IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20240910BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240910BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240910BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240910BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240910BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240910BHJP
   G06F 40/166 20200101ALI20240910BHJP
【FI】
G06T11/60 100D
B41J29/38
H04N1/387
H04N1/00 Z
G06T1/00 200E
G06F3/12 303
G06F3/12 342
G06F40/166
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020150713
(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公開番号】P2022045172
(43)【公開日】2022-03-18
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 康成
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-238224(JP,A)
【文献】特開2018-120338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38 - 29/387
G06F 3/12
G06F 40/166 - 40/169
G06T 1/00
G06T 11/60
H04N 1/00
H04N 1/387 - 1/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
文書データを受け付け、
前記文書データを構成する第1デザイン要素を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素を検索し、
前記第1デザイン要素に基づいて、前記第2デザイン要素に対して処理を施すことで、前記第1デザイン要素の特徴を有する第3デザイン要素を生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、更に、
前記文書データから得られる文字列を検索キーとして用いて、前記利用条件に従って前記第2デザイン要素を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記文書データは、複数の第1デザイン要素によって構成されており、
前記プロセッサは、更に、
前記複数の第1デザイン要素間の関係を検索キーとして用いて、前記利用条件に従って前記第2デザイン要素を検索する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理は、画像のトリミング処理、及び、マスク処理の中の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、更に、
前記第2デザイン要素の利用に関する情報をディスプレイに表示させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
文書データを受け付け、
前記文書データを構成する第1デザイン要素を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素を検索し、
前記第1デザイン要素に基づいて、前記第2デザイン要素に対して処理を施すことで、前記第1デザイン要素の特徴を有する第3デザイン要素を生成する、
ように動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デザイン要素によって構成されている文書データからデザイン要素を抽出し、抽出されたデザイン要素を用いることで、新たな文書データを生成する場合がある。
【0003】
特許文献1には、文書単位毎に文書構成要素の種類を解析し、その解析結果を基にデザイン対象要素を抽出し、抽出されたデザイン対象要素をその種類に応じた画像を用いて修飾する際に、当該画像を構成する複数の部品を読み出し、各部品がデザイン対象要素の予め決められた位置に収まるように各部品を拡大又は縮小して配置することでデザイン対象要素を修飾する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-275146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、文書データを構成するデザイン要素に利用の条件が定められて、そのデザイン要素の利用が制限される場合がある。
【0006】
本発明の目的は、文書データを構成するデザイン要素に定められた条件でのデザイン要素の利用を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、文書データを受け付け、前記文書データを構成する第1デザイン要素を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素を検索し、前記第1デザイン要素に基づいて、前記第2デザイン要素に対して処理を施すことで、前記第1デザイン要素の特徴を有する第3デザイン要素を生成する、情報処理装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、更に、前記文書データから得られる文字列を検索キーとして用いて、前記利用条件に従って前記第2デザイン要素を検索する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記文書データは、複数の第1デザイン要素によって構成されており、前記プロセッサは、更に、前記複数の第1デザイン要素間の関係を検索キーとして用いて、前記利用条件に従って前記第2デザイン要素を検索する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記処理は、画像のトリミング処理、及び、マスク処理の中の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、更に、前記第2デザイン要素の利用に関する情報をディスプレイに表示させる、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、コンピュータが、文書データを受け付け、前記文書データを構成する第1デザイン要素を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素を検索し、前記第1デザイン要素に基づいて、前記第2デザイン要素に対して処理を施すことで、前記第1デザイン要素の特徴を有する第3デザイン要素を生成する、ように動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,6に係る発明によれば、文書データを構成するデザイン要素に定められた条件でのデザイン要素の利用を支援することが可能となる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、文字列を用いて検索されたデザイン要素の利用を支援することが可能となる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、デザイン要素間の関係を用いて検索されたデザイン要素の利用を支援することが可能となる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、第1デザイン要素の特徴を有する、トリミング処理又はマスク処理された第3デザイン要素を生成することが可能となる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、検索された第2デザイン要素の利用に関する情報を、第2デザイン要素を利用する人に知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】文書データを示す図である。
図4】検索された画像を示す図である。
図5】トリミング処理が施された画像を示す図である。
図6】文書データを示す図である。
図7】画像とテキストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。本実施形態に係る情報処理システムは、例えば、情報処理装置10と1又は複数の端末装置12とを含む。情報処理装置10と端末装置12は、通信経路Nを介して他の装置と通信することが可能である。通信経路Nは、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)やその他のネットワークである。なお、情報処理装置10と端末装置12は、1つの装置によって構成されてもよい。例えば、端末装置12に情報処理装置10の機能が搭載されてもよい。
【0020】
情報処理装置10は、1又は複数のデザイン要素によって構成されている文書データを処理するように構成されている装置である。情報処理装置10は、サーバであってもよいし、画像処理装置であってもよいし、画像形成装置(例えば、プリンタや複合機(例えばプリント機能、スキャン機能及びコピー機能等を有する装置))であってもよいし、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)等であってもよい。
【0021】
文書データは、例えば、文字列を表すデータ(つまりテキストデータ)、画像データ、又は、文字列と画像の両方によって構成されているデータ等である。文書データは、文書を画像化することで生成されるデータ(例えば、文書をスキャンすることで生成される画像データ)であってもよい。なお、画像データのデータ形式は特に限定されるものではない。ここでの画像データは、例えばラスターデータ(例えば、BMP形式のデータやJPEG形式のデータ)であってもよいし、ベクターデータであってもよい。また、画像データは、静止画像データであってもよいし、動画像データであってもよい。
【0022】
情報処理装置10は、他の装置(例えばサーバや端末装置12等)から送信されてきた文書データを受信して処理してもよいし、自装置である情報処理装置10によって生成された文書データを処理してもよい。また、情報処理装置10は、スキャナや複合機等の装置によって文書がスキャンされることで生成された文書データを、スキャナや複合機等の装置から取得してもよい。
【0023】
デザイン要素は、文書データを構成する要素であり、例えば、文字列を表すデータ、画像データ、又は、文書データに表されている文字列や画像が人に与える印象を定義するテイストを示すデータ等である。
【0024】
例えば、画像データのテイストは、当該画像データに表されている物体の種類や形状や大きさや色相や色調等によって定められる。テキストデータのテイストは、当該テキストデータに表されている文字列や、そのフォントの種類や大きさ等によって定められる。具体例を挙げると、「きれい」、「クール」、「カジュアル」、「ナチュラル」等といった印象が、テイストの一例に相当する。文書データの全体が人に与える印象がテイストとして定義されてもよいし、デザイン要素毎にテイストが定義されてもよい。例えば、複数のデザイン要素によって文書データが構成され、各デザイン要素が有する印象に基づいて、当該文書データの印象が形成される。
【0025】
端末装置12は、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置である。例えば、文書データを処理するサービスが情報処理装置10によって提供され、ユーザは、端末装置12を操作することで情報処理装置10にアクセスして当該サービスを利用してもよい。
【0026】
以下、図2を参照して、情報処理装置10の構成について説明する。図2には、情報処理装置10の構成の一例が示されている。
【0027】
情報処理装置10は、例えば、通信装置14と、UI16と、メモリ18と、プロセッサ20とを含む。
【0028】
通信装置14は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から送信されてきた情報を受信する機能を有する。通信装置14による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0029】
UI16はユーザインターフェースであり、ディスプレイと操作装置とを含む。ディスプレイは、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置は、キーボードや入力キーや操作パネル等である。UI16は、ディスプレイと操作装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。
【0030】
メモリ18は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ18は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ18が情報処理装置10に含まれている。
【0031】
プロセッサ20は、情報処理装置10の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ20は、メモリを有してもよい。
【0032】
本実施形態では、プロセッサ20は、処理の対象の文書データを受け付け、文書データを構成するデザイン要素を検索キーとして、デザイン要素の利用条件に従って、他のデザイン要素を検索する。以下、検索キーとして用いられたデザイン要素を「第1デザイン要素」と称し、その検索キーを用いて検索されたデザイン要素を「第2デザイン要素」と称することとする。
【0033】
利用条件は、例えば、デザイン要素の利用のライセンスの条件(例えば著作権等の知的財産権のライセンスの条件等)、デザイン要素の利用制限についての条件、デザイン要素の商業上の利用を許可するか否かについての条件(つまり、商業上の利用の許可又は不許可)、商業上の利用を許可する場合の条件、商業上の利用を許可しない場合の条件、デザイン要素の私的利用(つまり商業上の利用ではない利用)を許可するか否かについての条件(つまり、私的利用の許可又は不許可)、私的利用を許可する場合の条件、私的利用を許可しない場合の条件、デザイン要素の改変を許可するか否かについての条件(つまり、改変の許可又は不許可)、改変を許可する場合の条件、及び、改変を許可しない場合の条件の中の少なくとも1つを含む。
【0034】
デザイン要素を検索するときに用いられる利用条件は、ユーザによって指定されてもよいし、予め定められてもよい。例えば、利用条件がユーザによって指定され、プロセッサ20は、ユーザによって指定された利用条件に従って、第2デザイン要素を検索する。
【0035】
例えば、検索の対象である画像データ及びテキストデータに、利用条件を示す情報が紐付けられている。プロセッサ20は、ユーザによって指定された利用条件又は予め定められた利用条件に合致する利用条件が紐付けられている画像データやテキストデータを第2デザイン要素として検索する。例えば、ユーザによって指定された利用条件が、商業上の利用が許可されていることである場合、プロセッサ20は、商業上の利用が許可される画像データやテキストデータを第2デザイン要素として検索する。また、ユーザによって指定された利用条件が、デザイン要素の改変が許可されていることである場合、プロセッサ20は、改変が許可される画像データやテキストデータを第2デザイン要素として検索する。また、ユーザによって指定された利用条件が、デザイン要素の著作権が放棄されていることや、著作権は放棄されていないがデザイン要素を自由に利用することが許可されていることである場合、プロセッサ20は、著作権が放棄されている第2デザイン要素や、著作権が放棄されていないが自由に利用することが許可される第2デザイン要素を検索する。その他の利用条件についても同様である。
【0036】
プロセッサ20は、例えば、画像データやテキストデータのデータベースを対象として第2デザイン要素を検索してもよいし、インターネット上の画像データやテキストデータを第2デザイン要素として検索してもよい。
【0037】
プロセッサ20は、ユーザにライセンスが与えられているデータベースを対象として第2デザイン要素を検索してもよい。ライセンスが与えられているユーザは、当該データベースに登録されているデザイン要素を利用することが許可される。例えば、デザイン要素の商業上の利用や改変等が許可される。例えば、ライセンスが与えられたユーザを識別するための情報(例えばアカウント情報等)がデータベースに紐付けられている。ユーザがアカウント情報を用いて情報処理装置10にログインすると、プロセッサ20は、ログインしたユーザのアカウント情報に紐付けられているデータベースを対象として第2デザイン要素を検索する。
【0038】
第1デザイン要素が画像データである場合、プロセッサ20は、第1デザイン要素である画像データに類似する1又は複数の画像データを第2デザイン要素として検索する。類似画像の検索技術として、例えば公知の技術が用いられる。
【0039】
第1デザイン要素がテキストデータである場合、プロセッサ20は、第1デザイン要素であるテキストデータに類似する1又は複数のテキストデータ(例えば、第1デザイン要素であるテキストデータが表す文字列と同じ又は類似する意味を有する文字列を表す1又は複数のテキストデータ)を検索する。
【0040】
プロセッサ20は、第1デザイン要素が有するテイストと同一又は類似のテイストを有する第2デザイン要素を検索してもよい。この場合の第1デザイン要素及び第2デザイン要素は、画像データであってもよいし、テキストデータであってもよい。例えば、第1デザイン要素がテキストデータであり、これによって検索される第2デザイン要素は画像データであってもよい。これとは逆に、第1デザイン要素が画像データであり、これによって検索される第2デザイン要素はテキストデータであってもよい。もちろん、第1デザイン要素である画像データのテイストに基づいて、第2デザイン要素である画像データが検索されてもよいし、第1デザイン要素であるテキストデータのテイストに基づいて、第2デザイン要素であるテキストデータが検索されてもよい。
【0041】
処理の対象の文書データに複数の第1デザイン要素が含まれている場合、プロセッサ20は、AND検索を行ってもよいし、OR検索を行ってもよい。
【0042】
プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素のそれぞれを検索キーとして用いて、第1デザイン要素毎に第2デザイン要素を検索してもよいし、当該複数の第1デザイン要素のすべてに類似する第2デザイン要素を検索してもよい。
【0043】
プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素の中からユーザによって選択された1又は複数の第1デザイン要素を検索キーとして用いて、第2デザイン要素を検索してもよい。例えば、プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素をユーザの端末装置12のディスプレイに表示させ、ユーザは、その表示された当該複数の第1デザイン要素の中から検索キーを選択する。
【0044】
また、プロセッサ20は、第1デザイン要素に基づいて、第2デザイン要素に対して処理を施すことで、第1デザイン要素の特徴を有するデザイン要素を生成する。以下、このようにして生成されたデザイン要素を「第3デザイン要素」と称することとする。
【0045】
第2デザイン要素に対して施される処理は、例えば、トリミング処理、マスク処理、拡大処理、及び、第2デザイン要素によって表現される主題を第1デザイン要素によって表現される主題に近づける処理(以下、「主題に関する処理」と称する)の中の少なくとも1つの処理を含む。プロセッサ20は、予め定められた処理を第2デザイン要素に対して施してもよいし、ユーザによって選択された処理を第2デザイン要素に施してもよい。
【0046】
例えば、プロセッサ20は、第2デザイン要素の大きさ(例えば、画像データやテキストデータが占める範囲の大きさ)が第1デザイン要素の大きさと同じ大きさになるように、第2デザイン要素に対してトリミング処理又は拡大処理を施す。
【0047】
マスク処理は、全体のラスターデータやベクターデータの一部を表示や非表示にするための領域を設定する処理である。
【0048】
主題に関する処理は、例えば、第2デザイン要素が有する印象を第1デザイン要素が有する印象に近づける処理である。例えば、第1デザイン要素と第2デザイン要素が画像データである場合、第2デザイン要素である画像データが有する印象を、第1デザイン要素である画像データが有する印象に近づける処理が、主題に関する処理の一例である。第1デザイン要素と第2デザイン要素がテキストデータである場合や、第1デザイン要素又は第2デザイン要素の一方がテキストデータであり、他方が画像データである場合も同様である。
【0049】
例えば、プロセッサ20は、第2デザイン要素である画像データの色調や色相を、第1デザイン要素である画像データの色調や色相に近づけることで(例えば、第2デザイン要素の色調や色相を、第1デザイン要素の色調や色相に一致させたり、第2デザイン要素の色調や色相を、第1デザイン要素の色調や色相に類似する色調や色相に変更したりすることで)、第2デザイン要素である画像データの印象を、第1デザイン要素である画像データの印象に近づけてもよい。
【0050】
また、プロセッサ20は、第2デザイン要素であるテキストデータに表されている文字列のフォントの種類や文字の大きさを、第1デザイン要素であるテキストデータに表されている文字列のフォントの種類や文字の大きさに近づけることで(例えば、第2デザイン要素のフォントの種類や文字の大きさを、第1デザイン要素のフォントの種類や大きさに一致させたり、第2デザイン要素のフォントの種類や文字の大きさを、第1デザイン要素のフォントの種類や文字の大きさに類似するフォントや大きさに変更したりすることで)、第2デザイン要素であるテキストデータの印象を、第1デザイン要素であるテキストデータの印象に近づけてもよい。
【0051】
また、プロセッサ20は、第3デザイン要素を含む新たな文書データを生成してもよい。例えば、プロセッサ20は、第1デザイン要素を含む元々の文書データにおいて、第1デザイン要素を第3デザイン要素に置き換えることで、新たな文書データを作成してもよい。
【0052】
プロセッサ20は、生成された第3デザイン要素を出力してもよい。例えば、プロセッサ20は、第3デザイン要素を端末装置12又は他の装置に送信してもよいし、情報処理装置10又は他の装置のメモリに第3デザイン要素を記憶させてもよい。
【0053】
端末装置12は、例えば、通信装置、UI、メモリ及びプロセッサを含む。情報処理装置10のプロセッサ20によって実行される処理の一部又は全部が、端末装置12のプロセッサによって実行されてもよい。
【0054】
以下、具体例を挙げて、本実施形態について詳しく説明する。
【0055】
図3には、文書データの一例が示されている。文書データ22は、例えば、パンフレットやチラシやポスターやダイレクトメール等を表すデータや、写真やイラスト等のコンテンツを表すデータ等である。もちろん、文書データ22は、これら以外のデータであってもよい。
【0056】
文書データ22は、例えば、画像24,26とテキスト28,30,32,34,36とを含む。画像24,26とテキスト28,30,32,34,36は、第1デザイン要素の一例である。
【0057】
プロセッサ20は、処理の対象となる文書データ22を受け付ける。例えば、ユーザが端末装置12を用いて、処理の対象の文書データ22を指定し、プロセッサ20は、ユーザによって指定された文書データ22を受け付ける。別の例として、スキャナ等によって文書を読み取ることで文書データ22を生成し、プロセッサ20は、生成された文書データ22を受け付けてもよい。プロセッサ20は、これら以外の方法で情報処理装置10に入力された文書データ22を受け付けてもよい。
【0058】
プロセッサ20は、文書データ22を解析することで、文書データ22から第1デザイン要素を抽出する。例えば、プロセッサ20は、文書データ22を解析することで、文書データ22において、画像が配置される画像領域、及び、テキストが配置される文字領域を特定し、第1デザイン要素である画像24,26とテキスト28,30,32,34,36を抽出する。
【0059】
プロセッサ20は、テキスト28,30,32,34,36に対して文字認識処理を適用することで、テキストから文字を抽出してもよい。例えば、プロセッサ20は、OCR(Optical Character Recognition)を適用することでテキストから文字を抽出する。
【0060】
次に、プロセッサ20は、第1デザイン要素を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素を検索する。
【0061】
ここでは一例として、利用条件は、商業上の利用及び改変が許可されていることであるものとする。この場合、プロセッサ20は、商業上の利用及び改変が許可される第2デザイン要素を検索する。例えば、ユーザによって利用条件が指定される。この利用条件は一例であり、他の利用条件が定められてもよい。
【0062】
ここでは一例として、プロセッサ20は、第2デザイン要素の一例である画像データを検索するものとする。プロセッサ20は、例えば、画像データのデータベースを対象として画像データを検索してもよいし、インターネット上に存在する画像データを検索してもよいし、ユーザにライセンスが与えられているデータベースを対象として画像データを検索してもよい。
【0063】
例えば、プロセッサ20は、第1デザイン要素の一例である画像26を検索キーとして用いて、画像26に類似し商業上の利用及び改変が許可される画像データを第2デザイン要素として検索する。ユーザが検索キーとして用いられる画像26を指定してもよいし、プロセッサ20は、ユーザが指定しなくても画像26を検索キーとして用いてもよい。
【0064】
図4には、その検索の結果が示されている。図4に示されている画像38は、第2デザイン要素の一例であり、画像26を検索キーとして用いて検索された画像である。例えば、画像38は、第1デザイン要素である画像26に類似し、商業上の利用及び改変が許可される画像である。図4には、検索の結果の一例として1つの画像38が示されているが、複数の画像が検索される場合もある。
【0065】
プロセッサ20は、第1デザイン要素である画像26に基づいて、第2デザイン要素である画像38に対して処理を施すことで、第3デザイン要素である、画像26の特徴を有する別の画像データを生成する。例えば、第2デザイン要素である画像38が、改変が許可された画像である場合、プロセッサ20は、画像38に対して処理を施す。
【0066】
例えば、プロセッサ20は、第2デザイン要素である画像38の大きさが、第1デザイン要素である画像26の大きさと同じ大きさになるように、画像38に対して、トリミング処理又は拡大処理を施す。プロセッサ20は、画像38が画像26よりも大きい場合、画像38に対してトリミング処理を施し、画像38が画像26よりも小さい場合、画像38に対して拡大処理を施す。ユーザが、トリミング処理又は拡大処理の実行を指示し、プロセッサ20は、ユーザの指示に従って、画像38に対してトリミング処理又は拡大処理を施してもよい。
【0067】
例えば、プロセッサ20は、第2デザイン要素である画像38に対してトリミング処理を施すことで、画像38の大きさを、第1デザイン要素である画像26の大きさに揃える。図5には、トリミング処理が施された後の画像40が示されている。画像40は、画像38に対してトリミング処理を施すことで生成された画像であり、第3デザイン要素の一例である。画像40の大きさは、第1デザイン要素である画像26の大きさと同じである。
【0068】
プロセッサ20は、画像38に対してトリミング処理を施すと共に、又は、画像38に対してトリミング処理を施さずに、画像38に対してマスク処理を施してもよい。これにより、画像38がベクターデータによって表現されてもよい。ユーザがマスク処理の実行を指示した場合に、プロセッサ20は、画像38に対してマスク処理を施してもよい。
【0069】
また、プロセッサ20は、第2デザイン要素である画像38の主題が第1デザイン要素である画像26の主題に近づくように、画像38に対して主題に関する処理を施してもよい。例えば、プロセッサ20は、画像38の色調や色相を画像26の色調や色相に一致させたり、画像38の色調や色相を、画像26の色調や色相に類似する色調や色相に変更したりすることで、画像38の主題を画像26の主題に近づける。これにより、画像26の印象に近い印象を有する新たな画像が生成される。
【0070】
プロセッサ20は、第3デザイン要素である画像26を端末装置12のディスプレイに表示させてもよいし、画像26のデータを情報処理装置10や端末装置12やその他の装置に記憶させてもよい。
【0071】
また、プロセッサ20は、第3デザイン要素である画像40を用いて新たな文書データを生成してもよい。例えば、プロセッサ20は、図3に示されている文書データ22において、第1デザイン要素である画像26を第3デザイン要素である画像40に置き換えることで、図6に示すように、新たな文書データ42を生成する。プロセッサ20は、画像40からキャッチコピーや説明の要約を作成し、それらを文書データ42に追加してもよい。
【0072】
プロセッサ20は、第2デザイン要素の利用に関する情報をディスプレイに表示させてもよい。例えば、第2デザイン要素の利用に関する情報は、端末装置12のディスプレイに表示される。第2デザイン要素の利用に関する情報は、例えば、第2デザイン要素の利用条件を示す情報である。図4を示す例を挙げて説明すると、プロセッサ20は、第2デザイン要素である画像38をディスプレイに表示させると共に、画像38の利用条件を示す情報を参考情報としてディスプレイに表示させる。例えば、画像38の著作権に関する情報、画像38の利用制限を示す情報、画像38の商業上の利用を許可するか否かを示す情報、画像38の私的利用を許可するか否かを示す情報、及び、画像38の改変を許可するか否かを示す情報等が、画像38の参考情報としてディスプレイに表示される。これらの参考情報は、画像38が利用される前に表示されてもよい。例えば、画像38に対して処理(例えばトリミング処理等)が施される前や、画像38又は処理後の画像(例えば画像40)を用いて新たな文書データが生成される前に、画像38の参考情報が表示されてもよい。ユーザは、その参考情報を参照して、画像38の利用の可否を判断してもよい。また、プロセッサ20は、画像38の利用条件に関する情報を透かし模様として画像38に重ねて表示してもよい。
【0073】
プロセッサ20は、処理の対象の文書データ(例えば図3に示されている文書データ22)と、当該文書データに基づいて新たに生成された文書データ(例えば図6に示されている文書データ42)との間の類似度を算出し、その類似度を示す情報を、端末装置12のディスプレイに表示させてもよい。
【0074】
プロセッサ20は、処理の対象の文書データ(例えば図3に示されている文書データ22)から得られる文字列を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素(例えば画像データやテキストデータ)を検索してもよい。
【0075】
例えば、プロセッサ20は、文書データ22に含まれるテキスト(例えばテキスト28等)、そのテキストに含まれる用語、又は、そのテキストの要約を、検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素を検索する。例えば、プロセッサ20は、検索キーであるテキスト、用語又は要約と同一又は類似の内容が紐付けられている画像データやテキストデータを、第2デザイン要素として検索する。プロセッサ20は、画像検索に代えて、又は、画像検索と共に、テキスト、用語又は要約を検索キーとして用いて、第2デザイン要素を検索してもよい。
【0076】
プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素間の関係を検索キーとして用いて、デザイン要素の利用条件に従って、第2デザイン要素(例えば画像データやテキストデータ)を検索してもよい。
【0077】
複数の第1デザイン要素間の関係は、例えば、当該複数の第1デザイン要素間のコントラストの関係、当該複数の第1デザイン要素の大小の関係、及び、当該複数の第1デザイン要素間の配置の関係の中の少なくとも1つである。
【0078】
検索キーとして用いられる、複数の第1デザイン要素間の関係は、ユーザによって指定されてもよいし、予め定められてもよい。
【0079】
例えば、プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素間のコントラストの関係と一致するコントラストの関係を有する複数の第2デザイン要素を検索してもよいし、複数の第1デザイン要素間のコントラストの関係に近いコントラストの関係を有する複数の第2デザイン要素(例えば、複数の第1デザイン要素間のコントラストとの差異が閾値以下となるコントラストの関係を有する複数の第2デザイン要素)を検索してもよい。
【0080】
プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素間の大小の関係と一致する大小の関係を有する複数の第2デザイン要素を検索してもよいし、複数の第1デザイン要素間の大小の関係に近い大小の関係を有する複数の第2デザイン要素(例えば、複数の第1デザイン要素間の大きさの差との差異が閾値以下となる大小の関係を有する複数の第2デザイン要素)を検索してもよい。
【0081】
プロセッサ20は、複数の第1デザイン要素間の配置の関係と一致する配置の関係を有する複数の第2デザイン要素を検索してもよいし、複数の第1デザイン要素間の配置の関係に近い配置の関係を有する複数の第2デザイン要素(例えば、複数の第1デザイン要素間の配置の関係との差異が閾値以下となる配置の関係を有する複数の第2デザイン要素)を検索してもよい。
【0082】
ここで図7を参照して、複数の第1デザイン要素間の関係を検索キーとして用いる場合の処理の一例について説明する。図7には、第1デザイン要素の一例である画像とテキストが示されている。ここでは一例として、配置関係について説明する。
【0083】
画像44は第1デザイン要素であり、画像44には物体46が表されている。画像44においては、物体46の隣に領域が設けられており、その領域には、別の第1デザイン要素であるテキスト48が配置されている。つまり、画像44上の空き領域にテキスト48が配置されている。この配置の関係が、画像44とテキスト48との間の配置の関係である。つまり、画像44とテキスト48との間の配置の関係は、画像44上において物体46の隣の領域にテキスト48が配置されているという関係である。更に換言すると、画像44は、画像44に表されている物体46の隣に、他の第1デザイン要素(例えばテキストや別の画像)が配置される領域を有している第1デザイン要素であるといえる。
【0084】
画像44とテキスト48が検索キーとして用いられる場合、プロセッサ20は、画像44とテキスト48との間の配置の関係と一致する配置の関係を有する複数の第2デザイン要素を検索してもよいし、画像44とテキスト48との間の配置の関係に近い配置の関係を有する複数の第2デザイン要素を検索してもよい。つまり、プロセッサ20は、他の第2デザイン要素(例えば画像やテキスト)が配置される領域を有する第2デザイン要素(例えば画像やテキスト)と、当該第2デザイン要素上に配置される当該他の第2デザイン要素とを検索する。
【0085】
プロセッサ20は、画像44のように他のデザイン要素(例えばテキストや他の画像)が配置される領域を有する第2デザイン要素を検索してもよい。この場合、プロセッサ20は、テキスト48を検索キーとして用いなくてもよい。
【0086】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 情報処理装置、12 端末装置、18 メモリ、20 プロセッサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7