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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】箔転写装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/40 20060101AFI20240910BHJP
   B44C 1/17 20060101ALI20240910BHJP
   B41F 16/00 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
B65C9/40
B44C1/17 L
B41F16/00 Z
B41F16/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020168834
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061070
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】山本 智也
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-059235(JP,A)
【文献】特開2020-121775(JP,A)
【文献】特開2020-121752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/40
B44C 1/17
B41F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔を含む箔フィルムにシートを重ねて、前記シートに前記箔を転写する箔転写装置であって、
筐体本体と、
前記箔フィルムおよび前記シートを加熱する加熱部材と、
前記加熱部材との間で前記箔フィルムおよび前記シートを挟む加圧部材と、
前記加熱部材を支持する可動フレームであって、前記箔フィルムが前記筐体本体に装着された状態で前記加熱部材が前記箔フィルムに接触する接触位置に位置する第1位置と、前記箔フィルムが前記筐体本体に装着された状態で前記加熱部材が前記箔フィルムから離間する離間位置に位置する第2位置と、の間で移動可能な可動フレームと、
前記可動フレームを第1位置と第2位置とに移動させるカムと、
前記可動フレームの位置を検知するセンサと、を備え
前記可動フレームは、リブを有し、
前記センサは、発光部と、前記発光部と向かい合う受光部と、を有し、
前記可動フレームが前記第2位置に位置する場合、前記リブは、前記発光部と前記受光部の間に位置し、
前記可動フレームが前記第1位置に位置する場合、前記リブは、前記発光部と前記受光部の間に位置しないことを特徴とする箔転写装置。
【請求項2】
前記可動フレームは、
前記カムに押圧されることで、前記第2位置から前記第1位置に移動し、
自重により、前記第1位置から前記第2位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の箔転写装置。
【請求項3】
前記加熱部材を覆うシャッタと、
前記可動フレームが前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に、前記シャッタを前記加熱部材と前記加圧部材の間に移動させ、前記可動フレームが前記第2位置から前記第1位置に移動する場合に、前記シャッタを前記加熱部材と前記加圧部材の間と異なる位置に移動させる連動機構と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の箔転写装置。
【請求項4】
筐体本体をさらに備え、
前記連動機構は、前記筐体本体に揺動可能に支持されたリンクを有し、
前記リンクは、
前記可動フレームおよび前記シャッタに係合しており、
前記可動フレームが前記第2位置から前記第1位置に移動した場合に揺動し、前記シャッタを前記加熱部材と前記加圧部材の間から前記加熱部材と前記加圧部材の間と異なる位置に移動させることを特徴とする請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項5】
前記リブは、前記可動フレームが前記第1位置と前記第2位置との間で移動する方向に延びていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の箔転写装置。
【請求項6】
前記可動フレームは、前記加熱部材を支持する第1フレームと、前記カムに押圧される第2フレームであって、前記第1フレームに対して移動可能に前記第1フレームと接続された第2フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームの間に配置された付勢部材と、を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の箔転写装置。
【請求項7】
前記リブは、前記第2フレームに設けられていることを特徴とする請求項に記載に箔転写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに箔を転写する箔転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箔転写装置として、箔フィルムおよびシートを加熱する加熱部材と、加熱部材との間で箔フィルムおよびシートを挟む加圧部材と、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この箔転写装置は、加熱部材が箔フィルムに接触する接触位置と、加熱部材が箔フィルムから離間する離間位置とに移動させる接離機構と、加熱部材の位置を検知するセンサを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-121467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような箔転写装置において、加熱部材の位置を検知するセンサは、例えば、加熱部材を移動させるカムの位相を検知するものが考えられる。しかしながら、このような構成において、カムが移動しても加熱ローラが移動しない場合には、センサは、加熱部材の位置を正確に検知できない虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、箔フィルムに対して接触・離間可能な加熱部材の位置を正しく検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための箔転写装置は、箔を含む箔フィルムにシートを重ねて、シートに箔を転写し、筐体本体と、加熱部材と、加圧部材と、可動フレームと、カムと、センサと、を備える。
加熱部材は、箔フィルムおよびシートを加熱する。加圧部材は、加熱部材との間で箔フィルムおよびシートを挟む。可動フレームは、加熱部材を支持し、箔フィルムが筐体本体に装着された状態で加熱部材が箔フィルムに接触する接触位置に位置する第1位置と、箔フィルムが筐体本体に装着された状態で加熱部材が箔フィルムから離間する離間位置に位置する第2位置と、の間で移動可能である。カムは、可動フレームを第1位置と第2位置とに移動させる。センサは、可動フレームの位置を検知する。
【0007】
この構成によれば、センサが加熱部材を支持する可動フレームの位置を検知するので、箔フィルムに対して接触・離間可能な加熱部材の位置を正しく検知できる。
【0008】
また、前記した構成において、可動フレームは、カムに押圧されることで、第2位置から第1位置に移動し、自重により、第1位置から第2位置に移動する構成であってもよい。
【0009】
この構成によれば、可動フレームを第1位置から第2位置に移動させる部材が必要ないので、部品点数を減らすことができる。
【0010】
また、前記した構成において、箔転写装置は、加熱部材を覆うシャッタと、可動フレームが第1位置から第2位置に移動する場合に、シャッタを加熱部材と加圧部材の間に移動させ、可動フレームが第2位置から第1位置に移動する場合に、シャッタを加熱部材と加圧部材の間と異なる位置に移動させる連動機構と、を備える構成であってもよい。
【0011】
この構成によれば、連動機構によって、可動フレームが第2位置に移動する場合にシャッタが加熱部材を覆うことができ、可動フレームが第1位置に移動する場合にシャッタが加熱部材と加圧部材のニップを邪魔しない。
【0012】
また、前記した構成において、連動機構は、筐体本体に揺動可能に支持されたリンクを有し、リンクは、可動フレームおよびシャッタに係合しており、可動フレームが第2位置から第1位置に移動した場合に揺動し、シャッタを加熱部材と加圧部材の間から加熱部材と加圧部材の間と異なる位置に移動させる構成であってもよい。
【0013】
また、前記した構成において、可動フレームはリブを有し、センサは、発光部と、発光部と向かい合う受光部と、を有し、可動フレームが第2位置に位置する場合、リブは、発光部と受光部の間に位置し、可動フレームが第1位置に位置する場合、リブは、発光部と受光部の間に位置しない構成であってもよい。
【0014】
また、前記した構成において、リブは、可動フレームが第1位置と第2位置との間で移動する方向に延びている構成であってもよい。
【0015】
また、前記した構成において、可動フレームは、加熱部材を支持する第1フレームと、カムに押圧される第2フレームであって、第1フレームに対して移動可能に第1フレームと接続された第2フレームと、第1フレームと第2フレームの間に配置された付勢部材と、を有する構成であってもよい。
【0016】
この構成によれば、カムに押圧された第2フレームが付勢部材を介して第1フレームを押圧するので、加熱部材が必要以上に押圧されてしまうことを抑制できる。
【0017】
また、前記した構成において、リブは、第2フレームに設けられている構成であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、箔フィルムに対して移動可能な加熱部材の位置を正しく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る箔転写装置を示す図(a)と、箔フィルムの構成を示す断面図(b)である。
図2】箔転写装置のカバーを開けた状態を示す図である。
図3】加熱部材が接触位置に位置する状態の加熱ユニットを示す斜視図である。
図4】加熱部材が離間位置に位置する状態の加熱ユニットを示す斜視図である。
図5】加熱部材が離間位置に位置する状態の加熱ユニットを前から見た断面図である。
図6】加熱部材が接触位置に位置する状態の加熱ユニットを軸方向から見た断面図である。
図7】加熱部材が離間位置に位置する状態の加熱ユニットを軸方向から見た断面図である。
図8】加熱部材が接触位置に位置する状態のシャッタと連動機構を説明する図である。
図9】加熱部材が離間位置に位置する状態のシャッタと連動機構を説明する図である。
図10図4と異なる方向から見た加熱ユニットを示す斜視図であり、サーミスタの位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、方向は、図1(a)に示す方向で説明する。すなわち、図1(a)の右側を「前」とし、図1(a)の左側を「後」とし、図1(a)の紙面手前側を「左」とし、図1(a)の紙面奥側を「右」とする。また、図1(a)の上下を「上下」とする。
【0021】
箔転写装置1は、箔を含む箔フィルムFにシートSを重ねて、シートSに箔を転写するための装置である。図1(a)に示すように、箔転写装置1は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置によってシートS上に形成されたトナー像の上にアルミニウム等の箔を転写するための装置である。箔転写装置1は、筐体2と、シートトレイ3と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50と、箔転写装置1を制御する制御部100と、を備えている。
【0022】
筐体2は、樹脂などからなり、筐体本体21と、カバー22とを備えている。筐体本体21は、上部に開口21A(図2参照)を有している。開口21Aは、筐体本体21に後述するフィルムユニットFUを着脱するための開口である。開口21Aは、上向きとなっている。カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを塞ぐ閉位置と、開口21Aを開放する開位置との間で移動可能である。本実施形態では、カバー22は、シートSの搬送方向とは異なる方向に開く。
【0023】
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルム等のシートSが載置されるトレイである。シートトレイ3は、筐体2の後部に設けられている。なお、シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
【0024】
シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。シート供給機構11は、シートトレイ3上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。シート供給機構11は、ピックアップローラ11A、リタードローラ11Bおよび上流側搬送ローラ11Cを備えている。
【0025】
ピックアップローラ11Aは、シートトレイ3上のシートSを転写部50に向けて供給するためのローラである。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aによって搬送されるシートSを1枚に分離するためのローラである。
【0026】
リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aの上に配置されている。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSの上に重なっているシートSをシートトレイ3に向けて戻す方向に回転可能となっている。
【0027】
上流側搬送ローラ11Cは、2つのローラからなり、これらのローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。上流側搬送ローラ11Cは、ピックアップローラ11Aと転写部50との間に配置され、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSを転写部50に搬送する。
【0028】
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。シート排出機構12は、搬送ローラの一例としての下流側搬送ローラ12Aと、排出ローラ12Bを備えている。
【0029】
下流側搬送ローラ12Aおよび排出ローラ12Bは、それぞれ、2つのローラからなり、これらのローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。下流側搬送ローラ12Aは、シートSの搬送方向において、後述する第2案内軸42の下流に位置している。なお、以下の説明では、シートSの搬送方向を、単に「搬送方向」とも称する。
【0030】
詳しくは、下流側搬送ローラ12Aは、搬送方向において、第2案内軸42の下流に位置する、シートSを搬送するための複数のローラ(12A,12B)のうち、第2案内軸42に最も近いローラである。下流側搬送ローラ12Aは、搬送方向において、第2案内軸42と排出ローラ12Bとの間に位置する。下流側搬送ローラ12Aは、転写部50から送り出されるシートSを排出ローラ12Bに向けて搬送する。
【0031】
排出ローラ12Bは、搬送方向において、下流側搬送ローラ12Aの下流に位置する。排出ローラ12Bは、下流側搬送ローラ12Aで送り出されるシートSを筐体2の外に排出する。
【0032】
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように箔フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、モータ80を備えている。
【0033】
フィルムユニットFUは、図2に示すように、筐体本体21に上から着脱可能となっている。フィルムユニットFUは、供給リール31と、巻取リール35と、第1案内軸41と、剥離部材の一例としての第2案内軸42と、規定部材の一例としての第3案内軸43とを備えている。フィルムユニットFUの供給リール31には、箔フィルムFが巻回されている。
【0034】
図1(b)に示すように、箔フィルムFは、支持層F1と、被支持層F2とを有する。支持層F1は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層F2を支持している。
【0035】
被支持層F2は、剥離層F21と、転写層F22と、接着層F23とを有する。剥離層F21は、支持層F1から転写層F22を剥離しやすくするための層であり、支持層F1と転写層F22との間に配置されている。剥離層F21は、支持層F1から剥離しやすい透明な材料、例えばワックス系樹脂を含んでいる。
【0036】
転写層F22は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の薄い金属である。また、転写層F22は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層F22は、剥離層F21と接着層F23との間に配置されている。
【0037】
接着層F23は、転写層F22をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層F23は、後述する転写部50によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。
【0038】
図1(a)に示すように、供給リール31は、樹脂などからなり、箔フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。巻取リール35は、樹脂などからなり、箔フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。供給リール31には、図示せぬ負荷付与機構が設けられている。この負荷付与機構は、供給リール31を回転可能に支持する供給ケース32との間で摩擦力を発生させることで供給リール31に負荷トルクを付与する機構である。供給リール31に負荷トルクが付与されることで、巻取リール35で箔フィルムFを巻き取ると、箔フィルムFに張力がかかる。
【0039】
なお、図1(a)等においては、便宜上、供給リール31および巻取リール35の両方に箔フィルムFが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットFUが新品の状態においては、供給リール31に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最大となっており、巻取リール35には箔フィルムFが巻回されていない、もしくは、巻取リール35に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最小となっている。また、フィルムユニットFUの寿命時(箔フィルムFを使い切ったとき)においては、巻取リール35に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最大となり、供給リール31には箔フィルムFが巻回されていない、もしくは、供給リール31に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最小となる。
【0040】
第1案内軸41、第2案内軸42および第3案内軸43は、箔フィルムFの進行方向を変更するためのローラ状の軸である。第1案内軸41、第2案内軸42および第3案内軸43は、SUS(ステンレス鋼)などからなっている。
【0041】
第1案内軸41は、シートSの搬送方向において、転写部50の上流に位置する。第1案内軸41は、供給リール31から引き出される箔フィルムFの進行方向を、シートSの搬送方向と略平行となるように変更する。
【0042】
このような第1案内軸41によって案内される箔フィルムFは、被支持層F2(図1(b)参照)を上に向けた状態で、転写部50に向けて搬送される。また、シートSは、被支持層F2が上に向いた状態の箔フィルムFの上に重ねられて、箔フィルムFとともに転写部50に向けて搬送される。
【0043】
第2案内軸42は、シートSの搬送方向において、転写部50の下流に位置する。第2案内軸42は、転写部50を通過した箔フィルムFの進行方向をシートSの搬送方向とは異なる方向に変更することで、箔フィルムFをシートSから剥離させている。
【0044】
第3案内軸43は、第2案内軸42によって変更される箔フィルムFの進行方向を規定する部材である。詳しくは、第3案内軸43は、シートSから箔フィルムFを剥離させるときの箔フィルムFの角度(以下、「剥離角度」ともいう。)を規定している。ここで、剥離角度は、箔フィルムFのうち、第1案内軸41と第2案内軸42の間で張架される部分と、第2案内軸42と第3案内軸43の間で張架される部分とのなす角である。第3案内軸43は、第2案内軸42で案内された箔フィルムFの進行方向を変更して巻取リール35に案内している。
【0045】
フィルムユニットFUを箔転写装置1に装着した状態において、巻取リール35は、筐体2に設けられたモータ80によって図示反時計回りに回転駆動される。巻取リール35が回転すると、供給リール31に巻回された箔フィルムFが引き出され、引き出された箔フィルムFが各案内軸41~43で案内されて巻取リール35に巻き取られていく。詳しくは、箔転写中において、後述する加圧ローラ51と加熱ローラ61によって箔フィルムFが送り出されることで、供給リール31から箔フィルムFが引き出される。そして、加圧ローラ51と加熱ローラ61から送り出された箔フィルムFが、巻取リール35に巻き取られていく。
【0046】
転写部50は、シートSと箔フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層F22を転写するための部分である。転写部50は、加圧部材の一例としての加圧ローラ51と、加熱部材の一例としての加熱ローラ61とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと箔フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
【0047】
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、箔フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面である表面と反対側の面)と接触可能となっている。
【0048】
加圧ローラ51は、両端部がカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび箔フィルムFを挟み、モータ80によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。
【0049】
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータを配置したローラであり、箔フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、箔フィルムFの下側に配置され、箔フィルムFと接触している。加熱ローラ61は、箔フィルムFおよびシートSを加熱する。以下の説明では、加熱ローラ61が回転する軸の方向を単に「軸方向」とも言う。
【0050】
なお、加熱ローラ61は、加熱ユニット6によって回転可能、かつ、上下に移動可能に支持されている。加熱ユニット6は、加熱ローラ61を箔フィルムFに対して接触・離間させるための接離機構7を有している。加熱ユニット6は、シートSの搬送方向において、供給リール31と巻取リール35の間に配置されている。接離機構7は、カバー22を閉じている状態においては、シートSが転写部50に供給されるタイミングに合わせて加熱ローラ61を、箔フィルムFに接触する接触位置に移動させている。また、接離機構7は、カバー22が開けられた場合や、転写部50においてシートSに箔転写を行わない場合には、加熱ローラ61を、箔フィルムFから離間する離間位置に位置させている。
【0051】
このように構成された箔転写装置1では、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給機構11により転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50の搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された箔フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と箔フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
【0052】
転写部50においては、シートSと箔フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に箔(被支持層F2)が転写される。
【0053】
箔が転写された後、シートSと箔フィルムFは貼り付いた状態で第2案内軸42まで搬送される。シートSと箔フィルムFが第2案内軸42を通過すると、箔フィルムFの搬送方向がシートSの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートSから箔フィルムFが剥離、すなわち、トナー像に接着した被支持層F2が、箔フィルムFの支持層F1から剥離される。
【0054】
シートSから剥離され、シートS上のトナー像に接着した被支持層F2から剥離した支持層F1を含む箔フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、箔フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
【0055】
ここで、本実施形態の特徴部分である加熱ユニット6の接離機構7について詳しく説明する。
【0056】
図3図4に示すように、加熱ユニット6は、前述した加熱ローラ61および接離機構7の他、固定フレーム60を有している。固定フレーム60は、加熱ユニット6の外枠を構成し、接離機構7を支持する。固定フレーム60は、筐体本体21に固定されている。
【0057】
接離機構7は、加熱ローラ61を図3に示す接触位置と、図4に示す離間位置に移動させる機構である。言い換えると、接離機構7によって、加熱ローラ61は、加圧ローラ51と加熱ローラ61が並ぶ方向に移動される(図1も参照)。以下の説明では、加熱ローラ61が移動する方向を単に「移動方向」ともいう。
【0058】
図5に示すように、接離機構7は、可動フレーム70と、カム73と、を有する。可動フレーム70は、加熱ローラ61を支持する部材である。可動フレーム70は、固定フレーム60の図示しないガイド部によってスライド可能にガイドされ、図6に示す第1位置と、図7に示す第2位置に移動可能である。図6に示すように、第1位置は、箔フィルムFが筐体本体21に装着された状態で加熱ローラ61が箔フィルムFに接触する位置である。図7に示すように、第2位置は、箔フィルムFが筐体本体21に装着された状態で加熱ローラ61が箔フィルムFから離間する位置である。なお、可動フレーム70が第1位置と第2位置との間で移動する方向は、「移動方向」と同じ方向である。
【0059】
カム73は、可動フレーム70を移動させる部材である。カム73は、軸方向に延びるシャフト73Sの両端部に設けられている。シャフト73Sは、図示せぬ駆動源によって回転される。カム73は、シャフト73Sの回転に伴って、可動フレーム70を押圧する押圧位置(図6参照)と、可動フレーム70を押圧しないリリース位置(図7参照)とに変位可能である。
【0060】
カム73がリリース位置から押圧位置に回転すると、可動フレーム70は、カム73に押圧され、第2位置から第1位置に移動する。可動フレーム70が第1位置に位置する状態では、加熱ローラ61が接触位置に位置する。
【0061】
カム73が押圧位置からリリース位置に回転すると、可動フレーム70は、カム73に押圧されず、第1位置から第2位置に移動可能となる。本実施形態では、カム73がリリース位置にある場合には、可動フレーム70は、自重により、第1位置から第2位置に移動する。可動フレーム70が第2位置に位置する状態では、加熱ローラ61は、離間位置に位置する。
【0062】
図6に示すように、本実施形態では、可動フレーム70は、上下に並んで位置する2つのフレームから構成されている。具体的に、可動フレーム70は、第1フレーム71と、第2フレーム72と、を有している。また、接離機構7は、連結シャフト74と、ローラ75と、バネ76と、をさらに有している。
【0063】
図5に示すように、連結シャフト74は、軸方向に延びるシャフトであり、第1フレーム71と第2フレーム72とを連結する。
【0064】
ローラ75は、連結シャフト74の軸方向の両端部にそれぞれ配置され、連結シャフト74に対して回転可能である。ローラ75は、カム73に押圧される部材であり、ローラ75がカム73に押圧されると、ローラ75と共に連結シャフト74が移動するようになっている。
【0065】
第1フレーム71は、第2フレーム72の上側に位置する。第1フレーム71は、支持部71Aと、接続部71Bと、バネ係合部71Cと、突起71Dと、を有している(図8も参照)。
【0066】
支持部71Aは、加熱ローラ61を支持する部分である。接続部71Bは、連結シャフト74を介して第1フレーム71を第2フレーム72に接続するための部分である。接続部71Bは、連結シャフト74が入り込む長穴71Hを有している。長穴71Hは、移動方向に長い長穴である。このため、第1フレーム71は、連結シャフト74に対して、移動方向にスライド移動可能である。図8に示すように、バネ係合部71Cは、第2フレーム72に向けて突出しており、バネ76の一端と係合する部分である。突起71Dは、軸方向の一方側に向けて突出しており、第1フレーム71が第1位置から第2位置に移動するときに、後述するリンク64を押圧する部分である。
【0067】
第2フレーム72は、接続部72Aと、バネ係合部72Bと、リブ72Cと、を有している。
【0068】
接続部72Aは、連結シャフト74と係合して、連結シャフト74を介して第1フレーム71と接続するための部分である。接続部72Aには、連結シャフト74が下側から入り込む切欠き72Kが形成されている。このため、第2フレーム72は、連結シャフト74に対して、移動方向にスライド移動可能である。バネ係合部72Bは、第1フレーム71に向けて突出しており、バネ76の他端と係合する部分である。リブ72Cは、移動方向に延びている。本実施形態では、リブ72Cは、第2フレーム72に下端に位置し、下方に向かって延びている。リブ72Cは、後述するセンサSAが可動フレーム70の位置を検知するための部分である。
【0069】
図6に示すように、バネ76は、第1フレーム71と、第2フレーム72の間に配置されている。バネ76は、付勢部材の一例である。本実施形態では、バネ76は、圧縮バネであり、複数配置されている。第1フレーム71および第2フレーム72は、連結シャフト74に対してそれぞれ移動方向にスライド可能であるとともに、バネ76によって、互いに離れる方向に付勢されている。
【0070】
カム73がリリース位置から押圧位置に回転した場合、カム73がローラ75を上方に押圧する。すると、連結シャフト74が上方に押圧され、連結シャフト74が第2フレーム72の接続部72Aを押圧する。これにより、連結シャフト74は、第2フレーム72を上方に移動させる。第2フレーム72が上方へ移動すると、バネ76を介して第1フレーム71が上方に押圧される。これにより、第1フレーム71および第2フレーム72は、第2位置から第1位置に移動される。
【0071】
図7に示すように、カム73が押圧位置からリリース位置に回転した場合、カム73はローラ75を上方に押圧しない。すると、連結シャフト74が第2フレーム72を押圧しないので、バネ76は、第1フレーム71と第2フレーム72が互いに離れるように付勢し、第1フレーム71と第2フレーム72が離れるように移動する。そして、連結シャフト74が第1フレーム71の長穴71Hの下端に接触し、かつ、第2フレーム72の接続部72Aに接触すると、第1フレーム71と第2フレーム72は、それ以上離れない。そして、第1フレーム71と第2フレーム72は、自重により第1位置から第2位置に移動する。
【0072】
図8図9に示すように、加熱ユニット6は、センサSAと、シャッタ62と、連動機構63と、をさらに有している。
【0073】
センサSAは、固定フレーム60に固定されている。センサSAは、可動フレーム70の位置を検知する光センサである。センサSAは、リブ72Cの位置を検知することで、可動フレーム70の位置を検知する。センサSAは、制御部100に接続されている(図5参照)。
【0074】
具体的に、センサSAは、発光部SA1と、発光部SA1と向かい合う受光部SA2と、を有する。
【0075】
図6に示すように、可動フレーム70が第1位置に位置する場合、リブ72Cは、発光部SA1と受光部SA2の間に位置しない。この場合には、受光部SA2は、発光部SA1から発せられた光を検知するので、制御部100は、可動フレーム70が第1位置に位置すると判定する。
【0076】
図7に示すように、可動フレーム70が第2位置に位置する場合、リブ72Cは、発光部SA1と受光部SA2の間に位置する。この場合には、受光部SA2は、発光部SA1から発せられた光を検知しないので、制御部100は、可動フレーム70が第2位置に位置すると判定する。
【0077】
シャッタ62は、加熱ユニット6の上端部に設けられ、閉位置と開位置にスライド移動可能である。シャッタ62の移動時の姿勢は、固定フレーム60によってガイドされる。シャッタ62は、軸方向に延びるシャフト62Sを有する。シャフト62Sは、連動機構63と係合している。
【0078】
図3に示すように、シャッタ62は、加熱ローラ61が接触位置に位置する場合に、加熱ローラ61と加圧ローラ51の間と異なる位置である開位置に位置する。
図4に示すように、シャッタ62は、加熱ローラ61が離間位置に位置する場合に、加圧ローラ51と加熱ローラ61の間の位置である閉位置に位置し、加熱ローラ61を覆う。
【0079】
連動機構63は、可動フレーム70の移動に連動してシャッタ62を移動させる機構である。具体的に、図9に示すように、連動機構63は、可動フレーム70が第1位置から第2位置に移動する場合に、シャッタ62を開位置から閉位置に移動させる。また、図8に示すように、連動機構63は、可動フレーム70が第2位置から第1位置に移動する場合に、シャッタ62を閉位置から開位置に移動させる。
【0080】
連動機構63は、リンク64と、シャッタガイド65と、を有する。
リンク64は、固定フレーム60に揺動可能に支持されている。つまり、リンク64は、固定フレームを介して本体21に揺動可能に支持されている。リンク64は、図8に示す第3位置と、図9に示す第4位置とに揺動可能である。リンク64は、揺動軸64Aと、アーム64Bと、長穴64Hと、を有している。リンク64は、図示せぬトーションバネによって、常に第4位置に向けて、つまり、シャッタ62が閉まる方向に付勢されている。
【0081】
揺動軸64Aは、固定フレーム60に支持されており、リンク64が揺動する軸である。アーム64Bは、第1フレーム71の突起71Dと接触する部分である。長穴64Hは、シャッタ62のシャフト62Sが入り込む。
【0082】
シャッタガイド65は、固定フレーム60に固定されており、長穴65Hを有している。長穴65Hは、シャッタ62のシャフト62Sの移動をガイドする。
【0083】
図8に示すように、可動フレーム70が第2位置から第1位置へ移動すると、突起71Dがアーム64Bを押し上げて、リンク64が第4位置から第3位置に揺動する。すると、リンク64が長穴64Hに係合しているシャフト62Sを移動させて、シャッタ62を閉位置から開位置に移動させる。
【0084】
図9に示すように、可動フレーム70が第1位置から第2位置へ移動すると、突起71Dがアーム64Bを押し上げないので、トーションバネによって、リンク64が第3位置から第4位置に揺動する。すると、リンク64が長穴64Hに係合しているシャフト62Sを移動させて、シャッタ62を開位置から閉位置に移動させる。
【0085】
このように、リンク64は、可動フレーム70およびシャッタ62に係合しており、可動フレーム70が第2位置から第1位置に移動した場合に揺動し、シャッタ62を閉位置から開位置に移動させる。
【0086】
ここで、図10を参照して、加熱ユニット6に設けられているサーミスタ66について説明する。図10に示すように、加熱ユニット6は、サーミスタ66と、軸方向に延びる板金67と、をさらに有している。
【0087】
サーミスタ66は、シャッタ62の温度を推定するための温度センサである。サーミスタ66は、制御部100に接続されている。
具体的に、サーミスタ66は、樹脂製のシャッタ62には接触しておらず、金属製の板金67に接触して配置されている。板金67は、軸方向に延びており、軸方向において、箔転写を実行するシートSの最大幅より長い。そして、加熱ローラ61からサーミスタ66までの距離と、加熱ローラ61からシャッタ62までの距離はほぼ同じとなっている。
本実施形態では、サーミスタ66が検知した温度が所定温度より高い場合には、制御部100は、図示せぬインターロックスイッチを作動させ、カバー22が開かないようにする。
【0088】
以上に説明した構成によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
箔フィルムFに接触する接触位置と、箔フィルムFから離間する離間位置に移動可能な加熱ローラ61を有する箔転写装置において、例えば、センサが加熱ローラ61を移動させるためのカムの位相を検知する場合には、カムが移動しても、加熱ローラ61が移動していないことがあるので、加熱ローラ61に位置を正確に検知することができない。
しかし、本実施形態における箔転写装置1によれば、加熱ローラ61を支持する可動フレーム70の位置をセンサSAで検知するので、加熱ローラ61の位置を正しく検知することができる。
【0089】
また、加熱ローラ61を支持する可動フレーム70は、カム73に押圧されることで、第1位置から第2位置に移動し、自重により、第2位置から第1位置に移動する。このため、可動フレーム70を第2位置から第1位置に移動させる部材が必要ないので、部品点数を減らすことができる。
【0090】
また、箔転写装置1は、可動フレーム70が第1位置から第2位置に移動する場合に、シャッタ62を加熱ローラ61と加圧ローラ51の間に移動させ、可動フレーム70が第2位置から第1位置に移動する場合に、シャッタ62を加熱ローラ61と加圧ローラ51の間と異なる位置に移動させる連動機構63を備える。このため、連動機構63によって、可動フレーム70が第2位置に移動する場合にシャッタ62が加熱ローラ61を覆うことができ、可動フレーム70が第1位置に移動する場合にシャッタ62が加熱ローラ61と加圧ローラ51のニップを邪魔しない。
【0091】
また、加熱ユニット6は、加熱ローラ61を支持する第1フレーム71と、カム73に押圧される第2フレーム72と、第1フレーム71と第2フレーム72の間に配置されたバネ76と、を有するので、カム73に押圧された第2フレーム72がバネ76を介して第1フレーム71を押圧する。このため、加熱ローラ61が必要以上に押圧されてしまうことを抑制できる。
【0092】
また、シートSのサイズや搬送場所が異なる場合には、軸方向において、シャッタ62の温度分布に片寄りができる場合があるが、サーミスタ66は、熱伝導性が良好な板金67の温度を検知してシャッタ62の温度を推定しているので、サーミスタを複数配置することなく、シャッタ62の温度を適切に推定できる。
【0093】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0094】
前記実施形態では、可動フレーム70は、カム73に押圧されることで、第2位置から第1位置に移動していたが、この構成に限られず、他の部材、例えば、ソレノイドアクチュエータに押圧されることで、第2位置から第1位置に移動する構成であってもよい。
【0095】
前記実施形態では、可動フレーム70は、自重により、第1位置から第2位置に移動する構成であったが、この構成に限られず、例えば、バネなどの付勢部材によって第1位置から第2位置に移動する構成であってもよい。
【0096】
前記実施形態では、加熱ローラ61を支持する可動フレームが2つのフレームから構成されていたが、可動フレームが1つのフレームから構成されていてもよく、3つ以上のフレームから構成されていてもよい。
【0097】
前記実施形態では、第1フレーム71と第2フレーム72の間に配置された付勢部材の一例としてのバネ76が圧縮バネであったが、付勢部材は、板バネ、トーションバネなどの他のバネであってもよく、ゴム、スポンジなどであってもよい。
【0098】
前記実施形態では、加圧部材として加圧ローラ51、加熱部材として加熱ローラ61を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、加圧部材は、加熱ローラとの間でシートおよび箔フィルムを挟むパッドなどであってもよい。また、加熱部材は、加圧ローラとの間でシートおよび箔フィルムを挟む板状の部材であってもよい。
【0099】
前記実施形態では、剥離部材としてローラ状の第2案内軸42を例示したが、本発明はこれに限定されず、剥離部材は、例えば、板状のブレードであってもよい。
前記実施形態では、規定部材としてローラ状の第3案内軸43を例示したが、本発明はこれに限定されず、規定部材は、例えば、板状のブレードであってもよい。
【0100】
前記実施形態では、箔転写用フィルムカートリッジFCに供給リール31と巻取リール35を設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、箔転写用フィルムカートリッジに供給リールを設け、筐体に巻取リールを設けてもよい。
【0101】
前記実施形態では、箔転写装置として、シート上に形成されたトナー像の上に箔を転写するものを例示したが、本発明はこれに限定されず、箔転写装置は、シートに箔を転写するものであればどのようなものであってもよい。
【0102】
前記実施形態では、箔フィルムFを4層で構成したが、本発明はこれに限定されず、箔フィルムは、転写層と支持層を有していれば、層の数はいくつであってもよい。
【0103】
前記実施形態では、フィルムユニットを箔転写用フィルムカートリッジとホルダとで構成したが、本発明はこれに限定されず、フィルムユニットは、ホルダを有していなくてもよい。また、ホルダは、箔転写用フィルムカートリッジを着脱不能に支持するものであってもよい。
【0104】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 箔転写装置
6 加熱ユニット
7 接離機構
21 筐体本体
21A 開口
51 加圧ローラ
60 固定フレーム
61 加熱ローラ
62 シャッタ
63 連動機構
64 リンク
70 可動フレーム
71 第1フレーム
72 第2フレーム
73 カム
76 バネ
F 箔フィルム
SA センサ
SA1 発光部
SA2 受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10