(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】熱硬化剥離コーティング剤、硬化物、並びに熱硬化剥離フィルム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C09D 133/14 20060101AFI20240910BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20240910BHJP
C09D 161/28 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C09D133/14
C09D7/63
C09D161/28
(21)【出願番号】P 2021129458
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2020135505
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良樹
(72)【発明者】
【氏名】大喜多 良太
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-014642(JP,A)
【文献】特開2017-165818(JP,A)
【文献】特開2018-115224(JP,A)
【文献】特開昭57-049685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 133/14
C09D 7/63
C09D 161/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成単位1
【化1】
(式中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12は炭素数4~11のアルキル基である。)
を40~98質量%
及び
構成単位2
【化2】
(式中、R
21は水素原子又はメチル基であり、R
22はNHR
2’又はOR
2’であり、R
2’は水酸基含有アルキル基である。)
を2~60質量%含み、1分子中のけい素原子に結合した有機基の15~50モル%がフェニル基であり、かつ残りの有機基のうち少なくとも1個は式
HO-R-(S)
a-R-
(式中のRは二価炭化水素基を表し、aは0または1である)で示されるヒドロキシ基置換有機基であるオルガノポリシロキサンに由来する構成単位の含有量が0.1質量%未満である、ポリマー(A)、
メラミン樹脂(B)並びに
酸触媒(C)
を含む、
非シリコーン系熱硬化剥離コーティング剤。
【請求項2】
ポリオール(D)(前記ポリマー(A)を除く)を含む、請求項1に記載の
非シリコーン系熱硬化剥離コーティング剤。
【請求項3】
前記ポリオール(D)が、
構成単位D1
【化3】
(式中、R
D1は水素原子又はメチル基であり、R
D2は炭素数12~28のアルキル基である。)
を含むポリオール(D1)を含む、請求項2に記載の
非シリコーン系熱硬化剥離コーティング剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の
非シリコーン系熱硬化剥離コーティング剤の硬化物。
【請求項5】
請求項4に記載の硬化物及びプラスチックフィルムを含む、熱硬化剥離フィルム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の
非シリコーン系熱硬化剥離コーティング剤をプラスチックフィルムの少なくとも片面に塗工したものを加熱する工程を含む、熱硬化剥離フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱硬化剥離コーティング剤、硬化物、並びに熱硬化剥離フィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
剥離フィルムは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等のキャスト製膜用の工程フィルム、粘着テープ、粘着シート、粘着フィルム等の粘着剤層の保護フィルム、セラミックグリーンシートやプリント基板等の電子部品製造用の工程フィルムとして利用されている。
【0003】
剥離フィルムを作成するための、剥離コーティング剤として様々な種類のものが提案されている。例えば特許文献1には、ビニルアルコール系重合体又はポリエチレンイミンから選ばれたポリマー(A)と長鎖アルキルイソシアネートとの反応物からなる主剤を含む剥離処理剤について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の剥離剤は、架橋されていないため、耐溶剤性は低いという課題があった。また、粘着剤層との室温での剥離力(室温剥離力)や加熱後の剥離力(加熱後剥離力)についても改良が求められている。さらに、剥離後の残留接着率が高いことも求められている。本発明により解決される課題は、耐溶剤性、室温剥離力、加熱後剥離力、残留接着率がいずれも良好である熱硬化剥離コーティング剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の成分を用いることにより上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
構成単位1
【化4】
(式中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12は炭素数4~11のアルキル基である。)
を40~98質量%
及び
構成単位2
【化5】
(式中、R
21は水素原子又はメチル基であり、R
22はNHR
2’又はOR
2’であり、R
2’は水酸基含有アルキル基である。)
を2~60質量%含む、ポリマー(A)、
メラミン樹脂(B)並びに
酸触媒(C)
を含む、熱硬化剥離コーティング剤。
(項目2)
ポリオール(D)(前記ポリマー(A)を除く)を含む、上記項目に記載の熱硬化剥離コーティング剤。
(項目3)
前記ポリオール(D)が、
構成単位D1
【化6】
(式中、R
D1は水素原子又はメチル基であり、R
D2は炭素数12~28のアルキル基である。)
を含むポリオール(D1)を含む、上記項目に記載の熱硬化剥離コーティング剤。
(項目4)
上記項目のいずれか1項に記載の熱硬化剥離コーティング剤の硬化物。
(項目5)
上記項目に記載の硬化物及びプラスチックフィルムを含む、熱硬化剥離フィルム。
(項目6)
上記項目のいずれか1項に記載の熱硬化剥離コーティング剤をプラスチックフィルムの少なくとも片面に塗工したものを加熱する工程を含む、熱硬化剥離フィルムの製造方法。
【0008】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。
【発明の効果】
【0009】
本実施形態に係る熱硬化剥離コーティング剤は、耐溶剤性、室温剥離力、加熱後剥離力、残留接着率が良好である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の全体にわたり、各物性値、含有量等の数値の範囲は、適宜(例えば下記の各項目に記載の上限及び下限の値から選択して)設定され得る。具体的には、数値αについて、数値αの上限及び下限としてA4、A3、A2、A1(A4>A3>A2>A1とする)等が例示される場合、数値αの範囲は、A4以下、A3以下、A2以下、A1以上、A2以上、A3以上、A1~A2、A1~A3、A1~A4、A2~A3、A2~A4、A3~A4等が例示される。
【0011】
[熱硬化剥離コーティング剤:コーティング剤ともいう]
本開示は、構成単位1
【化7】
(式中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12は炭素数4~11のアルキル基である。)
を40~98質量%
及び
構成単位2
【化8】
(式中、R
21は水素原子又はメチル基であり、R
22はNHR
2’又はOR
2’であり、R
2’は水酸基含有アルキル基である。)
を2~60質量%含む、ポリマー(A)、
メラミン樹脂(B)並びに
酸触媒(C)
を含む、熱硬化剥離コーティング剤を提供する。
【0012】
<ポリマー(A):(A)成分ともいう。>
(A)成分は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0013】
(構成単位1)
構成単位1は、モノマーとして、炭素数4~11のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)
【化9】
(式中、R
11は水素原子又はメチル基であり、R
12は炭素数4~11のアルキル基である。)
を用いた場合にポリマー(A)に含まれる構成単位である。炭素数4~11のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0014】
アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基等が例示される。
【0015】
直鎖アルキル基は、-CnH2n+1(nは1以上の整数)の一般式で表される。
【0016】
分岐アルキル基は、直鎖アルキル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された、環状構造を有さない基である。
【0017】
シクロアルキル基は、単環シクロアルキル基、架橋環シクロアルキル基、縮合環シクロアルキル基等が例示される。なお、シクロアルキル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された基もシクロアルキル基とする。
【0018】
本開示において、単環は、炭素の共有結合により形成された内部に橋かけ構造を有しない環状構造を意味する。また、縮合環は、2つ以上の単環が2つの原子を共有している(すなわち、それぞれの環の辺を互いに1つだけ共有(縮合)している)環状構造を意味する。架橋環は、2つ以上の単環が3つ以上の原子を共有している環状構造を意味する。
【0019】
R12の炭素数の上限及び下限は、11、10、9、8、7、6、5、4が例示される。1つの実施形態において、上記炭素数は4~11が好ましい。
【0020】
R12は、炭素数4~11のアルキル基が好ましく、炭素数4~8のアルキル基がより好ましく、ブチル基、2-エチルへキシル基がさらに好ましい。
【0021】
炭素数4~11のアルキル基は、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカメチル基、ウンデシル基等の直鎖、分岐、シクロアルキル基が例示される。
【0022】
炭素数4~11の直鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルは、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デカメチル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート等が例示される。
【0023】
炭素数4~11の分岐鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルは、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が例示される。
【0024】
炭素数4~11のシクロアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルは、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が例示される。
【0025】
ポリマー(A)100質量%に対する構成単位1の含有量の上限及び下限は、98、97、96、95、90、89、88.3、88、85、80、77、76.7、76、75、70、65、60、59、55、50、45、40質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、40~98質量%が好ましい。
【0026】
ポリマー(A)100モル%に対する構成単位1の含有量の上限及び下限は、90、88、85、84、80、77、76、75、70、67、65、60、55、54、50モル%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、50~90モル%が好ましい。
【0027】
(構成単位2)
構成単位2は、モノマーとして、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー(a2)
【化10】
(式中、R
21は水素原子又はメチル基であり、R
22はNHR
2’又はOR
2’であり、R
2’は水酸基含有アルキル基である。)
を用いた場合にポリマー(A)に含まれる構成単位である。水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー(a2)は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0028】
本開示において、「水酸基含有アルキル基」はアルキル基の1つ以上の水素原子が水酸基によって置換された基である。水酸基含有アルキル基は、水酸基含有直鎖アルキル基、水酸基含有分岐アルキル基、水酸基含有シクロアルキル基等が例示される。
【0029】
本開示において、炭化水素基(アルキル基、アルキレン基、アリーレン基、アリーレンアルキレンアリーレン基等)の炭素数に言及されていない炭化水素基の炭素数の上限及び下限は、30、29、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1等が例示される。
【0030】
水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー(a2)は、水酸基含有(メタ)アクリルエステル、水酸基含有(メタ)アクリルアミド等が例示される。
【0031】
水酸基含有(メタ)アクリルエステルは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0032】
水酸基含有(メタ)アクリルアミドは、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド等が例示される。
【0033】
ポリマー(A)100質量%に対する構成単位2の含有量の上限及び下限は、60、55、50、45、40、35、30、25、20、17、15、12、11.7、10、5、4、3、2質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、2~60質量%が好ましい。
【0034】
ポリマー(A)100モル%に対する構成単位2の含有量の上限及び下限は、50、45、40、35、30、25、23、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10モル%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、10~50モル%が好ましい。
【0035】
ポリマー(A)における構成単位1と構成単位2との質量比(構成単位1の質量/構成単位2の質量)の上限及び下限は、49、45、40、35、30、25、20、19、17、15、13、10、8、7.5、7、6.6、6、5、4、3.5、3.3、3、2、1、0.9、0.7等が例示される。1つの実施形態において、上記質量比は、0.7~49が好ましい。
【0036】
ポリマー(A)における構成単位1と構成単位2との物質量(モル)比(構成単位1の物質量/構成単位2の物質量)の上限及び下限は、9、8、7.3、7、6.9、6、5.3、5、4.8、4、3.3、3.2、3、2、1等が例示される。1つの実施形態において、上記物質量比は、1~9が好ましい。
【0037】
(構成単位3)
1つの実施形態において、上記ポリマー(A)は、構成単位3
【化11】
(式中、R
31は水素原子又はメチル基であり、R
32は炭素数1~3のアルキル基である。)
を含み得る。
【0038】
構成単位3は、モノマーとして、短鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a3)
【化12】
(式中、R
31は水素原子又はメチル基であり、R
32は炭素数1~3のアルキル基である。)
を用いた場合にポリマー(A)に含まれる構成単位である。短鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0039】
炭素数1~3のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖、分岐、シクロアルキル基が例示される。
【0040】
ポリマー(A)100質量%に対する構成単位3の含有量の上限及び下限は、30、25、24、20、15、12、11.6、11、10、9、7、5、3、2、1、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、0~30質量%が好ましい。
【0041】
ポリマー(A)100モル%に対する構成単位3の含有量の上限及び下限は、30、28、25、23、20、19、17、15、13、11、10、5、1、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、0~30モル%が好ましい。
【0042】
(構成単位4)
1つの実施形態において、上記ポリマー(A)は、構成単位4
【化13】
(式中、R
41は水素原子又はメチル基であり、R
42は炭素数12~28のアルキル基である。)
を含み得る。
【0043】
構成単位4は、モノマーとして、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル
【化14】
(式中、R
41は水素原子又はメチル基であり、R
42は炭素数12~28のアルキル基である。)
を用いた場合にポリマー(A)に含まれる構成単位である。長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0044】
炭素数12~28のアルキル基は、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基等が例示される。
【0045】
長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、トリコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、ペンタコシル(メタ)アクリレート、ヘキサコシル(メタ)アクリレート、ヘプタコシル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が例示される。中でも、特にラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが入手の容易性および軽剥離化の点から好ましい。
【0046】
ポリマー(A)100質量%に対する構成単位4の含有量の上限及び下限は、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、0~9質量%が好ましい。
【0047】
ポリマー(A)100モル%に対する構成単位4の含有量の上限及び下限は、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、0~9モル%が好ましい。
【0048】
(構成単位1~4以外の構成単位:その他の構成単位ともいう)
1つの実施形態において、ポリマー(A)は、構成単位1~4以外の構成単位を含み得る。
【0049】
構成単位1~4以外の構成単位は、(メタ)アクリル酸、スチレン、アルケニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等をモノマーに用いた場合にポリマー(A)に含まれる構成単位等が例示される。
【0050】
ポリマー(A)100質量%に対するその他の構成単位の含有量は、5質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、0.1質量%未満、0質量%等が例示される。また、構成単位1~3のいずれか1つの構成単位100質量%に対するその他の構成単位の含有量は、5質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、0.1質量%未満、0質量%等が例示される。
【0051】
ポリマー(A)100モル%に対するその他の構成単位の含有量は、5モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、0.1モル%未満、0モル%等が例示される。また、構成単位1~3のいずれか1つの構成単位100モル%に対するその他の構成単位の含有量は、5モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、0.1モル%未満、0モル%等が例示される。
【0052】
<ポリマー(A)の物性等>
ポリマー(A)の数平均分子量の上限及び下限は、80000、75000、60000、50000、40000、30000、25000、24700、24000、23000、20000、19500、19000、18500、18000、17500、17000、16500、16000、15800、15700、15500、15000、14900、14500、14400、14300、14200、14000、13800、13700、13600、13500、13000、12500、12000、11500、11200、11000、10000、9000、8000等が例示される。1つの実施形態において、上記数平均分子量は、8000~80000が好ましい。
【0053】
ポリマー(A)の重量平均分子量の上限及び下限は、200000、190000、170000、150000、100000、90000、75000、60000、59000、57000、55000、54400、54000、53000、52500、52300、52000、51000、50000、49000、48000、47200、47000、46200、46000、45300、45000、44000、43000、42800、42000、41000、40100、40000、39500、39000、38100、38000、37500、37400、37000、36000、35000、34000、33000、32300、32000、31000、30000、29000、25000、24000、22000、20000等が例示される。1つの実施形態において、上記重量平均分子量は、20000~200000が好ましい。
【0054】
重量平均分子量及び数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により適切な溶媒下で測定したポリスチレン換算値として求められ得る。詳細な条件は下記のようなもの等が例示される。
機種:製品名「HLC-8220」(東ソー(株)製)
カラム:製品名「PLgel MIXED-C」(Agilent Technology製)×2本
展開溶媒、流量:テトラヒドロフラン、1.0mL/分
測定温度:40℃
検出器:RI
標準:単分散ポリスチレン
ポリマー濃度:0.2%
【0055】
ポリマー(A)の水酸基価の上限及び下限は、300、275、250、225、210、203、200、175、150、125、100、75、52、50、40、35、30、25、22、20、15、10、9、7、5、4、2、1mgKOH/g等が例示される。1つの実施形態において、剥離性と耐溶剤性を両立できる観点から、ポリマー(A)の水酸基価は、1~300mgKOH/gが好ましい。
【0056】
水酸基価はJIS K1557-1に準拠する方法により測定される。
【0057】
ポリマー(A)の製造方法は、各種公知のラジカル重合等が例示される。ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤の存在下、加熱することにより得られる。
【0058】
ラジカル重合開始剤は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が例示される。ラジカル重合開始剤は、単独又は2種以上で使用され得る。ラジカル重合開始剤の使用量は、全モノマー成分100質量部に対し、1~10質量部程度が好ましい。
【0059】
ポリマー(A)の製造の際、必要に応じ、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤は、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2-メルカプトベンゾチアゾール、ブロモトリクロロメタン、α-メチルスチレンダイマー等が例示される。連鎖移動剤は単独又は2種以上で使用され得る。連鎖移動剤の使用量は、全モノマー成分100質量部に対し、0~5質量部程度が好ましい。
【0060】
コーティング剤固形分100質量%に対するポリマー(A)の含有量の上限及び下限は、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、2、1質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、2~80質量%が好ましい。
【0061】
<メラミン樹脂:(B)成分ともいう。>
(B)成分は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0062】
(B)成分は、下記メラミン化合物
【化15】
(式中、R
m1~R
m6は、それぞれ独立に、水素原子、メチロール基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-ブトキシメチル基及びイソブトキシメチル基から選択される。)
に由来する構成単位を含むメラミン樹脂等が例示される。1つの実施形態において、(B)成分の平均重合度は1.1~10である。
【0063】
(B)成分は、コーティング剤の硬化性、並びに(A)成分及び後述する(D)成分との相溶性のバランスに優れる点で、メチル化メラミン及び/又はブチル化メラミンに由来する構成単位を含むメラミン樹脂が好ましい。メチル化メラミンは上記Rm1~Rm6の少なくとも1つがメトキシメチル基(-CH2OCH3)であるもの、ブチル化メラミンは上記Rm1~Rm6の少なくとも1つがn-ブトキシメチル基(-CH2OCH2CH2CH2CH3)、イソブトキシメチル基(-CH2OCH(CH3)CH2CH3)のいずれかであるものをそれぞれ意味する。
【0064】
(B)成分は、硬化性に優れる点から、上記Rm1~Rm6の全てがメトキシメチル基であるフルエーテル型メチル化メラミンに由来する構成単位を含む樹脂(以下、フルエーテル型メチル化メラミン樹脂)が好ましく、(A)成分及び(D)成分との相溶性の点から、上記Rm1~Rm6の全てがn-ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基のいずれかであるフルエーテル型ブチル化メラミンに由来する構成単位を含む樹脂(以下、フルエーテル型ブチル化メラミン樹脂)が好ましい。また、硬化性と(A)成分及び(D)成分との相溶性のバランスに優れる点から、上記Rm1~Rm6の少なくとも一つがメトキシメチル基であって、残りがそれぞれn-ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基のいずれかであるフルエーテル型メチル化ブチル化メラミンに由来する構成単位を含む樹脂(以下、フルエーテル型メチル化ブチル化メラミン樹脂)が好ましい。
【0065】
(B)成分の市販品は、サイメル300、サイメル301、サイメル303LF、サイメル350、サイメル370N、サイメル771、サイメル325、サイメル327、サイメル703、サイメル712、サイメル701、サイメル266、サイメル267、サイメル285、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル272、サイメル212、サイメル253、サイメル254、サイメル202、サイメル207、マイコート506(以上、オルネクスジャパン(株)製)、ニカラックMW-30M、ニカラックMW-30、ニカラックMW-30HM、ニカラックMW-390、ニカラックMW-100LM、ニカラックMX-750LM、ニカラックMW-22、ニカラックMS-21、ニカラックMS-11、ニカラックMW-24X、ニカラックMS-001、ニカラックMX-002、ニカラックMX-730、ニカラックMX-750、ニカラックMX-708、ニカラックMX-706、ニカラックMX-042、ニカラックMX-035、ニカラックMX-45、ニカラックMX-43、ニカラックMX-417、ニカラックMX-410(以上、(株)三和ケミカル製)、ユーバン20SB、ユーバン20SE60、ユーバン21R、ユーバン22R、ユーバン122、ユーバン125、ユーバン220、ユーバン225、ユーバン228、ユーバン2020(以上、三井化学(株)製)、アミディアJ-820-60、アミディアL-109-65、アミディアL-117-60、アミディアL-127-60、アミディア13-548、アミディアG-821-60、アミディアL-110-60、アミディアL-125-60、アミディアL-166-60B(以上、DIC(株)製)等が例示される。
【0066】
コーティング剤固形分100質量%に対するメラミン樹脂(B)の含有量の上限及び下限は、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、20~70質量%が好ましく、25~60質量%がより好ましい。
【0067】
<酸触媒:(C)成分ともいう。>
(C)成分は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0068】
(C)成分は、無機酸、有機酸、熱酸発生剤等が例示される。
【0069】
無機酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が例示される。
【0070】
有機酸は、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機リン酸等が例示される。
【0071】
有機カルボン酸は、シュウ酸、酢酸、ギ酸等が例示される。
【0072】
有機スルホン酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸等が例示される。
【0073】
有機リン酸は、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ-2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が例示される。
【0074】
熱酸発生剤は、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が例示される。
【0075】
1つの実施形態において、ポリマー(A)、メラミン樹脂(B)等の樹脂との相溶性の観点から、酸触媒(C)は、有機酸が好ましく、有機スルホン酸及び/又は有機リン酸がより好ましい。
【0076】
コーティング剤固形分100質量%に対する酸触媒(C)の含有量の上限及び下限は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.9、3.8、3.5、3、2.5、2、1.5、1質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、1~10質量%が好ましい。
【0077】
<ポリオール:(D)成分ともいう。>
1つの実施形態において、上記コーティング剤はポリオールを含み得る。(D)成分は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0078】
本開示において、「ポリオール」は、水酸基(-OH)を2個以上有する化合物を意味する。
【0079】
(D)成分は、アルキレンポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油系ポリオール、ヒドロキシ基含有脂肪酸アルキレンポリオールエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、
構成単位D1
【化16】
(式中、R
D1は水素原子又はメチル基であり、R
D2は炭素数12~28のアルキル基である。)
を含むポリオール(D1)等が例示される。
【0080】
(ポリオール(D1))
ポリオール(D1)は、構成単位D1と水酸基含有構成単位D2を含むポリマー等が例示される。
【0081】
・構成単位D1
構成単位D1は、モノマーとして、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル
【化17】
(式中、R
D1は水素原子又はメチル基であり、R
D2は炭素数12~28のアルキル基である。)
を用いた場合にポリオール(D1)に含まれる構成単位である。長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0082】
長鎖アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、上述の化合物等が例示される。
【0083】
ポリオール(D1)100質量%に対する構成単位D1の含有量の上限及び下限は、99、98、97、96、95、90、88、85、80、75、70、65、60、55、50質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、50~99質量%が好ましい。
【0084】
・水酸基含有構成単位D2
水酸基含有構成単位D2は、上記構成単位2等が例示される。
【0085】
ポリオール(D1)100質量%に対する構成単位D2の含有量の上限及び下限は、50、45、40、35、30、25、20、15、12、10、5、4、3、2、1質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、1~50質量%が好ましい。
【0086】
(アルキレンポリオール)
本開示において、「アルキレンポリオール」は、アルキレン基及び2個以上の水酸基からなる化合物を意味する。
【0087】
アルキレンジオールは、直鎖アルキレンポリオール、分岐アルキレンポリオール、シクロアルキレンポリオール等が例示される。
【0088】
直鎖アルキレンポリオールは、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等が例示される。
【0089】
分岐アルキレンポリオールは、ネオペンチルグリコール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1、3-プロパンジオール、2,4-ジブチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が例示される。
【0090】
シクロアルキレンポリオールは、単環シクロアルキレンジオール、架橋環シクロアルキレンジオール等が例示される。
【0091】
単環シクロアルキレンポリオールは、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等が例示される。
【0092】
架橋環シクロアルキレンポリオールは、トリシクロデカンジメタノール等が例示される。
【0093】
(ダイマージオール)
ダイマージオールは、一般に、高級不飽和脂肪酸を二量体化して得られる環式及び/又は非環式ダイマー酸とメタノールとの反応生成物を還元したものをいう。高級不飽和脂肪酸の二量化反応は、特開平9-136861号公報に記載の方法等が例示される。また、水添ダイマージオールは、ダイマージオールを水素付加反応させたものである。
【0094】
ダイマージオールを製造する際、上記高級不飽和脂肪酸は、単独又は2種以上で使用され得る。上記高級不飽和脂肪酸は、炭素数14~22の不飽和モノカルボン酸等が例示される。
【0095】
炭素数14~22の不飽和モノカルボン酸は、テトラデカジエン酸、ヘキサデカジエン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、アラキドン酸、ミリストオレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、エイコセン酸、エルカ酸、セトレイン酸、ブラシジン酸等が例示される。これらの中でも、オレイン酸及び/又はリノール酸が好ましい。
【0096】
(ひまし油系ポリオール)
ひまし油系ポリオールは、グリセリンヒドロキシ基含有脂肪酸(ポリ)エステル等が例示される。
【0097】
グリセリンヒドロキシ基含有脂肪酸(ポリ)エステルは、グリセリンの水酸基の1個以上とヒドロキシ基含有脂肪酸とが反応して得られる(ポリ)エステル(モノエステル、ジエステル、トリエステル)を意味する。
【0098】
ヒドロキシ基含有脂肪酸は、炭素数が12以上(例えば、炭素数12~30、炭素数12~24、炭素数12~20等)であるヒドロキシ基含有長鎖脂肪酸が好ましい。
【0099】
ヒドロキシ基含有長鎖脂肪酸は、ヒドロキシ基含有飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有不飽和長鎖脂肪酸等が例示される。
【0100】
ヒドロキシ基含有飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシラウリル酸、ヒドロキシトリデシル酸、ヒドロキシミリスチル酸、ヒドロキシペンタデシル酸、ヒドロキシパルミチル酸、ヒドロキシヘプタデシル酸、ヒドロキシステアリル酸、ヒドロキシノナデシル酸、ヒドロキシエイコシル酸、ヒドロキシヘンイコシル酸、ヒドロキシドコシル酸、ヒドロキシトリコシル酸、ヒドロキシテトラコシル酸、ヒドロキシペンタコシル酸、ヒドロキシヘキサコシル酸、ヒドロキシヘプタコシル酸、ヒドロキシオクタコシル酸、ヒドロキシイソドデシル酸、ヒドロキシイソトリデシル酸、ヒドロキシイソミリスチル酸、ヒドロキシイソペンタデシル酸、ヒドロキシイソヘキサデシル酸、ヒドロキシイソヘプタデシル酸、ヒドロキシイソステアリル酸、アロイリット酸等が例示される。
【0101】
ヒドロキシ基含有不飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシ基含有モノ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有ジ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有トリ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有テトラ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有ペンタ不飽和長鎖脂肪酸、ヒドロキシ基含有ヘキサ不飽和長鎖脂肪酸等が例示される。
【0102】
ヒドロキシ基含有モノ不飽和長鎖脂肪酸は、リシノール酸、ヒドロキシミリストレイン酸、ヒドロキシパルミトレイン酸、ヒドロキシサピエン酸、ヒドロキシオレイン酸、ヒドロキシエライジン酸、ヒドロキシバクセン酸、ヒドロキシガドレイン酸、ヒドロキシエイコセン酸、ヒドロキシエルカ酸、ヒドロキシネルボン酸等が例示される。
【0103】
ヒドロキシ基含有ジ不飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシリノール酸、ヒドロキシエイコサジエン酸、ヒドロキシドコサジエン酸等が例示される。
【0104】
ヒドロキシ基含有トリ不飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシリノレン酸、ヒドロキシピノレン酸、ヒドロキシエレオステアリン酸、ヒドロキシミード酸、ヒドロキシエイコサトリエン酸等が例示される。
【0105】
ヒドロキシ基含有テトラ不飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシステアリドン酸、ヒドロキシアラキドン酸、ヒドロキシアドレン酸等が例示される。
【0106】
ヒドロキシ基含有ペンタ不飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシボセオペンタエン酸、ヒドロキシエイコサペンタエン酸、ヒドロキシオズボンド酸、ヒドロキシイワシ酸、ヒドロキシテトラコサペンタエン酸等が例示される。
【0107】
ヒドロキシ基含有ヘキサ不飽和長鎖脂肪酸は、ヒドロキシドコサヘキサエン酸、ヒドロキシニシン酸等が例示される。
【0108】
(ヒドロキシ基含有脂肪酸アルキレンポリオールエステル)
本開示において、「ヒドロキシ基含有脂肪酸アルキレンポリオールエステル」は、ヒドロキシ基含有脂肪酸とアルキレンポリオールとが反応して得られるエステルを意味する。
【0109】
ヒドロキシ基含有脂肪酸及びアルキレンポリオールは、上記のもの等が例示される。
【0110】
(ポリエーテルポリオール)
本開示において、「ポリエーテルポリオール」は、例えば、水酸基を2個以上及びエーテル結合を含む繰り返し単位を2個以上連続して有する化合物を意味する。
【0111】
1つの実施形態において、ポリエーテルポリオールは、下記構造式
HO-(REther-O-)nH
(式中、REtherは、アルキレン基、アリーレン基、又はアリーレンアルキレンアリーレン基であり、nは2以上の整数である。)で表わされる。
【0112】
アルキレン基は、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基等が例示される。
【0113】
直鎖アルキレン基は、-(CH2)n-(nは1以上の整数)の一般式で表わされる。直鎖アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デカメチレン基等が例示される。
【0114】
分岐アルキレン基は、直鎖アルキレン基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された基である。分岐アルキレン基は、i-プロピレン基、ジエチルペンチレン基、トリメチルブチレン基、トリメチルペンチレン基、トリメチルヘキシレン基等が例示される。
【0115】
シクロアルキレン基は、単環シクロアルキレン基、架橋環シクロアルキレン基、縮合環シクロアルキレン基等が例示される。またシクロアルキレン基は、1つ以上の水素原子が直鎖又は分岐アルキル基によって置換されていてもよい。
【0116】
単環シクロアルキレン基は、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロデシレン基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレン基等が例示される。
【0117】
架橋環シクロアルキレン基は、トリシクロデシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基等が例示される。
【0118】
縮合環シクロアルキレン基は、ビシクロデシレン基等が例示される。
【0119】
アリーレン基は、フェニレン基、ナフチレン基、フルオニレン基等が例示される。
【0120】
アリーレンアルキレンアリーレン基は、
-Rarylene-Ralkylene-Rarylene-
(式中、Raryleneは、アリーレン基を表し、Ralkyleneは、アルキレン基を表す)
で表わされる基である。
【0121】
アリーレンアルキレンアリーレン基は、フェニレンジメチルメチレンフェニレン基等が例示される。
【0122】
ポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオールのアルキレンオキサイド付加物等が例示される。
【0123】
ポリエーテルポリオールの市販品は、アデカポリエーテルGM-30、アデカポリエーテルP-400、アデカポリエーテルG-400、アデカポリエーテルT-400、アデカポリエーテルAM-302(以上、(株)アデカ製)等が例示される。
【0124】
(ポリエステルポリオール)
本開示において、「ポリエステルポリオール」は、水酸基を2個以上及びエステル結合を含む繰り返し単位を2個以上連続して有する化合物を意味する。なお、ポリカプロラクトンポリオールはポリエステルポリオールの1種である。
【0125】
1つの実施形態において、ポリエステルポリオールは、下記構造式
HO-{RaEster-OC(=O)-RbEster-C(=O)O}m-RcEster-OH
(式中、RaEster、RbEster、及びRcEsterはそれぞれ独立に、アルキレン基又はアリーレン基であり、mは2以上の整数である。)で表わされる。
【0126】
ポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸又はその無水物と、ポリオールとの反応生成物等が例示される。
【0127】
ポリカルボン酸は、ジカルボン酸等が例示される。
【0128】
ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2-メチルコハク酸、2-メチルアジピン酸、3-メチルアジピン酸、3-メチルペンタン二酸、2-メチルオクタン二酸、3,8-ジメチルデカン二酸、3,7-ジメチルデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸等が例示される。
【0129】
ポリカルボン酸無水物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸等が例示される。
【0130】
ポリオールは、上記アルキレンポリオール等が例示される。
【0131】
(ポリカーボネートポリオール)
本開示において、「ポリカーボネートポリオール」は、ヒドロキシ基を2個以上及びカーボネート結合を含む繰り返し単位を2個以上有する化合物を意味する。
【0132】
1つの実施形態において、ポリカーボネートポリオールは、下記構造式
HO-{RaCarbo-OC(=O)O}p-RbCarbo-OH
(式中、RaCarbo、及びRbCarboはそれぞれ独立に、アルキレン基であり、pは2以上の整数である。)で表わされる。
【0133】
ポリカーボネートポリオールは、ポリオールとホスゲンとの反応物、環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等が例示される。
【0134】
ポリオールは、上記アルキレンポリオール等が例示される。
【0135】
アルキレンカーボネートは、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等が例示される。ポリカーボネートポリオールの市販品は、ETERNACOLL UH-50、ETERNACOLL PH-50(以上、宇部興産(株)製)、デュラノールT5625、デュラノールT5652、デュラノールG3452(以上、旭化成(株)製)等が例示される。
【0136】
(ポリオレフィンポリオール)
ポリオレフィンポリオールは、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、これらの塩素化物等が例示される。ポリオレフィンポリオールの市販品は、NISSO-PB GI-1000(日本曹達(株)製)等が例示される。
【0137】
((D)成分の物性等)
(D)成分の分子量の上限及び下限は、50000、40000、30000、20000、10000、5000、4000、3500、3001、3000、2500、2000、1500、1000、500、250、100等が例示される。1つの実施形態において、上記分子量は、100~50000が好ましい。
【0138】
本開示において、単に「分子量」と記載する場合、式量又は数平均分子量のいずれかを意味する。特定の化学式で一義的に化合物の構造を表現できる(すなわち分子量分布が1である)場合、上記分子量は式量を意味する。一方、特定の化学式で一義的に化合物の構造を表現できない(すなわち分子量分布が1より大きい)場合、上記分子量は数平均分子量を意味する。
【0139】
(D)成分の水酸基価の上限及び下限は、1300、1200、1100、1000、900、800、750、700、600、500、400、300、250、200、150、100、90、75、50、40mgKOH/g等が例示される。1つの実施形態において、上記水酸基価は、40~1300mgKOH/gが好ましい。
【0140】
コーティング剤固形分100質量%中のポリオール(D)の含有量の上限及び下限は、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は20~65質量%が好ましい。
【0141】
<有機溶媒(E):(E)成分ともいう。>
1つの実施形態において、上記コーティング剤は有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0142】
有機溶媒は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、エタノール、ブタノール等が例示される。これらの中でも樹脂の溶解性の観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエンが好ましい。
【0143】
1つの実施形態において、コーティング剤における有機溶媒の含有量は、塗工適性の観点から、コーティング剤の固形分濃度が1~50質量%となる程度が好ましい。かかる数値範囲であることにより、硬化膜硬化性、及びポットライフのバランスをとりやすくなり得る。
【0144】
上記熱硬化剥離コーティング剤は、シート成型用熱硬化剥離コーティング剤、グリーンシート製造用熱硬化剥離コーティング剤、粘着用熱硬化剥離コーティング剤、ラベル用熱硬化剥離コーティング剤、医療用熱硬化剥離コーティング剤、事務用品用熱硬化剥離コーティング剤等として使用され得る。
【0145】
<添加剤>
上記コーティング剤には、上記(A)~(E)成分のいずれにも該当しない剤を添加剤として含み得る。
【0146】
添加剤はバインダー、消泡剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、pH調整剤、酸化防止剤、顔料、染料、滑剤、レベリング剤、導電剤、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリペンタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、イソプレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、ポリオレフィンおよびこれらの誘導体等、シリコーン樹脂、イソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、アミン、カルボン酸無水物、長鎖アルキル基含有アルコール等が例示される。上記バインダーは、特に限定されず周知のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等が例示される。
【0147】
1つの実施形態において、添加剤の含有量は、コーティング剤100質量%に対して、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が例示される。また、(A)~(E)成分のいずれか100質量%に対して、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が例示される。
【0148】
上記コーティング剤は、(A)~(C)成分、並びに必要に応じて(D)~(E)成分及び添加剤が、各種公知の手段により分散・混合されることにより製造され得る。なお、各成分の添加順序は特に限定されない。また、分散・混合手段は、各種公知の装置(乳化分散機、超音波分散装置等)が使用され得る。
【0149】
[硬化物]
本開示は、上記熱硬化剥離コーティング剤の硬化物を提供する。
【0150】
1つの実施形態において、上記硬化物は、上記熱硬化剥離コーティング剤の熱硬化物である。硬化条件は後述のもの等が例示される。
【0151】
[熱硬化剥離フィルム]
本開示は、上記硬化物及びプラスチックフィルムを含む、熱硬化剥離フィルムを提供する。
【0152】
上記プラスチックフィルムは、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ナイロン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂等のプラスチックからなるフィルム等が例示され、これらの中でも透明性、寸法安定性、機械的特性、耐薬品性等の性能の点でポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0153】
プラスチックフィルムは必要に応じて表面処理(コロナ放電等)がなされていてもよい。また、プラスチックフィルムは、その片面あるいは両面に、本開示の熱硬化剥離コーティング剤以外のコーティング剤による層が設けられていてもよい。
【0154】
[熱硬化剥離フィルムの製造方法]
本開示は、上記熱硬化剥離コーティング剤をプラスチックフィルムの少なくとも片面に塗工したものを加熱する工程を含む、熱硬化剥離フィルムの製造方法を提供する。
【0155】
塗工方法は、スプレー、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ドットコーター等が例示される。
【0156】
塗工量は特に限定されない。塗工量は、乾燥後の質量が0.1~10g/m2程度となる量が好ましく、0.2~5g/m2となる量がより好ましい。
【0157】
加熱方法は、循風乾燥機等による乾燥等が例示される。乾燥(硬化)条件は90~170℃程度で、時間が30秒~2分程度等が例示される。
【実施例】
【0158】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の好ましい実施形態における説明及び以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供するものではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。また、各実施例及び比較例において、特に説明がない限り、部、%等の数値は質量基準である。
【0159】
製造例1
撹拌器、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備え付けた4口フラスコにブチルアクリレートを88.3部、2-ヒドロキシルエチルメタクリレートを11.7部加え、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを2部、溶媒としてメチルエチルケトンを153部込み、80℃まで徐々に昇温し、9時間反応を行い、固形分濃度40%のポリマー溶液を得た。
【0160】
製造例1以外の製造例は、下記表のように成分、量を変更した以外は、製造例1と同様にして行った。
【0161】
【0162】
<略称の説明>
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2-エチルへキシルアクリレート
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
LA:ラウリルアクリレート
【0163】
実施例1
(A)成分として製造例1で製造したポリマーを固形分換算で75部、(B)成分としてメチル化メラミン樹脂(製品名「サイメル303LF」:オルネクスジャパン社製)25部、(C)成分としてパラトルエンスルホン酸を4部添加し、これをトルエンで希釈して固形分が10%になるように配合した。次にこの溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚75μm)に乾燥塗膜の膜厚が1μmになるように塗工し、120℃で1分乾燥させ、熱硬化剥離フィルムを得た。
【0164】
実施例1以外の実施例、及び比較例は、下記表のように成分、量を変更した以外は、実施例1と同様にして行った。
【0165】
【0166】
<略称の説明>
メチル化メラミン樹脂:製品名「サイメル303LF」、フルエーテル型メチル化メラミン樹脂、オルネクスジャパン(株)製
水添ダイマージオール:製品名「Pripol2033」、クローダジャパン(株)製、数平均分子量540
ピーロイル1050:長鎖アルキルペンダント系ポリマー、製品名「ピーロイル1050」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製
【0167】
(耐溶剤性)
剥離フィルムの硬化物層をメチルエチルケトンに浸した綿棒で擦り、耐溶剤性を評価した。
○:50回擦っても基材が露出しない。
△:10~49回擦った際に基材が露出する。
×:1~9回擦った際に基材が露出する。
【0168】
(室温剥離力)
剥離フィルムに、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31Bテープ:25mm幅)を2kgのローラーで圧着させながら貼り合わせ、23℃で1時間保管した。ついで、このテープを180°の角度で剥離速度0.3m/min.で引っ張り、剥離するのに要する力(N/25mm)を測定した。
【0169】
(加熱後剥離力)
剥離フィルムに、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31Bテープ:25mm幅)を2kgのローラーで圧着させながら貼り合わせ、70℃で20時間保管した。ついで、このテープを180°の角度で剥離速度0.3m/min.で引っ張り、剥離するのに要する力(N/25mm)を測定した。
【0170】
(残留接着率)
剥離フィルムに、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製31Bテープ:25mm幅)を貼り合わせ、23℃で1日間保存した。保存後、テープを剥がしてSUS板に2kgのローラーで貼り付けた。ついで、このテープをSUS板から180°の角度で剥離速度0.3m/min.で引っ張り、剥離するのに要する力を測定した。ブランクとして、直接テープをSUS板に貼り合わせ同様の条件で剥がした時の剥離力を測定し、前者の剥離力の後者の剥離力に対する割合(%)を残留接着率として求めた。この値が大きいほどテープの粘着力が低下していないことを表す。