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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】発振器および製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20240910BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H01L23/12 F
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020194212
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022082999
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】笠原 昌一郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 信也
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-236466(JP,A)
【文献】特開2015-226189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/30- 5/42
H01L 23/12-23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面に複数の外部端子が設けられたパッケージと、
前記パッケージに収容された回路素子と、
前記パッケージに収容され、前記回路素子と電気的に接続された振動子と、
を備え、
前記回路素子は、それぞれがバンプ部材を介して前記パッケージに接合された複数のパッドによって、前記パッケージと電気的に接続されており、
前記回路素子は、平面視で矩形状であり、
前記バンプ部材のうちの前記回路素子の四隅それぞれに最も近いもののうちの少なくとも3つが、平面視で前記複数の外部端子と重なる位置で前記パッケージに接合されており、
前記パッケージは、平面視で、第1の辺と、前記第1の辺の対辺である第2の辺と、第3の辺と、前記第3の辺の対辺である第4の辺と、を有する矩形状であり、
前記回路素子は、平面視で、前記第1の辺と並ぶ第5の辺と、前記第5の辺の対辺であり、前記第5の辺よりも前記第1の辺から遠い第6の辺と、第7の辺と、前記第7の辺の対辺である第8の辺と、を有する矩形状であり、
前記複数のパッドは、前記第5の辺に沿って、前記第6の辺よりも前記第5の辺に近いように設けられた第1のパッド群と、前記第6の辺に沿って、前記第5の辺よりも前記第6の辺に近いように設けられた第2のパッド群と、を含み、
前記第1の辺と前記第5の辺との距離は、前記第2の辺と前記第6の辺との距離より大きく、
前記複数の外部端子のうち、前記第1のパッド群よりも前記第2のパッド群に近い外部端子は、前記複数の外部端子のうち、前記第2のパッド群よりも前記第1のパッド群に近い外部端子と比較して、前記第2の辺に沿った長さが大きい、発振器。
【請求項2】
前記バンプ部材のそれぞれは、平面視で前記複数の外部端子の少なくとも1つと重なる位置で前記パッケージに接合されている請求項1に記載の発振器。
【請求項3】
前記第5の辺と前記第1のパッド群との距離の方が、前記第6の辺と前記第2のパッド群との距離のより小さい請求項に記載の発振器。
【請求項4】
前記複数のパッドは、電源電圧が印加される電源パッドと、グランド電位が供給されるグランドパッドと、前記振動子と電気的に接続される第1振動子パッドと、前記振動子と電気的に接続される第2振動子パッドと、クロック信号を出力する出力パッドと、クロック信号の出力制御信号が入力される制御パッドと、を含む請求項1乃至の何れか1項に記載の発振器。
【請求項5】
前記パッケージは、前記電源パッドに電気的に接続された電源配線を含み、
前記電源配線は、前記電源パッドと前記複数の外部端子に含まれる電源端子とを接続する第1の部分と、平面視で前記出力パッドと前記第1振動子パッドとの間に延在する第2の部分と、を含む請求項に記載の発振器。
【請求項6】
前記パッケージは、前記制御パッドに電気的に接続された制御配線を有し、
前記制御配線は、前記制御パッドと前記複数の外部端子に含まれる制御端子とを接続する第3の部分と、平面視で前記グランドパッドと前記第2振動子パッドとの間に延在する第4の部分と、を含む請求項4又は5に記載の発振器。
【請求項7】
実装面に複数の外部端子が設けられたパッケージと、前記パッケージに収容されており、平面視で矩形の回路素子と、前記パッケージに収容され、前記回路素子と電気的に接続された振動子と、を備えた発振器の製造方法であって、
前記回路素子が有する複数のパッドのそれぞれを、バンプ部材を介して前記パッケージに接合することにより、前記回路素子を前記パッケージと電気的に接続する接合工程を含み、
前記接合工程では、前記バンプ部材のうち、前記回路素子の4隅それぞれに最も近いもののうちの少なくとも3つが平面視で前記複数の外部端子と少なくとも一部で重なるように、前記複数のパッドのそれぞれを前記パッケージに接合する製造方法であり、
前記パッケージは、平面視で、第1の辺と、前記第1の辺の対辺である第2の辺と、第3の辺と、前記第3の辺の対辺である第4の辺と、を有する矩形状であり、
前記回路素子は、平面視で、前記第1の辺と並ぶ第5の辺と、前記第5の辺の対辺であり、前記第5の辺よりも前記第1の辺から遠い第6の辺と、第7の辺と、前記第7の辺の対辺である第8の辺と、を有する矩形状であり、
前記複数のパッドは、前記第5の辺に沿って、前記第6の辺よりも前記第5の辺に近いように設けられた第1のパッド群と、前記第6の辺に沿って、前記第5の辺よりも前記第6の辺に近いように設けられた第2のパッド群と、を含み、
前記第1の辺と前記第5の辺との距離は、前記第2の辺と前記第6の辺との距離より大きく、
前記複数の外部端子のうち、前記第1のパッド群よりも前記第2のパッド群に近い外部端子は、前記複数の外部端子のうち、前記第2のパッド群よりも前記第1のパッド群に近い外部端子と比較して、前記第2の辺に沿った長さが大きい、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振器および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック等の材質のパッケージに、ICをFCB(フリップチップボンディング)工法により実装した構成の発振器がある。特許文献1には、このような構造の発振器であって、平面視において、外部端子とICのパッドとが重ならない構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-055033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような構造の発振器を小型化する場合、パッケージの外部端子の間は狭くなる。単純に外部端子間の距離を狭めると、平面視において、ICのパッドの一部が外部端子と重なることが想定される。
しかし、発振器において、裏面に外部端子がある場合と無い場合とでパッケージの厚みが異なる。このため、パッケージのICの実装面において、ICの複数のパッドの実装位置それぞれで高低差が生じる。これにより、FCBによるICとパッケージとの接合の際に、ICの複数のパッドの位置で接合の際にかかる圧力に偏りが生じ、ICの性能が劣化するおそれがあるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための発振器は、実装面に複数の外部端子が設けられたパッケージと、前記パッケージに収容された回路素子と、前記パッケージに収容され、前記回路素子と電気的に接続された振動子と、を備え、前記回路素子は、それぞれがバンプ部材を介して前記パッケージに接合された複数のパッドによって、前記パッケージと電気的に接続されており、前記回路素子は、平面視で矩形状であり、前記バンプ部材のうちの前記回路素子の四隅それぞれに最も近いもののうちの少なくとも3つが、平面視で前記複数の外部端子と重なる位置で前記パッケージに接合されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】発振器の透視平面図である。
図2】発振器の断面図である。
図3】IC配置面の平面図である。
図4】比較例の発振器の構造を説明する図である。
図5】比較例のIC接合の際の状況を示す図である。
図6】発振器の透視平面図である。
図7】発振器の透視平面図である。
図8】発振器の透視平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第1の実施形態:
(1-1)発振器の構成:
(1-2)発振器の製造方法:
(2)第2の実施形態:
(2-1)発振器の構成:
(2-2)発振器の製造方法:
(3)第3の実施形態:
(3-1)発振器の構成:
(3-2)発振器の製造方法:
(4)他の実施形態:
【0008】
(1)第1の実施形態:
(1-1)発振器の構成:
図1、2を用いて、第1の実施形態の発振器1の構成を説明する。説明の便宜上、発振器1は、互いに直交する3つの軸であるX軸、Y軸、及びZ軸で構成されるXYZ座標系上に配置されているとする。発振器1は、外部の基板への接続に用いられる表面である実装面を底部として、高さ方向がZ軸と平行になるように配置されている。発振器1は、平面視において長方形をなしており、当該長方形の長辺方向がX軸と平行となり、短辺方向がY軸と平行となるように配置されている。X軸において、矢印の先端側を右もしくは右側として、基端側を左もしくは左側とする。Y軸において、矢印の先端側を奥側として、基端側を手前という。Z軸においては、矢印の先端側を上方といい、基端側を底もしくは下方とする。
図1は、発振器1を上方から見た透視平面図である。以下では、物体を上方から見た平面視の図を平面図という。図2は、図1で示す発振器1のA-Aの断面図である。
【0009】
本実施形態の発振器1は、容器10、振動子20、IC50を備える。
容器10は、パッケージ15、リッド16を備える。パッケージ15は、振動子20、IC50を収容する筐体である。リッド16は、パッケージ15の上面を覆う金属の蓋体である。図1の平面図は、リッド16を透視した場合の発振器1の平面図である。
図1に示すように、パッケージ15は、平面視で、左端の辺である第1の辺61と、第1の辺61の対辺である第2の辺62と、奥側の端部の辺である第3の辺63と、第3の辺63の対辺である第4の辺64と、を有する矩形状である。
振動子20は、圧電体として水晶基板を用いた振動片である。
【0010】
IC50は、矩形の板状の集積回路素子(Integrated Circuit)であり、一方の表面に、パッケージ15との電気的な接続に用いられる複数のパッド51a~51fを備える。以下では、パッド51a~51fを、適宜、パッド51と総称する。
図1に示すように、IC50は、平面視で、第1の辺61と並ぶ、左端の辺である第5の辺65と、第5の辺65の対辺であり、第5の辺65よりも第1の辺61から遠い第6の辺66と、奥側の端部の辺である第7の辺67と、第7の辺67の対辺である第8の辺68と、を有する矩形状である。
第1の辺61と第5の辺65との距離(X軸方向の距離)は、第2の辺62と第6の辺66との距離より大きい。
【0011】
パッド51aは、電源電圧が印加される電源パッドである。また、パッド51bは、振動子20と電気的に接続される第1振動子パッドである。また、パッド51cは、振動子20と電気的に接続される第2振動子パッドである。また、パッド51dは、クロック信号の出力制御信号が入力される制御パッドである。
また、パッド51eは、グランド電位が供給されるグランドパッドである。また、パッド51fは、クロック信号を出力する出力パッドである。
【0012】
また、パッド51a~51dのパッド群は、第5の辺65に沿って、第6の辺66よりも第5の辺65に近いように設けられる。第5の辺65に沿って、第6の辺66よりも第5の辺65に近いように設けられるパッド群を、第1のパッド群とする。パッド51a~51dは、X軸方向において同じ位置に設けられている。ただし、第1のパッド群の各パッド51は、X軸方向においてそれぞれ異なる位置に設けられてもよい。また、第1のパッド群のうちの一部が、X軸方向において同じ位置に設けられてもよい。
また、パッド51e~51fのパッド群は、第6の辺66に沿って、第5の辺65よりも第6の辺66に近いように設けられる。第6の辺66に沿って、第5の辺65よりも第6の辺66に近いように設けられるパッド群を、第2のパッド群とする。パッド51e~51fは、X軸方向において同じ位置に設けられている。ただし、第2のパッド群の各パッド51は、X軸方向においてそれぞれ異なる位置に設けられてもよい。また、第2のパッド群のうちの一部が、X軸方向において同じ位置に設けられてもよい。
本実施形態では、第5の辺65と第1のパッド群とのX軸上の距離より、前記第6の辺66と第2のパッド群とのX軸上の距離の方が大きい。すなわち、第2のパッド群の方が、第1のパッド群よりもX軸方向においてIC50の中央寄りに配置されている。
【0013】
図1、2に示すように、パッケージ15は、その底部を形成する基板11と、IC50の収容空間および振動子20の支持台を形成する枠体としての第1枠体12と、振動子20の収容空間を形成する枠体としての第2枠体13と、リッド16との接合材としてのシームリング14と、を備える。また、パッケージ15には、振動子20との接続に用いられる複数の接続配線41a、41b、IC50との接続に用いられる複数の接続配線42a~42f、接続配線41aと接続配線42bとの接続に用いられるビアホール43a、接続配線41bと接続配線42cとの接続に用いられる不図示のビアホール43b、外部の基板への接続に用いられる複数の外部端子44a~44dとが配置される。以下では、接続配線41a、41bを、適宜、接続配線41と総称する。また、以下では、接続配線42a~42fを、適宜、接続配線42と総称する。また、以下では、ビアホール43a、43bを、適宜、ビアホール43と総称する。また、以下では、外部端子44a~44dを、適宜、外部端子44と総称する。
【0014】
接続配線41a、41bと振動子20とは、それぞれバンプ部材45a、45bを介して接合されている。以下では、バンプ部材45a、45bを、適宜、バンプ部材45と総称する。図2に示すように、バンプ部材45aは、接続配線41aと振動子20との間に位置する。同様に、バンプ部材45bは、接続配線41bと振動子20との間に位置する。接続配線42a~42fとIC50のパッド51a~51fとは、それぞれバンプ部材46a~46fを介して接合されている。以下では、バンプ部材46a、46bを、適宜、バンプ部材46と総称する。
基板11は、表側の表面を第1面11aとし、裏側の表面となる第1面11aの反対面を第2面11bとする。本実施形態では、基板11は、セラミックス製の基板である。基板11は、ガラスや、樹脂等の絶縁性の基板材料、又は、それらを複合した絶縁性の基板材料製の基板であってもよい。
【0015】
基板11の底面である第2面11bの四隅には、それぞれ外部端子44a~44dが配置される。外部端子44a~44dは、それぞれ、平面視で、第2面11bの左上隅、左下隅、右上隅、右下隅に配置される。外部端子44a~44dは、それぞれ、表面がXY平面と平行な板状の部分と、第2面11bの隅から高さ方向に延びて接続配線42と接続する部分と、を備える金属部材である。外部端子44a、44c、44dは、それぞれ平面視で、矩形状の領域と、この領域と第2面11bの隅部を接続する領域と、を含む形状である。外部端子44bは、平面視で、第2面11bの中央寄りの角部が切り取られた矩形状の領域と、この領域と第2面11bの隅部を接続する領域と、を含む形状である。このように、外部端子44a~44dのうち外部端子44bは、他と平面視での形状が異なる。これにより、ユーザーは、外部端子44a~44dそれぞれがどの端子であるかを視認して確認できる。ただし、外部端子44a~44dのうちの1つが他と見分けがつく形状であれば、外部端子44a~44dは、他の形状であるとしてもよい。また、外部端子44a~44dは、それぞれ、平面視で、一部がIC50と重なっている。
【0016】
本実施形態では、パッド51それぞれは、発振器1において、平面視で、外部端子44の何れかと、重なるように配置される。具体的には、パッド51a、51bは、外部端子44aと重なり、パッド51c、51dは、外部端子44bと重なり、パッド51eは、外部端子44cと重なり、パッド51fは、外部端子44dと重なる。
また、本実施形態では、発振器1は、小型化されたパッケージ15が用いられるとする。これにより、第2面11bにおける外部端子44が占める割合が、小型化されていないパッケージ15を用いる場合よりも大きくなり、結果として、平面視で、IC50と外部端子44a~44dとが重なっている。
【0017】
外部端子44a、44bは、第1の辺61に沿って、第2の辺62よりも第1の辺61に近く設けられる。外部端子44aは、電源電圧が供給される端子である電源端子である。外部端子44bは、クロック信号のON/OFFを制御する信号が印加される制御端子である。外部端子44c、44dは、第2の辺62に沿って、第1の辺61よりも第2の辺62に近く設けられる。外部端子44cは、クロック信号を出力する端子である出力端子である。外部端子44dは、グランド電位が供給されるグランド端子である。
【0018】
基板11の上には、額縁状の第1枠体12、第2枠体13が積層される。第1枠体12の左部の内壁は、第2枠体13の左部の内壁より右側に突出しており、段差が形成される。ここで、額縁状とは、直方体状の空間を取り囲む枠状のことである。以下では、第1面11aにおける第1枠体12の内壁で囲まれた部分であってIC50が配置される面を、IC配置面11cとする。第1の辺61と第5の辺65との距離は、第2の辺62と第6の辺66との距離より大きいため、IC配置面11cは、平面視で、X軸上で右寄りに設けられる。
IC配置面11cには、接続配線42a~42fが配置される。接続配線42a~42fは、それぞれパッド51a~51fとの接続に用いられる板状の金属部材である。接続配線42a、42d、42e、42fは、それぞれ、IC配置面11cにおいて、平面視で長尺状の2つの部分を組み合わせた形状である。また、接続配線42b、42cは、それぞれ、IC配置面11cにおいて、平面視で矩形状である。図3に、IC配置面11cに配置された接続配線42とパッド51とを示す。
【0019】
本実施形態では、接続配線42aは、電源パッドであるパッド51aに電気的に接続された配線である電源配線である。接続配線42aは、平面視で、IC配置面11cの左上隅から右方向に延びる第1の部分421aと、平面視で第1の部分421aの右端から手前方向に延びる第2の部分422aと、を含む。第1の部分421aは、電源パッドであるパッド51aと電源端子である外部端子44aとの接続に用いられる部分である。また、第2の部分422aは、平面視で、出力パッドであるパッド51eと、第1振動子パッドであるパッド51bと、の間に延在するよう設けられる。
また、接続配線42dは、制御パッドであるパッド51dと電気的に接続された配線である制御配線である。接続配線42dは、平面視で、IC配置面11cの左下隅から、右方向に延びる第3の部分421dと、この部分の右端から奥方向に延びる第4の部分422dと、を含む。第3の部分421dは、制御パッドであるパッド51dと制御端子である外部端子44bとの接続に用いられる。また、第4の部分422dは、平面視で、グランドパッドであるパッド51fと第2振動子パッドであるパッド51cとの間に延在するよう設けられる。
【0020】
また、接続配線42b、42cは、それぞれ、第1振動子パッドであるパッド51b、第2振動子パッドであるパッド51cに接続され、平面視で、IC配置面11cの左端から右方向に延びる矩形状の部分を含む。また、接続配線42eは、出力パッドであるパッド51eに接続され、平面視でIC配置面11cの右上隅から左に延びる第5の部分421eと、平面視で第5の部分421eの左端から手前側に延びる第6の部分422eと、を含む。また、接続配線42fは、グランドパッドであるパッド51fに接続され、平面視でIC配置面11cの右下隅から左に延びる第7の部分421fと、平面視で第7の部分421fの左端から奥方向に延びる第8の部分422fと、を含む。
【0021】
IC50は、パッド51を備える表面がIC配置面11cと対向し、平面視で、パッド51a~51fがそれぞれ接続配線42a~42fと重なるように、IC配置面11cに配置される。パッド51a~51fと接続配線42a~42fとは、フリップチップボンディングにより、半田等の導電性材料からなる接合部材であるバンプ部材46a~46fを介して接合されている。パッド51のそれぞれは、平面視で、外部端子44の何れかと重なるように配置されるため、バンプ部材46のそれぞれは、平面視で、外部端子44の何れかと重なる位置で、パッケージ15に接合される。
【0022】
第1枠体12により形成される段差の部分、すなわち、第1枠体12の上面であって第2枠体13の内壁で囲まれた部分は、振動子20を支持する支持台として機能する部分である。以下では、この部分を、振動子支持面とする。振動子支持面における振動子20の配置位置には、振動子20との接続に用いられる複数の接続配線41a~41bが配置される。
振動子20は、半田等の導電性材料からなる接合部材であるバンプ部材45a、45bを介して、接続配線41a、41bと電気的に接続されるとともに、振動子支持面に固定される。接続配線41a、41bは、それぞれ、第1枠体12の内部を下方に向かって貫通するビアホール43a、不図示のビアホール43bを介して、接続配線42b、42cと電気的に接続さる。
このように、IC配置面11cを底とし、額縁状の第1枠体12、第2枠体13で囲われた空間に、振動子20、IC50が収容される。なお、第1枠体12、第2枠体13の材質は、基板11と同様である。
【0023】
好適例において、リッド16の材料は、コバール(Fe-Ni-Co合金)であり、シームリング14の材料は、銀ろうである。パッケージ15内に形成される収容空間は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気、又は、大気圧よりも圧力が低い減圧雰囲気にされ、リッド16により封止される。これにより、この収容空間に収容されるIC50や、振動子20等は、衝撃、埃、熱、湿気等から保護される。なお、金属製のリッド16は、グランド電位に接地されている。
【0024】
ここで、図4を用いて、想定される比較例の発振器2について説明する。図4は、発振器2におけるIC80のパッド81a~81fと外部端子72a~72dとの位置関係を説明する図である。図4に、発振器2における平面視でのパッド81a~81fと外部端子72a~72dとを示す。以下では、パッド81a~81fを、適宜、パッド81と総称する。また、外部端子72a~72dを、適宜、外部端子72と総称する。
図4に示すように、比較例の発振器2においては、パッド81a~81dは、パッド51a~51dと同様に、平面視で、何れの外部端子72とも重ならない。一方、パッド81e、81fは、平面視で、それぞれ外部端子72c、72dと重なる。
発振器2の実装面に外部端子72を配置する影響で、発振器2のIC配置面71において、パッケージの基板のZ軸方向の厚みは、裏面に外部端子72がある領域と無い領域とで異なる。このため、IC配置面71において、平面視で外部端子72と重なる領域と重ならない領域とで高低差が生じる。そのため、パッド81a~81fが配置されるIC配置面71上の位置それぞれで高低差が生じる。
【0025】
ICをパッケージに実装する際、以下のような作業が行われる。まず、ICのパッドそれぞれに同じ形状のバンプ部材を接合する。そして、ICのパッドが設けられた表面をパッケージの上部と対向させ、パッケージの実装面とICの表面とを平行にしたまま、ICをパッケージのIC配置面に近づける。ICのパッドに設けられたバンプと、IC配置面の接続配線と、が接触すると、パッドと接続配線との間に荷重および超音波を印加することで、このバンプ部材と接続配線とを接合する。
【0026】
発振器2のパッケージ75に対して、以上のような作業によりIC80を実装する場合、次のようなことが起こる。すなわち、バンプ部材73a~73fがパッド81a~81fに設けられたIC80を、パッケージ75のIC配置面71に近づけていく。以下では、バンプ部材73a~73fを、適宜、バンプ部材73と総称する。まず、パッド81e、81fにおけるバンプ部材73e、73fが、パッド81a~81dにおけるバンプ部材73a~73dよりも早く、IC配置面71の接続配線74e、74fに接触する。この場合の状況を図5に示す。そこから、IC80の表面とパッケージ75の実装面とが平行となる状態を保ったまま、さらに、IC80とパッケージ75とを近づける。パッド81a~81fにおけるバンプ部材73a~73fと接続配線74a~74fとが全て接触したら、そこからパッド81a~81fの部分に、荷重および超音波を印加し、IC80をパッケージ75に接合する。以下では、接続配線74a~74fを、適宜、接続配線74と総称する。
【0027】
このように、パッド81e、81fの部分において、一旦バンプ部材73とIC配置面71の接続配線74とが接触した後で、パッド81a~81dの部分でバンプ部材73とIC配置面71の接続配線74とが接触するまで、IC80は、IC配置面71に対して押し込まれることとなる。これにより、パッド81e~81fの部分に対して、パッド81a~81dの部分よりも多くの圧力がかかり、IC80とパッケージ75とのフリップチップボンディングによる接合の際にかかる圧力に不均衡が生じる。結果として、パッド81e~81fの周囲に過剰な力がかかり、IC50の性能が劣化するおそれがある。
【0028】
本実施形態の発振器1は、パッド51a~51fが平面視で、何れかの外部端子44と重なり、バンプ部材46a~46fも平面視で何れかの外部端子44と重なる。すなわち、パッケージ15のIC配置面11cの接続配線42それぞれにおけるパッド51a~51fの配置位置は、底部に外部端子44が存在する位置である。そのため、パッド51a~51fのうちの一部が平面視で外部端子44と重なる場合に比べて、IC配置面11cにおけるパッド51a~51fの配置位置の高さの不均衡が低減される。これにより、IC50とパッケージ15とのフリップチップボンディングによる接合の際に、パッド51a~51fそれぞれの周囲にかかる圧力は、より均一に近くなる。結果として、パッド51a~51fのうちの一部の周囲に過剰な圧力がかかり、IC50の性能が劣化するおそれを低減できる。
【0029】
また、本実施形態では、接続配線42aは、平面視で、パッド51bとパッド51eとの間に延在する第2の部分422aを含む。接続配線42aは、電源パッドであるパッド51aに接続され、直流電位が供給される。出力パッドであるパッド51eにつながる接続配線42eと、第1振動子パッドであるパッド51bにつながる接続配線42bと、にはそれぞれ交流信号が流れる。そのため、これらの交流信号同士が干渉してノイズ性能を悪化させる可能性がある。本実施形態では、接続配線42bと接続配線42eとの間に存在する、直流電位が供給される接続配線42aの第2の部分422aがシールドの役割を果たすことで、これらの交流信号同士の干渉を低減し、ノイズ性能の悪化を低減できる。
【0030】
また、本実施形態では、接続配線42dは、平面視で、パッド51cとパッド51fとの間に延在する第4の部分422dを含む。接続配線42dは、制御パッドであるパッド51dに接続され、クロック信号の出力制御信号である直流電位が供給される。これにより、接続配線42dの第4の部分422dは、接続配線42aの第2の部分422aと同様に、接続配線42cと接続配線42fとの間でシールドの役割を果たすことで、接続配線42cと接続配線42fとに流れる信号同士の干渉を低減し、ノイズ性能の悪化を低減できる。
【0031】
(1-2)発振器の製造方法:
発振器1の製造方法の例を説明する。
まず、IC50のパッド51それぞれに、Auボンディング細線を用いて超音波バンプボンディングにより、バンプ部材46を形成する。
次に、IC50をパッケージ15のIC配置面11cに接合する接合工程を説明する。IC50を、反転し、フリップチップボンディング装置の超音波ホーンの先端ノズルに受け渡す。そして、フリップチップボンディング装置により、IC50のパッド51が設けられた表面を、実装面を底部として水平には位置されたパッケージ15のIC配置面11cに平行に対向させる。この際、パッド51のそれぞれが平面視で外部端子44の何れかと重なるようにする。これにより、発振器1において、バンプ部材46のそれぞれが、平面視で、外部端子44の何れかと重なる位置となる。
【0032】
そして、フリップチップボンディング装置により、IC50を、下方向に移動させ、IC配置面11cに近づける。IC50のパッド51に設けられたバンプ部材46がIC配置面11cの接続配線42に接し、フリップチップボンディング装置がその負荷を検出すると、1バンプ部材当たりに既定の荷重を印加し、併せて、超音波を印加してバンプ部材46と接続配線42とを接合する。超音波の条件は、超音波のパワーと超音波を加える時間により設定される。また、この接合には適度の熱も要する。パッケージ15には予め例えば既定の熱(例えば、150℃~200℃)が加えられている。また、超音波加工中にもパッケージ15には同様な熱が加えられている。
【0033】
次に、振動子20を、パッケージ15の振動子支持面の接続配線41に、導電性接着剤により接続固定される。そして、導電性接着剤の硬化を含めてIC50及び振動子20が配置されたパッケージ15全体を、高温でアニール処理する。これは、導電性接着剤やパッケージ15等からのアウトガスを除去する効果もある。そして、金属製のリッド16を、パッケージ15のシームリング14に位置合わせして固定し、シーム溶接により気密に封止する。
このようにして発振器1が製造される。
【0034】
(2)第2の実施形態:
(2-1)発振器の構成:
本実施形態の発振器1aについて説明する。本実施形態の発振器1aは、外部端子44a~44dの形状が異なること以外は、第1の実施形態の発振器1と同様である。発振器1aについて、発振器1と異なる点について説明する。
図6は、発振器1aのリッド16と振動子20とを透視した平面視である。
本実施形態の外部端子44a~44dは、それぞれ平面視で、矩形状の領域と、この領域と第2面11bの隅部を接続する領域と、を含む形状である。外部端子44a~44dにおける平面視で矩形状の領域は、第1の実施形態の外部端子44a、44c、44dにおける平面視で矩形状の領域よりも左右方向および奥行き方向の幅が小さい。
【0035】
本実施形態では、パッド51それぞれは、外部端子44の何れかと、一部で重なる。具体的には、パッド51a、51bは、外部端子44aと、一部で重なり、パッド51c、51dは、外部端子44bと一部で重なり、パッド51eは、外部端子44cと一部で重なり、パッド51fは、外部端子44dと一部で重なる。そのため、バンプ部材46それぞれは、外部端子44の何れかと一部が重なっている位置に配置される。
【0036】
以上、本実施形態の構成により、発振器1aは、パッドそれぞれが平面視で外部端子44の何れかと一部で重なる。そのため、発振器2のようにICの複数のパッドのうちの一部が外部端子44と重なり、他のパッドが外部端子44と一部でも重なっていない場合に比べて、IC配置面11cにおけるパッド51a~51fの配置位置の高さの不均衡が低減される。これにより、IC50とパッケージ15とのフリップチップボンディングによる接合の際に、パッド51a~51fそれぞれの周囲にかかる圧力は、より均一に近くなる。結果として、パッド51a~51fのうちの一部の周囲に過剰な圧力がかかり、IC50の性能が劣化するおそれを低減できる。
【0037】
本実施形態では、パッド51それぞれは、外部端子44の何れかと一部で重なる。また、第1の実施形態では、パッド51それぞれは、外部端子44の何れかと重なる。ただし、パッド51のうちの一部が、外部端子44の何れかと重なり、残りのパッド51が、外部端子44の何れかと一部で重なるように、発振器1aを構成することとしてもよい。この場合、パッド51は、少なくとも一部が外部端子44と重なる。これにより、複数のパッド51のうちの一部が外部端子44と重なり、他のパッド51が外部端子44と一部でも重なっていない場合に比べて、IC配置面11cにおけるパッド51a~51fの配置位置の高さの不均衡を低減しIC50の性能が劣化するおそれを低減できる。
【0038】
(2-2)発振器の製造方法:
発振器1aの製造方法を説明する。
まず、IC50のパッド51それぞれに、第1の実施形態の発振器1の製造方法と同様の方法でバンプ部材46を形成する。
次に、IC50を、反転し、フリップチップボンディング装置の超音波ホーンの先端ノズルに受け渡す。そして、フリップチップボンディング装置により、IC50のパッド51が設けられた表面を、実装面を底部として水平には位置されたパッケージ15のIC配置面11cに平行に対向させる。この際、パッド51a~51fのそれぞれが平面視で外部端子44の何れかと一部で重なるようにする。これにより、発振器1aにおいて、バンプ部材46のそれぞれが、平面視で、外部端子44の何れかと一部で重なる位置となる。
【0039】
そして、フリップチップボンディング装置により、IC50を、下方向に移動させ、IC配置面11cに近づける。IC50のパッド51に設けられたバンプ部材46がIC配置面11cの接続配線42に接し、フリップチップボンディング装置がその負荷を検出すると、既定の荷重、超音波を印加してバンプ部材46と接続配線42とを接合する。
次に、第1の実施形態の発振器1の製造方法と同様の方法で、振動子20を接続配線41に接続固定し、リッド16をパッケージ15のシームリング14に位置合わせして固定し、シーム溶接により気密に封止する。
このようにして発振器1aが製造される。
【0040】
(3)第3の実施形態:
(3-1)発振器の構成:
本実施形態の発振器1bについて説明する。本実施形態の発振器1bは、平面視において外部端子44の形状が異なることと、IC50におけるパッド51e、51fの位置以外は、第1の実施形態の発振器1と同様である。発振器1bについて、発振器1と異なる点について説明する。
図7は、発振器1bのリッド16と振動子20とを透視した平面視である。
【0041】
本実施形態の外部端子44a~44dは、第1の実施形態の外部端子44a~44dと比べて、平面視の形状における奥行き方向の幅が小さい。
本実施形態のパッド51eは、第1の実施形態のパッド51eよりも奥側に配置され、本実施形態のパッド51fは、第1の実施形態のパッド51fよりも手前側に配置される。すなわち、本実施形態のパッド51e、51fは、第1の実施形態のパッド51e、51fと比較して、IC50における奥行き方向の中央から離れるように配置されている。
【0042】
図7に示すように、本実施形態ではパッド51aは、平面視で、外部端子44aと重なっている。また、パッド51dは、平面視で、外部端子44bと重なっている。また、パッド51eは、平面視で、外部端子44cと一部で重なっている。また、パッド51fは、平面視で、外部端子44dと重なっている。また、パッド51b、51cは、それぞれ、平面視で、外部端子44dの何れとも重なっていない。すなわち、本実施形態では、パッド51のうち、IC50の四隅それぞれに最も近いパッド51それぞれが、平面視で、外部端子44の何れかと少なくとも一部で重なっている。
【0043】
以上、本実施形態の構成により、パッド51a、51d、51e、51fは、それぞれ少なくとも一部が平面視で外部端子44の何れかと重なる。そのため、IC配置面11cにおけるパッド51a、51d、51e、51fの配置位置の高さの不均衡が低減される。フリップチップボンディングによるIC50のパッケージ15への接合の際、パッド51b、51cにおけるバンプ部材46b、46cがIC配置面11cの接続配線42に接触する前に、パッド51a、51d、51e、51fにおけるバンプ部材46a、46d、46e、46fがIC配置面11cの接続配線42に接触する。この場合、バンプ部材46a、46d、46e、46fが、印加される力を受け止めることとなる。バンプ部材46a、46d、46e、46fは、一直線上に配置されておらず、バンプ部材46a、46d、46e、46fそれぞれの位置を含む1つの平面として、印加される力を受け止める。これにより、印加される力を点、すなわち1つのバンプ部材46で受け止める場合、および、印加される力を線、すなわち一直線上に並んだバンプ部材46で受け止める場合に比べて、より安定して受け止めることができる。結果として、IC50の性能が劣化するおそれを低減できる。
【0044】
本実施形態では、IC50の四隅に最も近いパッド51a、51d、51e、51fそれぞれが、外部端子44と少なくとも一部で重なるとした。ただし、IC50の四隅に最も近いパッド51a、51d、51e、51fのうちの3つそれぞれが、外部端子44と少なくとも一部で重なることとしてもよい。IC50の四隅に最も近いパッド51a、51d、51e、51fのうちの3つは、一直線上にはいちされておらず、これら3つのパッド51により平面を形成できる。そのため、フリップチップボンディングによるIC50のパッケージ15への接合の際に、これら3つのパッド51における3つのバンプ部材46が、これら3つのバンプ部材46の3点で形成される平面として印加される力を受け止めることができる。結果として、パッド51a~51fのうちの一部の周囲に過剰な圧力がかかり、IC50の性能が劣化するおそれを低減できる。
【0045】
また、本実施形態の第1のパッド群(パッド51a~51d)よりも第2のパッド群(パッド51e~51f)に近い外部端子44である外部端子44c、44dの形状は、図7に示すような形状に限定されない。例えば、図8に示すような、第2のパッド群(パッド51e~51f)よりも第1のパッド群(パッド51a~51d)に近い外部端子44a、44bに比べて奥行き方向の幅が大きい形状であってもよい。これにより、図8に示すようにパッド51e、51fがIC50上で奥行き方向の中央よりに配置される場合でも、外部端子44c、44dを、パッド51e、51fと少なくとも一部で重なるようにすることができる。
【0046】
(3-2)発振器の製造方法:
発振器1bの製造方法を説明する。
まず、IC50のパッド51それぞれに、第1の実施形態の発振器1の製造方法と同様の方法でバンプ部材46を形成する。
次に、IC50を、反転し、フリップチップボンディング装置の超音波ホーンの先端ノズルに受け渡す。そして、フリップチップボンディング装置により、IC50のパッド51が設けられた表面を、実装面を底部として水平には位置されたパッケージ15のIC配置面11cに平行に対向させる。この際、パッド51a、51d、51e、51fがそれぞれ平面視で外部端子44a、44b、44c、44dと一部で重なるようにする。また、パッド51b、51cが何れの外部端子44とも重ならない様にする。これにより、発振器1bにおいて、バンプ部材46a、46d、46e、46fそれぞれが、平面視で、外部端子44の何れかと一部で重なる位置となる。また、バンプ部材46b、46cそれぞれが、平面視で、何れの外部端子44とも重ならない位置となる。
【0047】
そして、フリップチップボンディング装置により、IC50を、下方向に移動させ、IC配置面11cに近づける。IC50のパッド51に設けられたバンプ部材46がIC配置面11cの接続配線42に接し、フリップチップボンディング装置がその負荷を検出すると、既定の荷重、超音波を印加してバンプ部材46と接続配線42とを接合する。
次に、第1の実施形態の発振器1の製造方法と同様の方法で、振動子20を接続配線41に接続固定し、リッド16をパッケージ15のシームリング14に位置合わせして固定し、シーム溶接により気密に封止する。
このようにして発振器1bが製造される。
【0048】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例である。他にも、IC50におけるパッド51それぞれの位置、外部端子44の位置または形状の少なくとも1つを調整し、平面視でIC50の四隅に最も近いパッド51のうちの3つを少なくとも含む複数のパッド51それぞれが、外部端子44の何れかと少なくとも一部で重なるようにする種々の実施形態を採用可能である。
【0049】
上述の各実施形態では、パッド51a~51fは、それぞれ、電源パッド、第1振動子パッド、第2振動子パッド、制御パッド、グランドパッド、出力パッドとしての役割を果たすとした。ただし、パッド51a~51fは、それぞれ異なる役割を果たすとしてもよい。例えば、パッド51aが制御パッド、パッド51dが電源パッドであってもよい。また、接続配線42a~42f、外部端子44a~44fは、それぞれ、パッド51a~51fの役割に応じて役割が上述の各実施形態と異なってもよい。
また、上述の各実施形態では、振動子20として、水晶振動子が用いられるとした。ただし、振動子20として、セラミック振動子等の他の種類の振動子が用いられるとしてもよい。
また、上述の各実施形態では、外部端子44と重なるパッド51は、1つの外部端子44と少なくとも一部で重なるとした。ただし、外部端子44と重なるパッド51は、2つ以上の外部端子44と少なくとも一部で重なるように構成されてもよい。
【0050】
また、上述の実施形態3では、パッド51のうちのパッド51b、51cは、外部端子44と重ならないこととした。IC配置面11cにおける平面視で外部端子44と重なる部分は、周りよりも高くなる。また、IC配置面11cにおける平面視で外部端子44と重ならない部分についても、外部端子44の影響により、外部端子44に近いほど高くなり、外部端子44に遠いほど低くなる。そのため、外部端子44と重ならないパッド51について、平面視で、外部端子44からの距離が既定の距離以下となる範囲内に配置位置を設定することで、IC配置面11cにおけるパッド51a~51fの配置位置の高さの不均衡をより低減できる。ここでの距離は、外部端子44の外縁と、パッド51の外縁と、の最短距離である。そのため、パッド51の一部が外部端子44と重なっていると、この外部端子44とパッド51との距離は0となる。この既定の距離としては、例えば、パッド51の幅の2倍の距離、3倍の距離等がある。
【0051】
また、上述の各実施形態では、第1のパッド群に4つのパッド51(51a~51d)が含まれ、第2のパッド群に2つのパッド51(51e~51f)が含まれるとした。ただし、第1のパッド群、第2のパッド群に含まれるパッド51の数は、これに限定されない。例えば、第1のパッド群、第2のパッド群に、それぞれ3つのパッド51が含まれるとしてもよい。
【0052】
外部端子およびパッケージは、平面視で、パッケージにおける回路素子が配置される面の一部と外部端子とが重なっていればよい。
回路素子は、四隅のパッドのうちの少なくとも3つそれぞれが平面視で外部端子と一部でも重なるように配置可能な構成であればよい。
【符号の説明】
【0053】
1…発振器、1a…発振器、1b…発振器、2…発振器、10…容器、11…基板、11a…第1面、11b…第2面、11c…IC配置面、12…第1枠体、13…第2枠体、14…シームリング、15…パッケージ、16…リッド、20…振動子、41a~41b…接続配線、42a~42f…接続配線、421a…第1の部分、422a…第2の部分、421d…第3の部分、422d…第4の部分、421e…第5の部分、422e…第6の部分、421f…第7の部分、422f…第8の部分、43a~43b…ビアホール、44a~44d…外部端子、45a~45b…バンプ部材、46a~46f…バンプ部材、50…IC、51a~51f…パッド、61…第1の辺、62…第2の辺、63…第3の辺、64…第4の辺、65…第5の辺、66…第6の辺、67…第7の辺、68…第8の辺、71…IC配置面、72a~72d…外部端子、73a~73f…バンプ部材、74a~74f…接続配線、75…パッケージ、80…IC、81a~81f…パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8