(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】交差点管制システム、交差点管制方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/07 20060101AFI20240910BHJP
G08G 1/08 20060101ALI20240910BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G08G1/07 C
G08G1/08 A
G08G1/08 C
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2021038864
(22)【出願日】2021-03-11
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】長井 学
(72)【発明者】
【氏名】本田 大作
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 英
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-126294(JP,A)
【文献】特開2008-003952(JP,A)
【文献】特開2003-217086(JP,A)
【文献】特開2011-065556(JP,A)
【文献】特開平11-175896(JP,A)
【文献】特開2020-166412(JP,A)
【文献】特開2020-067743(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0193813(US,A1)
【文献】特開2004-326172(JP,A)
【文献】特開2008-261746(JP,A)
【文献】特開2006-053123(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103680162(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106846833(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶する記憶部であって、各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含み、各許可軌道情報は、車両が交差点を通過する際の前記車両の許可された走行軌道を示す情報であり、各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉しない、記憶部と、
前記複数の交差点管制情報を用いて前記交差点への前記車両の進入を管制する管制部と、
を備え、
前記管制部は、
前記交差点近傍の複数の車両の、前記交差点を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得し、
前記複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を前記複数の交差点管制情報から選択し、
選択した前記交差点管制情報を、前記交差点近傍の前記複数の車両に送信し、
前記交差点に接続する複数の道路のうち何れか1つの道路を歩行者が横断することを予測する横断予測部を更に備え、
前記管制部は、前記横断予測部が前記歩行者の横断を予測した場合、前記歩行者の横断を妨害しないように、前記歩行者が横断する道路の通行を禁止
し、
各交差点管制情報は、ビット配列で構成されており、
各交差点管制情報が含む各許可軌道情報は、前記ビット配列のインデックスとその値によって表現され、
前記ビット配列のインデックス毎に、前記交差点の入口側の道路の道路IDと、前記交差点の出口側の道路の道路IDと、が定義されている、
交差点管制システム。
【請求項2】
請求項1に記載の交差点管制システムであって、
各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに合流も交差もしない、
交差点管制システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の交差点管制システムであって、
前記走行軌道情報は、前記交差点を通過する前に前記車両が走行する道路を示す通過前道路識別情報と、前記交差点を通過した後に前記車両が走行する道路を示す通過後道路識別情報と、を含む、
交差点管制システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の交差点管制システムであって、
前記走行軌道情報は、前記交差点を通過する前に前記車両が走行する方角を示す通過前方角識別情報と、前記交差点を通過した後に前記車両が走行する方角を示す通過後方角識別情報と、を含む、
交差点管制システム。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか1項に記載の交差点管制システムであって、
前記管制部は、前記交差点を通過している車両がいない場合、前記交差点に接近する前記複数の車両のうち最も早く前記交差点に到達する車両の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を選択する、
交差点管制システム。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか1項に記載の交差点管制システムであって、
前記管制部は、現在選択している前記交差点管制情報と異なる交差点管制情報を選択する場合、前記交差点への進入を禁止する進入禁止情報を前記交差点近傍の前記複数の車両に送信し、所定時間経過後、新たに選択した交差点管制情報を前記交差点近傍の前記複数の車両に送信する、
交差点管制システム。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか1項に記載の交差点管制システムであって、
前記管制部は、前記交差点の通過が禁止されて前記交差点の手前で待機している車両がある場合、現在選択している前記交差点管制情報と異なる交差点管制情報を選択する際に、当該待機している車両が前記交差点を通過できる交差点管制情報を選択する、
交差点管制システム。
【請求項8】
互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶する記憶部であって、各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含み、各許可軌道情報は、車両が交差点を通過する際の前記車両の許可された走行軌道を示す情報であり、各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉しない、記憶部と、
前記複数の交差点管制情報を用いて前記交差点への前記車両の進入を管制する管制部と、
を備え、
前記管制部は、
前記交差点近傍の複数の車両の、前記交差点を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得し、
前記複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を前記複数の交差点管制情報から選択し、
選択した前記交差点管制情報を、前記交差点近傍の前記複数の車両に送信し、
前記管制部は、前記交差点に緊急車両が接近している場合、前記緊急車両の通過を妨害しない交差点管制情報を選択
し、
各交差点管制情報は、ビット配列で構成されており、
各交差点管制情報が含む各許可軌道情報は、前記ビット配列のインデックスとその値によって表現され、
前記ビット配列のインデックス毎に、前記交差点の入口側の道路の道路IDと、前記交差点の出口側の道路の道路IDと、が定義されている、
交差点管制システム。
【請求項9】
互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶することと、
前記複数の交差点管制情報を用いて交差点への車両の進入を管制することと、
を含み、
各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含み、各許可軌道情報は、前記車両が交差点を通過する際の前記車両の許可された走行軌道を示す情報であり、各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉せず、
前記管制することは、前記交差点近傍の複数の車両の、前記交差点を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得し、前記複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を前記複数の交差点管制情報から選択し、選択した前記交差点管制情報を、前記交差点近傍の前記複数の車両に送信することであり、
更に、
前記交差点に接続する複数の道路のうち何れか1つの道路を歩行者が横断することを予測することを含み、
前記管制することは、前記歩行者の横断を予測した場合、前記歩行者の横断を妨害しないように、前記歩行者が横断する道路の通行を禁止することであ
り、
各交差点管制情報は、ビット配列で構成されており、
各交差点管制情報が含む各許可軌道情報は、前記ビット配列のインデックスとその値によって表現され、
前記ビット配列のインデックス毎に、前記交差点の入口側の道路の道路IDと、前記交差点の出口側の道路の道路IDと、が定義されている、
交差点管制方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の交差点管制方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点管制システム、交差点管制方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、交差点に設置された複数の交通信号灯器を制御する交通信号制御システムを開示している。具体的には、交差点に接続された複数の道路のそれぞれに複数の車両感知器を設置し、複数の車両感知器から出力された感知信号に基づいて、複数の交通信号灯器の制御に適した制御パターンを選択するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の交通信号制御システムでは、交差点に進入できる車両の台数を増やすために、交差点において互いに交差するような複数の走行軌道を許可している。従って、交差点を通過するに際し、他の車両との衝突を回避する高度な制御が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、交差点に同時に進入する複数の車両間の衝突を低コストで回避しつつ、交差点に同時に進入できる車両の台数を増やす技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の観点によれば、互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶する記憶部であって、各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含み、各許可軌道情報は、車両が交差点を通過する際の前記車両の許可された走行軌道を示す情報であり、各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉しない、記憶部と、前記複数の交差点管制情報を用いて前記交差点への前記車両の進入を管制する管制部と、を備え、前記管制部は、前記交差点近傍の複数の車両の、前記交差点を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得し、前記複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を前記複数の交差点管制情報から選択し、選択した前記交差点管制情報を、前記交差点近傍の前記複数の車両に送信する、交差点管制システムが提供される。以上の構成によれば、交差点に同時に進入する複数の車両間の衝突を低コストで回避しつつ、交差点に同時に進入できる車両の台数を増やすことができる。
各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに合流も交差もしない。以上の構成によれば、交差点に同時に進入する複数の車両間の衝突を回避することができる。
前記走行軌道情報は、前記交差点を通過する前に前記車両が走行する道路を示す通過前道路識別情報と、前記交差点を通過した後に前記車両が走行する道路を示す通過後道路識別情報と、を含む。
前記走行軌道情報は、前記交差点を通過する前に前記車両が走行する方角を示す通過前方角識別情報と、前記交差点を通過した後に前記車両が走行する方角を示す通過後方角識別情報と、を含む。
前記管制部は、前記交差点を通過している車両がいない場合、前記交差点に接近する前記複数の車両のうち最も早く前記交差点に到達する車両の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を選択する。以上の構成によれば、複数の車両が交差点に同時に接近しており、複数の車両の走行軌道情報のすべてを同時に満たす交差点管制情報が存在しない場合に、交差点に進入させることを許可する車両を安価な計算コストで選択することができる。
前記管制部は、現在選択している前記交差点管制情報と異なる交差点管制情報を選択する場合、前記交差点への進入を禁止する進入禁止情報を前記交差点近傍の前記複数の車両に送信し、所定時間経過後、新たに選択した交差点管制情報を前記交差点近傍の前記複数の車両に送信する。以上の構成によれば、交差点管制情報を切り替えるに際し、交差点内の車両を完全に排除することができる。
前記交差点に接続する複数の道路のうち何れか1つの道路を歩行者が横断することを予測する横断予測部を更に備え、前記管制部は、前記横断予測部が前記歩行者の横断を予測した場合、前記歩行者の横断を妨害しないように、前記歩行者が横断する道路の通行を禁止する。以上の構成によれば、歩行者の横断が優先される。
前記管制部は、前記交差点の通過が禁止されて前記交差点の手前で待機している車両がある場合、現在選択している前記交差点管制情報と異なる交差点管制情報を選択する際に、当該待機している車両が前記交差点を通過できる交差点管制情報を選択する。以上の構成によれば、交差点の手前で待機している車両の待機時間を短くすることができる。
前記管制部は、前記交差点に緊急車両が接近している場合、前記緊急車両の通過を妨害しない交差点管制情報を選択する。以上の構成によれば、緊急車両が交差点の手前で待機することなく、交差点を通過できるようになる。
本願発明の第2の観点によれば、互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶することと、前記複数の交差点管制情報を用いて前記交差点への前記車両の進入を管制することと、を含み、各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含み、各許可軌道情報は、車両が交差点を通過する際の前記車両の許可された走行軌道を示す情報であり、各交差点管制情報の前記複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉せず、前記管制することは、前記交差点近傍の複数の車両の、前記交差点を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得し、前記複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を前記複数の交差点管制情報から選択し、選択した前記交差点管制情報を、前記交差点近傍の前記複数の車両に送信することである、交差点管制方法が提供される。以上の方法によれば、交差点に同時に進入する複数の車両間の衝突を低コストで回避しつつ、交差点に同時に進入できる車両の台数を増やすことができる。
コンピュータに、上記の交差点管制方法を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、交差点に同時に進入する複数の車両間の衝突を低コストで回避しつつ、交差点に同時に進入できる車両の台数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】複数の車両が交差点に接近している様子を示す平面図である。
【
図5】交差点管制情報のビット配列を示す図である。
【
図6】管制No.1の交差点管制情報を可視化した図である。
【
図7】管制No.5の交差点管制情報を可視化した図である。
【
図8】管制No.9の交差点管制情報を可視化した図である。
【
図9】管制No.13の交差点管制情報を可視化した図である。
【
図10】管制No.15の交差点管制情報を可視化した図である。
【
図11】管制No.17の交差点管制情報を可視化した図である。
【
図15】補正された交差点管制情報を可視化した図である。
【
図17】交差点管制情報のビット配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本願発明の実施形態を説明する。
図1は、交差点1に向かって複数の車両2が走行している様子を示している。即ち、
図1において、複数の車両2は、交差点1の近傍において、交差点1に接近している。以下、説明の便宜上、南進して交差点1に接近する車両2を車両2Nとも称する。同様に、東進して交差点1に接近する車両2を車両2Wとも称する。また、説明の便宜上、車両2Nは、交差点1において左折し、車両2Wは、交差点1において右折するものとする。複数の車両2は、何れも自動運転制御により走行する車両である。しかし、複数の車両2は、乗員によって運転されてもよい。
図1に示すように、交差点1の近傍には、交差点管制装置3が設けられている。
【0010】
交差点管制装置3は、交差点管制システムの一具体例である。交通システム4は、交差点管制装置3と、交差点1近傍の複数の車両2と、を含む。交差点管制装置3は、単体の装置によって実現されてもよいし、複数の装置を用いた分散処理により実現されてもよい。
【0011】
交差点管制装置3と複数の車両2は、例えばWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの無線通信技術により双方向通信可能に構成されている。
【0012】
図2に、車両2の機能ブロック図を示している。
図2に示すように、車両2は、中央演算処理器としてのCPU2a(Central Processing Unit)と、読み書き自由のRAM2b(Random Access Memory)、読み出し専用のROM2c(Read Only Memory)を備えている。車両2は、更に、GPSモジュール2d(Global Positioning System)、タッチパネル2e、ディスプレイ2fを有する。タッチパネル2eとディスプレイ2fは、典型的には互いに重ねられて一体的に構成されている。そして、CPU2aがROM2cに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することで、制御プログラムは、CPU2aなどのハードウェアを各種機能部として機能させる。
【0013】
各種機能部は、地図情報記憶部10、目的地情報取得部11、現在地情報取得部12、経路情報生成部13、自動運転制御部14、車速情報取得部15、車両情報送信部16、交差点管制情報受信部17、交差点進入可否判定部18を含む。
【0014】
地図情報記憶部10は、地図情報を記憶する。地図情報は、典型的には、道路の特徴点を表すノード情報と、2つのノードを連結して道路の形状を表すリンク情報と、を含む。道路の特徴点とは、交差点を含む。
【0015】
目的地情報取得部11は、タッチパネル2eを介して入力された目的地情報を取得する。
【0016】
現在地情報取得部12は、GPSモジュール2dを用いて、車両2の現在地情報を取得する。GPSモジュール2dは、GNSSモジュール(Global Navigation Satellite System)の一具体例である。GNSSモジュールの具体例としては、GLONASSモジュール(Global Navigation Satellite System)、Galileoモジュール、BeiDouモジュール、QZSSモジュール(Quasi-Zenith Satellite System)が挙げられる。現在地情報取得部12は、無線基地局から受信する信号の信号強度や、無線基地局から発せられるビーコンに基づいて、車両2の現在地情報を推定して取得してもよい。
【0017】
経路情報生成部13は、地図情報記憶部10に記憶されている地図情報を参照し、目的地情報取得部11が取得した目的地情報と、現在地情報取得部12が取得した現在地情報と、に基づいて現在地から目的地までの経路情報を生成する。
【0018】
経路情報には、複数の走行軌道情報を含む。複数の走行軌道情報は、車両2が通過する複数の交差点に対して一対一で対応している。
【0019】
各走行軌道情報は、対応する交差点を通過する際の車両2の走行軌道を示す。各走行軌道情報は、典型的には、交差点を通過する前に車両2が走行する方角を示す通過前方角識別情報と、交差点を通過した後に車両2が走行する方角を示す通過後方角識別情報と、を含む。例えば、
図1に示す車両2Nは交差点1で左折するので、交差点1に対応する走行軌道情報の通過前方角識別情報は「南」となり、通過後方角識別情報は「東」となる。
【0020】
これに代えて、各走行軌道情報は、交差点1を通過する前に車両2が走行する道路を示す通過前道路識別情報と、交差点1を通過した後に車両2が走行する道路を示す通過後道路識別情報と、を含んでもよい。例えば、
図1に示す車両2Nは交差点1で左折するので、交差点1から北方に延びる道路の道路IDが「No.1234」であり、交差点1から東方に延びる道路の道路IDが「No.2345」である場合、交差点1に対応する走行軌道情報の通過前道路識別情報は「1234」となり、通過後道路識別情報は「2345」となる。
【0021】
自動運転制御部14は、経路情報生成部13が生成した経路情報に従って、車両2の走行を制御する。
【0022】
車速情報取得部15は、車両2の車速を検出する車速センサーからの検出信号に基づいて、車両2の車速情報を取得する。
【0023】
車両情報送信部16は、現在地情報取得部12が取得した現在地情報、及び、車速情報取得部15が取得した車速情報を交差点管制装置3に所定のインターバルで送信する。所定のインターバルとは、例えば1秒であるがこれに限定されない。車両情報送信部16は、更に、現在接近している交差点1に対応する走行軌道情報を交差点管制装置3に送信する。
【0024】
交差点管制情報受信部17は、交差点管制装置3から交差点管制情報を受信する。交差点管制情報は、交差点1に設置された交通信号灯器のように、交差点1における車両2の許可された走行軌道を示す情報である。詳細は後述する。
【0025】
交差点進入可否判定部18は、交差点管制情報受信部17が受信した交差点管制情報に基づいて、交差点1への進入の可否を判定する。自動運転制御部14は、交差点進入可否判定部18による判定結果に基づいて、車両2を交差点1に進入させたり、車両2を交差点1の手前で待機させたりする。
【0026】
図3に、交差点管制装置3の機能ブロック図を示している。
図3に示すように、交差点管制装置3は、中央演算処理器としてのCPU3a(Central Processing Unit)と、読み書き自由のRAM3b(Random Access Memory)、読み出し専用のROM3c(Read Only Memory)を備えている。交差点管制装置3には、交差点1、及び、交差点1近傍の車両2、交差点1近傍で道路を横断する歩行者を撮像するカメラ22が接続されている。そして、CPU3aがROM3cに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することで、制御プログラムは、CPU3aなどのハードウェアを、交差点管制情報記憶部20及び交差点管制部21として機能させる。交差点管制情報記憶部20は、記憶部の一具体例である。交差点管制部21は、管制部の一具体例である。
【0027】
交差点管制情報記憶部20は、互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶する。各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含む。各許可軌道情報は、車両2が交差点1を通過する際の車両2の許可された走行軌道を示す情報である。各交差点管制情報に含まれる複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉しないように設定されている。ここで、「互いに干渉しない」とは、「互いに合流しない」及び「互いに交差しない」ことを意味する。
【0028】
図4には、複数の交差点管制情報を示している。即ち、
図4には、管制No.1から管制No.17で特定される複数の交差点管制情報が示されている。
【0029】
本実施形態において、各交差点管制情報は12ビットのビット配列により構成されている。そして、各許可軌道情報は、各交差点管制情報を構成するビット配列のindexとその値によって表現される。
図5には、交差点管制情報のビット配列を示している。
図5に示すように、交差点管制情報の1ビット目(index = 1)の値が「1」であることは、北から交差点1に進入し、交差点1において左折する走行軌道を許可することを意味する。これに対し、交差点管制情報の1ビット目(index = 1)の値が「0」であることは、北から交差点1に進入し、交差点1において左折する走行軌道を禁止することを意味する。交差点管制情報の2ビット目以降についても同様である。各交差点管制情報は、交差点1を識別する交差点識別情報を含んでもよい。各交差点管制情報は、当該交差点管制情報が有効となる開始時刻と終了時刻を示す有効時刻情報を含んでもよい。各交差点管制情報は、交差点1を通過することを許可する車両の種類を特定する許可車両特定情報を含んでもよい。
【0030】
図4に戻り、管制No.1の交差点管制情報は、7、10、11、12ビット目が「1」であり、その他のビットは「0」である。従って、管制No.1の交差点管制情報は、
図6に示すように、「南から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「西から交差点1に進入し、左折することを許可する」「西から交差点1に進入し、直進することを許可する」「西から交差点1に進入し、右折することを許可する」を示す。
図6に示すように、管制No.1の交差点管制情報が含む4つの許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉していない。従って、管制No.1の交差点管制情報に従って走行する限り、交差点1を通過するに際し車両同士で衝突することはない。
【0031】
図4に戻り、管制No.5の交差点管制情報は、1、7、10、12ビット目が「1」であり、その他のビットは「0」である。従って、管制No.5の交差点管制情報は、
図7に示すように、「北から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「南から交差点1に進入し、左折することを許可する」「西から交差点1に進入し、左折することを許可する」「西から交差点1に進入し、右折することを許可する」を示す。
図7に示すように、管制No.5の交差点管制情報が含む4つの許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉していない。従って、管制No.5の交差点管制情報に従って走行する限り、交差点1を通過するに際し車両同士で衝突することはない。
【0032】
図4に戻り、管制No.9の交差点管制情報は、1、4、5、10ビット目が「1」であり、その他のビットは「0」である。従って、管制No.9の交差点管制情報は、
図8に示すように、「北から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「東から交差点1に進入し、左折することを許可する」「東から交差点1に進入し、直線することを許可する」「西から交差点1に進入し、左折することを許可する」を示す。
図8に示すように、管制No.9の交差点管制情報が含む4つの許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉していない。従って、管制No.9の交差点管制情報に従って走行する限り、交差点1を通過するに際し車両同士で衝突することはない。
【0033】
図4に戻り、管制No.13の交差点管制情報は、4、5、10、11ビット目が「1」であり、その他のビットは「0」である。従って、管制No.13の交差点管制情報は、
図9に示すように、「東から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「東から交差点1に進入し、交差点1で直進する走行軌道を許可する」「西から交差点1に進入し、左折することを許可する」「西から交差点1に進入し、直進することを許可する」を示す。
図9に示すように、管制No.13の交差点管制情報が含む4つの許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉していない。従って、管制No.13の交差点管制情報に従って走行する限り、交差点1を通過するに際し車両同士で衝突することはない。
【0034】
図4に戻り、管制No.15の交差点管制情報は、3、4、9、10ビット目が「1」であり、その他のビットは「0」である。従って、管制No.15の交差点管制情報は、
図10に示すように、「北から交差点1に進入し、交差点1で右折する走行軌道を許可する」「東から交差点1に進入し、左折することを許可する」「南から交差点1に進入し、右折することを許可する」「西から交差点1に進入し、左折することを許可する」を示す。
図10に示すように、管制No.15の交差点管制情報が含む4つの許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉していない。従って、管制No.15の交差点管制情報に従って走行する限り、交差点1を通過するに際し車両同士で衝突することはない。
【0035】
図4に戻り、管制No.17の交差点管制情報は、1、4、7、10ビット目が「1」であり、その他のビットは「0」である。従って、管制No.17の交差点管制情報は、
図11に示すように、「北から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「東から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「南から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」「西から交差点1に進入し、交差点1で左折する走行軌道を許可する」を示す。
図11に示すように、管制No.17の交差点管制情報が含む4つの許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉していない。従って、管制No. 17の交差点管制情報に従って走行する限り、交差点1を通過するに際し車両同士で衝突することはない。
【0036】
交差点管制部21は、交差点管制情報記憶部20に記憶されている複数の交差点管制情報を用いて交差点1への車両2の進入を管制する。具体的には、以下の通りである。
【0037】
まず、交差点管制部21は、交差点1近傍の複数の車両2の、交差点1を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得する。本実施形態では、交差点管制部21は、各車両2から走行軌道情報を受信することで、各車両2の交差点1に対応する走行軌道情報を取得する。即ち、交差点管制部21は、交差点1近傍の複数の車両2から複数の走行軌道情報を取得する。しかし、これに代えて、交差点管制部21は、カメラ22から出力された撮像画像情報に基づいて、交差点1近傍の各車両2の方向指示器の点灯の有無を判定し、判定結果に基づいて各車両2の走行軌道情報を生成してもよい。
【0038】
交差点管制部21は、取得した複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を、交差点管制情報記憶部20に記憶された複数の交差点管制情報から選択する。
図1に示すように、車両2Nは交差点1で左折し、車両2Wは交差点1で右折するので、車両2N及び車両2Wの交差点1に対応する走行軌道情報と合致する交差点管制情報は、例えば、
図4に示す管制No.5の交差点管制情報である。管制No.5の交差点管制情報の許可軌道情報は、
図7に図示しているので
図7も併せて参照されたい。
【0039】
そして、交差点管制部21は、選択した管制No.5の交差点管制情報を、交差点1近傍の複数の車両2にブロードキャストする。交差点管制部21は、選択した管制No.5の交差点管制情報を、車両2N及び車両2Wに配信する。
【0040】
次に、
図12及び
図13を参照して、交通システム4の制御フローを説明する。以下、車両2N及び車両2Wは、既に生成された経路情報に従って自動運転しており、交差点1に接近しているものとする。そして、車両2N及び車両2Wは、交差点1にほぼ同じタイミングで進入するように交差点1に向かって走行しているものとする。
【0041】
S100:
まず、車両2Nの車両情報送信部16は、車両2Nの車両情報を交差点管制装置3に送信する。車両情報は、現在地情報、車速情報、交差点1に対応する走行軌道情報を含む。
【0042】
S110:
また、車両2Wの車両情報送信部16は、車両2Wの車両情報を交差点管制装置3に送信する。
【0043】
S120:
交差点管制装置3の交差点管制部21は、車両2N及び車両2Wからそれぞれ受信した現在地情報、車速情報に基づいて、車両2N及び車両2Wが何秒後に交差点1に進入するか算出する。以下、説明の便宜上、車両2Nは1秒後に交差点1に進入し、車両2Wは3秒後に交差点1に進入するものとする。交差点管制部21は、車両2N及び車両2Wが交差点1に進入するまでの時間を算出することにより、車両2N及び車両2Wが同時に交差点1を通過するか判定する。
図13に示すように、車両2N及び車両2Wが交差点1を通過するに際し、車両2N及び車両2Wは同時に交差点1内を走行するので、交差点管制部21は、車両2N及び車両2Wが同時に交差点1を通過すると判定する。そして、交差点管制部21は、車両2Nの走行軌道情報及び車両2Wの走行軌道情報の何れにも合致する交差点管制情報を選択する。
【0044】
S130・S140:
図12に戻り、交差点管制部21は、選択した交差点管制情報を車両2N及び車両2Wに送信する。
【0045】
S150:
車両2Nの交差点進入可否判定部18は、交差点1に対応する走行軌道情報を交差点管制装置3から受信した交差点管制情報と照合し、走行軌道情報が、交差点管制情報に含まれる複数の許可軌道情報の何れか1つの許可軌道情報と実質的に一致するか判定する。一致していたら(S150:YES)、交差点進入可否判定部18は、交差点1への進入が許可されていると判定する。
【0046】
S160:
交差点進入可否判定部18が交差点1への進入が許可されていると判定した場合(S150:YES)、自動運転制御部14は、車両2Nが交差点1の手前で待機することなく交差点1へ進入し、交差点1に対応する走行軌道情報に従って左折するように車両2Nを制御する。
【0047】
本実施形態では、交差点管制部21が、車両2Nの走行軌道情報に合致する交差点管制情報を選択しているので、ステップS150はYESとなる。
【0048】
S170:
一方、交差点進入可否判定部18が交差点1への進入が許可されていないと判定した場合(S150:NO)、自動運転制御部14は、車両2Nが交差点1の手前で待機するように車両2Nを制御する。
【0049】
S180:
同様に、車両2Wの交差点進入可否判定部18は、交差点1に対応する走行軌道情報を交差点管制装置3から受信した交差点管制情報と照合し、走行軌道情報が、交差点管制情報に含まれる複数の許可軌道情報の何れか1つの許可軌道情報と実質的に一致するか判定する。一致していたら(S180:YES)、交差点進入可否判定部18は、交差点1への進入が許可されていると判定する。
【0050】
S190:
交差点進入可否判定部18が交差点1への進入が許可されていると判定した場合(S180:YES)、自動運転制御部14は、車両2Wが交差点1の手前で待機することなく交差点1へ進入し、交差点1に対応する走行軌道情報に従って右折するように車両2Wを制御する。
【0051】
本実施形態では、交差点管制部21が、車両2Wの走行軌道情報に合致する交差点管制情報を選択しているので、ステップS180はYESとなる。
【0052】
S200:
一方、交差点進入可否判定部18が交差点1への進入が許可されていないと判定した場合(S180:NO)、自動運転制御部14は、車両2Wが交差点1の手前で待機するように車両2Wを制御する。
【0053】
これにより、車両2N及び車両2Wは、交差点1の手前で待機することなく、交差点1を各車両2の走行軌道情報に従って通過することができる。
【0054】
以上に、本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態は、以下の特徴を有する。
【0055】
即ち、交差点管制装置3(交差点管制システム)は、交差点管制情報記憶部20(記憶部)と、交差点管制部21(管制部)と、を備える。交差点管制情報記憶部20は、互いに異なる複数の交差点管制情報を記憶する。各交差点管制情報は、互いに異なる複数の許可軌道情報を含む。各許可軌道情報は、車両2が交差点1を通過する際の車両2の許可された走行軌道を示す情報である。各交差点管制情報の複数の許可軌道情報の走行軌道は互いに干渉しない。交差点管制部21は、複数の交差点管制情報を用いて交差点1への車両2の進入を管制する。具体的には、交差点管制部21は、交差点1近傍の複数の車両2の、交差点1を通過する際の走行軌道を示す走行軌道情報を取得する。交差点管制部21は、複数の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を交差点管制情報記憶部20に含まれる複数の交差点管制情報から選択する。交差点管制部21は、選択した交差点管制情報を、交差点1近傍の複数の車両2に送信する。以上の構成によれば、交差点1に同時に進入する複数の車両2間の衝突を低コストで回避しつつ、交差点1に同時に進入できる車両2の台数を増やすことができる。
【0056】
上記実施形態は、以下のように変更できる。
【0057】
例えば、交差点管制部21は、交差点1を通過している車両がいない場合、交差点1に接近する複数の車両2のうち最も早く交差点1に到達する車両2の走行軌道情報と合致する交差点管制情報を選択することができる。以上の構成によれば、複数の車両2が交差点1に同時に接近しており、複数の車両2の走行軌道情報のすべてを同時に満たす交差点管制情報が存在しない場合に、交差点1に進入させることを優先的に許可する車両2を安価な計算コストで選択することができる。
【0058】
なお、この場合、交差点管制部21は、カメラ22から出力された撮像画像情報に基づいて、交差点1を通過している車両がいるかいないか判定してもよい。また、交差点管制部21は、交差点1近傍の車両2から受信した各車両2の現在地情報に基づいて、交差点1を通過している車両がいるかいないか判定してもよい。
【0059】
また、交差点管制部21は、現在選択している交差点管制情報と異なる交差点管制情報を選択する場合、交差点1への進入を禁止する進入禁止情報を交差点1近傍の複数の車両2に送信し、所定時間経過後、新たに選択した交差点管制情報を交差点1近傍の複数の車両2に送信することができる。以上の構成によれば、交差点管制部21が交差点管制情報を切り替えるに際し、交差点1内の車両2を完全に排除することができる。
【0060】
なお、この場合、所定時間とは、例えば3秒から5秒程度とすることが好ましい。
【0061】
また、交差点管制部21は、交差点1の通過が禁止されて交差点1の手前で待機している車両2がある場合、現在選択している交差点管制情報と異なる交差点管制情報を選択する際に、即ち、次に交差点管制情報を切り替えるに際し、当該待機している車両2が交差点1を通過できる交差点管制情報を選択することができる。以上の構成によれば、交差点1の手前で待機している車両2の待機時間を短くすることができる。
【0062】
また、交差点管制部21は、交差点1に緊急車両が接近している場合、緊急車両の通過を妨害しない交差点管制情報を選択することができる。以上の構成によれば、緊急車両が交差点1の手前で待機することなく、交差点1を通過できるようになる。
【0063】
また、交差点管制装置3は、交差点1に接続する複数の道路のうち何れか1つの道路を歩行者が横断することを予測する横断予測部を更に備えてもよい。本実施形態では、交差点管制部21が横断予測部に相当している。交差点管制部21は、歩行者の横断を予測した場合、歩行者の横断を妨害しないように、歩行者が横断する道路の通行を禁止する。典型的には、交差点管制部21は、現在選択している交差点管制情報を補正し、補正後の交差点管制情報を交差点1近傍の複数の車両2に送信することができる。
【0064】
この場合、交差点管制部21は、カメラ22から出力された撮像画像情報に基づいて、交差点1に接続する複数の道路のうち何れか1つの道路を歩行者が横断することを予測することができる。例えば、交差点管制部21は、公知の物体検出技術により交差点1に接続する何れかの道路に正対する歩行者を検出することで、交差点1に接続する複数の道路のうち何れか1つの道路を歩行者が横断することを予測する。
【0065】
図14には、交差点1から北方に延びる道路を歩行者が横断しようとしている様子を示している。この場合、交差点管制部21は、
図14に示す交差点管制情報が含む許可軌道情報のうち歩行者の横断と干渉する許可軌道情報を無効化するように、
図15に示すように無効交差点管制情報を補正する。そして、補正後の交差点管制情報を交差点1近傍の複数の車両2に送信する。これにより、車両2が交差点1に進入することよりも、歩行者が横断することを優先することができる。
【0066】
また、
図16に示すように、交差点1が五差路である場合、交差点1に対応する交差点管制情報は、
図17に示すように20ビットのビット配列で表現し得る。そして、各交差点管制情報が含む各許可軌道情報は、各交差点管制情報を構成するビット配列のindexとその値によって表現される。交差点管制情報の1ビット目(index = 1)の値が「1」であることは、道路IDが1である道路から交差点1に進入し、道路IDが2である道路へ進む走行軌道を許可することを意味する。これに対し、交差点管制情報の1ビット目(index = 1)の値が「0」であることは、道路IDが1である道路から交差点1に進入し、道路IDが2である道路へ進む走行軌道を禁止することを意味する。このように、各許可軌道情報を、当該許可軌道情報の入り口側の道路の道路IDと、出口側の道路の道路IDと、により特定することで、交差点1に接続する道路の数が大きくなっても、許可軌道情報を問題なく表現することができる。
【0067】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、更に、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROMを含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、更に、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0068】
1 交差点
2 車両
2d GPSモジュール
2e タッチパネル
2f ディスプレイ
2N 車両
2W 車両
3 交差点管制装置
4 交通システム
10 地図情報記憶部
11 目的地情報取得部
12 現在地情報取得部
13 経路情報生成部
14 自動運転制御部
15 車速情報取得部
16 車両情報送信部
17 交差点管制情報受信部
18 交差点進入可否判定部
20 交差点管制情報記憶部
21 交差点管制部
22 カメラ