(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
(21)【出願番号】P 2022057330
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 亮祐
【審査官】田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-095833(JP,A)
【文献】特許第6949275(JP,B1)
【文献】特開2013-061695(JP,A)
【文献】特開2019-095930(JP,A)
【文献】特開2017-058480(JP,A)
【文献】特開2015-153914(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105547705(CN,A)
【文献】特開2015-108886(JP,A)
【文献】国際公開第2012/073289(WO,A1)
【文献】特開2015-230576(JP,A)
【文献】特開2019-220226(JP,A)
【文献】特開2019-179395(JP,A)
【文献】特開2019-028834(JP,A)
【文献】特開2010-250381(JP,A)
【文献】特開2013-008098(JP,A)
【文献】特開2020-006459(JP,A)
【文献】特開2013-008092(JP,A)
【文献】特開2021-051698(JP,A)
【文献】特開2021-174352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部と、
前記装置の運転の停止を取得する停止取得部と、
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量が閾値を超える場合に、前記停止期間の前後で基準値を変更して、前記変更した基準値を用いて前記停止期間の後の前記データを補正する補正部と、を備え
、
前記補正部は、前記時系列のデータの補正において、前記データの変化量が閾値を超える基準値変更対象の停止期間の前後で前記補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる
データ処理装置。
【請求項2】
前記装置の運転の停止を検出する検出部を更に備え、
前記停止取得部は、前記検出部の検出した前記装置の運転の停止を取得する
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記データ取得部が取得したデータに基づいて、前記装置の運転の停止を検出する
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記停止取得部は、前記検出部が検出した前記装置の運転の停止の期間が閾値を超えると、該停止の期間を取得する
請求項2または3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記データ取得部が取得したデータと前記停止取得部が取得した前記装置の運転の停止とに基づいて、前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量を算出する算出部を更に備える
請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記装置の停止期間の前後での前記データの平均値の変化量を算出する
請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記装置の停止期間の直前及び直後の各々における、異なる複数の範囲の前記データの平均値を算出し、前記装置の運転の停止期間の前後での、前記データの複数の平均値の中央値の変化量を算出する
請求項5または6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記補正部は、前記装置の複数の停止期間の前記データの変化量のうち、前記データの変化量が閾値より大きい場合、又は前記データの変化量がより大きい順にN番目以内である場合、当該データの変化量に対応する停止期間の後のデータを補正する前記基準値を変更する
請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記補正部は、前記装置の停止期間の直後の前記データの一部の平均値を、当該停止期間の後のデータを補正する前記基準値とする
請求項1から8のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記補正部は、前記データ取得部が取得したデータと前記基準値の差分を算出することにより補正を行う
請求項1から9のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量を出力する出力部を更に備える
請求項1から10のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記装置の複数の停止期間の前後での前記データの変化量をランキング形式で表示装置に表示させる
請求項11に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記補正部で補正した前記データを用いて機械学習モデルの学習処理を行う学習処理部を更に備える
請求項1から12のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部と、
前記装置の運転の停止を取得する停止取得部と、
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量を出力する出力部と、
前記データの変化量の出力に応じた指示を受けて、前記停止期間の前後で基準値を変更して、前記変更した基準値を用いて前記停止期間の後の前記データを補正する補正部と、を備え
、
前記補正部は、前記時系列のデータの補正において、前記指示を受けた基準値変更対象の停止期間の前後で前記補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる
データ処理装置。
【請求項15】
前記データの変化量の出力に応じた指示を受ける入力部を更に備える
請求項14に記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記出力部は、前記装置の複数の停止期間の前後での前記データの変化量をランキング形式で表示装置に表示させる
請求項14または15に記載のデータ処理装置。
【請求項17】
装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得段階と、
前記装置の運転の停止を取得する停止取得段階と、
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量が閾値を超える場合に、前記停止期間の前後で基準値を変更して、前記変更した基準値を用いて前記停止期間の後の前記データを補正する補正段階と、を備え
、
前記補正段階
は、前記時系列のデータの補正において、前記データの変化量が閾値を超える基準値変更対象の停止期間の前後で前記補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる段階を有する
データ処理方法。
【請求項18】
装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得段階と、
前記装置の運転の停止を取得する停止取得段階と、
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量を出力する出力段階と、
前記データの変化量の出力に応じた指示を受けて、前記停止期間の前後で基準値を変更して、前記変更した基準値を用いて前記停止期間の後の前記データを補正する補正段階と、を備え
、
前記補正段階は、前記時系列のデータの補正において、前記指示を受けた基準値変更対象の停止期間の前後で前記補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる段階を有する
データ処理方法。
【請求項19】
コンピュータを、
装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部と、
前記装置の運転の停止を取得する停止取得部と、
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量が閾値を超える場合に、前記停止期間の前後で基準値を変更して、前記変更した基準値を用いて前記停止期間の後の前記データを補正する補正部
として機能させ
、
前記補正部は、前記時系列のデータの補正において、前記データの変化量が閾値を超える基準値変更対象の停止期間の前後で前記補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる
プログラム。
【請求項20】
コンピュータを、
装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部と、
前記装置の運転の停止を取得する停止取得部と、
前記装置の停止期間の前後での前記データの変化量を出力する出力部と、
前記データの変化量の出力に応じた指示を受けて、前記停止期間の前後で基準値を変更して、前記変更した基準値を用いて前記停止期間の後の前記データを補正する補正部
として機能させ
、
前記補正部は、前記時系列のデータの補正において、前記指示を受けた基準値変更対象の停止期間の前後で前記補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、「校正とは,計器又は測定系の示す値,若しくは実量器又は標準物質の表す値と,標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業」と記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
非特許文献1 奥 雅司,外2名,標準化教育プログラム、個別技術分野編-電気電子分野、第15章 計測の信頼性と測定の不確かさ,[online],2009年2月13日,日本規格協会,[2022年3月22日検索],インターネット
<URL:https://www.jsa.or.jp/datas/media/10000/md_2469.pdf>
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、データ処理装置を提供する。データ処理装置は、装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部を備えてよい。データ処理装置は、装置の運転の停止を取得する停止取得部を備えてよい。データ処理装置は、装置の停止期間の前後でのデータの変化量に応じて基準値を変更し、該基準値を用いてデータを補正する補正部を備えてよい。
【0004】
データ処理装置は、装置の運転の停止を検出する検出部を更にを備えてよい。停止取得部は、検出部の検出した装置の運転の停止を取得してよい。
【0005】
検出部は、データ取得部が取得したデータに基づいて、装置の運転の停止を検出してよい。
【0006】
停止取得部は、検出部が検出した装置の運転の停止の期間が閾値を超えると、該停止の期間を取得してよい。
【0007】
データ処理装置は、データ取得部が取得したデータと停止取得部が取得した装置の停止とに基づいて、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を算出する算出部を更に備えてよい。
【0008】
算出部は、装置の停止期間の前後でのデータの平均値の変化量を算出してよい。
【0009】
算出部は、装置の停止期間の直前及び直後の各々における、異なる複数の範囲のデータの平均値を算出し、装置の運転の停止期間の前後での、データの複数の平均値の中央値の変化量を算出してよい。
【0010】
補正部は、装置の複数の停止期間のデータの変化量のうち、データの変化量が閾値より大きい場合、又はデータの変化量がより大きい順にN番目以内である場合、当該データの変化量に対応する停止期間の後のデータを補正する基準値を変更してよい。
【0011】
補正部は、装置の停止期間の直後のデータの一部の平均値を、当該停止期間の後のデータを補正する基準値としてよい。
【0012】
補正部は、データ取得部が取得したデータと基準値の差分を算出することにより補正を行ってよい。
【0013】
データ処理装置は、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を出力する出力部を更に備えてよい。
【0014】
出力部は、装置の複数の停止期間の前後でのデータの変化量をランキング形式で表示装置に表示させてよい。
【0015】
データ処理装置は、補正部で補正したデータを用いて機械学習モデルの学習処理を行う学習処理部を更に備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、データ処理装置を提供する。データ処理装置は、装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部を備えてよい。データ処理装置は、装置の運転の停止を取得する停止取得部を備えてよい。データ処理装置は、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を出力する出力部を備えてよい。データ処理装置は、データの変化量の出力に応じた指示を受けて基準値を変更し、該基準値を用いてデータを補正する補正部を備えてよい。
【0017】
データ処理装置は、データの変化量の出力に応じた指示を受ける入力部を更に備えてよい。
【0018】
出力部は、装置の複数の停止期間の前後でのデータの変化量をランキング形式で表示装置に表示させてよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、データ処理方法を提供する。データ処理方法は、装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得段階を備えてよい。データ処理方法は、装置の運転の停止を取得する停止取得段階を備えてよい。データ処理方法は、装置の停止期間の前後でのデータの変化量に応じて基準値を変更し、該基準値を用いてデータを補正する補正段階を備えてよい。
【0020】
本発明の第4の態様においては、プログラムを提供する。プログラムは、コンピュータを、装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、装置の運転の停止を取得する停止取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、装置の停止期間の前後でのデータの変化量に応じて基準値を変更して、該基準値を用いてデータを補正する補正部として機能させてよい。
【0021】
本発明の第5の態様においては、プログラムを提供する。プログラムは、コンピュータを、装置の運転に関する時系列のデータを取得するデータ取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、装置の運転の停止を取得する停止取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を出力する出力部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、データの変化量の出力に応じた指示を受けて基準値を変更して、該基準値を用いてデータを補正する補正部として機能させてよい。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本実施形態のデータ処理装置200の処理フローの一例を示す。
【
図4】データ処理装置200におけるプロセスデータの処理を説明するための説明図である。
【
図5】データ処理装置200におけるプロセスデータの処理を説明するための説明図である。
【
図6】データ処理装置200におけるプロセスデータの処理を説明するための説明図である。
【
図7】出力部280により表示装置300に表示させる表示画面の一例を示す。
【
図9】プラント内の特定の装置の圧力を示す時系列データの一例である。
【
図10】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図9は、プラント内の特定の装置の圧力を示す時系列データである。横軸は日付、縦軸は圧力を示す。
図9において、データは、最初のメンテナンス期間1の前に装置が異常であることを示し、メンテナンス期間1の後にはメンテナンスにより装置が正常となっていることを示す。しかし、データは、メンテナンス期間2の後に、メンテナンス後であるため実際は正常である装置が、メンテナンス期間1の前のデータと同様に異常であることを示している。このようなメンテナンス期間2の前後のデータの変化は、メンテナンスによる装置やセンサのズレ等が原因で検出値が変化したために生じたものであり、装置の状態を誤って示すことになる。このようなデータをそのまま機械学習処理に用いると、
図9のように間違った閾値が得られ、装置の状態を誤って認識する学習モデルとなってしまう。
【0026】
図1は、本実施形態に係る管理システム10を示す。管理システム10は、一例として、プラントの保全管理を行うものであり、複数のセンサ100と、複数の端末110と、データ処理装置200と、表示装置300とを備える。
【0027】
ここで、プラントとしては、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等がある。複数のセンサ100と、端末110は、一例として、プラントにおいてプロセスが実行される現場に配置されてよい。データ処理装置200と表示装置300とは、一例として、プラントの管理センタに配置されてよい。
【0028】
複数のセンサ100は、データ処理装置200に接続され、プラントのプロセスにおける圧力、温度、pH、速度、流量等の物理量を測定するセンサ100であってよく、プラント内の異音等を収集するマイク、各機器の位置情報を出力する位置検出機器であってもよい。複数のセンサ100は、互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上のセンサ100が同種でもよい。
【0029】
複数の端末110は、データ処理装置200に接続され、現場の作業員の入力に応じて、プラントの機器の設定パラメータにアクセスし、設定パラメータの値の参照、設定及び変更等を行う。端末110は、据え置き型のPC(パーソナルコンピュータ)でもよいし、作業員が携帯するハンドヘルドターミナル(HHT)(一例としてスマートフォン又はタブレットPC)でもよい。
【0030】
データ処理装置200は、表示装置300に接続され、複数の端末110及び複数のセンサ100等から取得したデータを学習処理のために補正し、処理結果を表示装置300に表示させる。この際、データ処理装置200は、メンテナンス等における機器の停止によるデータの変化に応じたデータの補正を行う。
【0031】
データ処理装置200は、PC、タブレットPC、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、データ処理装置200は、コンピュータ内で1または複数の実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、データ処理装置200は、プラントの保全管理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、データ処理装置200は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0032】
データ処理装置200は、データ取得部210と、記憶部220と、検出部230と、停止取得部240と、算出部250と、補正部260と、学習処理部270と、出力部280と、入力部290とを備える。
【0033】
データ取得部210は、複数のセンサ100と複数の端末110と記憶部220とに接続され、複数のセンサ100と複数の端末110から、装置の運転に関する時系列のデータを取得する。データ取得部210は、取得したデータを記憶部220に格納してよい。
【0034】
ここで、時系列のデータが取得される装置は、プラントの機器であってよく、例えば、プラントのプロセスにおける圧力、温度、pH、速度、流量等の物理量を制御するバルブ、流量制御弁、開閉弁、ポンプ、ファン、モータ、加熱装置、冷却装置等のアクチュエータでもよいし、流体を流す配管であってもよいし、管理センタ等の室内に配置されたスイッチ、カメラ、PC等であってもよいし、その他の機器でもよい。
【0035】
装置の運転に関する時系列のデータは、プラントの機器の運転制御において用いられるデータであってよく、複数のセンサ100が検出した検出結果であってもよいし、複数の端末110に入力される作業者の入力データ又は機器の設定値であってもよい。データ取得部210により取得されるデータは、データ処理装置200において補正されるプロセスデータと、停止取得部240により装置の停止を取得するために用いられる停止検出用データとを含んでよい。
【0036】
記憶部220は、検出部230と算出部250とに接続され、データ取得部210が取得したデータを格納する。記憶部220は、検出部230に停止検出用データを供給し、算出部250にプロセスデータを供給してよい。
【0037】
検出部230は、停止取得部240に接続され、装置の運転の停止を検出してよい。検出部230は、データ取得部210が取得した停止検出用データに基づいて、装置の運転の停止を検出してよい。
【0038】
停止取得部240は、算出部250に接続され、装置の運転の停止を取得する。停止取得部240は、検出部230が検出した、装置が停止した日時及び装置が稼働した直前の日時を取得し、当該停止日時及び稼働開始直前日時(すなわち、停止期間)を示すデータを算出部250に供給してよい。
【0039】
算出部250は、出力部280と補正部260とに接続され、データ取得部210が取得したプロセスデータと停止取得部240が取得した装置の停止とに基づいて、装置の停止期間の前後でのプロセスデータの変化量を算出する。算出部250は、装置の停止期間の前後でのプロセスデータの平均値の変化量を算出してよい。装置の停止期間の前(又は後)のデータの平均値とは、停止期間の前(又は後)の装置の稼働期間のうち、当該停止期間の直前(又は直後)の稼働期間の一部のプロセスデータの平均値であってよい。算出部250は、算出した変化量を出力部280と補正部260とに供給してよい。
【0040】
補正部260は、学習処理部270に接続され、装置の運転が停止した直後におけるプロセスデータの値を基準として、当該停止後の各プロセスデータの値を補正する。補正部260は、補正したプロセスデータを学習処理部270に供給してよい。
【0041】
学習処理部270は、出力部280に接続され、補正部260からの補正したプロセスデータを用いて、プロセスデータの異常の有無を検出する機械学習モデルの学習処理を行う。学習処理部270は、補正したプロセスデータを、機械学習モデルの生成及び更新に用いてよい。学習処理部270は、補正したプロセスデータを、機械学習モデルに適用してプロセスデータの異常の有無を検出してもよい。学習処理部270は、学習処理の結果を出力部280に供給してよい。
【0042】
出力部280は、表示装置300に接続され、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を出力する。出力部280は、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を表示装置300に表示させてよい。
【0043】
入力部290は、表示装置300と補正部260と停止取得部240とに接続され、データの変化量の出力に応じた指示を受ける。入力部290は、表示装置300のユーザからの指示を受け、当該指示を補正部260又は停止取得部240に供給してよい。
【0044】
表示装置300は、データ処理装置200に有線または無線で接続されたディスプレイであってよく、PC、タブレットPC、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータの表示画面であってもよい。
【0045】
図2は、本実施形態のデータ処理装置200の処理フローの一例を示す。ステップS11~S18は、データ処理装置200における機械学習モデルの生成の動作を示す。なお、この動作はデータ処理装置200へのユーザの指示入力に応じて開始されてよい。ユーザの指示入力は、学習処理対象の装置を特定する識別子(装置名、識別番号等)の入力及び処理対象データの検出期間の少なくとも1つを含んでよい。
【0046】
ステップS11においてデータ取得部210は、複数のセンサ100と複数の端末110とからリアルタイムで又は定期的にデータを取得して記憶部220に格納してよい。データ取得部210は、一例として、プラントの特定の機器の圧力を示すプロセスデータと、当該特定の機器を稼働させるエンジンの回転数を示す停止検出用データとを、複数のセンサ100から取得してよい。データ取得部210は、取得したデータを、装置の識別子及び検出日時に対応付けて記憶部220に格納してよい。記憶部220は、ユーザの指示入力に対応するプロセスデータ及び停止検出用データを検出部230及び算出部250に供給してよい。
【0047】
ステップS12においてデータ処理装置200は、停止期間(一例として、装置の停止した日時及び稼働した直前の日時)を取得する。データ処理装置200は、停止期間を自動で取得することができる。検出部230は、停止検出用データの値が閾値未満となったことに応じて、装置の停止を検出してよい。また、作業者が端末110を介してメンテナンス等による装置の停止を示す停止検出用データを入力し、検出部230は、当該停止検出用データが示す装置の停止を検出してよい。検出部230は、検出した停止期間を停止取得部240に供給してよい。停止取得部240は、検出部230が検出した装置の運転の停止の期間が閾値を超えると、該停止の期間を取得してよい。停止取得部240は、取得した停止期間を算出部250に供給してよい。
【0048】
また、データ処理装置200は、停止期間をユーザからの入力に基づいて取得してもよい。一例として、出力部280は、プロセスデータ又は停止検出用データを時系列で表示装置300に表示させ、データ処理装置200のユーザは、表示装置300の表示から停止期間を決定し、入力部290を介して停止期間を入力してよい。停止取得部240は、停止期間を入力部290から取得し、算出部250に供給してよい。
【0049】
ステップS13において算出部250は、記憶部220から受け取ったプロセスデータの平滑化処理が必要か否かを決定する。算出部250は、プロセスデータのばらつきを示す指標が閾値を超えるとステップS14で平滑化処理を行い、指標が閾値未満である場合は次のステップS15に進んでよい。また、出力部280がプロセスデータを表示装置300に表示させ、ユーザが、表示装置300の表示から平滑化を行うか決定し、入力部290を介して、算出部250に対する平滑化処理指示を入力してよい。算出部250は、平滑化処理を行うと決定すると(
図2のY)ステップS14に移り、平滑化処理を行わないと決定すると(
図2のN)ステップS15に移る。
【0050】
ステップS14において算出部250は、一例としてプロセスデータの移動平均を算出することにより、平滑化処理してよい。算出部250は、停止取得部240から供給された停止期間で区切られた複数の稼働区間の各々でプロセスデータの移動平均を算出してよい。
【0051】
ステップS15において算出部250は、停止取得部240から供給された各停止期間の前後でのプロセスデータの変化量を算出する。算出部250は、平滑化処理を行った場合には平滑化処理されたプロセスデータを用いて変化量を算出してよい。算出部250は、各停止期間の前後でのプロセスデータ同士の差の絶対値を変化量として算出してよく、各停止期間の前後でのプロセスデータの平均値同士の変化量を算出してもよい。
【0052】
算出部250は、停止期間の直前及び直後の稼働期間におけるプロセスデータのうち、当該停止期間に最も近い一部のプロセスデータ又は当該一部のプロセスデータの平均値を用いて変化量を算出してよい。
【0053】
また、算出部250は、装置の停止期間の直前及び直後の各々における、異なる複数の範囲のプロセスデータの平均値を算出し、装置の運転の停止期間の前後での、プロセスデータの複数の平均値の中央値の変化量を算出してよい。算出部250は、各停止期間の直前の稼働期間の全データ点数のうち、当該停止期間に最も近い異なる複数の範囲のプロセスデータの平均値をそれぞれ算出してよい。同様に、算出部250は、各停止期間の直後の稼働期間の全データ点数のうち、当該停止期間に最も近い複数の範囲のプロセスデータの平均値をそれぞれ算出してよい。算出部250は、1つの稼働期間の全データ点数を100%として、当該稼働期間において停止期間に最も近い10%以下の範囲のプロセスデータの平均値を算出してよい。
【0054】
算出部250は、一例として、1つの稼働期間の全データ点数を100%として、当該稼働期間において停止期間に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータから、平均値6つを算出してよい。算出部250は、6つの平均値の中央値を算出し、停止期間の直前の平均値の中央値と直後の平均値の中央値との間の差分の絶対値を算出してよい。なお、算出部250は、1%の分解能で複数の平均値を算出したが、これに限定されず、1%以下の分解能で複数の平均値を算出してよい。
【0055】
算出部250は、算出結果及びプロセスデータを補正部260に供給してよい。また、算出部250は、算出結果を出力部280に供給してもよい。
【0056】
ステップS16において補正部260は、算出部250の算出結果を用いて、時系列のプロセスデータの補正に用いる異なる複数の基準値を決定する。補正部260は、時系列のプロセスデータにおいて、基準値変更対象の停止期間で補正の基準値を変更し、当該変更した基準値を次の基準値変更対象の停止期間まで用いる。補正部260は、複数の停止期間のうち基準値変更対象の停止期間を選択して、当該選択した基準値変更対象の停止期間毎に基準値を決定してよい。
【0057】
まず、補正部260は、複数の停止期間のうち少なくとも1つを、基準値変更対象の停止期間として選択してよい。補正部260は、装置の停止期間の前後でのプロセスデータの変化量に応じて、プロセスデータを補正する基準値を変更する。補正部260は、装置の複数の停止期間のプロセスデータの変化量のうち、プロセスデータの変化量が閾値より大きい場合、又はプロセスデータの変化量がより大きい順にN番目(Nは0より大きい整数)以内である場合、当該プロセスデータの変化量に対応する停止期間を、基準値変更対象の停止期間として選択してよい。このように、補正部260は、自動で基準値変更対象の停止期間を決定できる。
【0058】
また、出力部280は、装置の停止期間の前後でのデータの変化量を出力し、補正部260は、データの変化量の出力に応じた指示を受けて、データを補正する基準値を変更してもよい。出力部280は、装置の複数の停止期間の前後でのデータの変化量を表示装置300に表示させてよい。
【0059】
出力部280は、一例として、複数のデータの変化量を大きな順又は小さな順にランキング形式で表示装置300に表示させてよい。データ処理装置200のユーザは、当該表示装置300の表示に応じて基準値変更対象の停止期間を選択し、選択した停止期間の指示を入力部290を介して補正部260に入力してよい。そして、補正部260は、入力された指示に示された停止期間を基準値変更対象の停止期間と決定してよい。このように、ユーザは、手動で基準値変更対象の停止期間を決定できる。
【0060】
補正部260は、基準値変更対象の停止期間の直後の稼働期間における初期のプロセスデータを用いて基準値を決定してよい。補正部260は、基準値変更対象の停止期間の直後のプロセスデータ又はプロセスデータの一部の平均値を、当該停止期間の後のプロセスデータを補正する基準値としてよい。補正部260は、基準値変更対象の停止期間の直後の稼働期間のプロセスデータのうち、当該停止期間に最も近い複数のプロセスデータの平均値を基準値としてよい。また、補正部260は、ステップS15と同様に、基準値変更対象の停止期間の直後の稼働期間における複数の範囲のプロセスデータを用いて複数の平均値を算出し、複数の平均値の中央値を基準値としてよい。
【0061】
補正部260は、算出部250の算出結果を用いて基準値を算出してよく、また、算出部250から受け取ったプロセスデータから基準値を算出してもよい。
【0062】
ステップS17において補正部260は、データ取得部210が取得したプロセスデータと基準値の差分を算出することにより補正を行う。補正部260は、生のプロセスデータ又はステップS14において平滑化されたプロセスデータと基準値との差分を算出してよい。補正部260は、算出した差分を補正後のプロセスデータとして学習処理部270に供給してよい。
【0063】
ステップS18において学習処理部270は、補正部260により補正されたプロセスデータを用いてプロセスデータの異常の有無を検出する機械学習モデルを生成する。学習処理部270は、ニューラルネットワークモデル又はベイジアンネットワークモデル等を生成してよい。
【0064】
データ処理装置200は、機械学習モデル生成後、取得したデータをステップS11~ステップS17と同様に前処理し、機械学習モデルに適用してプラントの機器の異常判断を実行できる。データ処理装置200は、当該異常判断の結果に応じて、表示装置300に異常の有無、異常アラート等を表示させてよい。また、データ処理装置200は、機械学習モデルを用いて、プラントの機器を正常稼働させるための制御データを生成、出力して、当該機器を制御してもよい。
【0065】
図3は、停止検出用データの一例を示す。横軸は日時を示し、縦軸は対象の装置のエンジンの回転数を示す。
図3において、停止取得部240は、閾値未満になった日時から閾値を超えた日時までを装置の停止期間として検出してよい。このような閾値は、一例として、装置の稼働時が回転数1000rpm程度であるため、150rpmが設定されてよい。
図3では、停止取得部240は、1月6日11時~1月8日10時、1月13日0時~1月13日12時、1月16日11時~1月18日10時、1月24日5時~1月26日4時、1月31日7時~2月1日6時、2月6日0時~2月6日23時の6つの停止期間を取得する。
【0066】
図4は、データ処理装置200におけるプロセスデータの処理を説明するための説明図である。横軸は日時を示し、縦軸は対象の装置に取り付けられたセンサ100から取得される圧力を示す。算出部250は、
図2のステップS14と同様に、生データ(プロセスデータ)の移動平均を算出して平滑化した。
図4は、生データを点で移動平均を実線で示す。
図4では、停止取得部240が取得した6つの停止期間について、1月6日11時~1月8日10時をY1、1月13日0時~1月13日12時をY2、1月16日11時~1月18日10時をY3、1月24日5時~1月26日4時をY4、1月31日7時~2月1日6時をY5、2月6日0時~2月6日23時をY6として示す。
【0067】
図5は、データ処理装置200におけるプロセスデータの処理を説明するための説明図である。横軸は日時を示し、縦軸は対象の装置に取り付けられたセンサ100から取得される圧力を示す。算出部250は、
図2のステップS15と同様に、停止期間で区切られた複数の稼働期間の各々について、初期のプロセスデータの平均値と後期のプロセスデータの平均値とを算出する。
【0068】
平均値aは、最初の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、検出開始(装置の始動)から5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値bは、停止期間Y1の直前の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y1に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値cは、停止期間Y1の直後の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y1に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値dは、停止期間Y2の直前の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y2に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値eは、停止期間Y2の直後の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y2に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値fは、停止期間Y3の直前の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y3に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値gは、停止期間Y3の直後の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y3に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。
【0069】
平均値hは、停止期間Y4の直前の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y4に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値iは、停止期間Y4の直後の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y4に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値jは、停止期間Y5の直前の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y5に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値kは、停止期間Y5の直後の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y5に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値lは、停止期間Y6の直前の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y6に最も近い5、6,7,8,9,10%のプロセスデータの平均値の中央値である。平均値mは、停止期間Y6の直後の稼働期間の全プロセスデータ100%のうち、停止期間Y6に最も近い5、6,7,8,9,及び10%のプロセスデータの平均値の中央値である。
【0070】
図6は、データ処理装置200におけるプロセスデータの処理を説明するための説明図である。横軸は日時を示し、縦軸は対象の装置に取り付けられたセンサ100から取得される圧力を示す。算出部250は、
図2のステップS15と同様に、各停止期間の前後のプロセスデータの差分を算出する。
【0071】
差分y1は、停止期間Y1の直前の平均値bと停止期間Y1の直後の平均値cの差分である。差分y2は、停止期間Y2の直前の平均値dと停止期間Y2の直後の平均値eの差分である。差分y3は、停止期間Y3の直前の平均値fと停止期間Y3の直後の平均値gの差分である。差分y4は、停止期間Y4の直前の平均値hと停止期間Y4の直後の平均値iの差分である。差分y5は、停止期間Y5の直前の平均値jと停止期間Y5の直後の平均値kの差分である。差分y6は、停止期間Y6の直前の平均値lと停止期間Y6の直後の平均値mの差分である。
【0072】
図7は、出力部280により表示装置300に表示させる表示画面の一例を示す。
図7のように、出力部280は、算出部250が算出した変化量を大きな順にランキング形式で表示装置300に表示させる。
図7において差分は、平均値の差の絶対値を示す。ユーザは、
図7のような表示画面を見て基準値変更対象の停止期間を選択できる。
【0073】
図8は、補正後のプロセスデータの一例を示す。補正部260は、基準値変更対象の停止期間をY1,Y3,Y4に決定し、補正を行う。補正部260は、
図5に示すような算出部250が算出した平均値を基準値として用いて補正を行う。補正部260は、検出開始から停止期間Y1までのプロセスデータは、平均値aとの差分を算出して補正後のプロセスデータとする。補正部260は、停止期間Y1から停止期間Y3までの各プロセスデータと平均値cとの差分を算出して補正データとする。補正部260は、停止期間Y3から停止期間Y4までの各プロセスデータと平均値gとの差分を算出して補正後のプロセスデータとする。補正部260は、停止期間Y4以降の各プロセスデータと平均値iとの差分を算出して補正後のプロセスデータとする。
【0074】
図8に示すように、本実施形態のデータ処理装置200で補正されたデータは、メンテナンス等によるセンサ100等の検出値のズレを効率的に補正することができる。従って、データ処理装置200は、当該補正後のデータを学習処理に用いることで、装置の異常を高精度に予測することができる。
【0075】
なお、本実施形態のデータ処理装置200で用いられる複数の閾値、N番目のNの値、平均値を算出する際のプロセスデータの範囲、及び分解能は、ユーザにより予め設定された値であってよい。また、本実施形態のデータ処理装置200は、プラントで用いられることに限定されず、プラント以外の機器に関するデータを取得する場合にも適用可能である。
【0076】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階又は(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階及びセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0077】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0078】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置200のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0080】
図10は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作又は当該装置の1又は複数のセクションとして機能させることができ、又は当該操作又は当該1又は複数のセクションを実行させることができ、及び/又はコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0081】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、及びディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、及びICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230及びキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0082】
CPU2212は、ROM2230及びRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0083】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラム又はデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0084】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0085】
プログラムが、DVD-ROM2201又はICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、又はROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0086】
例えば、通信がコンピュータ2200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0087】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0088】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0089】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上又はコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0091】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0092】
10 管理システム
100 センサ
110 端末
200 データ処理装置
210 データ取得部
220 記憶部
230 検出部
240 停止取得部
250 算出部
260 補正部
270 学習処理部
280 出力部
300 表示装置
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード