(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】サーバ、システム、及び端末装置のプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021127802
(22)【出願日】2021-08-03
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】竹本 毅
(72)【発明者】
【氏名】山藤 尚子
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-144801(JP,A)
【文献】特開2004-280858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部
及び通信部を備えるサーバであって、
前記制御部は、
前記通信部を介して、車両で生成された前記車両の履歴データ、前記車両のユーザのユーザ行動情報、及び前記車両の
前記履歴データを第三者に開示することに対する前記車両の
前記ユーザの同意の有無に関する情報を取得し、
前記ユーザの同意の有無に関する前記情報に基づいて前記ユーザの同意がないと判定された場合に、
前記車両の前記履歴データに基づいて、或いは、前記車両の前記履歴データ及び前記ユーザの
前記ユーザ行動情
報に基づいて、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定
し、
前記制御部は、前記車両の前記履歴データに、前記車両が事故にあったことを示す情報が含まれる場合に、前記通信部を介して、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信する、サーバ。
【請求項2】
前記ユーザ行動情報には、前記ユーザが所有する端末装置の履歴データが含まれ、
前記制御部は、前記ユーザ行動情報
に、前記ユーザに前記車両を売却する意思がある
ことを示す情報が含まれる場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記ユーザ行動情報には、前記車両の整備又は点検の履歴が含まれ、
前記制御部は、前記ユーザ行動情報
に、前記車両が定期的に整備又は点検されている
ことを示す情報が含まれる場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信する、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記制御部は、前記車両の前記履歴データに基づいて、前記車両の状態を定量化したスコアを算出し、前記車両の状態が良いことを示す所定の範囲に前記スコアが含まれ
る場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両の前記履歴データに前記車両の査定金額を向上させる情報が含まれ
る場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信する、請求項1から
4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記ユーザの同意の取得を促す信号には、前記車両の前記履歴データを第三者に開示することにより前記車両の前記査定金額が向上することを示す情報が含まれる、請求項
5に記載のサーバ。
【請求項7】
サーバ及び端末装置を含むシステムであって、
前記サーバは、
サーバ通信部を備え、
前記サーバ通信部を介して、車両で生成された前記車両の履歴データ、前記車両のユーザのユーザ行動情報、及び前記車両の
前記履歴データを第三者に開示することに対する前記車両の
前記ユーザの同意の有無に関する情報を取得し、
前記ユーザの同意の有無に関する前記情報に基づいて前記ユーザの同意がないと判定された場合に、
前記車両の前記履歴データに基づいて、或いは、前記車両の前記履歴データ及び前記ユーザの
前記ユーザ行動情
報に基づいて、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信するか否かを判定し、
前記端末装置は、
端末通信部及び出力部を備え、
前記端末通信部を介して、前記信号を前記サーバから受信した場合に、
前記出力部を介して、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行
い、
前記サーバは、前記車両の前記履歴データに、前記車両が事故にあったことを示す情報が含まれる場合に、前記サーバ通信部を介して、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信する、システム。
【請求項8】
前記ユーザ行動情報には、前記ユーザが所有する端末装置の履歴データが含まれ、
前記サーバは、前記ユーザ行動情報
に、前記ユーザに前記車両を売却する意思がある
ことを示す情報が含まれる場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信する、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザ行動情報には、前記車両の整備又は点検の履歴が含まれ、
前記サーバは、前記ユーザ行動情報
に、前記車両が定期的に整備又は点検されている
ことを示す情報が含まれる場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信する、請求項
7又は8に記載のシステム。
【請求項10】
前記サーバは、前記車両の前記履歴データに基づいて、前記車両の状態を定量化したスコアを算出し、前記車両の状態が良いことを示す所定の範囲に前記スコアが含まれ
る場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信する、請求項
7から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記サーバは、前記車両の前記履歴データに前記車両の査定金額を向上させる情報が含まれ
る場合に、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信する、請求項
7から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザの同意の取得を促す信号には、前記車両の前記履歴データを第三者に開示することにより前記車両の前記査定金額が向上することを示す情報が含まれる、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
入力部、通信部及び出力部を備えるコンピュータに、
前記入力部を介して、車両の履歴データを第三者に開示することに対する前記車両のユーザの同意の有無に関する情報を取得することと、
前記通信部を介して、前記車両で生成された前記車両の履歴データと、前記車両のユーザのユーザ行動情報とを取得することと、
前記ユーザの同意の有無に関する前記情報に基づいて前記ユーザの同意がないと判定された場合に、
前記車両の前記履歴データに基づいて、或いは、前記車両の前記履歴データ及び前記ユーザの
前記ユーザ行動情
報に基づいて前記ユーザの同意の取得を促すか否かを判定することと、
前記ユーザの同意の取得を促すと判定された場合に、
前記出力部を介して、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行うことと、
を実行させ
、
前記コンピュータに、前記車両が事故にあったことを示す情報が前記車両の前記履歴データに含まれる場合に、前記出力部を介して、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行うことを実行させる、プログラム。
【請求項14】
前記ユーザ行動情報には、前記ユーザが所有する端末装置の履歴データが含まれ、
前記コンピュータに
、前記ユーザに前記車両を売却する意思がある
ことを示す情報が前記ユーザ行動情報に含まれる場合に、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行うことを実行させる、請求項
13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記ユーザ行動情報には、前記車両の整備又は点検の履歴が含まれ、
前記コンピュータに
、前記車両が定期的に整備又は点検されている
ことを示す情報が前記ユーザ行動情報に含まれる場合に、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行うことを実行させる、請求項
13又は14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記コンピュータに
、前記車両の査定金額を向上させる情報が
前記車両の前記履歴データに含まれ
る場合に、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行うことを実行させる、請求項
13から15のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記ユーザの同意の取得を促す出力には、前記車両の前記履歴データを第三者に開示することにより前記車両の前記査定金額が向上することを示す情報が含まれる、請求項
16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記車両は感知部を備え、
前記車両が事故にあったことを示す前記情報は、前記車両の前記感知部により感知された、前記車両が所定量以上の衝撃を受けた履歴を含む、請求項1に記載のサーバ。
【請求項19】
前記車両は感知部を備え、
前記車両が事故にあったことを示す前記情報は、前記車両の前記感知部により感知された、前記車両が所定量以上の衝撃を受けた履歴を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項20】
前記車両は感知部を備え、
前記車両が事故にあったことを示す前記情報は、前記車両の前記感知部により感知された、前記車両が所定量以上の衝撃を受けた履歴を含む、請求項13に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、システム、及び端末装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の履歴データに関するユーザの同意を得る技術が知られている。例えば、特許文献1には、ユーザのパーソナルデータを第三者に提供する場合に、過去にユーザの同意を得て第三者に提供したパーソナルデータとの差分に応じて、ユーザからの同意の取得の要否を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の履歴データに関するユーザの同意を得る技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両の履歴データに関するユーザの同意を得る技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るサーバは、
制御部を備えるサーバであって、
前記制御部は、
車両の履歴データを第三者に開示することに対する前記車両のユーザの同意の有無に関する情報を取得し、
前記ユーザの同意がないと判定された場合に、前記車両の前記履歴データ及び前記ユーザのユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、前記ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るシステムは、
サーバ及び端末装置を含むシステムであって、
前記サーバは、
車両の履歴データを第三者に開示することに対する前記車両のユーザの同意の有無に関する情報を取得し、
前記ユーザの同意がないと判定された場合に、前記車両の前記履歴データ及び前記ユーザのユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、前記ユーザの同意の取得を促す信号を前記端末装置に送信するか否かを判定し、
前記端末装置は、
前記信号を前記サーバから受信した場合に、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行う。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
サーバと通信可能なコンピュータに、
車両の履歴データを第三者に開示することに対する前記車両のユーザの同意の有無に関する情報を取得することと、
前記サーバと通信を行って、前記ユーザの同意がないと判定された場合に、前記車両の前記履歴データ及び前記ユーザのユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて前記ユーザの同意の取得を促すか否かを判定することと、
前記ユーザの同意の取得を促すと判定された場合に、前記ユーザの同意の取得を促す出力を行うことと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、車両の履歴データに関するユーザの同意を得る技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
図1は、システム1の概略構成を示すブロック図である。システム1は、車両10と、サーバ20と、端末装置30とを含む。
【0013】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン自動車、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は燃料電池自動車(FCEV;Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0014】
サーバ20は、1つ又は互いに通信可能な複数のコンピュータである。端末装置30は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末等のコンピュータである。
【0015】
図1には、説明の簡便のため、複数の車両10と、それぞれ1つずつのサーバ20及び端末装置30とが示されている。しかしながら、システム1は、任意の数の車両10、サーバ20、及び端末装置30を含んでいてもよい。車両10、サーバ20、及び端末装置30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0016】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。サーバ20は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報を取得する。サーバ20は、ユーザの同意がないと判定された場合に、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定する。車両10の履歴データは、例えば、車両10に設置されたセンサを用いて計測されたデータである。車両10の履歴データは、例えば、車両10が中古車としての取引される際に、車両10の価値(例えば、車両10の査定金額)を評価するために使われる。ユーザ行動情報は、例えば、ユーザが所有する端末装置から取得したユーザ行動を示す情報である。サーバ20は、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定した場合、例えば、車両10をユーザに販売した販売店(ディーラー)等に設置された端末装置30に信号を送信する。
【0017】
このように、本実施形態によれば、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意がない場合に、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かが判定される。このため、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意が得られやすい状況に限定して、ユーザの同意の取得を促す信号を送信することができる。したがって、車両10のユーザの同意が得られる確度を向上させる点で、車両10の履歴データに関するユーザの同意を得る技術が改善される。
【0018】
次に、
図2、
図3及び
図4を参照して、システム1の各構成について詳細に説明する。
図2は、車両10の概略構成を示すブロック図である。
図3は、サーバ20の概略構成を示すブロック図である。
図4は、端末装置30の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
(車両の構成)
図2に示されるように、車両10は、通信部11と、感知部12と、記憶部13と、制御部14と、を備える。
【0020】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信部11に含まれる通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、車両10は、通信部11及びネットワーク40を介してサーバ20と通信する。なお、車両10は、通信部11及びネットワーク40を介して、本実施形態に係るサーバ20以外のコンピュータと通信してもよい。
【0021】
感知部12は、1つ以上のセンサを含む。センサは、車両10の履歴データに含まれるデータを計測するために用いられる。センサは、例えば、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、イメージセンサ、又は赤外線センサ等である。センサは、例えばGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムに対応する受信機であってもよい。感知部12は、速度、加速度、角速度、車両10に対する衝撃の有無、又は故障の有無などの事象を感知する。
【0022】
例えば、感知部12には、オドメーターが含まれてもよい。オドメーターは、車両10の走行距離の変化を感知し、車両10の総走行距離として出力する。或いは、感知部12には、車載式故障診断装置(OBD装置;On-board diagnostics device)が含まれてもよい。OBD装置は、車両10に搭載された車載機器の異常の発生を感知して、車両10の故障履歴として出力する。感知部12には、衝撃センサが含まれてもよい。衝撃センサは、車両10に加えられた所定の衝撃を感知し、車両10が受けた衝撃の履歴として出力する。
【0023】
記憶部13は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部13に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部13に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
制御部14は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるが、これに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるが、これに限られない。制御部14は、車両10全体の動作を制御する。
【0025】
(サーバの構成)
図2に示すように、サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信部21に含まれる通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、サーバ20は、通信部21及びネットワーク40を介して車両10及び端末装置30と通信する。なお、サーバ20は、通信部21及びネットワーク40を介して、本実施形態に係る車両10及び端末装置30以外のコンピュータと通信してもよい。
【0027】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれるメモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、サーバ20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGAであるが、これに限られない。専用回路は、例えばASICであるが、これに限られない。制御部23は、サーバ20全体の動作を制御する。
【0029】
(端末装置の構成)
図4に示すように、端末装置30は、通信部31と、出力部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35と、を備える。
【0030】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信部31に含まれる通信インタフェースは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置30は、通信部31及びネットワーク40を介してサーバ20と通信する。なお、端末装置30は、通信部31及びネットワーク40を介して、本実施形態に係るサーバ20以外のコンピュータと通信してもよい。
【0031】
出力部32は、1つ以上の出力装置を含む。出力部32に含まれる出力装置は、例えばディスプレイ又はスピーカ等である。出力部32は、画像又は音等で情報を出力する。
【0032】
入力部33は、1つ入力装置を含む。入力部33に含まれる入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ、マイク、及びICカードリーダ等である。入力部33は、ユーザによる入力操作を受け付ける。
【0033】
記憶部34は、1つ以上のメモリを含む。記憶部34に含まれるメモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部34は、端末装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部34は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部34に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0034】
制御部35は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGAであるが、これに限られない。専用回路は、例えばASICであるが、これに限られない。制御部35は、端末装置30全体の動作を制御する。
【0035】
(システムの動作フロー)
図5を参照して、本実施形態に係るシステム1の動作について説明する。
図5は、システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図5に示されるシステム1の動作は、本実施形態に係る車両10、サーバ20又は端末装置30が実行する方法に相当する。
【0036】
ステップS101:車両10の制御部14は、車両10の履歴データを生成する。
【0037】
車両10の履歴データは、例えば、走行距離に関するデータ、利用状況に関するデータ、故障状況に関するデータ、又は整備状況に関するデータ等を含む。
【0038】
走行距離に関するデータは、車両10の走行距離、速度、加速度、又は走行時間等の時系列データを含む。ただし、走行距離に関するデータは、これらに限られず、車両10の走行距離の評価に用いられる任意のデータを含んでいてもよい。
【0039】
利用状況に関するデータは、車両10のエンジンのオン・オフ、アクセルの操作履歴、ブレーキの操作履歴、又はハンドルの操作履歴等を含む。利用状況に関するデータは、燃料の充填度合い、又はバッテリーの充電度合いの時系列データを含んでもよい。ただし、利用状況に関するデータは、これらに限られず、車両10の利用状況の評価に用いられる任意のデータを含んでいてもよい。
【0040】
故障状況に関するデータは、車両10が受けた衝撃の履歴、OBD装置によって生成された故障履歴、又は車載機器・部品の故障履歴・エラー履歴等を含む。ただし、故障状況に関するデータは、これらに限られず、車両10の故障状況の評価に用いられる任意のデータを含んでいてもよい。
【0041】
整備状況に関するデータは、車両10の車載機器・部品の設置履歴又は交換履歴等を含む。ただし、整備状況に関するデータは、これらに限られず、車両10の整備状況の評価に用いられる任意のデータを含んでいてもよい。
【0042】
車両10の履歴データは、車両10に設置されたセンサを用いて計測されたデータを含んでいてもよい。具体的には、車両10の制御部14は、感知部12に含まれる1つ以上のセンサを用いて、上述した車両10の履歴データに含まれる1以上のデータを計測する。制御部14は、計測された1以上のデータとその計測時刻とを車両10の履歴データに含ませてもよい。これにより、例えば、車両10の中古車としての取引において車両10の価値を評価する際に、車両10の履歴データを参照することで、車両10そのものを見ただけでは判断できない情報を入手することができ、車両10の価値評価の精度を向上させることができる。ただし、車両10の履歴データは、例えば、整備工場での整備又は点検の項目及び結果など、車両10に設置されたセンサを用いて計測されたデータ以外のデータを含んでいてもよい。これらのデータは、整備工場での整備又は点検の際に、車両10の記憶部13に書き込まれてもよい。制御部14は、記憶部13に記憶された1以上のデータを車両10の履歴データに含ませてもよい。
【0043】
ステップS102:車両10の制御部14は、車両10の履歴データを送信する。
【0044】
具体的には、車両10の制御部14は、車両10の履歴データをサーバ20に送信する。制御部14は、車両10の履歴データを所定のタイミングにて繰り返し送信してもよい。所定のタイミングは、定期的なものであってもよく、或いは非定期的なものであってもよい。具体的には、所定のタイミングは、例えば、1時間ごとなど、所定の時間間隔であってもよく、或いは、新たな履歴データが生成されたタイミング等であってもよい。
【0045】
ステップS103:サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データを取得する。
【0046】
履歴データの取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データを、通信部21及びネットワーク40を介して、車両10から直接的に受信してもよい。或いは、制御部23は、通信部21及びネットワーク40を介して、車両10から履歴データを受信している他のサーバから車両10の履歴データを受信することで、車両10の履歴データを車両10から間接的に受信してもよい。制御部23は、取得した車両10の履歴データを既に記憶部22に記憶している車両10の履歴データに追加して、時系列データとして記憶させてもよい。或いは、制御部23は、取得した車両10の履歴データで既に記憶部22に記憶している車両10の履歴データを上書きして、時系列データとして記憶させてもよい。
【0047】
ステップS104:サーバ20の制御部23は、車両10のユーザのユーザ行動情報を取得する。
【0048】
ユーザ行動情報は、車両10のユーザの行動を示す情報である。ユーザ行動情報は、車両10の履歴データを第三者に開示することに同意するか否かの判定に用いられる。ユーザ行動情報は、例えば、車両10のユーザが所有する端末装置の履歴データ、或いは、車両10の整備又は点検の履歴が含まれる。
【0049】
ユーザ行動情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、サーバ20の制御部23は、通信部21及びネットワーク40を介して、ユーザが所有する端末装置から、その端末装置に記憶されている履歴データを取得してもよい。或いは、制御部23は、通信部21及びネットワーク40を介して、車両10のディーラーに設置されている端末装置30から、車両10の整備又は点検の履歴を取得してもよい。制御部23は、取得したユーザ行動情報を記憶部22に記憶させてもよい。
【0050】
ステップS105:端末装置30の制御部35は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報を取得する。
【0051】
車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報は、履歴データを第三者に開示することに対して車両10のユーザによる同意が得られているか否かを示す情報である。履歴データを第三者に開示することは、履歴データを第三者に閲覧可能な状態にすること、履歴データを第三者に提供することを含んでいてもよい。また、履歴データを第三者に開示することは、履歴データをそのまま第三者に開示することに加え、履歴データを編集又は抜粋して開示することを含んでいてもよい。例えば、履歴データは、車両10を中古車として販売する際の価値評価(例えば、査定金額の算出)に用いられる。そのために、車両10のユーザの同意を得た上で、履歴データが、中古車販売店又は中古車の購入希望者等の第三者に開示されてもよい。
【0052】
本実施形態では、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意は、車両10のユーザごとに取得されるものとする。そのため、車両10が譲渡された場合、車両10の前のユーザの同意が得られていても、車両10の現在のユーザの同意を別途取得する必要がある。また、一度、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する同意をユーザから取得すると、そのユーザが車両10を所有中に取得された全ての履歴データに対して同意が得られたものとする。ただし、履歴データを第三者に開示することに対する同意の扱いは、本実施形態で示される例に限られない。以下、「車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意」を、単に「ユーザの同意」ともいう。
【0053】
ユーザの同意の有無に関する情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、端末装置30の制御部35は、入力部33を介して、ユーザの同意の有無に関する情報の入力を受け付けてもよい。或いは、制御部35は、ユーザの同意の有無に関する情報を予め記憶部22に記憶していてもよい。制御部35は、通信部31及びネットワーク40を介して、ユーザの同意の有無に関する情報を、サーバ20に送信してもよい。
【0054】
ステップS106:サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報を取得する。
【0055】
サーバ20の制御部23は、通信部21及びネットワーク40を介して、ユーザの同意の有無に関する情報を、端末装置30から受信する。ただし、制御部23は、ユーザの同意の有無に関する情報を予め記憶部22に記憶していてもよい。
【0056】
ステップS107:サーバ20の制御部23は、ユーザの同意がないと判定された場合に、車両10の履歴データ及びユーザのユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定する。
【0057】
ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、サーバ20の制御部23は、ユーザ行動情報に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定してもよい。
【0058】
一例として、サーバ20の制御部23は、ユーザ行動情報に基づいて、ユーザに車両10を売却する意思があるか否かを判定してもよい。例えば、制御部23は、ユーザ行動情報に含まれる、ユーザが所有する端末装置の履歴データに基づいて、ユーザに車両10を売却する意思があるか否かを判定する。ユーザが所有する端末装置の履歴データには、例えば、操作履歴又は位置情報の履歴が含まれる。制御部23は、ユーザが所有する端末装置の操作履歴に、中古車販売に関するWebサイトへのアクセス履歴が含まれている場合に、ユーザに車両10を売却する意思があると判定してもよい。或いは、制御部23は、ユーザが所有する端末装置の位置情報の履歴に、中古車販売店の座標情報が含まれている場合に、ユーザに車両10を売却する意思があると判定してもよい。
【0059】
制御部23は、ユーザ行動情報に基づいて、ユーザに車両10を売却する意思があると判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定してもよい。このように、ユーザに車両10を売却する意思があると判定された場合に限定して、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意の取得を促すことで、ユーザの同意が得られやすくなる。
【0060】
他の例として、サーバ20の制御部23は、ユーザ行動情報に基づいて、車両10が定期的に整備又は点検されているか否かを判定してもよい。例えば、制御部23は、ユーザ行動情報に含まれる、車両10の整備又は点検の履歴に基づいて、車両10が定期的に整備又は点検されているか否かを判定する。制御部23は、車両10の整備又は点検の履歴に、所定回数以上の整備又は点検の実施が記録されている場合に、車両10が定期的に整備又は点検されていると判定してもよい。所定回数は、車両10の車齢に応じて変更されてもよい。或いは、制御部23は、車両10の整備又は点検の履歴から、最後に整備又は点検が行われてから所定の期間が経過していない場合に、車両10が定期的に整備又は点検されていると判定してもよい。
【0061】
一般的に、車両10が定期的に整備又は点検されている場合、車両10の状態は、整備又は点検されていない場合に比べて良い。そのため、車両10の履歴データを中古車販売店又は中古車の購入希望者等の第三者に開示することで、車両10の価値(例えば、車両10の査定金額)が高く評価され得る。制御部23は、ユーザ行動情報に基づいて、車両10が定期的に整備又は点検されていると判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定してもよい。このように、車両10が定期的に整備又は点検されていると判定された場合に、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意の取得を促すことで、ユーザの同意が得られやすくなる。
【0062】
また例えば、サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データに基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定してもよい。
【0063】
一例として、サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データに基づいて、車両10が事故にあったことがあるか否かを判定してもよい。例えば、制御部23は、履歴データに含まれる故障状況に関するデータに、車両10が所定量以上の衝撃を受けた履歴が含まれているか否かを判定してもよい。制御部23は、所定量以上の衝撃を受けた履歴が含まれている場合に、車両10が事故にあったことがあると判定する。或いは、制御部23は、故障状況に関するデータに、OBD装置によって生成された故障履歴に事故を示す情報が含まれているか否かを判定してもよい。制御部23は、OBD装置によって生成された故障履歴に事故を示す情報が含まれている場合に、車両10が事故にあったことがあると判定する。
【0064】
一般的に、車両10の価値評価において、車両10の過去の事故歴又は修復歴の有無が考慮されるものの、事故によって車両10の走行能力等にどのような影響が出ているかを詳細に調査されることは少ない。そのため、車両10に事故歴又は修復歴がある場合、車両10の価値が不当に低く評価されることがある。このような場合に、車両10の履歴データを中古車販売店又は中古車の購入希望者等の第三者に開示することで、事故の前後における車両10の走行能力等の変化の評価が可能になり、車両10の価値が適切に評価され得る。制御部23は、車両10の履歴データに基づいて、車両10が事故にあったことがあると判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定してもよい。このように、車両10が事故にあったことがあると判定された場合に、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意の取得を促すことで、ユーザの同意が得られやすくなる。
【0065】
他の例として、サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データに基づいて、車両10の状態が良いか否かを判定してもよい。具体的には、制御部23は、車両10の履歴データに基づいて、車両10の状態を定量化したスコアを算出し、車両10の状態が良いことを示す所定の範囲にスコアが含まれるか否かを判定してもよい。例えば、制御部23は、履歴データに基づいて車両10の総走行距離を算出して、車両10の総走行距離が所定の範囲に含まれる場合に、車両10の状態が良いと判定してもよい。また例えば、制御部23は、履歴データに基づく価格査定シミュレーションによって車両10の査定金額を算出し、車両10の査定金額が所定の範囲に含まれる場合に、車両10の状態が良いと判定してもよい。或いは、制御部23は、履歴データに基づいて車両10の車載機器の故障又はエラーの回数を算出して、車両10の車載機器の故障又はエラーの回数が所定の範囲に含まれる場合に、車両10の状態が良いと判定してもよい。さらに、制御部23は、履歴データに含まれる1以上の評価対象データがそれぞれの基準条件を満たしているか否かを判定し、基準条件を満たしている評価対象データの数が所定の範囲に含まれる場合に、車両10の状態が良いと判定してもよい。
【0066】
一般的に、車両10の状態が良いことを示す情報を中古車販売店又は中古車の購入希望者等の第三者に開示することで、車両10の価値が高く評価され得る。制御部23は、車両10の履歴データに基づいて、車両10の状態を定量化したスコアを算出し、車両10の状態が良いことを示す所定の範囲に前記スコアが含まれると判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定してもよい。このように、車両10の状態が良いと判定された場合に、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意の取得を促すことで、ユーザの同意が得られやすくなる。
【0067】
更に他の例として、サーバ20の制御部23は、車両10の履歴データに車両10の査定金額を向上させる情報が含まれるか否かを判定してもよい。例えば、制御部23は、車両10の査定金額を向上させるデータ項目を予め記憶部22に記憶していてもよい。車両10の査定金額を向上させるデータ項目は、例えば、OBD装置によって生成された故障履歴であってもよい。OBD装置により車両10の故障履歴を記録していることが、中古車販売店又は中古車の購入希望者等によって評価され、車両10の査定金額の向上につながることがある。制御部23は、車両10の履歴データに、記憶部22に記憶されたデータ項目のデータが含まれている場合に、車両10の査定金額を向上させる情報が含まれていると判定してもよい。或いは、制御部23は、車両10の価格査定シミュレーションを行い、車両10の履歴データを用いた場合における車両10の第1査定金額と、車両10の履歴データを用いない場合における車両10の第2査定金額とを算出してもよい。制御部23は、第1査定金額が第2査定金額よりも高いと判定された場合に、車両10の履歴データに車両10の査定金額を向上させる情報が含まれると判定してもよい。
【0068】
制御部23は、車両10の履歴データに車両10の査定金額を向上させる情報が含まれていると判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定してもよい。このように、車両10の履歴データに、車両10の査定金額を向上させる情報が含まれていると判定された場合に、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意の取得を促すことで、ユーザの同意が得られやすくなる。
【0069】
ステップS108:サーバ20の制御部23は、ユーザの同意の取得を促す信号を送信する。
【0070】
具体的には、サーバ20の制御部23は、ステップS107において、ユーザの同意の取得を促す信号を送信すると判定された場合に、通信部21及びネットワーク40を介して、車両10のディーラーに設置されている端末装置30に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信する。例えば、ユーザからの同意の取得を促す信号は、端末装置30の出力部32から「車両10のユーザから、履歴データを第三者に開示することに対する同意が得られていません。車両10のユーザから同意を取得して下さい。」とのメッセージを出力させる命令が含まれていてもよい。
【0071】
ユーザの同意の取得を促す信号には、車両10の履歴データを第三者に開示することにより車両10の査定金額が向上することを示す情報が含まれてもよい。サーバ20の制御部23は、ステップS107において、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、履歴データに車両10の査定金額を向上させる情報が含まれると判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す信号に、車両10の履歴データを第三者に開示することにより車両10の査定金額が向上することを示す情報を含ませてもよい。車両10の査定金額が向上することを示す情報は、例えば、車両10の履歴データを用いた場合における車両10の第1査定金額と、車両10の履歴データを用いない場合における車両10の第2査定金額との差分であってもよい。これにより、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意を得る際に、車両10の履歴データを開示することによる利点を示すことができ、ユーザの同意が得られやすくなる。
【0072】
ステップS109:端末装置30の制御部35は、ユーザの同意の取得を促す出力を行う。
【0073】
端末装置30の制御部35は、サーバ20からユーザの同意の取得を促す信号を受信した場合に、車両10のユーザからの同意の取得を促す出力を行う。例えば、制御部35は、出力部32を介して、「車両10のユーザから、履歴データを第三者に開示することに対する同意が得られていません。車両10のユーザから同意を取得して下さい。」とのメッセージを出力させてもよい。これにより、車両10のディーラーの販売員は、端末装置30の出力部32を介して出力されたメッセージを見て、車両10のユーザに連絡を取り、履歴データを第三者に開示することに対する同意を得ることができる。
【0074】
更に、ユーザの同意の取得を促す信号に、車両10の履歴データを第三者に開示することにより車両10の査定金額が向上することを示す情報が含まれている場合、端末装置30の制御部35は、車両10のユーザからの同意の取得を促す出力とともに当該情報の出力を行ってもよい。例えば、制御部35は、出力部32を介して、上記のメッセージと共に、車両10の履歴データを用いた場合における車両10の第1査定金額と、車両10の履歴データを用いない場合における車両10の第2査定金額との差分を出力させてもよい。これにより、車両10のディーラーの販売員は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意を得る際に、車両10の履歴データを開示することによる利点をユーザに示すことができる。
【0075】
以上述べたように、本実施形態に係るシステム1は、サーバ20及び端末装置30を含む。サーバ20は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報を取得し、ユーザの同意がないと判定された場合に、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を端末装置30に送信するか否かを判定する。端末装置30は、ユーザの同意の取得を促す信号をサーバ20から受信した場合に、ユーザの同意の取得を促す出力を行う。
【0076】
また、本実施形態に係るサーバ20は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報を取得する。そして、サーバ20は、ユーザの同意がないと判定された場合に、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かを判定する。
【0077】
また、本実施形態に係る端末装置30は、車両10の履歴データを第三者に開示することに対する車両10のユーザの同意の有無に関する情報を取得する。そして、端末装置30は、サーバ20と通信を行って、ユーザの同意がないと判定された場合に、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいてユーザの同意の取得を促すか否かを判定し、ユーザの同意の取得を促すと判定された場合に、ユーザの同意の取得を促す出力を行う。
【0078】
かかる構成によれば、車両10の履歴データを第三者に開示することに対するユーザの同意がない場合に、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意の取得を促す信号を送信するか否かが判定される。このため、車両10の履歴データ及びユーザ行動情報の少なくとも一方に基づいて、ユーザの同意が得られやすい状況に、ユーザの同意の取得を促す信号を送信することができる。したがって、車両10のユーザの同意が得られる確度を向上させる点で、車両10の履歴データに関するユーザの同意を得る技術が改善される。
【0079】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0080】
例えば、上述した実施形態において、端末装置30は、車両10のディーラーに設置されているものとして説明した。しかしながら、端末装置30は、車両10のユーザが利用するスマートフォンなどのコンピュータ、又は車両10に設置されたカーナビゲーションシステムなどのコンピュータとされてもよい。かかる場合、サーバ20から端末装置30に送信されるユーザからの同意の取得を促す信号を、車両10のユーザが直接閲覧することができる。これにより、ユーザの同意が更に得られやすくなる。
【0081】
また、例えば上述した実施形態において、サーバ20が実行する動作及び処理の一部又は全部を、端末装置30が実行する構成であってもよい。同様に、端末装置30が実行する動作の一部を、サーバ20が実行する構成であってもよい。例えば、システム1は、サーバ20を備えない構成とされてもよい。かかる場合、上述した実施形態におけるサーバ20及び端末装置30の動作及び処理を端末装置30が実行してもよい。
【0082】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係るサーバ20又は端末装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係るサーバ20又は端末装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 システム
10 車両
11 通信部
12 感知部
13 記憶部
14 制御部
20 サーバ
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 端末装置
31 通信部
32 出力部
33 入力部
34 記憶部
35 制御部
40 ネットワーク