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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】粒子画像解析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/0227 20240101AFI20240910BHJP
   G01N 15/1429 20240101ALI20240910BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20240910BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20240910BHJP
【FI】
G01N15/0227 100
G01N15/1429
G01N21/17 A
G06T7/60 150S
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021072832
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167196
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴弘
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/157982(WO,A1)
【文献】特表2014-520266(JP,A)
【文献】特開2006-162484(JP,A)
【文献】米国特許第05822447(US,A)
【文献】特開平11-132932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/0227
G01N 15/1429
G01N 21/17
G06T 7/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を分散させた液体試料を撮影した複数の粒子画像を画像解析する解析処理部と、
前記複数の粒子画像のうち、解析対象となる粒子画像と、解析除外となる粒子画像と、を分類する操作を受け付ける操作部と、
前記操作部により解析対象とされた粒子画像に撮影された粒子を、第1グループと、前記操作部により解析除外された粒子画像に撮影された粒子の第2グループとに分類する分類部と、
前記第1グループのみを統計処理し、表示部に表示させる表示制御部と、を備える粒子解析装置において、
前記表示制御部は、
前記第1グループに分類された粒子の情報であって、前記粒子の画像解析の解析結果を含む情報を前記表示部に表示し、
記第2グループに分類された粒子の情報を、前記第1グループに分類された粒子の情報と区別可能に前記表示部に表示させる、粒子画像解析装置。
【請求項2】
前記粒子画像と、粒子を識別する識別情報と、前記第1グループ、又は、前記第2グループを示す識別する分類情報と、を対応づけて記憶する記憶部を備え、
前記分類部は、前記操作部が受け付けた操作に従い、粒子画像に撮影された粒子の前記分類情報を書き換え、
前記表示制御部は、前記第1グループに分類された粒子の情報であって、前記粒子の画像解析の解析結果を含む第1子画面と、前記第2グループに分類された粒子の情報であって、前記粒子の画像解析の解析結果を含む第2子画面と、を選択的に前記表示部に表示させ、
前記第1子画面には、前記第1子画面に表示される粒子の情報を、前記第2グループに分類する除去ボタンが表示され、
前記第2子画面には、前記第2子画面に表示される粒子の情報を、前記第1グループに戻すボタンが表示され、
前記分類部は、
前記第1子画面において、前記除去ボタンが押下されると、前記第1子画面に表示される粒子の前記分類情報を前記第1グループから第2グループに書き換え、
前記第2子画面において、前記戻すボタンが押下されると、前記第2子画面に表示される粒子の前記分類情報を前記第2グループから第1グループに書き換える、請求項1記載の粒子画像解析装置。
【請求項3】
前記解析処理部は、粒子画像を解析し、設定された粒子の形状を示す複数の評価項目ごとの評価値を算出し、
前記表示制御部は、前記第1グループ又は前記第2グループに分類された粒子の粒子画像が選択されると、選択された前記粒子画像に対応する前記複数の評価項目の評価値を前記表示部に表示させる、請求項記載の粒子画像解析装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第2グループに分類された粒子の情報として、前記粒子の粒子画像を表示させる、請求項1記載の粒子画像解析装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記第1グループが選択された場合、前記第1グループに分類された粒子の粒子画像を表示させ、前記第2グループが選択された場合、前記第2グループに分類された粒子の粒子画像を表示させる、請求項1記載の粒子画像解析装置。
【請求項6】
前記第1グループに分類された粒子の粒子画像を解析して得た前記評価値に関する統計データを生成する分析部を備え、
前記表示制御部は、前記分析部が生成した統計データに基づく統計グラフを前記表示部に表示させる、請求項記載の粒子画像解析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子画像解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子の形状等を分析する各種の粒子画像解析装置として、粒子を撮影した粒子画像を画像解析し、画像解析の結果に基づいて粒子の形状等を分析する粒子画像解析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、粒子画像解析装置では、サンプル粒子を分散させたサンプル液をフローセル内に設けた流路に流し、サンプル液の流れをカメラで撮影して粒子画像を得ている。
【0003】
ところで、粒子画像解析装置により撮影される粒子画像には、分析対象外の異物を撮影した画像や、複数の粒子が重なり合って1つの粒子として撮影した画像等が含まれる場合がある。このため、粒子画像解析装置が撮影した粒子画像を表示させ、操作者が表示された粒子画像を視認して、分析の対象から除外する粒子を判定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-156427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、操作者の目視による判定の場合、誤った判定をしてしまう場合もあり、除外する粒子の判定精度を高める技術が求められていた。
【0006】
本発明は、分析の対象から除外する粒子の判定精度を高めることができる粒子画像解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、粒子を分散させた液体試料を撮影した複数の粒子画像を画像解析する解析処理部と、前記複数の粒子画像のうち、解析対象となる粒子画像と、解析除外となる粒子画像と、を分類する操作を受け付ける操作部と、前記操作部により解析対象とされた粒子画像に撮影された粒子を、第1グループと、前記操作部により解析除外された粒子画像に撮影された粒子の第2グループとに分類する分類部と、前記第1グループのみを統計処理し、表示部に表示させる表示制御部と、を備える粒子解析装置において、前記表示制御部は、前記第1グループに分類された粒子の情報であって、前記粒子の画像解析の解析結果を含む情報を前記表示部に表示し、前記第2グループに分類された粒子の情報を、前記第1グループに分類された粒子の情報と区別可能に前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1態様の粒子画像解析装置によれば、第1グループに分類された粒子の情報と、第1グループから除外した粒子の情報とを視認しながら、第1グループから除外する粒子画像を選択することができるため、除外する粒子の判定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】粒子画像解析装置の構成の一例を示す図である。
図2】粒子管理テーブルの一例を示す図である。
図3】表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図4】表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図5】表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図6】表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図7】表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
図8】制御装置の動作を示すフローチャートである。
図9】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。
【0011】
[1.粒子画像解析装置の構成]
図1は、粒子画像解析装置1の構成の一例を示す図である。
粒子画像解析装置1は、サンプル粉体が分散されたサンプル液をカメラで撮影した撮影画像を画像解析して、サンプル粉体に含まれる粒子の形状等を分析する装置である。サンプル粉体は、例えば、顔料、化粧品用パウダー、トナー、粒子状触媒、研磨材、粉末状医薬、合成樹脂製粉末、ファインセラミック粒子、金属粒子等の工業製品の粉体である。サンプル粉体は、本発明の粒子に相当し、サンプル液は、本発明の液体試料に相当する。
【0012】
粒子画像解析装置1は、フローセル10と、サンプル液供給機構20と、サンプル液貯留容器31と、廃液タンク37と、照明部40と、撮影部50と、操作部70と、表示部80と、制御装置100と、を備える。
【0013】
フローセル10は、光学的に略透明な測定容器であり、形状は、略矩形の板状である。フローセル10の上端面11には、サンプル液を導入する導入口12が形成され、フローセル10の下端面13には、サンプル液を排出する排出口14が形成されている。また、フローセル10の内部には、導入口12から排出口14に至る直線状の流路15が形成されている。また、フローセル10内には、撮影部50が備えるテレセントリックレンズ55の焦点調整用のターゲットが設けられている。ターゲットの図示は省略する。
【0014】
サンプル液供給機構20は、フローセル10内にサンプル液を所定量ずつ送り込む機構であり、送液ポンプ21を備える。本実施形態では、測定対象のサンプル液を貯留するサンプル液貯留容器31から延びる導入管33がフローセル10の導入口12に接続される。また、排出口14には排出管23の一端が接続され、この排出管23の他端に送液ポンプ21の吸込側が接続される。送液ポンプ21を作動させることで、サンプル液貯留容器31のサンプル液が導入口12からフローセル10の流路15に流れ込み、当該流路15を経て排出口14から排出される。送液ポンプ21の排出側には、廃液管35が接続されており、送液ポンプ21が排出したサンプル液は廃液管35を通じて廃液タンク37に回収される。送液ポンプ21は、導入管33の側に設ける構成であってもよい。
【0015】
照明部40は、フローセル10に測定光43を照射する光源装置41を備える。光源装置41は、略平行光の測定光43を、フローセル10の流路15に対して略直交する方向から照射する。光源装置41は、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザ光源などの発光素子を有した光源と、光源が放射する光を平行光化するコリメート光学系とを備える。光源装置41は、COB型(チップオンボード型)LEDのように、面状に光を放射する面状光源を光源として備える構成であってもよい。
【0016】
撮影部50は、フローセル10を挟んで照明部40と対向する位置に配置され、フローセル10における測定光43の照射箇所を撮影する。撮影部50は、カメラ51と、テレセントリック顕微鏡54と、フォーカス機構56と、を備える。
【0017】
カメラ51は、イメージングセンサであるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子52と、撮像素子52から出力されるアナログの画像データをディジタル信号に変換するA/D変換等の処理を行う信号処理回路53とを備える。
【0018】
テレセントリック顕微鏡54は、撮像素子52の撮像面52Aにフローセル10における照射箇所の像を結像するテレセントリック光学系であり、フローセル10に対向配置されたテレセントリックレンズ55を備える。
【0019】
フォーカス機構56は、テレセントリックレンズ55の焦点位置を変更する機構であり、レンズ駆動機構57を備える。レンズ駆動機構57は、制御装置100の制御の下、テレセントリックレンズ55をテレセントリック光学系の光軸Aに沿って直動することでテレセントリックレンズ55の焦点を変更する。テレセントリックレンズ55の焦点は、制御装置100がターゲットに基づいて調整する。具体的には、制御装置100は、カメラ51の撮影画像を取り込み、取り込んだ撮影画像に撮影されたターゲットの撮影状態に基づいてテレセントリックレンズ55の焦点を調整する。
【0020】
操作部70は、マウスやキーボード等の入力デバイスを備え、操作者の操作を受け付ける受付部として機能する。
表示部80は、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルを備え、制御装置100の制御に従って表示パネルに表示画面を表示させる。この表示画面には、例えば、カメラ51の撮影画像や、この撮影画像に撮影されたサンプル粉体の解析結果が表示される。
また、表示部80は、表示パネル及びタッチセンサーを備えるタッチパネルにより構成してもよい。タッチセンサーは、操作者の指や指示棒等の指示体が接触した表示パネルの位置を検出する。表示パネルには、予め座標系が設定されており、タッチセンサーは、指示体が接触した表示パネルの位置を示す座標情報を制御装置100に出力する。
【0021】
制御装置100は、インターフェイス部110と、記憶部120と、プロセッサー130と、を備えるコンピューター装置である。
【0022】
インターフェイス部110には、撮影部50や、表示部80が接続され、プロセッサー130は、インターフェイス部110を介して撮影部50や表示部80とデータの送受信を行う。
【0023】
記憶部120は、ROM(Read only memory)やRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリーと、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置とを備える。
【0024】
記憶部120は、プロセッサー130が実行する制御プログラム121や、粒子管理テーブル123を記憶する。
【0025】
図2は、粒子管理テーブル123の一例を示す図である。
粒子管理テーブル123には、粒子像と、解析パラメーターの評価値と、分類されたグループを示す情報とが、粒子を識別する識別情報に対応づけて登録される。粒子像、解析パラメーターの評価値及びグループについては後述する。
【0026】
プロセッサー130は、CPU(Central Processing Unit)や、CPUを搭載したMCU(Micro Controller Unit)や、MPU(Micro Processor Unit)等のマイコンにより構成される。また、制御装置100を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現してもよい。
【0027】
制御装置100は、撮影制御部131、粒子像切出部132、解析処理部133、分類部134、分析部135及び表示制御部136を機能ブロックとして備える。これらの機能ブロックは、制御装置100が備える機能を示すものであり、記憶部120に記憶された制御プログラム121をプロセッサー130が実行することで実現される。
【0028】
撮影制御部131は、カメラ51のオートフォーカスの調整と、カメラ51の撮影タイミングの制御とを行う。
撮影制御部131は、テレセントリック顕微鏡54の焦点位置を、フローセル10内に設けたターゲットの撮影画像に基づいて調整する。具体的には、撮影制御部131は、カメラ51の撮影画像を取り込み、撮影画像に写ったターゲットの撮影状態に基づいて、カメラ51の焦点とターゲットとのずれを判定する。そして、撮影制御部131は、焦点のずれを解消する位置にテレセントリックレンズ55が移動するように、レンズ駆動機構57を制御する。このようにして、撮影制御部131は、カメラ51の焦点をターゲットに合わせる。
また、撮影制御部131は、予め設定された撮影間隔で、カメラ51にサンプル液を撮影させる。撮影制御部131は、カメラ51が撮影により生成した粒子画像を記憶部120に記憶させる。
【0029】
粒子像切出部132は、記憶部120から粒子画像を読み出す。粒子像切出部132は、読み出した粒子画像に対して、コントラスト調整や、明るさ調整、輪郭補正等の補正処理を行う。次に、粒子像切出部132は、補正処理後の粒子画像から粒子が撮影された範囲の画像を切り出し、粒子像を生成する。例えば、粒子像切出部132は、しきい値データに基づいて粒子画像から粒子像を切り出す。しきい値データに基づいて粒子画像から粒子像を切り出す手法は、輪郭検出などの適宜の画像処理技術を用いることができる。しきい値データは、粒子画像において、粒子像に相当する領域と、それ以外の背景領域とを分けるしきい値を示すデータである。このしきい値には、例えば粒子画像の画素の輝度値や色度、これらの組み合わせなどが用いられる。粒子像切出部132は、粒子像を生成すると、生成した粒子像に識別情報を付与し、付与した識別情報と粒子像とを粒子管理テーブル123に登録する。
【0030】
解析処理部133は、粒子像切出部132が生成した複数の粒子像をそれぞれ画像解析し、粒子像に撮影された粒子の形状を示す複数の評価項目の評価値を算出する。評価項目を、以下では解析パラメーターという。解析パラメーターには、例えば、面積相当径、面積、最大長(長径)、最大長垂直長(短径)、周囲長、包絡周囲長、外接矩形長径、外接矩形短径、円形度、アスペクト比、平均輝度等が含まれる。解析処理部133は、求めた解析パラメーターの評価値を、この評価値を求めた粒子像の識別情報に対応づけて粒子管理テーブル123に登録する。
【0031】
面積相当径は、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径であり、面積は粒子の投影面積である。また、最大長(長径)は粒子の投影輪郭線上の2点間で最大距離であり、最大長垂直長(短径)は最大長(長径)に対し平行な2本の直線で粒子を挟んだ際の距離である。周囲長は、粒子の投影輪郭線の長さであり、包絡周囲長は粒子の凸部を最短で結んだ周囲の長さである。外接矩形長径は粒子の輪郭を含むことができる最も小さな長方形の長辺の長さであり、外接矩形短径は粒子の輪郭を含むことができる最も小さな長方形の短辺の長さである。円形度は、4π×粒子の投影面積/周囲長の2乗によって求められ、アスペクト比は最大長(長径)/最大長垂直長(短径)によって求められる。また、平均輝度は、粒子像の粒子の輝度の平均値である。
【0032】
分類部134は、操作部70が受け付けた操作に従い、粒子管理テーブル123に登録された粒子像を、対象グループ又は除外グループに分類する。対象グループは、本発明の第1グループに相当し、除外グループは、本発明の第2グループに相当する。対象グループに分類された粒子像は、分析部135が解析パラメーターの評価値を統計処理し、各種の統計データを生成する対象となる粒子像である。また、除外グループに分類された粒子像は、分析部135が統計処理の対象としない粒子像である。例えば、分類部134は、対象グループに分類された粒子像が、操作部70の操作により除外グループに変更された場合、粒子管理テーブル123の該当粒子像のグループ分類を、対象グループから除外グループに書き換える。また、除外グループに分類された粒子像が、操作部70の操作により対象グループに変更された場合、分類部134は、粒子管理テーブル123の該当粒子像のグループ分類を、除外グループから対象グループに書き換える。
【0033】
分析部135は、解析処理部133が画像解析した粒子像のうち、対象グループに分類された粒子像の解析パラメーターの評価値を取得し、取得した解析パラメーターの評価値を適宜の統計手法を用いて統計処理し、各種の統計データを生成する。
【0034】
表示制御部136は、表示部80に表示させる表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部80に表示させる。例えば、表示制御部136は、粒子像切出部132により生成された粒子像や、解析処理部133が生成した解析パラメーターの評価値が表示された表示画面を生成する。また、表示制御部136は、分析部135が生成した統計データに基づいて統計グラフを生成し、生成した統計グラフを表示部80に表示させる。
【0035】
図3図6は、サムネイル画面200の一例を示す図である。
解析処理部133が画像解析を終了すると、表示制御部136は、図3に示すサムネイル画面200を表示部80に表示させる。サムネイル画面200には、第1子画面210、第2子画面220及び第3子画面230が表示される。
【0036】
第1子画面210及び第2子画面220は、粒子像のサムネイル画像201が表示される画面である。第1子画面210及び第2子画面220は、サムネイル画面200に選択的に表示される。すなわち、サムネイル画面200に第1子画面210が表示されている場合、第2子画面220は、第2子画面220のタブだけが表示され、サムネイル画面200に第2子画面220が表示されている場合、第1子画面210は、第1子画面210のタブだけが表示される。第1子画面210と第2子画面220との表示切り替えは、タブ操作により行われる。すなわち、操作者により第1子画面210のタブが選択された場合には、第1子画面210がサムネイル画面200に表示され、操作者により第2子画面220のタブが選択された場合には、第2子画面220がサムネイル画面200に表示される。
【0037】
また、第3子画面230は、解析処理部133が解析した解析パラメーターの評価値が表示される画面である。第3子画面230は、サムネイル画面200に第1子画面210が表示されている場合も、サムネイル画面200に第2子画面220が表示されている場合も、サムネイル画面200に継続して表示される。
【0038】
第1子画面210には、解析処理部133が解析した複数の粒子像のサムネイル画像201が複数表示される。図3には、サムネイル画像201として、サムネイル画像201A、サムネイル画像201B及びサムネイル画像201Cの3つを示すが、実際には、さらに多数のサムネイル画像201が表示される。
【0039】
図4は、サムネイル画像201Bが選択された状態を示す。
操作者は、操作部70の操作、又は表示パネルのタッチ操作によりサムネイル画面200に表示されたサムネイル画像201を選択する。図4には、サムネイル画像201Bの周囲を囲む線を破線で示し、サムネイル画像201Bが選択された状態にあることを示す。表示制御部136は、サムネイル画像201Bが選択されると、選択されたサムネイル画像201Bの元になる粒子像の画像解析の結果を第3子画面230に表示させる。図4に示す第3子画面230には、画像解析の結果として、面積相当径、周囲長、最大長、円形度、アスペクト比及び平均輝度が表示された例を示す。
【0040】
また、第1子画面210には、除去ボタン211が表示される。除去ボタン211は、分析部135が、統計データを算出する対象の粒子から除外するボタンである。除去ボタン211は、サムネイル画像201の少なくとも1つが選択された状態で使用される。例えば、図4に示すサムネイル画像201Bが選択された状態で、操作者により除去ボタン211が押下されると、図5に示す第2子画面220にサムネイル画像201Bが表示される。表示制御部136は、選択されたサムネイル画像201Bの表示を第1子画面210から消去し、図5に示す第2子画面220にサムネイル画像201Bを表示させる。すなわち、除去グループに分類された粒子の情報であるサムネイル画像201Bが、第1グループに分類された粒子の情報であるサムネイル画像201A及び201Cと区別可能に表示される。
【0041】
分類部134は、除去ボタン211が押下され、第2子画面220にサムネイル画像201Bを表示させると、このサムネイル画像201Bの元になる粒子像のブループ分類を、対象グループから除外グループに書き換える。分類部134、粒子管理テーブル123に登録された該当する粒子像のブループ分類を、対象グループから除外グループに書き換える。
【0042】
図6は、第2子画面220に表示されたサムネイル画像201Bが選択された場合のサムネイル画面200の表示を示す図である。
図6には、サムネイル画像201Bの周囲を囲む線を破線で示し、サムネイル画像201Bが選択された状態にあることを示す。表示制御部136は、サムネイル画像201Bが選択されると、選択されたサムネイル画像201Bの元になる粒子像の画像解析の結果を第3子画面230に表示させる。第3子画面230に表示される解析パラメーターは、サムネイル画像201Bが第1子画面210に表示されている場合も、第2子画面220に表示されている場合も同一の解析パラメーターが表示される。
【0043】
第2子画面220には、除去ボタン211に代えて、戻すボタン225が表示される。戻すボタン225は、第2子画面220に表示されたサムネイル画像201の少なくとも1つが選択された状態で使用される。例えば、図6に示すサムネイル画像201Bが選択された状態で、操作者により戻すボタン225が押下されると、選択されたサムネイル画像201Bの表示を第2子画面220から消去し、第1子画面210にサムネイル画像201Bを表示させる。
【0044】
ここで、サムネイル画面200に第2子画面220が存在しなかった場合について検討する。操作者は、第1子画面210に表示された粒子像のサムネイル画像201、及び、第3子画面230に表示された粒子像の画像解析の結果を参照して、除去する粒子像を選択する。例えば、2つ以上の粒子が1つの粒子として抽出された粒子や、1つの粒子が複数に分割され、複数の粒子として抽出された粒子、コンタミ粒子等の異物、複数の撮影画像に同じ粒子が重複して映り込み、重複して抽出された粒子等が選択され、除外される。ここで、サムネイル画面200に第2子画面220が存在しない場合、操作者の操作により除去された粒子像のサムネイル画像201は、サムネイル画面200に表示されない。従って、例えば、非熟練の操作者Aにより除去された粒子像を、熟練の操作者Bが再度確認し、最終的に、除去する粒子像を決定する場合等、一度、除去した粒子像を再度確認する場合に、除去した粒子像を確認する方法がなかった。このため、本実施形態では、サムネイル画面200に第1子画面210に加えて第2子画面220を表示させ、第1子画面210から除去された粒子像のサムネイル画像を、第1子画面210とは異なる第2子画面220に表示するようにした。
【0045】
また、第2子画面220には、粒子像のサムネイル画像、及び粒子像の解析結果が表示される。このため、操作者は、第1子画面210に表示されたサムネイル画像201及び画像解析の結果と、第2子画面220に表示されたサムネイル画像201及び画像解析の結果とを比較することができる。従って、操作者は、第1子画面210及び第2子画面220に表示されたサムネイル画像201及び画像解析の結果を比較しながら、最終的に除去する粒子像を決定することができる。
【0046】
第1子画面210には、統計表示ボタン213が表示される。
統計表示ボタン213は、分析部135に統計処理を開始させるボタンである。分析部135は、統計表示ボタン213が押下されると、粒子管理テーブル123を参照して対象グループに分類された粒子像の解析パラメーターの評価値を取得する。分析部135は、取得した解析パラメーターの評価値を適宜の統計手法を用いて統計処理し、各種の統計データを生成する。
【0047】
表示制御部136は、分析部135が生成した統計データに基づいて統計グラフを生成し、生成した統計グラフを表示部80に表示させる。図7は、統計表示画面250を示す図である。統計表示画面250には、表示制御部136が生成した統計グラフが表示される。図7(A)及び図7(B)には、統計グラフの一例として、面積相当径と、粒子の個数との関係を示すヒストグラムを示す。また、図7(A)に示す統計表示画面250に表示されたヒストグラムは、サムネイル画像201Bに対応する粒子像を、除去グループに分類する前の統計データから得られたヒストグラムである。また、図7(B)に示す統計表示画面250に表示されたヒストグラムは、サムネイル画像201Bに対応する粒子像を、除去グループに分類した後の統計データから得られたヒストグラムである。すなわち、図7(B)に示すヒストグラムの元になる統計データには、サムネイル画像201Bに対応する粒子像の評価値が含まれていない。
【0048】
また、統計表示画面250には、戻るボタン251が表示される。表示制御部136は、戻るボタン251が押下された場合、第1子画面210が表示されたサムネイル画面200を表示部80に表示させる。
【0049】
[2.粒子画像解析装置の動作]
図8及び図9は、制御装置100の動作を示すフローチャートである。図8及び図9に示すフローチャートを参照しながら制御装置100の動作について説明する。
まず、制御装置100は、サンプル液供給機構20を制御して送液ポンプ21を作動させる(ステップS1)。送液ポンプ21が作動することで、サンプル液貯留容器31のサンプル液が導入口12からフローセル10の流路15に流れ込み、流路15を経て排出口14から排出される。
【0050】
次に、制御装置100は、カメラ51に撮影の実行を指示する(ステップS2)。カメラ51は、所定の撮影間隔で撮影を行い、撮影により得られる粒子画像を制御装置100に出力する。制御装置100は、入力された粒子画像を記憶部120に記憶させる(ステップS3)。
【0051】
次に、制御装置100は、サンプル液貯留容器31に貯留されたサンプル液の送液が完了したか否かを判定する(ステップS4)。制御装置100は、サンプル液の送液が完了していない場合(ステップS4/NO)、送液ポンプ21の作動と、カメラ51の撮影とを継続させる。
【0052】
制御装置100は、サンプル液貯留容器31に貯留されたサンプル液の送液が完了すると(ステップS4/YES)、記憶部120から粒子画像を読み出し、読み出した粒子画像から粒子像を切り出す(ステップS5)。制御装置100は、しきい値データを用いた輪郭検出等の手法により粒子画像から粒子像を切り出す。制御装置100は、切り出した粒子像に識別情報を付与し、図2に示す粒子管理テーブル123に登録する。
【0053】
次に、制御装置100は、切り出した粒子像を画像解析し、複数の解析パラメーターの評価値を算出する(ステップS6)。制御装置100は、算出した評価値を、該当粒子像の識別情報に対応づけて粒子管理テーブル123に登録する。
次に、制御装置100は、記憶部120に記憶させたすべての粒子像に対して画像解析を行ったか否かを判定する(ステップS7)。制御装置100は、すべての粒子像に対して画像解析を行っていない場合(ステップS7/NO)、ステップS6の処理に戻る。
【0054】
制御装置100は、すべての粒子像に対して画像解析を行うと(ステップS7/YES)、表示部80にサムネイル画面200を表示させる(ステップS8)。このフローチャートでは、サムネイル画面200が最初に表示されるときには、デフォルトで第1子画面210が表示される場合について説明する。制御装置100は、サムネイル画面200を表示させると、第2子画面220のタブを選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS9)。
【0055】
制御装置100は、第2子画面220のタブを選択する操作を受け付けていない場合(ステップS9/NO)、第1子画面210に表示されたサムネイル画像201が選択されたか否かを判定する(ステップS10)。制御装置100は、サムネイル画像201が選択されていない場合(ステップS10/NO)、ステップS14の判定に移行する。
【0056】
また、制御装置100は、サムネイル画像201を選択された場合(ステップS10/YES)、選択されたサムネイル画像201の元となった粒子像の画像解析の結果を第3子画面230に表示させる(ステップS11)。
【0057】
次に、制御装置100は、除去ボタン211が押下されたか否かを判定する(ステップS12)。制御装置100は、除去ボタン211が押下されていない場合(ステップS12/NO)、ステップS14の判定に移行する。また、制御装置100は、除去ボタン211が押下された場合(ステップS12/YES)、ステップS10で選択されたサムネイル画像201に対応する粒子像を除去グループに分類する(ステップS13)。制御装置100は、粒子管理テーブル123に登録された該当する粒子像のブループ分類を、対象グループから除外グループに書き換える。
【0058】
次に、制御装置100は、統計表示ボタン213が押下されたか否かを判定する(ステップS14)。制御装置100は、統計表示ボタン213が押下されていない場合(ステップS14/NO)、ステップS17の判定に移行する。また、制御装置100は、統計表示ボタン213が押下された場合(ステップS14/YES)、粒子管理テーブル123を参照して対象グループに分類された粒子像の解析パラメーターの評価値を取得する。次に、制御装置100は、取得した解析パラメーターの評価値を適宜の統計手法を用いて統計処理し、各種の統計データを生成する(ステップS15)。次に、制御装置100は、生成した統計データに基づいて統計グラフを生成し、生成した統計グラフを表示部80に表示させる(ステップS16)。
【0059】
次に、制御装置100は、戻るボタン251が押下されたか否かを判定する(ステップS17)。制御装置100は、戻るボタン251が押下されるまで、ステップS17の判定を繰り返す。制御装置100は、戻るボタン251が押下されると(ステップS17/YES)、第1子画面210が表示されたサムネイル画面200を表示させる(ステップS18)。次に、制御装置100は、閉じるボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS19)。制御装置100は、閉じるボタンが押下されなかった場合(ステップS19/NO)、ステップS9の判定に戻り、第2子画面220のタブを選択する操作を受け付けたか否かを判定する。また、制御装置100は、閉じるボタンが押下された場合(ステップS19/YES)、この処理フローを終了させる。
【0060】
次に、ステップS9の判定において、第2子画面220のタブを選択する操作を受け付けた場合の制御装置100の動作について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
制御装置100は、第2子画面220のタブを選択する操作を受け付けると(ステップS9/YES)、サムネイル画面200に第2子画面220を表示させる(ステップS20)。次に、制御装置100は、第2子画面220に表示されたサムネイル画像201が選択されたか否かを判定する(ステップS20)。第2子画面220に表示されるサムネイル画像201は、除去グループに分類された粒子像のサムネイル画像201である。
【0061】
制御装置100は、除去グループに分類された粒子像のサムネイル画像201が選択されなかった場合(ステップS21/NO)、ステップS25の判定に移行する。また、制御装置100は、除去グループに分類された粒子像のサムネイル画像201が選択された場合(ステップS21/YES)、選択されたサムネイル画像201に対応する粒子像の解析結果を第3子画面230に表示させる(ステップS22)。
【0062】
次に、制御装置100は、戻すボタン225が押下されたか否かを判定する(ステップS23)。制御装置100は、戻すボタン225が押下されなかった場合(ステップS23/NO)、ステップS25の判定に移行する。また、制御装置100は、戻すボタン225が押下された場合、ステップS21で選択されたサムネイル画像201に対応する粒子像を対象グループに分類する(ステップS24)。制御装置100は、粒子管理テーブル123に登録された該当する粒子像のブループ分類を、除外グループから対象グループに書き換える。
【0063】
次に、制御装置100は、第1子画面210のタブが選択されたか否かを判定する(ステップS25)。制御装置100は、第1子画面210を選択するタブが選択された場合(ステップS25/YES)、図8に示すフローチャートのステップS8の処理に移行し、第1子画面210が表示されたサムネイル画面200を表示させる(ステップS8)。
【0064】
また、制御装置100は、ステップS25の判定が否定判定の場合(ステップS25/NO)、閉じるボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS26)。制御装置100は、閉じるボタンが押下されなかった場合(ステップS26/NO)、ステップS21の判定に戻り、サムネイル画像201が選択されたか否かを判定する(ステップS21)。また、制御装置100は、閉じるボタンが押下された場合(ステップS21/YES)、この処理フローを終了させる。
【0065】
[3.態様と効果]
上述した本実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0066】
(第1項)
第1態様に係る粒子画像解析装置は、粒子を分散させた液体試料を撮影した粒子画像を画像解析する解析処理部と、操作を受け付ける操作部と、前記操作部が受け付けた操作に従い、粒子画像に撮影された粒子を、第1グループと、前記第1グループから除外された粒子画像のグループである第2グループとに分類する分類部と、前記第1グループに分類された粒子の情報であって、前記粒子の画像解析の解析結果を含む情報を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記第2グループに分類された粒子の情報を、前記第1グループに分類された粒子の情報と区別可能に前記表示部に表示させる。
【0067】
第1項に記載の粒子画像解析装置によれば、第2グループに分類された粒子の情報が、第1グループに分類された粒子の情報と区別可能に表示される。このため、第1グループに分類された粒子の情報と、第2グループに分類された粒子の情報とを目視しながら、第1グループから除外する粒子を選択したり、第2グループに分類した粒子を第1グループに再度分類したりすることができる。このため、除外する粒子の判定精度を高めることができる。
【0068】
(第2項)
第1項に記載の粒子画像解析装置において、前記表示制御部は、前記第2グループに分類された粒子の情報として、前記粒子の粒子画像を表示させる。
【0069】
第2項に記載の粒子画像解析装置によれば、第2グループに分類された粒子の粒子画像を視認しながら、第1グループから除外する粒子画像を選択することができる。このため、除外する粒子の判定精度を高めることができる。
【0070】
(第3項)
第1項に記載の粒子画像解析装置において、前記表示制御部は、前記第1グループが選択された場合、前記第1グループに分類された粒子の粒子画像を表示させ、前記第2グループが選択された場合、前記第2グループに分類された粒子の粒子画像を表示させる。
【0071】
第3項に記載の粒子画像解析装置によれば、第1グループに分類された粒子の粒子画像と、第2グループに分類された粒子の粒子画像とを視認しながら、第1グループから除外する粒子画像を選択することができる。このため、除外する粒子の判定精度を高めることができる。
【0072】
(第4項)
第3項に記載の粒子画像解析装置において、粒子画像と、前記粒子画像が分類されたグループの識別情報とを対応づけて記憶する記憶部を備え、前記分類部は、粒子画像を選択する操作と、選択された前記粒子画像の属するグループを変更する操作とを前記操作部により受け付けると、受け付けた前記操作に従い、選択された前記粒子画像の属するグループの識別情報を変更する。
【0073】
第4項に記載の粒子画像解析装置によれば、操作部を操作して、粒子画像が属するグループを第1グループから第2グループに変更したり、又は第2グループから第1グループに変更したりすることができる。
【0074】
(第5項)
第3項又は第4項に記載の粒子画像解析装置において、前記解析処理部は、粒子画像を解析し、設定された評価項目ごとの評価値を算出し、前記表示制御部は、前記第1グループ又は前記第2グループに分類された粒子の粒子画像が選択されると、選択された前記粒子画像に対応する評価項目の評価値を前記表示部に表示させる。
【0075】
第5項に記載の粒子画像解析装置によれば、表示部に表示された粒子画像を選択することで、選択した粒子画像に対応する粒子の画像解析結果である評価項目ごとの評価値を表示させることができる。
【0076】
(第6項)
第5項に記載の粒子画像解析装置において、前記第1グループに分類された粒子の粒子画像を解析して得た前記評価値に関する統計データを生成する分析部を備え、前記表示制御部は、前記分析部が生成した統計データに基づく統計グラフを前記表示部に表示させる。
【0077】
第6項に記載の粒子画像解析装置によれば、第1グループに分類された粒子の粒子画像を解析して得た評価値に関する統計グラフを表示部に表示させることができる。このため、第1グループに分類した粒子の特徴を統計的に把握することができる。
【0078】
[4.その他の実施形態]
なお、本実施形態に係る粒子画像解析装置1は、あくまでも本発明に係る粒子解析装置の態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、サムネイル画面200に、対象グループの粒子像を表示する第1子画面210と、除去グループの粒子像を表示する第2子画面220とを表示させ、除去グループに分類された粒子像の情報を、対象グループに分類された粒子の情報と区別可能に表示させた。
これ以外の表示形態として、1つのサムネイル画面200を第1領域と第2領域との2つの領域に分割し、分割した第1領域に対象グループの粒子像及び画像解析の結果とを表示させ、分割した第2領域に除外グループの粒子像及び画像解析の結果とを表示させる形態であってもよい。
【0079】
また、本実施形態では、粒子画像解析装置1の制御装置100が、撮影制御部131、粒子像切出部132、解析処理部133、分類部134、分析部135及び表示制御部136を備えるが、本発明の実施形態は、これに限定されない。例えば、粒子画像解析装置1の制御装置100が、撮影制御部131及び記憶部120を備え、粒子画像解析装置1とは別体としてパーソナルコンピューター等で構成された制御装置が、粒子像切出部132、解析処理部133、分類部134、分析部135及び表示制御部136を備えてもよい。
【0080】
また、図1に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0081】
また、図8及び図9に示すフローチャートの処理単位は、制御装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図8及び図9のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0082】
また、制御装置100が備えるプロセッサー130に実行させる制御プログラム121は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、制御プログラム121をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御装置100に、制御プログラム121をダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 粒子画像解析装置
10 フローセル
11 上端面
12 導入口
13 下端面
14 排出口
15 流路
20 サンプル液供給機構
21 液ポンプ
23 排出管
31 サンプル液貯留容器
33 導入管
35 廃液管
37 廃液タンク
40 照明部
41 光源装置
43 測定光
50 撮影部
51 カメラ
52 撮像素子
52A 撮像面
53 信号処理回路
54 テレセントリック顕微鏡
55 テレセントリックレンズ
56 フォーカス機構
57 レンズ駆動機構
70 操作部
80 表示部
100 制御装置
110 インターフェイス部
120 記憶部
121 制御プログラム
123 粒子管理テーブル
130 プロセッサー
131 撮影制御部
132 粒子像切出部
133 解析処理部
134 分類部
135 分析部
200 サムネイル画面
201 サムネイル画像
210 第1子画面
211 除去ボタン
213 統計表示ボタン
220 第2子画面
225 戻すボタン
230 第3子画面
250 統計表示画面
251 戻るボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9