(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】現像カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240910BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240910BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G21/18 121
G03G21/16 147
G03G15/08 390A
G03G15/08 229
(21)【出願番号】P 2020198877
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】波多野 周平
(72)【発明者】
【氏名】山口 渡
(72)【発明者】
【氏名】細川 康宏
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200493(JP,A)
【文献】特開2020-160224(JP,A)
【文献】特開2019-144480(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0136604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 21/16 -21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムを有するドラムカートリッジに装着された状態で、画像形成装置の装置本体に装着される現像カートリッジであって、
第1方向に延びる回転軸について回転可能な現像ローラと、
現像剤を収容可能なケーシングであって、第1外表面と、前記第1外表面から前記第1方向に離れた第2外表面とを有するケーシングと、
前記ケーシングの前記第1外表面に位置する第1離間部材であって、前記現像カートリッジが装着された前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記ドラムカートリッジが有するドラムカムに接触可能な第1離間部材と、
前記ケーシングの前記第2外表面に位置する第2離間部材であって、前記現像カートリッジが装着された前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体が有する本体カムに接触可能な第1端部を有する第2離間部材と、
を備え、
前記ドラムカムが前記第1離間部材を押圧するとともに、前記本体カムが前記第2離間部材の前記第1端部を押圧することによって、前記現像ローラが、前記感光体ドラムと接触する接触位置から、前記感光体ドラムから離れる離間位置へ移動することを特徴とする、現像カートリッジ
【請求項2】
請求項1に記載の現像カートリッジであって、
前記第2離間部材は、前記ケーシングに接触可能な第2端部を有し、
前記本体カムが前記第2離間部材の前記第1端部を押圧することにより、前記第2離間部材は、前記現像ローラに対して、前記第1方向に延びる第1軸について回動し、前記第2端部が前記ケーシングを、前記感光体ドラムから離れる方向に押圧することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第2離間部材は、前記第1軸に沿って突出する軸部を有し、
前記軸部は、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態で、前記ドラムカートリッジに接触可能であり、
前記本体カムが前記第2離間部材の前記第1端部を押圧することにより、前記第2離間部材は、前記軸部について回動することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載の現像カートリッジであって、
前記軸部は、前記ドラムカートリッジに対して、前記感光体ドラムへ向かう方向に接触し、
前記現像カートリッジが装着された前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記第2離間部材の前記第1端部は、前記本体カムから、前記感光体ドラムへ向かう方向に押圧されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像カートリッジであって、
前記ドラムカムは、前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体に接触可能であり、
前記ドラムカムは、前記装置本体から駆動力を受けることによって、前記第1離間部材を、前記感光体ドラムから離れる方向に押圧することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載の現像カートリッジであって、
前記ドラムカムは、前記装置本体から前記駆動力を受けることにより、前記感光体ドラムに対して、前記第1方向に延びる第2軸について回動し、前記第1離間部材を、前記感光体ドラムから離れる方向に押圧することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の現像カートリッジであって、
前記第1離間部材は、前記現像ローラと接触することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像ローラは、前記第1方向に延びる現像ローラシャフトを有し、
前記第1離間部材は、前記現像ローラシャフトについて回転可能であることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載の現像カートリッジであって、
前記現像ローラシャフトは導電性であり、
前記第1離間部材は、導電性樹脂から作られていることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の現像カートリッジであって、
電気的接触面を有する記憶媒体、
をさらに備え、
前記電気的接触面は、前記ケーシングの前記第1外表面に位置することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載の現像カートリッジであって、
前記電気的接触面は、前記ケーシングに対して移動可能であることを特徴とする、現像カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置には、現像カートリッジが用いられる。現像カートリッジは、現像剤を供給するための現像ローラを有する。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の現像カートリッジは、ドラムカートリッジに対して装着される。ドラムカートリッジは、感光体ドラムを有する。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着されると、感光体ドラムと現像ローラとが接触する。そして、現像カートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像カートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置に装着された後、画像形成装置は、離間動作を行う。離間動作は、現像ローラを感光体ドラムから引き離す動作である。離間動作を行う場合、現像カートリッジは、現像ローラの両端部付近においてそれぞれ、感光体ドラムから離れる方向の押圧力を受ける。
【0006】
しかしながら、現像ローラの一端側において押圧力を受ける機構と、現像ローラの他端側において押圧力を受ける機構とを、同じ構造とすると、現像カートリッジの両端部のスペースを有効に利用できない場合がある。
【0007】
本開示の目的は、現像カートリッジにおいて、離間動作を行うための押圧力を受ける機構を、現像ローラの一端側と他端側とで異なるものとし、現像カートリッジの両側のスペースを有効に利用できる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の第1開示は、感光体ドラムを有するドラムカートリッジに装着された状態で、画像形成装置の装置本体に装着される現像カートリッジであって、第1方向に延びる回転軸について回転可能な現像ローラと、現像剤を収容可能なケーシングであって、第1外表面と、前記第1外表面から前記第1方向に離れた第2外表面とを有するケーシングと、前記ケーシングの前記第1外表面に位置する第1離間部材であって、前記現像カートリッジが装着された前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記ドラムカートリッジが有するドラムカムに接触可能な第1離間部材と、前記ケーシングの前記第2外表面に位置する第2離間部材であって、前記現像カートリッジが装着された前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体が有する本体カムに接触可能な第1端部を有する第2離間部材と、を備え、前記ドラムカムが前記第1離間部材を押圧するとともに、前記本体カムが前記第2離間部材の前記第1端部を押圧することによって、前記現像ローラが、前記感光体ドラムと接触する接触位置から、前記感光体ドラムから離れる離間位置へ移動することを特徴とする。
【0009】
本願の第2開示は、第1開示の現像カートリッジであって、前記第2離間部材は、前記ケーシングに接触可能な第2端部を有し、前記本体カムが前記第2離間部材の前記第1端部を押圧することにより、前記第2離間部材は、前記現像ローラに対して、前記第1方向に延びる第1軸について回動し、前記第2端部が前記ケーシングを、前記感光体ドラムから離れる方向に押圧することを特徴とする。
【0010】
本願の第3開示は、第2開示の現像カートリッジであって、前記第2離間部材は、前記第1軸に沿って突出する軸部を有し、前記軸部は、前記現像カートリッジが前記ドラムカートリッジに装着された状態で、前記ドラムカートリッジに接触可能であり、前記本体カムが前記第2離間部材の前記第1端部を押圧することにより、前記第2離間部材は、前記軸部について回動することを特徴とする。
【0011】
本願の第4開示は、第3開示の現像カートリッジであって、前記軸部は、前記ドラムカートリッジに対して、前記感光体ドラムへ向かう方向に接触し、前記現像カートリッジが装着された前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記第2離間部材の前記第1端部は、前記本体カムから、前記感光体ドラムへ向かう方向に押圧されることを特徴とする。
【0012】
本願の第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記ドラムカムは、前記ドラムカートリッジが前記装置本体に装着された状態で、前記装置本体に接触可能であり、前記ドラムカムは、前記装置本体から駆動力を受けることによって、前記第1離間部材を、前記感光体ドラムから離れる方向に押圧することを特徴とする。
【0013】
本願の第6開示は、第5開示の現像カートリッジであって、前記ドラムカムは、前記装置本体から前記駆動力を受けることにより、前記感光体ドラムに対して、前記第1方向に延びる第2軸について回動し、前記第1離間部材を、前記感光体ドラムから離れる方向に押圧することを特徴とする。
【0014】
本願の第7開示は、第1開示から第6開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記第1離間部材は、前記現像ローラと接触することを特徴とする。
【0015】
本願の第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラは、前記第1方向に延びる現像ローラシャフトを有し、前記第1離間部材は、前記現像ローラシャフトについて回転可能であることを特徴とする。
【0016】
本願の第9開示は、第8開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラシャフトは導電性であり、前記第1離間部材は、導電性樹脂から作られていることを特徴とする。
【0017】
本願の第10開示は、第1開示から第9開示のいずれか1開示の現像カートリッジであって、電気的接触面を有する記憶媒体、をさらに備え、前記電気的接触面は、前記ケーシングの前記第1外表面に位置することを特徴とする。
【0018】
本願の第11開示は、第10開示の現像カートリッジであって、前記電気的接触面は、前記ケーシングに対して移動可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本願の第1開示~第11開示によれば、ケーシングの第1外表面では、第1離間部材がドラムカムから押圧される。また、ケーシングの第2外表面では、第2離間部材が本体カムから押圧される。これにより、現像ローラを、接触位置から離間位置へ移動させる。このように、ケーシングの第1外表面と第2外表面とで、押圧力を受ける機構を異なるものとすることにより、第1方向におけるケーシングの両側のスペースを有効に利用できる。
【0020】
また、本願の第2開示によれば、第2離間部材が回動することにより、第2端部がケーシングを押圧する。これにより、現像ローラを接触位置から離間位置へ移動させることができる。
【0021】
また、本願の第4開示によれば、離間動作時に、第2離間部材の第1端部が、本体カムから、感光体ドラムへ向かう方向に押圧される。これにより、第2離間部材の軸部が、ドラムカートリッジを、感光体ドラムへ向かう方向に押圧する。したがって、ドラムカートリッジが、現像カートリッジとともに離間方向へ移動することを抑制できる。
【0022】
また、本願の第5開示によれば、ドラムカムが装置本体から駆動力を受けて動くことにより、第1離間部材を押圧することができる。
【0023】
また、本願の第6開示によれば、ドラムカムが回動することによって、装置本体の駆動力を第1離間部材へ伝えることができる。
【0024】
また、本願の第9開示によれば、第1離間部材を介して現像ローラシャフトに、電圧を供給できる。
【0025】
また、本願の第11開示によれば、ケーシングに対して移動可能な電気的接触面を第1外表面に配置し、ケーシングに対して移動可能な第2離間部品を第2外表面に配置する。これにより、ケーシングの両側のスペースを、有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
【
図2】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着された状態を示す斜視図である。
【
図3】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着された状態を示す斜視図である。
【
図4】現像カートリッジおよびドラムカートリッジを、第1方向に対して直交する面で切断した断面図である。
【
図5】現像カートリッジを、第1外表面側から視た図である。
【
図6】現像カートリッジを、第1外表面側から視た図である。
【
図7】現像カートリッジを、第2外表面側から視た図である。
【
図8】現像カートリッジを、第2外表面側から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
なお、以下では、現像カートリッジ1の現像ローラ30が延びる方向を「第1方向」と称する。また、現像カートリッジ1のアジテータ20と現像ローラ30とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0029】
<1.現像カートリッジおよびドラムカートリッジの概要>
図1は、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の斜視図である。
図2および
図3は、現像カートリッジ1が、ドラムカートリッジ2に装着された状態を示す斜視図である。現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2は、電子写真方式の画像形成装置に使用される。画像形成装置は、例えば、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
【0030】
図1~
図3に示すように、現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2と共に使用される。現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に対して装着可能である。現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に装着された状態で、画像形成装置の装置本体に装着される。画像形成装置の装置本体には、例えば4つの現像カートリッジ1が装着可能である。4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤(例えば、トナー)を収容する。画像形成装置は、現像カートリッジ1から供給される現像剤により、印刷用紙に画像を形成する。ただし、画像形成装置の装置本体に装着可能な現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0031】
<2.現像カートリッジについて>
図4は、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2を、第1方向に対して直交する面で切断した断面図である。
図5および
図6は、現像カートリッジ1を、後述する第1外表面11側から視た図である。
図7および
図8は、現像カートリッジ1を、後述する第2外表面12側から視た図である。
【0032】
図1~
図8に示すように、現像カートリッジ1は、ケーシング10、アジテータ20、現像ローラ30、供給ローラ40、ギア部50、第1離間部材60、第2離間部材70、およびメモリアセンブリ80を備える。
【0033】
ケーシング10は、現像剤を収容可能な筐体である。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12とを有する。第1外表面11は、ケーシング10の第1方向の一端に位置する。第2外表面12は、ケーシング10の第1方向の他端に位置する。第1外表面11と第2外表面12とは、第1方向において互いに離れている。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12との間で第1方向に延びるとともに、第2方向にも延びる。
【0034】
ケーシング10の内部には、収容室13が設けられている。現像剤は、収容室13内に収容される。また、ケーシング10は、開口14を有する。開口14は、第2方向におけるケーシング10の一端に位置する。ケーシング10の外部空間と、収容室13とは、開口14を介して連通する。なお、ケーシング10は、第2方向の他端の外表面に、ハンドルを有していてもよい。
【0035】
アジテータ20は、アジテータシャフト21と羽根22とを有する。アジテータシャフト21は、第1方向に沿って延びる。羽根22は、アジテータシャフト21からケーシング10の内表面へ向けて広がる。すなわち、羽根22は、アジテータシャフト21から径方向外側へ向けて広がる。アジテータシャフト21の一部と、羽根22とは、ケーシング10の収容室13内に配置される。アジテータシャフト21の第1方向の端部には、ギア部50に含まれるアジテータギアが取り付けられる。アジテータシャフト21は、アジテータギアに対して固定される。アジテータギアが回転すると、アジテータシャフト21および羽根22は、第1方向に延びる回転軸について回転する。そして、羽根22の回転により、収容室13内の現像剤が撹拌される。
【0036】
現像ローラ30は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。現像ローラ30は、ケーシング10の開口14に位置する。すなわち、現像ローラ30は、ケーシング10の第2方向の一端に位置する。現像ローラ30は、現像ローラ本体31と現像ローラシャフト32とを有する。現像ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラシャフト32は、導電性である。現像ローラシャフト32の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0037】
現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32に対して固定される。また、現像ローラシャフト32の第1方向の端部には、ギア部50に含まれる現像ローラギアが取り付けられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラギアに対して固定される。したがって、現像ローラギアが回転すると、現像ローラシャフト32も回転し、現像ローラシャフト32と共に現像ローラ本体31も回転する。
【0038】
なお、現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、現像ローラシャフト32が、現像ローラ本体31の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0039】
供給ローラ40は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。供給ローラ40は、アジテータ20と現像ローラ30との間に位置する。供給ローラ40は、供給ローラ本体41と供給ローラシャフト42とを有する。供給ローラ本体41は、第1方向に延びる円筒状の部材である。供給ローラ本体41の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。供給ローラシャフト42は、供給ローラ本体41を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。
【0040】
供給ローラ本体41は、供給ローラシャフト42に対して固定される。また、供給ローラシャフト42の第1方向の端部には、ギア部50に含まれる供給ローラギアが取り付けられる。供給ローラシャフト42は、供給ローラギアに対して固定される。したがって、供給ローラギアが回転すると、供給ローラシャフト42も回転し、供給ローラシャフト42と共に供給ローラ本体41も回転する。
【0041】
なお、供給ローラシャフト42は、供給ローラ本体41を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、供給ローラシャフト42が、供給ローラ本体41の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0042】
現像カートリッジ1が駆動力を受けると、ケーシング10内の収容室13から、供給ローラ40を介して、現像ローラ30の外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラ40と現像ローラ30との間において、現像剤は摩擦により帯電される。一方、現像ローラ30の現像ローラシャフト32には、バイアス電圧がかけられている。このため、現像ローラシャフト32と現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ本体31の外周面に、現像剤が引き付けられる。
【0043】
また、現像カートリッジ1は、層厚規制ブレード33を有する。層厚規制ブレード33は、現像ローラ本体31の外周面に供給された現像剤を、一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ本体31の外周面の現像剤は、ドラムカートリッジ2の後述する感光体ドラム92へ供給される。このとき、現像剤は、感光体ドラム92の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ本体31から感光体ドラム92へ移動する。これにより、感光体ドラム92の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0044】
ギア部50は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。ギア部50は、ギアカバー51と、カップリング52と、複数のギアとを有する。ギアカバー51は、ケーシング10と共に、現像カートリッジ1の筐体を構成する。ギアカバー51は、ケーシング10の第1外表面11に、例えばねじ止めで固定される。複数のギアは、上述したアジテータギア、現像ローラギア、および供給ローラギアを含む。複数のギアの少なくとも一部は、第1外表面11とギアカバー51との間に位置する。
【0045】
カップリング52は、第1方向に凹む係合部521を有する。係合部521は、ギアカバー51から露出する。ドラムカートリッジ2に装着された現像カートリッジ1が画像形成装置に装着されると、画像形成装置の駆動シャフトが、カップリング52の係合部521に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング52を介して、アジテータギア、現像ローラギア、および供給ローラギアに伝達される。
【0046】
なお、ギア部50に含まれる複数のギアは、歯の噛み合いによって回転力を伝達するものであってもよく、摩擦によって回転力を伝達するものであってもよい。
【0047】
第1離間部材60は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。より具体的には、第1離間部材60は、ギアカバー51の外表面に位置する。
図5および
図6に示すように、第1離間部材60は、一端部61と他端部62とを有する。他端部62は、一端部61よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、他端部62は、一端部61よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1離間部材60は、一端部61と他端部62との間で、ケーシング10の第1外表面11に沿って延びる。
【0048】
第1離間部材60は、第1アーム63と第2アーム64とを有する。第2アーム64は、第1アーム63よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第2アーム64は、第1アーム63よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1アーム63は、上述した一端部61を有する。第2アーム64は、上述した他端部62を有する。第1アーム63は、ケーシング10の第1外表面11に沿って、例えば直線状に延びる。第2アーム64は、ケーシング10の第1外表面11に沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第1アーム63は、第2アーム64に対して曲がっている。第1アーム63と第2アーム64とがなす角度は、鈍角である。
【0049】
本実施形態では、第1アーム63と第2アーム64とが、一体成形されている。しかしながら、第1アーム63と第2アーム64とは、別部品であってもよい。その場合、第1アーム63と第2アーム64とが、互いに固定されていればよい。
【0050】
第1離間部材60は、第1軸孔65を有する。第1軸孔65は、第1離間部材60の一端部61において、第1方向に延びる。第1軸孔65は、一端部61を第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、一端部61を貫通していなくてもよい。第1軸孔65は、円筒状の内周面を有する。現像ローラシャフト32の第1方向の一端は、第1軸孔65に挿入される。これにより、現像ローラシャフト32の第1方向の一端が、第1方向に延びる回転軸について、回転可能に支持される。また、第1離間部材60も、ケーシング10に対して、現像ローラシャフト32について回動可能である。具体的には、一端部61に対して他端部62が、現像ローラシャフト32について回動可能である。
【0051】
第1離間部材60は、導電性の電極である。第1離間部材60は、例えば、導電性樹脂から作られる。ただし、第1離間部材60は、金属から作られていてもよい。第1離間部材60の一端部61は、現像ローラシャフト32の第1方向の一端と接触する。したがって、第1離間部材60の一端部61は、現像ローラシャフト32と電気的に接続される。現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ3が、装置本体に装着された場合、装置本体は、第1離間部材60を介して現像ローラシャフト32に、バイアス電圧を供給する。なお、第1離間部材60は、非導電性樹脂から作られてもよい。
【0052】
図5および
図6に示すように、第1離間部材60は、ストッパ孔66を有する。ストッパ孔66は、第1離間部材60を第1方向に貫通する貫通孔、または、第1方向に凹む凹部である。ストッパ孔66は、第1ストッパ面661と第2ストッパ面662とを含む。第1ストッパ面661と第2ストッパ面662とは、現像ローラシャフト32を中心とする他端部62の回動方向に離れている。一方、ギアカバー51は、ストッパ突起511を有する。ストッパ突起511は、ギアカバー51の外表面から、第1離間部材60へ向けて、第1方向に突出する。ストッパ突起511は、ストッパ孔66に挿入される。
【0053】
第1離間部材60は、第1回動位置と第2回動位置との間で、現像ローラシャフト32について回動可能である。第1離間部材60が第1回動位置のときには、ストッパ突起511が、第1ストッパ面661に接触する。一方、第1離間部材60が第2回動位置のときには、ストッパ突起511が、第2ストッパ面662に接触する。これにより、第1離間部材60の回動範囲が制限される。
【0054】
また、第1離間部材60は、突起67を有する。突起67は、第1離間部材60の一端61から、第1方向に突出する。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、第1離間部材60の突起67は、ドラムカートリッジ2の後述するドラムカム93に接触可能である。これにより、突起67は、ドラムカム93から押圧力を受けることができる。
【0055】
第2離間部材70は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。
図9および
図10は、第2離間部材70の斜視図である。
図7~
図10に示すように、第2離間部材70は、第1端部71と、第2端部72と、軸部73とを有する。第2端部72は、第2方向における第2離間部材70の一端に位置する。第1端部71は、第2方向における第2離間部材70の他端に位置する。第2方向において、第1端部71は、第2端部72よりも、現像ローラ30から離れて位置する。軸部73は、第2方向において、第1端部71と第2端部72との間に位置する。軸部73は、第2離間部材70から、第1方向に延びる第1軸A1に沿って突出する。
【0056】
第2離間部材70の第1端部71は、第1凸部74を有する。第1凸部74は、第2離間部材70の第1端部71において、ケーシング10の第2外表面12から離れる向きに、第1方向に突出する。また、第1凸部74は、凹面75を有する。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、凹面75は、ドラムカートリッジ2の後述する感光体ドラム92へ向けて凹む。また、第2離間部材70の第2端部72は、第2凸部76を有する。第2凸部76は、第2離間部材70の第2端部72から、ケーシング10の第2外表面12へ向けて、第1方向に突出する。
【0057】
第2離間部材70は、ケーシング10に対して移動可能である。現像カートリッジ1がドラムカートリッジに装着された状態において、軸部73は、ドラムカートリッジ3の後述するドラムフレーム91に接触可能である。そして、第2離間部材70は、軸部73について、第1位置と第2位置との間で回動可能である。
【0058】
ケーシング10の第2外表面12は、押圧受け面121を有する。押圧受け面121は、第2離間部材70の第2端部72と、第2方向に向かい合う。具体的には、押圧受け面121は、第2離間部材70の第2凸部76と、第2方向に向かい合う。第2離間部材70は、軸部73について回動することにより、第2端部72が、押圧受け面121に接触可能である。
【0059】
現像カートリッジ1は、ホルダ16を有する。ホルダ16は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。より詳細には、ホルダ16は、ケーシング10の第2外表面12に、例えば、ねじ止めで固定される。第2離間部材70の一部分は、ケーシング10の第2外表面12と、ホルダ16との間に位置する。また、ホルダ16は、第2方向において、第2離間部材70の第1凸部74と第2凸部75との間に位置する。第1凸部74とホルダ16とは、第2方向に向かい合い、互いに接触することができる。これにより、ホルダ16から第2離間部材70が、第2方向に抜けることが防止される。すなわち、ホルダ16は、第2離間部材70を、ケーシング10に対して移動可能に保持する。
【0060】
メモリアセンブリ80は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。
図11は、メモリアセンブリ80の分解斜視図である。
図11に示すように、メモリアセンブリ80は、記憶媒体であるメモリ81と、メモリ81を保持するメモリホルダ82とを有する。メモリ81は、メモリホルダ82の外表面に位置する。
【0061】
メモリ81は、現像カートリッジ1に関する種々の情報を記憶可能である。具体的には、メモリ81は、現像ローラ30を使用した累積印刷枚数、現像ローラ30の累積回転数、および現像剤の累積消費量、の少なくともいずれか1つを記憶する。これらの情報は、現像カートリッジ3の寿命を示す情報である。また、メモリ81は、現像カートリッジ3の製造番号、適合機種などの情報を記憶してもよい。メモリ81は、電気的接触面811を有する。電気的接触面811は、導体である金属からなる。
【0062】
図5および
図6に示すように、現像カートリッジ1は、ホルダカバー17を有する。ホルダカバー17は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。より具体的には、ホルダカバー17は、ギアカバー51の外表面に、例えばねじ止めで固定される。メモリホルダ82は、ギアカバー51とホルダカバー17との間に位置する。
【0063】
メモリホルダ82は、第1ボス821a、第2ボス821b、および第3ボス821cを有する。第1ボス821aは、メモリホルダ82のホルダカバー17と向かい合う面から、ホルダカバー17へ向けて、第1方向に延びる。一方、ホルダカバー17は、第1孔171を有する。第1孔171は、ホルダカバー17を第1方向に貫通する貫通孔である。第1ボス821aは、第1孔171に挿入される。
【0064】
第2ボス821bおよび第3ボス821cは、それぞれ、メモリホルダ82のギアカバー51と向かい合う面から、ギアカバー51へ向けて、第1方向に延びる。一方、ギアカバー51は、第2孔(図示省略)および第3孔(図示省略)を有する。第2孔および第3孔は、ギアカバー51を第1方向に貫通する貫通孔、または、第1方向に凹む凹部である。第2ボス821bは第2孔に挿入される。第3ボス821cは第3孔に挿入される。
【0065】
なお、第1ボス821a、第2ボス821b、および第3ボス821cのそれぞれの形状は、円柱であってもよいし、角柱等の他の形状であってもよい。
【0066】
第1孔171の第2方向の大きさ(内寸)は、第1ボス821aの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。第2孔の第2方向の大きさ(内寸)は、第2ボス821bの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。また、第3孔の第2方向の大きさ(内寸)は、第3ボス821cの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。このため、メモリホルダ82は、第1ボス821a、第2ボス821b、および第3ボス821cと共に、ケーシング10、ギアカバー51、およびホルダカバー17に対して、第2方向に移動可能である。メモリホルダ82がケーシング10に対して第2方向に移動すると、メモリホルダ82と共に、電気的接触面811を有するICチップ81も、ケーシング10に対して第2方向に移動する。
【0067】
図11に示すように、メモリホルダ82は、第1外面830と第2外面840とを有する。第1外面830は、電気的接触面811に交差する第3方向におけるメモリホルダ82の一端に位置する。第2外面840は、第3方向におけるメモリホルダ82の他端に位置する。第2外面840は、第1外面830に対して、第3方向に移動可能である。
【0068】
より詳述すると、本実施形態のメモリホルダ82は、第1ホルダ部材83と、第2ホルダ部材84と、それらの間に位置するコイルばね85とを有する。第1ホルダ部材83は、例えば樹脂製である。第2ホルダ部材84は、例えば樹脂製である。第1ホルダ部材83は、第1外面830を有する。メモリ81は、第1外面830に固定される。第2ホルダ部材84は、第2外面840を有する。組み立て後のメモリホルダ82において、第1外面830と第2外面840とは、第3方向に離れている。
【0069】
コイルばね85は、第3方向に延びる弾性部材である。コイルばね85は、第3方向において、第1外面830と第2外面840との間に配置される。コイルばね85は、少なくとも、第1状態と、第1状態よりも縮んだ第2状態との間で、第3方向に伸縮する。第1状態におけるコイルばね85の第3方向の長さは、第2状態におけるコイルばね85の第3方向の長さよりも長い。したがって、第1状態における第1外面830と第2外面840との間の第3方向の距離は、第2状態における第1外面830と第2外面840との間の第3方向の距離よりも長い。また、少なくとも第2状態におけるコイルばね85の第3方向の長さは、コイルばね85の自然長よりも短い。
【0070】
また、
図11に示すように、第1ホルダ部材83は、第1爪部831および第2爪部832を有する。第1爪部831および第2爪部832は、それぞれ、第1ホルダ部材83から第3方向に対して交差する方向に突出する。一方、第2ホルダ部材84は、その内面に、第1爪受け部(図示省略)および第2爪受け部(図示省略)を有する。爪受け部は、開口、凹部、または段差である。第1爪部831は第1爪受け部に接触可能である。第2爪部832は第2爪受け部に接触可能である。コイルばね85が第1状態の場合、第1爪部831は第1爪受け部に接触する。また、コイルばね85が第1状態の場合、第2爪部832が第2爪受け部に接触する。これにより、コイルばね85の第3方向の長さが、第1状態よりも長くなることが防止される。また、第1ホルダ部材83が、第2ホルダ部材84から取り外されるのが防止される。一方、コイルばね85が第2状態の場合、第1爪部831が第1爪受け部から離れ、第2爪部832が第2爪受け部から離れる。
【0071】
なお、第2ホルダ部材84が爪部を有し、第1ホルダ部材83が爪受け部を有していてもよい。
【0072】
<3.ドラムカートリッジについて>
図1~
図4に示すように、ドラムカートリッジ2は、ドラムフレーム91と、感光体ドラム92とを備える。現像カートリッジ1は、ドラムフレーム91に装着される。感光体ドラム92は、第1方向に延びる回転軸について回転可能な円筒状の部品である。感光体ドラム92の外周面は、感光材料に覆われている。感光体ドラム92は、第2方向におけるドラムフレーム91の一端に位置する。ドラムフレーム91に現像カートリッジ1が装着されると、現像ローラ30の外周面が、感光体ドラム92の外周面に接触する。このとき、現像ローラ30は、ドラムカートリッジ2に設けられた弾性部材(図示省略)によって、感光体ドラム92へ向けて、第2方向に押圧される。
【0073】
また、
図5および
図6に示すように、ドラムカートリッジ2は、ドラムカム93を有する。ドラムカム93は、第1方向におけるドラムフレーム91の一端に位置する。ドラムカム93は、第1方向に延びる第2軸A2について回動可能である。
【0074】
ドラムカム93は、第1突起931と第2突起932とを有する。第1突起931は、ドラムカム93の第2軸A2から径方向外側へ向けて延びる。第2突起931は、ドラムカム93の第2軸A2から径方向外側へ向けて、かつ、第1突起931とは異なる方向に延びる。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、ドラムカム93の第1突起931は、第1離間部材70の突起67と、第2方向に向かい合う。
【0075】
図7および
図8には、ドラムフレーム91の一部分が、二点鎖線で示されている。
図7および
図8に示すように、ドラムフレーム91は、凹部911を有する。凹部911は、第1方向におけるドラムフレーム91の他端に位置する。凹部911は、感光体ドラム92へ向けて、第2方向に凹む。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、第2離間部材70の軸部73は、凹部911に嵌まる。そして、軸部73が、凹部911に対して、感光体ドラム92へ向かう方向に接触する。
【0076】
<4.離間動作について>
現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に装着された状態で画像形成装置に装着された後、画像形成装置から供給される駆動力により、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム92から現像ローラ30を、一時的に離間させる動作である。例えば、画像形成装置においてモノクロ印刷を行うときに、ブラック以外の各色の現像カートリッジ1が、離間動作を行う。ただし、ブラックの現像カートリッジ1が、離間動作を行う場合があってもよい。
【0077】
図5は、ケーシング10の第1外表面11において、離間動作が実行されていないときの様子を示している。
図6は、ケーシング10の第1外表面11において、離間動作が実行されたときの様子を示している。
図5および
図6に示すように、画像形成装置の装置本体は、本体レバー102を有する。本体レバー102は、装置本体に対して、第3位置(
図5の位置)と第4位置(
図6の位置)との間で、移動可能である。現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、装置本体に装着された状態において、本体レバー102が第3位置に位置する場合、本体レバー102は、ドラムカム93と接触しない。一方、現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、装置本体に装着された状態において、本体レバー102が第4位置に位置する場合、本体レバー102は、ドラムカム93の第2突起932に接触する。そして、本体レバー102は、ドラムカム93の第2突起932を、感光体ドラム92へ向けて、第2方向に押圧する。すなわち、ドラムカム93は、本体レバー102から駆動力を受ける。
【0078】
これにより、ドラムカム93は、感光体ドラム92に対して、第1方向に延びる第2軸A2について回動する。そうすると、ドラムカム93の第1突起931が、第1離間部材60の突起67と接触する。そして、ドラムカム93の第1突起931が、第1離間部材60を、第2方向に、かつ、感光体ドラム92から離れる方向に、押圧する。
【0079】
図7は、ケーシング10の第2外表面12において、離間動作が実行されていないときの様子を示している。
図8は、ケーシング10の第2外表面12において、離間動作が実行されたときの様子を示している。
図7および
図8に示すように、画像形成装置の装置本体は、本体カム101を有する。本体カム101は、装置本体に対して、第5位置(
図7の位置)と第6位置(
図8の位置)との間で、第2方向に移動可能である。現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、装置本体に装着された状態において、本体カム101が第1位置に位置する場合、本体カム101は、第2離間部材70と接触しない。一方、現像カートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、装置本体に装着された状態において、本体カム101が第2位置に位置する場合、本体カム101は、第2離間部材70の第1端部71に接触する。より具体的には、本体カム101が、第2離間部材70の凹面75に接触する。そして、本体カム101は、第2離間部材70を、感光体ドラム92へ向けて、第2方向に押圧する。
【0080】
これにより、第2離間部材70は、軸部73について回動する。すなわち、第2離間部材70は、現像ローラ30に対して、第1軸A1について回動する。そうすると、第2離間部材70の第2端部72が、ケーシング10の押圧受け面121に接触する。そして、第2離間部材70の第2端部72が、ケーシング10の押圧受け面121を、第2方向に、かつ、感光体ドラム92から離れる方向に、押圧する。
【0081】
このように、ケーシング10の第1外表面11では、ドラムカム93が第1離間部材60を、感光体ドラム92から離れる方向に押圧する。また、ケーシング10の第2外表面12では、本体カム101が第2離間部材70を押圧し、第2離間部材70が、ケーシング10を、感光体ドラム92から離れる方向に押圧する。これにより、ケーシング10および現像ローラ20を、感光体ドラム92と接触する接触位置から、感光体ドラム93から離れる離間位置へ移動させることができる。
【0082】
上記の通り、ケーシング10の第1外表面11と第2外表面12とは、異なる機構により、感光体ドラム92から離れる方向へ押圧される。このように、ケーシング10の第1外表面11と第2外表面12とで、離間のための機構を異なるものとすれば、第1外表面11および第2外表面12のスペースを、有効に利用できる。
【0083】
また、本実施形態の構造では、離間動作時に、第2離間部材70の第1端部71が、本体カム101から、感光体ドラム92へ向かう方向に押圧される。これにより、第2離間部材70の軸部73が、ドラムカートリッジ2を、感光体ドラム92へ向かう方向に押圧する。したがって、ドラムカートリッジが2、現像カートリッジ1とともに離間方向へ移動することを抑制できる。
【0084】
また、本実施形態の構造では、ケーシング10に対して移動可能なメモリアセンブリ80と、第1離間部材70とが、ケーシング10の第1外表面11に配置されている。そして、ケーシング10に対して移動可能な第2離間部材80が、ケーシング10の第2外表面12に配置されている。このように、ケーシング10に対して移動可能な部品を、ケーシング10の第1外表面11と第2外表面12とに分けて配置することで、第1方向におけるケーシング10の両側のスペースを、有効に利用できる。
【0085】
<5.変形例>
上記の実施形態では、現像カートリッジ1は、1つの感光体ドラム92を有するドラムカートリッジ2に対して装着されるものであった。しかしながら、現像カートリッジ1は、複数の感光体ドラム92を有するドラムカートリッジに対して装着されるものであってもよい。
【0086】
また、現像カートリッジ1の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 現像カートリッジ
2 ドラムカートリッジ
10 ケーシング
20 アジテータ
30 現像ローラ
40 供給ローラ
50 ギア部
60 第1離間部材
70 第2離間部材
80 メモリアセンブリ
91 ドラムフレーム
92 感光体ドラム
101 本体カム
102 本体レバー