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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】現像装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240910BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G03G15/08 390Z
G03G21/16 176
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020165053
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057013
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】高井 宏章
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-241017(JP,A)
【文献】特開2019-144480(JP,A)
【文献】特開2020-154172(JP,A)
【文献】特開2003-215898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0139688(US,A1)
【文献】国際公開第2012/029311(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の挿抜方向に沿って装置本体に着脱される現像装置であって、
前記装着本体のコントローラーに接続される基板が保持されるホルダー部と、
前記装置本体に設けられる凹部に係合するフック部と、
前記フック部が設けられるレバー部と、
前記ホルダー部と前記レバー部とを接続する弾性アーム部と、を備え、
前記装置本体へ装着する過程で、前記フック部が前記装置本体と干渉して前記レバー部が前記挿抜方向と交差する一方向に移動して前記弾性アーム部が弾性変形した後、前記フック部が前記凹部に係合すると前記弾性アームの弾性変形が解除されて、前記基板が前記コントローラーに接続され
前記レバー部に、該レバー部を前記一方向と反対の他方向に付勢する弾性部材を収容する凹部が形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
所定の挿抜方向に沿って装置本体に着脱される現像装置であって、
前記装着本体のコントローラーに接続される基板が保持されるホルダー部と、
前記装置本体に設けられる凹部に係合するフック部と、
前記フック部が設けられるレバー部と、
前記ホルダー部と前記レバー部とを接続する弾性アーム部と、
前記弾性アーム部の弾性変形時に、前記挿抜方向と交差する方向に沿って前記レバー部を案内するカバー部を備え
前記装置本体へ装着する過程で、前記フック部が前記装置本体と干渉して前記レバー部が前記挿抜方向と交差する一方向に移動して前記弾性アーム部が弾性変形した後、前記フック部が前記凹部に係合すると前記弾性アームの弾性変形が解除されて、前記基板が前記コントローラーに接続されることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
前記レバー部に、該レバー部を前記一方向と反対の他方向に付勢する弾性部材を収容可能な凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載に現像装置によって用紙にトナー像を形成する画像形成部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に着脱される現像装置及び現像装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、現像装置は、所定の挿抜方向に沿って装置本体に着脱されるように構成される場合が多い。このような現像装置には、装置本体に着脱する際に把持されるレバー部材が備えられる。例えば、特許文献1に記載の現像槽(現像装置)の把手(レバー)は、現像槽の引き出しを規制するロック手段と連結しており、把手を持ち上げることで、ロック手段が解除されるようになっている。
【0003】
また、レバー部材に、装置本体の凹部に係合して現像装置の引き出しを規制するフック部が設けられる場合もある。この場合、装着本体へ装着する過程でフック部が装着本体と干渉してレバー部材が装着方向と交差する方向に移動し、フック部が凹部に達するとレバー部材がバネ部材で付勢されてフック部が凹部に係合する。レバー部材を前記移動方向と反対の方向に移動させることでフック部と凹部との係合が解除されて、現像装置が装置本体から引き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-329964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のロック機構は、把手と連動するロックレバーの回動によって、ロック爪と装置本体の突片との係合を解除するように構成されているので、部品点数や組立工数が多くなるという問題がある。また、レバー部材にフック部が設けられる場合も、レバー部材を、バネ部材を介して支持する必要があるので、部品点数や組立工数が多くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情を考慮して、部品点数や組立工数を低減できる現像装置及び現像装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の現像装置は、所定の挿抜方向に沿って装置本体に着脱される現像装置であって、前記装着本体のコントローラーに接続される基板が保持されるホルダー部と、前記装置本体に設けられる凹部に係合するフック部と、前記フック部が設けられるレバー部と、前記ホルダー部と前記レバー部とを接続する弾性アーム部と、を備え、前記装置本体へ装着する過程で、前記フック部が前記装置本体と干渉して前記レバー部が前記挿抜方向と交差する一方向に移動して前記弾性アームが弾性変形した後、前記フック部が前記凹部に係合すると前記弾性アーム部の弾性変形が解除されて、前記基板が前記コントローラーに接続されることを特徴とする。
【0008】
本発明の現像装置において、前記弾性アーム部の弾性変形時に、前記挿抜方向と交差する方向に沿って前記レバー部を案内するカバー部を備えることを特徴としてもよい。
【0009】
本発明の現像装置において、前記レバー部に、該レバー部を前記一方向と反対の他方向に付勢する弾性部材を収容可能な凹部が形成されていることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の現像装置は、前記現像装置によって用紙にトナー像を形成する画像形成部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、弾性アーム部によってフック部が凹部にスナップフィットするので、ホルダー部材を一つの部品で形成することができ、現像装置の組み立てを簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る現像装置を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る現像装置の前端部を示す分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る現像装置の前端部(装置本体への装着途中)を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る現像装置の前端部(装置本体への装着途中)を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る現像装置の前端部(装置本体への装着後)を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る現像装置の変形例の前端部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に画像形成装置及び現像装置について説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、画像形成装置について説明する。図1は画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。以降の説明において、各図に示されるFr、Rr、L、Rは、画像形成装置の前側、後側、左側、右側を示す。
【0015】
画像形成装置1は、略直方体状の内部空間を有する装置本体3を備えている。装置本体3の下部には、給紙カセット5が収容されている。給紙カセット5は、前後方向に沿って装置本体3に着脱可能である。装置本体3の上面には、排出トレイ7が形成されている。
【0016】
装置本体3の内部空間には、給紙カセット5の上方に配置された給紙部9と、給紙部9の上方に配置された画像形成部11と、画像形成部11の上方に配置された定着部13と、定着部13の上方に配置された排出部15と、が備えられている。画像形成部11は、露光装置19と、中間転写ユニット21と、4個の画像形成ユニット23と、4個のトナーコンテナ25と、二次転写ローラー27と、を備えている。
【0017】
中間転写ユニット21は、無端状の中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31の中空部に配置された4個の一次転写ローラー33と、を備えている。中間転写ベルト31は、左右方向に間隔を開けて配置された駆動ローラーと従動ローラーとの間に掛け渡されて、所定の方向に循環走行する。4個の一次転写ローラー33は、中間転写ベルト31の下側の走行部に対向するように、中間転写ベルト31の走行方向に沿って配置されている。
【0018】
各画像形成ユニット23は、所定の回転方向に沿って回転する感光体ドラム35と、感光体ドラム35の回転方向に沿って感光体ドラム35の周囲に配置された帯電装置37と、現像装置39と、クリーニング装置41と、を備えている。4個の画像形成ユニット23は、中間転写ベルト31の下側の走行部に下側から対向するように、中間転写ベルト31の走行方向に沿って配置されている。各画像形成ユニット23の感光体ドラム35は、現像装置39とクリーニング装置41との間で、中間転写ベルト31を挟んで一次転写ローラー33に対向している。4個のトナーコンテナ25は、それぞれ4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の現像剤(トナー)が収容されて、それぞれ対応する画像形成ユニット23の現像装置39に接続されている。
【0019】
二次転写ローラー27は、中間転写ベルト31に対向するように配置されて、中間転写ベルト31と二次転写ローラー27との間に転写ニップ43を形成している。さらに、装置本体3の内部空間には、給紙部9から、転写ニップ43と定着部13とを通って排出部15に向かう用紙の搬送路45が形成されている。
【0020】
画像形成動作について説明する。画像形成指示が受信されると、画像形成部11の各画像形成ユニット23の感光体ドラム35が帯電装置37で帯電される。露光装置19は帯電した感光体ドラム35にレーザー光を照射し、感光体ドラム35に静電潜像を形成する。静電潜像は、トナーコンテナ25から供給されたトナーによって現像装置39でトナー像に現像される。トナー像は、一次転写ローラー33によって感光体ドラム35から中間転写ベルト31に転写される。4個の画像形成ユニット23によって、4色のトナー像が中間転写ベルト31上で重ねられることで、フルカラーのトナー像が形成される。一方で、用紙は給紙カセット5から給紙部9で給紙され、搬送路45に沿って転写ニップ43に搬送される。トナー像は、転写ニップ43で中間転写ベルト31から用紙に転写され、定着部13によって用紙に定着される。用紙は、排出部15によって排出されて排出トレイ7に積載される。
【0021】
次に、図2を参照して現像装置39について説明する。図2は現像装置39を示す斜視図である。
【0022】
現像装置39は、マグネットローラー51と、撹拌ローラーと、供給ローラー(いずれも図示省略)と、これらが収容されるハウジング53と、を備える。現像装置39は、装置本体3に挿抜方向(前後方向)に沿って着脱される。
【0023】
ハウジング53は、挿抜方向に長い形状を有し、挿入方向の下流側(後側)の後端部53Rと、挿入方向の上流側(前側)の前端部53Fと、両端部53R、53F間の外周部53Cと、を備えている。
【0024】
後端部53Rには、マグネットローラー51と撹拌ローラーと供給ローラーの回転軸の後端部が回転可能に支持される。さらに、後端部53Rには、装置本体3に備えられる駆動源に連結されるローラー駆動部と、対応するトナーコンテナ25からトナーが補給される補給部と、装置本体3に備えられる廃棄トナー回収容器に連結される廃棄部と、が備えられている。外周部53Cには、前後方向に沿った開口が形成されている。この開口を通してマグネットローラー51が露出するようになっている。
【0025】
次に、ハウジング53の前端部53Fについて、図2と、図3図6を参照して説明する。図3は現像装置39のハウジングの前端部を示す分解斜視図、図4及び図5は装置本体3への装着途中の現像装置39のハウジングの前端部を示す断面図、図6は装置本体3へ装着された現像装置39のハウジングの前端部を示す斜視図である。
【0026】
図3に示されるように、ハウジング53の前端部53Fは、カバー部としての外カバー板61及び内カバー板63と、両カバー板61、63の間に支持されるホルダー部材65と、で構成されている。ホルダー部材65は、各センサーの中継基板Bが支持されるホルダー部71と、ホルダー部71に一対の弾性アーム部73によって接続されるレバー部75と、を備えており、樹脂で形成されている。
【0027】
ホルダー部71は、挿抜方向(前後方向)から見て矩形の板片状に形成されている。ホルダー部71は、挿抜方向と直交する面(垂直面)に沿った取り付け面を有している。取り付け面には、中継基板Bが垂直の姿勢で支持されている。中継基板Bの端子ピン(図示省略)は、ホルダー部71から後方に突出している。
【0028】
レバー部75は、本体部77とフック部79とを備えている。本体部77は、左右方向から見てL字状に形成され、水平部77aと垂直部77bとを有している。水平部77aは、上下方向から見て矩形状の上面が開口した箱状であり、上下方向に沿った所定の厚さを有している。水平部77aの開口した空間には、前後方向に沿った複数のリブが形成されている。垂直部77bは、水平部77aの後端部から下方に延びるように形成されて、挿抜方向から見て矩形状の後面が開口した箱状であり、前後方向に所定の厚さを有している。垂直部77bの開口した空間には、上下方向に沿った複数のリブ78(図4図6参照)が形成されている。複数のリブ78の後端面は上下方向に沿って形成されている。フック部79は、上下方向に長い直方体形状を有し、垂直部77bの下面の中央から下方に延びている。図4に示されるように、フック部79の下端面79aは、前方から後方へ向かって斜め上方に傾斜している。
【0029】
一対の弾性アーム部73の下端部は、ホルダー部71の上端に接続され、上端部は、レバー部75の本体部77の垂直部77bに、フック部79の両側で接続されている。一対の弾性アーム73は、下端部から上端部へ向かって斜め上後方に傾斜している。一対の弾性アーム部73が弾性変形することで、レバー部75がホルダー部71に対して上下方向に移動可能となっている。この際、フック部79はホルダー部71の後方を上下方向に移動する。
【0030】
外カバー板61と内カバー板63とは、ホルダー部材65の前側と後側とに配置されて、互いに連結されている。
【0031】
外カバー板61は、ホルダー部材65のホルダー部71が収容される下部81と、レバー部75が収容される上部83と、を有している。
【0032】
下部81は、後面が開口した矩形の箱形状であり、挿抜方向(前後方向)から見て矩形状の前壁と、前壁の外周に沿った上下の壁と左右の壁とを有している。上壁は、他の壁よりも後方に長く形成されている。上壁には、前後方向に沿った2つの溝85が所定の間隔を開けて形成されている。
【0033】
上部83は、後面と下面とが開口した箱形状であり、挿抜方向(前後方向)から見て略五角形状の前壁と、前壁の外周に沿った上壁と左右の壁とを有している。前壁には、前方に水平に突出する突出部87が形成されている。突出部87は、下面が開口した矩形の箱形状であり、上下方向から見て矩形状の上壁と、上壁の外周に沿った周壁と、を有している。突出部87よりも下方の前壁には開口89が形成されている。開口89は、突出部87の上壁と周壁とで囲まれる空間に連通している。前壁の後面には、後方に突出する複数のリブ91(図4図6参照)が形成されている。複数のリブ91の後端面は上下方向に沿って形成されている。
【0034】
上部83は、下部81の上壁の後端部に一体に形成されている。上部83の突出部87と下部81との間には上下方向において空間が開いている。
【0035】
内カバー板63は、後面が開口した箱形状であり、挿抜方向から見て、外カバー板61の上部83と同じ略五角形状の前壁と、前壁の外周に沿った外周壁とを有している。前壁の後面には、各ローラーの回転軸の前端部が回転可能に支持される軸受け部が形成されている。
【0036】
内カバー板63は、外カバー板61のリブ91と内カバー板63の前壁とが互いに平行となる姿勢で、外カバー板61の上部83に連結される。ホルダー部材65のホルダー部71は、外カバー板61の下部81に移動不能に収容される。この際、ホルダー部71に支持された中継基板Bの端子ピンは下部81よりも後方に突き出す。
【0037】
ホルダー部材65のレバー部75は、外カバー板61の上部83と内カバー板63との間に支持される。本体部77の水平部77aは、上部83の前壁の開口89を通して外カバー板61の突出部87に収容される。図4に示されるように、水平部77aは、突出部87の中空部から下方に突き出して、上部83の前壁の上端縁に係止されている。水平部77aと突出部87との間には上下方向において所定の間隔が開いている。本体部77の垂直部77b(リブ78を含む)は、外カバー板61のリブ91と内カバー板63の前壁との間に支持される。一対の弾性アーム部73は、外カバー板61の下部81の上壁に形成された2つの溝85に収容される。
【0038】
上記構成を有する現像装置39の装置本体3への装着動作について、図4図6を参照して説明する。装置本体3には、現像装置39のハウジング53の後端部53Rと前端部53Fとが装着される後側装着部と前側装着部とが形成されている。後側装着部には、各ローラーの駆動源が備えられ、トナーコンテナ25の補給口と、廃棄トナー回収容器の連通口と、が配置されている(いずれも図示省略)。前側装着部には、図4に示されるように、上面が開口した凹部3aと、凹部3aよりも前方に垂直の姿勢で支持されたコネクタCと、が備えられている。コネクタCは、装置本体3のコントローラーに接続している。
【0039】
図4に示されるように、現像装置39が後方に向かって装置本体3に挿入されると(図4の白抜き矢印参照)、ホルダー部材65のレバー部75のフック部79の下端面79aが、装置本体3の凹部3aの前方で、凹部3aの前壁に当接する(干渉する)。
【0040】
図5に示されるように、さらに現像装置39が挿入されると(図5の白抜き矢印参照)、フック部79が凹部3aの前壁によって押し上げられる。すると、フック部79、すなわち、ホルダー部材65のレバー部75がホルダー部71に対して上方へ移動し(図5の黒矢印参照)、ホルダー部材65の一対の弾性アーム部73が弾性変形する。この際、レバー部75の本体部77の水平部77aは、上部83の前壁から離れて、開口89を通って外カバー板61の突出部87内を上方へ移動し、垂直部77bは、外カバー板61のリブ91と内カバー板63の前壁との間を上方へ移動する。
【0041】
図6に示されるように、さらに現像装置39が挿入されてフック部79が凹部3aに達すると、フック部79が凹部3aに係合してホルダー部材65のレバー部75が下方に移動し(図6の黒矢印参照)、一対の弾性アーム部73の弾性変形が解除される。このように、フック部79が凹部3aにスナップフィットする。これにより、現像装置39が装置本体3に抜け止めされる。さらに、中継基板Bの端子ピンが、装置本体3の前側装着部のコネクタCに接続される。
【0042】
また、後側装着部においては、駆動部が駆動源と連結し、補給部がトナーコンテナ25の補給口に連通し、廃棄部が廃棄トナー回収容器の回収口に連通する。さらに、外周部53Cの開口から露出するマグネットローラー51が感光体ドラム35に対向する。
【0043】
現像装置39を装置本体3から取り外す際は、ホルダー部材65の本体部77の水平部77aと外カバー板61の突出部87とを上下から指で挟む。すると、ホルダー部材65の本体部77の水平部77aが突出部87へ向けて押し上げられ、一対の弾性アーム部73が弾性変形して、ホルダー部材65のレバー部75がホルダー部71に対して上方へ移動する。この際、レバー部75の本体部77の水平部77aは、外カバー板61の突出部87内を上方へ移動し、垂直部77bは、外カバー板61のリブ91と内カバー板63の前壁との間を上方へ移動する。これにより、フック部79が凹部3aから上方に離間する(図5参照)。その後、ホルダー部材6の本体部77の水平部77aと外カバー板61の突出部87とを挟んだまま、すなわち、レバー部75をホルダー部71に対して上方に移動させたまま、現像装置39を前方に引き抜く。
【0044】
上記説明したように、本発明によれば、一対の弾性アーム部73によってフック部79が凹部3aにスナップフィットするので、ホルダー部材65を一つの部品で形成することができる。これにより、現像装置39の組み立てを簡易化できる。
【0045】
また、ホルダー部材65のレバー部75(本体部77の垂直部77b)は両カバー板61、63(外カバー板61のリブ91と内カバー板63の前壁)によって上下方向に案内されるので、フック部79を安定してスナップフィットさせることができる。
【0046】
次に、図7を参照して、現像装置39の変形例について説明する。図7は現像装置のハウジングの前端部を示す断面図である。変形例のハウジング53において、ホルダー部材65のレバー部75の本体部77の水平部77aには、上面が開口した上下方向に沿った凹部95が形成されている。凹部95には、弾性部材としてのコイルバネ97が収容可能である。
【0047】
現像装置39の着脱時にホルダー部材65の一対の弾性アーム部73は弾性変形するので、着脱動作が繰り返されると、一対の弾性アーム部73が破損する虞がある。この場合、凹部95にコイルバネ97を収容する。コイルバネ97は、凹部95の底面と外カバー板61の突出部87の下面との間に配置される。一対の弾性アーム部73が破損してホルダー部材65のホルダー部71とレバー部75とが離間した場合、コイルバネ97の弾性変形によってレバー部75がホルダー部71に対して上下方向に移動可能となる。
【0048】
つまり、現像装置39の装着時に、フック部79、すなわち、前述のように、レバー部75のフック部79が装置本体3の凹部3aの前壁によって押し上げられると、コイルバネ97が圧縮されてレバー部75がホルダー部71に対して上方へ移動する。そして、フック部79が凹部3aに達すると、レバー部75がコイルバネ97で下方に付勢されて、フック部79が凹部3aに係合する。現像装置39の取り外し時には、ホルダー部材65の本体部77の水平部77aと外カバー板61の突出部87とを上下から指で挟むと、コイルバネ97の付勢力に抗して、ホルダー部材65のレバー部75がホルダー部71に対して上方へ移動し、フック部79が凹部3aから上方に離間する。その後、レバー部75をホルダー部71に対して上方に移動させたまま、現像装置39を前方に引き抜く。
【0049】
このように、一対の弾性アーム部73が破損した場合でも、コイルバネ97を装着することで、現像装置39を繰り返し使用することができる。
【0050】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
3 装置本体
3a 凹部
11 画像形成部
39 現像装置
71 ホルダー部
73 弾性アーム部
75 レバー部
79 フック部
61 外カバー板(カバー部)
63 内カバー板(カバー部)
95 凹部
97 コイルバネ(弾性部材)
B 中継基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7