(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01V 8/20 20060101AFI20240910BHJP
H01H 35/00 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
G01V8/20 Z
H01H35/00 N
(21)【出願番号】P 2021035466
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 実
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-223237(JP,A)
【文献】特開2016-021646(JP,A)
【文献】特開2009-088842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0147244(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00 - 99/00
H01H 35/00
H03K 17/78 - 17/795
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得する第1取得手段と、
受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する第2取得手段と、
前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得する第3取得手段と、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記第3情報で示された配置が、前記投光不定範囲に前記受光部が位置するという条件と、前記受光不定範囲に前記投光部が位置するという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定する判定手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1情報は、複数の投光部を有する投光器に関する情報であり、
前記第2情報は、複数の受光部を有する受光器に関する情報であり、
前記第3情報は、前記投光器と前記受光器の配置を示す情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記投光部のモードとして、前記投光部からの光の強度が互いに異なる複数のモードが存在し、
前記第1情報は、前記複数のモードにそれぞれ対応する複数の投光不定範囲を示し、
前記判定手段は、前記投光部のモードに応じて、使用する投光不定範囲を前記複数の投光不定範囲の間で切り替える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1情報は、前記投光部からの光が届く投光範囲と、前記投光部からの光が届かない非投光範囲とをさらに示し、
前記第2情報は、前記受光部が受光可能な受光範囲と、前記受光部が受光不可能な非受光範囲とをさらに示す
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受光部は、前記投光部からの光を受けるためのものであり、
前記判定手段は、前記第3情報で示された配置が、前記投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受光部は、前記投光部からの光を受けるためのものではなく、
前記判定手段は、前記第3情報で示された配置が、前記非投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記非受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との両方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受光部のモードとして、前記投光部からの光を受ける受光モードと、受光しない非受光モードとを含む複数のモードが存在し、
前記判定手段は、
前記受光モードが設定されている場合には、前記第3情報で示された配置が、前記投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との少なくとも一方を満たせば、誤動作の可能性があると判定し、
前記非受光モードが設定されている場合には、前記第3情報で示された配置が、前記
非投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記非受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との両方を満たせば、誤動作の可能性があると判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第3情報は、前記投光部と前記受光部とは異なる物体の配置をさらに示し、
前記判定手段は、前記投光部から見て前記物体の後ろ側の範囲が、前記投光部からの光が届かない非投光範囲となるように前記第1情報を補正した上で、誤動作の可能性の有無を判定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部に表示する表示制御手段
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得する第1取得手段と、
受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する第2取得手段と、
前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得する第3取得手段と、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部に表示する表示制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得するステップと、
受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得するステップと、
前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得するステップと、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記第3情報で示された配置が、前記投光不定範囲に前記受光部が位置するという条件と、前記受光不定範囲に前記投光部が位置するという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定するステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得するステップと、
受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得するステップと、
前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得するステップと、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部に表示するステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光部と受光部の位置決めなどの設計を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
危険領域への作業者の侵入や、搬送物の通過などを検知するためのセンシングシステムとして、セーフティライトカーテンを含むシステムが知られている。セーフティライトカーテンは、複数の投光部を有する投光器と、複数の受光部を有する受光器(センサ)とを含む。セーフティライトカーテンに関する従来技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1投光部からの光を第1受光部で検知したい場合に、第1投光部や第1受光部などの位置に依っては、所望の投光・受光が行われないことがある。例えば、第1投光部からの光が第1受光部に届かなかったり、第1投光部からの光が第1受光部とは異なる第2受光部に届いたり、第1投光部とは異なる第2投光部からの光が第1受光部に届いたりする。具体的には、複数のセーフティライトカーテンを使用する場合に、セーフティライトカーテンの投光部からの光が別のセーフティライトカーテンの受光部に届くことがある(セーフティライトカーテン間の相互干渉)。そして、所望の投光・受光が行われないと、物体(危険領域に侵入する作業者や、通過する搬送物など)の誤検知や検知漏れなどの誤動作が生じてしまう。
【0005】
従来は、セーフティライトカーテンなどを実際に設置・稼働して、所望の投光・受光が行われるかを確認していたため、確認が容易ではなかった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、投光部と受光部の好適な配置を容易に決定することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の第一側面は、投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得する第1取得手段と、受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する第2取得手段と、前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得する第3取得手段と、前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記第3情報で示された配置が、前記投光不定範囲に前記受光部が位置するという条件と、前記受光不定範囲に前記投光部が位置するという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定する判定手段とを有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0009】
第1情報は、例えば、投光部からの距離と投光部の光軸からの角度とで投光不定範囲を示す。第2情報は、例えば、受光部の光軸からの角度で受光不定範囲を示す。第3情報は、例えば、投光部と受光部の位置と向きを三次元的に示す情報であり、具体的には三次元
CADデータなどである。光軸からの角度の代わりに、光軸を中心とした角度(光軸からの角度の2倍)を使用してもよい。
【0010】
投光不定範囲に受光部が位置する場合と、受光不定範囲に投光部が位置する場合とにおいて、受光部は、投光部からの光を検知したり、検知しなかったりする。そのため、物体(危険領域に侵入する作業者や、通過する搬送物など)の誤検知や検知漏れなどの誤動作が生じることがある。上述した構成によれば、情報処理により、投光不定範囲に受光部が位置するという条件と、受光不定範囲に投光部が位置するという条件との少なくとも一方が満たされる場合に、誤動作の可能性があると判定される。こうすることで、ユーザは、投光部や受光部などを実際に設置・稼働することなく、情報処理の結果(誤動作の可能性の有無)を確認しながら、投光部と受光部の好適な配置を容易に決定することができる。
【0011】
例えば、投光部は、セーフティライトカーテンの投光部であり、受光部は、セーフティライトカーテンの受光部である。そのため、前記第1情報は、複数の投光部を有する投光器に関する情報であり、前記第2情報は、複数の受光部を有する受光器に関する情報であり、前記第3情報は、前記投光器と前記受光器の配置を示す情報であるとしてもよい。
【0012】
前記投光部のモードとして、前記投光部からの光の強度が互いに異なる複数のモードが存在し、前記第1情報は、前記複数のモードにそれぞれ対応する複数の投光不定範囲を示し、前記判定手段は、前記投光部のモードに応じて、使用する投光不定範囲を前記複数の投光不定範囲の間で切り替えるとしてもよい。こうすることで、ユーザは、投光部と受光部の好適な配置だけでなく、投光部の好適なモードも容易に決定することができる。
【0013】
前記第1情報は、前記投光部からの光が届く投光範囲と、前記投光部からの光が届かない非投光範囲とをさらに示し、前記第2情報は、前記受光部が受光可能な受光範囲と、前記受光部が受光不可能な非受光範囲とをさらに示すとしてもよい。第1情報は、例えば、投光部からの距離と投光部の光軸からの角度とで投光範囲および非投光範囲を示す。第2情報は、例えば、受光部の光軸からの角度で受光範囲および非受光範囲を示す。
【0014】
上述したように、投光不定範囲に受光部が位置する場合と、受光不定範囲に投光部が位置する場合とにおいて、受光部は、投光部からの光を検知したり、検知しなかったりする。さらに、非投光範囲に受光部が位置する場合と、非受光範囲に投光部が位置する場合とにおいて、受光部は、投光部からの光を検知しない。そのため、前記受光部は、前記投光部からの光を受けるためのものであり、前記判定手段は、前記第3情報で示された配置が、前記投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定するとしてもよい。
【0015】
上述したように、非投光範囲に受光部が位置する場合と、非受光範囲に投光部が位置する場合とにおいて、受光部は、投光部からの光を検知しない。それら以外の場合(非投光範囲に受光部が位置せず、且つ、非受光範囲に投光部が位置しない場合)には、受光部は、投光部からの光を検知することがある。そのため、前記受光部は、前記投光部からの光を受けるためのものではなく、前記判定手段は、前記第3情報で示された配置が、前記非投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記非受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との両方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定するとしてもよい。
【0016】
前記受光部のモードとして、前記投光部からの光を受ける受光モードと、受光しない非受光モードとを含む複数のモードが存在し、前記判定手段は、前記受光モードが設定されている場合には、前記第3情報で示された配置が、前記投光範囲に前記受光部が位置しな
いという条件と、前記受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との少なくとも一方を満たせば、誤動作の可能性があると判定し、前記非受光モードが設定されている場合には、前記第3情報で示された配置が、前記非投光範囲に前記受光部が位置しないという条件と、前記非受光範囲に前記投光部が位置しないという条件との両方を満たせば、誤動作の可能性があると判定するとしてもよい。
【0017】
投光部からの光は物体によって遮られることがある。そのため、前記第3情報は、前記投光部と前記受光部とは異なる物体の配置をさらに示し、前記判定手段は、前記投光部から見て前記物体の後ろ側の範囲が、前記投光部からの光が届かない非投光範囲となるように前記第1情報を補正した上で、誤動作の可能性の有無を判定するとしてもよい。ここでの物体は、検知の対象となる物体(作業者や搬送物など)ではなく、例えば搬送物を送るベルトコンベアなどである。
【0018】
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部に表示する表示制御手段をさらに有するとしてもよい。こうすることによる効果については、後述する。
【0019】
本発明の第二側面は、投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得する第1取得手段と、受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する第2取得手段と、前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得する第3取得手段と、前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0020】
上述した構成によれば、投光部に対して配置された投光不定範囲と受光部に対して配置された受光不定範囲とが表示される。こうすることで、ユーザは、投光部や受光部などを実際に稼働することなく、表示された画像を確認しながら、投光部と受光部の好適な配置を容易に決定することができる。具体的には、ユーザは、投光不定範囲に受光部が位置するという条件も、受光不定範囲に投光部が位置するという条件も満たされないように、投光部と受光部の配置を容易に決定することができる。投光部と受光部は、投光不定範囲および受光不定範囲と同様に、モデル(非実物)であってもよい。こうすることで、ユーザは、投光部や受光部などを実際に設置・稼働することなく、投光部と受光部の好適な配置を容易に決定することができる。AR(Augmented Reality)メガネなどにおいて、実物である投光部に対して投光不定範囲が配置され、実物である受光部に対して受光不定範囲が配置されてもよい。投光範囲や非投光範囲、受光範囲、非受光範囲などがさらに表示されてもよい。
【0021】
なお、本発明は、上記構成ないし機能の少なくとも一部を有する情報処理システムとして捉えることができる。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む、情報処理方法や、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、又は、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。上記構成及び処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、投光部と受光部の好適な配置を容易に決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明が適用された情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、セーフティライトカーテンの一例を示す模式図である。
【
図4】
図4Aは、投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲の一例を示す模式図であり、
図4Bは、受光範囲、受光不定範囲、及び、非受光範囲の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係るPC(情報処理装置)の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6Aは、ショートモードでの投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲の一例を示す模式図であり、
図6Bは、ロングモードでの受光範囲、受光不定範囲、及び、非受光範囲の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲の補正例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態2に係るPC(情報処理装置)の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態2に係るPC(情報処理装置)の処理フローの変形例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態3に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態3に係る表示例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、実施形態3に係るPC(情報処理装置)の処理フロー例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<適用例>
本発明の適用例について説明する。
【0025】
危険領域への作業者の侵入や、搬送物の通過などを検知するためのセンシングシステムとして、セーフティライトカーテンを含むシステムが知られている。セーフティライトカーテンは、複数の投光部を有する投光器と、複数の受光部を有する受光器(センサ)とを含む。
【0026】
第1投光部からの光を第1受光部で検知したい場合に、第1投光部や第1受光部などの位置に依っては、所望の投光・受光が行われないことがある。例えば、第1投光部からの光が第1受光部に届かなかったり、第1投光部からの光が第1受光部とは異なる第2受光部に届いたり、第1投光部とは異なる第2投光部からの光が第1受光部に届いたりする。具体的には、複数のセーフティライトカーテンを使用する場合に、セーフティライトカーテンの投光部からの光が別のセーフティライトカーテンの受光部に届くことがある(セーフティライトカーテン間の相互干渉)。そして、所望の投光・受光が行われないと、物体(危険領域に侵入する作業者や、通過する搬送物など)の誤検知や検知漏れなどの誤動作が生じてしまう。
【0027】
従来は、セーフティライトカーテンなどを実際に設置・稼働して、所望の投光・受光が行われるかを確認していたため、確認が容易ではなかった。
【0028】
図1は、本発明が適用された情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、第1取得部101、第2取得部102、第3取得部103、及び、判定部104を有する。第1取得部101は、投光部からの光が届くか否かが定まってい
ない投光不定範囲を示す第1情報を取得する。第2取得部102は、受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する。第3取得部103は、投光部と受光部の配置を示す第3情報を取得する。判定部104は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、第3情報で示された配置が、投光不定範囲に受光部が位置するという条件と、受光不定範囲に投光部が位置するという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定する。第1取得部101は第1取得手段の一例であり、第2取得部102は第2取得手段の一例であり、第3取得部103は第3取得手段の一例であり、判定部104は判定手段の一例である。
【0029】
投光不定範囲に受光部が位置する場合と、受光不定範囲に投光部が位置する場合とにおいて、受光部は、投光部からの光を検知したり、検知しなかったりする。そのため、物体(危険領域に侵入する作業者や、通過する搬送物など)の誤検知や検知漏れなどの誤動作が生じることがある。上述した構成によれば、情報処理により、投光不定範囲に受光部が位置するという条件と、受光不定範囲に投光部が位置するという条件との少なくとも一方が満たされる場合に、誤動作の可能性があると判定される。こうすることで、ユーザは、投光部や受光部などを実際に設置・稼働することなく、情報処理の結果(誤動作の可能性の有無)を確認しながら、投光部と受光部の好適な配置を容易に決定することができる。
【0030】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について説明する。
【0031】
図2は、実施形態1に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。情報処理システムは、記憶装置10、PC200(パーソナルコンピュータ;情報処理装置)、及び、表示装置30を有する。記憶装置10とPC200は有線または無線で互いに接続されており、PC200と表示装置30は有線または無線で互いに接続されている。記憶装置10は、第1情報や第2情報、第3情報などの種々の情報を記憶する。記憶装置10は、例えば、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどである。PC200は、記憶装置10から第1情報、第2情報、及び、第3情報を取得し、それらの情報に基づいて誤動作の可能性の有無を判定する。そして、PC200は、判定結果(誤動作の可能性の有無)などを表示装置30に表示する。表示装置30は、種々の画像や情報を表示する。表示装置30は、例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置などである。
【0032】
なお、実施形態1では、記憶装置10および表示装置30がPC200とは別体の装置であるとするが、記憶装置10および表示装置30の少なくとも一方はPC200の一部であってもよい。また、判定結果(誤動作の可能性の有無)を表示装置30に表示することでユーザに通知する例を説明するが、判定結果は、音声の出力や、ランプの点灯などでユーザに通知してもよい。
【0033】
PC200は、入力部210、制御部220、記憶部230、及び、出力部240を有する。
【0034】
入力部210は、第1情報や第2情報、第3情報などの種々の情報を、記憶装置10から取得する。例えば、入力部210は入力端子である。
【0035】
制御部220は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含み、各構成要素の制御や、各種情報処理などを行う。実施形態1では、制御部220は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて誤動作の可能性の有無を判定する。
【0036】
記憶部230は、制御部220で実行されるプログラムや、制御部220で使用される各種データなどを記憶する。例えば、記憶部230は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、等の補助記憶装置である。
【0037】
出力部240は、制御部220の判定結果(誤動作の可能性の有無)などを表示装置30に出力する。これにより、判定結果(誤動作の可能性の有無)などが表示装置30に表示される。例えば、出力部240は出力端子である。
【0038】
制御部220について、より詳細に説明する。制御部220は、第1取得部221、第2取得部222、第3取得部223、及び、判定部224を有する。第1取得部221は、入力部210を介して記憶装置10から第1情報を取得する。第2取得部222は、入力部210を介して記憶装置10から第2情報を取得する。第3取得部223は、入力部210を介して記憶装置10から第3情報を取得する。判定部224は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて誤動作の可能性の有無を判定し、判定結果(誤動作の可能性の有無)などを出力部240を介して表示装置30に出力する。第1取得部221は第1取得手段の一例であり、第2取得部222は第2取得手段の一例であり、第3取得部223は第3取得手段の一例であり、判定部224は判定手段の一例である。
【0039】
実施形態1において、例えば、投光部は、セーフティライトカーテンの投光部であり、受光部は、セーフティライトカーテンの受光部である。そのため、第1情報は、複数の投光部を有する投光器に関する情報であり、第2情報は、複数の受光部を有する受光器に関する情報であり、第3情報は、投光器と受光器の配置を示す情報であるとしてもよい。
図3は、セーフティライトカーテンの一例を示す模式図である。上述したように、セーフティライトカーテンは、複数の投光部41を有する投光器40と、複数の受光部51を有する受光器50とを含む。
【0040】
図4Aは、投光部41からの光が届く投光範囲、投光部41からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲、及び、投光部41からの光が届かない非投光範囲の一例を示す模式図である。投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲は特に限定されないが、
図4Aでは、投光範囲と投光不定範囲は、投光部41の光軸を中心として、投光部41から遠ざかるにつれ広がる略円錐状の範囲である。
図4Aが平面図であるため、
図4Aでは投光範囲と投光不定範囲は三角形で示されている。そして、非投光範囲は、投光範囲と投光不定範囲以外の領域(投光不定範囲の外側の領域)である。
【0041】
実施形態1では、第1情報は、投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲を示す。第1情報は、例えば、投光部41からの距離と投光部41の光軸からの角度とで投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲を示す。光軸からの角度の代わりに、光軸を中心とした角度(光軸からの角度の2倍)を使用してもよい。
【0042】
図4Bは、受光部51が受光可能な受光範囲、受光部51が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲、及び、受光部51が受光不可能な非受光範囲の一例を示す模式図である。受光範囲、受光不定範囲、及び、非受光範囲は特に限定されないが、
図4Bでは、受光範囲と受光不定範囲は、受光部51の光軸を中心として、受光部51から遠ざかるにつれ広がる略円錐状の範囲である。そして、非受光範囲は、受光範囲と受光不定範囲以外の領域(受光不定範囲の外側の領域)である。なお、
図4Aに示すように、投光部41の光軸に沿って投光部41から離れた2つの位置が投光範囲および投光不定範囲の端となるが、
図4Bに示すように、受光範囲および受光不定範囲にそのような端は存在しない。
【0043】
実施形態1では、第2情報は、受光範囲、受光不定範囲、及び、非受光範囲を示す。第2情報は、例えば、受光部51の光軸からの角度とで受光範囲、受光不定範囲、及び、非
受光範囲を示す。光軸からの角度の代わりに、光軸を中心とした角度(光軸からの角度の2倍)を使用してもよい。
【0044】
第3情報は、例えば、投光部41と受光部51の位置と向きを三次元的に示す情報であり、具体的には三次元CADデータなどである。
【0045】
受光部51のモードとして、投光部41からの光を受ける受光モードと、受光しない非受光モード(ブランキングモード)とを含む複数のモードが存在する。また、投光部41と受光部51の組み合わせには、同じセーフティライトカーテンに含まれる投光部41と受光部51の組み合わせや、異なるセーフティライトカーテンに含まれる投光部41と受光部51の組み合わせなどがある。投光部41と受光部51が同じセーフティライトカーテンに含まれる場合には、受光モードの受光部51は投光部41からの光を受けるために使用される。投光部41を含むセーフティライトカーテンと受光部51を含むセーフティライトカーテンとが異なる場合には、受光モードの受光部51は投光部41からの光を受けるためには使用されず、別の投光部からの光を受けるために使用される。
【0046】
ここで、受光部51のモードが受光モードであり且つ投光部41と受光部51とが同じセーフティライトカーテンに含まれる場合を考える。その場合には、受光部51が投光部41からの光を検知できなければ、誤動作が生じてしまう。投光部41の投光不定範囲に受光部51が位置する場合と、受光部51の受光不定範囲に投光部41が位置する場合とにおいては、受光部51は、投光部41からの光を検知したり、検知しなかったりする。そして、投光部41の非投光範囲に受光部51が位置する場合と、受光部51の非受光範囲に投光部41が位置する場合とにおいて、受光部51は、投光部41からの光を検知しない。そのため、投光部41の投光範囲に受光部51が位置しないという条件と、受光部51の受光範囲に投光部41が位置しないという条件との少なくとも一方が満たされる場合に、誤動作の可能性があると判定するとよい。
【0047】
次に、受光部51のモードが非受光モードである場合と、投光部41と受光部51とが異なるセーフティライトカーテンに含まれる場合とを考える。それらの場合には、受光部51が投光部41からの光を検知すると、誤動作が生じてしまう。投光部41の非投光範囲に受光部51が位置する場合と、受光部51の非受光範囲に投光部41が位置する場合とにおいて、受光部51は、投光部41からの光を検知しない。それら以外の場合(投光部41の非投光範囲に受光部51が位置せず、且つ、受光部51の非受光範囲に投光部41が位置しない場合)には、受光部51は、投光部41からの光を検知することがある。そのため、投光部41の非投光範囲に受光部51が位置しないという条件と、受光部51の非受光範囲に投光部41が位置しないという条件との両方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定するとよい。
【0048】
図5は、PC200の処理フロー例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、第1取得部221、第2取得部222、及び、第3取得部223は、入力部210を介して記憶装置10から第1情報、第2情報、及び、第3情報を取得する(ステップS501)。
【0050】
次に、判定部224は、第3情報で示された投光部41と受光部51の組み合わせを選択する(ステップS502)。1つのセーフティライトカーテンにおいて、複数の投光部41と複数の受光部51はそれぞれ対応し、投光部41からの光は、対応しない受光部51に届くことがある。但し、一般的に、複数の投光部41と複数の受光部51との間で、投光と受光の同期がとられており、受光部51は、対応しない投光部41からの光を検知することはない。ステップS502では、異なるセーフティライトカーテンの投光部41
と受光部51の組み合わせは全て選択されるが、1つのセーフティライトカーテンについては互いに対応する投光部41と受光部51の組み合わせのみが選択されるとする。
【0051】
次に、判定部224は、ステップS502で選択した受光部51のモードがブランキングモード(非受光モード)であるか否かを判定する(ステップS503)。受光部51のモードの情報は、例えば、第3情報に含まれていたり、第1~第3情報とは別に取得されたりする。受光部51のモードがブランキングモードであると判定された場合(ステップS503:YES)には、ステップS507に処理が進められる。受光部51のモードがブランキングモードでない(受光モードである)と判定された場合(ステップS503:NO)には、ステップS504に処理が進められる。
【0052】
ステップS504では、判定部224は、ステップS502で選択した投光部41と受光部51が同じセーフティライトカーテン(SLC)に含まれるか否かを判定する。投光部41、受光部51、及び、セーフティライトカーテンの対応関係の情報は、例えば、第3情報に含まれていたり、第1~第3情報とは別に取得されたりする。投光部41と受光部51が同じセーフティライトカーテンに含まれる場合(ステップS504:YES)には、ステップS505に処理が進められる。投光部41と受光部51が異なるセーフティライトカーテンに含まれる場合(ステップS504:NO)には、ステップS507に処理が進められる。
【0053】
ステップS505,S506の処理は、受光部51のモードが受光モードであり且つ投光部41と受光部51とが同じセーフティライトカーテンに含まれる場合に行われる。
【0054】
ステップS505では、判定部224は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、ステップS502で選択した受光部51が、ステップS502で選択した投光部41の投光範囲に位置するか否かを判定する。受光部51が投光範囲に位置すると判定された場合(ステップS505:YES)にはステップS506に処理が進められ、受光部51が投光範囲に位置しないと判定された場合(ステップS505:NO)にはステップS510に処理が進められる。
【0055】
ステップS506では、判定部224は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、ステップS502で選択した投光部41が、ステップS502で選択した受光部51の受光範囲に位置するか否かを判定する。投光部41が受光範囲に位置すると判定された場合(ステップS506:YES)にはステップS509に処理が進められ、投光部41が受光範囲に位置しないと判定された場合(ステップS506:NO)にはステップS510に処理が進められる。
【0056】
ステップS507,S508の処理は、受光部51のモードがブランキングモード(非受光モード)である場合に行われる。ステップS507,S508の処理は、投光部41と受光部51とが異なるセーフティライトカーテンに含まれる場合にも行われる。
【0057】
ステップS507では、判定部224は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、ステップS502で選択した受光部51が、ステップS502で選択した投光部41の非投光範囲に位置するか否かを判定する。受光部51が非投光範囲に位置すると判定された場合(ステップS507:YES)にはステップS509に処理が進められ、受光部51が非投光範囲に位置しないと判定された場合(ステップS507:NO)にはステップS508に処理が進められる。
【0058】
ステップS508では、判定部224は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、ステップS502で選択した投光部41が、ステップS502で選択した受光部5
1の非受光範囲に位置するか否かを判定する。投光部41が非受光範囲に位置すると判定された場合(ステップS508:YES)にはステップS509に処理が進められ、投光部41が非受光範囲に位置しないと判定された場合(ステップS508:NO)にはステップS510に処理が進められる。
【0059】
ステップS509では、判定部224は、誤動作の可能性は無いと判定する。ステップS510では、判定部224は、誤動作の可能性があると判定する。ステップS509またはステップS510の処理の後、ステップS511に処理が進められる。
【0060】
ステップS511では、判定部224は、投光部41と受光部51の全ての組み合わせを選択したか否かを判定する。全ての組み合わせを選択したと判定された場合(ステップS511:YES)にはステップS512に処理が進められ、未選択の組み合わせがあると判定された場合(ステップS511:NO)にはステップS502に処理が戻される。
【0061】
ステップS512では、判定部224は、判定結果(誤動作の可能性の有無)をユーザに通知する。具体的には、判定部224は、判定結果などを出力部240を介して表示装置30に出力する。これにより、判定結果などが表示装置30に表示される。
【0062】
以上述べたように、実施形態1によれば、情報処理により誤動作の可能性の有無が判定され、判定結果がユーザに通知される。こうすることで、ユーザは、投光部41や受光部51などを実際に設置・稼働することなく、情報処理の結果(誤動作の可能性の有無)を確認しながら、投光部41と受光部51の好適な配置を容易に決定することができる。
【0063】
なお、投光部41のモードとして、投光部41からの光の強度が互いに異なる複数のモードが存在してもよい。その場合には、
図6A,6Bに示すように、第1情報は、複数のモードにそれぞれ対応する複数の範囲(複数の投光範囲、複数の投光不定範囲、及び、複数の非投光範囲)を示してもよい。
図6Aは、投光部41からの光の強度が低いショートモードを示し、
図6Bは、投光部41からの光の強度が高いロングモードを示す。判定部224は、投光部41のモードに応じて、使用する範囲(投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲)を上記複数の範囲の間で切り替えてもよい。こうすることで、ユーザは、投光部41と受光部51の好適な配置だけでなく、投光部41の好適なモードも容易に決定することができる。
【0064】
また、受光しない(受光してはならない)モードをブランキングモード(非受光モード)としたが、ブランキングモードは受けた光を無視するモードであってもよい。そのような場合には、ステップS507~S510の処理を省略して、ステップS503からステップS511に処理を進めればよい。
【0065】
<実施形態2>
本発明の実施形態2について説明する。実施形態2において、情報処理システムは
図2に示す構成を有する。
【0066】
図7に示すように、投光部41からの光は物体70によって遮られることがある。実施形態2では、第3情報は、投光部41と受光部51とは異なる物体70の配置をさらに示す。そして、判定部224は、投光部41から見て物体70の後ろ側の範囲が非投光範囲となるように第1情報を補正した上で、誤動作の可能性の有無を判定する。補正前の投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲は、
図4Aに示されており、
図7は、補正後の投光範囲、投光不定範囲、及び、非投光範囲を示す。物体70は、検知の対象となる物体(作業者や搬送物など)ではなく、例えば搬送物を送るベルトコンベアなどである。
【0067】
図8は、PC200の処理フロー例を示すフローチャートである。
図8において、
図5と同じ処理には
図5と同じ符号が付されている。
図8の処理フローでは、ステップS501の処理とステップS502の処理との間に、ステップS800の処理が行われる。ステップS800では、判定部224は、第3情報に基づいて、投光部41から見て物体70の後ろ側の範囲が非投光範囲となるように第1情報を補正する。
【0068】
以上述べたように、実施形態2によれば、投光部41から見て物体70(遮光物体)の後ろ側の範囲が非投光範囲となるように第1情報を補正した上で、誤動作の可能性の有無が判定される。こうすることで、誤動作の可能性の有無をより高精度に判定することができる。
【0069】
なお、意図的に遮光物体によって遮光された場合には、受光部51が受光しないのが正しい動作となり、受光部51が受光するのが誤動作となる。そのため、
図8の処理フローを
図9のように変形してもよい。
図9において、
図8と同じ処理には
図8と同じ符号が付されている。
図9の処理フローでは、
図8のステップS505の処理が、ステップS900の処理に変更されている。
【0070】
ステップS900では、判定部224は、第1情報(補正後)、第2情報、及び、第3情報に基づいて、ステップS502で選択した受光部51が、ステップS502で選択した投光部41の非投光範囲に位置するか否かを判定する。受光部51が非投光範囲に位置すると判定された場合(ステップS900:YES)にはステップS506に処理が進められ、受光部51が非投光範囲に位置しないと判定された場合(ステップS900:NO)にはステップS510に処理が進められる。
【0071】
ステップS900の判定は、受光部51で受光されていた光が遮光物体によって遮光されたか否かの判定とも言える。遮光物体によって遮光された場合には、正しい動作であるため、ステップS506に処理が進められる。遮光物体によって遮光されなかった場合には、誤動作であるため、ステップS510に処理が進められる。
【0072】
ここで、ステップS900のタイミングでは、遮光物体による遮光の前に投光部41からの光が受光部51で受光されていたか否かはわからない。そこで、
図9の処理フローでは、
図8のステップS506の処理は変更せずに行う。ステップS506の判定は、遮光物体による遮光の前に投光部41からの光が受光部51で受光されていたか否かの判定とも言える。
【0073】
<実施形態3>
本発明の実施形態3について説明する。実施形態1,2では、誤動作の可能性の有無を判定して、判定結果をユーザに通知した。実施形態3では、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、投光部41に対して配置された投光不定範囲と受光部51に対して配置された受光不定範囲とを、表示装置30(表示部)に表示する。
【0074】
図10は、実施形態3に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図10において、実施形態1,2(
図2)と同じ構成要素には、
図2と同じ符号が付されている。
【0075】
情報処理システムは、記憶装置10、PC1000(パーソナルコンピュータ;情報処理装置)、及び、表示装置30を有する。記憶装置10とPC1000は有線または無線で互いに接続されており、PC1000と表示装置30は有線または無線で互いに接続されている。PC1000は、記憶装置10から第1情報、第2情報、及び、第3情報を取得し、それらの情報に基づいて表示装置30の表示を制御する。PC1000は、入力部
210、制御部1020、記憶部230、及び、出力部240を有する。制御部1020は、第1取得部221、第2取得部222、第3取得部223、及び、表示制御部1024を有する。
【0076】
表示制御部1024は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、投光部41に対して配置された投光不定範囲と受光部51に対して配置された受光不定範囲とを、表示装置30に表示する。例えば、表示制御部1024は、投光部41、受光部51、投光不定範囲、及び、受光不定範囲を表す画像データを、出力部240を介して表示装置30に出力する。これにより、投光部41、受光部51、投光不定範囲、及び、受光不定範囲が表示装置30に表示される。
図11は、投光部41、受光部51、投光不定範囲、及び、受光不定範囲の表示例を示す模式図である。表示制御部1024は表示制御手段の一例である。
【0077】
図12は、PC1000の処理フロー例を示すフローチャートである。
図12において、
図5と同じ処理には
図5と同じ符号が付されている。
図12の処理フローでは、ステップS501の処理(第1~第3情報の取得)の次に、ステップS1200の処理が行われる。ステップS1200では、表示制御部1024は、第1情報、第2情報、及び、第3情報に基づいて、投光部41に対して配置された投光不定範囲と受光部51に対して配置された受光不定範囲とを、表示装置30に表示する。
【0078】
以上述べたように、実施形態3によれば、投光部41に対して配置された投光不定範囲と受光部51に対して配置された受光不定範囲とが表示される。こうすることで、ユーザは、投光部41や受光部51などを実際に稼働することなく、表示された画像を確認しながら、投光部41と受光部51の好適な配置を容易に決定することができる。具体的には、ユーザは、投光不定範囲に受光部51が位置するという条件も、受光不定範囲に投光部41が位置するという条件も満たされないように、投光部41と受光部51の配置を容易に決定することができる。
【0079】
なお、投光部41と受光部51は、投光不定範囲および受光不定範囲と同様に、モデル(非実物)であってもよい。その場合は、投光部41、受光部51、投光不定範囲、及び、受光不定範囲が表示される。こうすることで、ユーザは、投光部41や受光部51などを実際に設置・稼働することなく、投光部41と受光部51の好適な配置を容易に決定することができる。AR(Augmented Reality)メガネなどにおいて、実物である投光部41に対して投光不定範囲が配置され、実物である受光部51に対して受光不定範囲が配置されてもよい。その場合は、投光部41と受光部51は表示されない。投光範囲や非投光範囲、受光範囲、非受光範囲などがさらに表示されてもよい。
【0080】
<その他>
上記実施形態は、本発明の構成例を例示的に説明するものに過ぎない。本発明は上記の具体的な形態には限定されることはなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、実施形態1,2の判定・通知と、実施形態3の表示との両方が行われてもよい。
【0081】
<付記1>
投光部(41)からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得する第1取得手段(101,221)と、
受光部(51)が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する第2取得手段(102,222)と、
前記投光部(41)と前記受光部(51)の配置を示す第3情報を取得する第3取得手段(103,223)と、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記第3情報で示された配置が、前記投光不定範囲に前記受光部(51)が位置するという条件と、前記受光不定範囲に前記投光部(41)が位置するという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定する判定手段(104,224)と
を有することを特徴とする情報処理装置(100,200)。
【0082】
<付記2>
投光部(41)からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得する第1取得手段(221)と、
受光部(51)が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得する第2取得手段(222)と、
前記投光部(41)と前記受光部(51)の配置を示す第3情報を取得する第3取得手段(223)と、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部(41)に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部(51)に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部(30)に表示する表示制御手段(1024)と
を有することを特徴とする情報処理装置(1000)。
【0083】
<付記3>
投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得するステップ(S501)と、
受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得するステップ(S501)と、
前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得するステップ(S501)と、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記第3情報で示された配置が、前記投光不定範囲に前記受光部が位置するという条件と、前記受光不定範囲に前記投光部が位置するという条件との少なくとも一方を満たす場合に、誤動作の可能性があると判定するステップ(S510)と
を有することを特徴とする情報処理方法。
【0084】
<付記4>
投光部からの光が届くか否かが定まっていない投光不定範囲を示す第1情報を取得するステップ(S501)と、
受光部が受光可能か否かが定まっていない受光不定範囲を示す第2情報を取得するステップ(S501)と、
前記投光部と前記受光部の配置を示す第3情報を取得するステップ(S501)と、
前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報に基づいて、前記投光部に対して配置された前記投光不定範囲と前記受光部に対して配置された前記受光不定範囲とを、表示部に表示するステップ(S1200)と
を有することを特徴とする情報処理方法。
【符号の説明】
【0085】
100:情報処理装置
101:第1取得部 102:第2取得部 103:第3取得部 104:判定部
200:PC(情報処理装置)
210:入力部 220:制御部 230:記憶部 240:出力部
221:第1取得部 222:第2取得部 223:第3取得部 224:判定部
1000:PC(情報処理装置) 1020:制御部 1024:表示制御部
10:記憶装置 30:表示装置
40:投光器 41:投光部 50:受光器 51:受光部 70:物体