(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取システムおよび画像読取装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240910BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G03G21/00 390
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2020165272
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼瀬 裕二
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-121023(JP,A)
【文献】特開2020-068433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置であって、
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示する表示部と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づ
いて、ユーザーを認証する認証部と、
前記表示部による表示を制御する表示制御部と、
前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス画
面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、
前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録した
データベースを記憶する記憶部と、
原稿を選択された読取方法で読み取ることにより生成した画像データを選択された宛先
へ送る読取送信機能と、を備え、
前記データベースには、前記識別情報と、前記読取送信機能と、前記設定情報としての
前記読取方法および前記宛先と、が対応付けて登録されており、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識
別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記ユーザーインターフェイス
画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得
した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が前記読取送信機
能に対応する前記ユーザーインターフェイス画面である第1UI画面を表示している場合
、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と前記読取送信機能とに対応す
る前記読取方法および前記宛先を、前記データベースから取得して前記表示部に表示させ
、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が、前記第1UI
画面の一種である、前記読取方法を選択するための画面であって前記宛先が選択済み状態
の第2UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別
情報と前記読取送信機能とに対応する前記読取方法を、前記データベースから取得して前
記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が、前記第1UI
画面の一種である、前記宛先を選択するための画面であって前記読取方法が選択済み状態
の第3UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別
情報と前記読取送信機能とに対応する前記宛先を、前記データベースから取得して前記表
示部に表示させる、ことを特徴とする請求項
1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
画像読取装置であって、
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示する表示部と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づ
いて、ユーザーを認証する認証部と、
前記表示部による表示を制御する表示制御部と、
前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス画
面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、
前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録した
データベースを記憶する記憶部と、を備え、
前記データベースには、前記識別情報と、前記画像読取装置の管理権限の有無を示す管
理者情報と、が対応付けて登録されており、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識
別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記ユーザーインターフェイス
画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得
した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が前記管理権限を
有するユーザーのみが操作可能な前記ユーザーインターフェイス画面である第4UI画面
を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に対応する
前記管理者情報を前記データベースから取得し、取得した前記管理者情報が前記管理権限
有りを示していれば、前記識別情報に基づく認証が成功した状態で更にユーザーを認証す
るための認証用画面を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
前記表示部は、タッチパネルディスプレイであり、
前記認証部は、前記認証用画面を介して、予め定めたタッチの組み合わせを受け付けた
ときにユーザーを認証する、ことを特徴とする請求項
3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
画像読取装置であって、
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示する表示部と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づ
いて、ユーザーを認証する認証部と、
前記表示部による表示を制御する表示制御部と、
前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス画
面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、
前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録した
データベースを記憶する記憶部と、を備え、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識
別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記ユーザーインターフェイス
画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得
した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記識別情報に対応して前記
データベースに登録されている情報を利用しない前記ユーザーインターフェイス画面であ
る第5UI画面を前記表示部が表示している場合、前記識別情報に対応して前記データベ
ースに登録されている情報の利用が可能なユーザーインターフェイス画面を案内する旨の
メッセージを前記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
互いに通信可能に接続する画像読取装置および記憶装置を含む画像読取システムであっ
て、
前記画像読取装置は、
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示する表示部と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基
づいて、ユーザーを認証する認証部と、
前記表示部による表示を制御する表示制御部と、
前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス
画面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、
原稿を選択された読取方法で読み取ることにより生成した画像データを選択された宛先
へ送る読取送信機能と、を備え、
前記記憶装置は、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対
応付けて登録したデータベースを記憶し、
前記データベースには、前記識別情報と、前記読取送信機能と、前記設定情報としての
前記読取方法および前記宛先と、が対応付けて登録されており、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識
別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記ユーザーインターフェイス
画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得
した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が前記読取送信機
能に対応する前記ユーザーインターフェイス画面である第1UI画面を表示している場合
、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と前記読取送信機能とに対応す
る前記読取方法および前記宛先を、前記データベースから取得して前記表示部に表示させ
、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が、前記第1UI
画面の一種である、前記読取方法を選択するための画面であって前記宛先が選択済み状態
の第2UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別
情報と前記読取送信機能とに対応する前記読取方法を、前記データベースから取得して前
記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取システム。
【請求項7】
互いに通信可能に接続する画像読取装置および記憶装置を含む画像読取システムであっ
て、
前記画像読取装置は、
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示する表示部と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基
づいて、ユーザーを認証する認証部と、
前記表示部による表示を制御する表示制御部と、
前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス
画面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、
を備え、
前記記憶装置は、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対
応付けて登録したデータベースを記憶し、
前記データベースには、前記識別情報と、前記画像読取装置の管理権限の有無を示す管
理者情報と、が対応付けて登録されており、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識
別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記ユーザーインターフェイス
画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得
した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が前記管理権限を
有するユーザーのみが操作可能な前記ユーザーインターフェイス画面である第4UI画面
を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に対応する
前記管理者情報を前記データベースから取得し、取得した前記管理者情報が前記管理権限
有りを示していれば、前記識別情報に基づく認証が成功した状態で更にユーザーを認証す
るための認証用画面を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取システム。
【請求項8】
互いに通信可能に接続する画像読取装置および記憶装置を含む画像読取システムであっ
て、
前記画像読取装置は、
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示する表示部と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基
づいて、ユーザーを認証する認証部と、
前記表示部による表示を制御する表示制御部と、
前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス
画面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、
を備え、
前記記憶装置は、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対
応付けて登録したデータベースを記憶し、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識
別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記ユーザーインターフェイス
画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得
した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御部は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記識別情報に対応して前記
データベースに登録されている情報を利用しない前記ユーザーインターフェイス画面であ
る第5UI画面を前記表示部が表示している場合、前記識別情報に対応して前記データベ
ースに登録されている情報の利用が可能なユーザーインターフェイス画面を案内する旨の
メッセージを前記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取システム。
【請求項9】
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示部に表示させる表示制御工
程と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づ
いて、ユーザーを認証する認証工程と、
前記認証工程によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス
画面において選択された設定情報に従って画像読取装置の機能を設定する設定工程と、を
備え、
前記表示制御工程では、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報
とを対応付けて登録したデータベースを参照して、前記識別用媒体の読み込みにより入力
した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前
記ユーザーインターフェイス画面が対応する前記機能と、に対応する前記設定情報を取得
し、取得した前記設定情報を前記表示部に表示させ、
前記表示制御工程では、前記識別情報と、原稿を選択された読取方法で読み取ることに
より生成した画像データを選択された宛先へ送る読取送信機能と、前記設定情報としての
前記読取方法および前記宛先と、が対応付けて登録された前記データベースを参照して、
前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が前記読取送信機能に対応する前記ユー
ザーインターフェイス画面である第1UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読
み込みにより入力した前記識別情報と前記読取送信機能とに対応する前記読取方法および
前記宛先を、前記データベースから取得して前記表示部に表示させ、
前記表示制御工程では、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記表示部が、前記第1
UI画面の一種である、前記読取方法を選択するための画面であって前記宛先が選択済み
状態の第2UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記
識別情報と前記読取送信機能とに対応する前記読取方法を、前記データベースから取得し
て前記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項10】
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示部に表示させる表示制御工
程と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づ
いて、ユーザーを認証する認証工程と、
前記認証工程によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス
画面において選択された設定情報に従って画像読取装置の機能を設定する設定工程と、を
備え、
前記表示制御工程では、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報
とを対応付けて登録したデータベースを参照して、前記識別用媒体の読み込みにより入力
した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前
記ユーザーインターフェイス画面が対応する前記機能と、に対応する前記設定情報を取得
し、取得した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御工程では、前記識別情報と、前記画像読取装置の管理権限の有無を示す管
理者情報と、が対応付けて登録された前記データベースを参照して、前記識別用媒体が読
み込まれたとき、前記表示部が前記管理権限を有するユーザーのみが操作可能な前記ユー
ザーインターフェイス画面である第4UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読
み込みにより入力した前記識別情報に対応する前記管理者情報を前記データベースから取
得し、取得した前記管理者情報が前記管理権限有りを示していれば、前記識別情報に基づ
く認証が成功した状態で更にユーザーを認証するための認証用画面を前記表示部に表示さ
せる、ことを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項11】
操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス画面を表示部に表示させる表示制御工
程と、
ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づ
いて、ユーザーを認証する認証工程と、
前記認証工程によるユーザーの認証が成功した状態で、前記ユーザーインターフェイス
画面において選択された設定情報に従って画像読取装置の機能を設定する設定工程と、を
備え、
前記表示制御工程では、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報
とを対応付けて登録したデータベースを参照して、前記識別用媒体の読み込みにより入力
した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前
記ユーザーインターフェイス画面が対応する前記機能と、に対応する前記設定情報を取得
し、取得した前記設定情報を前記表示部に表示さ
せ、
前記表示制御工程は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記識別情報に対応して前
記データベースに登録されている情報を利用しない前記ユーザーインターフェイス画面で
ある第5UI画面を前記表示部が表示している場合、前記識別情報に対応して前記データ
ベースに登録されている情報の利用が可能なユーザーインターフェイス画面を案内する旨
のメッセージを前記表示部に表示させる、ことを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取システムおよび画像読取装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報識別子を記憶している非接触IDカードと、非接触IDカードから個人情報識別子を読み取る非接触IDカードリーダーとを用いて個人認証を行う個人認証手段を備えた画像出力装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ユーザーの識別情報を記憶したカードは、ユーザーの個人認証に使用されており、個人認証が成功した場合に、スキャナー等の機器の使用が許可されていた。
しかしながら、識別情報を個人認証以外の用途にも利用することにより、ユーザーの利便性を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
画像読取装置は、操作を受け付け可能なユーザーインターフェイス(以下、UI)画面を表示する表示部と、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づいて、ユーザーを認証する認証部と、前記表示部による表示を制御する表示制御部と、前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記UI画面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録したデータベースを記憶する記憶部と、を備え、前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記UI画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を前記表示部に表示させる。
【0006】
互いに通信可能に接続する画像読取装置および記憶装置を含む画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、操作を受け付け可能なUI画面を表示する表示部と、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づいて、ユーザーを認証する認証部と、前記表示部による表示を制御する表示制御部と、前記認証部によるユーザーの認証が成功した状態で、前記UI画面において選択された設定情報に従って前記画像読取装置の機能を設定する設定部と、を備え、
前記記憶装置は、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録したデータベースを記憶し、
前記表示制御部は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記UI画面が対応する前記機能と、に応じて前記データベースから前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を前記表示部に表示させる。
【0007】
画像読取装置の制御方法は、操作を受け付け可能なUI画面を表示部に表示させる表示制御工程と、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づいて、ユーザーを認証する認証工程と、前記認証工程によるユーザーの認証が成功した状態で、前記UI画面において選択された設定情報に従って画像読取装置の機能を設定する設定工程と、を備え、前記表示制御工程では、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録したデータベースを参照して、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに前記表示部が表示している前記UI画面が対応する前記機能と、に対応する前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を前記表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図3との組み合わせにより本実施形態を示すフローチャート。
【
図5】
図5Aは、ようこそ画面としてのUI画面を例示する図、
図5Bは、認証エラー表示をするUI画面を例示する図、
図5Cは、スキャントゥフォルダー画面としてのUI画面を例示する図。
【
図6】
図6Aは、宛先の一覧表示をするUI画面を例示する図、
図6Bは、宛先および読取方法が選択状態となったUI画面を例示する図、
図6Cは、登録エラー表示をするUI画面を例示する図。
【
図7】
図7Aは、宛先選択状態のUI画面を例示する図、
図7Bは、読取方法の一覧表示をするUI画面を例示する図、
図7Cは、登録エラー表示をするUI画面を例示する図。
【
図8】
図8Aは、読取方法選択状態のUI画面を例示する図、
図8Bは、登録エラー表示をするUI画面を例示する図、
図8Cは、管理者用画面としてのUI画面を例示する図。
【
図9】
図9Aは、認証用画面としてのUI画面を例示する図、
図9Bは、管理者権限エラー表示をするUI画面を例示する図、
図9Cは、案内表示としてのUI画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、比率や形状が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。
【0010】
1.装置構成の概略:
図1は、本実施形態にかかるシステム10の構成をブロック図により簡易的に示している。システム10は、互いに通信可能に接続した画像読取装置20やサーバー40を含む。システム10を、画像読取システムや表示制御システム等と称してもよい。サーバー40は、画像読取装置20から見た外部の記憶装置の一例である。
【0011】
画像読取装置20は、CPU等からなるプロセッサー21を有する。プロセッサー21は、所定のメモリーに記憶されたプログラム22やデータに従って、表示制御部23や認証部24や設定部25等として機能する。プロセッサー21は、画像読取装置20の制御方法を実行する。画像読取装置20は、表示部26、読取部27、印刷部28、カード通信部29、通信部30、記憶部31等を有する。
【0012】
表示部26は、表示制御部23による制御下で、ユーザーからの操作を受け付け可能なUI画面を表示する。表示部26は、ユーザーがタッチ入力可能なタッチパネルディスプレイであってもよいし、タッチ入力不能なディスプレイであってもよい。表示部26は、タッチ入力不能なディスプレイである場合は、UI画面に対する入力や選択を、表示部26外に存在する不図示の物理ボタン等の操作を通じて受け付ける。
【0013】
読取部27は、原稿を読み取って画像データを生成する機構である。読取部27は、知られているように、光源や各種光学系やイメージセンサーや画像処理回路等を有する。印刷部28は、画像データに基づいて印刷媒体へ印刷を実行する機構である。印刷部28は、例えば、インクジェット方式や電子写真方式により印刷を実行する。むろん、印刷部28は、読取部27により生成された画像データに基づく印刷、つまり原稿のコピーを実行可能である。読取部27を有する画像読取装置20を、スキャナーと呼ぶことが出来る。また、読取部27および印刷部28を有する画像読取装置20を、複合機やコピー機と呼ぶことが出来る。ただし、画像読取装置20は、印刷部28を有さない製品であってもよい。
【0014】
通信部30は、画像読取装置20が所定の通信プロトコルに則って有線または無線により外部装置と通信を実行するための、一つ以上のインターフェイスの総称である。
図1の例では、通信部30は、サーバー40と通信可能に接続している。むろん、通信部30は、不図示のパーソナルコンピューター(PC)やスマートフォン等とも通信可能である。
【0015】
画像読取装置20が有するメモリーや記憶装置により構成される記憶部31は、データベース32を記憶している。データベースをDBと略す。DBをテーブルと言い換えてもよい。DB32については、
図2を参照して後述する。DB32は、画像読取装置20の外部の記憶装置に記憶されていてもよい。つまり、
図1に例示するように、DB32は、サーバー40が記憶しており、画像読取装置20は、サーバー40が記憶するDB32へ必要に応じてアクセスするとしてもよい。画像読取装置20がDB32を記憶している構成であれば、サーバー40は無くてもよい。以下では、DB32が画像読取装置20内に記憶されているか、画像読取装置20外に記憶されているかを特に区別せずに説明を続ける。
【0016】
カード通信部29は、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みを行うリーダーである。カード通信部29は、画像読取装置20の一部であってもよいし、画像読取装置20と通信可能に接続された周辺機器であってもよい。画像読取装置20を利用する各ユーザーに対して、ユーザー毎に固有の識別情報が書き込まれた識別用媒体が予め与えられている。ここでは、識別用媒体の例として、ICカードを想定する。以下では、ユーザーの識別情報を、ユーザーIDと呼ぶ。ユーザーIDは、ICカード毎に固有の情報でもあるため、これをカードIDやカード番号と捉えてもよい。
【0017】
カード通信部29は、非接触型の近距離無線通信に対応したリーダーであり、ユーザーがカード通信部29に接近させたICカードからユーザーIDを読み込む。近距離無線通信の規格は、ここでは特に問わない。あるいは、カード通信部29は、ICカードの差込口を有し、ユーザーがこの差込口に挿入したICカードからユーザーIDを読み込む構成であってもよい。また、ここでは“カード”通信部29と称しているが、カード通信部29に該当するリーダーは、カード型に限らず、スティック型やメモリー型の識別用媒体や、近距離無線通信に対応したスマートフォン等からユーザーの識別情報を読み込む構成であってもよい。
【0018】
2.DBの説明:
図2は、DB32の具体例を示している。DB32には、複数のユーザーIDが登録されている。また、ユーザーIDの夫々について、画像読取装置20の機能と、宛先と、読取方法と、管理者情報とが対応付けて登録されている。画像読取装置20は様々な機能を有するが、その中の一つとして、スキャントゥフォルダー機能や、スキャントゥメール機能がある。スキャントゥフォルダー機能とは、原稿を選択された読取方法で読み取ることにより生成した画像データを選択されたフォルダーへ送って保存する機能である。また、スキャントゥメール機能とは、原稿を選択された読取方法で読み取ることにより生成した画像データを選択された電子メールアドレス宛に電子メールで送る機能である。スキャントゥフォルダー機能やスキャントゥメール機能を、まとめて読取送信機能とも呼ぶ。
【0019】
DB32における宛先や読取方法をまとめて、画像読取装置20のある機能を設定するための「設定情報」とも言う。宛先は、スキャントゥフォルダー機能による送信先となるフォルダーの在り処を示すパスや、スキャントゥメール機能による送信先となる電子メールアドレスである。スキャントゥフォルダー機能の宛先は、例えば、サーバー40や不図示のPCが有するドライブ内のフォルダーである。読取方法は、読取部27がどのように原稿を読み取って画像データを生成すべきかの設定であり、例えば、カラースキャン/モノクロスキャンの別、画像データのファイル形式、読取解像度、回転の有無等を指定している。
【0020】
DB32における管理者情報は、画像読取装置20の管理権限の有無を示す情報であり、
図2の例では、通常ユーザーまたは管理者のどちらかである。管理者は、管理権限を有するユーザーを意味し、通常ユーザーは管理権限を有さないユーザーを意味する。DB32によれば、例えば、ユーザーID“002XXXX”に対しては、スキャントゥフォルダー機能の設定情報として宛先と読取方法とが一組登録されており、かつ、管理者情報として“管理者”が登録されている。また、ユーザーID“001XXXX”に対しては、スキャントゥフォルダー機能の設定情報として宛先と読取方法とが二組登録されており、スキャントゥメール機能の設定情報として宛先と読取方法とが一組登録されており、かつ、管理者情報として“通常ユーザー”が登録されている。
【0021】
このようなDB32への情報の登録は、例えば、管理者が各ユーザーの同意の下で、画像読取装置20又はサーバー40を直接に操作することにより実行される。また、管理者は、スマートフォンやPCを操作し、専用のアプリケーションやブラウザーを通じて、画像読取装置20またはサーバー40が保持するDB32の登録内容を外部から編集することもできる。なお、DB32に登録されている複数のユーザーIDの全てについて、画像読取装置20の機能と、設定情報と、管理者情報とが対応付けて登録されているとは限らない。
【0022】
画像読取装置20は、スキャントゥフォルダー機能やスキャントゥメール機能の他にも、コピー機能、ファクシミリ送信機能等、様々な機能を有し得る。従って、DB32には、あるユーザーIDに対応付けて、コピー機能の設定情報や、ファクシミリ送信機能の設定情報等が登録されていてもよい。コピー機能の設定情報とは、例えば、カラー印刷/モノクロ印刷の別、印刷解像度、用紙サイズ、コピー部数、両面コピー/片面コピーの別、回転の有無等を指定する情報である。また、ファクシミリ送信機能の設定情報とは、例えば、宛先としてのファクシミリ番号や読取方法を指定する情報である。
【0023】
3.UI画面の表示制御処理:
次に、DB32が記憶部31またはサーバー40に記憶されていることを前提として、UI画面の表示制御処理等を説明する。
図3および
図4は、プロセッサー21がプログラム22に従って実行する制御処理であって、主に認証処理および表示制御処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、表示制御部23は、カード通信部29によりICカードが読み込まれたか否かを継続的に判定する(ステップS100)。ユーザーが自身のICカードをカード通信部29に接近させたり、カード通信部29に挿入したりしたときに、カード通信部29がICカードを読み込み、表示制御部23は、カード通信部29によりICカードが読み込まれたことを検知する。
【0024】
表示制御部23は、カード通信部29によりICカードが読み込まれたことを検知した場合に、ステップS100において“Yes”と判定し、ステップS101へ進む。
ステップS101では、表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“ようこそ画面”であるか否かを判定し、“ようこそ画面”であれば“Yes”と判定してステップS102へ進み、“ようこそ画面”以外のUI画面であれば“No”と判定してステップS105へ進む。
【0025】
図5Aは、“ようこそ画面”としてのUI画面50の一例を示している。UI画面50は、画像読取装置20に電源が入っている状態で、ユーザーが画像読取装置20を利用しようとしたときに、多くの場合最初に目にするUI画面である。UI画面50には、ICカードをカード通信部29に読み込ませることをユーザーに促すメッセージ50aが示されている。従って、ユーザーは、メッセージ50aを視認してICカードをカード通信部29に読み込ませることができる。
【0026】
ステップS102では、認証部24は、カード通信部29がICカードを読み込むことにより取得したユーザーIDを入力し、このユーザーIDに基づいてユーザーの認証を行う。以下では、カード通信部29によるICカードの読み込みで得られたユーザーIDを、「入力ユーザーID」と呼ぶ。認証部24は、ユーザーの認証に成功した場合、“Yes”の判定からステップS103へ進み、一方、ユーザーの認証に失敗した場合、“No”の判定からステップS104へ進む。
【0027】
認証部24は、DB32を参照し、入力ユーザーIDと一致するユーザーIDがDB32に登録されている場合に、認証成功と判定する。一方、認証部24は、DB32を参照し、入力ユーザーIDと一致するユーザーIDがDB32に登録されていない場合に、認証失敗と判定する。
【0028】
ステップS103では、表示制御部23は、表示部26に、ようこそ画面の次に表示すべき所定のUI画面を表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。所定のUI画面には、例えば、画像読取装置20が有する様々な機能を選択肢として列挙するホーム画面等が該当する。言うまでもなく、
図3,4のフローチャートは、画像読取装置20が実行する処理のごく一部に過ぎない。従って、“
図3,4のフローチャートを終了する”とは、プロセッサー21は、その時に表示部26が表示しているUI画面に対してユーザーが行う任意の操作に従って必要な処理を進める、という意味である。また、プロセッサー21は、
図3,4のフローチャートを一度終了したら、再びステップS100の判定に戻ればよい。
【0029】
ステップS104では、表示制御部23は、表示部26に、認証エラーの旨を示すUI画面を表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
図5Bは、認証エラーの旨を示すUI画面51の一例を示している。UI画面51には、ICカードによるユーザー認証に失敗した旨や、管理者への問い合わせをすべき旨をユーザーに通知するメッセージ51aが示されている。
【0030】
ステップS105では、表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“スキャントゥフォルダー画面”であるか否かを判定する。つまり、ユーザーは、
図5Aに示したような“ようこそ画面”以外のUI画面が表示部26に表示されているタイミングにおいても、カード通信部29にICカードを読み込ませて、画像読取装置20へユーザーIDを入力することができる。
【0031】
“スキャントゥフォルダー画面”とは、画像読取装置20の機能の一つであるスキャントゥフォルダー機能の設定をするためにユーザーに設定情報を選択させるUI画面であって、宛先および読取方法が未選択状態のUI画面のことである。表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“スキャントゥフォルダー画面”であれば“Yes”と判定してステップS106へ進み、“スキャントゥフォルダー画面”でなければ“No”と判定してステップS112へ進む。
【0032】
図5Cは、“スキャントゥフォルダー画面”としてのUI画面52の一例を示している。UI画面52は、宛先入力欄52a、宛先タブ52b、スキャン設定タブ52c、スタートボタン52d等を有する。ユーザーは、宛先タブ52bを選択した状態で、任意に宛先を入力したり選択したりすることにより、宛先を宛先入力欄52aに表示させることができる。
図5Cの例では、当然、宛先入力欄52aに宛先は表示されていない。また、ユーザーは、スキャン設定タブ52cを選択した状態で、任意に読取方法を選択することができる。図において、スキャン設定とは読取方法を意味する。
図5Cの例では、スキャン設定タブ52cは選択されておらず、宛先タブ52bが選択されている。スタートボタン52dは、現時点の設定情報の選択を確定して、画像読取装置20の機能の実行を開始するためのボタンである。ただし、UI画面52の状態では、宛先等の設定情報が未選択であるため、スタートボタン52dは無効化されており、操作できない。このようなUI画面52は、画像読取装置20の読取送信機能に対応する「第1UI画面」の例である。
【0033】
ステップS106では、認証部24は、ステップS102と同じように認証を行う。認証部24は、ユーザーの認証に成功した場合、ステップS106の“Yes”の判定からステップS107へ進み、一方、ユーザーの認証に失敗した場合、ステップS106の“No”の判定からステップS104へ進む。
【0034】
ステップS107では、表示制御部23は、DB32を参照し、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して宛先および読取方法がDB32に登録されているか否かを判定する。表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して宛先および読取方法が、DB32に登録されていれば“Yes”の判定からステップS108へ進み、登録されていなければ“No”の判定からステップS111へ進む。
【0035】
ステップS108では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている宛先および読取方法が、複数であるか否かを判定し、複数であれば“Yes”の判定からステップS109へ進み、一つであれば“No”の判定からステップS110へ進む。
例えば、入力ユーザーIDが“002XXXX”であるとする。
図2のDB32によれば、入力ユーザーID“002XXXX”およびスキャントゥフォルダー機能に対応する宛先および読取方法は一組登録されているだけなので、表示制御部23は、ステップS108で“No”と判定することになる。
【0036】
また、例えば入力ユーザーIDが“001XXXX”であるとする。
図2のDB32によれば、入力ユーザーID“001XXXX”およびスキャントゥフォルダー機能に対応する宛先および読取方法は二組登録されているので、表示制御部23は、ステップS108で“Yes”と判定することになる。
【0037】
ステップS109では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている宛先、読取方法の夫々を、DB32から複数取得し、それらの一覧を表示部26に表示させる。その上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
【0038】
図6Aは、表示制御部23がステップS109において表示部26に表示させるUI画面53の一例を示している。UI画面53には、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている複数の宛先が、一覧表示されている。
図6Aの例は宛先の一覧であるが、ステップS109では、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている複数の読取方法についても、後述の
図7Bに例示するように、UI画面53に一覧表示する。表示制御部23は、ステップS109において、このような宛先の一覧表示と読取方法の一覧表示とを、ユーザーの操作に応じて切り替えればよい。従って、ユーザーは、UI画面53に提示されている複数の宛先の中から、所望の宛先を選択することができる。同様に、ユーザーは、UI画面53に提示されている複数の読取方法の中から、所望の読取方法を選択することができる。
【0039】
ステップS110では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている宛先および読取方法を夫々DB32から一つ取得して、表示部26に表示させる。その上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
【0040】
図6Bは、表示制御部23がステップS110において表示部26に表示させるUI画面54の一例を示している。UI画面54は、UI画面52と同様に、宛先入力欄52a、宛先タブ52b、スキャン設定タブ52c、スタートボタン52d等を有する。UI画面54を、UI画面52と比較すると、宛先入力欄52aに一つの宛先が表示されている点で異なる。つまり、UI画面54の宛先入力欄52aに表示された宛先が、表示制御部23が、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応する設定情報としてDB32から取得した宛先である。また、UI画面54を、UI画面52と比較すると、スキャン設定タブ52cが選択され、スキャン設定タブ52cに対応する欄に、モノクロ、PDF…といったように一つの読取方法が表示されている点でも異なる。つまり、UI画面54のスキャン設定タブ52cに対応する欄に表示された読取方法が、表示制御部23が、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応する設定情報としてDB32から取得した読取方法である。
【0041】
このようなUI画面54は、スキャントゥフォルダー機能の宛先、読取方法を夫々一つ選択した状態を表示していると言える。従って、UI画面54においては、スタートボタン52dが有効化されており、ユーザーは、現在の宛先および読取方法の選択に問題が無ければ、スタートボタン52dを押せばよい。
【0042】
ステップS111では、表示制御部23は、表示部26に、宛先および読取方法といった設定情報の登録エラーの旨を示すUI画面を表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
図6Cは、設定情報の登録エラーの旨を示すUI画面55の一例を示している。UI画面55には、読み込んだICカードのユーザーIDに対応する設定情報が登録されていない旨や、管理者へ問い合わせて設定情報を登録すべき旨をユーザーに通知するメッセージ55aが示されている。
【0043】
ステップS112では、表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“宛先選択状態のスキャントゥフォルダー画面”であるか否かを判定する。“宛先選択状態のスキャントゥフォルダー画面”とは、スキャントゥフォルダー機能の設定をするためにユーザーに設定情報を選択させるUI画面であって、宛先が選択されており読取方法が未選択状態のUI画面のことである。表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“宛先選択状態のスキャントゥフォルダー画面”であれば“Yes”と判定してステップS113へ進み、“宛先選択状態のスキャントゥフォルダー画面”でなければ“No”と判定してステップS119へ進む。ステップS119以降については、
図4を参照のこと。
【0044】
図7Aは、“宛先選択状態のスキャントゥフォルダー画面”としてのUI画面56の一例を示している。UI画面56は、UI画面52,54と同様に、宛先入力欄52a、宛先タブ52b、スキャン設定タブ52c、スタートボタン52d等を有する。UI画面56では、宛先入力欄52aに宛先が表示されているため、宛先が選択された状態であるが、スキャン設定タブ52cに対応する欄の内容が不明であるため、読取方法は未選択状態と言える。このようなUI画面56は、読取送信機能に対応する第1UI画面の一種である、読取方法を選択するための画面であって宛先が選択済み状態の「第2UI画面」に該当する。
【0045】
ステップS113では、認証部24は、ステップS102,S106と同じように認証を行う。認証部24は、ユーザーの認証に成功した場合、ステップS113の“Yes”の判定からステップS114へ進み、ユーザーの認証に失敗した場合、ステップS113の“No”の判定からステップS104へ進む。
【0046】
ステップS114では、表示制御部23は、DB32を参照し、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して読取方法がDB32に登録されているか否かを判定する。表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応する読取方法が、DB32に登録されていれば“Yes”の判定からステップS115へ進み、登録されていなければ“No”の判定からステップS118へ進む。
【0047】
ステップS115では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている読取方法が、複数であるか否かを判定し、複数であれば“Yes”の判定からステップS116へ進み、一つであれば“No”の判定からステップS117へ進む。
【0048】
ステップS116では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して登録されている読取方法をDB32から複数取得し、それらの一覧を表示部26に表示させる。その上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
図7Bは、表示制御部23がステップS116において表示部26に表示させるUI画面53の一例を示している。
図7BのUI画面53には、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている複数の読取方法が、一覧表示されている。
【0049】
ステップS117では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して登録されている読取方法をDB32から一つ取得して、表示部26に表示させる。その上で、
図3,4のフローチャートを終了する。ステップS117においては、宛先は既に選択されているため、結果的にステップS110と同様に、
図6Bに示すようなUI画面54が表示される。
【0050】
ステップS118では、表示制御部23は、表示部26に、読取方法の登録エラーの旨を示すUI画面を表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
図7Cは、読取方法の登録エラーの旨を示すUI画面57の一例を示している。UI画面57には、読み込んだICカードのユーザーIDに対応する読取方法が登録されていない旨や、管理者へ問い合わせて読取方法を登録すべき旨をユーザーに通知するメッセージ57aが示されている。
【0051】
図4に示すように、ステップS119では、表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“読取方法選択状態のスキャントゥフォルダー画面”であるか否かを判定する。“読取方法選択状態のスキャントゥフォルダー画面”とは、スキャントゥフォルダー機能の設定をするためにユーザーに設定情報を選択させるUI画面であって、読取方法が選択されており宛先が未選択状態のUI画面のことである。表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“読取方法選択状態のスキャントゥフォルダー画面”であれば“Yes”と判定してステップS120へ進み、“読取方法選択状態のスキャントゥフォルダー画面”でなければ“No”と判定してステップS126へ進む。
【0052】
図8Aは、“読取方法選択状態のスキャントゥフォルダー画面”としてのUI画面58の一例を示している。UI画面58は、UI画面52,54,56と同様に、宛先入力欄52a、宛先タブ52b、スキャン設定タブ52c、スタートボタン52d等を有する。UI画面58では、スキャン設定タブ52cに対応する欄に読取方法が表示されているため、読取方法が選択された状態であるが、宛先入力欄52aに宛先が表示されていないため、宛先は未選択状態と言える。このようなUI画面58は、読取送信機能に対応する第1UI画面の一種である、宛先を選択するための画面であって読取方法が選択済み状態の「第3UI画面」に該当する。
【0053】
ステップS120では、認証部24は、ステップS102,S106,S113と同じように認証を行う。認証部24は、ユーザーの認証に成功した場合、ステップS120の“Yes”の判定からステップS121へ進み、ユーザーの認証に失敗した場合、ステップS120の“No”の判定からステップS104へ進む。
【0054】
ステップS121では、表示制御部23は、DB32を参照し、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して宛先がDB32に登録されているか否かを判定する。表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応する宛先が、DB32に登録されていれば“Yes”の判定からステップS122へ進み、登録されていなければ“No”の判定からステップS125へ進む。
【0055】
ステップS122では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応してDB32に登録されている宛先が、複数であるか否かを判定し、複数であれば“Yes”の判定からステップS123へ進み、一つであれば“No”の判定からステップS124へ進む。
【0056】
ステップS123では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して登録されている宛先をDB32から複数取得し、それらの一覧を表示部26に表示させる。その上で、
図3,4のフローチャートを終了する。つまり、ステップS123では、
図6Aに示したようなUI画面53が表示される。
【0057】
ステップS124では、表示制御部23は、入力ユーザーIDおよびスキャントゥフォルダー機能に対応して登録されている宛先をDB32から一つ取得して、表示部26に表示させる。その上で、
図3,4のフローチャートを終了する。ステップS124においては、読取方法は既に選択されているため、結果的にステップS110,S117と同様に、
図6Bに示すようなUI画面54が表示される。
【0058】
ステップS125では、表示制御部23は、表示部26に、宛先の登録エラーの旨を示すUI画面を表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
図8Bは、宛先の登録エラーの旨を示すUI画面59の一例を示している。UI画面59には、読み込んだICカードのユーザーIDに対応する宛先が登録されていない旨や、管理者へ問い合わせて宛先を登録すべき旨をユーザーに通知するメッセージ59aが示されている。
【0059】
ユーザーの認証に成功している状況下、ステップS110,S117,S124のいずれかのタイミングや、ステップS109,S116,S123のいずれかを経てユーザーが宛先および読取方法の選択を終えたタイミングで、スタートボタン52dが押されたとする。この場合、設定部25は、UI画面において選択されている宛先および読取方法に従って、画像読取装置20のスキャントゥフォルダー機能を設定する。そして、設定部25は、この設定によるスキャントゥフォルダー機能を、読取部27および通信部30に実行させる。
【0060】
ステップS126では、表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が“管理者用画面”であるか否かを判定する。管理者用画面とは、管理者のみが操作可能なUI画面である。管理者用画面を「第4UI画面」とも呼ぶ。表示制御部23は、表示部26に現在表示させているUI画面が管理者用画面であれば“Yes”と判定してステップS127へ進み、管理者用画面でなければ“No”と判定してステップS131へ進む。
【0061】
図8Cは、管理者用画面の一例であるUI画面60を示している。UI画面60は、通信部30におけるネットワーク設定を、画像読取装置20の購入時の状態に戻すか否か、つまりネットワーク設定のリセットの可否を選択するためのUI画面である。他にも、ユーザーの登録情報を編集するためのUI画面や、ファームウェアのアップデートをするためのUI画面等が、管理者用画面に該当する。
【0062】
ステップS127では、認証部24は、ステップS102,S106,S113,S120と同じように認証を行う。認証部24は、ユーザーの認証に成功した場合、ステップS127の“Yes”の判定からステップS128へ進み、ユーザーの認証に失敗した場合、ステップS127の“No”の判定からステップS104へ進む。
【0063】
ステップS128では、表示制御部23は、入力ユーザーIDに対応して登録されている管理者情報をDB32から取得して、管理権限の有無を判定する。つまり、表示制御部23は、入力ユーザーIDに対応する管理者情報が、“管理者”を示していれば“Yes”の判定からステップS129へ進み、“通常ユーザー”を示していれば“No”の判定からステップS130へ進む。また、表示制御部23は、そもそも入力ユーザーIDに対応する管理者情報がDB32に登録されていない場合にも、ステップS128で“No”と判定する。
【0064】
ステップS129では、表示制御部23は、認証用画面を表示部26に表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。ステップS129に至るまでに、ステップS127によりユーザーIDに基づく認証が済んでいる。よって、ステップS129で表示する認証用画面は、ユーザーに対して2段階目の認証を行うUI画面と言える。つまり、表示制御部23は、管理者用画面については、2段階認証を行うことで不正な操作を排除する。
【0065】
図9Aは、ステップS129において表示される認証用画面としてのUI画面61を例示している。上述したように、表示部26はタッチパネルディスプレイである。UI画面61は、タッチ位置を表すサークル61aを複数有している。管理者は、UI画面61による認証を成功させるための所定の操作を予め知っている。ここで言う所定の操作とは、複数のサークル61aを対象としたタッチの位置や回数やタッチ時間長や順番等で定まるタッチの組み合わせである。
【0066】
認証部24は、例えば、UI画面61に対する前記所定の操作が所定の時間内にされた場合に認証成功と判定し、表示制御部23は、この認証成功の判定を受けてUI画面61を消し、管理者用画面への操作を許容すればよい。ステップS129で表示する認証用画面は、
図9A以外にも、例えば、ソフトウェアキーボードを表示して管理者専用の認証用パスワードの入力を受け付けるUI画面であってもよい。あるいは、表示部26がタッチ入力不能なディスプレイである場合は、ステップS129で表示する認証用画面は、表示部26外に存在する物理ボタンの所定の操作を受けた場合に、ユーザーを認証する画面であってもよい
【0067】
ステップS130では、表示制御部23は、表示部26に、管理権限の登録エラーの旨を示すUI画面を表示させた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。
図9Bは、管理権限の登録エラーの旨を示すUI画面62の一例を示している。UI画面62には、読み込んだICカードのユーザーIDに対応して管理権限が登録されていない旨や、管理者へ問い合わせるべき旨をユーザーに通知するメッセージ62aが示されている。
【0068】
表示制御部23は、カード通信部29によりICカードが読み込まれたとき、つまりステップS100で“Yes”と判定したとき、表示部26が、ユーザーIDに対応してDB32に登録されている情報を利用しないUI画面を表示している場合、ステップS131へ進む。“ユーザーIDに対応してDB32に登録されている情報を利用しないUI画面”を「第5UI画面」と呼ぶ。
図3,4の例では、ステップS101,S105,S112,S119,S126の全てで“No”と判定されるUI画面が、第5UI画面である。
【0069】
図3,4では紙面の都合上表現していないが、表示制御部23は、ステップS100で“Yes”と判定したタイミングが、スキャントゥメール機能のための設定情報を選択させるUI画面(スキャントゥメール画面)を表示部26が表示しているときであっても、スキャントゥフォルダー画面の表示中のときと同様、入力ユーザーIDおよび機能に対応する設定情報をUI画面に表示する。同様に、表示制御部23は、ステップS100で“Yes”と判定したタイミングが、コピー機能やファクシミリ送信機能のための設定情報を選択させる各UI画面を表示部26が表示しているときであっても、入力ユーザーIDおよび機能に対応する設定情報をUI画面に表示することができる。つまり、スキャントゥメール画面や、コピー機能やファクシミリ送信機能のための設定情報を選択させる各UI画面は、いずれも第5UI画面に該当しない。
【0070】
ステップS131では、表示制御部23は、ユーザーIDに対応してDB32に登録されている情報の利用が可能なUI画面を案内する旨の表示を表示部26に行わせた上で、
図3,4のフローチャートを終了する。“ユーザーIDに対応してDB32に登録されている情報の利用が可能なUI画面”を、ID利用可能画面とも呼ぶ。これまでに説明した第1~第4UI画面は、いずれもID利用可能画面である。ようこそ画面や、スキャントゥメール画面や、コピー機能やファクシミリ送信機能のための設定情報を選択させる各UI画面も、ID利用可能画面の一種である。
【0071】
図9Cは、ID利用可能画面を案内する旨の表示、としてのUI画面63の一例を示している。UI画面63には、スキャントゥフォルダー画面やスキャントゥメール画面の表示中に、ICカードを読み込ませることで、ユーザーIDに対応して登録されている情報を利用できる旨のメッセージ63aが、示されている。
【0072】
4.まとめ:
このように本実施形態によれば、画像読取装置20は、操作を受け付け可能なUI画面を表示する表示部26と、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づいて、ユーザーを認証する認証部24と、表示部26による表示を制御する表示制御部23と、認証部24によるユーザーの認証が成功した状態で、UI画面において選択された設定情報に従って画像読取装置20の機能を設定する設定部25と、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報と、を対応付けて登録したDB32を記憶する記憶部31と、を備える。そして、表示制御部23は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに表示部26が表示しているUI画面が対応する前記機能と、に応じてDB32から前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を表示部26に表示させる。
【0073】
前記構成によれば、ユーザーがICカード等の識別用媒体を画像読取装置20に読み込ませることにより、表示制御部23が識別情報(ユーザーID)を入力すると、このユーザーIDと、そのとき表示部26が表示しているUI画像が対応する機能と、に対応する設定情報を、表示部26に表示させる。これにより、ユーザーは、現在のUI画面で設定しようとしている画像読取装置20の機能および自身にとって適した設定情報を、容易に選択することが可能となる。すなわち、識別情報の利用を個人認証以外の用途にも拡大することにより、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、画像読取装置20は、原稿を選択された読取方法で読み取ることにより生成した画像データを選択された宛先へ送る読取送信機能を有する。DB32には、前記識別情報と、前記読取送信機能と、前記設定情報としての前記読取方法および前記宛先と、が対応付けて登録されている。そして、表示制御部23は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、表示部26が、前記読取送信機能に対応するUI画面である第1UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と前記読取送信機能とに対応する前記読取方法および前記宛先を、DB32から取得して表示部26に表示させる。
前記構成によれば、ユーザーは、第1UI画面で設定しようとしている読取送信機能 および自身にとって適した読取方法や宛先を、容易に選択することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、表示部26が、第1UI画面の一種である、前記読取方法を選択するための画面であって前記宛先が選択済み状態の第2UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と前記読取送信機能とに対応する前記読取方法を、DB32から取得して表示部26に表示させる。
前記構成によれば、ユーザーは、読取送信機能の宛先が選択されている第2UI画面が表示されている状態から、自身にとって適した読取方法を、容易に選択することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、表示部26が、第1UI画面の一種である、前記宛先を選択するための画面であって前記読取方法が選択済み状態の第3UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と前記読取送信機能とに対応する前記宛先を、DB32から取得して表示部26に表示させる。
前記構成によれば、ユーザーは、読取送信機能の読取方法が選択されている第3UI画面が表示されている状態から、自身にとって適した宛先を、容易に選択することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態によれば、DB32には、前記識別情報と、画像読取装置20の管理権限の有無を示す管理者情報と、が対応付けて登録されている。表示制御部23は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、表示部26が前記管理権限を有するユーザーのみが操作可能なUI画面である第4UI画面を表示している場合、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に対応する前記管理者情報をDB32から取得し、取得した前記管理者情報が前記管理権限有りを示していれば、前記識別情報に基づく認証が成功した状態で更にユーザーを認証するための認証用画面を表示部26に表示させる。
前記構成によれば、第4UI画面を操作しようとするユーザーに対して2段階認証をして、セキュリティを高めることができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、表示部26はタッチパネルディスプレイであり、認証部24は、前記認証用画面を介して、予め定めたタッチの組み合わせを受け付けたときにユーザーを認証する、としてもよい。
前記構成によれば、認証部24は、予め定めたタッチの組み合わせを知るユーザーのみ、認証することができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、前記識別用媒体が読み込まれたとき、前記識別情報に対応してDB32に登録されている情報を利用しないUI画面である第5UI画面を表示部26が表示している場合、前記識別情報に対応してDB32に登録されている情報の利用が可能なUI画面を案内する旨のメッセージを、表示部26に表示させる。
前記構成によれば、表示制御部23は、第5UI画面を見ているユーザーに対して、例えば第1UI画面等の、前記識別情報に対応してDB32に登録されている情報の利用が可能なUI画面の存在を案内する。これにより、ユーザーの利便性を更に向上させることができる。
【0080】
本実施形態は、画像読取装置20に限らず、システムや、方法や、プログラムの発明を開示する。
互いに通信可能に接続する画像読取装置20および記憶装置(サーバー40)を含む画像読取システム10によれば、画像読取装置20は、操作を受け付け可能なUI画面を表示する表示部26と、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づいて、ユーザーを認証する認証部24と、表示部26による表示を制御する表示制御部23と、認証部24によるユーザーの認証が成功した状態で、UI画面において選択された設定情報に従って画像読取装置20の機能を設定する設定部25と、を備える。記憶装置は、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録したDB32を記憶している。そして、表示制御部23は、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに表示部26が表示しているUI画面が対応する前記機能と、に応じてDB32から前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を表示部26に表示させる。
【0081】
また、プロセッサー21がプログラム22に従って実行する画像読取装置20の制御方法は、操作を受け付け可能なUI画面を表示部26に表示させる表示制御工程と、ユーザーの識別情報を有する識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報に基づいて、ユーザーを認証する認証工程と、認証工程によるユーザーの認証が成功した状態で、UI画面において選択された設定情報に従って画像読取装置20の機能を設定する設定工程と、を備える。そして、表示制御工程では、前記識別情報と、前記機能の少なくとも一つと、前記設定情報とを対応付けて登録したDB32を参照して、前記識別用媒体の読み込みにより入力した前記識別情報と、前記識別用媒体が読み込まれたときに表示部26が表示しているUI画面が対応する前記機能と、に対応する前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報を表示部26に表示させる。
【0082】
言うまでもなく、
図3,4におけるステップS101,S105,S112,S119,S126の各判定の実行順は、図示した通りでなくてもよい。プロセッサー21は、ステップS100で“Yes”と判定したとき、例えば、真っ先にステップS101の判定を実行しなくてもよい。また、プロセッサー21は、例えば、ステップS126で“No”と判定した後に、ステップS105の判定をしてもよいし、ステップS119で“No”と判定した後に、ステップS112の判定をしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…システム、20…画像読取装置、21…プロセッサー、22…プログラム、23…表示制御部、24…認証部、25…設定部、26…表示部、27…読取部、28…印刷部、29…カード通信部、30…通信部、31…記憶部、32…DB、40…サーバー、50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63…UI画面