(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】粉体崩し装置、粉体収容装置、粉体搬送装置および粉体利用装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20240910BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G03G21/12
G03G15/08 300
(21)【出願番号】P 2020174359
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】松前 将太
(72)【発明者】
【氏名】市来 幸裕
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204043(JP,A)
【文献】特開2019-040145(JP,A)
【文献】特開2006-276810(JP,A)
【文献】特開2011-099894(JP,A)
【文献】特開2016-170278(JP,A)
【文献】特開2007-226060(JP,A)
【文献】特開2010-169977(JP,A)
【文献】特開平11-125959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0355575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
15/08
15/095
21/00
21/04
21/10-21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が移動する内部空間を有する構造体と、
前記構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材と、
前記構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、
を備え、
前記崩し部材は、回転するときに前記障害物によって少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に、前記自由端部の側の端部から内側にむけて前記回転軸の軸線と斜めに交差する方向に延びて終端が前記範囲内に止まる複数の第1非連続部を設けて
おり、
かつ、前記崩し部材は、前記障害物に接触しない部分に、前記回転軸の軸線と交差する方向に途中まで延びて当該障害物に接触して通過する部分とを一部切り離す第2非連続部を設けている粉体崩し装置。
【請求項2】
粉体が移動する内部空間を有する構造体と、
前記構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材と、
前記構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、
を備え、
前記崩し部材は、回転するときに前記障害物によって少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に、前記自由端部の側の端部から内側にむけて前記回転軸の軸線と斜めに交差する方向に延びて終端が前記範囲内に止まる複数の第1非連続部を設けており、
前記構造体のうち前記障害物の前記崩し部材の回転方向の下流側になる部位に、前記崩し部材の当該障害物を通過して湾曲した部分を前記第1非連続部で区分して順次解放するよう支持する解放調整部材が配置されている粉体崩し装置。
【請求項3】
前記第1非連続部は、等間隔で設けられている請求項
1又は2に記載の粉体崩し装置。
【請求項4】
前記第1非連続部は、延びた先の終端どうしが前記回転軸の軸線と斜めに交差する1つの直線上に止まるよう揃えられている請求項
3に記載の粉体崩し装置。
【請求項5】
前記第2非連続部は、前記障害物に接近する側に偏在している請求項
1に記載の粉体崩し装置。
【請求項6】
前記解放調整部材は、前記崩し部材の湾曲した部分を支持する部分が、前記崩し部材の回転方向の下流側になるにつれて前記回転軸との離間距離が増えるよう設けられている請求項
2に記載の粉体崩し装置。
【請求項7】
前記解放調整部材は、前記崩し部材の湾曲した部分を支持する部分が、
前記回転軸の軸線方向に沿う高さ寸法が当該障害物を通過して後に減るよう設けられている請求項
2に記載の粉体崩し装置。
【請求項8】
前記崩し部材は、前記回転軸に取り付けられている一端部よりも当該回転軸の軸線方向外側に存在する部分を有する形状の部材である請求項
1乃至7のいずれかに記載の粉体崩し装置。
【請求項9】
前記第1非連続部は、前記崩し部材の前記回転軸の軸線方向外側に存在する部分に設けられている請求項
8に記載の粉体崩し装置。
【請求項10】
前記第1非連続部は、切込みと切欠きの一方又は双方で構成されている請求項
1又は2に記載の粉体崩し装置。
【請求項11】
前記第2非連続部は、切込みと切欠きの一方又は双方で構成されている請求項
1に記載の粉体崩し装置。
【請求項12】
粉体が収容される収容空間を有する収容構造体と、
前記収容構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材を有する粉体崩し装置と、
前記収容構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、
を備え、
前記粉体崩し装置が請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粉体崩し装置を含めて構成されている粉体収容装置。
【請求項13】
前記収容構造体は、粉体を収容する着脱交換式の容器である請求項12に記載の粉体収容装置。
【請求項14】
粉体が落下して搬送される搬送空間を有する搬送路構造体と、
前記搬送路構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材を有する粉体崩し装置と、
前記搬送路構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、
を備え、
前記粉体崩し装置が請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粉体崩し装置を含めて構成されている粉体搬送装置。
【請求項15】
粉体を被付着物に付着させる粉体付着装置と、
前記粉体付着装置で回収される粉体を収容する粉体収容装置と、
を備え、
前記粉体収容装置が請求項12又は13に記載の粉体収容装置を含めて構成されている粉体利用装置。
【請求項16】
粉体を被付着物に付着させる粉体付着装置と、
前記粉体付着装置に供給する粉体又は当該粉体付着装置で回収される粉体を搬送する粉体搬送装置と、
を備え、
前記粉体搬送装置が請求項14に記載の粉体搬送装置を含めて構成されている粉体利用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粉体崩し装置、粉体収容装置、粉体搬送装置および粉体利用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、廃トナーボトルの側方空間下方の収容室の入口空間と隣接する区域に回転軸により回転する撹拌部材としての撹拌羽根を配設し、その撹拌羽根で入口側周辺の堆積トナーを側方空間に移動させて堆積位置の均等化を図る電子写真装置が記載されている。
また特許文献1には、撹拌羽根が、抵抗を少なくするために矩形状の切込みを入れた櫛歯状のマイラ羽根で形成されているとともに、トナー収納室内壁に接触することなく回転可能な長さに設定されていることが示されている。
【0003】
特許文献2には、粉体が収容された容器本体と、その容器本体内に配置された粉体搬送部材とを備えた粉体収容容器や、その粉体収容容器に収容される粉体を受け取って像保持体に形成される静電潜像を粉体で現像する現像器とを備えた画像形成装置が記載されている。
また特許文献2には、その粉体搬送部材として、粉体が収容された容器内で軸線周りに回転する回転部材と、一端が回転部材に固定されるとともに自由端である他端が容器の内壁と接触して撓み、かつ他端の側を始端として回転部材にむけて斜めに延びて終端となる切込みが回転部材の軸線の方向に複数形成された接触部材であって複数形成された切込みのそれぞれの終端が他端よりも前記一端に近接して位置している接触部材と、回転部材に軸線の方向に複数設けられ回転部材から容器の内壁に向けて突出して粉体を撹拌する突出部と、を備え、前記突出部における先端部のすべては前記切込みの延在方向の中央部と軸線の方向の位置が同じとされ、かつ、すべての切込みの始端と軸線の方向の位置がずれている粉体搬送部材が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2993623号公報(請求項1、段落0027、
図1-4等)
【文献】特許第6547340号公報(請求項1、段落0053-0057、
図1-5等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、回転軸に一端部が取り付けられて回転するシート状の崩し部材の一部が回転経路途中に存在する障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放される際に生じる音の発生タイミングが同一になることを防ぐことができる粉体崩し装置、粉体収容装置、粉体搬送装置および粉体利用装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(1)は、
粉体が移動する内部空間を有する構造体と、
前記構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材と、
前記構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、
を備え、
前記崩し部材は、回転するときに前記障害物によって少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に、前記自由端部の側の端部から内側にむけて前記回転軸の軸線と斜めに交差する方向に延びて終端が前記範囲内に止まる複数の第1非連続部を設けており、
かつ、前記崩し部材は、前記障害物に接触しない部分に、前記回転軸の軸線と交差する方向に途中まで延びて当該障害物に接触して通過する部分とを一部切り離す第2非連続部を設けている粉体崩し装置である。
【0007】
この発明(2)は、
粉体が移動する内部空間を有する構造体と、
前記構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材と、
前記構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、
を備え、
前記崩し部材は、回転するときに前記障害物によって少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に、前記自由端部の側の端部から内側にむけて前記回転軸の軸線と斜めに交差する方向に延びて終端が前記範囲内に止まる複数の第1非連続部を設けており、
前記構造体のうち前記障害物の前記崩し部材の回転方向の下流側になる部位に、前記崩し部材の当該障害物を通過して湾曲した部分を前記第1非連続部で区分して順次解放するよう支持する解放調整部材が配置されている粉体崩し装置である。
【0008】
この発明(3)は、上記発明(1)又は(2)の粉体崩し装置において、前記第1非連続部は、等間隔で設けられている粉体崩し装置である。
この発明(4)は、上記発明(3)の粉体崩し装置において、前記第1非連続部は、延びた先の終端どうしが前記回転軸の軸線と斜めに交差する1つの直線上に止まるよう揃えられている粉体崩し装置である。
この発明(5)は、上記発明(1)の粉体崩し装置において、前記第2非連続部は、前記障害物に接近する側に偏在している粉体崩し装置である。
【0009】
この発明(6)は、上記発明(2)の粉体崩し装置において、前記解放調整部材は、前記崩し部材の湾曲した部分を支持する部分が、前記崩し部材の回転方向の下流側になるにつれて前記回転軸との離間距離が増えるよう設けられている粉体崩し装置である。
この発明(7)は、上記発明(2)の粉体崩し装置において、前記解放調整部材は、前記崩し部材の湾曲した部分を支持する部分が、前記回転軸の軸線の方向に沿う高さ寸法が当該障害物を通過して後に減るよう設けられている粉体崩し装置である。
【0010】
この発明(8)は、上記発明(1)から(7)のいずれかの粉体崩し装置において、前記崩し部材は、前記回転軸に取り付けられている一端部よりも当該回転軸の軸線方向外側に存在する部分を有する形状の部材である粉体崩し装置である。
この発明(9)は、上記発明(8)の粉体崩し装置において、前記第1非連続部は、前記崩し部材の前記回転軸の軸線方向外側に存在する部分に設けられている粉体崩し装置である。
この発明(10)は、上記発明(1)又は(2)の粉体崩し装置において、前記第1非連続部は、切込みと切欠きの一方又は双方で構成されている粉体崩し装置である。
この発明(11)は、上記発明(1)の粉体崩し装置において、前記第2非連続部は、切込みと切欠きの一方又は双方で構成されている粉体崩し装置である。
【0011】
また、この発明(12)は、粉体が収容される収容空間を有する収容構造体と、前記収容構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材を有する粉体崩し装置と、前記収容構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、を備え、
前記粉体崩し装置が上記発明(1)から(11)のいずれかの粉体崩し装置を含めて構成されている粉体収容装置である。
この発明(13)は、上記発明(12)の粉体収容装置において、前記収容構造体は、粉体を収容する着脱交換式の容器である粉体収容装置である。
【0012】
また、この発明(14)は、粉体が落下して搬送される搬送空間を有する搬送路構造体と、前記搬送路構造体の内部に配置される回転軸に一端部が取り付けられて回転し、前記回転軸から遠い自由端部の側の部分で堆積する粉体の一部に触れて崩すシート状の崩し部材を有する粉体崩し装置と、前記搬送路構造体の内部のうち前記崩し部材の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの当該崩し部材の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物と、を備え、
前記粉体崩し装置が上記発明(1)から(11)のいずれかの粉体崩し装置を含めて構成されている粉体搬送装置である。
【0013】
さらに、この発明(15)は、粉体を被付着物に付着させる粉体付着装置と、前記粉体付着装置で回収される粉体を収容する粉体収容装置と、を備え、
前記粉体収容装置が上記発明(12)又は(13)の粉体収容装置を含めて構成されている粉体利用装置である。
さらにまた、この発明(16)は、粉体を被付着物に付着させる粉体付着装置と、粉体付着装置に供給する粉体又は当該粉体付着装置で回収される粉体を搬送する粉体搬送装置と、を備え、
前記粉体搬送装置が上記発明(14)の粉体搬送装置を含めて構成されている粉体利用装置である。
【発明の効果】
【0014】
上記発明(1)の粉体崩し装置によれば、回転軸に一端部が取り付けられて回転するシート状の崩し部材の一部が回転経路途中に存在する障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることを防ぐことができる。
また、上記発明(1)によれば、崩し部材の回転するときに障害物によって少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に上記第2非連続部を設けていない場合に比べて、崩し部材が障害物に接触したときに湾曲させられた状態になる部分が減少して、湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の大きさも小さくなる。
【0015】
上記発明(2)の粉体崩し装置によれば、回転軸に一端部が取り付けられて回転するシート状の崩し部材の一部が回転経路途中に存在する障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることを防ぐことができる。
また、上記発明(2)によれば、構造体のうち障害物の崩し部材の回転方向の下流側になる部位に上記解放調整部材が配置していない場合に比べて、崩し部材が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の大きさが小さくなる。
【0016】
上記発明(3)によれば、第1非連続部が等間隔で設けられていない場合に比べて、崩し部材が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが滑らかに分散される。
上記発明(4)によれば、第1非連続部の延びた先の終端どうしが回転軸の軸線と斜めに交差する1つの直線上に止まるよう揃えられていない場合に比べて、崩し部材が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の大きさがむらなく小さくなる。
上記発明(5)によれば、第2非連続部が障害物に接近する側に偏在していない場合に比べて、崩し部材が障害物を通過する際に湾曲させられる部分が減少する。
【0017】
上記発明(6)によれば、解放調整部材の崩し部材の湾曲した部分を支持する部分が、崩し部材の回転方向の下流側になるにつれて回転軸との離間距離が増えるよう設けられていない場合に比べて、崩し部材の障害物との接触によって湾曲させられた部分が回転方向の下流側にずれるにつれて緩やかに解放されて解放時の音が小さくなる。
上記発明(7)によれば、解放調整部材の崩し部材の湾曲した部分を支持する部分が、回転軸の軸線の方向に沿う高さ寸法が当該障害物を通過して後に減るよう設けられていない場合に比べて、崩し部材の障害物との接触によって湾曲させられた部分が回転方向の下流側にずれるにつれて緩やかに解放されて解放時の音が小さくなる。
【0018】
上記発明(8)によれば、崩し部材が回転軸に取り付けられている一端部よりも当該回転軸の軸線の方向外側に存在する部分を有する形状の部材でない場合に比べて、障害物に接触して通過する際に湾曲させられやすくなるにもかかわらず、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制される。
上記発明(9)によれば、第1非連続部が崩し部材の回転軸の軸線の方向外側に存在する部分に設けられていない場合に比べて、障害物に接触して通過する際に湾曲させられやすくなるにもかかわらず、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることを的確に防ぐことができる。
上記発明(10)によれば、第1非連続部が切込みと切欠きの一方又は双方で構成されていない場合に比べて、堆積する粉体の一部に接触して崩す機能が損なわれることなく、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることを防ぐことができる。
上記発明(11)によれば、第2非連続部が切込みと切欠きの一方又は双方で構成されていない場合に比べて、堆積する粉体の一部に接触して崩す機能が損なわれることなく、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることを防ぐことができる。
【0019】
上記発明(12)の粉体収容装置によれば、粉体崩し装置におけるシート状の崩し部材の一部が回転経路上の一部分に存在する障害物により少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に上記複数の第1非連続部を設けていない場合に比べて、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体の収容時に発生する音を低減できる。
上記発明(13)によれば、収容構造体が粉体を収容する着脱交換式の容器でない場合に比べて、収容構造体の容器内における崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音を低減できる。
【0020】
上記発明(14)の粉体搬送装置によれば、粉体崩し装置におけるシート状の崩し部材の一部が回転経路上の一部分に存在する障害物により少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に上記複数の第1非連続部を設けていない場合に比べて、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体の搬送時に発生する音を低減できる。
【0021】
上記発明(15)の粉体利用装置によれば、粉体収容装置の粉体崩し装置におけるシート状の崩し部材の一部が回転経路上の一部分に存在する障害物により少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に上記複数の第1非連続部を設けていない場合に比べて、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体の収容時に発生する音を低減できる。
上記発明(16)の粉体利用装置によれば、粉体収容装置の粉体崩し装置におけるシート状の崩し部材の一部が回転経路上の一部分に存在する障害物により少なくとも進路が妨げられる範囲になる部分に上記複数の第1非連続部を設けていない場合に比べて、崩し部材の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体の搬送時に発生する音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態1に係る粉体利用装置の一例である画像形成装置の内部の構成を示す概要図である。
【
図2】
図1の画像形成装置における作像装置とその周辺部を示す概要図である。
【
図3】
図1の画像形成装置におけるトナー補給構成およびトナー回収構成を示す概要図である。
【
図4】
図1の画像形成装置における粉体崩し装置を備えた粉体収容装置における収容構造体を分解した半分の部分を示す斜視図である。
【
図5】(A)は
図4の粉体崩し装置の構成を示す概要図、(B)は(A)の粉体崩し装置の動作状態を示す概要図である。
【
図6】
図4の粉体崩し装置の下方から見上げたときの状態と崩し部材の構成を示す概要図である。
【
図7】(A)は
図4の粉体崩し装置の崩し部材が回転して障害物と接触したときの状態を示す概略斜視図、(B)は(A)の崩し部材が更に回転したときの状態を示す概略斜視図である。
【
図8】実施の形態2に係る粉体崩し装置を備えた粉体収容装置における収容構造体を分解した半分の部分を示す斜視図である。
【
図9】(A)は
図8の粉体崩し装置の構成を示す概要図、(B)は(A)の粉体崩し装置の動作状態を示す概要図である。
【
図10】(A)は
図8の粉体崩し装置の崩し部材が回転して障害物と接触したときの状態を示す概略斜視図、(B)は(A)の崩し部材が更に回転したときの状態を示す概略斜視図である。
【
図11】実施の形態3に係る粉体搬送装置を示す概要図である。
【
図12】実施の形態4に係る粉体利用装置の他の例である粉体塗装装置とその粉体塗装装置が備える粉体搬送装置および粉体収容装置を示す概要図である。
【
図13】崩し部材の他の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための形態(本明細書では単に「実施の形態」という。)について図面を参照しながら説明する。
【0024】
実施の形態1.
図1および
図2には、実施の形態1に係る粉体利用装置1の一例である画像形成装置1Aが示されている。
図1には画像形成装置1Aの内部の構成が示されており、
図2には画像形成装置1Aの一部が拡大して示されている。
【0025】
この画像形成装置1Aは、粉体8の一例である現像剤(8A)を被付着物の一例である用紙等のシート媒体9Aに付着させる粉体付着装置2の一例である像形成装置2Aと、像形成装置2Aで回収される現像剤を収容する粉体収容装置6Aとを備えている。
【0026】
実施の形態1に係る画像形成装置1Aは、現像剤で構成される可視像を画像としてシート媒体9Aに形成する装置であり、例えば、情報端末機、パーソナルコンピュータ等の外部接続機器から入力される画像情報に対応した可視像である画像の形成を行うプリンタとして構成されている。現像剤としては、例えば、非磁性のトナー8Aと磁性のキャリアを含む二成分の現像剤が使用される。画像情報は、例えば、文字、図形、写真、模様等の画像に関係する情報である。
【0027】
画像形成装置1Aは、外観が箱状の形状からなる筐体10を有している。筐体10は、支持フレーム、外装パネル等の材料で構成されている。
筐体10は、その一側面に開閉する図示しないサイドカバーが設けられており、その上面に画像が形成されて排出されるシート媒体9Aを収容する排出収容部13が設けられている。また、筐体10は、上記サイドカバーを開けた部分に、交換式の各種容器が着脱可能に装着される図示しない容器装着部が設けられている。
【0028】
上記容器としては、例えば、
図3に示されるように、補給される現像剤(主にトナー8A)を収容する粉体容器の一例である交換式(カートリッジ式)の現像剤容器15や、後述する第1清掃装置26で回収される現像剤(主にトナー8A)を収容する第1回収容器61や、後述する第2清掃装置36で回収される現像剤(主にトナー8A)を収容する第2回収容器65が使用される。
このうち現像剤容器15は、後述する4色のトナーをそれぞれ専用に収容する4つの現像剤容器15Y,15M,15C,15Kがある。また第1回収容器61は、後述する4つの作像装置20(Y,M,C,K)における各第1清掃装置26でそれぞれ回収される現像剤を別々に収容する4つの第1回収容器61Y,61M,61C,61Kがある。
【0029】
像形成装置2Aは、
図1に示されるように、画像情報に基づく可視像を形成する作像装置20と、作像装置20で形成される可視像を一時的に保持した後にシート媒体9Aに二次転写する中間転写装置30と、中間転写装置30の二次転写する位置に供給すべきシート媒体9Aを収容して供給する給紙装置40と、中間転写装置30で二次転写された可視像をシート媒体9Aに定着させる定着装置45等を備えている。この像形成装置2Aは、いわゆる中間転写方式を適用した画像形成装置である。
【0030】
作像装置20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色の可視像を例えば電子写真方式によりそれぞれ専用に形成する4つの作像装置20Y,20M,20C,20Kにて構成されている。
この4つの作像装置20(Y,M,C,K)はいずれも、
図2にブラック色の作像装置20Kを代表して示すように、矢印Aで示す方向に回転駆動する像保持体の一例であるドラム形態の感光体21を有しており、その感光体21の周囲に、帯電装置22、露光装置23、現像装置24(Y,M,C,K)、一次転写装置25、第1清掃装置26等の機器を配置して構成されている。
【0031】
このうち、帯電装置22は、感光体21の外周面(像形成可能面)を所要の表面電位に帯電させる装置である。露光装置23は、感光体21の外周面に画像情報に基づいて生成される色成分(Y,M,C,K)の画像信号に対応した露光をして静電潜像を形成する装置である。現像装置24(Y,M,C,K)は、感光体21の外周面に形成された静電潜像を対応する所要の色(Y,M,C,K)の現像剤(トナー)により現像して可視像であるトナー像を形成する装置である。
一次転写装置25は、各色のトナー像を中間転写装置30(の中間転写ベルト31)に主に静電的作用により転写させる装置である。第1清掃装置26は、感光体21の外周面に付着する不要なトナー、紙粉等の不要物をかき取るように除去して感光体21の外周面を清掃する装置である。
【0032】
また、現像装置24(Y,M,C,K)は、扱う現像剤の色が互いに異なる点で相違するのみで、それ以外は同じ構成になっている。すなわち、現像装置24(Y,M,C,K)は、
図2に現像装置24Kが代表して示されるように、現像剤収容室と現像用開口を有する容器状の筐体24aに、現像剤を保持して現像用開口と対向する感光体21の現像域に供給する現像ロール24b、筐体24aの現像剤収容室内に収容されている現像剤を撹拌しながら搬送するスクリューオーガ等の撹拌搬送部材24c,24d、現像ロール24b上に保持される現像剤の量(層厚)を調整する調整部材24e等を配置して構成されている。
現像装置24(Y,M,C,K)は、現像装置24Kを代表例として説明すると、撹拌搬送部材24c,24dの撹拌により摩擦帯電された黒色のトナーが現像ロール24bから感光体21上の静電潜像に静電的に付着させることにより、その静電潜像を現像して可視像である黒色のトナー像にする。
【0033】
さらに、一次転写装置25は、一次転写電流が供給される接触転写部材の一例である一次転写ロールを用いる接触式の転写装置が適用されている。
第1清掃装置26は、容器本体26aの内部に、その不要物(主にトナー)をかき取る接触清掃部材26b、接触清掃部材26bでかき取った不要物を回収して上記第1回収容器61(Y,M,C,K)まで搬送するスクリューオーガ等の搬送部材26c等を配置して構成されている。
【0034】
作像装置20(Y,M,C,K)では、感光体21と一次転写装置25の一次転写ロールが(中間転写ベルト31を介して)それぞれ対向する各部位がトナー像の一次転写を行う一次転写位置TP1になる。
また、作像装置20(Y,M,C,K)では、外部接続機器等から画像形成が指示されて図示しない制御装置を通して画像形成動作の指令を受けると、その各感光体21に4色(Y,M,C,K)のいずれか1色のトナー像が専用に形成され、その形成されたトナー像が各一次転写位置TP1において中間転写装置30(の中間転写ベルト31)にそれぞれ一次転写される。
【0035】
中間転写装置30は、
図1に示されるように、作像装置20(Y,M,C,K)の各感光体21からトナー像が一次転写されて保持する中間転写体の一例である中間転写ベルト31を備えており、その中間転写ベルト31の周囲に、一次転写装置25、二次転写装置35、第2清掃装置36等の機器を配置して構成されている。
【0036】
中間転写ベルト31は、トナー像を静電気力により保持できる無端状のベルトであり、その内側に配置される複数の支持ロール32(例えば2つの支持ロール32a,32b)により、作像装置20(Y,M,C,K)の各一次転写位置TP1を順次通過して矢印Bで示す方向に回転(周回移動)するよう支持されている。
一次転写装置25は、中間転写ベルト31の内側において一次転写ロールが中間転写ベルト31を感光体21に押し付けた状態で従動回転するよう配置されている。
【0037】
二次転写装置35は、中間転写ベルト31の支持ロール32aに支持される外周面部分に、シート媒体9Aを通過させるとともにそのシート媒体9Aに中間転写ベルト31上のトナー像を二次転写させるように配置されている。実施の形態1における二次転写装置35は、二次転写電流が供給される接触転写部材の一例である二次転写ロールを用いる接触式の転写装置が適用されている。
第2清掃装置36は、
図1に示されるように、容器本体36aの内部に、その不要物(主にトナー)をかき取る接触清掃部材36b、接触清掃部材36bでかき取った不要物を回収して上記第2回収容器65まで搬送するスクリューオーガ等の搬送部材36c等を配置して構成されている。
【0038】
中間転写装置30では、中間転写ベルト31の外周面に二次転写装置35(の二次転写ロール)が接触している部位がトナー像の二次転写を行う二次転写位置TP2になる。
また、中間転写装置30では、画像形成動作の際、中間転写ベルト31の外周面にトナー像が一次転写されると、そのトナー像を中間転写ベルト31の回転により二次転写位置TP2まで搬送してシート媒体9Aに二次転写させる。
【0039】
給紙装置40は、中間転写装置30の二次転写位置TP2に供給すべきシート媒体9Aを収容して供給するよう構成された装置である。実施の形態1における給紙装置40は、シート媒体9Aを積載して収容する引き出し可能な収容体41と、収容体41に収容されているシート媒体9Aを1枚ずつ送り出す送出装置42等の機器を配置して構成されている。
【0040】
この給紙装置40と中間転写装置30の二次転写位置TP2との間には、
図1に示されるように、シート媒体9Aを二次転写位置TP2まで供給するよう搬送する供給搬送路Tr1が設けられている。供給搬送路Tr1は、シート媒体9Aを挟持して搬送する一対の搬送ロール44a,44bや、シート媒体9Aの搬送空間を確保してシート媒体9Aの搬送を案内する図示しない案内部材等を配置して構成されている。
画像形成装置1Aに使用されるシート媒体9Aは、筐体10内での搬送が可能であって、トナー像の転写および定着が可能な普通紙、コート紙、厚紙等の記録媒体であればよく、その材質や形態等について特に制約されない。
【0041】
定着装置45は、シート媒体9Aの導入口や排出口が設けられた図示しない筐体の内部空間に、図示しない加熱手段を有するロール形態等からなる加熱用回転体46、ロール形態等からなる加圧用回転体47等の機器を配置して構成されている。また、定着装置45は、加熱用回転体46と加圧用回転体47が接触する部位が、未定着像のトナー像をシート媒体9Aに定着するための加熱、加圧等の処理をするニップ部(定着処理部)として構成されている。
定着装置45では、画像形成動作の際に、二次転写位置TP2でトナー像が二次転写されたシート媒体9Aがニップ部に導入されるよう搬送されて通過する。これにより、シート媒体9A上のトナー像は、ニップ部で加熱および加熱されて溶融してシート媒体9Aに定着される。
【0042】
この定着装置45と筐体10に設けた排出口14との間には、
図1に示されるように、定着が終了した後のシート媒体9Aを排出収容部13に排出させるよう搬送する排出搬送路Tr3が設けられている。排出搬送路Tr3は、排出口14の手前における一対の排出ロール48や、シート媒体9Aの搬送空間を確保してシート媒体9Aの搬送を案内する図示しない案内部材等を配置して構成されている。
画像形成動作の際には、定着装置45による定着が終了した後のシート媒体9Aが排出搬送路Tr3を通して排出収容部13に排出されて収容される。
【0043】
画像形成装置1Aは、例えば、4つの作像装置20(Y,M,C,K)のすべてを作動させて4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成される多色画像(フルカラー画像)や、4つの作像装置20(Y,M,C,K)のうちの1つを作動させて単色のトナー像からなる単色画像(例えば黒画像)等を選択して形成することが可能になっている。
【0044】
<トナーの補給に関する構成>
また、画像形成装置1Aでは、現像装置24(Y,M,C,K)において現像動作により現像剤(トナー)が消費されて減少するので、
図3に示されるように現像装置24(Y,M,C,K)に上記現像剤容器15(Y,M,C,K)に収容されているトナーが補給されるよう構成されている。
【0045】
このため、現像装置24(Y,M,C,K)には、その撹拌搬送部材24cの一端を上記した図示しない容器装着部側に延長した部分に補給されるトナーを受け入れる図示しない受口および開閉蓋を有する受入部が設けられている。
また、筐体10の容器装着部には、
図3に概念的に示されるように、各現像装置24(Y,M,C,K)の受入部と現像剤容器15(Y,M,C,K)とをそれぞれ接続して補給されるトナーを搬送する補給搬送部27(Y,M,C,K)と、現像剤容器15(Y,M,C,K)の内部に配置されている後述する排出部材に回転動力を伝達する図示しない駆動伝達部が設けられている。
補給搬送部27(Y,M,C,K)と駆動伝達部は、現像剤容器15(Y,M,C,K)が収容されて装着されるよう筐体10の側面部に形成される図示しない容器装着部から突出した状態で設けられている。
【0046】
補給搬送部27(Y,M,C,K)は、粉体としてのトナーを搬送する粉体搬送装置7Aを構成するものである。この補給搬送部27(Y,M,C,K)は、上記受入部と現像剤容器15(Y,M,C,K)との間を結ぶ搬送空間を形成する搬送路構造体の一例である搬送管と、その搬送管の内部で所望の時期に回転してトナーを搬送する搬送部材とで構成されている。補給搬送部27(Y,M,C,K)の上記容器装着部に突出した端部上面部には、図示しない受口および開閉蓋が設けられている。駆動伝達部の容器装着部から突出した端部には、図示しない接続用ギヤが露出している。
【0047】
現像剤容器15(Y,M,C,K)は、所要の形状からなる容器であり、その下部に上記補給搬送部27(Y,M,C,K)が挿入されて接続される排出口を有する接続部が設けられており、またその排出部の容器内部に収容されているトナーを所定の量だけ補給搬送部27(Y,M,C,K)に搬出するよう回転駆動するスクリューオーガ等の排出部材が設けられている。
現像剤容器15(Y,M,C,K)は、上記容器装着部に装着すると、接続部に補給搬送部27(Y,M,C,K)が挿入されて接続され、また上記排出部材が駆動伝達部と接続されるようになっている。
【0048】
また、現像剤容器15(Y,M,C,K)では、図示しない制御装置が検出情報に対応して駆動伝達部を所定の時間だけ作動させる制御を行うことにより、排出部材が所定の量だけ回転して収容しているトナーを補給搬送部27(Y,M,C,K)に対してそれぞれ排出する。この排出されたトナーは、補給搬送部27(Y,M,C,K)の搬送力により対象になる現像装置24(Y,M,C,K)にそれぞれ補給される。
【0049】
<回収されるトナー等の収容に関する構成>
また、画像形成装置1Aでは、
図3に示されるように、作像装置20(Y,M,C,K)における各第1清掃装置26により回収した不要物(主にトナー)が収容構造体の一例である第1回収容器61(Y,M,C,K)にそれぞれ収容されるよう構成されている。
【0050】
このため、第1清掃装置26は、搬送部材26cが第1清掃装置26から筐体10の上記容器装着部側に突出するよう延びるよう設けられた第1回収搬送部29(
図3)に配置されている。第1回収搬送部29は、上記容器装着部から突出している端部下面部に、図示しない排出口および開閉蓋が設けられている。
【0051】
第1回収容器61(Y,M,C,K)は、実施の形態1における所要の形状からなる容器であり、
図4に示されるように、その上部に第1回収搬送部29が挿入されて接続される回収口66bを有する接続部66が設けられている。
【0052】
この第1回収容器61(Y,M,C,K)は、上記容器装着部に装着すると、その接続部に第1回収搬送部29の先端部が挿入されて接続されようになっている。
また、第1回収容器61(Y,M,C,K)は、作像装置20が作動しているときは、各第1清掃装置26でそれぞれ回収された主にトナーである不要物が第1回収搬送部29を通して搬送されて各容器内にそれぞれ収容される。
なお、第1回収容器61(Y,M,C,K)は、1つの回収容器として構成してもよい。1つの第1回収容器61として構成した場合は、各第1清掃装置26でそれぞれ回収された主にトナーである不要物が1つの第1回収容器61にまとめて収容される。
【0053】
さらに、画像形成装置1Aでは、中間転写装置30における第2清掃装置36により回収した不要物(主にトナー)が、粉体収容装置6Aの一部を構成する第2回収容器65に回収されるよう構成されている。
【0054】
このため、第2清掃装置36は、搬送部材36cが第2清掃装置36から筐体10の図示しない容器装着部側に突出するよう延びるよう設けられた第2回収搬送部37(
図3)に配置されている。第2回収搬送部37は、容器装着部から突出している端部下面部に、図示しない排出口および開閉蓋が設けられている。
【0055】
第2回収容器65は、粉体収容装置6Aの一部を構成する、トナーが収容される収容空間CSを有した収容構造体になる。
【0056】
実施の形態1における第2回収容器65は、
図4に示されるように、縦長の箱等の所要の形状からなる容器であり、前後に2分割された第1容器部65Aと第2容器部65Bを合体させる構造になっている。第1容器部65Aは、側壁部65bと、側壁部65bを取り囲む上面部65c、底面部65dおよび2つの縦側面部65e,65fとで構成されている。
図4中の符号65gは、第1容器部65Aと第2容器部65Bを合体させて組み立てる際にボルト-ネジで締結して結合するときの結合部である。
また、第2回収容器65は、その上部に側壁部65bから内側に第2回収搬送部37が挿入されて接続される接続部66が設けられている。接続部66は、円筒状の本体66aと、その本体66aの先端部側の下面部に設けられたトナーの排出口66bとを備えている。
【0057】
この第2回収容器65は、上記容器装着部に装着すると、その接続部66に第2回収搬送部37の先端部が挿入されて接続されるようになっている。
また、第2回収容器65は、作像装置20および中間転写装置30が作動しているときは、第2清掃装置36で回収された主にトナーである不要物が第2回収搬送部37を通して搬送され、接続部66の排出口66bから収容空間CS内に落下して収容される。
【0058】
<崩し装置を備えた粉体収容装置>
粉体収容装置6Aの一部を構成する収容構造体である第2回収容器65は、その収容空間CSである容器内に落下して収容されるトナー8Aが次第に山なり状に堆積するようになる。一方、第2回収容器65における排出口66bを有する接続部66は、
図4や
図5に示されるように、第2回収容器65の上部の中央位置から片側に片寄った位置(例えば隅部)に偏在した状態で設けられている。
これにより、第2回収容器65では、
図5(A)に二点鎖線で示されるように、収容されるトナー8Aも容器内部に片寄った状態で堆積するようになるので、その片寄って堆積したトナー8Aの一部を崩して均す必要がある。
【0059】
このため、第2回収容器65では、
図4から
図6に示されるように、その内部に回転可能に配置される回転軸52に一端部53aが取り付けられて回転し、回転軸52から遠い自由端部53bの側の部分で堆積するトナー8Aの一部に触れて崩すシート状の崩し部材53を有する粉体崩し装置5Aを備えた構成になっている。
【0060】
粉体崩し装置5Aは、回転軸52が、第2回収容器65の側壁部65bの上部のほぼ中央部において容器内部を横切る状態で配置されている。回転軸52は、第2回収容器65を装着する上記容器装着部にある上記駆動伝達部から分配された動力を得て矢印Cで示す方向に回転するようになっている。また回転軸52は、回収されるトナー8Aの収容が行われている間は回転し続ける。
図4、
図5等における符号52dは、回転軸52を支持するとともに上記駆動伝達部との接続を行う2段円筒台状の接続支持部を示す。
また、崩し部材53は、その一端部53aに形成された取付け孔53h(
図6)を、回転軸52に設けられた複数の頭部付き突起52mに差し込んで抜けにくい状態にすることで取り付けられている。崩し部材53は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂からなるシートで構成されており、可撓性を有している。
【0061】
粉体崩し装置5Aは、崩し部材53が回転軸52をほぼ中心にして矢印Cで示す方向に回転することにより、その崩し部材53のうち回転軸52から遠い自由端部53bの側の部分が片寄って堆積するトナー8Aの一部に接触して、そのトナー8Aを回転方向Cの下流側に移動させて崩すようになっている。
【0062】
しかし、この第2回収容器65では、その内部のうち崩し部材53の回転経路(
図5等に示す1点鎖線で示す円の範囲)上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの崩し部材53の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物54となる構造部がある。
この第2回収容器65における障害物54となる構造部は、回転軸52の斜め下方に接近して存在する円柱台状の突出部54Aと、回転軸52の斜め上方に離れて存在する上記接続部66とである。
【0063】
また、この第2回収容器65では、
図6の上段部に示されるように、回転軸52が容器内部の前後方向の片側に片寄った状態で配置されており、接続部66の排出口66bが容器内部の前後方向で回転軸52とは反対側の片寄った状態で配置されている。
このため、崩し部材53は、一端部53aを片寄った回転軸52に取り付けたうえで、自由端部53bが少なくとも接続部66の排出口66bの下方位置を通過するようにする必要があることから、
図6の上端部に示されるように、その一端部53aと自由端部53bが回転軸52の軸線Jの方向においてずれた関係になる形状にしている。
すなわち、この崩し部材53は、その平面形状がほぼ平行四辺形になっている。換言すれば、この崩し部材53は、回転軸52に取り付けられている一端部53aよりも回転軸52の軸線Jの方向外側に存在する部分53
bを有する形状の部材ともいえる。
【0064】
以上のことから、この粉体崩し装置5Aでは、上記した形状からなる崩し部材53が回転軸52の周りで矢印C方向に回転すると、その回転途上において障害物54となる突出部54Aと接続部66に接触して進行することになる。この結果、崩し部材53の一部は、
図5(B)に示されるように、突出部54Aと接続部66に接触したときに回転方向Cとは反対側に一時的に反り返るよう湾曲させられた状態で通過することになる。
図5(B)において括弧書きで示す符号53
01,53
02,52
06は崩し部材53が湾曲していないとき又は湾曲から復元した後の状態を示し、符号53
03は崩し部材53が障害物54となる突出部54Aに接触して湾曲させられたときの状態を示し、符号53
07は崩し部材53が障害物54となる接続部66に接触して湾曲させられたときの状態を示している。
【0065】
そして、この場合、崩し部材53は、障害物54となる突出部54Aと接続部66に接触したときに湾曲させられた状態になった部分が突出部54Aと接続部66をそれぞれ通過した直後に解放されるが、その解放される際に音を発生する。このときの音は、崩し部材53に後述するような第1非連続部56等が設けられていない場合に比べると、その発生タイミングが同一になり、また、崩し部材53が回転している間は発生し続けるので、耳障りな騒音になる。
図5(B)において括弧書きで示す符号53
04は崩し部材53が障害物54となる突出部54Aに接触して通過し終わる直前の状態を示し、符号53
05は崩し部材53が障害物54となる突出部54Aを通過した直後に湾曲した状態から解放されて復元する過程の状態を示している。
【0066】
そこで、この粉体崩し装置5Aでは、
図6の上段部等に示されるように、崩し部材53のうち回転するときに障害物の突出部54Aおよび接続部66によって少なくとも進路が妨げられる範囲Eになる部分に、自由端部53bの側の端部から内側にむけて回転軸52の軸線Jと斜めに交差する方向Dに延びて終端56eが前記範囲E内に止まる複数の第1非連続部56を設けている。
【0067】
ここで、進路が妨げられる範囲Eは、
図6の下段部に示されるように、崩し部材53が回転して進行するときに障害物の突出部54A等と接触する直前において位置的に重なり合って干渉し合う部分である。
また、自由端部53bの側の端部は、自由端部53bとそれに隣接して続く端部とを含むものである。
さらに、範囲E内に止まるとは、範囲Eの外側に突き抜けることなく範囲Eの内側の任意の位置に存在することである。
図6中では第1非連続部56の終端56eが白抜きの小さな丸印で示されているが、これは第1非連続部56を形成する際の加工上の事情と第1非連続部56が拡大して破損するのを防止する対策のために施されたものになる。
【0068】
実施の形態1における複数の第1非連続部56はいずれも、崩し部材53を切り込んで得られる切込みで構成されている。具体的には、4つ(4本)の直線状の切込みで構成されている。
これにより、崩し部材53は、障害物の突出部54Aによって少なくとも進路が妨げられる範囲Eの部分が4つの第1非連続部56を境にして細分化される。実施の形態1では、上記範囲Eになる部分が5つの短冊状の片部に分けられる。
【0069】
また、4つの第1非連続部56(56
01,56
02,56
03,56
04)は、
図6に示されるように、自由端部53bとその一端側に隣接する第1隣接端部53cから内側にむけて軸線Jと斜めに交差する方向Dに延びて、かつ終端56eが範囲E内であって自由端部53bの他端側に隣接するとともに第1隣接端部53cと平行して向き合う第2隣接端部53dの手前の位置で止まる直線状の切込みとして形成されている。
この4つの第1非連続部56のうち第1非連続部56
04が、第1隣接端部53cから内側にむけて延びる
直線状の切込みとして形成されている。
【0070】
また、第1非連続部56は、
図6に示されるように、4つの直線状の切込みが等間隔で設けられている。この関係で、4つの第1非連続部56は、互いに平行した状態になるよう設けられている。
【0071】
このときの第1非連続部56は、
図6の下段部に示されるように、その終端56eの側から回転軸52にむけて延長線Lを延ばした場合、その延長線Lの回転軸52の軸線Jとの交差角θ1は、例えば30°以上かつ45°以下の範囲内の角度になるよう設けられている。この交差角θ1は、その延長線Lの障害物になる突出部54Aの平面状の先端面54Atとの交差角θ2で捉え直した場合、その交差角θ2が例えば45°以上かつ60°以下の範囲内の角度になるものである。
交差角θ1が30°よりも小さい角度になると、崩し部材53が回転して障害物の突出部54A等に接触した後に通過して解放される際に生じる音の発生タイミングがほぼ同一になってしまう等の不具合がある。反対に交差角θ1が45°よりも大きい角度になった場合も、崩し部材53が回転して障害物の突出部54A等に接触した後に通過して解放される際に生じる音の発生タイミングがほぼ同一になってしまう等の不具合がある。
【0072】
さらに、このときの第1非連続部56は、
図6の中段部に示されるように、延びた先の終端56eどうしが回転軸52の軸線Jと斜めに交差する1つの仮想の直線Fの上に止まるよう揃えられている。
実施の形態1では、第1非連続部56の終端56eが、上記崩し部材53における第2隣接端部53dの直線状の縁から内側に一定で同じ距離だけ入り込んだ位置に存在するよう構成されている。また、第1非連続部56の終端56eは、崩し部材53のうち第1非連続部56が切り込まれる方向Dの部分の幅の中央よりも反対側の端部(本例では第2隣接端部53d)寄りの位置に止まるようにすることが好ましく、さらに当該幅の3分の2以上に切込みで入り込んだ位置に止まるようにすることがより好ましい。
【0073】
また、この粉体崩し装置5Aでは、
図6に示されるように、崩し部材53のうち障害物となる突出部54Aに接触しない部分に、回転軸52の軸線Jと交差する方向Hに途中まで延びて障害物となる突出部54Aに接触して通過する部分とを一部切り離す第2非連続部57を設けている。
【0074】
ここで、上記突出部54Aに接触しない部分は、実施の形態1では、その一部が2つ目の障害物となる接続部66と接触するが、その一部は突出部54Aと接触する上記範囲Eよりも狭い範囲である。第2非連続部57は、崩し部材53のうち障害物となる突出部54Aに実際に接触する部分と突出部54Aに接触しない部分とを区分するように設けられる。
また、上記突出部54Aに接触して通過する部分は、少なくとも上記範囲Eを含む部分である。
【0075】
実施の形態1における第2非連続部57は、崩し部材53を切り込んだ切込みで構成されている。具体的には、2つ(2本)の直線状の切込みで構成されている。
また、第2非連続部57は、軸線Jとほぼ直交する方向Hに沿って延びるよう設けられている。
これにより、崩し部材53は、2つの第2非連続部57を境にして突出部54Aに接触しない部分が上記範囲Eの部分と区分けされるとともに、突出部54Aに接触しない部分が2つの第2非連続部57を境にして細分化される。実施の形態1では、突出部54Aに接触しない部分が2つの短冊状の片部に分けられる。
【0076】
また、2つの第2非連続部57(57
01,57
02)は、延びた先の終端57eが回転軸52に接近した位置まで延びて止まるよう設けられている。実施の形態1では、
図6の中段部に示されるように、2つの第2非連続部57の終端57eどうしが、回転軸52の軸線Jの方向と平行する仮想の直線Kの上に止まるよう揃えられている。
【0077】
さらに、第2非連続部57は、障害物となる突出部54Aに接近する側に偏在するよう設けられている。
2つの第2非連続部57(5701,5702)の一方の第2非連続部5701は、障害物となる突出部54Aの先端面54Atに接近した位置に設けられている。また第2非連続部5701は、崩し部材53を回転軸52に取り付けて使用する際に、その側壁部65bから内側に離れた寸法が、障害物である突出部54Aの高さよりも少し大きい値(例えば5~10mm)になる位置に存在させるよう設けることが好ましい。また、その第2非連続部5701は、その終端57eが第2隣接端部53dの回転軸52側の端部と接近した位置に存在して、崩し部材53の上記範囲Eと回転軸52に取り付けられる一端部53aとの接続部分53gを少なくする(狭小化する)ようになっている。
【0078】
次に、粉体崩し装置5Aの動作について説明する。
【0079】
粉体崩し装置5Aは、粉体収容装置6Aの一部を構成する第2回収容器65においてトナー8A等の回収が行われる時期に、回転軸52も回転し続ける。
これにより、崩し部材53は、回転軸52をほぼ中心にして矢印C方向に回転し続ける。一方、第2回収容器65には、第2清掃装置36で回収されたトナー8A等が第2回収搬送部37を通して搬送された後、接続部66における排出口66bから落下するように排出されて収容される。
【0080】
第2回収容器65では、
図5(A)に示されるように、その収容されるトナー8A等が排出口66bのほぼ直下において山なりに堆積すると、その堆積したトナー8A等の一部が粉体崩し装置5Aの回転する崩し部材53における自由端部53bの側の部分が接触して移動させられ、堆積したトナー8A等の一部が崩される。
【0081】
そして、この回転する崩し部材53は、障害物になる突出部54Aと接続部66に接触しながら回転する。
【0082】
この場合、崩し部材53が障害物になる突出部54Aと接触し始めると、
図7(A)に示されるように、崩し部材53は、第2非連続部57を境にして突出部54Aに接触しない部分53pが突出部54Aに接触する部分53rとに分かれた状態になる。
【0083】
つまり、このときの崩し部材53は、突出部54Aに接触した部分53rが、回転方向Cの後方(上流側)に反り返るよう湾曲され始める一方で、突出部54Aに接触しない部分53pが突出部54Aに確実に接触しないで通過するとともに湾曲されることなく通過する。
【0084】
これにより、崩し部材53は、突出部54Aに接触しない部分53pが、障害物である突出部54Aを通過する際に湾曲されることがないので、その湾曲した状態が解放されて復元されるという挙動が発生しない。
【0085】
続いて、崩し部材53が障害物になる突出部54Aと接触して通過するときは、
図7(B)に示されるように、崩し部材53の突出部54Aと接触する部分53rが4つの第1非連続部56を境にして細分化された短冊状の部分どうしが少し分かれた状態になって個別に湾曲させられて弾性変形しながら移動する。そして、崩し部材53の突出部54Aと接触する部分53rは、突出部54Aを通過する際には、4つの第1非連続部56を境にして細分化された短冊状の部分が段階的にその湾曲した状態から解放される。
【0086】
これにより、崩し部材53は、障害物である突出部54Aと接触する部分53rが突出部54Aを通過した直後には、4つの第1非連続部56を境にして細分化された短冊状の部分の湾曲した状態が段階的に時間差をもって解放されて復元する。
図7(B)では、崩し部材53における第1非連続部56
04と第2非連続部57
01との間で細分化された部分が、最初に突出部54Aを通過して解放された状態になる手前の段階であることが示されている。
また、このときの崩し部材53における第1非連続部56を境にして細分化された短冊状の部分は、湾曲されたときに蓄積されるエネルギー(復元力)が第1非連続部56で細分化されていない場合に比べて、低減される。
【0087】
また、回転する崩し部材53は、突出部54Aを通過した後は、障害物になる接続部66に接触しながら回転する。
【0088】
この場合、崩し部材53が接続部66と接触し始めると、崩し部材53のうち突出部54Aに接触しない部分53pは、主に回転軸52から半径方向に距離が相対的に長い第2非連続部57
01と第1非連続部56
04との間の部分が、接続部66に接触して通過する。この際、第2非連続部57
02を境にして接続部66に接触しない部分(
図7中では第2非連続部57
02よりも上方側になる部分)と、接続部66に接触する部分(第2非連続部57
01と第1非連続部56
04との間の部分)とに分かれた状態になる。
【0089】
これにより、このときの崩し部材53は、接続部66に接触しない部分が、その接続部66を通過する際に湾曲されることがないので、その湾曲した状態が解放されて復元されるという挙動が発生しない。
一方、このときの崩し部材53は、接続部66に接触する部分が、接続部66との接触で湾曲されて通過して解放されることになる。しかし、この接続部66に接触する部分は、突出部54Aに接触しない部分53pが第2非連続部57(実際には第2非連続部5702)によって細分化(2分化)されているので、湾曲されたときに蓄積されるエネルギー(復元力)が低減している分、解放されて復元するときの勢いが弱まる。
【0090】
続いて、このときの崩し部材53は、突出部54Aに接触する部分53rが接続部66に接触して通過する。
しかし、このときの崩し部材53における突出部54Aに接触する部分53rは、突出部54Aに接触して通過するときとほぼ同様に、接続部66を通過する際に、4つの第1非連続部56を境にして細分化された短冊状の部分が段階的にその湾曲した状態から解放される。
【0091】
粉体崩し装置5Aにおける崩し部材53は、以上説明したように障害物になる突出部54Aと接続部66に接触しながら1回転し、その回転動作を繰り返すことにより、堆積するトナー8Aを崩す動作を継続して行う。
【0092】
そして、この粉体崩し装置5Aでは、崩し部材53の一部が回転経路途中に存在する障害物である突出部54Aと接続部66に接触したときに湾曲させられた状態で突出部54Aと接続部66を通過して解放されるが、その解放されるタイミングが複数の第1非連続部56と第2非連続部57により崩し部材53の細分化された部分ごとで異なり、全体として段階的に解放されてずらされる。
この結果、この粉体崩し装置5Aでは、崩し部材53の一部が突出部54Aと接続部66を通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが防止される。また、この粉体崩し装置5Aでは、崩し部材53の一部が突出部54Aと接続部66を通過して解放されるタイミングがずらされることで、そのずれて解放される各部分でそれぞれ生じする音の大きさも低減される。
【0093】
また、この粉体崩し装置5Aでは、4つの第1非連続部56が等間隔で設けられていない場合に比べると、崩し部材53が障害物である突出部54Aと接続部66に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが、その解放されるタイミングも規則的にずらされて滑らかに分散される。
【0094】
また、この粉体崩し装置5Aでは、第1非連続部56の延びた先の終端56eどうしが回転軸52の軸線Jと斜めに交差する1つの直線F上に止まるよう揃えられていない場合に比べると、崩し部材53が障害物である突出部54Aと接続部66に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の大きさが、解放されるときの勢いがほぼ同様に弱められてむらなく小さくなる。
【0095】
さらに、この粉体崩し装置5Aでは、崩し部材53に第2非連続部57が設けられていない場合に比べると、崩し部材53が障害物である突出部54Aと接続部66に接触したときに湾曲させられた状態になる部分が減少するので、湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の大きさが全体として小さくなる。
【0096】
また、この粉体崩し装置5Aでは、第2非連続部57の終端57eが回転軸52に接近した位置まで延びて止まるよう設けられていない場合に比べると、崩し部材53の障害物である突出部54Aと接続部66に接触しない部分53pは、回転軸52に取り付けられている一端部53aの側と連続する割合(
図6下段部に示す上記接続部分53gの幅)が減って上記障害物を通過する際に湾曲させられることなく通過するようになり、また上記解放されるときに発生する音の大きさが崩し部材53全体として低減される。
【0097】
また、この粉体崩し装置5Aでは、第2非連続部57が障害物である突出部54A等に接近する側に偏在していない場合に比べると、崩し部材53が障害物を通過する際に湾曲させられる部分が減少して、上記解放されるときに発生する音の大きさも全体として低減される。
【0098】
この他、粉体崩し装置5Aでは、崩し部材53が一端部53aよりも回転軸52の軸線Jの方向外側に存在する部分を有する形状(例えば平行四辺形や台形)の部材でない場合に比べると、障害物である突出部54Aと接続部66に接触して通過する際に湾曲させられやすくなるにもかかわらず、崩し部材53の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制される。
また、この粉体崩し装置5Aでは、第1非連続部56が崩し部材53の回転軸52の軸線Jの方向外側に存在する部分に設けられていない場合に比べると、障害物である突出部54Aと接続部66に接触して通過する際に湾曲させられやすくなるにもかかわらず、崩し部材53の一部が障害物に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることを防ぎやすくなる。
【0099】
実施の形態2.
図8には、この発明の実施の形態2に係る粉体崩し装置5Bを備えた粉体収容装置6Aが示されている。
粉体収容装置6Aは、実施の形態1に係る粉体崩し装置5Aに解放調整部材58を追加してなる粉体崩し装置5Bを採用した点で異なる以外は実施の形態1に係る粉体崩し装置5Aおよび粉体収容装置6Aと同じ構成からなるものである。
【0100】
解放調整部材58は、収容構造体の第2回収容器65のうち障害物である突出部54Aの崩し部材53の回転方向Cの下流側になる部位に、崩し部材53の障害物である突出部54Aを通過して湾曲した部分を第1非連続部56で区分して順次解放するよう支持する部材である。
図8における符号58aは解放調整部材58の板状の本体、符号58bは本体58aの側壁部65bと反対側の端部であり崩し部材53のうち湾曲して解放されるときの部分を支持する支持部、符号58cは解放調整部材58のうち回転方向Cの上流側になる端部である始端部、符号58dは解放調整部材58のうち回転方向Cの下流側になる端部である終端部をそれぞれ示す。
【0101】
実施の形態2における解放調整部材58は、障害物である突出部54Aから回転方向Cの下流側にある接続部66までの間に配置されている。また、解放調整部材58は、板状の部材を湾曲させた形状にしている。さらに、解放調整部材58は、例えばアクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合樹脂(ABS)等の材料で形成されている。
【0102】
また、実施の形態2における解放調整部材58は、
図8や
図9に示されるように、崩し部材53の湾曲した部分を支持する部分(支持部58b)が、崩し部材53の回転方向Cの下流側になるにつれて回転軸52との離間距離Rが増えるよう設けられている。
図9(A)において両矢印で示す上記離間距離Rは、解放調整部材58の始端部58cから回転方向Cの下流側にある終端部58dにむけて所要の割合で漸増するよう構成されている。上記離間距離Rは、例えば次のように設定される。まず解放調整部材58の始端部58cにおける最短の距離は、少なくとも崩し部材53の障害物通過で湾曲した部分を支持できる寸法が必要であり、例えば3mm以上の距離に設定される。また、解放調整部材58の終端部58dにおける最長の距離は、少なくとも崩し部材53の回転軸に取り付けられる端部53aから自由端側の端部53bまでの寸法より短い距離が必要であり、例えば30mm以下の距離に設定される。なお、解放調整部材58の支持部58bは、離間距離Rが階段状に増えるようにしてもよい。
また、このときの解放調整部材58は、その支持部58bの高さ寸法(側壁部65bから内側に突出する寸法)は、その始端部58cから終端部58dに至るまで同じ寸法になっている。また、その高さ寸法は、始端部58cを配置する障害物である突出部54Aの高さ(側壁部65bから内側に離れた寸法)と同じか少し小さい寸法に設定される。
したがって、この解放調整部材58における支持部58bは、漸増する徐変半径からなる曲線をなすような端部の形状になっている。
【0103】
この解放調整部材58を配置した粉体崩し装置5Bを備えた粉体収容装置6Aでは、粉体崩し装置5Bの崩し部材53が以下に説明する動作や作用効果が加わること以外は、実施の形態1に係る粉体収容装置6Aおよび粉体崩し装置5Aと同様に作動し、その動作によるほぼ同じ作用効果が得られる。
【0104】
粉体崩し装置5Bにおいて、崩し部材53が矢印Cの方向に回転して障害物である突出部54Aに接触した部分53rは、
図9(B)に示されるように、4つの第1非連続部56を境にして細分化された短冊状の部分どうしが少し分かれた状態になって個別に湾曲させられて弾性変形しながら移動した後、突出部54Aを通過する際に、その湾曲した状態から段階的に解放されようとする。このときの崩し部材53は、
図9(B)に符号53
03,53
04を付して示す状態にあるときの崩し部材53となる。
【0105】
しかし、この粉体崩し装置5Bでは、障害物である突出部54Aから回転方向Cの下流側の次の障害物である接続部66までの間に解放調整部材58が配置されているので、
図9(B)や
図10(B)に示されるように、崩し部材53の突出部54Aに接触した部分53rが解放調整部材58の支持部58bで突出部54Aの高さ寸法とほぼ同じ高さに支持され続ける。この際、崩し部材53の突出部54Aに接触した部分53rのうち第2隣接端部53dの一部も、解放調整部材58の支持部58bで支持され続ける。
図9(B)に符号53
05,53
08,53
09を付した崩し部材53が解放調整部材58の支持部58bに支持されている状態にあることを示している。
【0106】
このため、上記突出部54Aに接触して湾曲した部分53rは、次の接続部66に達するまで完全に解放されて復元せずに先の湾曲した状態がある程度維持される。厳密には、突出部54Aに接触して湾曲した部分53rは、解放調整部材58の漸増する徐変半径の曲線からなる支持部58bを回転方向Cの下流側に通過するにつれて緩やかに解放されて徐々に復元し始める。
【0107】
これにより、崩し部材53は、障害物である突出部54Aを通過した際に湾曲した状態が完全に解放されて復元することがなくなるので、その解放のときに生じる音が発生しにくくなる。
ちなみに、崩し部材53のうち突出部54Aに接触しない部分53pは、実施の形態1における場合と同様に、
図10(A)に示されるように第2非連続部57で突出部54Aに接触する部分53rと区分化されるので、突出部54Aとの接触により湾曲されることなく通過する。
【0108】
次に、この粉体崩し装置5Bにおいては、崩し部材53が障害物である接続部66を通過するが、この際、崩し部材53における突出部54Aに接触した部分53rは、接続部66との接触により湾曲される。また、その接触した部分53rは、接続部66を通過する際に、その湾曲された状態が実施の形態1における場合と同様に4つの第1非連続部56で細分化された部分が段階的に解放される。
一方、崩し部材53のうち突出部54Aに接触しない部分53pは、実施の形態1における場合と同様に、その一部が接続部66に接触して湾曲された状態にされて通過する。
【0109】
したがって、この粉体崩し装置5Bでは、崩し部材53が障害物である突出部54Aを通過した後に解放調整部材58に支持されて湾曲した部分が完全に解放されない状態に維持される。この結果、粉体崩し装置5Bでは、解放調整部材58が配置していない場合に比べると、障害物である突出部54Aと接続部66に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の大きさが、突出部54Aを通過したときに生じる音が減るので小さくなる。
【0110】
<実施の形態2の変形例>
実施の形態2では、粉体崩し装置5Bにおける解放調整部材58として、崩し部材53の湾曲した部分を支持する支持部58bが回転軸52の軸線Jの方向に沿う高さ寸法が障害物である突出部54Aを通過して後に減るよう構成した解放調整部材を配置してもよい。
この場合の解放調整部材58の支持部58bは、その高さ寸法が回転方向Cの下流側になるにつれて漸減するように構成することが好ましいが、その高さ寸法が回転方向Cの下流側になるにつれて階段状に減るように構成してもよい。
【0111】
また、実施の形態2では、解放調整部材58を2つの障害物である突出部54Aと接続部66(54B)の間に配置した構成例を示したが、解放調整部材58は、障害物である接続部66の回転方向Cの下流側の位置に配置する構成や、突出部54Aから接続部66に至る手前の位置(途中の位置)までの間に配置する構成を採用してもよい。
また、解放調整部材58は、障害物が1つである場合、その1つの障害物の回転方向Cの下流側の位置に配置すればよい。
【0112】
実施の形態3.
図11には、実施の形態3に係る粉体搬送装置7が示されている。
【0113】
粉体搬送装置7は、
図11に示されるように、粉体8が落下して搬送される搬送空間HSを有する搬送路構造体70と、搬送路構造体70の内部に配置される回転軸52に一端部58aが取り付けられて回転し、回転軸52から遠い自由端部53bの側の部分で堆積する粉体8の一部に触れて崩すシート状の崩し部材53を有する粉体崩し装置5Cと、搬送路構造体70の内部のうち崩し部材53の回転経路上の一部分に進路を妨げるよう存在して、回転するときの崩し部材53の一部を接触したときに湾曲させた状態で通過させる障害物54とを備えている。
【0114】
搬送路構造体70は、粉体8を搬送する通路の一部を構成するものであり、その形状および構造については特に限定されない。実施の形態3における搬送路構造体70は、その上部に粉体を供給する粉体供給部72が接続されており、その下部に粉体8を供給先に搬送する搬送通路部73が接続されている。このため、粉体搬送装置7は、粉体供給部72と搬送通路部73との間に存在して粉体8を中継して搬送する装置として使用される。
また、搬送路構造体70は、例えば、
図11に示されるように傾斜内壁部70sを有する形状になっている。粉体搬送装置7は、この傾斜内壁部70sに堆積する粉体8tを粉体崩し装置5Cにおける崩し部材53で崩す(取り除いて移動させる)ようになっている。
【0115】
また、この粉体搬送装置7は、粉体崩し装置5Cとして、崩し部材53のうち回転するときに障害物の突出部54Aおよび接続部66によって少なくとも進路が妨げられる範囲Eになる部分に、自由端部53bの側の端部から内側にむけて回転軸52の軸線Jと斜めに交差する方向Dに延びて終端56eが前記範囲E内に止まる複数の第1非連続部56を設けた粉体崩し装置を適用している。この粉体崩し装置5Cは、具体的には、実施の形態1,2に係る粉体崩し装置5A,5Bを適用して、粉体崩し装置5Cの一部又は全部を構成している。
この粉体搬送装置7は、実施の形態1,2におけるトナーを補給する補給搬送部27において粉体崩し装置5A,5Bの設置が必要であれば、実施の形態1における補給搬送部27の一部又は全部を構成するよう適用することができる。
【0116】
そして、この粉体崩し装置5Cを備えた粉体搬送装置7では、粉体崩し装置5Cにおける崩し部材53の一部が回転経路上の一部分に存在する障害物54により少なくとも進路が妨げられる範囲(E)になる部分に実施の形態1等における複数の第1非連続部56を設けていない場合に比べて、崩し部材53の一部が障害物54に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体8の搬送時に発生する音が低減される。
【0117】
実施の形態4.
図12には、実施の形態4に係る粉体利用装置1の他の例である粉体塗装装置1Bが示されている。
【0118】
粉体塗装装置1Bは、
図12に示されるように、粉体の他例である粉体塗料8Bを被付着物9の他例である被塗装シート9Bに付着させる粉体付着装置2の他例である粉体塗料付着装置2Bと、粉体塗料付着装置2Bに供給する粉体塗料8Bを搬送する粉体塗料搬送装置7Bと、被塗装シート9Bを粉体塗料付着装置2Bに供給して通過させるよう搬送する搬送装置18とを備えている。
【0119】
粉体塗料付着装置2Bは、例えば、粉体塗料8Bを被塗装シート9Bに塗布ローラ等28により静電的に塗布する装置である。被塗装シート9Bとしては、例えば、金属製シートが用いられる。
搬送装置18は、被塗装シート9Bを粉体塗料付着装置2Bに供給して通過させるよう搬送することが可能であれば特に制約されるものでなく、例えば、複数の支持ロール18b、18cに支持されて回転する無端状のベルト18aに保持して搬送するベルト式の搬送装置が適用される。搬送装置18は、搬送ベルト18aの外周面に残留する粉体塗料8Bを除去して外周面を清掃する第3清掃装置19を備えている。第3清掃装置19としては、例えば、実施の形態1等における第2清掃装置36を適用してもよい。
【0120】
図12における符号72Bは、補給する粉体塗料8Bを収容する収容部である。この収容部72Bは、例えば、固定設置型の収容ホッパ又は着脱交換式の収容容器で構成されている。
粉体塗料搬送装置7Bとしては、実施の形態3に係る粉体搬送装置7を用いて構成されている。すなわち、粉体塗料搬送装置7Bは、粉体崩し装置5Cを備えた搬送装置として構成されている。粉体崩し装置5Cは、粉体塗料搬送装置7Bの搬送路構造体70の内部で堆積する粉体塗料を崩すために使用される。
【0121】
そして、この粉体塗装装置1Bでは、粉体崩し装置5Cを備えた粉体塗料搬送装置7Bを適用しているので、粉体崩し装置5Cにおける崩し部材53の一部が回転経路上の一部分に存在する障害物54により少なくとも進路が妨げられる範囲(E)になる部分に実施の形態1等における複数の第1非連続部56を設けていない場合に比べて、崩し部材53の一部が障害物54に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体塗料8Bの搬送時に発生する音が低減される。
【0122】
また、この粉体塗装装置1Bは、粉体塗料付着装置2B又は搬送装置18の第3清掃装置19で回収される粉体塗料8Bを収容する粉体収容装置6の他の例である粉体塗料収容装置6Bを備えている。粉体塗料収容装置6Bは、例えば、実施の形態1,2に係る粉体収容装置6Aを適用して、その一部又は全部を構成される。すなわち、粉体塗料収容装置6Bは、粉体崩し装置5A又は5Bを備えた収容装置として構成される。
【0123】
このため、粉体塗装装置1Bでは、粉体崩し装置5A又は5Bを備えた粉体塗料搬送装置7Bを適用しているので、粉体崩し装置5A又は5Bにおける崩し部材53の一部が障害物54に接触したときに湾曲させられた状態で通過して解放された際に生じる音の発生タイミングが同一になることが抑制され、粉体塗料8Bの収容時に発生する音が低減される。
【0124】
<他の変形例>
実施の形態1,2等では、粉体崩し装置5A,5B等における崩し部材53として平行四辺形からなるシート状部材を用いる構成例を示したが、崩し部材53としては、それに限定されず、例えば、
図13に示されるように台形からなるシート状部材の崩し部材53Bを適用してもよい。
【0125】
図13に例示する崩し部材53Bは、回転するときに障害物54によって少なくとも進路が妨げられる範囲Eになる部分に、自由端部53bの側の端部から内側にむけて回転軸の軸線Jと斜めに交差する方向に延びて終端56eが範囲E内に止まる複数(3つ)の第1非連続部56(56
10,56
11,56
12)を設けている。また、崩し部材53Bは、1つの第2非連続部57を設けている。
【0126】
実施の形態1,2等では、崩し部材53の第1非連続部56と第2非連続部57として切込みで構成した例を示したが、所要の幅をもって切り欠いた切欠きで構成してもよい。第1非連続部56と第2非連続部57は、切込みと切欠きを適宜組み合わせて構成しても構わない。また、第1非連続部56および第2非連続部57の数は特に限定されない。
ちなみに、崩し部材53,53Bにおける複数の第1非連続部56は、例えば、回転するときに障害物54によって少なくとも進路が妨げられる範囲Eになる部分に、その範囲Eの内側から自由端部53bの側にむけて回転軸52の軸線Jと斜めに交差する方向Dに延びて自由端部53bにまで達する非連続部ともいえる。
【0127】
実施の形態1,2等では、粉体崩し装置5A,5B等における障害物54として2つ存在する構成例を示したが、障害物54については1つ存在する場合であっても、あるいは、3つ以上存在する場合であっても構わない。
【0128】
また、実施の形態1,2では、粉体利用装置1の一例である画像形成装置1Aとして像形成装置2Aが4つある構成例を示したが、画像形成装置1Aとしては像形成装置2Aが1つ、3つ、又は5つ以上備えたものであってもよい。また、画像形成装置1Aとしては、直接転写方式の画像形成装置であっても構わない。
【符号の説明】
【0129】
1A…画像形成装置(粉体利用装置の一例)
1B…粉体塗装装置(粉体利用装置の一例)
2 …粉体付着装置
2A…像形成装置(粉体付着装置の一例)
2B…粉体塗料塗布装置(粉体付着装置の一例)
5A,5B,5C…粉体崩し装置
6,6A…粉体収容装置
7,7B…粉体搬送装置
8 …粉体
8A…現像剤、トナー(粉体の一例)
8B…粉体塗料(粉体の一例)
9 …被付着物
9A…シート媒体(被付着物の一例)
50…構造体
52…回転軸
53…崩し部材
53a…一端部
53b…自由端部
54…障害物
54A…突出部(障害物の一例)
54B,66…接続部(障害物の一例)
56…第1非連続部
57…第2非連続部
58…解放調整部材
58b…支持部
61…第1回収容器(収容構造体の一例)
65…第2回収容器(収容構造体の一例)
70…搬送路構造体
C …崩し部材の回転方向
J …軸線
CS…収容空間
HS…搬送空間