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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】睡眠用器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/00 20060101AFI20240910BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20240910BHJP
   A61G 7/018 20060101ALI20240910BHJP
   A61G 7/043 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61M21/00
A61H7/00 322D
A61G7/018
A61G7/043
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020198993
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086792
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福山 弦
(72)【発明者】
【氏名】井上 三樹男
(72)【発明者】
【氏名】山本 玲子
(72)【発明者】
【氏名】山村 周玄
(72)【発明者】
【氏名】大坂 昌也
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155072(JP,A)
【文献】特開2009-247846(JP,A)
【文献】特開2020-036990(JP,A)
【文献】特開2004-121837(JP,A)
【文献】特開2017-189313(JP,A)
【文献】特開2015-147039(JP,A)
【文献】特開2018-57902(JP,A)
【文献】特公平6-73537(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 21/00
A61H 7/00
A61G 7/018
A61G 7/043
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に対して支持された脚部を備えた支持フレームに支持され、当該支持フレームが変形することで仰臥状態の使用者を支持可能な第1状態と、着座状態の当該使用者を支持可能な第2状態と、に変形可能とされた支持マットと、
前記支持マットに当該支持マットの前後方向に複数かつ当該前後方向に延びる当該支持マットの中心線に対して対称となるように当該支持マットの幅方向に2列設けられて前記使用者を支持可能とされると共に、内圧を調整可能な空気袋と、
前記内圧を測定し、当該内圧に基づく信号を出力可能な第1検出部と、
前記信号に基づき前記使用者の心拍を検出可能な第2検出部と、
睡眠時における所定の心拍と所定の脳波との相関関係を示すサンプルデータが記憶された記憶部と、
前記第2検出部で検出された前記使用者の心拍と前記サンプルデータとに基づき当該使用者の睡眠深度を推定する状態推定部と、
前記状態推定部で推定された前記使用者の睡眠深度が所定の睡眠深度に達しているときに前記空気袋の内圧を制御する制御部と、
を有する睡眠用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両用シートに関する発明が開示されている。この車両用シートでは、検出装置で検出されたマッサージ用袋体の内圧の変化に基づき、推定手段によって使用者の状態が推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-52332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術では、使用者の呼吸から使用者が入眠傾向状態にあるかを推定することはできるものの、使用者の睡眠深度に基づいて使用者に快適な睡眠をもたらすという点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、使用者の睡眠深度に基づいて使用者に快適な睡眠をもたらすことができる睡眠用器具を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明に係る睡眠用器具は、車室に対して支持された脚部を備えた支持フレームに支持され、当該支持フレームが変形することで仰臥状態の使用者を支持可能な第1状態と、着座状態の当該使用者を支持可能な第2状態と、に変形可能とされた支持マットと、前記支持マットに当該支持マットの前後方向に複数かつ当該前後方向に延びる当該支持マットの中心線に対して対称となるように当該支持マットの幅方向に2列設けられて前記使用者を支持可能とされると共に、内圧を調整可能な空気袋と、前記内圧を測定し、当該内圧に基づく信号を出力可能な第1検出部と、前記信号に基づき前記使用者の心拍を検出可能な第2検出部と、睡眠時における所定の心拍と所定の脳波との相関関係を示すサンプルデータが記憶された記憶部と、前記第2検出部で検出された前記使用者の心拍と前記サンプルデータとに基づき当該使用者の睡眠深度を推定する状態推定部と、前記状態推定部で推定された前記使用者の睡眠深度が所定の睡眠深度に達しているときに前記空気袋の内圧を制御する制御部と、を有している。
【0007】
請求項1に記載の本発明によれば、支持マットと、当該支持マットを支持する支持フレームとを備えている。そして、支持フレームが変形することで、支持マットは、仰臥状態の使用者を支持可能な第1状態と、着座状態の使用者を支持可能な第2状態とに変形する。このため、例えば、使用者が入眠傾向にあるときには、支持マットを第1状態として、使用者に支持マット上で睡眠を取らせることができる。また、使用者が覚醒状態にあるときには、支持マットを第2状態とすることで、使用者を支持マット上に着座させることができる。
【0008】
そして、本発明では、空気袋が、支持マットに当該支持マットの幅方向に複数設けられており、これらの空気袋によって、使用者を支持することができる。また、これらの空気袋の内圧を調整することで、使用者の姿勢を変えたり、使用者の身体に作用する体圧を変化させることができる。
【0009】
ところで、使用者の睡眠中において、使用者の身体の血行を促進できることが好ましく、当該身体の血行を促進するには、当該身体の姿勢を変えたり、当該身体に作用する体圧を変化させることが好ましい。しかしながら、使用者の睡眠深度が浅い場合等には、使用者の身体に刺激を与えると使用者の睡眠を妨げることとなる。
【0010】
ここで、本発明では、第1検出部、第2検出部、記憶部、状態推定部及び制御部を備えており、これらを用いることで、使用者の睡眠深度に基づいて空気袋の制御を行うことができる。
【0011】
詳しくは、第1検出部は、空気袋の内圧を測定し、当該内圧に基づく信号を出力する。また、第2検出部では、第1検出部から出力された信号に基づき使用者の心拍を検出する。
【0012】
一方、記憶部には、睡眠時における所定の心拍と所定の脳波との相関関係を示すサンプルデータが記憶されており、状態推定部では、第2検出部で検出された使用者の心拍と記憶部に記憶されたサンプルデータとに基づき当該使用者の睡眠深度が推定される。
【0013】
そして、制御部は、状態推定部で推定された使用者の睡眠深度が所定の睡眠深度に達しているときに、空気袋の内圧を制御する。このため、本発明では、使用者の睡眠を妨げることを抑制しつつ、空気袋の内圧を調整して当該使用者の身体の血行を促進することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る睡眠用器具は、使用者の睡眠深度に基づいて使用者に快適な睡眠をもたらすことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る睡眠用器具がベッドモードにあるときの構成を模式的に示す睡眠用器具の幅方向から見た側面図である。
図2】本実施形態に係る睡眠用器具がベッドモードにあるときの構成を示す模式的に睡眠用器具の上下方向から見た平面図である。
図3】本実施形態に係る睡眠用器具がシートモードにあるときの構成を模式的に示す睡眠用器具の幅方向から見た側面図である。
図4】本実施形態に係る睡眠用器具のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る睡眠用器具の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図5を用いて、本発明に係る睡眠用器具の実施形態の一例について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは、本実施形態に係る「睡眠用器具10」の前後方向前側を示しており、矢印UPは、睡眠用器具10の上下方向上側を示しており、矢印RHは、睡眠用器具10の幅方向右側を示している。なお、以下では、特に断りのない限り、前後方向は睡眠用器具10の前後方向を意味し、上下方向は睡眠用器具10の上下方向を意味し、幅方向は睡眠用器具10の幅方向を意味するものとする。
【0017】
図1に示されるように、睡眠用器具10は、一例として、車両12の車室14内に配置されており、使用者16を支持可能とされた「支持マット18」と、支持マット18を支持する「支持フレーム20」とを備えている。
【0018】
支持マット18は、軟質ウレタンフォーム等で矩形の板状に形成された図示しないマット本体部と、当該マット本体部を覆うと共に布材で構成された表皮22とを含んで構成されている。
【0019】
そして、支持マット18は、後述するように支持フレーム20が変形することで、仰臥状態の使用者16を支持可能な第1状態と、着座状態の使用者16を支持可能な第2状態(図3参照)とに変形可能とされている。なお、以下では、支持マット18が第1状態にあるときの睡眠用器具10の状態をベッドモードと呼称し、支持マット18が第2状態にあるときの睡眠用器具10の状態をシートモードと呼称することとする。
【0020】
支持フレーム20は、第1フレーム24、第2フレーム26、第3フレーム28及びベースフレーム30を備えている。そして、睡眠用器具10がベッドモードにあるときに、第1フレーム24は、使用者16の上半身を支持しており、第2フレーム26は、使用者16の大腿部周辺を支持しており、第3フレーム28は、使用者16の下腿部周辺を支持している。なお、ベースフレーム30は、第1フレーム24、第2フレーム26及び第3フレーム28の上下方向下側に配置されると共に、ベースフレーム30には、これらが回動可能に連結されている。
【0021】
また、支持フレーム20には、第1フレーム24、第2フレーム26及び第3フレーム28をベースフレーム30に対して回動させることが可能な図示しないアクチュエータと、当該アクチュエータを操作するコントローラとが設けられている。そして、使用者16がコントローラを操作することで、アクチュエータが駆動して、第1フレーム24、第2フレーム26及び第3フレーム28が回動し、睡眠用器具10がベッドモードとシートモードとに変形するようになっている。なお、支持フレーム20は、図示しない脚部等を介して、車室14に対して支持されている。また、図3では、支持マット18の構成を理解し易くするため、支持フレーム20の各構成要素を簡略化して示している。
【0022】
ここで、本実施形態では、支持マット18に複数の「空気袋32」が内蔵されており、空気袋32の内圧に基づいて使用者16の状態が推定されると共に、推定された使用者16の状態に基づいて、空気袋32の内圧が制御される点に特徴がある。
【0023】
詳しくは、図2に示されるように、空気袋32は、支持マット18に内蔵されており、弾性変形可能な材質で構成されると共に、長手方向を幅方向とされた袋状とされている。そして、本実施形態では、一例として、空気袋32は、前後方向に複数配置されると共に、支持マット18の前後方向に延びる中心線CLに対して対称となるように2列配置されている。また、これらの空気袋32は、通常時において、所定量の圧縮空気が注入されており、使用者16を支持可能な状態とされている。なお、空気袋32には、図4に示されるように、「コンプレッサ34」から「ソレノイドバルブ36」を介して圧縮空気が供給されるようになっている。
【0024】
そして、これらの空気袋32には、それぞれ第1検出部としての「圧力センサ38」が設けられており、圧力センサ38は、空気袋32の内圧を測定し、当該内圧に基づく所定の信号を出力可能とされている。そして、圧力センサ38から出力された信号は、制御装置40に出力されるようになっている。
【0025】
制御装置40は、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)44、ストレージ46、CPU(Central Processing Unit)48及び入出力インタフェース50を含んで構成されている。そして、制御装置40を構成するこれらの構成要素は、バス52を介して相互に通信可能に接続されている。
【0026】
ROM42は、各種プログラム及び各種データを格納可能とされており、RAM44は、一時的にプログラム又はデータを記憶することが可能とされている。なお、後述するように、RAM44は、CPU48の作業領域として機能する。また、ストレージ46は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)によって構成されており、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データが格納されている。そして、ROM42又はストレージ46には、圧力センサ38から出力された信号の処理や空気袋32の内圧を制御するためのプログラム等が格納されている。
【0027】
CPU48は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御可能とされている。詳しくは、CPU48は、ROM42又はストレージ46からプログラムを読み出し、RAM44を作業領域としてプログラムを実行する。そして、CPU48は、これらのプログラムに従って、CPU48に接続された各構成要素の制御並びに各種の演算処理を行うようになっている。
【0028】
入出力インタフェース50には、圧力センサ38、ソレノイドバルブ36の図示しない制御部及びコンプレッサ34の図示しない制御部が電気的に接続されている。
【0029】
上記のハードウェアで構成された制御装置40は、種々の機能を実現することが可能となっている。以下、図5を用いて、制御装置40の機能構成について説明することとする。
【0030】
制御装置40は、機能構成要素として、「記憶部54」、第2検出部としての「呼吸心拍検出部56」、「状態推定部58」、「バルブ制御部60」及び「コンプレッサ制御部62」を含んで構成されている。なお、各機能構成は、CPU48がROM42又はストレージ46に記憶されたプログラムを読み出して、実行することにより実現される。
【0031】
記憶部54には、所定の被験者の睡眠時における心拍、呼吸及び脳波の相関関係を示すサンプルデータが記憶されている。詳しくは、サンプルデータには、所定の被験者の睡眠時における心拍波形、呼吸波形及び脳波波形の時系列データが記憶されている。なお、所定の被験者は、使用者16であってもよい。
【0032】
呼吸心拍検出部56では、圧力センサ38から出力された信号に基づいて得られた波形をフィルタリングして、使用者16の心拍波形及び呼吸波形を抽出する。
【0033】
状態推定部58は、呼吸心拍検出部56で検出された使用者16の心拍波形及び呼吸波形と、記憶部54に記憶されたサンプルデータとに基づき、使用者16の睡眠深度を推定する。詳しくは、状態推定部58は、サンプルデータにおいて、使用者16の心拍波形及び呼吸波形と類似している心拍波形及び呼吸波形である箇所を検出し、当該箇所に対応する脳波波形から使用者16の睡眠深度が、ステージ1~ステージ4の何れの状態にあるかを推定する。そして、状態推定部58は、使用者16の睡眠深度が、所定の睡眠深度、すなわちステージ4にあるときに所定の信号をバルブ制御部60及びコンプレッサ制御部62に出力する。
【0034】
バルブ制御部60は、睡眠用器具10がベッドモードであるときに、状態推定部58から信号が入力されると、ソレノイドバルブ36の制御部を制御して、圧縮空気が注入される空気袋32の個数や位置等を制御する。
【0035】
コンプレッサ制御部62は、睡眠用器具10がベッドモードであるときに、状態推定部58から信号が入力されると、コンプレッサ34の制御部を制御して、コンプレッサ34から空気袋32に注入される圧縮空気の流量や圧力等を制御する。
【0036】
そして、上記のように構成されたバルブ制御部60、コンプレッサ制御部62、コンプレッサ34及びソレノイドバルブ36は、制御部として機能している。すなわち、バルブ制御部60、コンプレッサ制御部62、コンプレッサ34及びソレノイドバルブ36は、状態推定部58で推定された使用者16の睡眠深度が、所定の睡眠深度に達しているときに各空気袋32の内圧を制御することが可能となっている。
【0037】
例えば、本実施形態では、バルブ制御部60及びコンプレッサ制御部62に、状態推定部58から信号が入力されると、幅方向一方側の空気袋32を膨張させると共に、幅方向他方側の空気袋32を収縮させ、使用者16の寝返りを促すように設定されていてもよい。また、バルブ制御部60及びコンプレッサ制御部62に、状態推定部58から信号が入力されると、所定の空気袋32が膨張と収縮を繰り返して、使用者16の血行を促進するように設定されていてもよい。
【0038】
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
【0039】
本実施形態では、図1及び図3に示されるように、支持マット18と、支持マット18を支持する支持フレーム20とを備えている。そして、支持フレーム20が変形することで、支持マット18は、仰臥状態の使用者16を支持可能な第1状態と、着座状態の使用者16を支持可能な第2状態とに変形する。このため、例えば、使用者16が入眠傾向にあるときには、支持マット18を第1状態として、使用者16に支持マット18上で睡眠を取らせることができる。また、使用者16が覚醒状態にあるときには、支持マット18を第2状態とすることで、使用者16を支持マット上に着座させることができる。
【0040】
そして、本実施形態では、空気袋32が、支持マット18に幅方向に複数設けられており、これらの空気袋32によって、使用者16を支持することができる。また、これらの空気袋32の内圧を調整することで、使用者16の姿勢を変えたり、使用者16の身体に作用する体圧を変化させることができる。
【0041】
ところで、使用者16の睡眠中において、使用者16の身体の血行を促進できることが好ましく、当該身体の血行を促進するには、当該身体の姿勢を変えたり、当該身体に作用する体圧を変化させることが好ましい。しかしながら、使用者16の睡眠深度が浅い場合等には、使用者16の身体に刺激を与えると使用者16の睡眠を妨げることとなる。
【0042】
ここで、本実施形態では、圧力センサ38、呼吸心拍検出部56、記憶部54、状態推定部58、バルブ制御部60、コンプレッサ制御部62、コンプレッサ34及びソレノイドバルブ36を備えており、これらを用いることで、使用者16の睡眠深度に基づいて空気袋32の制御を行うことができる。
【0043】
詳しくは、圧力センサ38は、空気袋32の内圧を測定し、当該内圧に基づく信号を出力する。また、呼吸心拍検出部56では、圧力センサ38から出力された信号に基づき使用者16の心拍を検出する。
【0044】
一方、記憶部54には、睡眠時における所定の心拍と所定の脳波との相関関係を示すサンプルデータが記憶されており、状態推定部58では、呼吸心拍検出部56で検出された使用者16の心拍と記憶部54に記憶されたサンプルデータとに基づき使用者16の睡眠深度が推定される。
【0045】
そして、バルブ制御部60、コンプレッサ制御部62、コンプレッサ34及びソレノイドバルブ36は、状態推定部58で推定された使用者16の睡眠深度が所定の睡眠深度に達しているときに、空気袋32の内圧を制御する。このため、本実施形態では、使用者16の睡眠を妨げることを抑制しつつ、空気袋32の内圧を調整して使用者16の身体の血行を促進することができる。
【0046】
したがって、本実施形態では、使用者16の睡眠深度に基づいて使用者16に快適な睡眠をもたらすことができる。
【0047】
なお、睡眠用器具10は、車両12の車室14内のみでなく、建物の寝室等にも配置可能である。また、空気袋32も上述した構成に限らず、一つの空気袋を複数の室に分割するような構成も採り得る。このような構成においては、複数の室が本実施形態における空気袋32として機能することとなる。
【符号の説明】
【0048】
10 睡眠用器具
18 支持マット
20 支持フレーム
32 空気袋
34 コンプレッサ(制御部)
36 ソレノイドバルブ(制御部)
38 圧力センサ
54 記憶部
56 呼吸心拍検出部(第2検出部)
58 状態推定部
60 バルブ制御部(制御部)
62 コンプレッサ制御部(制御部)
図1
図2
図3
図4
図5