(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/20 20170101AFI20240910BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20240910BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240910BHJP
【FI】
G06T7/20 300Z
G06T7/60 110
F21V23/00 115
(21)【出願番号】P 2021034550
(22)【出願日】2021-03-04
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-145005(JP,A)
【文献】特開2017-84083(JP,A)
【文献】特開2020-184191(JP,A)
【文献】特開2020-45240(JP,A)
【文献】特開2021-28759(JP,A)
【文献】国際公開第2018/180588(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/011944(WO,A1)
【文献】特開2006-146378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
F21V 23/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間に配置される照明装置であって、
前記空間を照らす照明部と、
前記空間を撮像範囲とする撮像部とを有する照明装置と;
前記空間に滞在したユーザの過去の滞在時間を取得する取得部と、
前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記空間に滞在しているユーザを検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記ユーザのうち、複数の前記ユーザで行動するグループを特定する特定部と、
前記特定部による特定結果および前記取得部によって取得された前記過去の滞在時間に基づいて、前記空間における混雑状況を予測する予測部とを有する情報処理装置と;
を具備することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記空間に入室予定の前記ユーザを推定する推定部をさらに有し、
前記予測部は、
前記推定部の推定結果に基づいて前記混雑状況を予測すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記空間は、互いに出入り可能に連結された第1の個別空間および第2の個別空間を含み、
前記照明装置は、
前記第1の個別空間および前記第2の個別空間それぞれに配置され、
前記推定部は、
前記ユーザが前記第1の個別空間を退室して前記第2の個別空間に入室する場合に、前記第1の個別空間に配置された前記照明装置の前記撮像部によって撮像された画像に基づき推定した退室ユーザの数に基づいて、前記第2の個別空間へ入室予定のユーザの数を推定すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記検出部によって検出された前記ユーザの数に基づいて、前記照明装置の前記照明部および前記撮像部を制御する機器制御部をさらに有すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記機器制御部は、
前記ユーザの数が所定の閾値未満である場合、前記撮像部によって撮像される前記画像のデータ量を低下させること
を特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記機器制御部は、
前記画像のデータ量を低下させるタイミングにおいて、前記照明部の照明態様を変化させること
を特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記特定部は、
前記画像に基づいて推定した前記ユーザの密集度に基づいて、前記グループを特定すること
を特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記空間には、所定の対象物体が配置されており、
前記予測部は、
前記グループの前記対象物体への関与時間に基づいて前記混雑状況を予測すること
を特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項9】
所定の空間に滞在したユーザの過去の滞在時間を取得する取得工程と;
前記空間を撮像範囲とする撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記空間に滞在しているユーザを検出する検出工程と;
前記検出工程によって検出された前記ユーザのうち、複数の前記ユーザで行動するグループを特定する特定工程と;
前記特定工程による特定結果および前記取得工程によって取得された前記過去の滞在時間に基づいて、前記空間における混雑状況を予測する予測工程と;
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の壁面に取付けるタイプのいわゆるベースライトと呼ばれる照明装置がある。近年、かかる照明装置に、付加デバイスとしてたとえばカメラを取付けて周囲を撮像可能とした照明装置から撮像画像を取得して各種処理を行うシステムが提案されている。このシステムは、防犯カメラの機能を有する街路灯、工場での生産ラインの監視、あるいはオフィス内での従業員の状態監視などの用途に導入されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、所定の空間におけるユーザの行動を高精度に検出する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、所定の空間におけるユーザの行動を高精度に検出することができる情報処理システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理システムは、照明装置と、情報処理装置とを具備する。前記照明装置は、ユーザが存在する所定の空間に配置される照明装置であって、前記空間を照らす照明部と、前記空間を撮像範囲とする撮像部とを有する。前記情報処理装置は、前記撮像部の撮像画像に基づいて前記ユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する骨格検出部と、前記骨格情報に基づいて前記ユーザを識別する識別部と、前記撮像画像に基づいて、識別した前記ユーザの前記空間における行動に関する行動情報を検出する行動検出部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係る情報処理システムによって実行される処理の概要を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係る情報処理システムによって実行される処理の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1処理部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2処理部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、識別部による識別処理を示す図である。
【
図8】
図8は、推定部による推定処理を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る第1処理部において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る第2処理部において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で説明する情報処理システムSは、照明装置100と、情報処理装置1とを具備する。照明装置100は、ユーザが存在する所定の空間SPに配置される照明装置100であって、空間SPを照らす照明部110と、空間SPを撮像範囲とする撮像部120とを有する。情報処理装置1は、撮像部120の撮像画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する骨格検出部312と、骨格情報に基づいてユーザを識別する識別部313と、撮像画像に基づいて、識別したユーザの空間SPにおける行動に関する行動情報を検出する行動検出部314とを有する。
【0009】
以下で説明する情報処理装置1は、記憶部4を有する。記憶部4は、骨格情報およびユーザの識別情報を紐付けたユーザ情報42を記憶する。識別部313は、骨格検出部312によって検出された骨格情報と、ユーザ情報42とを照合することで、ユーザを識別する。
【0010】
以下で説明する情報処理装置1は、ユーザによって入力された属性情報を紐付けたユーザ情報42を記憶部4に記憶する。
【0011】
以下で説明する空間SPには、所定の対象物体が配置される。行動検出部314は、ユーザの対象物体への興味に関する情報を含む行動情報を検出する。
【0012】
以下で説明する行動検出部314は、ユーザの空間SPにおける滞在時間に関する情報を含む行動情報を検出する。
【0013】
以下で説明する空間SPは、複数の領域に区分けされる。行動検出部314は、領域毎の滞在時間に関する情報を含む行動情報を検出する。
【0014】
以下で説明する空間SPは、互いに出入り可能に連結された第1の個別空間および第2の個別空間を含む。照明装置100は、第1の個別空間および第2の個別空間それぞれに配置される。識別部313は、ユーザが第1の個別空間を退出して第2の個別空間に入室する場合に、第1の個別空間を退室した退室ユーザのユーザ情報に基づいて、入室ユーザを識別する。
【0015】
以下で説明する情報処理方法は、骨格検出工程と、識別工程と、行動検出工程とを含む。骨格検出工程は、ユーザが存在する所定の空間SPを撮像範囲とする撮像部120の撮像画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する。識別工程は、骨格情報に基づいてユーザを識別する。行動検出工程は、撮像画像に基づいて、識別したユーザの空間SPにおける行動に関する行動情報を検出する。
【0016】
以下で説明する情報処理システムSは、照明装置100と、情報処理装置1とを具備する。照明装置100は、所定の空間SPに配置される照明装置100であって、空間SPを照らす照明部110と、空間SPを撮像範囲とする撮像部120とを有する。情報処理装置1は、空間SPに滞在したユーザの過去の滞在時間を取得する取得部321と、撮像部120によって撮像された画像に基づいて、空間SPに滞在しているユーザを検出する検出部322と、検出部322によって検出されたユーザのうち、複数のユーザで行動するグループを特定する特定部323と、特定部323による特定結果および取得部321によって取得された過去の滞在時間に基づいて、空間SPにおける混雑状況を予測する予測部325とを有する。
【0017】
以下で説明する情報処理装置1は、空間SPに入室予定のユーザを推定する推定部324をさらに有する。予測部325は、推定部324の推定結果に基づいて混雑状況を予測する。
【0018】
以下で説明する空間SPは、互いに出入り可能に連結された第1の個別空間および第2の個別空間を含む。照明装置100は、第1の個別空間および第2の個別空間それぞれに配置される。推定部324は、ユーザが第1の個別空間を退室して第2の個別空間に入室する場合に、第1の個別空間に配置された照明装置100の撮像部120によって撮像された画像に基づき推定した退室ユーザの数に基づいて、第2の個別空間への入室予定のユーザの数を推定する。
【0019】
以下で説明する情報処理装置1は、検出部322によって検出されたユーザの数に基づいて、照明装置100の照明部110および撮像部120を制御する機器制御部326をさらに有する。
【0020】
以下で説明する機器制御部326は、ユーザの数が所定の閾値未満である場合、撮像部120によって撮像される画像のデータ量を低下させる。
【0021】
以下で説明する機器制御部326は、画像のデータ量を低下させるタイミングにおいて、照明部110の照明態様を変化させる。
【0022】
以下で説明する特定部323は、画像に基づいて推定したユーザの密集度に基づいて、グループを特定する。
【0023】
以下で説明する空間SPには、所定の対象物体が配置される。予測部325は、グループの対象物体への関与時間に基づいて混雑状況を予測する。
【0024】
以下で説明する情報処理方法は、取得工程と、検出工程と、特定工程と、予測工程とを含む。取得工程は、所定の空間SPに滞在したユーザの過去の滞在時間を取得する。検出工程は、空間SPを撮像範囲とする撮像部120によって撮像された画像に基づいて、空間SPに滞在しているユーザを検出する。特定工程は、検出工程によって検出されたユーザのうち、複数のユーザで行動するグループを特定する。予測工程は、特定工程による特定結果および取得工程によって取得された過去の滞在時間に基づいて、空間SPにおける混雑状況を予測する。
【0025】
以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理システムおよび情報処理方法について説明する。なお、以下に示す実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0026】
(実施形態)
まず、
図1Aおよび
図1Bを用いて、実施形態に係る情報処理システムSによって実行される処理の概要について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る情報処理システムSによって実行される処理の概要を示す図である。
【0027】
【0028】
図1Aに示す例では、空間SPに存在するユーザから検出される骨格情報を基に当該ユーザを識別することで、識別したユーザの行動を検出(分析)する。
【0029】
図1Aに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、少なくとも情報処理装置1と、照明装置100とを含んで構成される。また、情報処理装置1および照明装置100は、互いに通信可能に接続される。なお、情報処理システムSの詳細なシステム構成については、
図2で後述する。
【0030】
情報処理装置1は、例えば、照明装置100を管理する管理者が扱う端末装置であり、実施形態に係る情報処理方法を実行する。照明装置100は、例えば、空間SPの天井に配置されるベースタイプやラウンドタイプの照明装置である。照明装置100は、例えば、空間SP全体を照明可能、かつ、撮像可能な位置(例えば、空間SPの中央部)や、空間SPの出入り口(不図示)に配置される。
【0031】
図1Aに示すように、照明装置100は、照明部110と、撮像部120とを有する。照明部110は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有し、空間SPを照らす。撮像部120は、撮像素子を有したカメラであり、空間SPを撮像範囲として撮像する。
【0032】
実施形態に係る情報処理システムSでは、まず、照明装置100が撮像部120により空間SPを撮像する(ステップS1)。
【0033】
つづいて、照明装置100は、撮像した画像を情報処理装置1へ送信する(ステップS2)。
【0034】
つづいて、情報処理装置1は、取得した画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出し、骨格情報に基づいてユーザを識別する(ステップS3)。具体的には、情報処理装置1は、ユーザIDと骨格情報とが紐付いたデータベースであるユーザ情報を予め記憶しており、検出した骨格情報について、ユーザ情報の骨格情報と照合することでユーザを識別する。より具体的には、情報処理装置1は、ユーザ情報の中に、検出した骨格情報と一致する骨格情報が含まれるかを探索し、一致した骨格情報に対応するユーザIDを特定する。なお、情報処理装置1は、ユーザ情報の中に一致する骨格情報が存在しない場合には、検出した骨格情報に新たなユーザIDを紐付けてユーザ情報に登録する。なお、骨格情報は、ユーザの身体的な特徴点を線で繋いだ情報であるが、かかる点の詳細については、
図4で後述する。
【0035】
つづいて、情報処理装置1は、識別完了後、撮像部120によって撮像された画像に基づいて識別したユーザを追跡(空間SPにおける位置を検出)することで、ユーザの空間SPにおける行動検出を行う、詳細には、行動に関する行動情報を検出する(ステップS4)。例えば、情報処理装置1は、空間SPにおける滞在時間や、空間SPに存在する対象物体への興味に関する情報を行動情報として検出する。
【0036】
このように、実施形態に係る情報処理システムSによれば、骨格情報を基に識別したユーザの行動情報を検出することで、空間SPにおけるユーザの行動を高精度に検出することができる。
【0037】
【0038】
図1Bに示すように、情報処理装置1は、照明装置100の撮像部120によって撮像された画像を取得し、取得した画像に基づいて、空間SPに滞在しているユーザを検出する(ステップS11)。ユーザの検出は、例えば、パターンマッチング等の画像解析により検出してもよく、あるいは、上記した骨格情報を基に検出してもよい。
【0039】
つづいて、情報処理装置1は、検出したユーザのうち、複数のユーザで行動するグループを特定する(ステップS12)。なお、グループの特定方法の詳細については、後述する。
【0040】
つづいて、情報処理装置1は、グループの特定結果と、空間SPにおけるユーザ(退室済ユーザ)の過去の滞在時間とに基づいて、空間SPにおける混雑状況を予測する(ステップS13)。例えば、情報処理装置1は、特定したグループが同時に退室すると仮定して、空間SPの現在の混雑状況や、所定時間後の混雑状況、現在の混雑している場合に混雑が解消する時間等を予測する。
【0041】
これは、複数のユーザがグループで行動している場合には、グループに含まれる各ユーザの滞在時間に関わらずグループで同時に退室する可能性が高いため、グループの行動によって混雑状況の予測が大きく変動するためである。そのため、実施形態に係る情報処理システムSでは、空間SPに存在するグループを特定して混雑状況を予測することで、高精度に混雑状況を予測することができる。
【0042】
なお、
図1Bに示す例では、1つの空間SPにおける混雑状況を予測する場合を示したが、例えば、空間SPが複数の個別空間に分かれている場合には、個別空間毎の混雑状況を予測することができる。かかる場合には、隣接する個別空間の退室ユーザの数から対象の個別空間への入室ユーザの数を推定して混雑状況を予測できるが、かかる点については、
図7で後述する。
【0043】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の照明装置100と、読取端末200とを有する。情報処理装置1、複数の照明装置100および読取端末200は、所定の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続される。
【0044】
情報処理装置1は、例えば、照明装置100を管理する管理者によって利用される端末装置である。情報処理装置1は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)などを用いることができる。また、情報処理装置1は、クラウドコンピューティングや、サーバとして構成されてもよい。
【0045】
照明装置100は、例えば、空間SPの天井に取り付けられる照明装置である。照明装置100は、例えば、バータイプやラウンドタイプの照明装置を用いることができる。なお、照明装置100は、例えば、所定規格の電力を供給可能な通信ケーブルであるPoE(Power over Ethernet;登録商標)ケーブルにより情報処理装置1や、読取端末200、他の照明装置100と接続されてもよい。
【0046】
読取端末200は、ユーザの属性情報が埋め込まれた情報コードを読み取る読取装置であり、カードリーダーとも呼ばれる。情報コードは、例えば、1次元バーコードや、2次元バーコードである。読取端末200は、例えば、空間SPの入口や、空間SPの内部に配置され、情報コードが表示されたカードをユーザが所定位置にかざすことで読み取ることができる。
【0047】
次に、
図3を用いて、情報処理装置1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。通信部2は、無線通信処理や有線通信処理を行うための通信デバイスである。
【0048】
ここで、情報処理装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0049】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部3の第1処理部31および第2処理部32を実行する。
【0050】
また、制御部3の第1処理部31および第2処理部32の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0051】
また、記憶部4は、たとえば、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、画像情報41や、ユーザ情報42、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、情報処理装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0052】
記憶部4に記憶された画像情報41は、照明装置100の撮像部120によって撮像された撮像画像の履歴である。
【0053】
ユーザ情報42は、空間SPに出入りしたユーザに関する情報であり、制御部3によって生成される情報である。
図4は、ユーザ情報42の一例を示す図である。
【0054】
図4に示すように、ユーザ情報42は、「ユーザID」と、「骨格情報」と、「属性情報」と、「入室時刻」と、「退室時刻」と、「滞在時間」とが紐付いた情報である。
【0055】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「骨格情報」は、ユーザの骨格特徴を示す骨格情報である。
図4に示すように、「骨格情報」は、ユーザの身体的な特徴点(関節点等)を線で繋いだ情報である。
図4に示す例では、「骨格情報」は、頭、首、肩、肘、手首、腰、臀部、膝、足の甲を特徴点とする情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報であり、例えば、勤務先、部署、役職等の勤務先属性や、性別、年齢等といったユーザの人口統計学的な属性であるデモグラフィック属性、価値観や、ライフスタイル、性格、好み等といったユーザの心理学的な情報であるサイコグラフィック属性を含む。「入室時刻」は、空間SPや後述する個別空間I1~I3(
図7参照)、空間SPを区分けした領域へ入室した時刻を示す情報である。「退室時刻」は、空間SPや後述する個別空間I1~I3(
図7参照)、領域を退室した時刻を示す情報である。「滞在時間」は、空間SPや後述する個別空間I1~I3(
図7参照)、領域に滞在した時間であり、「入室時刻」から「退室時刻」までの期間である。
【0056】
なお、
図4では、「属性情報」、「入室時刻」、「退室時刻」および「滞在時間」を「#1」、「#2」、「#3」および「#4」として抽象的に示しているが、実際には上記した詳細な情報が含まれる。
【0057】
次に、制御部3の各機能(第1処理部31および第2処理部32)について説明する。
【0058】
まず、
図5を用いて、第1処理部31について説明する。
図5は、第1処理部31の機能構成例を示すブロック図である。第1処理部31は、
図1Aに示す処理を行う処理部であり、
図5に示すように、取得部311と、骨格検出部312と、識別部313と、行動検出部314とを有する。
【0059】
取得部311は、各種情報を取得する。取得部311は、例えば、照明装置100の撮像部120によって撮像された撮像画像を取得する。また、取得部311は、読取端末200によって読み取られたユーザの属性情報を取得する。
【0060】
骨格検出部312は、取得部311が取得した撮像画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する。具体的には、骨格検出部312は、撮像画像に基づいて、ユーザの身体的な特徴点を検出し、検出した特徴点を繋いだ骨格情報を検出する。なお、骨格情報は、
図4に示すような特徴点および線の情報であってもよく、あるいは、特徴点を示す座標情報と、接続先の特徴点を示す接続先情報とが紐付いたリスト情報であってもよい。なお、接続先情報には、接続先の特徴点と、かかる特徴点までの距離とが含まれる。
【0061】
識別部313は、骨格検出部312によって検出された骨格情報に基づいてユーザを識別する。具体的には、識別部313は、骨格検出部312によって検出された骨格情報と、記憶部4に記憶されたユーザ情報42の「骨格情報」とを照合することで、ユーザを識別する。
【0062】
例えば、識別部313は、ユーザ情報42の中に、骨格検出部312によって検出された骨格情報と一致する「骨格情報」が存在する場合、かかる「骨格情報」に対応する「ユーザID」を特定することで、ユーザを識別する。
【0063】
また、識別部313は、骨格検出部312によって検出された骨格情報と一致する「骨格情報」が存在しない場合、骨格検出部312によって検出された骨格情報に新たなユーザIDを紐付けてユーザ情報42に登録する。
【0064】
また、識別部313は、ユーザによって読取端末200を介して属性情報が入力された場合には、入力された属性情報を紐付けたユーザ情報42を記憶部4に記憶する。具体的には、識別部313は、取得部311が読取端末200からユーザの属性情報を取得した場合には、かかるユーザに対応するユーザIDのユーザ情報42に属性情報を紐付ける。
【0065】
例えば、識別部313は、撮像画像に基づいてユーザが読取端末200に情報コードをかざす動作を検出し、かざす動作を行ったユーザのユーザIDに属性情報を紐付ける。
【0066】
また、識別部313は、例えば、空間SPが複数の個別空間を含む場合に、隣接する個別空間の退室ユーザのユーザ情報42に基づいて、対象の個別空間への入室ユーザを識別する。かかる点について、
図7を用いて説明する。
【0067】
図7は、識別部313による識別処理を示す図である。
図7では、空間SPは、互いに出入り可能に連結された3つの個別空間I1~I3を含む場合を示している。
図7に示す例では、ユーザは、個別空間I1、個別空間I2、個別空間I3の順に一方通行で移動可能な例を示している。また、各個別空間I1~I3には、それぞれ照明装置100a~100cが配置されることとする。
【0068】
図7では、個別空間I2へ入室するユーザ(入室ユーザ)を識別する場合について説明する。かかる場合、識別部313は、まず、照明装置100aから取得される撮像画像に基づいて、個別空間I1(以下、第1の個別空間)を退室するユーザを特定する。具体的には、識別部313は、時系列の撮像画像に基づいて、個別空間I1の出口(個別空間I2の入口でもある)を出たユーザや、かかる出口のドアを開けたユーザを退室ユーザとして特定するとともに、退室ユーザのユーザIDを識別する。なお、
図7に示す例では、ユーザID「U01」、「U03」、「U08」のユーザが退室ユーザであることとする。
【0069】
つづいて、識別部313は、個別空間I2(以下、第2の個別空間)に配置された照明装置100bから取得した撮像画像に基づいて、第2の個別空間I2へ入室したユーザを特定する。具体的には、識別部313は、時系列の撮像画像に基づいて、個別空間I2の入口から入ってきたユーザを入室ユーザとして特定する。そして、識別部313は、骨格検出部312によって検出された入室ユーザの骨格情報と、ユーザ情報42とを照合する場合に、退室ユーザのユーザ情報42に限定して照合を行う。つまり、識別部313は、ユーザが第1の個別空間I1を退出して第2の個別空間I2に入室する場合に、第1の個別空間I1を退室した退室ユーザのユーザ情報42に基づいて、入室ユーザを識別する。これにより、すべてのユーザ情報42を用いて照合する必要がないため、制御部3の処理負荷を軽減することができるとともに、入室ユーザを高精度に識別することができる。
【0070】
行動検出部314は、照明装置100の撮像部120によって撮像された撮像画像に基づいて、識別部313によって識別されたユーザの空間SPにおける行動に関する行動情報を検出する。
【0071】
具体的には、行動検出部314は、時系列の撮像画像に基づいて、識別したユーザを追跡(空間SPにおけるユーザの位置履歴を検出)し、追跡結果に基づいて行動情報を検出する。
【0072】
行動検出部314は、例えば、ユーザの空間SPにおける滞在時間に関する情報を含む行動情報を検出する。また、行動検出部314は、空間SPが複数の個別空間で区分けされる場合には、個別空間毎に滞在時間を検出してもよい。また、行動検出部314は、1つの空間SPを仮想的に複数の領域に区分けして、領域毎の滞在時間を検出してもよい。これにより、例えば、展示会等の会場において、ユーザが空間SPや各個別空間、各領域にどの程度滞在したかを高精度に把握することができる。
【0073】
また、行動検出部314は、空間SPに所定の対象物体が配置される場合、ユーザの対象物体への興味に関する情報を含む行動情報を検出してもよい。例えば、行動検出部314は、ユーザの対象物体への接近回数や、対象物体付近での滞在時間に基づいて対象物体への興味を検出する。また、行動検出部314は、例えば、撮像画像に基づいて、パンフレット等の対象物体を取る動作を検出したか否かにより興味を検出してもよい。これにより、例えば、展示会等において、ユーザの展示物(対象物体の一例)への興味を高精度に把握することができる。なお、対象物体は、上記したように、例えば、展示場における展示物であるが、対象物体は、例えば、展示物について説明する説明員であってもよい。かかる場合、行動検出部314は、説明員に対応する展示物への興味を検出する。
【0074】
また、行動検出部314は、展示会における説明員を除いた来場者に限定して行動情報を検出してもよい。かかる場合、ユーザ情報42に説明員か否かの情報を紐付けしておき、識別部313は、骨格情報およびユーザ情報42に基づいて、ユーザが説明員であるか来場者であるかを識別する。そして、行動検出部314は、識別部313によって来場者として識別されたユーザの行動情報を検出する。
【0075】
これにより、行動情報の検出処理による制御部3の処理負荷を軽減することができる。
【0076】
なお、行動検出部314は、リアルタイムで行動情報を検出、すなわち、空間SPに現在存在しているユーザの行動情報を検出してもよく、事後的に、過去の撮像画像から行動情報を検出してもよい。
【0077】
次に、
図6を用いて、第2処理部32について説明する。
図6は、第2処理部32の機能構成例を示すブロック図である。第2処理部32は、
図1Bに示す処理を行う処理部であり、
図6に示すように、取得部321と、検出部322と、特定部323と、推定部324と、予測部325と、機器制御部326とを有する。
【0078】
取得部321は、各種情報を取得する。例えば、取得部321は、照明装置100の撮像部120によって撮像された撮像画像を取得する。また、取得部321は、既に空間SPを退室したユーザの過去の滞在時間を取得する。かかる滞在時間は、平均値であってもよく、滞在時間のヒストグラムにおける中央値や最頻値であってもよい。
【0079】
検出部322は、取得部321によって取得された撮像画像に基づいて、空間SPに現在滞在しているユーザを検出する。具体的には、検出部322は、空間SPに滞在しているユーザの数を検出する。
【0080】
特定部323は、検出部322によって検出されたユーザのうち、複数のユーザで行動するグループを特定する。例えば、特定部323は、各ユーザが読取端末200に情報コードをかざした時間(属性情報を取得した時間)および属性情報に基づいてグループを特定する。具体的には、特定部323は、属性情報が類似(例えば、勤務先が同じ等)し、かつ、情報コードをかざした時間が所定時間以内である複数のユーザをグループとして特定する。
【0081】
また、特定部323は、撮像画像に基づいて複数のユーザの密集度を推定し、推定した密集度に基づいてグループを特定してもよい。密集度は、例えば、ユーザ間の距離や、所定範囲内に存在するユーザの数に基づき算出可能である。
【0082】
また、特定部323は、時系列の撮像画像に基づいて、所定範囲内で密集して(密集度が所定の閾値以上の状態で)移動する複数のユーザをグループとして特定する。具体的には、特定部323は、展示場等の空間SPにおいて、所定の展示物へ密集して接近したり、密集して離れたりした複数のユーザをグループとして特定する。
【0083】
また、特定部323は、例えば、不図示のレーダ装置により検出されるユーザの体の向きが類似した方向で、かつ、所定範囲内にまとまっている複数のユーザをグループとして特定する。また、特定部323は、空間SPに設置された不図示のマイクの集音結果に基づき、会話している複数のユーザをグループとして特定する。
【0084】
推定部324は、空間SPに入室予定のユーザを推定する。具体的には、推定部324は、入室予定のユーザの数を推定する。例えば、推定部324は、空間SPの入口に設置された読取端末200に対して所定時間以内に情報コードをかざしたユーザを入室予定のユーザとして推定する。つまり、推定部324は、所定時間以内に読取端末200から属性情報を取得したユーザを入室予定のユーザとして推定する。
【0085】
また、推定部324は、複数の個別空間が連結した空間SPである場合、隣接する個別空間を退室した退室ユーザの数に基づいて、対象の個別空間へ入室予定のユーザの数を推定する。かかる点について、
図8を用いて説明する。
【0086】
図8は、推定部324による推定処理を示す図である。
図8では、空間SPは、互いに出入り可能に連結された3つの個別空間I1~I3を含む場合を示している。
図8に示す例では、ユーザは、個別空間I1、個別空間I2、個別空間I3の順に一方通行で移動可能な例を示している。また、各個別空間I1~I3には、それぞれ照明装置100a~100cが配置されることとする。
【0087】
推定部324は、例えば、ユーザが個別空間I1(以下、第1の個別空間)を退室して個別空間I2(以下、第2の個別空間)に入室する場合に、第1の個別空間I1に配置された照明装置100aから取得した撮像画像に基づいて推定した退室ユーザの数に基づいて、第2の個別空間I2への入室ユーザの数を推定する。
【0088】
具体的には、推定部324は、時系列の撮像画像に基づいて、個別空間I1の出口(個別空間I2の入口でもある)を出たユーザや、かかる出口のドアを開けたユーザを退室ユーザとして推定し、所定時間以内に退室した退室ユーザの数を計測する。
【0089】
つづいて、推定部324は、第1の個別空間I1の退室ユーザの数に基づいて、第2の個別空間I2の入室予定のユーザ(入室ユーザ)の数を推定する。具体的には、推定部324は、退室ユーザの数をそのまま入室ユーザの数として推定する。また、推定部324は、例えば、第2の個別空間I2に配置された照明装置3100bから取得した撮像画像に基づいて、第2の個別空間I2へ入室したユーザの検出数を特定し、検出数と退室ユーザの数との比較結果に基づいて、入室ユーザを推定してもよい。かかる場合、推定部324は、検出数と退室ユーザの数とが一致する場合には、検出数をそのまま入室ユーザとして推定し、一致しない場合には、例えば、検出数および退出ユーザの数の平均値を入室ユーザの数として推定する。
【0090】
予測部325は、空間SPにおける混雑状況を予測する。予測部325は、例えば、空間SPにおけるユーザ数が所定の閾値以上である場合に、空間SPが混雑していると予測する。また、予測部325は、空間SPが混雑している場合に、空間SPの過去の滞在時間に基づいて、混雑がどの程度継続するかを予測する。すなわち、予測部325は、各ユーザが過去の滞在時間と同じだけ滞在すると仮定し、各ユーザの現在の滞在時間と、過去の滞在時間との差分により、各ユーザがあとどの程度滞在するかを予測することで、混雑の継続時間(言い換えれば、混雑解消までの時間)を予測する。
【0091】
また、予測部325は、特定部323の特定結果および取得部321によって取得された過去の滞在時間に基づいて混雑状況を予測する。具体的には、予測部325は、空間SPにグループが存在する場合、かかるグループを1ユーザとみなして混雑状況を予測する。すなわち、予測部325は、グループの現在の滞在時間と、ユーザの過去の滞在時間との差分により、グループがあとどの程度滞在するかを予測することで、混雑状況を予測する。かかる場合の混雑状況は、グループが存在している個別空間の混雑状況であってもよく、グループが存在している個別空間の次の個別空間の混雑状況であってもよい。なお、グループの現在の滞在時間は、グループに含まれるユーザの滞在時間の平均値や、最高値(最も長い滞在時間)、最低値(最も短い滞在時間)を用いることができる。また、グループの現在の滞在時間は、グループに含まれるユーザのうち、役職が最も高いユーザの滞在時間を用いてもよい。
【0092】
なお、上記では、グループがあとどの程度空間SPに滞在するかの時間(滞在予定時間)は、現在の滞在時間および過去の滞在時間の差分により算出したが、例えば、空間SPに所定の対象物体が存在する場合には、かかる対象物体への関与時間を考慮してもよい。すなわち、予測部325は、グループの対象物体への関与時間に基づいて混雑状況を予測する。関与時間とは、例えば、説明員と会話している時間(説明員付近に滞在している時間)や、展示物を見ている時間(展示物付近に滞在している時間)である。例えば、予測部325は、関与時間が所定の閾値(過去の関与時間等)以上である場合には、上記した差分で算出した滞在予定時間よりも長い時間となるような係数で補正する。
【0093】
また、予測部325は、推定部324の推定結果に基づいて、混雑状況を予測する。例えば、予測部325は、推定部324によって推定された入室予定のユーザの数に基づいて、所定時間後の混雑状況を予測する。例えば、予測部325は、所定時間後に所定数のユーザが入室を予定している場合に、現在の滞在しているユーザの数に入室予定のユーザの数を加えたユーザの数が所定の閾値以上であるか否かを判定することで混雑状況を予測する。
【0094】
機器制御部326は、検出部322によって検出されたユーザの数に基づいて、照明装置100の照明部110および撮像部120を制御する。例えば、機器制御部326は、検出されたユーザの数が所定の閾値未満である場合、撮像部120によって撮像される撮像画像のデータ量を低下させる。より具体的には、機器制御部326は、ユーザの数が所定の閾値未満、すなわち、混雑していない場合、照明装置100から情報処理装置1への撮像画像の送信間隔を広くする。これは、取得部321や検出部322が時系列の撮像画像の時間差分によりユーザを追跡して滞在時間を算出する場合に、ユーザの数が多ければ送信間隔を短くして詳細にユーザを追跡する必要があるが、ユーザの数が少なければ送信間隔が広くなったとしてもユーザの追跡を行えるためである。このため、機器制御部326の制御によれば、ユーザの追跡精度(滞在時間の算出精度)を保ちつつ、データ送信量を削減することができる。
【0095】
なお、機器制御部326は、送信間隔を広くする場合に限らず、撮像間隔(フレームレート)を広くしてもよい。あるいは、機器制御部326は、撮像画像の画質(解像度等)を低下させることで、データ量を低下させてもよい。
【0096】
また、機器制御部326は、撮像画像のデータ量を低下させるタイミングにおいて、照明部110の照明態様を変化させてもよい。例えば、機器制御部326は、照明部110の照度を変化させたり、点滅させたりしてもよい。これにより、照明装置100を管理する管理者がデータ量を低下させるタイミングを把握することができる。また、事後的に時系列の撮像画像を確認する場合に、確認者がデータ量が低下していることを撮像画像を見ることで容易に把握することができる。
【0097】
次に、
図9および
図10を用いて、実施形態に係る情報処理装置1において実行される処理の処理手順について説明する。
図9は、実施形態に係る第1処理部31において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10は、実施形態に係る第2処理部32において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0098】
まず、
図9を用いて、第1処理部31の処理手順について説明する。
【0099】
図9に示すように、第1処理部31は、まず、照明装置100の撮像部120によって撮像された撮像画像を取得する(ステップS101)。
【0100】
つづいて、第1処理部31は、取得した撮像画像に基づいて、ユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する(ステップS102)。
【0101】
つづいて、第1処理部31は、検出した骨格情報と、記憶部4に記憶されたユーザ情報42とを照合する(ステップS103)。
【0102】
第1処理部31は、照合処理において、ユーザ情報42の中に、骨格情報が一致するユーザが存在するか否かを判定する(ステップS104)。
【0103】
第1処理部31は、ユーザ情報42の中に、骨格情報が一致するユーザが存在する場合(ステップS104:Yes)、ユーザの識別を完了し(ステップS105)、識別したユーザの行動情報を検出する(ステップS106)。
【0104】
一方、第1処理部31は、ユーザ情報42の中に、骨格情報が一致するユーザが存在しない場合(ステップS104:No)、検出した骨格情報に新たなユーザIDを付与してユーザ情報42に登録する(ステップS107)。
【0105】
つづいて、第1処理部31は、ステップS107において登録したユーザによって読取端末200での情報の読取が行われたか否かを判定する(ステップS108)。
【0106】
第1処理部31は、情報の読取があった場合(ステップS108:Yes)、読み取った情報をステップS107で登録したユーザIDのユーザ情報42に紐付けて(ステップS109)、ステップS105に移行する。
【0107】
一方、第1処理部31は、情報の読取が無かった場合(ステップS108:No)、ステップS105に移行する。
【0108】
次に、
図10を用いて、第2処理部32の処理手順について説明する。
【0109】
図10に示すように、第2処理部32は、まず、照明装置100の撮像部120によって撮像された撮像画像を取得する(ステップS201)。
【0110】
つづいて、第2処理部32は、取得した撮像画像に基づいて、空間SPに存在するユーザを検出する(ステップS202)。
【0111】
つづいて、第2処理部32は、検出したユーザのうち、複数のユーザで行動するグループを特定する(ステップS203)。
【0112】
つづいて、第2処理部32は、空間SPに滞在したユーザの過去の滞在時間を取得する(ステップS204)。
【0113】
つづいて、第2処理部32は、空間SPに入室予定のユーザの数を推定する(ステップS205)。
【0114】
つづいて、第2処理部32は、グループの情報と、過去の滞在時間と、入室予定のユーザ数とに基づいて空間SPにおける混雑状況を予測し(ステップS206)、処理を終了する。
【0115】
上述したように、実施形態に係る情報処理システムSは、照明装置100と、情報処理装置1とを具備する。照明装置100は、ユーザが存在する所定の空間SPに配置される照明装置100であって、空間SPを照らす照明部110と、空間SPを撮像範囲とする撮像部120とを有する。情報処理装置1は、撮像部120の撮像画像に基づいてユーザの骨格特徴を示す骨格情報を検出する骨格検出部312と、骨格情報に基づいてユーザを識別する識別部313と、撮像画像に基づいて、識別したユーザの空間SPにおける行動に関する行動情報を検出する行動検出部314とを有する。これにより、空間SPにおけるユーザの行動を高精度に検出することができる。
【0116】
また、実施形態に係る情報処理システムSは、照明装置100と、情報処理装置1とを具備する。照明装置100は、所定の空間SPに配置される照明装置100であって、空間SPを照らす照明部110と、空間SPを撮像範囲とする撮像部120とを有する。情報処理装置1は、空間SPに滞在したユーザの過去の滞在時間を取得する取得部321と、撮像部120によって撮像された画像に基づいて、空間SPに滞在しているユーザを検出する検出部322と、検出部322によって検出されたユーザのうち、複数のユーザで行動するグループを特定する特定部323と、特定部323による特定結果および取得部321によって取得された過去の滞在時間に基づいて、空間SPにおける混雑状況を予測する予測部325とを有する。これにより、高精度に混雑状況を予測することができる。
【0117】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 第1処理部
32 第2処理部
41 画像情報
42 ユーザ情報
100 照明装置
110 照明部
120 撮像部
200 読取端末
311 取得部
312 骨格検出部
313 識別部
314 行動検出部
321 取得部
322 検出部
323 特定部
324 推定部
325 予測部
326 機器制御部
3100b 照明装置
N 通信ネットワーク
S 情報処理システム
SP 空間