(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240910BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240910BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240910BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021078809
(22)【出願日】2021-05-06
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】山本 修平
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寛之
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 行成
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169828(JP,A)
【文献】特開2018-139033(JP,A)
【文献】特開2008-009662(JP,A)
【文献】特開2021-051370(JP,A)
【文献】特開2016-021210(JP,A)
【文献】特開2006-119965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
前記車両の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を、前記通信部を介して取得することと、
前記車両に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を、前記通信部を介して取得することと、
前記運転者情報と前記警告記録とから、前記年齢又は年齢層が基準値を超える
複数の運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、
前記地域を示す配信情報を前記通信部を介して配信することと、
を実行
し、
前記地域を特定することは、前記地点情報から地域名称を特定することを含み、前記配信情報は、前記地域名称を含む、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記警告記録は更に、前記車両が走行した運転経路を示す情報を含み、前記配信情報は更に、前記運転経路を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記運転経路を示す情報は、前記運転経路の始点と終点との情報を含む、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は更に、前記警告が行われた道路を特定し、
前記配信情報は、前記道路を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記警告は、車線の逸脱、先行車の発進、衝突回避の必要性、及び誤発進を通知する警告である、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記運転者情報は更に、前記運転者の居住地を示す情報を含み、
前記配信情報は更に、前記居住地を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
ネットワークを介して他の装置と通信可能であり、
前記配信情報は、前記他の装置からの要求に応じて、前記他の装置に配信される、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置が搭載された車両。
【請求項9】
車両と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
前記車両の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を取得することと、
前記車両に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を取得することと、
前記運転者情報と前記警告記録とから、前記年齢又は年齢層が基準値を超える
複数の運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、
前記地域を示す配信情報を配信することと、
を実行さ
せ、
前記地域を特定することは、前記地点情報から地域名称を特定することを含み、前記配信情報は、前記地域名称を含む、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記警告記録は更に、前記車両が走行した運転経路を示す情報を含み、前記配信情報は更に、前記運転経路を示す情報を含む、プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記運転経路を示す情報は、前記運転経路の始点と終点との情報を含む、プログラム。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記警告が行われた道路を特定することを前記コンピュータに更に実行させ、
前記配信情報は、前記道路を示す情報を含む、プログラム。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記警告は、車線の逸脱、先行車の発進、衝突回避の必要性、及び誤発進を通知する警告である、プログラム。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記運転者情報は更に、前記運転者の居住地を示す情報を含み、
前記配信情報は更に、前記居住地を示す情報を含む、プログラム。
【請求項15】
車両と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記車両の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を取得することと、
前記車両に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を取得することと、
前記運転者情報と前記警告記録とから、前記年齢又は年齢層が基準値を超える
複数の運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、
前記地域を示す配信情報を配信することと、
を含
み、
前記地域を特定することは、前記地点情報から地域名称を特定することを含み、前記配信情報は、前記地域名称を含む、情報処理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理方法において、
前記警告記録は更に、前記車両が走行した運転経路を示す情報を含み、前記配信情報は更に、前記運転経路を示す情報を含む、情報処理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の情報処理方法において、
前記運転経路を示す情報は、前記運転経路の始点と終点との情報を含む、情報処理方法。
【請求項18】
請求項15乃至17のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記警告が行われた道路を特定することを更に含み、
前記配信情報は、前記道路を示す情報を含む、情報処理方法。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記警告は、車線の逸脱、先行車の発進、衝突回避の必要性、及び誤発進を通知する警告である、情報処理方法。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記運転者情報は更に、前記運転者の居住地を示す情報を含み、
前記配信情報は更に、前記居住地を示す情報を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、免許返納により自家用車を運転できないユーザからの乗車要求に対して、最適な走行ルートの乗合車両をリアルタイムに選択可能に案内する配車装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
免許返納が期待される人が潜在的にどの地域にどの程度いるかの推測は難しい。よって、免許返納者向けの移動サービスに対する需要がどの程度あるのかの推測は難しい。このため、サービス事業者は参入するかどうかを判断しにくい。結果としてサービスが開始されず、免許返納が遅れるおそれがある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、移動サービスに対する需要が見込まれる地域を特定することができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
車両と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
前記車両の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を、前記通信部を介して取得することと、
前記車両に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を、前記通信部を介して取得することと、
前記運転者情報と前記警告記録とから、前記年齢又は年齢層が基準値を超える運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、
前記地域を示す配信情報を前記通信部を介して配信することと、
を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
車両と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
前記車両の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を取得することと、
前記車両に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を取得することと、
前記運転者情報と前記警告記録とから、前記年齢又は年齢層が基準値を超える運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、
前記地域を示す配信情報を配信することと、
を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
車両と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記車両の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を取得することと、
前記車両に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を取得することと、
前記運転者情報と前記警告記録とから、前記年齢又は年齢層が基準値を超える運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、
前記地域を示す配信情報を配信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理装置、プログラム及び情報処理方法によれば、移動サービスに対する需要が見込まれる地域を特定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】警告記録DB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図7】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1と車両2とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。車両2はユーザU01(以下、「運転者」と称される)によって運転される。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1と車両2とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1と車両2とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。
【0013】
本実施形態の情報処理装置1が実行する処理の概要が説明される。情報処理装置1の制御部11は、車両2の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を取得することと、車両2に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を取得することとを実行する。制御部11は更に、運転者情報と警告記録とから、年齢又は年齢層が基準値を超える運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定し、地域を示す配信情報を配信する。この構成により情報処理装置1は、例えば高齢の運転者による危険運転が予測される場所と、そのような運転者の移動地域とを特定することができる。すなわち情報処理装置1は、将来的に免許返納が予測される運転者が多く且つ移動サービスに対する需要が見込まれる地域を特定して、特定された地域を通知することができる。もって情報処理装置1は、事業者によって移動サービスが効率よく展開されることを可能とすると共に、運転技能の衰えがある運転者等の免許返納を促すことができる。
【0014】
情報処理装置1は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。代替例として、情報処理装置1は車両2に搭載されてよい。
【0015】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含むが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は後述される警告記録DBを含む。
【0020】
車両2は、例えば、マイクロモビリティ、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車を含む。車両2の各構成要素は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続される。「HV」は、Hybrid Vehicleの略語である。「PHV」は、Plug-in Hybrid Vehicleの略語である。「EV」は、Electric Vehicleの略語である。「FCV」は、Fuel Cell Vehicleの略語である。本実施形態の車両2は、運転者によって運転される。代替例として車両2は、任意のレベルでその運転が自動化されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。車両2は例えば、自転車、原動機付自転車、又は自動二輪車(オートバイ)であってもよい。
【0021】
図3を参照して車両2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
車両2は、制御部21と通信部22と記憶部23と測位部24とを含む。車両2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
車両2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0024】
測位部24は、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。「GNSS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部24は車両2の位置を測定する。測定の結果は、制御部21によって車両2の位置情報として取得される。「位置情報」とは、車両2の位置を特定可能な情報である。位置情報は例えば、住所、緯度、経度、又は高度を含む。
【0025】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは、道路を走行中の車両2に対して警告が行われた場面が説明される。警告は例えば次の内容を通知する。
・車両2が車線を逸脱したこと
・停車中の車両2の先行車が発進したこと
・障害物との衝突を回避する必要性があること
・車両2においてアクセルとブレーキとの踏み間違い等による誤発進が行われたこと
【0026】
制御部11は、車両2から警告記録を取得する。ここでの警告記録は例えば、車両2の車両IDを含む。警告記録は更に、車両2が走行した運転経路R01と、車両2に対して警告が行われた日時を示す警告日時と、警告が行われた地点を示す警告地点AP01及びAP02とを含む。運転経路R01の情報が警告記録に含まれるか否かは任意である。
【0027】
車両2の運転経路R01が
図4に示される。一例として運転経路R01は、イグニッション電源がオン(IG-ON)からオフ(IG-OFF)にされるまでの1回あたりの運転の経路である。運転経路R01は始点SPと終点EPとを含む。警告が行われた地点を示す警告地点AP01及びAP02は、運転経路R01上の地点である。警告地点AP02は、国道1号線上の地点である。
【0028】
情報処理装置1の制御部11は、車両2から、又は、別の記憶装置から、車両2の運転者の運転者情報を取得する。運転者情報は車両2の車両IDを含む。運転者情報は例えば運転者の年齢又は年齢層を示す情報を含んでよい。追加例として運転者情報は、運転者の居住地の情報を含んでよい。
【0029】
図5に示されるように制御部11は、車両2の車両IDに関連付けて、運転者情報と警告記録とを警告記録DBに記憶する。追加的に制御部11は、警告が行われた他の車両についても、運転者情報と警告記録とを収集及び記憶する。
【0030】
制御部11は警告記録DBから、次の抽出条件を満たすレコード(行)を抽出する。
・運転者の年齢又は年齢層が基準値を超えること
・警告の回数が基準値を超えること
【0031】
年齢又は年齢層の基準値は任意に設定可能である。年齢の基準値は一例として65歳である。警告の回数の基準値は任意に設定可能である。回数の基準値は一例として1回である。
【0032】
制御部11は、抽出されたレコードから、運転経路又は警告地点が属する地域を特定する。
【0033】
制御部11は、地域を特定すると、
図6に示されるような配信情報を生成する。配信情報は、地域名61と、運転経路62と、警告が行われた日付63とを含む。運転経路62の情報は、始点及び終点の少なくとも一方を含んでよい。一例として制御部11は、
図6に示される「地図に表示」のアイコンが選択されたことを検出すると、運転経路R01を地図に表示することができる。
【0034】
情報処理装置1は、ネットワークNWを介して情報処理装置1と通信可能な任意の装置からの配信要求に応じて、生成された配信情報を配信する。
【0035】
上記の例では、配信情報は、地域名と運転経路との情報を含む。追加例として又は代替例として、配信情報は警告地点の情報を含んでよい。
【0036】
追加例として又は代替例として、制御部11は、運転経路又は警告地点が属する特定の道路(例えば、国道1号線)を特定してよい。制御部11は、特定された道路の名称を含む配信情報を生成及び配信する。
【0037】
追加例として又は代替例として、制御部11は、任意の記憶装置から運転者の居住地の情報を取得して、居住地の情報を含む配信情報を生成及び配信してよい。
【0038】
上記の例では、制御部11は、警告の回数が基準値を超える地域を特定する。代替例として制御部11は、特定の内容の警告(例:車線の逸脱)の回数が基準値を超える地域を特定してよい。
【0039】
上記の例では、制御部11は、1回あたりの運転において警告が行われた回数が基準値を超える地域を特定する。代替例として制御部11は、運転者にかかわらず、基準期間内に警告が行われた回数が基準値以上である地域を特定してよい。
【0040】
図7を参照して、本実施形態の情報処理装置1による情報処理方法が説明される。情報処理方法は例えば、警告が行われたときに実行されてよい。
【0041】
ステップS1にて制御部11は、運転者情報と警告記録とを取得する。運転者情報の取得と警告記録の取得との前後関係は任意である。
【0042】
ステップS2にて制御部11は、取得した運転者情報と警告記録とを関連付けて記憶部13の警告記録DBに記憶する。
【0043】
ステップS3にて制御部11は、警告記録DBから、抽出条件を満たすレコードを抽出する。
【0044】
ステップS4にて制御部11は、抽出されたレコードから、運転経路又は警告地点が属する地域を特定する。
【0045】
ステップS5にて制御部11は、特定された地域を示す配信情報を配信する。
【0046】
以上述べたように本実施形態によれば、制御部11は、車両2の運転者の年齢又は年齢層を示す運転者情報を取得することと、車両2に対して警告が行われた地点を示す地点情報を含む警告記録を取得することとを実行する。制御部11は、運転者情報と警告記録とから、年齢又は年齢層が基準値を超える運転者に対して基準回数を超える警告が行われた地域を特定することと、地域を示す配信情報を配信することと、を実行する。この構成により情報処理装置1は、例えば高齢の運転者による危険運転が予測される場所と、そのような運転者の移動地域とを特定することができる。すなわち情報処理装置1は、将来的に免許返納が予測される運転者が多く且つ移動サービスに対する需要が見込まれる地域を特定して、特定された地域を通知することができる。もって情報処理装置1は、事業者によって移動サービスが効率よく展開されることを可能とすると共に、運転技能の衰えがある運転者等の免許返納を促すことができる。
【0047】
また本実施形態によれば、警告記録は更に、車両2が走行した運転経路を示す情報を含む。配信情報は更に、運転経路を示す情報を含む。運転経路を示す情報は、始点と終点との情報を含む。制御部11は更に、警告が行われた道路を特定する。配信情報は、道路を示す情報を含む。この構成により情報処理装置1は、移動サービスに対する需要が見込まれる地域を一層詳しく特定することができる。
【0048】
また本実施形態によれば、警告は、車線の逸脱、先行車の発進、衝突回避の必要性、及び誤発進を通知する警告である。この構成により情報処理装置1は、様々な種類の警告についての警告記録を取得することができる。
【0049】
また本実施形態によれば、運転者情報は更に、運転者の居住地を含む。配信情報は更に、居住地を示す情報を含む。この構成により移動サービスに対する需要が見込まれる地域を一層詳細に特定することができる。
【0050】
また本実施形態によれば、情報処理装置1は、ネットワークを介して他の装置と通信可能である。配信情報は、他の装置からの要求に応じて、他の装置に配信される。この構成により情報処理装置1は、配信情報を一層広く配信することができ、移動サービスが効率よく展開されることを一層支援することができる。
【0051】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0052】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0053】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0054】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 車両
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 測位部