(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】樹脂組成物、光ファイバ及び光ファイバの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/44 20060101AFI20240910BHJP
C03C 25/6226 20180101ALI20240910BHJP
C03C 25/1065 20180101ALI20240910BHJP
C03C 25/285 20180101ALI20240910BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20240910BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20240910BHJP
C03C 25/48 20060101ALI20240910BHJP
C03C 25/47 20180101ALI20240910BHJP
【FI】
G02B6/44 301A
G02B6/44 301B
G02B6/44 331
C03C25/6226
C03C25/1065
C03C25/285
C08F2/44 A
C08F290/06
C03C25/48
C03C25/47
(21)【出願番号】P 2021526073
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(86)【国際出願番号】 JP2020022404
(87)【国際公開番号】W WO2020250838
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2019108597
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】浜窪 勝史
(72)【発明者】
【氏名】徳田 千明
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆志
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-007717(JP,A)
【文献】特表2010-511770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0084716(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0321265(US,A1)
【文献】特開2004-204206(JP,A)
【文献】特開平02-069706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/44
C08F 290/06
C03C 25/00-25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むオリゴマー、
フェノキシ基を有するモノマーを含むモノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、
表面が疎水処理されている疎水性の無機酸化物粒子とを含む樹脂組成物であり、
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量が、前記オリゴマー及び前記モノマーの総量を基準として、15質量%以上70質量%以下であり、
前記樹脂組成物を900mJ/cm
2以上1100mJ/cm
2以下の積算光量で硬化させた樹脂フィルムの破断伸びが23℃で2.5%以上50%以下であり、ヤング率が23℃で1150MPa以上2700MPa以下である、光ファイバ被覆用の樹脂組成物。
【請求項2】
前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項
1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が、5nm以上800nm以下である、請求項1
又は請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記樹脂フィルムの破断伸びが23℃で5.0%以上45%以下である、請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
コア及びクラッドを含むガラスファイバと、
前記ガラスファイバに接して前記ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、
前記プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層と、を備え、
前記セカンダリ樹脂層が、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物を含む、光ファイバ。
【請求項6】
コア及びクラッドを含むガラスファイバの外周に、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に紫外線を照射することにより前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、
を含む、光ファイバの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂組成物、光ファイバ及び光ファイバの製造方法に関する。
本出願は、2019年6月11日出願の日本出願第2019-108597号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ファイバは、光伝送体であるガラスファイバを保護するための被覆樹脂層を有している。光ファイバは、光ファイバに側圧が付与された際に発生する微小な曲げにより誘起される伝送損失の増加を小さくするために、側圧特性に優れることが求められている。
【0003】
被覆樹脂層は、オリゴマー、モノマー、光重合開始剤等を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を用いて形成することができる。例えば、特許文献1では、合成石英を原料とするフィラーを含有する紫外線硬化型樹脂組成物を用いて樹脂層を形成することで、光ファイバの側圧特性を改善することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含み、該樹脂組成物を900mJ/cm2以上1100mJ/cm2以下の積算光量で硬化させた樹脂フィルムの破断伸びが23℃で2.5%以上50%以下であり、ヤング率が23℃で1150MPa以上2700MPa以下である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
被覆樹脂層は、一般に、プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層を備えている。セカンダリ樹脂層を形成する樹脂組成物には、ヤング率を高めることで光ファイバの側圧特性を向上することが求められる。しかしながら、フィラーを含有する樹脂組成物から形成される樹脂層は靱性が低下して、光ファイバを曲げた際に。被覆樹脂層に割れが生じて、光ファイバが長期間に渡る使用に耐えられないことがある。
【0008】
本開示は、靱性に優れる樹脂層を形成できる樹脂組成物、及び該樹脂組成物から形成されるセカンダリ樹脂層を備える光ファイバを提供することを目的とする。
【0009】
[本開示の効果]
本開示によれば、靱性に優れる樹脂層を形成できる樹脂組成物、及び該樹脂組成物から形成されるセカンダリ樹脂層を備える光ファイバを提供することができる。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一態様に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含み、該樹脂組成物を900mJ/cm2以上1100mJ/cm2以下の積算光量で硬化させた樹脂フィルムの破断伸びが23℃で2.5%以上50%以下であり、ヤング率が23℃で1150MPa以上2700MPa以下である。
【0011】
このような樹脂組成物は、靱性に優れる樹脂層を形成することができる。また、上記樹脂組成物を光ファイバ被覆用の紫外線硬化型樹脂組成物として用いることで、側圧特性に優れる光ファイバを作製することができる。
【0012】
樹脂層のヤング率と伸びとのバランスに優れることから、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、オリゴマー及びモノマーの総量を基準として、15質量%以上70質量%以下であってもよい。
【0013】
強靱な樹脂層を形成し易いことから、上記モノマーは、フェノキシ基を有するモノマーを含んでもよい。
【0014】
樹脂組成物中での分散性に優れ、ヤング率を調整し易いことから、無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む粒子であってもよい。ヤング率の高い樹脂層を形成することから、無機酸化物粒子の平均一次粒径が、5nm以上800nm以下であってもよい。
【0015】
より強靱な樹脂層を形成し易いことから、樹脂フィルムの破断伸びは、23℃で5.0%以上45%以下であってもよい。
【0016】
本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層とを備え、セカンダリ樹脂層が、上記樹脂組成物の硬化物を含む。これにより、光ファイバの側圧特性を向上することができる。
【0017】
本開示の一態様に係る光ファイバの製造方法は、コア及びクラッドから構成されるガラスファイバの外周に、上記樹脂組成物を塗布する塗布工程と、塗布工程の後に紫外線を照射することにより樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む。これにより、靱性に優れる樹脂層を形成することができることから、巻替作業時の外傷を防止できる光ファイバを作製することができる。
【0018】
[本開示の実施形態の詳細]
本実施形態に係る樹脂組成物及び光ファイバの具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含む。
【0020】
靱性に優れる樹脂層を形成する観点から、上記樹脂組成物を900mJ/cm2以上1100mJ/cm2以下の積算光量で硬化させた樹脂フィルムの破断伸びは、23℃で2.5%以上50%以下である。樹脂フィルムの破断伸びの下限値は、2.6%以上、2.8%以上、5.0%以上、又は7.0%以上であってよく、樹脂フィルムの破断伸びの上限値は、48%以下、45%以下、又は40%以下であってよい。本開示が奏する効果を発現し易いことから、樹脂フィルムの破断伸びは、23℃で5.0%以上45%以下が好ましく、7.0%以上45%以下がより好ましい。
【0021】
上記樹脂フィルムのヤング率は、23℃で1150MPa以上2700MPa以下であり、1200MPa以上2600MPa以下が好ましく、1200MPa以上2500MPa以下がより好ましい。樹脂フィルムのヤング率が1150MPa以上であると、光ファイバの側圧特性を向上し易くなる。樹脂フィルムのヤング率が2700MPa以下であると、セカンダリ樹脂層に適度な靱性を付与できるため、セカンダリ樹脂層に割れ等が発生し難くなる。
【0022】
(ベース樹脂)
本実施形態に係るオリゴマーは、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリル酸についても同様である。
【0023】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びトリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0024】
樹脂フィルムのヤング率及び伸びを調整する観点から、ポリオール化合物の数平均分子量(Mn)は、300以上3000以下が好ましく、400以上2500以下がより好ましく、500以上2000以下が更に好ましい。
【0025】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合成する際の触媒として、一般に有機スズ化合物が使用される。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸2-エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチル)、及びジブチルスズオキシドが挙げられる。易入手性又は触媒性能の点から、触媒としてジブチルスズジラウレート又はジブチルスズジアセテートを使用することが好ましい。
【0026】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー合成時に炭素数5以下の低級アルコールを使用してもよい。低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2,2-ジメチル-1-プロパノールが挙げられる。
【0027】
樹脂層の靱性をより高める観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、オリゴマー及びモノマーの総量を基準として、15質量%以上70質量%以下が好ましく、16質量%以上65質量%以下がより好ましく、17質量%以上60質量%以下が更に好ましい。
【0028】
樹脂フィルムのヤング率を高める観点から、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを更に含有してもよい。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0029】
モノマーとしては、重合性基を1つ有する単官能モノマー、重合性基を2つ以上有する多官能モノマーを用いることができる。モノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
強靱な樹脂層を形成し易いことから、モノマーとして、フェノキシ基を有するモノマーを用いてもよい。
【0031】
フェノキシ基を有するモノマーとしては、フェノキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。フェノキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、フェノールPO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、及び3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、EO変性とは、(C2H4O)nで表されるエチレンオキサイド基を有することを意味し、PO変性とは、(C3H6O)nで表されるプロピレンオキサイド基を有することを意味する。nは1以上の整数である。
【0032】
樹脂フィルムのヤング率を調整する観点から、フェノキシ基を有するモノマーは、フェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、及び3-フェノキシベンジルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。フェノキシ基を有するモノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
フェノキシ基を有するモノマーの含有量は、オリゴマー及びモノマーの総量を基準として1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。樹脂組成物が、このような範囲でフェノキシ基を有するモノマーを含むことで、光ファイバのセカンダリ被覆材料としてより適切なヤング率を有する樹脂層を形成することができる。
【0034】
モノマーとして、フェノキシ基を有しないモノマーを用いてもよい。フェノキシ基を有しないモノマーは、単官能モノマーであっても多官能モノマーであってもよい。
【0035】
フェノキシ基を有しない単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;N-アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン、3-(3-ピリジン)プロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等の複素環含有(メタ)アクリレート;マレイミド、N-シクロへキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のN-置換アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマーが挙げられる。
【0036】
フェノキシ基を有しない多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20-エイコサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、3-エチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートが挙げられる。
【0037】
光重合開始剤としては、公知のラジカル光重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。光重合開始剤として、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Omnirad 184、IGM Resins社製)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン(Omnirad 907、IGM Resins社製)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Omnirad TPO、IGM Resins社製)、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Omnirad 819、IGM Resins社製)が挙げられる。
【0038】
樹脂組成物は、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、増感剤等を更に含有してもよい。
【0039】
シランカップリング剤としては、樹脂組成物の硬化の妨げにならなければ、特に限定されない。シランカップリング剤として、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシ-エトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ-トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、及びγ-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。
【0040】
(無機酸化物粒子)
本実施形態に係る無機酸化物粒子は、その表面が疎水処理されている。本実施形態に係る疎水処理とは、無機酸化物粒子の表面に疎水性の基が導入されていることをいう。疎水性の基が導入された無機酸化物粒子は、樹脂組成物中の分散性に優れている。疎水性の基は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の反応性基、又は、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基)等の非反応性基であってもよい。無機酸化物粒子が反応性基を有する場合、ヤング率が高い樹脂層を形成し易くなる。
【0041】
本実施形態に係る無機酸化物粒子は、分散媒に分散されている。分散媒に分散された無機酸化物粒子を用いることで、樹脂組成物中に無機酸化物粒子を均一に分散でき、樹脂組成物の保存安定性を向上することができる。分散媒としては、樹脂組成物の硬化を阻害しなければ、特に限定されない。分散媒は、反応性であっても、非反応性であってもよい。
【0042】
反応性の分散媒として、(メタ)アクリロイル化合物、エポキシ化合物等のモノマーを用いてもよい。(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリロイル化合物として、上述するモノマーで例示する化合物を用いてもよい。
【0043】
非反応性の分散媒として、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒、メタノール(MeOH)等のアルコール系溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒を用いてもよい。非反応性の分散媒の場合、ベース樹脂と分散媒に分散された無機酸化物粒子とを混合した後、分散媒の一部を除去して樹脂組成物を調製してもよい。
【0044】
分散媒に分散された無機酸化物粒子は、樹脂組成物の硬化後も樹脂層中に分散した状態で存在する。反応性の分散媒を使用した場合、無機酸化物粒子は樹脂組成物に分散媒ごと混合され、分散状態が維持されたまま樹脂層中に取り込まれる。非反応性の分散媒を使用した場合、分散媒は少なくともその一部が樹脂組成物から揮発して無くなるが、無機酸化物粒子は分散状態のまま樹脂組成物中に残り、硬化後の樹脂層にも分散した状態で存在する。樹脂層中に存在する無機酸化物粒子は、電子顕微鏡で観察した場合に、一次粒子が分散した状態で観察される。
【0045】
樹脂組成物中での分散性に優れ、強靱な樹脂層を形成し易いことから、上記無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化チタン(チタニア)、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より少なくとも1種であることが好ましい。廉価性に優れる、表面処理がし易い、紫外線透過性を有する、樹脂層に適度な硬さを付与し易い等の観点から、本実施形態に係る無機酸化物粒子として、疎水性のシリカ粒子を用いることがより好ましい。
【0046】
樹脂フィルムのヤング率を高くする観点から、無機酸化物粒子の平均一次粒径は、5nm以上800nmが好ましく、10nm以上700nm以下がより好ましく、10nm以上650nm以下更に好ましい。平均一次粒径は、例えば、電子顕微鏡写真の画像解析、光散乱法、BET法等によって測定することができる。無機酸化物の一次粒子が分散された分散媒は、一次粒子の粒径が小さい場合は目視で透明に見える。一次粒子の粒径が比較的大きい(40nm以上)場合は、一次粒子が分散された分散媒は白濁して見えるが沈降物は観察されない。
【0047】
無機酸化物粒子の含有量は、オリゴマー、モノマー及び無機酸化物粒子の総量を基準として1質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上40質量%以下が更に好ましい。無機酸化物粒子の含有量が1質量%以上であると、側圧特性に優れる樹脂層を形成し易くなる。無機酸化物粒子の含有量が60質量%以下であると、樹脂組成物の塗布性を向上し易くなる。
【0048】
本実施形態に係る樹脂組成物は、光ファイバのセカンダリ被覆材料として好適に用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物をセカンダリ樹脂層に用いることで、靱性に優れる被覆樹脂層を形成し、光ファイバの側圧特性を向上することができる。
【0049】
<光ファイバ>
図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。光ファイバ10は、コア11及びクラッド12を含むガラスファイバ13と、ガラスファイバ13の外周に設けられたプライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15を含む被覆樹脂層16とを備えている。
【0050】
クラッド12はコア11を取り囲んでいる。コア11及びクラッド12は石英ガラス等のガラスを主に含み、例えば、コア11にはゲルマニウムを添加した石英ガラス、又は、純石英ガラスを用いることができ、クラッド12には純石英ガラス、又は、フッ素が添加された石英ガラスを用いることができる。
【0051】
図1において、例えば、ガラスファイバ13の外径(D2)は100μmから125μm程度であり、ガラスファイバ13を構成するコア11の直径(D1)は、7μmから15μm程度である。被覆樹脂層16の厚さは、通常、22μmから70μm程度である。プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、5μmから50μm程度であってもよい。
【0052】
ガラスファイバ13の外径(D2)が125μm程度で、被覆樹脂層16の厚さが60μm以上70μm以下の場合、プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10μmから50μm程度であってよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが35μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが25μmであってよい。光ファイバ10の外径は、245μmから265μm程度であってよい。
【0053】
ガラスファイバ13の外径(D2)が125μm程度で、被覆樹脂層16の厚さが27μm以上48μm以下の場合、プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10μmから38μm程度であってよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが25μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが10μmであってよい。光ファイバ10の外径は、179μmから221μm程度であってよい。
【0054】
ガラスファイバ13の外径(D2)が100μm程度で、被覆樹脂層16の厚さが22μm以上37μm以下の場合、プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、5μmから32μm程度であってよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが25μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが10μmであってよい。光ファイバ10の外径は、144μmから174μm程度であってよい。
【0055】
本実施形態に係る樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層に適用することができる。セカンダリ樹脂層は、上記ベース樹脂と無機酸化物粒子とを含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。これにより、靱性に優れる樹脂層を形成できる。
【0056】
本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、コア及びクラッドから構成されるガラスファイバの外周に、上記樹脂組成物を塗布する塗布工程と、塗布工程の後に紫外線を照射することにより樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む。
【0057】
プライマリ樹脂層14は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。プライマリ樹脂層用の樹脂組成物は、従来公知の技術を用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤としては、上記ベース樹脂で例示した化合物から適宜、選択してもよい。ただし、プライマリ樹脂層を形成する樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層を形成するベース樹脂と異なる組成を有している。
【実施例】
【0058】
以下、本開示に係る実施例及び比較例を用いた評価試験の結果を示し、本開示を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0059】
[セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物]
(オリゴマー)
オリゴマーとして、分子量2000のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることにより得られたウレタンアクリレートオリゴマー(UA-1)、分子量600のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることにより得られたウレタンアクリレートオリゴマー(UA-2)、並びにエポキシアクリレートオリゴマー(EA)を準備した。
【0060】
(モノマー)
モノマーとして、2-フェノキシエチルアクリレート(POA、共栄社化学株式会社の商品名「ライトアクリレートPO-A」)及びトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA、大阪有機化学工業株式会社の商品名「ビスコート#310HP」)を準備した。
【0061】
(光重合開始剤)
光重合開始剤として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを準備した。
【0062】
(無機酸化物粒子)
無機酸化物粒子として、表1に示す表面状態及び平均一次粒径を有するシリカ粒子(Si-1~Si-6)を含むシリカゾルを準備した。
【0063】
【0064】
(樹脂組成物)
まず、上記オリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を混合して、ベース樹脂を調製した。次いで、表2又は表3に示すシリカ粒子の含有量となるように、シリカゾルをベース樹脂と混合した後、分散媒であるMEK(メチルエチルケトン)の大部分を減圧除去して、実施例及び比較例の樹脂組成物をそれぞれ作製した。なお、樹脂組成物中に残存しているMEKの含有量は、5質量%以下であった。
【0065】
表2及び3において、オリゴマー及びモノマーの数値は、オリゴマー及びモノマーの総量を基準とする含有量であり、シリカ粒子の数値は、モノマー、オリゴマー及びシリカ粒子の総量を基準とする含有量である。
【0066】
(ヤング率)
スピンコータを用いて、樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に塗布した後、無電極UVランプシステム(ヘレウス製の「VPS600(Dバルブ)」)を用いて、900mJ/cm2以上1100mJ/cm2以下の積算光量で硬化させ、PETフィルム上に厚み200±20μmの樹脂層を形成した。樹脂層をPETフィルムから剥がし、樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムをJIS K 7127 タイプ5のダンベル形状に打ち抜き、ヤング率測定用の試験片を作製した。23±2℃、50±10%RHの条件下、引張試験機を用いて1mm/分の引張速度、標線間25mmの条件で試験片を引っ張り、応力-歪み曲線を得た。2.5%割線によりヤング率を求めた。
【0067】
(破断伸び)
上記樹脂フィルムの作製と同じように操作して、PETフィルム上に厚み50±5μmの樹脂層を形成した。樹脂層をPETフィルムから剥がし、樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムをJIS Z6251 3号形のダンベル形状に打ち抜き、破断伸び測定用の試験片を作製した。23±2℃、50±10%RHの条件下、INSTRON製の材料試験機 5985型を用いて1mm/分の速度で引っ張り、INSTRON製の高精度ビデオ伸び計 AVEで伸びを計測した。
【0068】
[光ファイバの作製]
分子量4000のポリプロピレングリコール、イソホロンジイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールを反応させることにより得られるウレタンアクリレートオリゴマーを準備した。このウレタンアクリレートオリゴマー75質量部、ノニルフェノールEO変性アクリレート12質量部、N-ビニルカプロラクタム6質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート2質量部、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド1質量部、及び3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部を混合して、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物を得た。
【0069】
コア及びクラッドから構成される直径125μmのガラスファイバの外周に、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物と、実施例又は比較例の樹脂組成物をセカンダリ樹脂層用として塗布し、その後、紫外線を照射させることで樹脂組成物を硬化させ、厚さ35μmのプライマリ樹脂層とその外周に厚さ25μmのセカンダリ樹脂層を形成して光ファイバを作製した。線速は1500m/分とした。
【0070】
(曲げ試験)
長さ1mの光ファイバを直径3mmのマンドレルに1周まいて、両端を固定し、マンドレルを長手方向に3往復させ、断線の有無を確認した。
【0071】
【0072】
【符号の説明】
【0073】
10 光ファイバ
11 コア
12 クラッド
13 ガラスファイバ
14 プライマリ樹脂層
15 セカンダリ樹脂層
16 被覆樹脂層