成されている。制御部7は、光が照射される領域Riと、遮光する領域Rsとを形成するように構成されている。制御部7は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含んでいる。
【0034】
(投光装置の構成)
図3に示すように、投光装置100は、ミラー部4aと、駆動源4bと、基板40と、保持部材41と、を備える。なお、図3に示す例では、基板40の揺動軸Axと直交する方向をA方向とし、一方側をA1方向、他方側をA2方向としている。また、揺動軸Axが延びる方向を、B方向とし、一方側をB1方向、他方側をB2方向としている。また、AB平面と直交する方向を、C方向とし、一方側をC1方向、他方側をC2方向としている。
【0035】
ミラー部4aは、光源1から照射された光を反射するように構成されている。ミラー部4aは、平板形状を有する金属製の部材によって構成されている。ミラー部4aは、たとえば、アルミ材により構成されている。本実施形態では、ミラー部4aは、基板40とは別体で設けられている。具体的には、ミラー部4aは、ミラー部配置部40dに設けられている。なお、図3に示す例では、便宜上、ミラー部4aにハッチングを付して図示している。
【0036】
基板40は、一対の梁部40aと、支持部40bと、トーション部40cとを含む。また、基板40は、ミラー部4aが配置されるミラー部配置部40dを含む。基板40は、たとえば、平板形状のステンレス鋼材により構成されている。
【0037】
一対の梁部40aの各々は、A1方向側において、支持部40bに支持されている。また、図3に示す例では、一対の梁部40aのY2方向側の端部のX方向の幅を大きくすることにより、保持部40eを形成している。また、保持部40eは、たとえば、ビス止めされることにより、保持部材41に保持される。
【0038】
支持部40bは、一対の梁部40aの各々のA1方向側の端部を支持するように構成されている。また、支持部40bには、駆動源4bが設けられている。また、支持部40bは、A1方向において、一対の梁部40aを支持していない側の端部に、保持部40fを有する。支持部40bは、たとえば、ビス止めされことにより、保持部材41に保持される。
【0039】
トーション部40cは、ミラー部4aを揺動軸Ax周りに揺動可能に支持する。トーション部40cは、ミラー部4aの表面に沿う方向において一対の梁部40aが延びる方向(A方向)と直交する方向(B方向)に延びる。また、トーション部40cは、柱状形状を有している。また、トーション部40cは、一対設けられている。一対のトーション部40cの一方は、一対の梁部40aの一方と接続されており、他方のトーション部40cは、他方の梁部40aに接続されている。また、一対のトーション部40cの各々は、ミラー部配置部40dに接続されている。
【0040】
ミラー部配置部40dは、ミラー部4aが配置されるように構成されている。また、ミラー部配置部40dは、トーション部40cを介して一対の梁部40aに接続されている。
【0041】
駆動源4bは、ミラー部4aを揺動させる板波を発生させるように構成されている。板波とは、駆動源4bがC方向に伸縮することにより生じる、XY平面方向の振動である。駆動源4bは、発生させた板波によってミラー部4aを所定の揺動軸Axの軸線周りを往復して振動するように揺動させるように構成されている。すなわち、光スキャナ4は、共振駆動型の光スキャナである。
【0042】
図3に示すように、保持部材41は、支持部40bを保持するように構成されている。保持部材41は、保持部40fを保持する。また、保持部材41は、一対の梁部40aの各々を保持するように構成されている。保持部材41は、一対の梁部40aのうち、保持部40eを保持するように構成されている。
【0043】
図3に示すように、基板40は、ミラー部4aが揺動軸Axの軸線周りを往復して振動する空間を有するような形状をしている。また、図3には図示されていないが、保持部材41も、基板40と同様の形状を有する。
【0044】
(凸状レンズの配置)
図4に基づいて、凸状レンズ2の配置について詳述する。第1実施形態では、複数の凸状レンズ2は、静止時に複数の凸状レンズ2を透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されている。第1実施形態では、ハッチングで示した隣接する集束した光の照射範囲は、一点で交わっている。
【0045】
図5に示すように、複数の凸状レンズ2は、複数の発光部10と同じ数配置される。隣接する複数の凸状レンズ2は、複数の発光部10が所定の方向(X方向)に並んで配置されている間隔d1と同じか、または複数の発光部10が所定の方向(X方向)に並んで配置されている間隔d1よりも小さい間隔d2で所定の方向に並んで配置されている。間隔d1は、隣接する発光部10の中心間の距離を指すとともに、間隔d2は、隣接する凸状レンズ2の中心間の距離を指す。たとえば、発光部10間の間隔d1が4.0mmの場合、凸状レンズ2間の間隔d2は3.5mm以上4.0m以下に設定されている。
【0046】
光源1と、複数の凸状レンズ2と、投影レンズ3と、ミラー部4aとの位置関係は、たとえば、光源1から照射された光が集光する位置に凸状レンズ2を配置してもよく、光源1から照射された光が凸状レンズ2を透過した後に集光してもよい。さらに、投影レンズ3は、凸状レンズ2を透過した後に光が集光する位置に配置される。また、凸状レンズ2の虚像を投影させる位置に投影レンズ3が配置される。また、投影レンズ3で屈折した光が集光する位置にミラー部4aが配置される。なお、ミラー部4aの位置が固定されている場合は、ミラー部4aから出射された光がほぼすべて入射するように投影レンズ3の位置(ミラー部4aと投影レンズ3との間の距離)の調整を行ってもよい。ただし、ミラー部4aの鏡面部分の面積が小さい場合に、ミラー部4aと投影レンズ3との間の距離に関係なくミラー部4aから出射された光がほぼすべて投影レンズ3に入射する場合は、投影レンズ3の位置を調整する必要はない。
【0047】
凸状レンズ2は、凸状レンズ2の配置される間隔d2または、凸状レンズ2のX方向の大きさ等によって、複数の発光部10に対向する位置から複数の凸状レンズ2が並ぶ方向(X方向)にずれて配置される。このとき、光源1から光が入射できるとともに、虚像Vが近接した状態で投影レンズ3に入射するように調整されている。
【0048】
複数の凸状レンズ2は、投影レンズ3に入射される位置において、複数の発光部10が並んで配置される方向(X方向)における光の集束の幅の大きさが、隣接する複数の発光部10間の間隔d1の大きさ以下となるように配置されている。光の集束の幅の大きさは、投影レンズ3に照射される光の幅W1から発光部10の照射面側の1辺の長さd3を引いた値である。たとえば、発光部10の1辺の長さd3が1mmであるとともに、発光部10の間隔d1が4mmである場合、凸状レンズ2に入射した発光部10の光がX1方向およびX2方向に2mmずつ広がり、集束するように設定されている。このとき、虚像VのX方向の長さd4はmmになるように設定される。
【0049】
図6に示すように、複数の凸状レンズ2の位置の調整の仕方としては、投影レンズ3の主点Pを通るとともに発光部10を挟んで反対側に形成される複数の凸状レンズ2の虚像Vが近接して並んで配置されるように距離が調整される。この時、主点Pから虚像VまでのY方向の距離と主点Pから投影レンズ3までの距離とが同じ距離になるように、投影レンズ3が配置される。
【0050】
凸状レンズ2は、静止時のミラー部4aから反射される光の光度のピークの値の半分な値となる角度の範囲である半値全角12が、複数の発光部10の1つあたりの半値全角13と複数の発光部10の個数との積の値以上になるように配置される。図7は、発光部10が5つの場合の各発光部10の光度とミラー部4aの角度との関係を示した図であり、発光部10のうち1つをハッチングで示す。図7のように、複数の発光部10間で重複する範囲が少ないほうが好ましいため、複数の発光部10の1つあたりの半値全角13と複数の発光部10の個数との積と同じ値になるように設定される。
【0051】
(光スキャナの構造)
光スキャナ4の制御部7は、ミラー部4aの走査時の走査角度θを、ミラー部4aの静止時のピークの値の半分の値となる角度である半値全角以下にするように駆動源4bを制御する。図8では、横軸に走査角度θをプロットし、縦軸に光度をプロットしている。図8は、走査角度θの光度の分布11を示す図であり、半値全角12は分布11のピークの値の半分の値を示す角度の範囲である。たとえば、ミラー部4aの静止時の走査角度θが-15度の角度と15度の角度の時に光度のピークの半分の値を示す場合は、15度とマイナス15度の差分の絶対値である30度となる。
【0052】
図9aは、半値全角以下でミラー部4aを揺動させた場合、静止時の半値全角12と光度との関係を示す。走査角度θが半値全角12よりも小さい場合、図9aの状態から、マイナス方向に走査角度θ度移動したとすると図9bのようになり、プラス方向に走査角度θ度移動したとすると図9cのようになる。静止時と重なる部分であるハッチング部分からプラス方向およびマイナス方向に行くにつれて照射される時間が短くなるため、静止時と重ならない白色部分は、端に向かうにつれて照射される時間が短くなるため、光度が低減する。そうすると、図10のような台形となる。
【0053】
図11aは、半値全角以下でミラー部4aを揺動させた場合、静止時の半値全角12と光度との関係を示す。走査角度θが半値全角12と同じ場合、図11aの状態から、マイナス方向に走査角度θ度移動したとすると図11bのようになり、プラス方向に走査角度θ度移動したとすると図11cのようになる。そうすると静止時と重なる部分が線となり、端に向かうにつれて照射される時間が短くなるため、光度が低減する。そうすると、図12のような三角形となる。
【0054】
図13は、ミラー距離と走査角度θとの関係を示すグラフと、走査角度θと入射光量比との関係を示すグラフとを重ねた図である。ミラー部4aの静止時の光源1からの光の入射角が、35度を下回るとミラー距離が大きくなるため、投光装置100の構成が大きくなる。また、走査角度θが45度を超えた場合、ミラー距離と走査角度θとの関係を示すグラフからミラー距離を小さくできないことが読み取れる。また、走査角度θが45度を超えた場合、走査角度θと入射光量比との関係を示すグラフから光量が小さくなるといえる。そのため、ミラー部4aの静止時の発光部10からの光の入射角が、35度以上45度以下であるのが好ましい。なお、ミラー距離とは、ミラー部4aと発光部10との距離である。
【0055】
(照射領域および消灯領域の形成)
制御部7は、複数の発光部10から照射された光の領域および配光を制御する。制御部7は、いわゆるADB(Adaptive Driving Beam)システムとして、複数の発光部10から照射された光の領域および配光を制御する。具体的には、図2に示すように、制御部7は、検知部5が取得した検知結果と、走査角度取得部6が取得したミラー部4aの走査角度θ(図4参照)とに基づいて、複数の発光部10のうち、消灯する領域Rsに走査される光を発光する発光部10の点灯状態と消灯状態とを切り替えることにより、消灯する領域Rsと、光を照射する領域Riとを形成する制御を行うように構成されている。
【0056】
制御部7は、検知部5が取得した検知結果によって、光を照射する領域Riのうち、対向車両が位置すると検知された領域を、消灯する領域Rsとする。制御部7は、ミラー部4aの走査角度θに基づいて、消灯する領域Rsに走査される光を発光している発光部10を消灯状態とし、それ以外の発光部10は点灯状態とすることにより、光を照射する領域Riと、消灯する領域Rsとを形成する。
【0057】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0058】
第1実施形態では、上記のように、複数の凸状レンズ2は、静止時に複数の凸状レンズ2を透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されている。これにより、静止時に凸状レンズ2を透過した光が近接していることにより、発光部10間の距離がある場合でも局所的に光度が小さい部分が形成されることを抑制することができるため、光度のばらつきを抑制することができる。その結果、静止時に局所的な光度のばらつきを抑制することにより、ミラー部4aを走査した際に局所的な光度のばらつきの発生を抑制することができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、隣接する複数の凸状レンズ2は、複数の発光部10が所定の方向に並んで配置されている間隔d1と同じか、または複数の発光部10が所定の方向に並んで配置されている間隔d1よりも小さい間隔d2で所定の方向に並んで配置されている。これにより、隣接する凸状レンズ2の配置されている間隔が発光部10間の間隔と同じかそれよりも小さくすることにより、隣接する集束した光の間隔を小さくすることができるため、凸状レンズ2が発光部10からの光を集束した際に集束した光を近接させることができる。その結果、光同士の間に間隔が開くことにより、光度が小さい部分が形成されることを抑制することができるため、光度のばらつきをより抑制することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の凸状レンズ2は、複数の発光部10に対向する位置から複数の凸状レンズ2が並ぶ方向にずれて配置される。これにより、複数の発光部10から複数の凸状レンズ2に光が入射される位置および複数の凸状レンズ2から光を出射する位置を調整できるため、凸状レンズ2を透過した光が近接するように調整することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、複数の凸状レンズ2は、ミラー部4aまたは投影レンズ3に入射される位置において、複数の発光部10が並んで配置される方向における光の集束の幅の大きさが、隣接する複数の発光部10間の間隔の大きさ以下となるように配置されている。これにより、隣接する複数の発光部10間の間隔d1の大きさ以下にすることにより、集束された光が重なる領域が大きくなることを抑制することができるため、部分的に光度が大きくなることを抑制することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、光スキャナ4は、駆動源4bを制御する制御部7を有し、光スキャナ4の制御部7は、ミラー部4aの走査時の走査角度θを静止時のミラー部4aから反射される光の光度のピークの値の半分の値になる角度である半値全角以下にするように駆動源4bを制御するように構成されている。これにより、走査角度θが半値全角以下であるため、静止時と走査時とで照射される光の範囲がミラー部4aの中央付近で一部重複するため、ミラー部4aの中心付近の光度を他の位置よりも高くすることができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の凸状レンズ2は、主点Pを通るとともに光源1を挟んで反対側に形成される複数の凸状レンズ2の虚像Vが近接して並んで配置されるように構成されている。これにより、虚像Vが近接していることにより、主点Pと虚像Vとの距離と同じ距離にミラー部4aまたは投影レンズ3を配置することにより、ミラー部4aまたは投影レンズ3への入射光を互いに近接させることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、ミラー部4aの静止時の光源1からの光の入射角が、35度以上45度以下である。これにより、入射角が35度以上であることにより、ミラー部4aと光源1との距離を小さくすることができるため、投光装置100が大きくなることを抑制することができることを本願発明者は見出した。また、入射角を45度以下にすることにより、ミラー部4aに入射する光量が小さくなることを抑制することができることを本願発明者は見出した。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の凸状レンズ2は、静止時のミラー部4aから反射される光の光度のピークの値の半分の値になる角度である半値全角12が、複数の発光部10の1つあたりの半値全角13と複数の発光部10の個数との積の値以上になるように設定されている。これにより、一部の光を消灯する場合に、複数の発光部10の1つ当たりの半値全角分消灯すればよいため、照射する範囲が狭くなることを抑制することができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、図14を参照して、第2実施形態による投光装置200の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、投影レンズ20は、ミラー部4aから走査された光が投影される位置に配置されるシリンドリカルレンズである。第2実施形態では、投影レンズ20は、ミラー部4aで反射された光が照射される位置に配置される。
【0067】
シリンドリカルレンズは、水平方向と垂直方向の倍率が異なる。そのため、水平方向を結像させて遮光の分解能を最小とし、垂直方向は収束させて光度を高くすることができる。また、シリンドリカルレンズは、照射された光が走査される方向に沿って光を結像させるとともに、照射された光が走査される方向と直交する方向に向かって光を集光させる。
【0068】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0069】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、複数の凸状レンズ2は、静止時に複数の凸状レンズ2を透過して集束した光が近接するように間隔を開けて所定の方向に並んで配置されている。これにより、静止時に凸状レンズ2を透過した光が近接していることにより、発光部10間の距離がある場合でも局所的に光度が小さい部分が形成されることを抑制することができるため、光度のばらつきを抑制することができる。その結果、静止時に局所的な光度のばらつきを抑制することにより、ミラー部4aを走査した際に局所的な光度のばらつきの発生を抑制することができる。
【0070】
また、第2実施形態では、上記のように、投影レンズ20は、照射された光が走査される方向に沿って光を結像させるとともに、照射された光が進む方向と直交する方向に向かって光を集光させるように構成されている。これにより、一部の光が結像することにより均一に照射することができるとともに、一部の光を集光させることにより光度を大きくすることができる。
【0071】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0072】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0073】
たとえば、上記第1実施形態および第2実施形態では、本発明の車両用投光装置がADBの機能を有している例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明の車両用投光装置は、ADBの機能を有していなくてもよい。
【0074】
たとえば、上記第1実施形態および第2実施形態では、複数の凸状レンズは、複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔と同じか、または複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔よりも小さい間隔で所定の方向に並んで配置されている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、凸状レンズからミラー部または投影レンズへの照射位置を調整するために複数の凸状レンズは、複数の発光部が所定の方向に並んで配置されている間隔よりも大きくしてもよい。
【0075】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、複数の凸状レンズは、複数の発光部に対向する位置から複数の凸状レンズが並ぶ方向にずれて配置される例を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、複数の凸状レンズは、複数の発光部に対向する位置に対向するように配置されてもよい。
【0076】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、制御部は、ミラー部の走査時の走査角度を静止時のミラー部から反射される光の光度のピークの値が半分になる角度である半値全角以下にするように駆動源を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、制御部は、ミラー部の走査時の走査角度を半値全角よりも大きくしてもよい。この場合、ミラー部の走査角度を半値全角の1.3倍に設定してもよい。
【0077】
また、上記第1実施形態では、投影レンズを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図15に示すように、投影レンズに加えてシリンドリカルレンズ30を配置してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 光源
2 凸状レンズ
3、20 投影レンズ
4 光スキャナ
4a ミラー部
4b 駆動源
7 制御部
10 発光部
100 :投光装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15