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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】スイッチの過電流検出装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/00 20070101AFI20240910BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240910BHJP
   H03K 17/082 20060101ALI20240910BHJP
   H03K 17/08 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
H02M1/00 H
H02M7/48 M
H03K17/082
H03K17/08 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021170406
(22)【出願日】2021-10-18
(65)【公開番号】P2023060683
(43)【公開日】2023-04-28
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】浅野 敦紀
(72)【発明者】
【氏名】林 慶徳
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-058044(JP,A)
【文献】特開2020-205668(JP,A)
【文献】特開2010-200411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00
H02M 7/48
H03K 17/082
H03K 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動対象スイッチ(SWH,SWL)の一対の主端子のうち高電位端子側に第1端が接続された電気経路(L1,L2)と、
カソードを前記高電位端子側に向けた状態で前記電気経路に設けられたダイオード(42)と、
前記電気経路の第2端に接続された過電流検出部(54~56)と、
を備え、
前記過電流検出部は、前記駆動対象スイッチに対する指令がオン指令に切り替えられた後、前記駆動対象スイッチの一対の主端子間の電圧を前記電気経路を介して検出し、検出した電圧が過電流閾値(Vα)を超えた場合、前記駆動対象スイッチの一対の主端子間に過電流が流れていると判定し、
前記電気経路に設けられ、所定周波数域におけるインピーダンスが、前記所定周波数域以外の周波数域におけるインピーダンスよりも相対的に高い特性を有するダンピング素子(43A~43F)を備え、
前記所定周波数域は、前記駆動対象スイッチの駆動状態の切り替えに伴って発生する前記一対の主端子間の電圧のリンギング周波数域(Rngf)を含む、スイッチの過電流検出装置。
【請求項2】
前記電気経路のうち前記ダイオードよりも前記過電流検出部側に設けられた抵抗体(44)、及び前記電気経路のうち前記抵抗体よりも前記過電流検出部側と、前記一対の主端子のうち低電位端子とを接続するコンデンサ(45)を有するフィルタ回路を備え、
前記過電流検出部は、前記駆動対象スイッチに対する指令がオン指令に切り替えられた後、検出された前記コンデンサの電圧が前記過電流閾値を超えた場合、前記一対の主端子間に過電流が流れていると判定する、請求項1に記載のスイッチの過電流検出装置。
【請求項3】
前記ダンピング素子(43A,43C~43F)は、前記電気経路のうち前記ダイオードよりも前記過電流検出部側に設けられている、請求項1又は2に記載のスイッチの過電流検出装置。
【請求項4】
前記電気経路のうち前記ダイオードよりも前記過電流検出部側に設けられた抵抗体(44)、及び前記電気経路のうち前記抵抗体よりも前記過電流検出部側と、前記一対の主端子のうち低電位端子とを接続するコンデンサ(45)を有するフィルタ回路を備え、
前記過電流検出部は、前記駆動対象スイッチに対する指令がオン指令に切り替えられた後、検出された前記コンデンサの電圧が前記過電流閾値を超えた場合、前記一対の主端子間に過電流が流れていると判定し、
前記ダンピング素子(43A)は、前記電気経路のうち、前記ダイオードと前記抵抗体との間に設けられている、請求項1に記載のスイッチの過電流検出装置。
【請求項5】
前記過電流検出部を有するドライブIC(50)を備え、
前記電気経路のうち、前記高電位端子と前記ドライブICの検出端子(Tdesat)とを接続する経路が第1電気経路(L1)であり、前記ドライブICにおいて前記検出端子と前記過電流検出部とを接続する経路が第2電気経路(L2)であり、
前記ダンピング素子、前記抵抗体及び前記ダイオードは、前記第1電気経路に設けられ、
前記コンデンサは、前記第1電気経路と、前記ドライブICの端子であって前記低電位端子と接続されるグランド端子(Tgnd)とを接続し、
前記過電流検出部は、前記グランド端子の電位を基準として、前記コンデンサの電圧を検出する、請求項2又は4に記載のスイッチの過電流検出装置。
【請求項6】
前記ダンピング素子(43B)は、前記電気経路のうち前記ダイオードよりも前記高電位端子側に設けられている、請求項1に記載のスイッチの過電流検出装置。
【請求項7】
前記ダンピング素子は、特定周波数(fp)においてインピーダンスが最大値となり、前記特定周波数に対して低周波側及び高周波側にいくほどインピーダンスが小さくなる特性を有し、
前記特定周波数は、前記リンギング周波数域に含まれている、請求項1~6のいずれか1項に記載のスイッチの過電流検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチの過電流検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の検出装置としては、上,下アームスイッチを備えるインバータ等の電力変換器に適用されるものが知られている。上,下アームスイッチのうち、一方である自アームスイッチと、他方である対向アームスイッチとは、交互にオン状態にされる。検出装置は、オン状態にされている自アームスイッチの一対の主端子間の電圧を検出し、検出した電圧が閾値を超えた場合、自アームスイッチに過電流が流れていると判定する。
【0003】
ところで、自アームスイッチ及び対向アームスイッチの駆動状態の切り替えに伴って、スイッチの主端子間の電圧にリンギングが発生する。リンギングは、スイッチの主端子に接続された配線等の寄生インダクタ成分と、スイッチの寄生容量成分との共振により発生する。リンギングが発生すると、過電流が流れていないにもかかわらず、過電流が流れていると判定される等、主端子間の電圧に基づく過電流の検出精度が低下する懸念がある。
【0004】
検出精度の低下を抑制するために、特許文献1には、自アームスイッチに対する指令がオン指令からオフ指令に切り替えられたタイミングにおいて、自アームスイッチの一対の主端子間の電圧を検出する故障検出装置が記載されている。故障検出装置は、検出した電圧が閾値を超えた場合、対向アームスイッチに短絡故障が発生していると判定する。自アームスイッチに対する指令がオン指令に切り替えられてから、自アームスイッチがオフ状態に切り替えられるまでにはタイムラグがあるため、上記タイミングにおける検出電圧にはリンギングノイズが重畳していない。このため、特許文献1に記載の故障検出装置によれば、自アームスイッチのオフ状態への切り替えに伴い発生するリンギングが、短絡故障の検出精度に及ぼす影響を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-118777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
過電流を迅速に検出するためには、自アームスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられた直後において、検出された主端子間の電圧と閾値との比較が実施されることが要求される。しかしながら、オン状態に切り替えられた直後においては、主端子間の電圧にリンギングノイズが重畳し、過電流の検出精度が低下する懸念がある。このように、過電流を迅速に検出する技術については、未だ改善の余地がある。
【0007】
本発明は、スイッチに過電流が流れていることを迅速に検出できるスイッチの過電流検出装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、駆動対象スイッチの一対の主端子のうち高電位端子側に第1端が接続された電気経路と、
カソードを前記高電位端子側に向けた状態で前記電気経路に設けられたダイオードと、
前記電気経路の第2端に接続された過電流検出部と、
を備え、
前記過電流検出部は、前記駆動対象スイッチに対する指令がオン指令に切り替えられた後、前記駆動対象スイッチの一対の主端子間の電圧を前記電気経路を介して検出し、検出した電圧が過電流閾値を超えた場合、前記駆動対象スイッチの一対の主端子間に過電流が流れていると判定し、
前記電気経路に設けられ、所定周波数域におけるインピーダンスが、前記所定周波数域以外の周波数域におけるインピーダンスよりも相対的に高い特性を有するダンピング素子を備え、
前記所定周波数域は、前記駆動対象スイッチの駆動状態の切り替えに伴って発生する前記一対の主端子間の電圧のリンギング周波数域を含む。
【0009】
本発明では、電気経路に上記特性を有するダンピング素子が設けられている。このため、駆動対象スイッチのオフ状態への切り替えに伴い主端子間の電圧のリンギングが発生したとしても、電気経路を介して検出された電圧にリンギングノイズが重畳することを抑制できる。これにより、駆動対象スイッチがオン状態に切り替えられた後、リンギングが収束するのを待つことなく、検出電圧が過電流閾値を超えたか否かを把握できる。したがって、本発明によれば、過電流の検出精度の低下を抑制しつつ、過電流を迅速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る制御システムの全体構成図。
図2】ドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図3】過電流が流れない場合における駆動信号及び判定電圧等の推移を示すタイムチャート。
図4】過電流が流れる場合における駆動信号及び判定電圧等の推移を示すタイムチャート。
図5】過電流検出処理の手順を示すフローチャート。
図6】リンギングノイズが重畳したドレイン及びソース間電圧等の推移を示すタイムチャート。
図7】ダンピング素子のインピーダンスの周波数特性を示す図。
図8】RCフィルタ回路のゲインの周波数特性を示す図。
図9】第1実施形態の変形例に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図10】第2実施形態に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図11】第3実施形態に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図12】第4実施形態に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図13】第5実施形態に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図14】第6実施形態に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
図15】第7実施形態に係るドライブIC及びその周辺回路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る過電流検出装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の過電流検出装置が備えられる制御システムは、移動体、ロボット(例えば産業用ロボット)、発電機又はエレベータ等に適用することができる。移動体は、例えば、自動車、航空機、船舶又は鉄道車両である。
【0012】
図1に示すように、制御システムは、回転電機10と、インバータ20と、直流電源21とを備えている。本実施形態において、回転電機10は、星形結線された3相の巻線11を備えている。回転電機10は、例えば同期機である。なお、制御システムが自動車に適用される場合、回転電機10は、自動車の駆動輪に一体に設けられるインホイールモータ、又は自動車の車体に備えられるオンボードモータであってもよいし、インバータ20及び図示しない変速機と一体化されていてもよい。
【0013】
回転電機10は、インバータ20を介して、直流電源21に接続されている。直流電源21は、例えば2次電池である。直流電源21の定格電圧は100V以上である。インバータ20は、平滑コンデンサ22を備えている。なお、平滑コンデンサ22は、インバータ20の外部に設けられていてもよい。
【0014】
インバータ20は、3相分の上,下アームスイッチSWH,SWLを備えている。本実施形態において、各スイッチSWH,SWLは、電圧制御形の半導体スイッチング素子であり、具体的にはSiCのNチャネルMOSFETである。このため、各スイッチSWH,SWLにおいて、高電位端子はドレインであり、低電位端子はソースである。各スイッチSWH,SWLは、ボディダイオードを有している。
【0015】
なお、各スイッチSWH,SWLは、例えばIGBTであってもよい。この場合、各スイッチSWH,SWLにおいて、高電位端子がコレクタであり、低電位端子がエミッタである。
【0016】
各相において、上アームスイッチSWHのドレインには、平滑コンデンサ22の第1端が接続されている。各相において、上アームスイッチSWHのソースには、下アームスイッチSWLのドレインが接続されている。各相において、下アームスイッチSWLのソースには、平滑コンデンサ22の第2端が接続されている。各相において、上アームスイッチSWHのソースと、下アームスイッチSWLのドレインとには、回転電機10の巻線11の第1端が接続されている。各相の巻線11の第2端は、中性点で接続されている。
【0017】
制御システムは、制御基板25、マイコン30、及びドライブIC50を備えている。本実施形態において、ドライブIC50は、各スイッチSWH,SWLに対応して個別に設けられている。
【0018】
マイコン30は、回転電機10の制御量を指令値に制御すべく、インバータ20の各スイッチSWH,SWLのスイッチング制御を行う。制御量は、例えばトルクである。マイコン30は、各相において、上アームスイッチSWHと、下アームスイッチSWLとを交互にオン状態にすべく、上,下アームスイッチSWH,SWLに対応する駆動信号GH,GLを生成する。
【0019】
マイコン30は、低圧領域に設けられている。一方、回転電機10、各スイッチSWH,SWL、各ドライブIC50、直流電源21及び平滑コンデンサ22は、高圧領域に設けられている。
【0020】
続いて、図2を用いて、ドライブIC50及びその周辺回路について説明する。なお、各スイッチに対応するドライブICは、基本的には同じ構成である。このため、下アームスイッチSWLに対応するドライブIC50を例にして説明する。
【0021】
ドライブIC50の電源端子Tоmには、電源40が接続されている。電源40は、出力電圧がVomの定電圧電源である。電源40の出力電圧Vomは、直流電源21の出力電圧よりも低い。
【0022】
ドライブIC50は、充電スイッチSC及び放電スイッチSDを備えている。本実施形態において、充電スイッチSCはPチャネルMOSFETであり、放電スイッチSDはNチャネルMOSFETである。充電スイッチSCのソースには、電源端子Tоmが接続され、充電スイッチSCのドレインには、ドライブIC50の出力端子Toutが接続されている。
【0023】
制御基板25には、ゲート抵抗体41Aが設けられている。ゲート抵抗体41Aの第1端には、出力端子Toutが接続され、ゲート抵抗体41Aの第2端には、下アームスイッチSWLのゲートが接続されている。下アームスイッチSWLのゲートには、ドライブIC50のグランド端子Tgndが接続されている。出力端子Toutには、放電スイッチSDのドレインが接続され、放電スイッチSDのソースには、グランド端子Tgndが接続されている。
【0024】
制御基板25には、ソフト遮断抵抗体41Bが設けられている。ソフト遮断抵抗体41Bの第1端には、下アームスイッチSWLのゲートが接続されている。ソフト遮断抵抗体41Bの第2端には、ドライブIC50の保護用端子Tssが接続されている。ソフト遮断抵抗体41Bの抵抗値は、ゲート抵抗体41Aの抵抗値よりも大きい。
【0025】
ドライブIC50は、ソフト遮断スイッチSSを備えている。本実施形態において、ソフト遮断スイッチSSはNチャネルMOSFETである。ソフト遮断スイッチSSのドレインには、保護用端子Tssが接続され、ソフト遮断スイッチSSのソースには、グランド端子Tgndが接続されている。
【0026】
制御基板25には、第1電気経路L1が設けられている。第1電気経路L1の第1端には、下アームスイッチSWLのドレイン側が接続されている。第1電気経路L1の第2端には、ドライブIC50の検出端子Tdesatが接続されている。
【0027】
制御基板25には、ダイオード42、ダンピング素子43A、フィルタ抵抗体44及びコンデンサ45が設けられている。ダイオード42は、カソードを下アームスイッチSWLのドレイン側に向けた状態で、第1電気経路L1に設けられている。第1電気経路L1において、ダイオード42よりも検出端子Tdesat側には、ダンピング素子43Aが設けられ、ダンピング素子43Aよりも検出端子Tdesat側には、フィルタ抵抗体44が設けられている。第1電気経路L1のうちフィルタ抵抗体44よりも検出端子Tdesat側には、コンデンサ45の第1端が接続されている。コンデンサ45の第2端には、グランド端子Tgndと、下アームスイッチSWLのソースとが接続されている。本実施形態において、ダンピング素子43は、受動素子であるインダクタ素子であり、具体的にはフェライトビーズである。
【0028】
制御基板25には、保護用ダイオード46と、保護用ツェナーダイオード47とが設けられている。保護用ダイオード46及び保護用ツェナーダイオード47のカソードには、第1電気経路L1のうちコンデンサ45との接続点よりも検出端子Tdesat側が接続されている。保護用ダイオード46及び保護用ツェナーダイオード47のアノードには、グランド端子Tgndが接続されている。保護用ダイオード46は、検出端子Tdesatに対するグランド端子Tgndの電位が過度に高くなることを防止するために設けられている。保護用ツェナーダイオード47は、グランド端子Tgndに対して検出端子Tdesatの電位が過度に高くなることを防止するために設けられている。
【0029】
ドライブIC50は、定電流電源51、規制ダイオード52、リセットスイッチ53、コンパレータ54、基準電源55及び第2電気経路L2を備えている。本実施形態において、リセットスイッチ53はPチャネルMOSFETである。
【0030】
第2電気経路L2は、検出端子Tdesatとコンパレータ54の非反転入力端子とを接続する。定電流電源51は、電源端子Tоmに接続され、電源40から給電されて定電流を出力する。第2電気経路L2には、規制ダイオード52のアノードが接続され、規制ダイオード52のカソードには、リセットスイッチ53のソースが接続されている。リセットスイッチ53のドレインには、グランド端子Tgndが接続されている。
【0031】
コンパレータ54の非反転入力端子には、第2電気経路L2を介して、コンデンサ45の端子間電圧である判定電圧Vdeastが入力される。コンパレータ54の反転入力端子には、基準電源55の正極端子が接続されている。基準電源55の負極端子には、グランド端子Tgndが接続されている。コンパレータ54の反転入力端子には、基準電源55の出力電圧である過電流閾値Vαが入力される。つまり、コンパレータ54は、グランド端子Tgndの電位を基準電位(0V)として、コンデンサ45の端子間電圧を検出し、検出電圧と過電流閾値Vαとを比較する。コンパレータ54の出力信号Sigは、ドライブIC50が備える駆動制御部56に入力される。
【0032】
駆動制御部56には、電源端子Tоm及びグランド端子Tgndが接続されている。駆動制御部56は、ドライブIC50の信号端子Tsgを介して、マイコン30から出力された駆動信号GLを取得する。駆動制御部56は、取得した駆動信号GLがオン指令であると判定した場合、充電処理により、下アームスイッチSWLをオン状態に切り替える。充電処理は、充電スイッチSCをオン状態にして、かつ、放電スイッチSDをオフ状態にする処理である。充電処理によれば、下アームスイッチSWLのゲート電圧がスレッショルド電圧Vth以上となり、下アームスイッチSWLがオン状態に切り替えられる。
【0033】
駆動制御部56は、駆動信号GLがオフ指令であると判定した場合、放電処理により、下アームスイッチSWLをオフ状態に切り替える。放電処理は、充電スイッチSCをオフ状態にして、かつ、放電スイッチSDをオン状態にする処理である。放電処理によれば、下アームスイッチSWLのゲート電圧がスレッショルド電圧Vth未満となり、下アームスイッチSWLがオフ状態に切り替えられる。
【0034】
なお、駆動制御部56が提供する機能は、例えば、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって提供することができる。
【0035】
駆動制御部56は、充電処理を行う場合において過電流検出処理を行う。本実施形態において、駆動制御部56、コンパレータ54及び基準電源55が「過電流検出部」に相当する。以下、下アームスイッチSWLを例にして、図3及び図4を用いて、この処理について説明する。
【0036】
図3は、下アームスイッチSWLに過電流が流れない場合を示す。図3(a)は駆動制御部56に入力される駆動信号GLの推移を示し、図3(b)は下アームスイッチSWLのゲート電圧Vgsの推移を示し、図3(c)は下アームスイッチSWLのドレイン電流Idsの推移を示す。図3(d)は判定電圧Vdeastの推移を示し、図3(e)は下アームスイッチSWLのドレイン及びソース間電圧Vdsの推移を示す。
【0037】
駆動制御部56は、時刻t1においてオン指令に切り替えられたと判定し、充電処理を開始する。これにより、ゲート電圧Vgsが上昇し始める。その後、駆動制御部56は、時刻t1からフィルタ時間tf経過した時刻t2において、リセットスイッチ53をオフ状態に維持しつつ、定電流電源51からの定電流の出力を開始させる。これにより、定電流電源51からコンデンサ45へと電流が供給され始める。その結果、判定電圧Vdeastが0から上昇し始める。図3に示す例では、過電流が流れないことから、判定電圧Vdeastは過電流閾値Vαまで上昇しない。なお、図3に示す例では、フィルタ時間tfの終了タイミングは、ゲート電圧Vgsがミラー電圧Vmilにされる期間の途中に設定されている。
【0038】
図4は、下アームスイッチSWLに過電流が流れる場合を示す。詳しくは、対向アームスイッチとしての上アームスイッチSWHに短絡故障が発生している場合において、自アームスイッチとしての下アームスイッチSWLがオン状態に切り替えられ、上,下アームスイッチSWH,SWLに短絡電流が流れる場合を示す。なお、図4(a)~(e)は、先の図3(a)~(e)に対応している。
【0039】
駆動制御部56は、時刻t1においてオン指令に切り替えられたと判定し、充電処理を開始する。これにより、ゲート電圧Vgsが上昇し始める。その後、駆動制御部56は、時刻t1からフィルタ時間tf経過した時刻t2において、リセットスイッチ53をオフ状態に維持しつつ、定電流電源51からの定電流の出力を開始させる。これにより、判定電圧Vdeastが0から上昇し始める。
【0040】
図4に示す例では、過電流(短絡電流)が流れることから、判定電圧Vdeastは、その後時刻t3において過電流閾値Vαに到達する。その結果、コンパレータ54の出力信号Sigの論理がHに切り替えられ、駆動制御部56は、過電流が流れていると判定し、ソフト遮断処理を行う。なお、短絡電流は、下アームスイッチSWLがオン状態にされている期間の途中に上アームスイッチSWHに短絡故障が発生した場合にも流れる。
【0041】
図5に、駆動制御部56により実行される過電流検出処理の手順を示す。
【0042】
ステップS10では、駆動信号GLがオフ指令からオン指令に切り替わったか否かを判定する。
【0043】
ステップS10において肯定判定した場合には、ステップS11に進み、充電スイッチSCをオン状態にし、放電スイッチSDをオフ状態にする充電処理を行う。また、ソフト遮断スイッチSSをオフ状態にする。
【0044】
ステップS12では、ステップS10において肯定判定してからフィルタ時間tfが経過したと判定するまで待機する。
【0045】
ステップS12において肯定判定した場合には、ステップS13に進み、リセットスイッチ53をオフ状態にし、定電流電源51からの定電流の出力を開始させる。これにより、定電流電源51からコンデンサ45に電流が供給され始める。
【0046】
ステップS14では、コンパレータ54の出力信号Sigの論理がLであるか否かを判定する。ステップS14において論理がLであると判定した場合には、ステップS15に進み、駆動信号GLがオン指令からオフ指令に切り替えられたか否かを判定する。ステップS15においてオン指令がなされていると判定した場合には、ステップS14に移行する。
【0047】
一方、ステップS15においてオフ指令に切り替えられたと判定した場合、又はステップS10において否定判定した場合には、ステップS16に進み、充電スイッチSCをオフ状態にし、放電スイッチSDをオン状態にする放電処理を行う。また、定電流電源51からの定電流の出力を停止させる。なお、駆動信号GLがオフ指令とされている期間に、リセットスイッチ53を一時的にオン駆動し、判定電圧Vdeastを0にリセットする。
【0048】
ステップS14においてコンパレータ54の出力信号Sigの論理がHであると判定した場合には、過電流が流れていると判定し、ステップS17に進む。ステップS17では、充電スイッチSC及び放電スイッチSDをオフ状態にし、ソフト遮断スイッチSSをオン状態にするソフト遮断処理を行う。これにより、下アームスイッチSWLのターンオフに伴って発生するサージ電圧を抑制しつつ、下アームスイッチSWLをオフ状態に切り替える。
【0049】
続くステップS18では、マイコン30に出力するフェール信号FLの論理を切り替える。例えば、LからHに切り替える。フェール信号FLの論理が切り替えられることにより、マイコン30は、下アームスイッチSWLに過電流が流れていることを把握できる。
【0050】
ところで、図3(e),図4(e)での図示は省略したが、実際には、図6(e)に示すように、下アームスイッチSWLのオン状態への切り替えに伴い、ドレイン及びソース間電圧Vdsのリンギングが発生する。図6(a)~(e)は、先の図3(a)~(e)に対応している。リンギングは、図2に示すように、下アームスイッチSWLのソース,ドレインに接続された配線等の寄生インダクタ成分L、及び下アームスイッチSWLの寄生容量成分Cの共振により発生する。なお、リンギング周波数frは、例えば下式(eq1)で表される。
【0051】
【数1】
ダンピング素子43Aが設けられていない比較例では、リンギングが発生すると、図6(d)に示すように、時刻t2以降において判定電圧Vdeastが過電流閾値Vαを超えてしまう。その結果、過電流が流れていないにもかかわらず、過電流が流れていると誤判定されてしまう。
【0052】
また、リンギングが発生すると、リンギングノイズがグランド端子Tgnd側にも伝播し、グランド端子Tgndの電位が変動する。その結果、比較例では、過電流閾値Vαの値が適正な値から大きくずれ、過電流の検出精度が低下する懸念もある。
【0053】
こうした事態の発生を防止すべく、本実施形態では、ダンピング素子43Aが設けられている。ダンピング素子43Aは、図7に示すように、特定周波数fpにおいてインピーダンスZが最大値Zmax(例えば1100Ω)となり、特定周波数fpから離れるほどインピーダンスZが小さくなる特性を有している。図7に示す例では、下アームスイッチSWLの駆動状態の切り替えに伴って発生するドレイン及びソース間電圧Vdsのリンギング周波数域Rngfの中間値が上記特定周波数fpになっている。リンギング周波数域Rngfは、ドレイン及びソース間電圧Vdsに重畳するリンギングノイズが取り得る周波数の範囲であり、例えば実験又は計算により定めることができる。
【0054】
ちなみに、ダンピング素子43Aの特性及び上,下アームスイッチSWH,SWLのスイッチング周波数fswは、例えば以下のように定められればよい。インピーダンスの最大値Zmaxの1/100となるインピーダンスに対応する周波数を基準周波数fstとする。スイッチング周波数fswを基準周波数fst以下の周波数にする。この場合、スイッチング周波数fswにおけるダンピング素子43AのインピーダンスZを0に近い値にできる。スイッチング周波数fswは、例えば、5kHz~25kHzの範囲内の値にすることができる。スイッチング速度の高速化を図るために、スイッチング周波数fswは、例えば、18kHz~25kHzの範囲内の値にすることができる。なお、スイッチング周波数fswは、スイッチング周期Tswの逆数である。スイッチング周期Tswは、例えば下アームを例に説明すると、駆動信号GLがオン指令に切り替えられてから、駆動信号GLが再度オン指令に切り替えられるまでの期間である。
【0055】
ダンピング素子43Aが設けられることにより、図6(e)に示すようにリンギングが発生した場合であっても、図3(d),図4(d)に示すように、判定電圧Vdeastにリンギングノイズが重畳することを好適に防止できる。その結果、過電流の検出精度の低下を抑制しつつ、過電流を迅速に検出することができる。特に、スイッチング周波数fswが高くされる場合においては、過電流を迅速に検出できるメリットが大きい。また、迅速に過電流を検出してソフト遮断処理が行われることにより、上,下アームスイッチSWH,SWLの定格電流,電流容量を小さくでき、パワー素子としての上,下アームスイッチSWH,SWLのチップサイズを小さくできる。その結果、制御システムのコストを削減することができる。
【0056】
ちなみに、RCフィルタ回路を構成するフィルタ抵抗体44の抵抗値や、コンデンサ45の静電容量を大きくすることにより、リンギングを減衰させることはできる。図8に、RCフィルタ回路の周波数特性を示す。しかし、抵抗値を大きくすると、実際のドレイン及びソース間電圧と検出電圧との差が大きくなり、静電容量を大きくすると、コンデンサ45の電圧上昇速度が低くなる。その結果、過電流の検出が遅れてしまう。つまり、リンギングを低減させるために、RCフィルタ回路の時定数を最適設計するのが困難である。このため、本実施形態のように、リンギングを低減させるためにダンピング素子43Aが必要となる。
【0057】
ダンピング素子43Aが、第1電気経路L1のうちダイオード42よりも検出端子Tdesat側に設けられている。これにより、ダンピング素子43Aとして低耐圧の素子を用いることができる。
【0058】
ダンピング素子43Aが、第1電気経路L1のうち、ダイオード42とフィルタ抵抗体44との間に設けられている。これにより、第1電気経路L1のうち下アームスイッチSWLのドレイン側でリンギングノイズを低減できるため、ノイズ低減効果を大きくできる。例えば、コンデンサ45経由でグランド端子Tgndへとリンギングノイズが伝播することを抑制でき、グランド端子Tgndの電位の変動を好適に抑制できる。
【0059】
<第1実施形態の変形例>
図9に示すように、フィルタ抵抗体44及びコンデンサ45を有するRCフィルタ回路が設けられていなくてもよい。この場合であっても、例えば、保護用ダイオード46,保護用ツェナーダイオード47の寄生容量成分がコンデンサの役割を果たし、DESAT方式の過電流検出を行うことができる。なお、図9において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0060】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図10に示すように、第1電気経路L1のうち、ダイオード42よりも下アームスイッチSWLのドレイン側にダンピング素子43Bが設けられている。なお、図10において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0061】
以上説明した本実施形態によれば、リンギングノイズがダイオード42に印加されることを抑制できる。このため、ダイオード42として低耐圧の素子を用いることができる。
【0062】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図11に示すように、第1電気経路L1のうち、コンデンサ45との接続点と、保護用ダイオード46,保護用ツェナーダイオード47との接続点との間にダンピング素子43Cが設けられている。なお、図11において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0063】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0064】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図12に示すように、第1電気経路L1のうち、コンデンサ45との接続点と、フィルタ抵抗体44との間にダンピング素子43Dが設けられている。なお、図12において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0065】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0066】
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図13に示すように、第1電気経路L1のうち、保護用ダイオード46,保護用ツェナーダイオード47との接続点よりも検出端子Tdesat側にダンピング素子43Eが設けられている。なお、図13において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0067】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0068】
<第6実施形態>
以下、第6実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図14に示すように、第1電気経路L1のうち、保護用ダイオード46との接続点と、保護用ツェナーダイオード47との接続点との間にダンピング素子43Fが設けられている。なお、図14において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0069】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0070】
<第7実施形態>
以下、第7実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図15に示すように、ドライブIC50は、オフ保持スイッチSoffを備えている。なお、図15において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0071】
オフ保持スイッチSoffはNチャネルMOSFETである。オフ保持スイッチSoffのドレインには、ドライブIC50の保持端子Toffが接続され、オフ保持スイッチSoffのソースには、グランド端子Tgndが接続されている。保持端子Toffには、下アームスイッチSWLのゲートが接続されている。
【0072】
駆動制御部56には、保持端子Toffが接続されている。駆動制御部56は、グランド端子Tgndの電位を基準電位(0V)として、下アームスイッチSWLのゲート電圧Vgdを検出する。
【0073】
駆動制御部56は、充電処理を行う場合、オフ保持スイッチSoffをオフ状態にする。一方、駆動制御部56は、放電処理を行う場合において、検出したゲート電圧Vgdが規定電圧よりも高いとき、オフ保持スイッチSoffをオフ状態にし、検出したゲート電圧Vgdが規定電圧以下のとき、オフ保持スイッチSoffをオン状態にする。規定電圧は、下アームスイッチSWLのスレッショルド電圧Vth以下の電圧に設定されている。
【0074】
リンギングの発生によりグランド端子Tgndの電位が変動する場合、ゲート電圧Vgdの検出精度が低下し、オフ保持スイッチSoffが誤動作する懸念がある。ここで、本実施形態では、ダンピング素子43Aが設けられているため、リンギングの発生に起因したオフ保持スイッチSoffの誤動作の発生を抑制することができる。
【0075】
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0076】
・ダンピング素子は、例えば抵抗体であってもよい。この場合、図2を例に説明すると、フィルタ抵抗体44と、ダンピング素子としての抵抗体との双方が制御基板25に設けられる。
【0077】
・上,下アームスイッチを備える電力変換器としては、インバータに限らず、例えばDCDCコンバータであってもよい。
【0078】
・本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
20…インバータ、42…ダイオード、43A~43F…ダンピング素子、45…コンデンサ、50…ドライブIC、SWH,SWL…上,下アームスイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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