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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】高周波増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20240910BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20240910BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H03F1/02 188
H03F3/24
H01L25/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021570030
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2020048985
(87)【国際公開番号】W WO2021140975
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2020002865
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020022128
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】橋長 達也
(72)【発明者】
【氏名】森山 豊
【審査官】間宮 嘉誉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-49661(JP,A)
【文献】特開2006-121147(JP,A)
【文献】特開2002-76241(JP,A)
【文献】特開2019-87992(JP,A)
【文献】特開2013-74249(JP,A)
【文献】特開2012-65117(JP,A)
【文献】特表2008-544612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00-25/07
H01L 25/10-25/11
H01L 25/16-25/18
H03F 1/00- 3/45
H03F 3/50- 3/52
H03F 3/62- 3/64
H03F 3/68- 3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された高周波信号を増幅するドライバアンプと、
キャリアアンプ、ピークアンプを含み、前記ドライバアンプが出力する信号をさらに増幅するドハティアンプと、
を含む高周波増幅器であって、
第1の多層基板と、
前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、
前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、
を有し、
前記ドライバアンプが前記第2の多層基板に搭載され、
前記キャリアアンプ、前記ピークアンプが前記第1の多層基板に搭載され、
前記ドライバアンプ、前記キャリアアンプ、および前記ピークアンプは、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、
前記ドライバアンプの前記表面は前記第1の多層基板に対向し、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、
前記キャリアアンプおよび前記ピークアンプの裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、
前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第2の多層基板表面に配置された配線層に接続され、前記配線層は、前記第2の多層基板と前記第1の多層基板とを貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は、前記ベース部材に接続される、
高周波増幅器。
【請求項2】
前記ベース部材は、前記高周波信号が外部から入力される入力端子と、前記ドハティアンプにより増幅された信号が外部へと出力される出力端子と、をさらに備え、
前記入力端子は、前記ベース部材と、前記第1の多層基板と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、を貫通する第2のビアの一端に接続され、前記第2のビアの他端は、前記ドライバアンプの入力に接続され、
前記出力端子は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記ベース部材に接する層と、前記ベース部材とを貫通する第3のビアの一端に接続され、前記第3のビアの他端は、前記ドハティアンプの出力に接続される、
請求項1に記載の高周波増幅器。
【請求項3】
前記ドライバアンプの出力は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記第2の多層基板に接する層と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層とを貫通する第4のビアの一端に接続され、前記第4のビアの他端は、前記キャリアアンプの入力と前記ピークアンプの入力とに接続される、
請求項2に記載の高周波増幅器。
【請求項4】
前記ドハティアンプは、分岐回路、位相調整回路、およびドハティネットワークをさらに含み、
前記分岐回路と、前記位相調整回路とは、前記第2の多層基板に設けられて、
前記ドハティネットワークは、前記第1の多層基板に設けられる、
請求項3に記載の高周波増幅器。
【請求項5】
前記ピークアンプは、前記キャリアアンプよりも大きな飽和出力を有するように構成され、
前記位相調整回路は、前記分岐回路と前記ピークアンプとの間であって前記第2の多層基板に設けられ、前記ピークアンプの入力信号の位相を遅延させる、
請求項4に記載の高周波増幅器。
【請求項6】
入力された高周波信号を増幅する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器が出力する信号をさらに増幅する第2の増幅器と第3の増幅器と、
を含む高周波増幅器であって、
第1の多層基板と、
前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、
前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、
を有し、
前記第1の増幅器が前記第2の多層基板に搭載され、
前記第2の増幅器、前記第3の増幅器が前記第1の多層基板に搭載され、
前記第1の増幅器、前記第2の増幅器、および前記第3の増幅器は、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、
前記第1の増幅器の前記表面は前記第1の多層基板に対向し、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、
前記第2の増幅器および前記第3の増幅器の裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、
前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第2の多層基板表面に配置された配線層に接続され、前記配線層は、前記第2の多層基板と前記第1の多層基板とを貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は前記ベース部材に接続され、
前記第1の増幅器の消費電力は、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器のそれぞれの消費電力より小さい、
高周波増幅器。
【請求項7】
前記ベース部材は、前記高周波信号が外部から入力される入力端子と、前記第2の増幅器ならびに前記第3の増幅器により増幅された信号が外部へと出力される出力端子と、をさらに備え、
前記入力端子は、前記ベース部材と、前記第1の多層基板と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、を貫通する第2のビアの一端に接続され、前記第2のビアの他端は、前記第1の増幅器の入力に接続され、
前記出力端子は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記ベース部材に接する層と、前記ベース部材と、を貫通する第3のビアの一端に接続され、前記第3のビアの他端は、前記第2の増幅器ならびに前記第3の増幅器の出力に接続される、
請求項6に記載の高周波増幅器。
【請求項8】
前記第1の増幅器の出力は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記第2の多層基板に接する層と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、を貫通する第4のビアの一端に接続され、前記第4のビアの他端は、前記第2の増幅器ならびに前記第3の増幅器の入力に接続される、
請求項7に記載の高周波増幅器。
【請求項9】
入力された高周波信号を増幅するドライバアンプと、
キャリアアンプ、ピークアンプを含み、前記ドライバアンプが出力する信号をさらに増幅するドハティアンプと、
を含む高周波増幅器であって、
第1の多層基板と、
前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、
前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、
を有し、
前記ドライバアンプが前記第2の多層基板に搭載され、
前記キャリアアンプ、前記ピークアンプが前記第1の多層基板に搭載され、
前記ドライバアンプ、前記キャリアアンプ、および前記ピークアンプは、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、
前記ドライバアンプの前記裏面は前記第1の多層基板に対向し、前記ドライバアンプの前記表面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、
前記キャリアアンプおよび前記ピークアンプの裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、
前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、前記第1の多層基板と、を貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は、前記ベース部材に接続される、
高周波増幅器。
【請求項10】
入力された高周波信号を増幅する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器が出力する信号をさらに増幅する第2の増幅器と第3の増幅器と、
を含む高周波増幅器であって、
第1の多層基板と、
前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、
前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、
を有し、
前記第1の増幅器が前記第2の多層基板に搭載され、
前記第2の増幅器、前記第3の増幅器が前記第1の多層基板に搭載され、
前記第1の増幅器、前記第2の増幅器、および前記第3の増幅器は、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、
前記第1の増幅器の前記裏面は前記第1の多層基板に対向し、前記第1の増幅器の前記表面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、
前記第2の増幅器および前記第3の増幅器の裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、
前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、前記第1の多層基板と、を貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は前記ベース部材に接続され、
前記第1の増幅器の消費電力は、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器のそれぞれの消費電力より小さい、
高周波増幅器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高周波増幅器に関する。
【0002】
本出願は、2020年1月10日出願の日本出願第2020-002865号及び2020年2月13日出願の日本出願第2020-022128号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0003】
近年、携帯電話等の移動体通信システムでは、広帯域化が進められている。このため、システムの基地局装置などで用いられる電力増幅器には、広周波数帯域における電力効率の高効率化などが望まれる。この電力効率の高効率化を実現するための電力増幅器として、キャリアアンプ(メインアンプともいう)およびピークアンプを有したドハティアンプが知られている。例えば、特許文献1には、ドハティアンプ(ドハティ型増幅器)の構造が開示されている。なお、ドハティアンプは、通常、ドライバアンプの後段に接続されて用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2005/093948号
【文献】特開2008-305937号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様に係る高周波増幅器は、入力された高周波信号を増幅するドライバアンプと、キャリアアンプ、ピークアンプを含み、前記ドライバアンプが出力する信号をさらに増幅するドハティアンプと、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記ドライバアンプが前記第2の多層基板に搭載され、前記キャリアアンプ、前記ピークアンプが前記第1の多層基板に搭載され、前記ドライバアンプ、前記キャリアアンプ、および前記ピークアンプは、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記ドライバアンプの前記表面は前記第1の多層基板に対向し、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記キャリアアンプおよび前記ピークアンプの裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第2の多層基板表面に配置された配線層に接続され、前記配線層は、前記第2の多層基板と前記第1の多層基板とを貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は、前記ベース部材に接続される。
【0006】
本開示の一態様に係る高周波増幅器は、入力された高周波信号を増幅する第1の増幅器と、前記第1の増幅器が出力する信号をさらに増幅する第2の増幅器と第3の増幅器と、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記第1の増幅器が前記第2の多層基板に搭載され、前記第2の増幅器、前記第3の増幅器が前記第1の多層基板に搭載され、前記第1の増幅器、前記第2の増幅器、および前記第3の増幅器は、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記第1の増幅器の前記表面は前記第1の多層基板に対向し、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器の裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第2の多層基板表面に配置された配線層に接続され、前記配線層は、前記第2の多層基板と前記第1の多層基板とを貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は前記ベース部材に接続され、前記第1の増幅器の消費電力は、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器のそれぞれの消費電力より小さい。
【0007】
本開示の一態様に係る高周波増幅器は、入力された高周波信号を増幅するドライバアンプと、キャリアアンプ、ピークアンプを含み、前記ドライバアンプが出力する信号をさらに増幅するドハティアンプと、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記ドライバアンプが前記第2の多層基板に搭載され、前記キャリアアンプ、前記ピークアンプが前記第1の多層基板に搭載され、前記ドライバアンプ、前記キャリアアンプ、および前記ピークアンプは、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記ドライバアンプの前記裏面は前記第1の多層基板に対向し、前記ドライバアンプの前記表面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記キャリアアンプおよび前記ピークアンプの裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、前記第1の多層基板と、を貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は、前記ベース部材に接続される。
【0008】
本開示の一態様に係る高周波増幅器は、入力された高周波信号を増幅する第1の増幅器と、前記第1の増幅器が出力する信号をさらに増幅する第2の増幅器と第3の増幅器と、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記第1の増幅器が前記第2の多層基板に搭載され、前記第2の増幅器、前記第3の増幅器が前記第1の多層基板に搭載され、前記第1の増幅器、前記第2の増幅器、および前記第3の増幅器は、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記第1の増幅器の前記裏面は前記第1の多層基板に対向し、前記第1の増幅器の前記表面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器の裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、前記第1の多層基板と、を貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は前記ベース部材に接続され、前記第1の増幅器の消費電力は、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器のそれぞれの消費電力より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一態様に係る高周波増幅器を模式化して示した断面図である。
図2図1の高周波増幅器を説明するブロック図である。
図3図1の上段の平面図である。
図4図1の下段の平面図である。
図5図1のドライバアンプ回路図である。
図6図5の回路図に対応させた上段を説明する図である。
図7図1のドハティアンプ回路図である。
図8図7の回路図に対応させた下段を説明する図である。
図9】本開示の他の一態様に係る高周波増幅器を模式化して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【本開示が解決しようとする課題】
【0010】
プリント基板にドライバアンプおよびドハティアンプを搭載する場合、ドライバアンプ、キャリアアンプ、ピークアンプを同じ平面上に実装すると、大きなサイズのプリント基板が必要になるので、増幅器の小型化が難しいという問題がある。一方、一般的な省面積実装のための手段として、3次元実装にて対応する方法がある(特許文献2)。
【0011】
本開示が対象としている高周波増幅器(高周波パワーアンプ)は、入力された高周波信号を必要な出力まで増幅するため、扱う電力が大きく消費電流、あるいは消費電力が大きい。その結果、発熱が大きい。そのため、それら複数の高周波増幅器が同じ平面上に実装される2次元実装の場合に比べ、小型化を目的とし立体的に積層される3次元実装がなされる場合に、放熱性が損なわれるおそれがある。
【0012】
本開示は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供することを目的とする。
【本開示の効果】
【0013】
本開示によれば、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0014】
本開示に係る高周波増幅器は、(1)入力された高周波信号を増幅するドライバアンプと、キャリアアンプ、ピークアンプを含み、前記ドライバアンプが出力する信号をさらに増幅するドハティアンプと、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記ドライバアンプが前記第2の多層基板に搭載され、前記キャリアアンプ、前記ピークアンプが前記第1の多層基板に搭載され、前記ドライバアンプ、前記キャリアアンプ、および前記ピークアンプは、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記ドライバアンプの前記表面は前記第1の多層基板に対向し、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記キャリアアンプおよび前記ピークアンプの裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第2の多層基板表面に配置された配線層に接続され、前記配線層は、前記第2の多層基板と前記第1の多層基板とを貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は、前記ベース部材に接続される。
【0015】
ドライバアンプとドハティアンプを、第1の多層基板と第2の多層基板による2階建て構造で構成にした。これにより、高周波増幅器の小型化を達成できる。また、ドライバアンプと、キャリアアンプおよびピークアンプとを対向して配置するので、実装密度を高くできる。そして、キャリアアンプおよびピークアンプの各裏面がベース部材に接するので、キャリアアンプおよびピークアンプの放熱を達成できる。さらに、ドライバアンプを第1のビアによる放熱パスにて対応することから、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
(2)本開示の高周波増幅器の一態様では、前記ベース部材は、前記高周波信号が外部から入力される入力端子と、前記ドハティアンプにより増幅された信号が外部へと出力される出力端子と、をさらに備え、前記入力端子は、前記ベース部材と、前記第1の多層基板と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、を貫通する第2のビアの一端に接続され、前記第2のビアの他端は、前記ドライバアンプの入力に接続され、前記出力端子は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記ベース部材に接する層と、前記ベース部材とを貫通する第3のビアの一端に接続され、前記第3のビアの他端は、前記ドハティアンプの出力に接続される。
【0016】
入力端子に入力された信号は、第2のビアを通り、第1の多層基板の何処にも接続されず、第2の多層基板に入力され、第3のビアを通って出力端子に向かうことにより、より小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
(3)本開示の高周波増幅器の一態様では、前記ドライバアンプの出力は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記第2の多層基板に接する層と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層とを貫通する第4のビアの一端に接続され、前記第4のビアの他端は、前記キャリアアンプの入力と前記ピークアンプの入力とに接続される。
【0017】
ドライバアンプからの信号は、第4のビアを通って出力端子に向かうことにより、さらに小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
(4)本開示の高周波増幅器の一態様では、前記ドハティアンプは、分岐回路、位相調整回路、およびドハティネットワークをさらに含み、前記分岐回路と、前記位相調整回路とは、前記第2の多層基板に設けられて、前記ドハティネットワークは、前記第1の多層基板に設けられる。
【0018】
分岐回路を第2の多層基板に設けているので、ドライバアンプからピークアンプやキャリアアンプに向かう高周波信号の位相の調整が容易になる。
(5)本開示の高周波増幅器の一態様では、前記ピークアンプは、前記キャリアアンプよりも大きな飽和出力を有するように構成され、前記位相調整回路は、前記分岐回路と前記ピークアンプとの間であって前記第2の多層基板に設けられ、前記ピークアンプの入力信号の位相を遅延させる。
【0019】
位相調整回路を第2の多層基板に設けているので、分岐回路からピークアンプに向かう高周波信号の位相の調整が容易になる。
【0020】
本開示に係る高周波増幅器は、(6)入力された高周波信号を増幅する第1の増幅器と、前記第1の増幅器が出力する信号をさらに増幅する第2の増幅器と第3の増幅器と、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記第1の増幅器が前記第2の多層基板に搭載され、前記第2の増幅器、前記第3の増幅器が前記第1の多層基板に搭載され、前記第1の増幅器、前記第2の増幅器、および前記第3の増幅器は、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記第1の増幅器の前記表面は前記第1の多層基板に対向し、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器の裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第2の多層基板表面に配置された配線層に接続され、前記配線層は、前記第2の多層基板と前記第1の多層基板とを貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は前記ベース部材に接続され、前記第1の増幅器の消費電力は、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器のそれぞれの消費電力より小さい。
【0021】
第1の多層基板と第2の多層基板による2階建て構造で構成にしたので、高周波増幅器の小型化を達成できる。また、第1の増幅器と、第2の増幅器および第3の増幅器とを対向して配置するので、実装密度を高くできる。そして、より発熱の大きな第2の増幅器、第3の増幅器の各裏面がベース部材に接するので、第2の増幅器および第3の増幅器の放熱を達成できる。さらに、それらより発熱が小さい第1の増幅器を第1のビアによる放熱パスにて対応することから、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
(7)本開示の高周波増幅器の一態様では、前記ベース部材は、前記高周波信号が外部から入力される入力端子と、前記第2の増幅器ならびに前記第3の増幅器により増幅された信号が外部へと出力される出力端子と、をさらに備え、前記入力端子は、前記ベース部材と、前記第1の多層基板と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、を貫通する第2のビアの一端に接続され、前記第2のビアの他端は、前記第1の増幅器の入力に接続され、前記出力端子は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記ベース部材に接する層と、前記ベース部材と、を貫通する第3のビアの一端に接続され、前記第3のビアの他端は、前記第2の増幅器ならびに前記第3の増幅器の出力に接続される。
【0022】
入力端子に入力された信号は、第2のビアを通り、第1の多層基板の何処にも接続されず、第2の多層基板に入力され、第3のビアを通って出力端子に向かうことにより、より小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
(8)本開示の高周波増幅器の一態様では、前記第1の増幅器の出力は、前記第1の多層基板の一部の層でありかつ前記第2の多層基板に接する層と、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、を貫通する第4のビアの一端に接続され、前記第4のビアの他端は、前記第2の増幅器ならびに前記第3の増幅器の入力に接続される。
【0023】
第1の増幅器からの信号は、第4のビアを通って出力端子に向かうことにより、さらに小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
【0024】
本開示に係る高周波増幅器は、(9)入力された高周波信号を増幅するドライバアンプと、キャリアアンプ、ピークアンプを含み、前記ドライバアンプが出力する信号をさらに増幅するドハティアンプと、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記ドライバアンプが前記第2の多層基板に搭載され、前記キャリアアンプ、前記ピークアンプが前記第1の多層基板に搭載され、前記ドライバアンプ、前記キャリアアンプ、および前記ピークアンプは、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記ドライバアンプの前記裏面は前記第1の多層基板に対向し、前記ドライバアンプの前記表面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記キャリアアンプおよび前記ピークアンプの裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記ドライバアンプの前記裏面は、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、前記第1の多層基板と、を貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は、前記ベース部材に接続される。
【0025】
ドライバアンプとドハティアンプを、第1の多層基板と第2の多層基板による2階建て構造で構成にした。これにより、高周波増幅器の小型化を達成できる。また、ドライバアンプと、キャリアアンプおよびピークアンプとを対向して配置するので、実装密度を高くできる。そして、キャリアアンプおよびピークアンプの各裏面がベース部材に接するので、キャリアアンプおよびピークアンプの放熱を達成できる。さらに、ドライバアンプを第1のビアによる放熱パスにて対応することから、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
【0026】
本開示に係る高周波増幅器は、(10)入力された高周波信号を増幅する第1の増幅器と、前記第1の増幅器が出力する信号をさらに増幅する第2の増幅器と第3の増幅器と、を含む高周波増幅器であって、第1の多層基板と、前記第1の多層基板に重ね合わせて積層された第2の多層基板と、前記第1の多層基板および前記第2の多層基板を搭載するベース部材と、を有し、前記第1の増幅器が前記第2の多層基板に搭載され、前記第2の増幅器、前記第3の増幅器が前記第1の多層基板に搭載され、前記第1の増幅器、前記第2の増幅器、および前記第3の増幅器は、所定の回路を形成した表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とをそれぞれ有しており、前記第1の増幅器の前記裏面は前記第1の多層基板に対向し、前記第1の増幅器の前記表面は、前記第1の多層基板から離間するように配置され、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器の裏面は、いずれも前記ベース部材に接しており、前記第1の増幅器の前記裏面は、前記第2の多層基板の一部の層でありかつ前記第1の多層基板に接する層と、前記第1の多層基板と、を貫通する第1のビアの一端に接続され、前記第1のビアの他端は前記ベース部材に接続され、前記第1の増幅器の消費電力は、前記第2の増幅器および前記第3の増幅器のそれぞれの消費電力より小さい。
【0027】
第1の多層基板と第2の多層基板による2階建て構造で構成にしたので、高周波増幅器の小型化を達成できる。また、第1の増幅器と、第2の増幅器および第3の増幅器とを対向して配置するので、実装密度を高くできる。そして、より発熱の大きな第2の増幅器、第3の増幅器の各裏面がベース部材に接するので、第2の増幅器および第3の増幅器の放熱を達成できる。さらに、それらより発熱が小さい第1の増幅器を第1のビアによる放熱パスにて対応することから、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照しながら、本開示に係る高周波増幅器の具体例について説明する。図1は、本開示の一態様に係る高周波増幅器を模式化して示した断面図である。
【0028】
高周波増幅器1は、移動体通信システムの基地局装置などの通信装置に搭載され、例えば送信信号を増幅するために用いられる。高周波増幅器1はベース部材La4を有する。ベース部材La4は、放熱と外部端子を兼ねた金属(例えば銅)製の板であり、通信装置のプリント基板100上に配置される。
【0029】
ベース部材La4上には、下段10、上段20、蓋材25が搭載される。下段10が本開示の第1の多層基板に、上段20が本開示の第2の多層基板にそれぞれ相当する。
【0030】
下段10は、ベース部材La4と上段20との間に挟まれて配置されている。下段10は、第1誘電体層11(例えば厚さ0.25~0.35mm)、第3配線層La3(例えば厚さ18~35μm)、第2誘電体層12(例えば厚さ0.8~1.0mm)からなる。第1誘電体層11はベース部材La4(例えば厚さ0.25mm)上に設けられ、第3配線層La3には、GND面をなすベース部材La4を基準電圧とした高周波線路パターンが形成されており、キャリアアンプ54およびピークアンプ64などの能動部品、並びにインダクタLやキャパシタCが実装される。
【0031】
キャリアアンプ54およびピークアンプ64は、所定の回路を形成した表面54a,64aと、表面54a,64aの反対側に位置して例えば回路を形成しない裏面54b,64bと、をそれぞれ有する。キャリアアンプ54およびピークアンプ64は第1誘電体層11に埋め込まれており、表面54a,64aがいずれも上方を向いて第3配線層La3に実装される。裏面54b,64bは、いずれもベース部材La4に接するように下方に向けて配置され、焼結系銀ペースト、もしくは焼結系銅ペーストを塗布したベース部材La4に固着される。
【0032】
上段20は、下段10に重ね合わせて積層される。上段20は、第3誘電体層23(例えば厚さ0.25~0.35mm)、第1配線層La1(例えば厚さ18~35μm)、第4誘電体層24(例えば厚さ0.25~0.35mm)からなる。第3誘電体層23と下段10(第2誘電体層12)との間には、第2配線層La2が配置される。第2配線層La2(例えば厚さ35μm)は、例えば銅製のベタ面であり、第1配線層La1に対するGND面と、上段20と下段10との間で生ずる電磁波を遮蔽する役割を担う。
【0033】
第1配線層La1には高周波線路パターンが形成され、ドライバアンプ40などの能動部品、並びにインダクタLやキャパシタCが実装される。
【0034】
ドライバアンプ40は、所定の回路を形成した表面40aと、表面40aの反対側に位置して例えば回路を形成しない裏面40bを有する。ドライバアンプ40は、第4誘電体層24に埋め込まれており、表面40aが下段10に対向して第1配線層La1に実装される。裏面40bは、下段10から離間するように上方に向けて配置される。
【0035】
上段20は、金属製の蓋材25で覆われている。ドライバアンプ40はフリップチップ(Face down)で実装されるため、サーマルマネジメントの観点から、ドライバアンプ40の裏面40bは、蓋材25の放熱部(第0配線層La0)に接するように上方に向けて配置される。放熱部(第0配線層La0)は、他の配線層同様に、信号配線用の薄い金属薄膜層で形成される。そして、放熱部(第0配線層La0)は、近接するGNDビア(例えばφ300μm)(放熱ビア15d、15c、15b、15a:本開示の第1のビアに相当する)に接触している。具体的には、放熱ビア15a~15dは、上段20、および下段10を貫通しており、この放熱ビアの一端が第0配線層La0に接続され、この放熱ビアの他端がベース部材La4に接続されている。このため、ドライバアンプ40からベース部材La4までの放熱パス(以降では、これを第1の放熱パスと称する)が形成されている。
【0036】
なお、上段20の第1配線層La1と下段10の第3配線層La3との間における電気的なパスは、信号ビア14b、14a(本開示の第4のビアに相当する)を用いて確保している。詳しくは、信号ビア14b、14aは、上段20の第3誘電体層23、および下段10の第2誘電体層12を貫通しており、この信号ビアの一端が第1配線層La1(ドライバアンプ40の出力)に接続され、この信号ビアの他端が第3配線層La3(キャリアアンプ54の入力とピークアンプ64の入力)に接続されている。
【0037】
また、第1配線層La1と第2配線層La2との間における電気的なパスは、第3誘電体層23を貫通する信号ビア17aを用いる。
【0038】
さらに、第1配線層La1とベース部材La4との間における電気的なパスは、信号ビア13c、13b、13a(本開示の第2のビアに相当する)を用いて、それぞれパスを確保している。詳しくは、信号ビア13a~13cは、ベース部材La4、下段10、および上段20の第3誘電体層23を貫通しており、この信号ビアの一端が入力端子RFinに接続され、この信号ビアの他端が第1配線層La1(ドライバアンプ40の入力)に接続されている。一方、第3配線層La3とベース部材La4との間における電気的なパスは、信号ビア16a(本開示の第3のビアに相当する)を用いて確保している。具体的には、信号ビア16aは、下段10の第1誘電体層11、およびベース部材La4を貫通しており、この信号ビアの一端が出力端子RFoutに接続され、信号ビアの他端が第3配線層La3(ドハティアンプ50の出力)に接続されている。
【0039】
このように、上段20を下段10に重ね合わせて積層しており、ドライバアンプ40、キャリアアンプ54およびピークアンプ64を3次元的に実装するので、モジュールサイズが最外形6mm角で、厚さ2.2mmのような、高周波増幅器1の小型化を達成できる。
【0040】
また、この高周波増幅器1では、ワイヤボンド接続が不要である。よって、例えば500mm角程度の大きなパネルを製造工程に流すことが可能であり、このパネルからは6mm角のものが例えば6千枚取れるので、加工費と材料費低減によるコストの大幅低減を達成できる。
【0041】
ここで、図3で説明した上段20を図4で説明した下段10に重ね合わせた場合、ドライバアンプ40の入力端子とキャリアアンプ54の入力端子とが上下方向で対向して、ドライバアンプ40の入力端子とキャリアアンプ54の入力端子との距離が、上下方向で例えば1mm以下になり、ドライバアンプ40とキャリアアンプ54を同じ平面上に配置していた場合に比べて格段に縮まることがある。このような物理的な配置において、2つの入力信号の間の位相差が±π/2の範囲になると、2つの入力信号の間で干渉が生じるため、ドライバアンプ40の動作が不安定になる。詳しくは、ドライバアンプ40の出力信号が入力に帰還され、ドライバアンプ40が発振する可能性がある。
【0042】
そこで、高周波増幅器1では、ドライバアンプ40の入力端子とキャリアアンプ54の出力端子までの電気長、つまり配線長にチップ部品分を加味した電気的な長さを、もしくは、ドライバアンプ40の入力端子から、途中のチップ部品を含め、キャリアアンプ54の出力端子まで波長λの入力信号が伝搬する遅延時間を、波長λの入力信号の位相に換算し、端子間で(2n+1)×πの位相になるように設定している。nは0以上の整数である。
【0043】
これを達成するために、ドライバアンプ40のドレイン出力から分岐回路51に至るまでの経路では、例えば、図3に曲線パターン49で示すような、上段20の中央から右半分にまで大きく迂回させたり、図3に曲線パターン52で示すような、分岐回路51の出力からビア52aまでの経路では、直線ではなく、敢えて曲線で形成したりしている。
【0044】
このように、ドライバアンプ40の入力端子からキャリアアンプ54の出力端子までの電気長を(2n+1)×πの位相になるように設定する。このため、信号帰還、つまり出力信号の一部をキャリアアンプ54の出力からドライバアンプ40の入力に向けて戻す帰還がかかった場合でも、ドライバアンプ40が不安定性を生じない範囲、要するに負帰還領域となり、2nπ、つまり不安定性を生じる正帰還領域にならない。よって、2階建て構造を採用しても増幅器1を安定させることができる。
【0045】
さらに、一般的なドハティアンプでは、キャリアアンプとピークアンプとの位相差をπ/2に設定するが、高周波増幅器1では、この位相差を敢えてπに設定している。つまり、キャリアアンプ54の出力端子におけるRF信号とピークアンプ64の出力端子におけるRF信号との位相差をπ/2から3π/2までの範囲としている。
【0046】
これにより、キャリアアンプ54から放出される電磁波およびピークアンプ64から放出される電磁波が近隣で打ち消し合うので、高周波増幅器1の外部に放出される電磁波を小さく抑えることができる。
【0047】
なお、このキャリアアンプ54の位相とピークアンプ64の位相は、図3で説明する位相調整回路61、図7,8で説明する入力マッチング回路53,63、出力マッチング回路55,65、伝送線TRL1(図4で説明する90°伝送線路56a)により出力端子RFoutで同期させる。
【0048】
図2は、図1の高周波増幅器を説明するブロック図である。また、図3は、図1の上段の平面図であり、図4は、図1の下段の平面図である。
【0049】
高周波増幅器1は、ドライバアンプ40と、ドライバアンプ40の後段に設けられたドハティアンプ50と、を有し、例えば5GHz~6GHzの周波数帯域の信号を増幅可能に構成されている。
【0050】
ドライバアンプ40は、入力端子RFinに入力された波長λで規定されるRF(Radio Frequency)信号を、ドハティアンプ50が所定の送信電力にまで増幅できる程度に増幅する。
【0051】
ドハティアンプ50は、分岐回路51、位相調整回路61、キャリアアンプ54、ピークアンプ64、およびドハティネットワーク56,66を含み、ドライバアンプ40が増幅したRF信号をさらに増幅して出力端子RFoutから出力する。
【0052】
ドライバアンプ40、キャリアアンプ54、ピークアンプ64は、増幅素子として例えばGaN-HEMT(High Electron Mobility Transistor)を用いた増幅器である。ドライバアンプ40、キャリアアンプ54、ピークアンプ64は、いずれもゲートパッドが矩形状の一辺に設けられ、ドレインパッドがゲートパッドに対向する辺に設けられている。
【0053】
なお、ドライバアンプ40、キャリアアンプ54、ピークアンプ64は、ゲートパッドの両側にソースパッドが設けられている。しかし、ドライバアンプ40については、2つのソースパッドが上段20に形成されたGNDに接続されている。一方、キャリアアンプ54、ピークアンプ64については、ソースパッドが、図1で説明した裏面54b,64bを介してベース部材La4に接続されている。これにより、GNDを確保すると共に、キャリアアンプ54、ピークアンプ64からベース部材La4までの放熱パス(以降では、これを第2の放熱パスと称する)が形成される。
【0054】
第2の放熱パスは、第1の放熱パスと比べると、放熱性に優れると思われる。第2の放熱パスにおいては、キャリアアンプ54、ピークアンプ64のそれぞれのソースパッドが裏面54b,64bを介してベース部材La4に接続されている。ベース部材La4は、金属(例えば銅)製の板であり放熱性に優れる。一方、第1の放熱パスにおいては、ドライバアンプ40のソースパッドは裏面40bを介し、放熱部(第0配線層La0)に接続され、近接するGNDビアを経由しベース部材La4に接続されている。第0配線層La0は、信号配線用の金属薄膜であるため、放熱効率の観点からは金属(例えば銅)製の板であるベース部材La4におよばない。結果として、この放熱部(第0配線層La0)が熱の伝導を律速するため、第2の放熱パスの方が、第1の放熱パスと比べ放熱性が優れると思われる。
【0055】
第1の放熱パスに関しては、放熱ビア15a、15b、15c、15dの径をより広げることや、放熱部(第0配線層La0)とベース部材La4を接続する放熱パスにおいて、現状の放熱パス(第1の放熱パス)にさらに並列に放熱ビアを備えることにより、第1の放熱パスの放熱効率は改善できるものと考えられる。
【0056】
図3に示す上段20と図4に示す下段10は、略相似形の平面を有しており、いずれも例えば6mm角で形成されている。
【0057】
図1に示すように通信装置のプリント基板100上に備えられた信号配線101aを経由して入力端子RFin(信号ビア13a)に入力されたRF信号は、図1で説明したベース部材La4から下段10を貫通し、図1に示す信号ビア13a、13b、13cを通り、下段10の何処にも接続されずに図3で見て上段20の左下の隅部分に入力される。ドライバアンプ40は、上段20の左下付近に実装されており、ドライバアンプ40で増幅されたRF信号は、図3に曲線パターン49で示すように大きく転回する。詳しくは、この図3で見て上段20の上辺に向かった後、右折してこの上辺に沿って左に進み、さらに右折して上段20の下辺に向かい、ドライバアンプ40と同じ上段20に設けられた分岐回路51に達する。
【0058】
分岐回路51は、例えばウィルキンソン型分配器であり、ドライバアンプ40により増幅されたRF信号をピークアンプ側の入力経路とキャリアアンプ側の入力経路に等分している。
【0059】
分岐回路51で分配されたRF信号の一方(キャリアアンプ側の入力経路)は、所定の曲線パターン52を経て、図3で見て上段20の下辺近傍に形成されたビア52aから下段10に向かう。これは例えば、図1に示す信号ビア14a、14bを通る信号経路と同様なパスを通る。これに対し、分岐回路51で分配されたRF信号の他方(ピークアンプ側の入力経路)は、ドライバアンプ40と同じ上段20に設けられた位相調整回路61に至る。
【0060】
位相調整回路61は、ピークアンプ64の入力信号の位相を、所定の分布定数分だけ遅延させる。例えば、90°遅延させる。位相調整回路61を経たRF信号は、図3で見て上段20の下辺近傍に形成されたビア61aから下段10に向かう。これも、図1に示す信号ビア14a、14bを通る信号経路と同様なパスを通る。
【0061】
なお、本実施形態では、位相調整回路61を、分岐回路51とキャリアアンプ54との間に配置せず、分岐回路51とピークアンプ64との間に配置した例を挙げて説明した。しかし、本開示はこの例に限定されない。例えば、位相調整回路を、分岐回路51とピークアンプ64との間に配置せず、分岐回路51とキャリアアンプ54との間に配置して、キャリアアンプ54の入力信号の位相を遅延させることも可能である。
【0062】
本実施形態のドハティアンプ50は、非対称ドハティアンプであり、ピークアンプ64とキャリアアンプ54は、入力されたRF信号に対してそれぞれ異なる最大出力強度を示す。例えば、ピークアンプ64は、キャリアアンプ54よりも2倍程度大きな飽和出力(サイズ)を有しており、ピークアンプ64は、キャリアアンプ54の出力が飽和領域に至った場合に増幅動作を開始する。具体的には、キャリアアンプ54はAB級またはB級で動作する。ピークアンプ64はC級で動作する。瞬時電力が小さいときには、キャリアアンプ54が動作し、ピークアンプ64を動作させないので、電力効率が高まる。瞬時電力が大きいときには、キャリアアンプ54およびピークアンプ64の双方が動作するので、高い電力効率を維持しつつ飽和電力を大きくすることができる。
【0063】
一例として、ドライバアンプ40、キャリアアンプ54、ピークアンプ64、の出力例を記す。それぞれ、ドライバアンプ40は出力10W、キャリアアンプ54は出力15W、ピークアンプ64は出力30W、のアンプが用いられる。ここで、10W出力とは専らFETのサイズを表し、常に10Wを出力しているわけではなく、10W出力に足るサイズを有しているという意味で用いている。
【0064】
キャリアアンプ54で増幅されたRF信号は、下段10に設けたキャリアアンプ側のドハティネットワーク56に至る。このドハティネットワーク56には、90°伝送線路(λ/4線路ともいう)56aが設けられている。このため、キャリアアンプ54で増幅されたRF信号は、90°伝送線路56aを介して、図4で見て下段10の右上の隅部分に設けられた出力端子RFoutから、後述のピークアンプ64の出力信号と合成されて、出力される。
【0065】
一方、ピークアンプ64で増幅されたRF信号は、下段10に設けたピークアンプ側のドハティネットワーク66に至り、キャリアアンプ54の出力信号と合成されて、図1に示す信号ビア16a通る信号経路を通り、出力端子RFoutから出力される。出力端子RFoutから出力された信号は、図1に示すように通信装置のプリント基板100上に備えられた信号配線101bを経由し、高周波増幅器1から外部へ伝搬していく。なお、キャリアアンプ側のドハティネットワーク56、ピークアンプ側のドハティネットワーク66が本開示のドハティネットワークに相当する。
【0066】
図5は、図1のドライバアンプ回路図であり、図6は、図5の回路図に対応させた上段を説明する図である。また、図7は、図1のドハティアンプ回路図であり、図8は、図7の回路図に対応させた下段を説明するである。
【0067】
図5に示す入力端子RFinから入力したRF信号は、ドライバアンプ40のゲートに、入力マッチング回路30(インダクタL1、キャパシタC1~C4の計5個)を介して入力する。ゲートバイアスは、電源VgからインダクタL2を介して供給される。キャパシタC5は電源Vgのバイパスキャパシタであり、抵抗R1は調整用の抵抗である。
【0068】
ドライバアンプ40のドレイン出力は、出力マッチング回路41(インダクタL4,L5、キャパシタC7~C9)を介して分岐回路51に与えられる。ドレインバイアスは、電源VdからインダクタL3を介して供給される。キャパシタC6は電源Vdのバイパスキャパシタである。
【0069】
次に、図7に示すように、分岐回路51では、ドライバアンプ40からのRF信号が、L11、C24によるマッチング回路と、C23、L12、C29によるマッチング回路と、に等分される。
【0070】
L11、C24によるマッチング回路で位相が調整されたRF信号は、図3で説明した曲線パターン52、ビア52aを介して下段10に達し、キャリアアンプ54に向かう。 この下段10に達したRF信号は、キャリアアンプ54のゲートに、入力マッチング回路53(キャパシタC31、C11~14)を介して入力する。ゲートバイアスは、電源VgからインダクタL6を介して供給される。キャパシタC15は電源Vgのバイパスキャパシタであり、抵抗R4は調整用の抵抗である。
【0071】
キャリアアンプ54のドレイン出力は、DC遮断用のキャパシタC26を介してキャリアアンプ側のドハティネットワーク56に提供される。ドレインバイアスは、電源VdからインダクタL9を介して供給される。キャパシタC21は電源Vdのバイパスキャパシタである。
【0072】
キャリアアンプ側のドハティネットワーク56は、伝送線TRL2、キャパシタC25により構成される出力マッチング回路55と、キャリアアンプ54の出力とピークアンプ64の出力を合成するための伝送線TRL1(図4で説明した90°伝送線路56aを含む)により構成される。
【0073】
一方、分岐回路51で等分され、C23、L12、C29によるマッチング回路で位相が調整されたRF信号は、位相調整回路61(インダクタL15、L16、キャパシタC32)でさらに位相が調整され、ビア61aを介して下段10に達し、ピークアンプ64に向かう。
【0074】
この下段10に達したRF信号は、ピークアンプ64のゲートに、入力マッチング回路63(インダクタL7、キャパシタC16~19)を介して入力する。ゲートバイアスは、電源VgからインダクタL8を介して供給される。キャパシタC20は電源Vgのバイパスキャパシタであり、抵抗R5は調整用の抵抗である。
【0075】
ピークアンプ64のドレイン出力は、DC遮断用のキャパシタC28を介してピークアンプ側のドハティネットワーク66に提供される。ドレインバイアスは、電源VdからインダクタL10を介して供給される。キャパシタC22は電源Vdのバイパスキャパシタである。
【0076】
ピークアンプ側のドハティネットワーク66は、キャパシタC27とキャパシタC10の2段構成、伝送線TRL3により構成される出力マッチング回路65と、伝送線TRL4により構成される。
【0077】
前述のアンプ出力を比較すると、それぞれの消費電流、あるいは消費電力、そしてその結果発生する発熱の大きさは、ドライバアンプ40、キャリアアンプ54、ピークアンプ64、の順に大きくなるものと思われる。本実施形態の高周波増幅器1においては、より発熱の大きな、ピークアンプ64、キャリアアンプ54をより放熱効率のよい第2の放熱パスにて対応させ、それらより発熱が小さいドライバアンプ40を第1の放熱パスにて対応させる構成としている。このような構成とすることにより、高周波増幅器1は、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
【0078】
高周波増幅器1は、ピークアンプ64、キャリアアンプ54を第2の放熱パスにて対応し、ドライバアンプ40を第1の放熱パスにて対応させるため、図1に示すように、入力端子RFin(信号ビア13a)に入力されたRF信号は、ベース部材La4から下段10を貫通し、図1に示す信号ビア13a、13b、13cを通り、下段10の何処にも接続されずに図3で見て上段20の左下の隅部分に入力される。また、分岐回路51で分配されたRF信号は、下段10に備えられたピークアンプ64、キャリアアンプ54に入力されるため、図1に示す信号ビア14a、14bを通る信号経路と同様なパスを通る。これらの信号パスを通ることにより、高周波増幅器1は、小型でかつ放熱性の良い高周波増幅器を提供可能となる。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0080】
また、上記図1で説明した高周波増幅器1を製造する場合、例えば、下段10の第2誘電体層12を基準にして表側と裏側の両方向に成長可能である。詳しくは、図1で説明した下段10の第2誘電体層12の片面(表面)には、第2配線層La2、上段20の第3誘電体層23、第1配線層La1、第4誘電体層24の順に設ける。これに対し、下段10の第2誘電体層12の別の片面(裏面)には、下段10の第3配線層La3、第1誘電体層11の順に設けることができる。しかし、本開示はこの例に限定されるものではなく、例えば、表側あるいは裏側のいずれか一方向に成長してもよい。
【0081】
図9は、本開示の他の一態様に係る高周波増幅器を模式化した断面図である。なお、図1の高周波増幅器1と同じ機能を有する構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0082】
この図9に示した高周波増幅器1もベース部材La4を有し、ベース部材La4上には、下段10、上段20が搭載される。なお、この高周波増幅器1には、蓋材は搭載されていない。
【0083】
上段20は、第4誘電体層24(例えば厚さ0.4mm)、第1配線層La1(例えば厚さ10~35μm)、第3誘電体層23(例えば厚さ0.1mm)からなる。第3誘電体層23が、図1で説明した第3誘電体層23に比べて薄くなっている。この高周波増幅器1を製造する場合、まず、第3誘電体層23の片面に第1配線層La1を設ける。次に、第1配線層La1の片面に、ドライバアンプ40などの能動部品、並びにインダクタLやキャパシタCを実装した後、第4誘電体層24を配置する。
【0084】
ドライバアンプ40は、第4誘電体層24に設けられており、ドライバアンプ40の表面40aが下段10から離間するように配置して第1配線層La1の片面に実装される。ドライバアンプ40の裏面40bは下段10に対向するように配置される。
【0085】
第4誘電体層24と下段10(第2誘電体層12)との間には、第2配線層La2(例えば厚さ10~35μm)が配置される。第2配線層La2は、第1配線層La1に対するGND面をなす。
【0086】
下段10は、第1誘電体層11(例えば厚さ0.28mm)、第3配線層La3(例えば厚さ10~35μm)、第2誘電体層12(例えば厚さ0.2mm)からなる。第2誘電体層12が、図1で説明した第2誘電体層12に比べて薄くなっている。高周波増幅器1の製造時には、上記第2配線層La2の片面に第2誘電体層12を配置し、この第2誘電体層12の片面に第3配線層La3を設ける。続いて、第3配線層La3の片面に、キャリアアンプ54およびピークアンプ64などの能動部品、並びにインダクタLやキャパシタCを実装してから、第1誘電体層11を配置する。
【0087】
キャリアアンプ54およびピークアンプ64は第1誘電体層11に設けられており、表面54a,64aがいずれも上方を向いて第3配線層La3の片面に実装される。裏面54b,64bは、いずれもベース部材La4に接するように下方に向けて配置され、焼結系銀ペースト、もしくは焼結系銅ペーストを塗布したベース部材La4に固着される。
【0088】
第1誘電体層11の片面には、GND面をなすベース部材La4(例えば厚さ0.15~0.25mm)が配置される。
【0089】
そして、図9に示すように、ドライバアンプ40の裏面40bは、放熱ビア15a(本開示の第1のビアに相当する)に接触している。具体的には、放熱ビア15aは、上段20の一部の層でありかつ下段10に接する層、より詳しくは第4誘電体層24、および下段10を貫通しており、この放熱ビアの一端がドライバアンプ40の裏面40bに接続され、この放熱ビアの他端がベース部材La4に接続されている。このため、図1と同様に機能する第3の放熱パスが、ドライバアンプ40からベース部材La4まで形成される。しかし、図1で示した第1の放熱パスが放熱部(第0配線層La0)に接続され、近接するGNDビアを経由しベース部材La4に接続されていたのに比べ、図9に示す第3の放熱パスは、図1での放熱部に相当する配線層を経由せずに、直接ドライバアンプ40の裏面40bが放熱ビアの一端に接続されている。このため、図9における第3の放熱パスは、図1における第1の放熱パスよりも放熱性に優れていると思われる。
【0090】
なお、図1と同様に、上段20の第1配線層La1と下段10の第3配線層La3との間における電気的なパスは、信号ビア14aを用いて確保している。
【0091】
また、第1配線層La1とベース部材La4との間における電気的なパスは、信号ビア13a~13cを用いて、それぞれパスを確保している。一方、第3配線層La3とベース部材La4との間における電気的なパスは、信号ビア16aを用いて確保している。
【符号の説明】
【0092】
1…高周波増幅器、10…下段、11…第1誘電体層、12…第2誘電体層、13a,13b,13c,14a,14b,16a,17a…信号ビア、15a,15b,15c,15d…放熱ビア、20…上段、23…第3誘電体層、24…第4誘電体層、25…蓋材、30…入力マッチング回路、40…ドライバアンプ、40a…表面、40b…裏面、41…出力マッチング回路、49…曲線パターン、50…ドハティアンプ、51…分岐回路、52…曲線パターン、52a…ビア、53…入力マッチング回路、54…キャリアアンプ、54a…表面、54b…裏面、55…出力マッチング回路、56,66…ドハティネットワーク、56a…90°伝送線路、61…位相調整回路、61a…ビア、63…入力マッチング回路、64…ピークアンプ、64a…表面、64b…裏面、65…出力マッチング回路、100…プリント基板、101a,101b…プリント基板上の配線、La0…第0配線層(放熱部)、La1…第1配線層、La2…第2配線層、La3…第3配線層、La4…ベース部材、RFin…入力端子、RFout…出力端子、L,L1~L12,L15,L16…インダクタ、C,C1~C29、C31,C32…キャパシタ、R1,R3~R5…抵抗、TRL1~TRL4…伝送線、Vd,Vg…電源。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9