(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】電装部品の断熱構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240910BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20240910BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60K11/06
B60R16/02 610D
(21)【出願番号】P 2021006979
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】星野 真一
(72)【発明者】
【氏名】真田 歩
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-095182(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0226041(US,A1)
【文献】特開2021-000893(JP,A)
【文献】特開2015-214314(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013215507(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/00- 6/12, 7/00- 8/00,16/00
B60K 11/00-15/10
B60R 16/02
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装部品が載置される載置面を有する載置部を備え、車両のフロアパネルの上面に設けられた被固定部に固定される固定部材と、
カバー側天井壁と、前記カバー側天井壁から下方に延びる複数のカバー側側壁とを有し、前記固定部材と前記電装部品とを上方および側方から覆うカバー部材と、
断熱部材側天井壁と、前記断熱部材側天井壁から下方に延びる少なくとも1つの断熱部材側側壁とを有し、前記カバー部材と前記電装部品の間に設けられた断熱部材とを備え、
前記カバー部材は、第1の支持部、第2の支持部および第3の支持部を有し、
前記第1の支持部は、前記カバー側天井壁に設けられ、前記断熱部材側天井壁の延びる方向の一端部に当接しており、
前記第2の支持部は、前記複数のカバー側側壁のうち、前記断熱部材側側壁に対向する所定のカバー側側壁に設けられ、前記断熱部材側側壁の延びる方向の一端部に当接しており、
前記第3の支持部は、前記所定のカバー側側壁に設けられ、前記断熱部材側側壁の延びる方向と直交する下端部に当接しており、
前記固定部材は、前記載置面が前記フロアパネルよりも高い位置に位置していることを特徴とする電装部品の断熱構造。
【請求項2】
前記カバー側天井壁と前記断熱部材側天井壁の間に隙間が形成されており、
前記所定のカバー側側壁と前記断熱部材側側壁の間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電装部品の断熱構造。
【請求項3】
前記
固定部材は、前記載置部の一端部に設けられた第1の固定部と、前記載置部の他端部に設けられた第2の固定部とを有し、
前記被固定部は、前記フロアパネルよりも高い位置に位置する第1の被固定部と第2の被固定部とを有し、
前記第1の被固定部は、前記第1の固定部が固定される第1の被固定部位を有し、
前記第2の被固定部は、前記第1の被固定部位よりも高い位置に位置する第2の被固定部位を有し、前記第2の被固定部位に前記第2の固定部が固定されており、
前記所定のカバー側側壁を第1のカバー側側壁とした場合に、前記複数のカバー側側壁のうち、前記第1のカバー側側壁に対向する第2のカバー側側壁に開口部が設けられており、
前記開口部は、その上端部が前記載置面よりも上方に位置するように上下方向に開口しており、
前記第1の固定部は、前記載置部の一端部から前記開口部を通して前記第2のカバー側側壁の外方に延びており、
前記第2のカバー側側壁に仕切壁が設けられており、
前記仕切壁は、前記開口部の少なくとも一部を閉じていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電装部品の断熱構造。
【請求項4】
前記載置面と前記仕切壁の下端部が同じ高さ位置に位置することを特徴とする請求項3に記載の電装部品の断熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装部品の断熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のフロアパネルに設置された電装部品の熱の影響を乗員が受けることを抑制するために、電装部品を冷却する冷却構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この電装部品の冷却構造は、フロアパネルの上面にバッテリモジュールと高圧電装部品が設けられており、バッテリモジュールと高圧電装部品とはそれぞれバッテリケースおよび高圧電装部品ケースに収容されている。
【0004】
フロアパネルの下方には冷却装置が設置されており、冷却装置は、バッテリケースおよび高圧電装部品ケースの内部に空気を流通させることにより、バッテリモジュールと高圧電装部品とを冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電装部品の冷却構造にあっては、バッテリモジュールと高圧電装部品を冷却するための冷却装置が必要になる。このため、冷却装置を設置するスペースが必要となる上に、冷却装置が必要な分だけ冷却構造の製造コストが増大する。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、冷却装置を不要にして電装部品の放熱性能を向上でき、製造コストが増大することを抑制しつつ乗員が熱の影響を受けることを抑制できる電装部品の断熱構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電装部品が載置される載置面を有する載置部を備え、車両のフロアパネルの上面に設けられた被固定部に固定される固定部材と、カバー側天井壁と、前記カバー側天井壁から下方に延びる複数のカバー側側壁とを有し、前記固定部材と前記電装部品とを上方および側方から覆うカバー部材と、断熱部材側天井壁と、前記断熱部材側天井壁から下方に延びる少なくとも1つの断熱部材側側壁とを有し、前記カバー部材と前記電装部品の間に設けられた断熱部材とを備え、前記カバー部材は、第1の支持部、第2の支持部および第3の支持部を有し、前記第1の支持部は、前記カバー側天井壁に設けられ、前記断熱部材側天井壁の延びる方向の一端部に当接しており、前記第2の支持部は、前記複数のカバー側側壁のうち、前記断熱部材側側壁に対向する所定のカバー側側壁に設けられ、前記断熱部材側側壁の延びる方向の一端部に当接しており、前記第3の支持部は、前記所定のカバー側側壁に設けられ、前記断熱部材側側壁の延びる方向と直交する下端部に当接しており、前記固定部材は、前記載置面が前記フロアパネルよりも高い位置に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このように上記の本発明によれば、冷却装置を不要にして電装部品の放熱性能を向上でき、製造コストが増大することを抑制しつつ乗員が熱の影響を受けることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を搭載した車両の車室を左斜め上方から見た図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を左後斜め上方から見た図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を上方から見た図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を後斜め上方から見た分解図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を上方から見た図であり、固定ブラケットから電装部品、断熱ブラケットおよびカバー部材を取り外した状態を示す。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を示す図であり、カバー部材を左前斜め下方から見た図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を示す図であり、固定ブラケットとカバー部材を右前斜め下方から見た図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を示す図であり、断熱ブラケットを右前斜め下方から見た図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例に係る電装部品の断熱構造を示す図であり、カバー部材とカバー部材を透過した断熱ブラケットとを右前斜め上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態に係る電装部品の断熱構造は、電装部品が載置される載置面を有する載置部を備え、車両のフロアパネルの上面に設けられた被固定部に固定される固定部材と、カバー側天井壁と、カバー側天井壁から下方に延びる複数のカバー側側壁とを有し、固定部材と電装部品とを上方および側方から覆うカバー部材と、断熱部材側天井壁と、断熱部材側天井壁から下方に延びる少なくとも1つの断熱部材側側壁とを有し、カバー部材と電装部品の間に設けられた断熱部材とを備え、カバー部材は、第1の支持部、第2の支持部および第3の支持部を有し、第1の支持部は、カバー側天井壁に設けられ、断熱部材側天井壁の延びる方向の一端部に当接しており、第2の支持部は、複数のカバー側側壁のうち、断熱部材側側壁に対向する所定のカバー側側壁に設けられ、断熱部材側側壁の延びる方向の一端部に当接しており、第3の支持部は、所定のカバー側側壁に設けられ、断熱部材側側壁の延びる方向と直交する下端部に当接しており、固定部材は、載置面がフロアパネルよりも高い位置に位置している。
【0012】
これにより、本発明の一実施の形態に係る電装部品の断熱構造は、冷却装置を不要にして電装部品の放熱性能を向上でき、製造コストが増大することを抑制しつつ乗員が熱の影響を受けることを抑制できる。
【実施例】
【0013】
以下、本発明に係る電装部品の断熱構造の実施例について、図面を用いて説明する。
図1から
図13は、本発明に係る一実施例の電装部品の断熱構造を示す図である。
図1から
図13において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の電装部品を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
【0014】
まず、構成を説明する。
図1において、車両1は、フロアパネル2を有し、フロアパネル2の上部には車室3が形成されている。車室3の前側には図示しないダッシュパネルによって車室と分離されたエンジンルームが形成されており、車室3の後方には図示しない荷室が形成されている。
【0015】
フロアパネル2の上部には運転者が着座する運転席4と、乗員が着座する助手席5とが設置されており、運転席4と助手席5は車幅方向に離れている。
【0016】
運転席4は、運転者の臀部および腿部を支持するシートクッション4Aと、運転者の背中を受け止めて支持するシートバック4Bとを有する。助手席5は、乗員の臀部および腿部を支持するシートクッション5Aと、乗員の背中を受け止めて支持するシートバック5Bとを有する。
【0017】
助手席5のシートクッション5Aとフロアパネル2の間には電装装置6が設置されている。
【0018】
図2に示すように、助手席5側において、フロアパネル2にはいずれも金属製の前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bが取付けられており、前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bは、前後方向に離隔して車幅方向に延びている。
【0019】
図1に示すように、フロアパネル2の左端部には左側サイドシル8Aが設けられており、左側サイドシル8Aは、フロアパネル2に沿って前後方向に延びている。
【0020】
フロアパネル2の車幅方向の中央部にはフロアトンネル8Bが設けられており、フロアトンネル8Bは、フロアパネル2から上方に膨出している。フロアトンネル8Bは、運転席4と助手席5の間に位置しており、フロアパネル2に沿って前後方向に延びている。
【0021】
車両1を上方から見た場合に、電装装置6は、前側クロスメンバ7A、後側クロスメンバ7B、左側サイドシル8Aおよびフロアトンネル8Bに取り囲まれるようにしてフロアパネル2に設置されている。
【0022】
図2、
図3に示すように、前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bの車幅方向の左端部と右端部には、それぞれ支持ブラケット9A、9B、9C、9Dが設けられており、支持ブラケット9A、9B、9C、9Dは、前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bから上方に突出している。
【0023】
図1、
図3に示すように、支持ブラケット9A、9Bの上端部にはスライドレール10Aが設けられており、スライドレール10Aは、前後方向に延びている。
【0024】
支持ブラケット9C、9Dの上端部にはスライドレール10Bが設けられており、スライドレール10Bは、スライドレール10Aと平行に前後方向に延びている。電装装置6は、スライドレール10A、10Bの下方に設置されている。
【0025】
助手席5のシートクッション5Aの下部には一対の図示しないベースフレームが設けられており、ベースフレームは、スライドレール10A、10Bに対して前後方向に摺動自在となるようにスライドレール10A、10Bに嵌合されている。
【0026】
これにより、助手席5は、ベースフレームがスライドレール10A、10Bに対して前後方向に移動することにより、フロアパネル2に対して前後方向に移動する。
【0027】
図4に示すように、電装装置6は、固定部材を構成する金属製の固定ブラケット21と、電装部品22と、樹脂製のカバー部材23と、金属製の断熱ブラケット41とを有する。
【0028】
固定ブラケット21は、載置部21Aと、二股状の固定部21Bと、前側固定部21Cと、後側固定部21Dとを有する。
【0029】
図6に示すように、載置部21Aは、フロアパネル2の上面2aよりも高い位置(すなわち、フロアパネル2の上面2aの上方)に位置しており、その上面に載置面21aを有する。載置面21aには電装部品22が載置されており、電装部品22は、図示しないねじ等の固定具によって載置部21Aに固定されている。
【0030】
図4、
図8に示すように、固定部21Bは、載置部21Aの右端部から右方に直線状に延びた後、下方に折り曲げられている。
【0031】
図5に示すように、車両1を上方から見た場合に、前側クロスメンバ7A、後側クロスメンバ7Bおよびスライドレール10A、10Bに囲まれる空間には金属製のブラケット11が設けられており、ブラケット11の上面11aは、フロアパネル2の上面2aよりも高い位置で、かつ、載置部21Aよりも低い位置に位置している(
図6参照)。
【0032】
固定部21Bの下端部は、図示しないねじ等の固定具によってブラケット11の上面11aに固定されている。
【0033】
図6に示すように、前側固定部21Cは、載置部21Aの前端部21cから上方に直線状に延びる縦壁21eと縦壁21eから前方に直線状に延びる横壁21fとを有し、横壁21fが図示しないねじ等の固定具によって前側クロスメンバ7Aに固定されている。
【0034】
後側固定部21Dは、載置部21Aの後端部21dから下方に延びる縦壁21gと縦壁21gから後方に直線状に延びる横壁21hとを有し、横壁21hは、図示しないねじ等の固定具によって後側クロスメンバ7Bに固定されている。
【0035】
本実施例の載置部21Aの前端部21cは、載置部の一端部を構成し、載置部21Aの後端部21dは、載置部の他端部を構成する。前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bは、それぞれ前後方向で高さが異なる部位を含んでいる。
【0036】
図6に示すように、前側固定部21Cは、載置部21Aの載置面21aよりも高い位置に位置する前側クロスメンバ7Aの上面7aに固定されている。後側固定部21Dは、フロアパネル2の上面2aよりも高く、載置部21Aより低い位置に設けられた後側クロスメンバ7Bの低位部7cに固定されている。低位部7cとは、後側クロスメンバ7Bの上面7bよりも低い部位である。
【0037】
このように、固定ブラケット21は、載置面21aが前側クロスメンバ7Aの上面7aよりも低い位置に位置し、かつ、後側クロスメンバ7Bの低位部7cよりも高い位置に位置するようにして、前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bとブラケット11とを介してフロアパネル2に固定されている。
【0038】
本実施例の固定ブラケット21は、固定部材を構成し、電装部品を構成する。前側クロスメンバ7A、後側クロスメンバ7Bおよびブラケット11は、被固定部を構成する。
【0039】
後側固定部21Dは、第1の固定部を構成し、前側固定部21Cは、第2の固定部を構成する。後側クロスメンバ7Bは、被固定部および第1の被固定部を構成し、後側クロスメンバ7Bの低位部7cは、第1の被固定部位を構成する。前側クロスメンバ7Aは、被固定部および第2の被固定部を構成し、前側クロスメンバ7Aの上面7aは、第2の被固定部位を構成する。
【0040】
図7、
図8に示すように、カバー部材23は、天井壁23Aと、前壁23Bと、後壁23Cと、左側壁23Dと、右側壁23Eとを有する。
【0041】
前壁23Bおよび後壁23Cは、天井壁23Aから下方に延びており、前後方向に対向している。
【0042】
左側壁23Dは、天井壁23Aから下方に延びており、前壁23Bの左端部と後壁23Cの左端部とを連絡している。右側壁23Eは、天井壁23Aから下方に延びており、前壁23Bの右端部と後壁23Cの右端部とを連絡している。
【0043】
前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eの底部は開口しており、カバー部材23は、天井壁23A、前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eによって固定ブラケット21と電装部品22を上方および側方(前後左右方向)から覆っている。
【0044】
すなわち、カバー部材23は、固定ブラケット21と電装部品22が外部から目視できないように固定ブラケット21と電装部品22を覆っている。
【0045】
前壁23Bと後壁23Cの前後方向の長さに対し、左側壁23Dと右側壁23Eの車幅方向の長さは短く形成されており、カバー部材23を上方から見た場合に、カバー部材23は、長方形に形成されている。
【0046】
前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eの上下方向の長さ(高さ)は、同一に形成されており、前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eの下端部23aは、固定ブラケット21の載置面21aよりも低い位置に位置している(
図6参照)。以下、前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eの下端部23aをカバー部材23の下端部23aともいう。
【0047】
カバー部材23の下端部23aは、フロアパネル2の上面2aに接触しており、フロアパネル2の上面2aと同じ高さ位置に位置している。
【0048】
図4、
図9に示すように、断熱ブラケット41は、天井壁41Aと、天井壁41Aの後端部から下方に延びる後壁41Bと、天井壁41Aの左端から下方に延びる左側壁41Cとを備えている。
【0049】
断熱ブラケット41の天井壁41Aは、カバー部材23の天井壁23Aと上下方向で対向している。
【0050】
断熱ブラケット41の後壁41Bは、カバー部材23の後壁23Cに前後方向で対向しており、天井壁41Aから後壁23Cの上下方向の中央部より下方まで延びている。
【0051】
すなわち、
図6に示すように、断熱ブラケット41の天井壁41Aから下端部41aまでの後壁41Bの上下方向長さは、カバー部材23の天井壁23Aから下端部23aまでの後壁23Cの上下方向長さよりも短く形成されており、断熱ブラケット41の後壁41Bの下端部41aは、カバー部材23の後壁23Cの下端部23aよりも上方に位置している。
【0052】
断熱ブラケット41の左側壁41Cは、カバー部材23の左側壁23Dに車幅方向で対向しており、天井壁41Aから後壁41Bと同じ長さだけ下方に延びている。
【0053】
断熱ブラケット41は、天井壁41Aと後壁41Bと左側壁41Cとが電装部品22の上方と後方と左方とを覆うようにしてカバー部材23と電装部品22の間に設置されている。
【0054】
図9に示すように、左側壁41Cの下端部41fは後壁41Bの下端部41aよりも幅が広く形成されている。
図11に示すように、左側壁41Cはカバー部材23の左側壁23Dに当接している。
【0055】
図9に示すように、左側壁41Cの下端部41fには締結部41qが設けられている。締結部41qは、図示しないねじ等の固定具によって固定ブラケット21の載置部21Aに締結されており、断熱ブラケット41は、固定ブラケット21に取付けられている。
【0056】
本実施例のカバー部材23の天井壁23Aは、カバー側天井壁を構成し、前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eは、カバー側側壁を構成する。後壁23Cは、所定のカバー側側壁および第1のカバー側側壁を構成し、前壁23Bは、第2のカバー側側壁を構成する。
【0057】
断熱ブラケット41は、断熱部材を構成する。断熱ブラケット41の天井壁41Aは、断熱部材側天井壁を構成し、後壁41Bは、断熱部材側側壁を構成する。
【0058】
図7に示すように、カバー部材23の前壁23Bには前側開口部23bが形成されており、前側開口部23bは、前壁23Bの下端部23aから上方に向かって切り欠かれている。すなわち、前側開口部23bは、前壁23Bの上下方向に開口している。
【0059】
カバー部材23の後壁23Cには後側開口部23cが形成されており、後側開口部23cは、後壁23Cの下端部23aから上方に向かって切り欠かれている。すなわち、後側開口部23cは、後壁23Cの上下方向に開口している。
【0060】
図6に示すように、前側開口部23bの上端部23dは、後側開口部23cの上端部23eよりも上方に位置している。具体的には、後側開口部23cの上端部23eは、載置部21Aの載置面21aと同じ高さ位置に位置しており、前側開口部23bの上端部23dは、載置部21Aの載置面21aよりも上方で天井壁23Aの近くに位置している。
【0061】
図6、
図8に示すように、前側固定部21Cは、横壁21fが後側固定部21Dの横壁21hよりも高い位置に位置しており、載置部21Aの前端部21cから前側開口部23bを通して前壁23Bよりも前方(外方)に延びている。
【0062】
後側固定部21Dは、横壁21hが前側固定部21Cの横壁21fよりも低い位置に位置しており、載置部21Aの後端部21dから後側開口部23cを通して後壁23Cよりも後方(外方)に延びている。
【0063】
カバー部材23によって固定ブラケット21と電装部品22とを上方および側方から覆う際に、前側開口部23bおよび後側開口部23cに前側固定部21Cと後側固定部21Dが挿通され、前側開口部23bおよび後側開口部23cが前側固定部21Cと後側固定部21Dに沿って下方に案内される。
【0064】
前側開口部23bの上端部23dは、後側開口部23cの上端部23eよりも上方に位置しているので、前側固定部21Cの横壁21fが前側開口部23bの上端部23dに当接することがなく、カバー部材23の下端部23aがフロアパネル2に接触するまでカバー部材23を移動させることができる。
【0065】
図7、
図8に示すように、前壁23Bには突出壁23F、23G、23Hが設けられている。突出壁23F、23Gは、前側開口部23bの左右の縁から前方に突出しており、車幅方向に対向している。
【0066】
突出壁23Hは、前側開口部23bの上端部23dの上縁から前方に突出しており、前側固定部21Cの横壁21fを上方から覆っている(
図3、
図6参照)。
【0067】
突出壁23F、23Gの突出方向の先端は、前側クロスメンバ7Aに接触しており、突出壁23Hは、前側クロスメンバ7Aの上面7aに接触している(
図6参照)。
【0068】
これにより、前側開口部23bは、突出壁23F、23G、23Hおよび前側クロスメンバ7Aによって閉じられ、カバー部材23の内部空間24(
図6参照)とカバー部材23の外部(外気)とは、前側開口部23bを介して非連通状態となっている。
【0069】
カバー部材23の後壁23Cには突出壁23I、23J、23Kが設けられている。突出壁23I、23Jは、後側開口部23cの左右の縁から後方に突出しており、車幅方向に対向している。
【0070】
突出壁23Kは、後側開口部23cの上端部23dの上縁から後方に突出しており、後側固定部21Dの横壁21hを上方から覆っている(
図3、
図6参照)。
【0071】
突出壁23I、23Jの突出方向の先端は、後側クロスメンバ7Bに接触しており、突出壁23Kは、後側クロスメンバ7Bの上面7bに接触している(
図6参照)。
【0072】
これにより、後側開口部23cは、突出壁23I、23J、23Kおよび後側クロスメンバ7Bによって閉じられ、カバー部材23の内部空間24とカバー部材23の外部(外気)とは、後側開口部23cを通して非連通状態となっている。
【0073】
図6、
図7に示すように、カバー部材23の前壁23Bには仕切壁23Wが設けられている。仕切壁23Wは、前側開口部23bの上側部分を閉じている(
図10参照)。
【0074】
具体的には、仕切壁23Wの下端部23fは、載置面21aと同じ高さ位置に位置しており(
図10参照)、カバー部材23の内部空間24のうち、載置面21aよりも上方のカバー部材23の上側内部空間25には空気溜まりが形成される。なお、仕切壁23Wは、前側開口部23bの全体を閉じてもよい。
【0075】
また、カバー部材23の内部空間24のうち、載置部21Aよりも下方の下側内部空間26にも空気溜まりが形成される。
【0076】
仕切壁23Wの左右両側には嵌合部が形成されており、前側固定部21Cの縦壁21eの左右両端が嵌合部に強固に嵌合されている。これにより、カバー部材23が固定ブラケット21に固定される。
【0077】
また、カバー部材23は、前側固定部21Cの横壁21fが前側開口部23bに嵌合され、後側固定部21Dの横壁21hが後側開口部23cに嵌合される。
【0078】
また、カバー部材23は、突出壁23F、23Gの突出方向の先端が前側クロスメンバ7Aに接触するとともに、突出壁23Hが前側クロスメンバ7Aの上面7aに接触する。これに加えて、カバー部材23は、突出壁23I、23Jの突出方向の先端が後側クロスメンバ7Bに接触するとともに、突出壁23Kが後側クロスメンバ7Bの上面7bに接触している。
【0079】
これにより、カバー部材23は、フロアパネル2に対して移動することがなく、固定ブラケット21に安定して固定される。
【0080】
図7、
図11に示すように、カバー部材23の天井壁23Aにはリブ23Sが設けられている。リブ23Sは、天井壁23Aの右端部に設けられており、天井壁23Aの前端から後端まで直線状に延びている。
【0081】
図6、
図7に示すように、リブ23Sは、天井壁23Aから下方、すなわち、天井壁23Aから電装部品22に向かって突出している。
図11、
図12に示すように、天井壁41Aの右端部41bは、前後方向に亙ってリブ23Sに当接している。
【0082】
リブ23Sは、第1の支持部を構成し、断熱ブラケット41の天井壁41Aの右端部41bは、断熱部材側天井壁の延びる方向の一端部を構成する。
【0083】
図7、
図11に示すように、カバー部材23の後壁23Cにはリブ23Tが設けられている。リブ23Tは、後壁23Cの右端部に設けられており、天井壁23Aから下方に向かって直線状に延びている。
【0084】
図6、
図7に示すように、リブ23Tは、後壁23Cから前方、すなわち、後壁23Cから電装部品22に向かって突出している。
図11、
図12、
図13に示すように、後壁41Bの右端部41cは、上下方向に亙ってリブ23Tに当接している。
【0085】
本実施例のリブ23Tは、第2のリブを構成し、後壁41Bの右端部41cは、断熱部材側側壁の延びる方向の一端部を構成する。
【0086】
図7、
図11に示すように、カバー部材23の後壁23Cにはリブ23Uが設けられている。リブ23Uは、後壁23Cの上下方向中央部よりも下方に設けられており、後壁23Cの車幅方向に亙って直線状に延びている。
【0087】
図5、
図6に示すように、リブ23Uは、後壁23Cから前方、すなわち、後壁23Cから電装部品22に向かって突出している。
図11、
図12、
図13に示すように、後壁41Bの下端部41aは、車幅方向に亙ってリブ23Uに当接している。
【0088】
本実施例のリブ23Uは、第3のリブを構成し、後壁41Bの下端部41aは、断熱部材側側壁の延びる方向と直交する下端部を構成する。
【0089】
図6に示すように、カバー部材23の天井壁23Aと断熱ブラケット41の天井壁41Aの間には隙間42が形成されており、隙間42には空気溜まり(空気層)が形成されている。
【0090】
カバー部材23の後壁23Cと断熱ブラケット41の後壁41Bの間には隙間43が形成されており、隙間43には空気溜まり(空気層)が形成されている。
【0091】
すなわち、本実施例の断熱ブラケット41は、天井壁41Aの右端部41bがリブ23Sに当接し、後壁41Bの右端部41cがリブ23Tに当接し、後壁41Bの下端部41aがリブ23Uに当接した状態において、天井壁23Aと天井壁41Aの間に隙間42が形成されているとともに、後壁23Cと後壁41Bの間に隙間43が形成されている。
【0092】
このため、天井壁41Aの右端部41bと天井壁23Aの間に形成される隙間42の右端部は、リブ23Sによって閉じられている。
【0093】
また、後壁41Bの右端部41cと後壁23Cの間に形成される隙間43の右端部は、リブ23Tによって閉じられている。
【0094】
これに加えて、後壁41Bの下端部41aと後壁23Cの間に形成される隙間43の下端部は、リブ23Uによって閉じられている。
【0095】
図11に示すように、断熱ブラケット41は、左側壁41Cが左側壁23Dに当接しており、左側壁41Cと左側壁23Dの間には隙間が形成されていない。
【0096】
これにより、天井壁41Aの左端部41dと天井壁23Aの間に形成される隙間42の左端部と、後壁41Bの左端部41eと後壁23Cの間に形成される隙間43の左端部とは、左側壁41Cによって閉じられている。
【0097】
このため、天井壁23Aと天井壁41Aの間の隙間42と、後壁41Bと後壁23Cの間の隙間43とに空気溜まり(空気層)を形成できる。
【0098】
図7、
図8に示すように、カバー部材23の右側壁23Eには図示しないワイヤハーネスを通すための複数の貫通孔23g、23hが形成されている。貫通孔23g、23hは、載置部21Aの載置面21aよりも低い位置に位置している。
【0099】
ワイヤハーネスは、電装部品22の端子に接続されており、電装部品22の端子から二股状の固定部21Bおよび貫通孔23g、23hを通してカバー部材23の外部に配線され、車両1に搭載される他の電装部品に接続されている。
【0100】
ワイヤハーネスは、フロアトンネル8Bの下方を通って運転席4の下方から助手席5の下方側に配設されている。
【0101】
なお、ワイヤハーネスを通す貫通孔は、前壁23B、後壁23Cおよび左側壁23Dのいずれかに形成されてもよいが、この場合にも貫通孔は、載置部21Aの載置面21aよりも低い位置に位置することが好ましい。
【0102】
次に、本実施例の電装部品22の断熱構造の効果を説明する。
本実施例の電装装置6は、助手席5のシートクッション5Aとフロアパネル2の間に設置されているので、エンジンルームに比べて低温環境にある車室3に電装装置6を設置でき、電装部品22の性能を引き出し易い。
【0103】
これに加えて、荷室のスペースが電装装置6によって阻害されることを防止して電装装置6の設置性能を向上できる上に、電装装置6をエンジンルームに設置する必要がないので、エンジンルームの小型化を図ることができる。
【0104】
ところで、電装装置6をフロアパネル2の上面2aに設置すると、助手席5の図示しない後部座席に着座する乗員の足蹴りにより、電装部品22に衝撃が加わるおそれがあるとともに、電装部品22の熱の影響を乗員が受けるおそれがある。
【0105】
本実施例の電装部品22の断熱構造は、電装部品22が載置される載置面21aを有する載置部21Aを備えた固定ブラケット21が設けられており、固定ブラケット21は、車両1のフロアパネル2の上面2aに設けられた前側固定部21C、後側固定部21Dおよびブラケット11に固定されている。
【0106】
また、電装部品22の断熱構造は、天井壁23Aと、天井壁23Aから下方に延びる前壁23B、後壁23C、左側壁23Dおよび右側壁23Eとを有し、固定ブラケット21と電装部品22とを上方および側方から覆うカバー部材23を有する。
【0107】
また、電装部品22の断熱構造は、天井壁41Aと、天井壁41Aから下方に延びる後壁41Bおよび左側壁41Cを有し、カバー部材23と電装部品22の間に設けられた断熱ブラケット41を有する。
【0108】
これにより、助手席5の後部座席に着座する乗員がカバー部材23を足蹴りした場合に断熱ブラケット41によって衝撃を受け止め、電装部品22に荷重が加わることを防止して電装部品22を保護できる。これに加えて、断熱ブラケット41によって高温の電装部品22に乗員が直接触れることを防止できる。
【0109】
また、助手席5の後部座席に着座する乗員がカバー部材23と助手席5の間に手を入れた場合等に、断熱ブラケット41の天井壁41Aによって高温の電装部品22に乗員が直接触れることを防止できる。
【0110】
また、車両1の左側から外力が加わった場合に、断熱ブラケット41の左側壁41Cによって荷重を受け止めることができ、電装部品22を保護できる。
【0111】
また、電装部品22の断熱構造は、カバー部材23は、リブ23S、リブ23Tおよびリブ23Uを有する。
【0112】
リブ23Sは、天井壁23Aに設けられ、天井壁41Aの延びる方向の右端部41bに当接しており、リブ23Sは、後壁41Bに対向する後壁23Cに設けられ、後壁41Bの右端部41cに当接している。
【0113】
リブ23Uは、後壁23Cに設けられ、後壁41Bの延びる方向(車幅方向)と直交する下端部41aに当接している。
【0114】
これにより、天井壁41Aの右端部41bと天井壁23Aの間に形成される隙間42の右端部をリブ23Sによって閉じ、後壁41Bの右端部41cと後壁23Cの間に形成される隙間43の右端部をリブ23Tによって閉じ、後壁41Bの下端部41aと後壁23Cの間に形成される隙間43の下端部をリブ23Uによって閉じることができる。
【0115】
このため、カバー部材23の天井壁23Aと断熱ブラケット41の天井壁41Aの間と、カバー部材23の後壁41Bと断熱ブラケット41の後壁41Bの間とに電装部品22の熱が回り込むことを防止できる。
【0116】
したがって、電装部品22の熱を断熱ブラケット41によって遮ってカバー部材23の天井壁23Aと後壁23Cに伝達されることを抑制でき、乗員が高温の電装部品22の熱の影響を受けることを抑制できる。
【0117】
また、電装部品22から発生される高温の空気の熱を、金属製の断熱ブラケット41から金属製の固定ブラケット21に伝達した後、前側クロスメンバ7A、後側クロスメンバ7Bおよびブラケット11を通してフロアパネル2に伝達し、フロアパネル2の下方に放熱できる。
【0118】
このように、本実施例の電装部品22の放熱構造は、冷却装置を不要にして電装部品22の放熱性能を向上でき、電装部品22の放熱構造の製造コストが増大することを抑制しつつ乗員が熱の影響を受けることを抑制できる。
【0119】
また、本実施例の電装部品22の断熱構造によれば、固定ブラケット21の載置面21aがフロアパネル2の上面2aよりも高い位置に位置しているので、載置部21Aの下方の空間に空気溜まりを形成できる。
【0120】
このため、電装部品22から発生する熱を載置部21Aの下方の空気溜まりに逃がすことができる。この結果、電装部品22の排熱性能を向上でき、電装部品22の温度が上昇することを抑制できる。
【0121】
また、本実施例の電装部品22の断熱構造によれば、カバー部材23の天井壁23Aと断熱ブラケット41の天井壁41Aの間に隙間42が形成されており、カバー部材23の後壁23Cと断熱ブラケット41の後壁41Bの間に隙間43が形成されている。
【0122】
これにより、カバー部材23の天井壁23Aと断熱ブラケット41の天井壁41Aの間の隙間42と、カバー部材23の後壁41Bと断熱ブラケット41の後壁41Bの間の隙間43とのそれぞれに空気溜まり(空気層)を形成することができる。
【0123】
このため、電装部品22から発生する熱を断熱ブラケット41によって遮ることに加えて、電装部品22から発生する熱が空気溜まりによって天井壁41Aの上方と後壁41Bの後方に伝達されることを抑制でき、乗員が高温の電装部品22の熱の影響を受けることをより効果的に抑制できる。
【0124】
また、本実施例の電装部品22の断熱構造は、固定ブラケット21は、載置部21Aの前端部21cに設けられた後側固定部21Dと、載置部21Aの他端部に設けられた前側固定部21Cとを有する。
【0125】
また、本実施例の電装部品22の断熱構造は、前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bとを有する。
【0126】
後側クロスメンバ7Bは、後側固定部21Dが固定される低位部7cを有する。前側クロスメンバ7Aは、低位部7cよりも高い位置に位置する上面7aを有し、上面7aに前側固定部21Cが固定されている。
【0127】
後壁23Cに対向する前壁23Bに前側開口部23bが設けられており、前側開口部23bは、上端部23dが載置面21aよりも上方に位置するように上下方向に開口している。
【0128】
後側固定部21Dは、載置部21Aの前端部21cから前側開口部23bを通して前壁23Bの外方に延びている。
【0129】
これに加えて、前壁23Bに仕切壁23Wが設けられており、仕切壁23Wは、前側開口部23bの上側部分を閉じている。
【0130】
これにより、電装部品22の熱が前側開口部23bを抜けて、助手席5の前方の空間や上方のシートクッション5Aに伝達されることを防止でき、助手席5の乗員が熱による影響を受けることを抑制できる。
【0131】
また、カバー部材23の内部の高温の空気は、金属製の断熱ブラケット41から金属製の固定ブラケット21を通してフロアパネル2に伝達された後、フロアパネル2の下方に放熱されるので、電装部品22の放熱性能を向上できる。
【0132】
また、本実施例の電装部品22の断熱構造によれば、載置面21aと仕切壁23Wの下端部23fが同じ高さ位置に位置している。
【0133】
これにより、載置部21Aの載置面21aと仕切壁23Wの下端部23fの間の隙間を通して前側開口部23bから電装部品22の熱が漏れ出ることを防止できる。
【0134】
このため、電装部品22の熱が前側開口部23bを抜けて、助手席5の前方の空間や上方のシートクッション5Aに伝達されることをより効果的に防止でき、助手席5の乗員が熱による影響を受けることをより効果的に抑制できる。
【0135】
本実施例の被固定部は、フロアパネル2の前側クロスメンバ7Aと後側クロスメンバ7Bから構成されているが、フロアパネル2と一体(一体成形)の部位であってもよい。
【0136】
電装部品としては、例えば、バッテリやDC-DCコンバータに適用可能である。しかしながら、バッテリやDC-DCコンバータに限定されるものではなく、車両1に搭載される電気的な部品であればなんでもよい。
【0137】
また、電装装置6は、助手席5のシートクッション5Aとフロアパネル2の間に設置されているが、運転席4のシートクッション4Aとフロアパネル2の間に設置されてもよい。
【0138】
また、断熱ブラケット41は、断熱部材側側壁として後壁41Bと左側壁41Cを有するが、断熱部材側側壁は、1つ以上あればよい。
【0139】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0140】
1...車両、2...フロアパネル、2a...上面(フロアパネルの上面)、7A...前側クロスメンバ(被固定部、第2の被固定部)、7a...上面(第2の被固定部位)、7B...後側クロスメンバ(被固定部、第1の被固定部)、7c...低位部(第1の被固定部位)、21...固定ブラケット(固定部材)、21A...載置部、21a...載置面、21C...前側固定部(第2の固定部)、21c...前端部(載置部の一端部)、21D...後側固定部(第1の固定部)、21d...後端部(載置部の他端部)、22...電装部品、23...カバー部材、23A...天井壁(カバー側天井壁)、23B...前壁(カバー側側壁、第2のカバー側側壁)、23b...前側開口部(開口部)、23C...後壁(カバー側側壁、所定のカバー側側壁、第1のカバー側側壁)、23D...左側壁(カバー側側壁)、23E...右側壁(カバー側側壁)、23f...下端部(仕切壁の下端部)、23S...リブ(第1の支持部)、23T...リブ(第2の支持部)、23U...リブ(第3の支持部)、23W...仕切壁、41...断熱ブラケット(断熱部材)、41A...天井壁(断熱部材側天井壁)、41a...下端部(断熱部材側側壁の延びる方向と直交する下端部)、41B...後壁(断熱部材側側壁)、41b...右端部(断熱部材側天井壁の延びる方向の一端部)、41c...右端部(断熱部材側側壁の延びる方向の一端部)、42,43...隙間