(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】監視映像出力システム、監視映像出力方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2021201024
(22)【出願日】2021-12-10
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小堀 訓成
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-348639(JP,A)
【文献】特開2016-181239(JP,A)
【文献】特開2012-216102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0042815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体の各々に搭載される複数のカメラと、
1又は複数の記憶装置と、
1又は複数のプロセッサと、
を備え、
前記1又は複数の記憶装置は、
前記複数のカメラの各々について、撮像された映像データと、各時刻における前記カメラの位置又は前記カメラが搭載される前記移動体の位置を示す位置データと、を格納し、
前記1又は複数のプロセッサは、
特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付ける処理と、
所定の時間幅毎に、前記複数のカメラから前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる映像取得カメラを選択し、前記映像取得カメラの前記時間幅内の前記映像データを取得する映像取得処理と、
前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って出力する、又は前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って組み合わせた映像を生成して出力する処理と、
を実行するように構成され、
前記映像取得処理において、前記1又は複数のプロセッサは、
前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる前記カメラが2つ以上あるとき、前記位置データに基づいて、前記監視領域での前記時間幅内の移動距離が最も長い前記カメラを前記映像取得カメラとして選択する処理を実行するように構成されている
ことを特徴とする監視映像出力システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視映像出力システムであって、
前記1又は複数のプロセッサは、
前記監視領域内の撮像方向を規定する方向設定を入力として受け付ける処理をさらに実行するように構成され、
前記映像取得処理において、前記1又は複数のプロセッサは、
前記位置データに基づいて、前記カメラ又は前記移動体の移動方向が前記方向設定を満足することをさらに条件として前記映像取得カメラを選択する
ことを特徴とする監視映像出力システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の監視映像出力システムであって、
前記特定の領域は、グリッドで分割された空間の1つの分割領域である
ことを特徴とする監視映像出力システム。
【請求項4】
複数の移動体の各々に搭載される複数のカメラの各々について、撮像された映像データと、各時刻における前記カメラの位置又は前記カメラが搭載される前記移動体の位置を示す位置データと、を1又は複数の記憶装置に格納することと、
特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付けることと、
所定の時間幅毎に、前記複数のカメラから前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる映像取得カメラを選択し、前記映像取得カメラの前記時間幅内の前記映像データを取得することと、
前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる前記カメラが2つ以上あるとき、前記位置データに基づいて、前記監視領域での前記時間幅内の移動距離が最も長い前記カメラを前記映像取得カメラとして選択することと、
前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って出力する、又は前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って組み合わせた映像を生成して出力することと、
を含むことを特徴とする監視映像出力方法。
【請求項5】
請求項4に記載の監視映像出力方法であって、
前記監視領域内の撮像方向を規定する方向設定を入力として受け付けることをさらに含み、
前記映像取得カメラは、前記位置データに基づいて、前記カメラ又は前記移動体の移動方向が前記方向設定を満足することをさらに条件として選択される
ことを特徴とする監視映像出力方法。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の監視映像出力方法であって、
前記特定の領域は、グリッドで分割された空間の1つの分割領域である
ことを特徴とする監視映像出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に搭載するカメラが撮像する映像データを用いて監視映像を出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体に搭載するカメラが撮像する映像データを用いた様々な技術が考えられている。
【0003】
特許文献1には、車載カメラで特定の位置を含む所定の範囲を撮影した動画像を送出する車載情報端末と、複数の車載情報端末から所定の範囲を撮影した撮影時刻の異なる動画像を取得し、複数の車載情報端末からの動画像に基づき、特定の位置を経時的に撮影した動画像を生成する映像情報収集装置と、を備えた映像監視システムが開示されている。
【0004】
その他、移動体に搭載するカメラが撮像する映像データを用いる技術を開示するものとして、以下の特許文献2や特許文献3を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007―194722号公報
【文献】特開2011―180693号公報
【文献】特開2009―060477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、車両にドライブレコーダーやセンサカメラ等の映像取得装置が搭載されることが一般的になってきている。このため、移動体に搭載するカメラが撮像する映像データを用いた監視映像は、インフラコストを削減するための技術として期待されている。
【0007】
特許文献1に開示される映像監視システムでは、事故地点や渋滞地点等の特定の位置をリクエストとして受け付け、特定の位置を経時的に撮影した動画像が生成される。しかしながら、監視映像の利用者は、特定の位置についてではなくより広範囲の地点について監視映像を確認したいと考えることが想定される。
【0008】
本開示の1つの目的は、上記の課題を鑑み、移動体に搭載するカメラが撮像する映像データを用いた監視映像であって、広範囲の地点について監視映像を表示することが可能な監視映像出力システム及び監視映像出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の開示は、監視映像出力システムに関する。
第1の開示に係る監視映像出力システムは、複数の移動体の各々に搭載される複数のカメラと、1又は複数の記憶装置と、1又は複数のプロセッサと、を備える。
前記1又は複数の記憶装置は、前記複数のカメラの各々について、撮像された映像データと、各時刻における前記カメラの位置又は前記カメラが搭載される前記移動体の位置を示す位置データと、を格納する。
前記1又は複数のプロセッサは、特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付ける処理と、所定の時間幅毎に、前記複数のカメラから前記時間幅内の前記位置データが監視領域に含まれる映像取得カメラを選択し、前記映像取得カメラの前記時間幅内の前記映像データを取得する映像取得処理と、前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って出力する、又は前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って組み合わせた映像を生成して出力する処理と、を実行するように構成されている。
また、前記映像取得処理において、前記1又は複数のプロセッサは、前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる前記カメラが2つ以上あるとき、前記位置データに基づいて、前記監視領域での前記時間幅内の移動距離が最も長い前記カメラを前記映像取得カメラとして選択する処理を実行するように構成されている。
【0010】
第2の開示は、第1の開示に係る監視映像出力システムに対して、さらに以下の特徴を有する監視映像出力システムに関する。
前記1又は複数のプロセッサは、前記監視領域内の撮像方向を規定する方向設定を入力として受け付ける処理をさらに実行するように構成される。
また、前記映像取得処理において、前記1又は複数のプロセッサは、前記位置データに基づいて、前記カメラ又は前記移動体の移動方向が前記方向設定を満足することをさらに条件として前記映像取得カメラを選択する。
【0011】
第3の開示は、第1又は第2の開示に係る監視映像出力システムに対して、さらに以下の特徴を有する監視映像出力システムに関する。
前記特定の領域は、グリッドで分割された空間の1つの分割領域である。
【0012】
第4の開示は、監視映像出力方法に関する。
第4の開示に係る監視映像出力方法は、複数の移動体の各々に搭載される複数のカメラの各々について、撮像された映像データと、各時刻における前記カメラの位置又は前記カメラが搭載される前記移動体の位置を示す位置データと、を1又は複数の記憶装置に格納することと、特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付けることと、所定の時間幅毎に、前記複数のカメラから前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる映像取得カメラを選択し、前記映像取得カメラの前記時間幅内の前記映像データを取得することと、前記時間幅内の前記位置データが前記監視領域に含まれる前記カメラが2つ以上あるとき、前記位置データに基づいて、前記監視領域での前記時間幅内の移動距離が最も長い前記カメラを前記映像取得カメラとして選択することと、前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って出力する、又は前記時間幅毎に取得した前記映像データを時系列に沿って組み合わせた映像を生成して出力することと、を含む。
【0013】
第5の開示は、第4の開示に係る監視映像出力方法に対して、さらに以下の特徴を有する監視映像出力方法に関する。
前記監視領域内の撮像方向を規定する方向設定を入力として受け付けることをさらに含む。
前記映像取得カメラは、前記位置データに基づいて、前記カメラ又は前記移動体の移動方向が前記方向設定を満足することをさらに条件として選択される。
【0014】
第6の開示は、第4又は第5の開示に係る監視映像出力方法に対して、さらに以下の特徴を有する監視映像出力方法に関する。
前記特定の領域は、グリッドで分割された空間の1つの分割領域である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付ける。その後、所定の時間幅毎に、複数のカメラから映像取得カメラを選択し、映像取得カメラの時間幅内の映像データを取得する。そして、時間幅毎に取得した映像データが時系列に沿って監視映像データとして出力される。または、時間幅毎に取得した映像データを時系列に沿って組み合わせた映像が監視映像データとして出力される。
【0016】
これにより、移動体に搭載するカメラが撮像する映像データを用いた監視映像であって、広範囲の地点について監視映像を表示することができる。
【0017】
さらに、時間幅内に位置データが監視領域に含まれるカメラが2つ以上あるとき、位置データに基づいて、監視領域での時間幅内の移動距離が最も長いカメラが映像取得カメラとして選択される。これにより、より広範囲を撮像するカメラを映像取得カメラとして選択することができる。延いては、時間幅内で広範囲を映す監視映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る監視映像出力システムの構成の概要を示す概念図である。
【
図2】移動体が道路を走行する車両である場合の特定の領域の指定の例を示す概念図である。
【
図3】映像取得処理の概要について説明するための概念図である。
【
図5】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】監視映像出力方法を示すフローチャートである。
【
図7】映像取得処理において実行する処理を示すフローチャートである。
【
図8】第1変形例に係る映像取得処理における映像取得カメラの選択について説明するための概念図である。
【
図9】第2変形例に係る監視映像出力システムの構成の概要を示す概念図である。
【
図10】第2変形例に係る移動体の概略構成を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態において特定の地点の指定の例を示す概念図である。
【
図12】第2実施形態に係る映像取得処理における映像取得カメラの選択について説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲などの数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数が特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る思想が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構成等は、特に明示した場合や原理的に明らかにそれに特定される場合を除いて、本開示に係る思想に必ずしも必須のものではない。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を附しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0020】
1.第1実施形態
1-1.概要
図1は、第1実施形態に係る監視映像出力システム10の構成の概要を示す概念図である。監視映像出力システム10は、複数の移動体100の各々に搭載される複数のカメラ110と、記憶装置200と、情報処理装置300と、を備えている。
【0021】
移動体100は、典型的には、道路を走行する車両である。その他、移動体100として、自転車、ドローン、巡回ロボット等が例示される。カメラ110は、移動体100の周囲の環境を撮像する。
【0022】
複数の移動体100の各々は、通信ネットワーク1を介して、搭載されるカメラ110により撮像された映像データと、各時刻におけるカメラ110の位置を示す位置データと、を記憶装置200に伝達する。なお、位置データは、カメラ110が搭載される移動体100の位置を示すデータであっても良い。ここで、通信ネットワーク1は、例えば、インターネットである。ただし、監視映像出力システム10のために構築されたその他のネットワークであっても良い。また、映像データ及び位置データは、複数のカメラ110のいずれについてのデータであるかを判別できるように構成されている。
【0023】
記憶装置200は、通信ネットワーク1に接続しており、複数の移動体100の各々から映像データ及び位置データを取得して格納する。記憶装置200は、例えば、データベースサーバである。
【0024】
記憶装置200と情報処理装置300は、互いに情報を伝達することができるように構成されている。例えば、記憶装置200と情報処理装置300は、ケーブルを介した電気的接続、光通信回線を介した接続、無線通信端末を介した無線通信による接続等により構成されている。または、情報処理装置300は、通信ネットワーク1と接続し、通信ネットワーク1を介して記憶装置200と互いに情報を伝達するように構成されていても良い。あるいは、記憶装置200と情報処理装置300は、一体的に構成されていても良い。例えば、情報処理装置300は、通信ネットワーク1に接続するサーバであり、記憶装置200は、サーバに備えられる装置(例えば、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、HDD,SSD等)であっても良い。
【0025】
そして、記憶装置200は、情報処理装置300によるデータの要求を受けて、要求に応じたデータを情報処理装置300に伝達する。これにより、情報処理装置300は、記憶装置200が格納するデータの取得を行う。
【0026】
情報処理装置300は、入出力端末2と接続し、特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付け、監視映像データを出力する。入出力端末2は、例えば、入力部(キーボード、スイッチ、タッチパネル、操作盤等)と、出力部(ディスプレイ、スピーカー等)と、を一体的に備えている。この場合、入力部の操作により監視領域が入力され、入力された監視領域を示す情報が情報処理装置300に伝達される。また、情報処理装置300が出力する監視映像データが入出力端末2に伝達され、出力部に監視映像が表示される。
【0027】
監視領域の入力に際して、特定の領域の指定は、分割された空間の1つの分割領域を指定するように行うことができる。
図2は、移動体100が道路を走行する車両である場合の特定の領域の指定の例を示す概念図である。
図2に示すように、移動体100が道路を走行する車両であるとき、グリッドで分割された道路地図を考えることができる。そして、特定の領域の指定は、グリッドで分割された道路地図の1つの分割領域を指定するように行うことができる。例えば
図2において、分割領域3を指定して監視領域とすることができる。なお、グリッドサイズは、監視映像出力システム10を適用する環境に応じて好適に定められて良い。さらに、道路地図全体で一様のグリッドサイズでなくとも良い。また、グリッドによる分割は、3次元の空間の分割に適用することも可能である。
【0028】
このように、特定の領域の指定を分割された空間の1つの分割領域を指定するように行うことで、監視領域の入力を容易にすることができる。特に、グリッドによる分割は、対象とする空間の全体を簡便に分割して分割領域を与えることができる。
【0029】
なお、特定の領域の指定は、その他の形式を採用しても良い。例えば、道路地図が入出力端末2の出力部に表示され、道路地図上の任意の領域を指定(例えば、特定の図形又はフリーハンドの枠線で囲む等)するように行われても良い。
【0030】
情報処理装置300が出力する監視映像データは、情報処理装置300において実行される映像取得処理により、複数のカメラ110の各々の映像データから構成される。
図3は、映像取得処理の概要について説明するための概念図である。
図3では、
図2に示すようにグリッドで分割された道路地図において、分割領域3が監視領域として指定されている。
【0031】
映像取得処理では、所定の時間幅毎に、複数のカメラ110から時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110(以下、「映像取得カメラ」とも称する。)を選択し、映像取得カメラの時間幅内の映像データを取得する。
図3には、(A)、(B)、及び(C)として、時系列順に時間幅毎(時間幅A、時間幅B、及び時間幅C)の3つの状況を示している。(A)、(B)、及び(C)それぞれには、道路を走行する移動体100及び移動体100に備えるカメラ110が示されている。なお、移動体100及びカメラ110について、それぞれを区別するため符号に記号(a,b,c)を附している。また、破線の矢印は、時間幅内の位置データの変化(カメラ110の移動)を示している。なお、情報処理装置300は、映像取得処理の実行のため、記憶装置200から、複数のカメラ110の位置データを取得する。
【0032】
時間幅Aでは、時間幅の間にカメラ110aが監視領域に位置している。カメラ110aは、時間幅内の位置データが監視領域に含まれている。よって、映像取得処理において、時間幅Aではカメラ110aを映像取得カメラとして選択し、カメラ110aの時間幅内の映像データを取得する。
【0033】
時間幅Bでは、時間幅の間にカメラ110a及びカメラ110bが監視領域に位置している。カメラ110aは、時間幅内の位置データが監視領域に含まれていない。一方で、カメラ110bは、時間幅内の位置データが監視領域に含まれている。よって、映像取得処理において、時間幅Bではカメラ110bを映像取得カメラとして選択し、カメラ110bの時間幅内の映像データを取得する。
【0034】
時間幅Cでは、時間幅の間にカメラ110b及びカメラ110cが監視領域に位置している。カメラ110b及びカメラ110cは、いずれも時間幅内の位置データが監視領域に含まれている。この場合、第1実施形態に係る映像取得処理では、位置データに基づいて、監視領域での時間幅内の移動距離が最も長いカメラ110を映像取得カメラとして選択する。
図3に示すように、時間幅Cでは、カメラ110bの移動距離はカメラ110cの移動距離よりも長い。よって、映像取得処理において、時間幅Cではカメラ110bを映像取得カメラとして選択し、カメラ110bの時間幅内の映像データを取得する。
【0035】
このように、監視領域での時間幅内の移動距離が最も長いカメラ110を映像取得カメラとして選択することで、より広範囲を撮像するカメラ110を映像取得カメラとして選択することができる。延いては、広範囲を映す監視映像データを出力することができる。
【0036】
なお、映像取得処理において、それぞれの時間幅の間隔は異なっていても良い。例えば、
図3において、時間幅A、時間幅B、時間幅Cそれぞれの間隔は異なっていても良い。
【0037】
以上説明したように、映像取得処理により、所定の時間幅毎に、映像取得カメラを選択し、映像取得カメラの時間幅内の映像データを取得する。そして、情報処理装置300は、時間幅毎に取得した映像データを時系列に沿って監視映像データとして出力する。または、情報処理装置300は、時間幅毎に取得した映像データを時系列に沿って組み合わせた映像を監視映像データとして出力する。
【0038】
例えば
図3に示す場合、情報処理装置300は、まず時間幅Aについてカメラ110aの映像データを監視映像データとして出力し、その後時間幅Bについてカメラ110bの映像データを監視映像データとして出力し、その後時間幅Cについてカメラ110bの映像データを監視映像データとして出力する。これは、例えば、監視映像をストリーミングする場合である。この場合、情報処理装置300は、複数のカメラ110の位置データの取得を時間幅毎に行えば良い。
【0039】
あるいは、情報処理装置300は、時間幅Aのカメラ110aの映像データと、時間幅Bのカメラ110bの映像データと、時間幅Cのカメラ110bの映像データと、をこの順に組み合わせた映像を監視映像データとして出力する。これは、例えば、監視映像の表示を希望する監視時間を入力として受け付け、監視時間の間の監視映像データを出力する場合である。この場合、情報処理装置300は、複数のカメラ110の位置データの取得を監視時間内について行えば良い。
【0040】
なお、ある時間幅について時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110が存在しない場合、その時間幅の監視映像データは出力されない。つまり、その時間幅における監視映像はブラックアウトとなる。
【0041】
1-2.構成
以下、監視映像出力システム10が備える移動体100及び情報処理装置300の構成について説明する。
【0042】
1-2-1.移動体の構成
図4は、移動体100の概略構成を示すブロック図である。移動体100は、カメラ110と、位置取得装置120と、通信インターフェース130と、を備えている。カメラ110と通信インターフェース130、及び位置取得装置120と通信インターフェース130は、互いに情報を伝達することができるように構成されている。典型的には、ワイヤーハーネスにより電気的に接続している。
【0043】
カメラ110は、撮像した映像データを出力する。カメラ110が出力する映像データは、通信インターフェース130に伝達される。カメラ110が出力する映像データは、撮像時刻の情報を含んでいる。例えば、映像データは、各々に撮像時刻の情報が与えられた複数の画像データの集合である。カメラ110は、監視映像出力システム10のために用意されるカメラであっても良いし、他の用途でも使用されるカメラであっても良い。例えば、カメラ110は、ドライブレコーダーであっても良い。
【0044】
位置取得装置120は、各時刻におけるカメラ110の位置又は移動体100の位置を取得し、位置データを出力する。位置取得装置120が出力する位置データは、通信インターフェース130に伝達される。位置取得装置120が出力する位置データは、例えば、各時刻における地図上の座標を与えるデータである。位置取得装置120として、GPS受信機、自己位置推定を実行するECU(Electronic Control Unit)等が例示される。なお、位置取得装置120は、各時刻におけるカメラ110の位置を取得する場合は、カメラ110と一体的に構成されていても良い。
【0045】
通信インターフェース130は、通信ネットワーク1を介した情報の送受信を行うための装置である。特に、通信インターフェース130により、カメラ110から取得する映像データ、及び位置取得装置120から取得する位置データが、通信ネットワーク1を介して記憶装置200に送信される。通信インターフェース130として、通信ネットワーク1に接続する基地局と無線通信を行う無線通信端末が例示される。
【0046】
通信インターフェース130により送信される映像データ及び位置データは、複数のカメラ110のいずれのカメラ110についてのデータであるかを判別することができる情報を含んでいる。例えば、複数のカメラ110の各々を特定するID情報を含んでいる。この場合、ID情報は、カメラ110及び位置取得装置120が出力する映像データ及び位置データに含まれていても良いし、通信インターフェース130において映像データ及び位置データにID情報を付加しても良い。
【0047】
また、通信インターフェース130による映像データと位置データの送信の形式、及び記憶装置200における映像データ及び位置データの管理の形式は、監視映像出力システム10を適用する環境に応じて好適な形式を採用して良い。例えば、映像データ及び位置データそれぞれがID情報を含む場合、通信インターフェース130は、映像データと位置データをそれぞれ別に送信し、記憶装置200は、ID情報毎に映像データと位置データをそれぞれ別に管理しても良い。一方で、映像データ及び位置データそれぞれがID情報を含んでいない場合、通信インターフェース130は、映像データと位置データとID情報を互いに対応づけて1つのデータとして送信し、記憶装置200は、ID情報毎に映像データと位置データを対応づけて管理しても良い。この場合、映像データと位置データの対応は、映像データの撮像時刻と位置データの各時刻により行われる。
【0048】
1-2-2.情報処理装置の構成
図5は、情報処理装置300の概略構成を示すブロック図である。情報処理装置300は、1又は複数のメモリ310と、1又は複数のプロセッサ320と、通信インターフェース330と、を備えている。1又は複数のメモリ310及び1又は複数のプロセッサ320と通信インターフェース330は、互いに情報を伝達することができるように構成されている。
【0049】
通信インターフェース330は、情報処理装置300の外部の装置と情報の送受信を行うための装置である。特に、通信インターフェース330を介して、記憶装置200から、映像データ及び画像データが取得される。また、通信インターフェース330を介して、入出力端末2から監視領域の情報が取得され、入出力端末2に対して監視映像データが出力される。通信インターフェース330として、通信用の信号を生成する処理を実行する通信部が例示される。
【0050】
1又は複数のメモリ310は、1又は複数のプロセッサ320によって実行可能な制御プログラム311と、1又は複数のプロセッサ320が実行する処理に必要な制御情報312と、を格納している。1又は複数のメモリ310として、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD等が例示される。制御情報312として、記憶装置200から取得する映像データ及び位置データ、入出力端末2から取得する監視領域の情報、制御プログラム311に係るパラメータ情報が例示される。また通信インターフェース330を介して取得する情報は、制御情報312として1又は複数のメモリ310に格納される。
【0051】
1又は複数のプロセッサ320は、1又は複数のメモリ310から制御プログラム311及び制御情報312を読み出し、制御情報312に基づいて制御プログラム311に従う処理を実行する。これにより、情報処理装置300において、監視領域を入力として監視映像データを出力する処理が実行される。
【0052】
1-3.監視映像出力方法
以下、1又は複数のプロセッサ320により実行される処理、延いては、第1実施形態に係る監視映像出力システム10により実現される監視映像出力方法について説明する。
【0053】
図6は、第1実施形態に係る監視映像出力システム10により実現される監視映像出力方法を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、1又は複数のプロセッサ320が監視領域の入力を受け付ける処理を実行後に開始される。ただし、監視映像をストリーミングする場合等では、
図6に示すフローチャートは、所定の周期毎に繰り返し実行される。また、
図6に示すフローチャートの各処理は所定の制御周期で実行される。
【0054】
ステップS100において、1又は複数のプロセッサ320は、記憶装置200から複数のカメラ110の位置データを取得する処理を実行する。ここで、位置データの取得は、現時点から所定時間過去について行っても良いし、過去の特定の時間について行っても良い。前者は、監視映像をストリーミングする場合が例示され、後者は、過去の特定の時間の監視映像を表示する場合が例示される。後者において、特定の時間は、監視映像の表を希望する監視時間である。
【0055】
ステップS100の後、処理はステップS200に進む。
【0056】
ステップS200において、1又は複数のプロセッサ320は、映像取得処理を実行する。1又は複数のプロセッサ320が映像取得処理において実行する処理の詳細については後述する。映像取得処理により、所定の時間幅毎に選択される映像取得カメラの映像データが取得される。
【0057】
ステップS200の後、処理はステップS300に進む。
【0058】
ステップS300において、1又は複数のプロセッサ320は、ステップS200において所定の時間幅毎に取得した映像データを監視映像データとして時系列に沿って出力する、又は時間幅毎に取得した映像データを時系列に沿って組み合わせた映像を生成して監視映像データとして出力する。これにより、入出力端末2において監視映像の表示が実現される。
【0059】
ステップS300の後、処理は終了する。
【0060】
以下、1又は複数のプロセッサ320が映像取得処理において実行する処理の詳細について説明する。
図7は、1又は複数のプロセッサ320が映像取得処理において実行する処理を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS210において、1又は複数のプロセッサ320は、映像データを取得する時間幅を設定する。ここで、設定する時間幅は、監視映像の表示の対象とする所定時間のうちの一部である。設定する時間幅の間隔は、制御プログラム311又は制御情報312としてあらかじめ与えられていて良い。
【0062】
ステップS210の後、処理はステップS220に進む。
【0063】
ステップS220において、1又は複数のプロセッサ320は、ステップS210において設定した時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110があるか否かを判定する。これは、複数のカメラ110の位置データに基づいて判定することができる。
【0064】
時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110がある場合(ステップS220;Yes)、処理はステップS230に進む。時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110がない場合(ステップS220;No)、時間幅内の映像データは無いとして(ステップS242)、処理はステップS250に進む。
【0065】
ステップS230において、1又は複数のプロセッサ320は、映像取得カメラを選択する。ここで、時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110が1つであるとき、その1つのカメラ110が映像取得カメラとして選択される。一方で、時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110が2つ以上あるとき、位置データに基づいて、監視領域での時間幅内の移動距離が最も長いカメラ110を映像取得カメラとして選択する。
【0066】
ステップS230の後、処理はステップS241に進む。
【0067】
ステップS241において、1又は複数のプロセッサ320は、ステップS230において選択した映像取得カメラの時間幅内の映像データを取得する。
【0068】
ステップS241の後、処理はステップS250に進む。
【0069】
ステップS250において、1又は複数のプロセッサ320は、監視映像の表示の対象とする所定時間の映像データが取得されたか否かを判定する。
【0070】
所定時間の映像データが取得された場合(ステップS250;Yes)、映像取得処理を完了する。所定時間の映像データ取得されていない場合(ステップS250;No)、再度ステップS210に戻り処理を繰り返す。ここで、再度の処理において、ステップS210において設定される時間幅は、前回設定した時間幅とは異なる時間幅を設定する。典型的には、前回設定した時間幅に対して時間軸の前後方向に連続した時間幅を設定する。
【0071】
なお、時間幅毎に取得した映像データを順次出力するように構成する場合、ステップS250に係る処理は実行されなくとも良い。
【0072】
また、1又は複数のプロセッサ320は、時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110がない場合(ステップS220;No)、時間幅を再設定する処理を実行するように構成されていても良い。例えば、時間幅の間に監視領域に位置するカメラ110がある場合は、いずれかのカメラ110について時間幅内の位置データが監視領域に含まれるように時間幅を再設定する。典型的には、再設定される時間幅が最も長くなるように行う。この場合、時間幅内に監視領域に位置している時間が最も長いカメラ110が映像取得カメラとして選択される。時間幅を再設定する処理を実行する場合、時間幅の間に監視領域に位置するカメラ110が無い場合に、ステップS242に係る処理が実行されることとなる。このように時間幅を再設定する処理を実行することにより、映像データが取得されない時間幅が生じることを低減することができる。延いては、監視領域についてより長い時間の監視映像を表示することができる。
【0073】
1-4.効果
以上説明したように、第1実施形態に係る監視映像出力システム10及び監視映像出力方法では、特定の領域を指定する監視領域を入力として受け付ける。その後、所定の時間幅毎に、複数のカメラ110から映像取得カメラを選択し、映像取得カメラの時間幅内の映像データを取得する映像取得処理が実行される。そして、時間幅毎に取得した映像データが時系列に沿って監視映像データとして出力される。または、時間幅毎に取得した映像データを時系列に沿って組み合わせた映像が監視映像データとして出力される。
【0074】
これにより、移動体100に搭載するカメラ110が撮像する映像データを用いた監視映像であって、広範囲の地点について監視映像を表示することが可能である。また、監視領域とする特定の領域の指定を、分割された空間の1つの分割領域を指定することで行うように構成することができる。これにより、監視領域の入力を容易にすることができ、利便性の高いシステムを構築することができる。またこの場合に、グリッドにより空間の分割を与えることができる。これにより、対象とする空間の全体を簡便に分割して分割領域を与えることができる。
【0075】
さらに、第1実施形態に係る監視映像出力システム10では、映像取得処理において、時間幅内に位置データが監視領域に含まれるカメラ110が2つ以上あるとき、位置データに基づいて、監視領域での時間幅内の移動距離が最も長いカメラ110を映像取得カメラとして選択する。これにより、より広範囲を撮像するカメラ110を映像取得カメラとして選択することができ、時間幅内で広範囲を映す監視映像を表示することができる。
【0076】
1-5.変形例
第1実施形態に係る監視映像出力システム10は、以下のように変形した態様を採用しても良い。なお、以下の説明において前述した内容と重複する事項については適宜省略している。
【0077】
1-5-1.第1変形例
1又は複数のプロセッサ320は、監視領域内の撮像方向を規定する方向設定を入力として受け付ける処理をさらに実行するように構成されていても良い。そして、映像取得処理において、1又は複数のプロセッサ320は、位置データに基づいてカメラ110(又は移動体100)の移動方向が方向設定を満足することをさらに条件として映像取得カメラを選択するように構成されていても良い。ここで、方向設定の入力は、入出力端末2の操作により実現される。方向設定の入力の形式として、例えば、方角の指定(東方向、西方向等)、移動体100の向きの指定、道路形状が特定される場合の車線方向(左車線、右車線等)の指定が挙げられる。ただし、その他の形式により方向設定の入力が行われても良い。
【0078】
図8は、第1変形例に係る映像取得処理における映像取得カメラの選択について説明するための概念図である。
図8では、
図3に示す場合と同様に、分割領域3が監視領域として指定されており、移動体100及びカメラ110について、それぞれを区別するため符号に記号(a,b,c)を附している。また
図8は、方向設定として、図面左方向が指定される場合を示している。
【0079】
図8において、カメラ110a、カメラ110b、及びカメラ110cは、いずれも時間幅内の位置データが監視領域に含まれている。また、監視領域での時間幅内の移動距離は、カメラ110a、カメラ110c、カメラ110bの順に長い。一方で、カメラ110aの移動方向は図面右方向であり方向設定を満足していない。よって
図8に示す場合では、第1変形例に係る映像取得処理においてカメラ110cが映像取得カメラとして選択される。
【0080】
このように変形した態様を採用することにより、特定の方向を映すように監視映像を表示することができる。延いては、利便性を向上させることができる。
【0081】
1-5-2.第2変形例
情報処理装置300は、映像データの取得を、複数の移動体100から取得するように構成されていても良い。
図9は、第2変形例に係る監視映像出力システム10の構成の概要を示す概念図である。
【0082】
図9に示すように、第2変形例に係る監視映像出力システム10では、記憶装置200は、位置データを格納して管理する一方で、映像データの管理は行わない。第2変形例に係る監視映像出力システム10では、映像データの管理は、複数の移動体100の各々において行われる。
【0083】
情報処理装置300は、通信ネットワーク1に接続し、通信ネットワーク1を介して記憶装置200から位置データを取得する。そして、情報処理装置300は、映像取得処理において選択された映像取得カメラを備える移動体に対して、通信ネットワーク1を介して映像データの要求を行い、映像取得カメラの映像データを取得するように構成される。
【0084】
図10に、第2変形例に係る移動体100の概略構成を示す。第2変形例に係る監視映像出力システム10では、カメラ110が出力する映像データは記憶装置140に格納され管理される。そして、通信インターフェース130を介して、情報処理装置300からデータの要求を取得し、要求に応じて映像データを送信する。
【0085】
第2変形例に係る監視映像出力システム10を採用しても、1又は複数のプロセッサ320は、前述した処理と同様の処理を実行するように構成することができる。延いては、第1実施形態に係る監視映像出力システム及び監視映像出力方法と同様の効果を奏することが可能である。
【0086】
2、第2実施形態
以下、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において第1実施形態と重複する事項については適宜省略している。
【0087】
第2実施形態は、第1実施形態に対して、映像取得処理における映像取得カメラの選択(
図7に示すステップS230)の処理に特徴を有している。第2実施形態に係る監視映像出力システム10では、1又は複数のプロセッサ320は、監視領域の入力に加えて、さらに監視領域内の特定の地点を指定する指定位置を入力として受け付ける処理を実行する。
図11は、特定の地点の指定の例を示す概念図である。
図11は、
図2と同様の図であり、分割領域3が監視領域として指定されている。
図11に示すように、監視領域内の特定の地点4が指定位置として指定される。指定位置の入力の形式は、第2実施形態に係る監視映像出力システム10を適用する環境に応じて好適な形式を採用して良い。例えば、道路地図が入出力端末2に表示され、監視領域内の特定の地点を任意に指定するように構成されていても良いし、監視領域内の特定の地点を与える複数の候補から1つを選択するように構成されていても良い。
【0088】
そして、第2実施形態に係る監視映像出力システム10では、映像取得処理において、1又は複数のプロセッサ320は、時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110が2つ以上あるとき、位置データに基づいて、時間幅内で指定位置との間の距離の時間平均が最も短いカメラ110を映像取得カメラとして選択するように構成される。
【0089】
図12は、第2実施形態に係る映像取得処理における映像取得カメラの選択について説明するための概念図である。
図12では、分割領域3が監視領域として指定され、特定の地点4が指定位置として指定されている。また、移動体100及びカメラ110について、それぞれを区別するため符号に記号(a,b)を附している。
【0090】
図12において、カメラ110a及びカメラ110bは、いずれも時間幅内の位置データが監視領域に含まれている。一方で、時間幅内で指定位置との間の距離の時間平均はカメラ110bよりもカメラ110aが短い。よって
図12に示す場合では、第2実施形態に係る映像取得処理においてカメラ110aが映像取得カメラとして選択される。
【0091】
このように第2実施形態では、時間幅内の位置データが監視領域に含まれるカメラ110が2つ以上あるとき、位置データに基づいて、時間幅内で指定位置との間の距離の時間平均が最も短いカメラ110を映像取得カメラとして選択する。これにより、指定地を中心に映す監視映像を表示することができる。なお、第2実施形態のその他の構成及び処理については、第1実施形態と同等であって良い。また、前述した第1変形例及び第2変形例は、第2実施形態に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 通信ネットワーク
2 入出力端末
3 分割領域
4 特定の地点
10 監視映像出力システム
100 移動体
110 カメラ
120 位置取得装置
130 通信インターフェース
200 記憶装置
300 情報処理装置
310 メモリ
311 制御プログラム
312 制御情報
320 プロセッサ
330 通信インターフェース