(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】制御装置、システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021044043
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100217113
【氏名又は名称】高坂 晶子
(72)【発明者】
【氏名】鷹箸 広大
(72)【発明者】
【氏名】大久保 諄
(72)【発明者】
【氏名】橘 勇次
(72)【発明者】
【氏名】百島 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】兼市 大輝
(72)【発明者】
【氏名】中通 実
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-288421(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2178120(KR,B1)
【文献】特開2016-162289(JP,A)
【文献】特開2007-285733(JP,A)
【文献】特開2016-134061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0337135(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と通信を行う通信部と、
前記通信部を介して、前記車両の属性を示す車両情報を取得し、取得された車両情報に基づいて、駐車場内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定し、設定された利用料金を示す料金情報を、前記通信部を介して、前記車両に送信する制御部と、
を備える制御装置
において、
前記車両は運転者によって運転されており、
前記車両の属性には、前記運転者の駐車技術のレベルが含まれる、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記車両情報で示される前記運転者の駐車技術のレベルが閾値以上である場合に、前記複数の駐車枠のそれぞれについて評価された駐車の難しさの度合いである駐車難度に応じて、前記利用料金を設定する、請求項
1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記運転者の駐車技術のレベルが前記閾値以上である場合に、前記駐車難度が高いほど前記利用料金を低く設定する、請求項
2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記運転者の駐車技術のレベルに応じて、前記複数の駐車枠のうち、少なくとも1つの駐車枠を選択し、選択された駐車枠への駐車を促す情報を、前記通信部を介して、前記車両に送信する、請求項
2又は請求項
3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記運転者の駐車技術のレベルが高いほど、前記少なくとも1つの駐車枠として、前記駐車難度が高い駐車枠を選択する、請求項
4に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記制御装置と通信する車両と、
を備えるシステム。
【請求項7】
制御装置により、車両と通信を行うことと、
前記制御装置により、前記車両の属性を示す車両情報を取得することと、
前記制御装置により、取得された車両情報に基づいて駐車場内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定することと、
前記制御装置により、設定された利用料金を示す料金情報を前記車両に送信することと、
を含む制御方法
において、
前記車両は運転者によって運転されており、
前記車両の属性には、前記運転者の駐車技術のレベルが含まれる、制御方法。
【請求項8】
前記利用料金を設定することは、前記車両情報で示される前記運転者の駐車技術のレベルが閾値以上である場合に、前記複数の駐車枠のそれぞれについて評価された駐車の難しさの度合いである駐車難度に応じて、前記利用料金を設定することを含む、請求項
7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記利用料金を設定することは、運転者の駐車技術のレベルが前記閾値以上である場合に、前記駐車難度が高いほど、前記利用料金を低く設定することを含む、請求項
8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記制御装置により、前記運転者の駐車技術のレベルに応じて、前記複数の駐車枠のうち、少なくとも1つの駐車枠を選択することと、
選択された駐車枠への駐車を促す情報を、前記制御装置から、前記車両に送信することと、
を更に含む、請求項
8又は請求項
9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの駐車枠を選択することは、前記運転者の駐車技術のレベルが高いほど、前記少なくとも1つの駐車枠として、前記駐車難度が高い駐車枠を選択することを含む、請求項10に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場の利用料金を変動させて駐車場の集客効果を高め、駐車場の収益向上を図る技術が知られている。特許文献1には、駐車場の時間帯毎の駐車需要を予測し、予測された駐車需要に基づいて駐車場の時間帯毎の利用料金を設定する駐車場予約システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、駐車枠の効率的な利用を促進することは図られていない。
【0005】
本開示の目的は、駐車枠の効率的な利用を促進することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
車両と通信を行う通信部と、
前記通信部を介して、前記車両の属性を示す車両情報を取得し、取得された車両情報に基づいて、駐車場内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定し、設定された利用料金を示す料金情報を、前記通信部を介して、前記車両に送信する制御部と、
を備える。
【0007】
本開示に係る制御方法は、
制御装置により、車両と通信を行うことと、
前記制御装置により、前記車両の属性を示す車両情報を取得することと、
前記制御装置により、取得された車両情報に基づいて駐車場内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定することと、
前記制御装置により、設定された利用料金を示す料金情報を前記車両に送信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、駐車枠の効率的な利用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る駐車場の例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る、駐車難度の評価結果を格納したテーブルの例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について、図を参照して説明する。
【0011】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
図1を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0013】
本実施形態に係るシステム10は、少なくとも1台の制御装置20と、少なくとも1台の車両30とを備える。
【0014】
制御装置20は、ネットワーク40を介して、車両30と通信可能である。
【0015】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0016】
制御装置20は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0017】
車両30は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車である。「HV」は、hybrid vehicleの略語である。「PHV」は、plug-in hybrid vehicleの略語である。「EV」は、electric vehicleの略語である。「FCV」は、fuel cell vehicleの略語である。車両30は、本実施形態では運転者によって運転されるが、任意のレベルで運転が自動化されていてもよいし、又はAVであってもよい。「AV」は、autonomous vehicleの略語である。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両30は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0018】
図1、
図2、及び
図3を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0019】
一般に、駐車場の駐車枠には、駐車が難しい駐車枠がある。例えば、入口に柱が設置されていて間口が狭くなっている駐車枠、及び隣の駐車枠に既に別の車両が駐車されている駐車枠は駐車が難しい。
【0020】
駐車場内の利便性の高い駐車枠には需要が集中する。具体的には、駐車しやすい駐車枠の方が駐車が難しい駐車枠よりも利便性が高く、駐車しやすい駐車枠に需要が集中する。駐車しやすい駐車枠に需要が集中した結果、駐車の難しい駐車枠が空いていても、運転者の駐車技術のレベルが低い場合には駐車の難しい駐車枠には駐車することができず、駐車の難しい駐車枠が利用されずに無駄になる。また、駐車技術のレベルが低い運転者が、駐車しやすい駐車枠が空くまで駐車場内の通路で待機するような事態が生じると、通路が塞がれて駐車場内で渋滞が発生する。また、駐車技術のレベルが低い運転者が駐車の難しい駐車枠へ駐車しようとしたとしても、何度もハンドルの切り返しを行うなどの試行錯誤が必要となって駐車作業に時間がかかることがある。このような場合、当該運転者が駐車をしようと試行錯誤をしている間、他の車両の通行が妨げられ、駐車場内で渋滞が発生する。このように、利便性の高い駐車枠に需要が集中することに起因して、駐車場内で渋滞が発生する場合もある。
【0021】
そこで、例えば、車両の運転者の駐車技術のレベルに応じた駐車枠に当該車両を誘導できれば、駐車枠の効率的な利用が促進される。例えば、駐車技術のレベルが高い運転者が運転する車両を駐車の難しい駐車枠へ誘導し、駐車技術のレベルが低い運転者が運転する車両を駐車のしやすい駐車枠に誘導することができれば、駐車されずに空いたままとなる駐車枠が減少する。よって、駐車枠の効率的な利用が促進される。
【0022】
本実施形態に係るシステム10では、制御装置20が車両30と通信を行い、車両30の属性を示す車両情報D1を取得する。制御装置20は、取得された車両情報D1に基づいて駐車場11内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定する。制御装置20は、設定された利用料金を示す料金情報D2を車両30に送信する。
【0023】
本実施形態によれば、車両30の属性によって駐車枠ごとに利用料金を設定することができる。車両30の属性に適した駐車枠の利用料金を低く設定することで、当該駐車枠に車両30を誘導することができる。本実施形態では、車両30の属性には車両30の運転者の駐車技術のレベルが含まれる。車両30の運転者の駐車技術のレベルが高い場合に、駐車の難しい駐車枠の料金を低く設定すれば、駐車技術のレベルが高い運転者には駐車の難しい駐車枠に駐車することに対するインセンティブが働くため、車両30は駐車の難しい駐車枠に誘導される。よって、駐車の難しい駐車枠の利用が促進される。その結果、駐車しやすく利便性の高い駐車枠への需要の集中が抑制され、駐車場内の渋滞が緩和される。
【0024】
本実施形態では、駐車場11は、複数の駐車枠を有する。駐車場11は、平面式駐車場であるが、これに限定されず、車両30の駐車する駐車枠が任意に選択されるものであれば、地下駐車場又は2階建以上の多層式駐車場など、任意の駐車場であってよい。駐車場11の利用に際しては駐車枠ごとに利用料金が発生する。駐車場11の利用料金は、駐車枠に入庫又は出庫する際に精算するものであっても、駐車場11への入出庫が行われるゲートで精算するものであってもよい。
【0025】
【0026】
図2の例では、駐車場11内の複数の駐車枠として、5つの駐車枠PS1、PS2、PS3、PS4、PS5が示されている。駐車場11内の駐車枠の数は5つに限定されず、駐車場11の規模に合わせて2つ以上の任意の数とすることができる。駐車枠PS2の入口には障害物OB1が存在する。駐車枠PS5の入口には障害物OB2が存在する。本実施形態において、障害物OB1及び障害物OB2は柱であるが、これに限定されず、駐車枠の間口を狭めることになるものであれば、例えば樹木など、任意の物体であってよい。障害物の数及び位置は上記の例に限定されず、任意に定められてよい。駐車枠PS1には、車両30が利用しうるエネルギー源を補給する補給設備CSが備えられている。本例では、補給設備CSは、EV用の充電設備CS1である。補給設備CSが設置された駐車枠の数は1つに限定されず、2つ以上の駐車枠にそれぞれ補給設備CSが備えられていてもよい。駐車枠PS3には、車両30とは異なる車両VHが既に駐車されている。車両VHが駐車された駐車枠の数は1つに限定されず、2つ以上の駐車枠にそれぞれ1台ずつ車両VHが駐車されていてもよい。
【0027】
図3に、駐車難度を評価した結果を格納するテーブルの例としてテーブル50を示す。駐車難度は、複数の駐車枠のそれぞれについて評価された駐車の難しさの度合いである。テーブル50には、
図2に示す駐車場11の駐車枠PS1から駐車枠PS5のそれぞれについての駐車難度が格納されている。
【0028】
駐車難度は任意の手順で評価されてよいが、本実施形態では、評価対象の駐車枠における障害物の有無及び隣接する駐車枠に駐車されている車両の有無を評価項目として評価される。具体的には、
図3のテーブル50に示される評価結果は次のとおりである。すなわち、駐車枠PS1を評価対象とした場合、障害物が存在せず、右側及び左側に隣接するいずれの駐車枠にも車両は存在しないため、障害物という評価項目について0点が加算され、右車両という評価項目について0点が加算され、左車両という評価項目について0点が加算される。よって、駐車枠PS1の難度スコアは0点となる。駐車枠PS2が評価対象である場合、障害物OB1が存在し且つ右側に隣接する駐車枠に車両VHが存在するため、障害物という評価項目について1点が加算され、右車両という評価項目について1点が加算される。よって、駐車枠PS2の難度スコアは2点となる。駐車枠PS3には既に車両30とは異なる車両VHが駐車されているため、評価対象としない。駐車枠PS4が評価対象である場合、障害物は存在しないが、左側に隣接する駐車枠に車両VHが存在するため、障害物という評価項目について0点が加算され、左車両という評価項目について1点が加算される。よって、駐車枠PS4の難度スコアは1点となる。駐車枠PS5が評価対象である場合、障害物は存在するが、右側及び左側に隣接するいずれの駐車枠にも車両は存在しないため、障害物という評価項目について1点が加算され、右車両という評価項目及び左車両という評価項目のそれぞれについて0点ずつが加算される。よって、駐車枠PS5の難度スコアは1点となる。
【0029】
図3の例において、難度スコアが高いほど駐車難度が高いことを示す。具体的には、
図3の例では、駐車枠PS1から駐車枠PS5のうち、難度スコアが2である駐車枠PS2の駐車難度が最も高い。駐車枠PS4及び駐車枠PS5の駐車難度は、駐車枠PS2の駐車難度よりも低く且つ駐車枠PS1の駐車難度よりも高い。駐車枠PS1の駐車難度は最も低い。本実施形態において、駐車難度はスコアで算出されているが、例えば、段階評価又は評価関数等による任意の方法で算出されてもよい。
【0030】
運転者の駐車技術のレベルは任意の手順で評価されてよいが、例えば、運転者が1回の駐車について行う操作の種類を評価項目として評価される。本実施形態では、操作の種類として、ハンドルの切り返しが評価項目とされる。具体的には、ハンドルの切り返しの回数が少ないほど駐車技術のレベルが高いと評価される。本実施形態の一変形例として、運転者の駐車技術のレベルは、1回の駐車作業にかかる時間の長さを評価項目として評価されてもよい。具体的には、駐車作業にかかる時間が短いほど、駐車技術のレベルが高いと評価されてよい。本実施形態において、駐車技術のレベルは段階評価で算出されているが、例えば、ハンドルの切り返しの回数又は駐車作業にかかる時間の長さを点数化したスコアで算出されてもよいし、あるいは評価関数等による任意の方法で算出されてもよい。
【0031】
図4を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。
【0032】
制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0033】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0034】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられる情報と、制御装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。テーブル50は、本実施形態では記憶部22に記憶されるが、外部のストレージに記憶され、制御装置20により参照されてもよい。
【0035】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられる情報を受信し、また制御装置20の動作によって得られる情報を送信する。
【0036】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0037】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0038】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0039】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0040】
図5を参照して、本実施形態に係る車両30の構成を説明する。
【0041】
車両30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを備える。
【0042】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、少なくとも1つのECU、又はこれらの組合せを含む。「ECU」は、electronic control unitの略語である。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部31は、車両30の各機能部品を制御しながら、車両30の動作に関わる処理を実行する。
【0043】
記憶部32は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、車両30の動作に用いられる情報と、車両30の動作によって得られた情報とが記憶される。車両情報D1は、本実施形態では記憶部32に記憶されるが、外部のストレージに記憶され、車両30により参照されてもよい。
【0044】
通信部33は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、車両30の動作に用いられる情報を受信し、また車両30の動作によって得られる情報を送信する。本実施形態において、通信部33は、制御装置20と通信を行う。
【0045】
図6を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。
【0046】
ステップS101において、制御装置20の通信部23は、車両30と通信を行う。制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、車両30の属性を示す車両情報D1を取得する。具体的には、車両情報D1が車両30の制御部31により車両30の記憶部32から読み出され、車両30の通信部33を介して制御装置20に送信される。制御装置20の通信部23は、車両30から送信された車両情報D1を受信する。制御装置20の制御部21は、通信部23により受信された車両情報D1を記憶部22に格納する。本実施形態において、車両30の属性には、車両30を運転する運転者の駐車技術のレベルが含まれる。一例として、車両30を運転する運転者の駐車技術のレベルが、1回の駐車について行うハンドルの切り返しの回数で評価されているとする。
【0047】
ステップS102において、制御装置20の制御部21は、ステップS101で取得された車両情報D1に基づいて、駐車場11内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定する。制御装置20の制御部21は、車両情報D1で示される運転者の駐車技術のレベルが閾値以上であるかどうかを判定する。上述したように、本実施形態において、運転者の駐車技術のレベルは、ハンドルの切り返しを評価項目として評価される。具体的には、運転者の駐車技術のレベルは、運転者が1回の駐車において行うハンドルの切り返しの回数に基づいて評価される。運転者が1回の駐車において行うハンドルの切り返しの回数は、例えば、当該運転者が過去に行った複数回の駐車において行ったハンドルの切り返しの回数の合計を駐車回数で割った数、すなわち、1回の駐車あたりの平均回数である。1回の駐車におけるハンドルの切り返しの回数が少ないほど、駐車技術のレベルが高いと評価される。駐車技術のレベルは、例えば、ハンドルの切り返しの回数が1回であればレベル5、2回であればレベル4、3回であればレベル3、4回であればレベル2、5回以上であればレベル1と評価される。閾値は、任意の値とすればよいが、本実施形態では3と設定する。ここで、車両30の運転者が1回の駐車において行うハンドルの切り返しの平均回数が2回であるとする。よって、車両30の運転者の駐車技術はレベル4と評価される。制御部21は、車両30の運転者の駐車技術がレベル4であり、閾値が3であるため、当該運転者の駐車技術のレベルが閾値以上であると判定する。
【0048】
次に、制御装置20の制御部21は、複数の駐車枠のそれぞれについて評価された駐車の難しさの度合いである駐車難度に応じて、駐車場11内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定する。具体的には、制御部21は、運転者の駐車技術のレベルが閾値以上である場合に、駐車難度が高いほど、利用料金を低く設定する。例えば、
図2の例では、上述したように、駐車枠PS1から駐車枠PS5のうち、難度スコアが2である駐車枠PS2の駐車難度が最も高い。難度スコアが1である駐車枠PS4及び駐車枠PS5の駐車難度は駐車枠PS2の駐車難度よりも低く且つ難度スコアが0である駐車枠PS1の駐車難度よりも高い。難度スコアが0である駐車枠PS1の駐車難度は最も低い。よって、制御部21は、駐車難度の評価対象としなかった駐車枠PS3を除いた駐車枠PS1、PS2、PS4、及びPS5の利用料金のうち、駐車枠PS2の利用料金を最も低く設定する。また、制御部21は、駐車枠PS4及び駐車枠PS5の利用料金を駐車枠PS2の利用料金よりも高く且つ駐車枠PS1の利用料金よりも低く設定する。さらに、制御部21は、駐車枠PS1の利用料金を最も高く設定する。本実施形態の一変形例として、駐車枠ごとに駐車料金を段階的に設定する代わりに、駐車難度が最も高い駐車枠の利用料金のみを、それ以外の駐車枠の利用料金よりも低く設定してもよい。一方、制御部21は、運転者の駐車技術のレベルが閾値未満である場合に、駐車難度が低いほど、利用料金を低く設定する。例えば、
図2の例では、上述したように、駐車枠PS1から駐車枠PS5のうち、難度スコアが0である駐車枠PS1の駐車難度が最も低い。難度スコアが1である駐車枠PS4及び駐車枠PS5の駐車難度は、難度スコアが0である駐車枠PS1の駐車難度よりも高く且つ難度スコアが2である駐車枠PS2の駐車難度よりも低い。難度スコアが2である駐車枠PS2の駐車難度は最も高い。よって、制御部21は、駐車難度の評価対象としなかった駐車枠PS3を除いた駐車枠PS1、PS2、PS4、及びPS5の利用料金のうち、駐車枠PS1の利用料金を最も低く設定する。また、制御部21は、駐車枠PS4及び駐車枠PS5の利用料金を駐車枠PS1の利用料金よりも高く且つ駐車枠PS2の利用料金よりも低く設定する。さらに、制御部21は、駐車枠PS2の利用料金を最も高く設定する。本実施形態の一変形例として、駐車枠ごとに駐車料金を段階的に設定する代わりに、駐車難度が最も低い駐車枠の利用料金のみを、それ以外の駐車枠の利用料金よりも低く設定してもよい。
【0049】
ステップS103において、制御装置20の制御部21は、ステップS102で設定された利用料金を示す料金情報D2を、通信部23を介して、車両30に送信する。車両30の制御部31は、制御装置20から送信された料金情報D2を、通信部33を介して受信する。具体的には、車両30の制御部31は、制御装置20から送信された、駐車場11の駐車枠PS1から駐車枠PS5の駐車枠ごとに設定された利用料金を示す情報を、通信部33を介して受信する。制御部31は、受信した料金情報D2を記憶部32に記憶する。
【0050】
ステップS104において、車両30の制御部31は、ステップS103で受信された料金情報D2を、車両30の運転者に提示する。具体的には、制御部31は、記憶部32に記憶した料金情報D2を読み出す。制御部31は、読み出された料金情報D2で示される駐車場11のPS1からPS5までの駐車枠のうち、車両30とは異なる車両VHが既に駐車されている駐車枠PS3を除いた駐車枠PS1、PS2、PS4、及びPS5のそれぞれについての利用料金を、車両30の運転者に提示する。例えば、制御部31は、駐車場11の駐車枠のうち、駐車枠PS3を除いた駐車枠PS1、PS2、PS4、及びPS5のそれぞれについて料金情報D2で示される利用料金を、車両30内に設置されたディスプレイに表示する。ディスプレイは、例えば、車両30に搭載されたカーナビゲーション用機器のディスプレイ、又は車両30に搭載され、運転者のスマートフォンなどの端末装置に接続されたディスプレイオーディオである。制御部21は、運転者の端末装置を介して料金情報D2を提示してもよい。すなわち、制御部21は、運転者の端末装置の画面上に料金情報D2を表示してもよい。料金情報D2で示される利用料金を見た運転者には、利用料金のより低い駐車枠へ駐車しようというインセンティブが働き、結果的に車両30は利用料金の最も低い駐車枠に誘導されることになる。具体的には、運転者の駐車技術のレベルが閾値以上である場合に、車両30は駐車枠PS2に誘導される。運転者の駐車技術のレベルが閾値未満である場合に、車両30は駐車枠PS1に誘導される。
【0051】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の通信部23は、車両30と通信を行う。制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、車両30の属性を示す車両情報D1を取得する。制御部21は、取得された車両情報D1に基づいて、駐車場11内の複数の駐車枠のそれぞれについて利用料金を設定する。制御部21は、設定された利用料金を示す料金情報D2を、通信部23を介して、車両30に送信する。
【0052】
本実施形態によれば、車両30の属性によって駐車枠ごとに利用料金が設定される。その結果、車両30の属性に応じた駐車枠に車両30を誘導することができるので、駐車枠の効率的な利用が促進される。
【0053】
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、ステップS103において、さらに、運転者の駐車技術のレベルに応じて、複数の駐車枠のうち、少なくとも1つの駐車枠を選択し、選択された駐車枠への駐車を促す情報を、通信部23を介して、車両30に送信してもよい。具体的には、制御部21は、運転者の駐車技術のレベルが高いほど、少なくとも1つの駐車枠として、駐車難度が高い駐車枠を選択する。本変形例において、運転者の駐車技術が最も高いレベル5である場合に、制御部21は、複数の駐車枠のうち、駐車難度が最も高い駐車枠を選択する。
図2の例では、制御部21は、駐車場11の駐車枠PS1からPS5の中から、駐車枠PS2を選択する。また、運転者の駐車技術が2番目に高いレベル4である場合に、制御部21は、複数の駐車枠のうち、駐車難度が2番目に高い駐車枠を選択する。
図2の例では、制御部21は、駐車場11の駐車枠PS1からPS5の中から、駐車枠PS4又は駐車枠PS5を選択する。このとき、制御部21は、駐車枠PS4及びPS5の両方を選択してもよい。そうすれば、車両30の運転者は、駐車枠PS4及びPS5のうち自分の好む駐車枠を選択できる。よって、運転者に駐車枠選択の自由を与えることができるので、運転者の満足度を高めることができる。制御部21は、ステップS104において、さらに、選択された駐車枠への駐車を促す情報として、駐車枠PS2が選択されている場合には「駐車枠PS2へ駐車してください」というメッセージを、通信部23を介して車両30に送信する。車両30は、制御装置20から送信されたメッセージを、通信部33を介して受信する。車両30は、受信したメッセージを車両30内に設置されたディスプレイに表示させてもよい。あるいは、制御部21は、選択された駐車枠への駐車を促す情報として、上記のメッセージに代えて又はメッセージと共に、駐車枠PS2がハイライト表示された駐車場11の見取図を送信してもよい。車両30は、制御装置20から送信された見取図を車両30内に設置されたディスプレイに表示させてもよい。
【0054】
本変形例によれば、運転者の駐車技術のレベルに応じて異なる駐車枠を選択し、選択された駐車枠への駐車を運転者に促すことにより、車両30を駐車させたい駐車枠に直接的に誘導することができる。よって、駐車枠の効率的な利用をさらに促進することができる。
【0055】
本実施形態の一変形例として、車両30の属性には、車両30が利用するエネルギー源によって分類される車両30の種別が含まれてよい。具体的には、車両30の属性には、車両30がEVであるかガソリン車であるかの種別が含まれてよい。車両30が利用するエネルギー源は電気及びガソリンに限定されず、車両30のエネルギー源として補給可能なものであれば、任意のものであってよい。エネルギー源は、例えば、水素であってもよい。本例において、車両30はガソリン車であるとする。ステップS101において、制御部21は、車両30の属性として、運転者の駐車技術のレベルを示す情報の代わりに、車両30がガソリン車であることを示す情報を車両情報D1として受信する。制御部21は、取得された車両情報D1で示される車両30の種別を判定する。具体的には、制御部21は、車両30がガソリン車であると判定する。
【0056】
本変形例において、駐車場11の複数の駐車枠のうちの1つ又は幾つかの駐車枠には第1エネルギー源を補給する補給設備CSが備えられている。本例において、第1エネルギー源は、電気である。
図2の例において、駐車場11の駐車枠PS1から駐車枠PS5のうち、駐車枠PS1には、第1エネルギー源を補給する補給設備CSとして、EVに電気を補給する充電設備CS1が設置されている。第1エネルギー源は、電気に限定されず、任意のものであってよい。
【0057】
ステップS102において、制御装置20の制御部21は、車両情報D1で示される車両30の種別が第1エネルギー源とは異なる第2エネルギー源を利用する種別である場合に、駐車枠に補給設備CSが備えられているかどうかに応じて、利用料金を設定する。具体的には、制御部21は、車両30の種別が第2エネルギー源を利用する種別である場合に、補給設備CSが備えられている駐車枠の利用料金を、補給設備CSが備えられていない駐車枠の利用料金よりも高く設定する。本例では、車両30はガソリン車であり、第2エネルギー源はガソリンである。第2エネルギー源はガソリンに限定されず、第1エネルギー源と異なるものであれば、任意のものであってよい。具体的には、制御部21は、車両30がガソリン車である場合に、充電設備CS1が備えられている駐車枠の利用料金を、充電設備CS1が備えられていない駐車枠の利用料金よりも高く設定する。
図2の例では、制御部21は、充電設備CS1が備えられている駐車枠PS1の利用料金を、充電設備CS1が備えられていない駐車枠PS2から駐車枠PS5の利用料金よりも高く設定する。一方、制御部21は、車両30の種別が第1エネルギー源を利用する種別である場合に、補給設備CSが備えられている駐車枠の利用料金を、補給設備CSが備えられていない駐車枠の利用料金よりも低く設定する。具体的には、制御部21は、車両30がEVである場合に、充電設備CS1が備えられている駐車枠の利用料金を、充電設備CS1が備えられていない駐車枠の利用料金よりも低く設定する。
図2の例では、制御部21は、充電設備CS1が備えられている駐車枠PS1の利用料金を、充電設備CS1が備えられていない駐車枠PS2から駐車枠PS5の利用料金よりも低く設定する。
【0058】
第1エネルギー源を補給する補給設備CSが備えられている駐車枠に、第1エネルギー源とは異なる第2エネルギー源を利用する車両が駐車されてしまうと、補給設備CSが利用されることがなく無駄になる。具体的には、電気を補給する充電設備CS1が備えられている駐車枠に、充電設備CS1を利用しないガソリン車が駐車されてしまうと、充電設備CS1は利用されることがなく無駄になる。本変形例によれば、車両30がガソリン車である場合に、充電設備CS1が備えられている駐車枠PS1の利用料金を高く設定することで、駐車枠PS1にガソリン車が駐車されるのを抑制することができる。一方、車両30がEVである場合に、充電設備CS1が備えられている駐車枠PS1の利用料金を低く設定することで、駐車枠PS1のEVによる利用を促進することができる。よって、充電設備CS1の有効利用が図られる。その結果、駐車枠の効率的な利用を促進することができる。
【0059】
本変形例において、制御装置20の制御部21は、ステップS103において、車両30の種別に応じて、複数の駐車枠のうち、少なくとも1つの駐車枠を選択し、選択された駐車枠への駐車を促す情報を、通信部23を介して、車両30に送信してもよい。具体的には、制御部21は、車両30がガソリン車であるかEVであるかに応じて、複数の駐車枠のうち、少なくとも1つの駐車枠を選択してもよい。例えば、制御部21は、車両30がガソリン車である場合に、少なくとも1つの駐車枠として、
図2の例における駐車枠PS2、駐車枠PS4、及び駐車枠PS5の少なくともいずれか1つを選択してもよい。本例では、制御部21は、駐車枠PS4を選択する。制御部21は、選択された駐車枠への駐車を促す情報として、「駐車枠PS4へ駐車してください」というメッセージを、通信部23を介して車両30に送信する。一方、制御部21は、車両30がEVである場合に、少なくとも1つの駐車枠として、
図2の例における駐車枠PS1を選択する。制御部21は、選択された駐車枠への駐車を促す情報として、「駐車枠PS1へ駐車してください」というメッセージを、通信部23を介して車両30に送信する。
【0060】
ステップS104において、車両30の制御部31は、制御装置20から送信された情報を、車両30の運転者に提示する。具体的には、車両30がガソリン車である場合には、制御部31は、「駐車枠PS4に駐車してください」というメッセージを車両30内に設置されたディスプレイに表示させる。あるいは、制御部21は、選択された駐車枠への駐車を促す情報として、上記のメッセージに代えて又はメッセージと共に、駐車枠PS4がハイライト表示された駐車場11の見取図を表示させてもよい。あるいは、制御部21は、少なくとも1つの駐車枠として、補給設備CSが備えられていない駐車枠を全て選択して車両30の運転者に提示してもよい。具体的には、制御部21は、
図2の例における駐車枠PS2、駐車枠PS4、及び駐車枠PS5を全て選択し、車両30の運転者に「駐車枠PS2、駐車枠PS4、及び駐車枠PS5のいずれかに駐車してください」というメッセージを車両30内に設置されたディスプレイに表示させてもよい。そうすれば、車両30の運転者は、駐車枠PS2、駐車枠PS4、及び駐車枠PS5のうち自分の好む駐車枠を選択できるので、運転者に駐車枠選択の自由を与えることができ、運転者の満足度を高めることができる。一方、車両30がEVである場合には、制御部31は、「駐車枠PS1へ駐車してください」というメッセージを車両30内に設置されたディスプレイに表示させる。あるいは、制御部21は、選択された駐車枠への駐車を促す情報として、上記のメッセージに代えて又はメッセージと共に、駐車枠PS1がハイライト表示された駐車場11の見取図を表示させてもよい。あるいは、制御部21は、補給設備CSが備えられている駐車枠が複数ある場合に、補給設備CSが備えられている駐車枠を全て選択して車両30の運転者に提示してもよい。
【0061】
本変形例によれば、車両30がガソリン車である場合には、充電設備CS1を備えない駐車枠に誘導されるので、充電設備CS1を備える駐車枠がガソリン車によって占有されてしまうことがなくなる。よって、充電設備CS1が使用されずに無駄になることがない。また、車両30がEVである場合には、充電設備CS1を備える駐車枠に誘導されるので、充電設備CS1が有効に利用される。したがって、駐車場11内の駐車枠の効率的な利用が促進される。
【0062】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 システム
11 駐車場
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 車両
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
40 ネットワーク
50 テーブル