IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-照射装置 図1A
  • 特許-照射装置 図1B
  • 特許-照射装置 図2
  • 特許-照射装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】照射装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20240910BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240910BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240910BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/18
H05B47/19
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021057355
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154358
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】古賀 渚紗
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-029502(JP,A)
【文献】特開平05-266298(JP,A)
【文献】特開平04-015022(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208670(WO,A1)
【文献】特開2020-009698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域に配置された対象物に対して紫外線を照射するUV照射部であって、人への照射が可能な第1波長の前記紫外線を照射する第1UV光源と、人への照射が不可な第2波長の前記紫外線を照射する第2UV光源とを有するUV照射部と;
前記所定の領域における人の存在状況を検出するセンサと;
前記センサの検出結果に基づいて前記第1UV光源および前記第2UV光源の点灯制御を行う制御部と;
を具備し、
前記制御部は、
前記センサによって前記人が検出された場合には、前記第1UV光源を点灯するとともに前記第2UV光源を消灯し、前記センサによって前記人が検出されない場合には、前記第1UV光源を消灯するとともに前記第2UV光源を点灯し、
前記所定の領域において複数の前記人が検出された場合、前記所定の領域での前記人の滞在時間に関し、前記複数の人のうち最も長い前記滞在時間が所定の閾値以上である場合に、前記第1UV光源を消灯すること
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
所定の領域に配置された対象物に対して紫外線を照射するUV照射部であって、人への照射が可能な第1波長の前記紫外線を照射する第1UV光源と、人への照射が不可な第2波長の前記紫外線を照射する第2UV光源とを有するUV照射部と;
前記所定の領域における人の存在状況を検出するセンサと;
前記センサの検出結果に基づいて前記第1UV光源および前記第2UV光源の点灯制御を行う制御部と;
を具備し、
前記制御部は、
前記センサによって前記人が検出された場合には、前記第1UV光源を点灯するとともに前記第2UV光源を消灯し、前記センサによって前記人が検出されない場合には、前記第1UV光源を消灯するとともに前記第2UV光源を点灯し、
前記センサによって前記人が検出されない場合、前記所定の領域での前記人の直前の滞在時間に基づいて、前記第2波長の前記紫外線の照射量を決定すること
を特徴とする照射装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記センサによって前記人が検出された場合において、前記所定の領域での前記人の滞在時間が所定の閾値以上である場合には、前記第1UV光源を消灯すること
を特徴とする請求項2に記載の照射装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記対象物と前記人との距離が所定の閾値未満となった場合に、前記第1UV光源および前記第2UV光源を消灯すること
を特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の照射装置。
【請求項5】
前記所定の領域は、
人のプライバシーに関する領域であり、
前記センサは、
レーダーセンサであること
を特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の対象物に対して紫外線を照射する光源を有し、人感センサによる人の在/不在の検出結果に応じて光源の点灯を制御する照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-009698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、人の在/不在により紫外線の照射有無を制御しているに過ぎず、対象物に対して適切に紫外線を照射する点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対象物に対して適切に紫外線を照射することができる照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照射装置は、UV照射部と、センサと、制御部とを具備する。前記UV照射部は、所定の領域に配置された対象物に対して紫外線を照射するUV照射部であって、人への照射が可能な第1波長の前記紫外線を照射する第1UV光源と、人への照射が不可な第2波長の前記紫外線を照射する第2UV光源とを有する。前記センサは、前記所定の領域における人の存在状況を検出する。前記制御部は、前記センサの検出結果に基づいて前記第1UV光源および前記第2UV光源の点灯制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、実施形態に係る照射装置が実行する処理の概要を示す図である。
図1B図1Bは、実施形態に係る照射装置が実行する処理の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る照射装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る照射装置において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で説明する照射装置1は、UV照射部200と、レーダーセンサ100と、制御部2とを具備する。UV照射部200は、所定の領域Rに配置された対象物に対して紫外線を照射する。レーダーセンサ100は、所定の領域Rにおける人の存在状況を検出する。制御部2は、レーダーセンサ100の検出結果に基づいてUV照射部200の点灯制御を行う。
【0009】
以下で説明する制御部2は、レーダーセンサ100によって人が検出された場合には、UV照射部200を消灯し、レーダーセンサ100によって人が検出されない場合には、UV照射部200を点灯する。
【0010】
以下で説明する制御部2は、レーダーセンサ100によって人が検出された場合において、所定の領域Rでの人の滞在時間が所定の閾値以上である場合には、UV照射部200を消灯する。
【0011】
以下で説明する制御部2は、所定の領域Rにおいて複数の人が検出された場合、複数の人のうち最も長い滞在時間が所定の閾値以上である場合に、UV照射部200を消灯する。
【0012】
以下で説明する制御部2は、レーダーセンサ100によって人が検出されない場合、直前の滞在時間に基づいて、紫外線の照射量を決定する。
【0013】
以下で説明する制御部2は、対象物と人との距離が所定の閾値未満となった場合に、UV照射部200を消灯する。
【0014】
以下で説明するUV照射部200は、人への照射が可能な第1波長の紫外線を照射する第1UV光源210と、人への照射が不可な第2波長の紫外線を照射する第2UV光源220とを有する。制御部2は、レーダーセンサ100によって人が検出された場合には、第1UV光源210を点灯するとともに第2UV光源220を消灯し、レーダーセンサ100によって人が検出されない場合には、第1UV光源210を消灯するとともに第2UV光源220を点灯する。
【0015】
以下で説明する所定の領域Rは、人のプライバシーに関する領域である。
【0016】
以下で説明する照射装置1は、UV照射部200と、センサ(レーダーセンサ100)と、制御部2とを具備する。UV照射部200は、所定の領域Rに配置された対象物に対して紫外線を照射するUV照射部200であって、人への照射が可能な第1波長の紫外線を照射する第1UV光源210と、人への照射が不可な第2波長の紫外線を照射する第2UV光源220とを有する。センサは、所定の領域Rにおける人の存在状況を検出する。制御部2は、レーダーセンサ100の検出結果に基づいて第1UV光源210および第2UV光源220の点灯制御を行う。
【0017】
以下で説明する制御部2は、センサによって人が検出された場合には、第1UV光源210を点灯するとともに第2UV光源220を消灯し、センサによって人が検出されない場合には、第1UV光源210を消灯するとともに第2UV光源220を点灯する。
【0018】
以下で説明する制御部2は、センサによって人が検出された場合において、所定の領域Rでの人の滞在時間が所定の閾値以上である場合には、第1UV光源210を消灯する。
【0019】
以下で説明する制御部2は、所定の領域Rにおいて複数の人が検出された場合、複数の人のうち最も長い滞在時間が所定の閾値以上である場合に、第1UV光源210を消灯する。
【0020】
以下で説明する制御部2は、センサによって人が検出されない場合、直前の滞在時間に基づいて、第2波長の紫外線の照射量を決定する。
【0021】
以下で説明する制御部2は、対象物と人との距離が所定の閾値未満となった場合に、第1UV光源210および第2UV光源220を消灯する。
【0022】
以下で説明する所定の領域Rは、人のプライバシーに関する領域である。センサは、レーダーセンサ100である。
【0023】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照射装置について説明する。なお、以下に示す実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0024】
(実施形態)
まず、図1Aおよび図1Bを用いて、実施形態に係る照射装置が実行する処理の概要について説明する。図1Aおよび図1Bは、実施形態に係る照射装置が実行する処理の概要を示す図である。なお、以下では、複数の照射装置1-1~1-3のように区別して称する場合と、区別せずに照射装置1と総称する場合とがある。
【0025】
図1Aおよび図1Bに示すように、照射装置1は、所定の空間SPに配置され、紫外線を照射することで対象物を殺菌する装置である。所定の空間SPは、人のプライバシーに関する空間であり、図中では、一例としてトイレを示している。なお、人のプライバシーに関する空間としての空間SPは、例えば、着替えスペース(ロッカールームやフィッティングルーム等)や、自宅等であってもよい。また、空間SPは、人のプライバシーに関する空間に関わらず、ショッピングモールや、職場等のパブリックスペースといった空間であってもよい。
【0026】
また、図1Aおよび図1Bでは、空間SPであるトイレに3台の照射装置1-1~1-3が設置される例を示している。具体的には、照射装置1-1は、所定の領域R1である手洗い場(化粧台または洗面台)付近に設置され、対象物である手洗い金具やシンクを殺菌する。照射装置1-2は、所定の領域R2である便器付近に設置され、対象物である便器やトイレットペーパーホルダーを殺菌する。照射装置1-3は、所定の領域R3である便器付近に設置され、対象物である便器やトイレットペーパーホルダーを殺菌する。なお、所定の領域R1~R3を特に区別しない場合、所定の領域Rと称する場合がある。すなわち、所定の領域Rは、所定の空間SPに存在しているため、人のプライバシーに関する領域である。
【0027】
また、各照射装置1は、所定の領域Rにおける人の存在状況を検出するレーダーセンサ100(図2参照)を有し、かかるレーダーセンサ100の検出結果に基づいて紫外線の照射制御を行う。すなわち、照射装置1は、紫外線の照射制御として、後述するUV照射部200(図2参照)の点灯制御を行う。
【0028】
ここで、図1Aに示す例では、所定の領域R1には人が存在し、所定の領域R2、R3には人が存在していないこととする。
【0029】
このような状況において、照射装置1-1は、レーダーセンサ100によって所定の領域R1に人が検出された場合、UV照射部200を消灯することで紫外線の照射を停止する。一方、照射装置1-2、1-3は、レーダーセンサ100によって所定の領域R2、R3に人が検出されない場合、UV照射部200を点灯することで対象物に対して紫外線を照射する。
【0030】
なお、詳細は後述するが、紫外線の波長は、人への照射が可能な第1波長(例えば、222nm)、または、人への照射が不可な第2波長(例えば、254nm)を用いることができる。
【0031】
例えば、第1波長の紫外線を用いる場合、照射装置1-1は、人の滞在時間が所定の閾値以上となるまでは紫外線を照射し、閾値以上となった場合に紫外線の照射を停止するようにしてもよい。なお、閾値は、人が所定期間(例えば、1日)に浴びることを許容される紫外線の量に応じた値が設定される。
【0032】
また、第2波長の紫外線を用いる場合、照射装置1-1は、所定の領域R1への人の侵入が検出され次第、紫外線の照射を停止する。
【0033】
また、照射装置1-2、1-3についても、対象物への殺菌が十分である場合(殺菌率が所定の閾値以上である場合)、人の検出有無に関わらず、紫外線の照射を停止してもよい。
【0034】
このように、実施形態に係る照射装置1によれば、人の存在状況に応じて紫外線の照射制御を行うことで、対象物に対して適切に紫外線を照射することができる。
【0035】
なお、上述では、存在状況の一例として、滞在時間を示したが、存在状況は、例えば、領域Rに存在する人の数や、対象物と人との距離等を含むことができ、かかる点の詳細については後述する。
【0036】
また、図1Aでは、第1波長または第2波長のいずれかの波長の紫外線を用いる場合を示したが、第1波長および第2波長両方を照射可能に構成して、第1波長および第2波長それぞれの照射を切り替える制御が行われてもよい。かかる点について、図1Bを用いて説明する。
【0037】
図1Bに示す例では、照射装置1は、第1波長の紫外線を照射する第1UV光源210(図2参照)と、第2波長の紫外線を照射する第2UV光源220(図2参照)と有していることとする。
【0038】
図1Bに示すように、照射装置1は、レーダーセンサ100の検出結果に基づいて第1UV光源210および第2UV光源220の点灯制御を行う。
【0039】
図1Bに示す例では、照射装置1-1は、所定の領域R1に人が検出された場合、第1UV光源210を点灯するとともに第2UV光源220を消灯する。すなわち、照射装置1-1は、第1波長の紫外線を対象物へ照射し、第2波長の紫外線の照射を停止する。
【0040】
一方、照射装置1-2、1-3は、所定の領域R2、R3に人が検出されなかった場合、第1UV光源210を消灯するとともに第2UV光源220を点灯する。すなわち、照射装置1-2、1-3は、第1波長の紫外線の照射を停止し、第2波長の紫外線を対象物へ照射する。
【0041】
なお、照射装置1-1は、人の滞在時間が所定の閾値以上となるまでは第1波長の紫外線を照射し、閾値以上となった場合に第1波長の紫外線の照射を停止するようにしてもよい。なお、閾値は、人が所定期間(例えば、1日)に浴びることを許容される紫外線の量に応じた値が設定される。
【0042】
また、照射装置1-2、1-3についても、対象物への殺菌が十分である場合(殺菌率が所定の閾値以上である場合)、人の検出有無に関わらず、第2波長の紫外線の照射を停止してもよい。
【0043】
また、照射装置1-2、1-3は、殺菌時間を短縮するために、第1UV光源210を点灯させてもよい。すなわち、照射装置1-2、1-3は、第1波長の紫外線および第2波長の紫外線それぞれを対象物に対して照射してもよい。
【0044】
このように、実施形態に係る照射装置1によれば、人の存在状況に応じて紫外線の波長の切替制御を行うことで、対象物に対して適切に紫外線を照射することができる。
【0045】
また、照射装置1が設置される所定の領域Rは、上記したように人のプライバシーに関する領域であるため、人の存在状況を検出する手段としてカメラを用いることが難しい。このため、人の存在状況を検出する手段としてレーダーセンサ100を用いることで、人のプライバシーを保護しつつ人の存在状況を高精度に検出する。
【0046】
なお、上述では、存在状況の一例として、滞在時間を示したが、存在状況は、例えば、領域Rに存在する人の数や、対象物と人との距離等を含むことができ、かかる点の詳細については後述する。
【0047】
次に、図2を用いて、照射装置1の機能構成例について説明する。図2は、実施形態に係る照射装置1の構成例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、照射装置1は、制御部2と、記憶部3と、レーダーセンサ100と、UV照射部200とを具備する。
【0048】
レーダーセンサ100は、マイクロ波やミリ波を用いたレーダ装置である。具体的には、レーダーセンサ100は、マイクロ波やミリ波を周囲に照射し、対象物(すなわち、人)で反射した反射波を受信することで、レーダーセンサ100を基準とした対象物までの距離や、対象物の方位(角度)を検出する。
【0049】
また、レーダーセンサ100は、時系列で検出した対象物を識別し、同一の対象物の連続性を検出することで、対象物の移動速度や、移動方向、移動距離等を検出可能である。レーダーセンサ100は、検出結果を照射装置1へ出力する。
【0050】
UV照射部200は、所定の領域Rに配置された対象物に対して紫外線を照射する。図2に示すように、UV照射部200は、人への照射が可能な第1波長の紫外線を照射する第1UV光源210と、人への照射が不可な第2波長の紫外線を照射する第2UV光源220とを有する。
【0051】
第1UV光源210は、例えば、中心波長が222nm(±αnmを許容)の紫外線を照射する光源である。第2UV光源220は、例えば、中心波長が254nm(±αnmを許容)の紫外線を照射する光源である。
【0052】
UV照射部200は、制御部2の制御に従って、紫外線の照射有無を切り替えたり、第1UV光源210および第2UV光源220の点灯を切り替えたりする。
【0053】
ここで、照射装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0054】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部2の各機能を実行する。
【0055】
また、制御部2の各機能の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0056】
また、記憶部3は、RAMやフラッシュメモリであり、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、照射装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。なお、記憶部3は、例えば、レーダーセンサ100の検出結果に基づく情報(人の在/不在、人数、滞在時間、人と対象物との距離)を記憶することができる。
【0057】
次に、制御部2の各機能について説明する。
【0058】
制御部2は、レーダーセンサ100の検出結果を取得し、かかる検出結果に基づいてUV照射部200、詳細には、第1UV光源210および第2UV光源220の点灯制御を行う。
【0059】
具体的には、制御部2は、レーダーセンサ100によって領域Rに人が検出された場合には、UV照射部200を消灯し、人が検出されない場合には、UV照射部200を点灯する。あるいは、制御部2は、レーダーセンサ100によって領域Rに人が検出された場合には、第1UV光源210を点灯するとともに第2UV光源220を消灯し、人が検出されない場合には、第1UV光源210を消灯するとともに第2UV光源220を点灯する。
【0060】
また、制御部2は、人が検出された場合において、所定の領域Rでの人の滞在時間が所定の閾値以上である場合には、UV照射部200を消灯する。あるいは、制御部2は、人が検出された場合において、所定の領域Rでの人の滞在時間が所定の閾値以上である場合には、第1UV光源210を消灯する。なお、滞在時間に対応する閾値は、人が所定期間(例えば、1日)に浴びることを許容される紫外線の量に応じた値(時間)が設定される。
【0061】
なお、制御部2は、所定の領域Rにおいて複数の人が検出された場合、複数の人のうち最も長い滞在時間が所定の閾値以上である場合に、UV照射部200、あるいは、第1UV光源210を消灯する。つまり、制御部2は、複数の人の中で、所定の領域Rに最初に入った人の滞在時間が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0062】
また、制御部2は、対象物と人との距離が所定の閾値未満となった場合に、UV照射部200(第1UV光源210および第2UV光源220)を消灯する。なお、距離に対応する閾値は、UV照射部200(第1UV光源210および第2UV光源220)の照射範囲に応じた値(距離)が設定される。
【0063】
また、制御部2は、人が検出されない場合、直前の滞在時間に基づいて、紫外線の照射量を決定する。具体的には、制御部2は、直前の滞在時間が多い程、紫外線の照射量を多くするよう決定する。そして、制御部2は、決定した照射量を満たすように、UV照射部200(第1UV光源210および/または第2UV光源220)の点灯時間および点灯強度を決定してUV照射部200(あるいは、第2UV光源220)を制御する。
【0064】
なお、かかる場合の滞在時間は、例えば、所定の領域Rに人が最初に入った時間から最後の人が出た時間までの期間である。あるいは、滞在時間は、上記した最も長い滞在時間であってもよい。また、制御部2は、照射量を決定する場合に、滞在時間だけでなく、滞在時間中に所定の領域Rに入った人数を考慮してもよい。あるいは、制御部2は、人が対象物に接触した回数を考慮してもよい。
【0065】
これにより、対象物に対して殺菌不足になったり、過殺菌になったりすることを高精度に回避できる。
【0066】
なお、制御部2は、決定した第2UV光源220の点灯時間が所定の閾値以上である場合には、第1UV光源210を点灯させることで殺菌効率を上げて、かかる点灯時間を短くすることとしてもよい。
【0067】
また、制御部2は、警備員の見回り等のように、滞在時間が短く(所定の閾値未満)、対象物への接触も無い場合で、UV照射部200を消灯して殺菌を行わないようにしてもよい。これにより、UV照射部200の不要な点灯を減らすことが出来るため、UV照射部200の長寿命化を実現できる。
【0068】
次に、図3を用いて、実施形態に係る照射装置1において実行される処理の処理手順について説明する。図3は、実施形態に係る照射装置1において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0069】
図3に示すように、まず、制御部2は、レーダーセンサ100の検出結果を取得する(ステップS1)。
【0070】
つづいて、制御部2は、レーダーセンサ100の検出結果に基づいて、所定の領域Rに人を検出したか否かを判定する(ステップS102)。
【0071】
つづいて、制御部2は、人を検出した場合(ステップS102:Yes)、第1UV光源210を点灯(継続点灯を含む)する(ステップS103)。
【0072】
つづいて、制御部2は、第2UV光源220を消灯(既に消灯している場合は継続消灯)する(ステップS104)。
【0073】
つづいて、制御部2は、人の滞在時間が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS105)。
【0074】
つづいて、制御部2は、滞在時間が所定の閾値以上であった場合(ステップS105:Yes)、第1UV光源210を消灯し(ステップS106)、処理を終了する。
【0075】
一方、ステップS102において、制御部2は、人を検出しなかった場合(ステップS102:No)、第1UV光源210を消灯し(ステップS107)、第2UV光源220を点灯し(ステップS108)、処理を終了する。
【0076】
また、ステップS105において、制御部2は、滞在時間が閾値未満であった場合(ステップS105:No)、人が対象物に接近したか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、制御部2は、人と対象物との距離が所定の閾値未満となったか否かを判定する。
【0077】
つづいて、制御部2は、人が対象物に接近した場合(ステップS109:Yes)、ステップS106を実行する。
【0078】
一方、制御部2は、人が対象物に接近していない場合(ステップS109:No)、人が未検出となったか否かを判定する(ステップS110)。
【0079】
制御部2は、人が未検出となった場合(ステップS110:Yes)、ステップS107へ移行する。すなわち、制御部2は、第1UV光源210を消灯し(ステップS107)、第2UV光源220を点灯し(ステップS108)、処理を終了する。
【0080】
上述したように、実施形態に係る照射装置1は、UV照射部200と、レーダーセンサ100と、制御部2とを具備する。UV照射部200は、所定の領域Rに配置された対象物に対して紫外線を照射する。レーダーセンサ100は、所定の領域Rにおける人の存在状況を検出する。制御部2は、レーダーセンサ100の検出結果に基づいてUV照射部200の点灯制御を行う。これにより、対象物に対して適切に紫外線を照射することができる。
【0081】
上述したように、実施形態に係る照射装置1は、UV照射部200と、センサ(レーダーセンサ100)と、制御部2とを具備する。UV照射部200は、所定の領域Rに配置された対象物に対して紫外線を照射するUV照射部200であって、人への照射が可能な第1波長の紫外線を照射する第1UV光源210と、人への照射が不可な第2波長の紫外線を照射する第2UV光源220とを有する。センサは、所定の領域Rにおける人の存在状況を検出する。制御部2は、センサの検出結果に基づいて第1UV光源210および第2UV光源220の点灯制御を行う。これにより、対象物に対して適切に紫外線を照射することができる。
【0082】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0083】
1 照射装置
2 制御部
3 記憶部
100 レーダーセンサ
200 UV照射部
210 第1UV光源
220 第2UV光源
R 領域
SP 空間
図1A
図1B
図2
図3