(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G01D 21/00 20060101AFI20240910BHJP
G05B 19/418 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
G01D21/00 Z
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2022059836
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 菜々子
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-73272(JP,A)
【文献】特開昭60-177202(JP,A)
【文献】特開2019-164542(JP,A)
【文献】特開2020-9115(JP,A)
【文献】国際公開第2020/246209(WO,A1)
【文献】特開平5-298223(JP,A)
【文献】特開2006-262130(JP,A)
【文献】特開2014-48901(JP,A)
【文献】特開2021-192315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00
G05B 19/418、19/04-19/05、
23/02
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定システムを構成する複数の機器と、
前記複数の機器それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得する取得部と、
前記取得部の取得結果に基づいて、前記複数の機器のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更するシステム構成設定部と、
を備え、
前記システム構成設定部は、機器の識別ID及び機器の配置場所の組合せと、機器の機器設定とを対応付けて記述するデータベースを参照することによって、前記少なくとも1つの機器の機器設定を変更し、
前記システム構成設定部は、前記複数の機器のうち、前記データベースに示されるとおりに機器設定されていない機器の機器設定を変更するための処理を実行し、前記データベースに示されるとおりに機器設定されている機器の機器設定を変更するための処理は実行しない、
管理システム。
【請求項2】
測定システムを構成する複数の機器と、
前記複数の機器それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得する取得部と、
前記取得部の取得結果に基づいて、前記複数の機器のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更するシステム構成設定部と、
を備え、
前記測定システムは、シートを測定し、
前記複数の機器は、
前記シートが内側を通過するように設けられたフレーム機器と、
前記フレーム機器に搭載されたセンサ機器と、
を含み、
前記システム構成設定部は、前記複数の機器のうちの少なくとも前記センサ機器の機器設定を変更
し、
前記システム構成設定部は、機器の識別ID及び機器の配置場所の組合せと、機器の機器設定とを対応付けて記述するデータベースを参照することによって、前記少なくとも1つの機器の機器設定を変更し、
前記システム構成設定部は、前記複数の機器のうち、前記データベースに示されるとおりに機器設定されていない機器の機器設定を変更するための処理を実行し、前記データベースに示されるとおりに機器設定されている機器の機器設定を変更するための処理は実行しない、
管理システム。
【請求項3】
前記複数の機器は、複数の測定システムを構成し、
前記システム構成設定部は、前記複数の測定システムそれぞれについて、機器の識別IDと、機器の配置場所と、機器の機器設定とを対応付けて記述するデータベースを参照することによって、前記少なくとも1つの機器の機器設定を変更する、
請求項1
又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
測定システムを構成する複数の機器それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得することと、
取得結果に基づいて、前記複数の機器のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更することと、
を含み、
前記変更することでは、機器の識別ID及び機器の配置場所の組合せと、機器の機器設定とを対応付けて記述するデータベースを参照することによって、前記少なくとも1つの機器の機器設定を変更し、
前記変更することでは、前記複数の機器のうち、前記データベースに示されるとおりに機器設定されていない機器の機器設定を変更するための処理を実行し、前記データベースに示されるとおりに機器設定されている機器の機器設定を変更するための処理は実行しない、
管理方法。
【請求項5】
測定システムを構成する複数の機器それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得することと、
取得結果に基づいて、前記複数の機器のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更することと、
を含み、
前記測定システムは、シートを測定し、
前記複数の機器は、
前記シートが内側を通過するように設けられたフレーム機器と、
前記フレーム機器に搭載されたセンサ機器と、
を含み、
前記変更することでは、前記複数の機器のうちの少なくとも前記センサ機器の機器設定を変更
し、
前記変更することでは、機器の識別ID及び機器の配置場所の組合せと、機器の機器設定とを対応付けて記述するデータベースを参照することによって、前記少なくとも1つの機器の機器設定を変更し、
前記変更することでは、前記複数の機器のうち、前記データベースに示されるとおりに機器設定されていない機器の機器設定を変更するための処理を実行し、前記データベースに示されるとおりに機器設定されている機器の機器設定を変更するための処理は実行しない、
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、シート測定用のフレーム機器に搭載されたセンサ機器を交換することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、センサ機器を交換する度に、フレーム機器やセンサ機器の機器設定を手動で変更していた。そのため、機器設定に伴う作業負担が大きいという問題があった。
【0005】
本発明の一側面は、機器設定に伴う作業負担を軽減することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面に係る管理システムは、測定システムを構成する複数の機器と、複数の機器それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得する取得部と、取得部の取得結果に基づいて、複数の機器のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更するシステム構成設定部と、を備える。
【0007】
一側面に係る管理方法は、測定システムを構成する複数の機器それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得することと、取得結果に基づいて、複数の機器のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機器設定に伴う作業負担を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る管理システム100の概略構成の例を示す図である。
【
図2】フレーム機器2及びセンサ機器3の概略構成の例を示す図である。
【
図4】管理システム100において実行される処理(管理方法)の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る管理システム100の概略構成の例を示す図である。管理システム100は、複数の機器1と、管理装置4とを含む。複数の機器1は、測定システムMSを構成する。
【0012】
複数の機器1は、1つ以上のフレーム機器2と、1つ以上のセンサ機器3とを含む。
図1には、3つのフレーム機器2及び3つの複数のセンサ機器3が例示される。各フレーム機器2を区別できるように、フレーム機器2-1~フレーム機器2-3と称し図示する。各センサ機器3を区別できるように、センサ機器3-1~センサ機器3-3と称し図示する。
【0013】
複数の機器1に、識別IDが付与される。識別IDは、例えば、文字列、数字列等で表される。識別IDには、機種名等が含まれてもよい。機器1は、識別IDを有するように構成される。例えば、識別IDが、機器1の内部の記憶部に記憶されたり、機器1の外観に含められたりする。後者の場合、識別IDを示す文字列等、1次元又は2次元バーコード等が機器1の外表面上に設けられてよい。
【0014】
一実施形態において、測定システムMSは、シートを測定する。例えば、シートの厚さが測定される。シートの例は、紙、樹脂、電池電極シート等である。シートの測定に用いられるフレーム機器2及びセンサ機器3について、
図2も参照して説明する。
【0015】
図2は、フレーム機器2及びセンサ機器3の概略構成の例を示す図である。測定対象のシートを、シート9と称し図示する。シート9は、製造工程に置かれるとともに、黒塗り矢印で示される方向に搬送される。製造工程の例は、塗工工程、乾燥工程等である。
【0016】
フレーム機器2は、シート9が内側を通過するように設けられる。
図2には、フレーム機器2の構成要素のうち、フレーム21及びセンサヘッド22が符号を付して示される。フレーム21は、シート9が内側を通過できるリング形状を有する。このようなフレーム21は、O型フレーム等とも称される。センサヘッド22は、この例では、シート9を挟んで互いに反対側に配置される一対のセンサヘッドであり、フレーム21に係留等することによって支持される。センサヘッド22は、フレーム内をシート9の搬送方向と交差する方向(例えば直交する方向)に移動することによって、シート9を走査する。センサヘッド22は、例えば図示しないアクチュエータ(モータ等)によって駆動される。
【0017】
センサ機器3は、フレーム機器2、より具体的にはフレーム機器2のセンサヘッド22に搭載される。センサ機器3は、例えば、β線、X線等の放射線源と、放射線検出器とを含む。一方のセンサヘッド22にセンサ機器3の放射線源が搭載され、他方のセンサヘッド22にセンサ機器3の放射線検出器が搭載される。一方のセンサヘッド22からの放射線は、シート9を透過して、他方のセンサヘッド22で検出される。これにより、シート9を透過した放射線の透過量や減衰量(透過率や減衰率でもよい)が検出される。例えばシート9の透過率等とシート9の厚さとの関係を示す検量線に基づいて、シート9の厚さが算出される。
【0018】
例えば上記のようにセンサ機器3が搭載された複数のフレーム機器2それぞれが、シート9の塗工工程の前後の位置、乾燥工程の前後の位置等に配置され、各位置でシート9の厚さが測定される。
【0019】
図1に戻り、フレーム機器2は、上述のフレーム21及びセンサヘッド22の他に、演算部23を含む。演算部23は、フレーム機器2のセンサヘッド22に搭載されたセンサ機器3の検出結果に基づく演算を行う。例えば上述のシート9の厚さを算出するための演算が行われる。演算部23は、専用に設計された回路等を含んで構成されてもよいし、汎用のプロセッサ等を含んで構成されてもよい。
【0020】
上述のフレーム機器2及びセンサ機器3を含む複数の機器1それぞれについて、機器設定が行われる。機器1の種類等に応じたさまざまな機器設定(の項目)が存在する。フレーム機器2の機器設定の例は、歪み等による補正データの設定、走査プロファイルの設定等である。センサ機器3の機器設定の例は、サンプリング周期の設定等である。
【0021】
複数の機器1それぞれの機器設定、配置場所等の組合せによって、測定システムMSの構成が規定される。この構成を、複数の機器1によるシステム構成とも称する。
【0022】
測定の目的等に応じて、システム構成が変更される。システム構成の変更に際して、機器1の交換、追加等、例えばフレーム機器2のプロセッサの交換、センサ機器3の交換、追加等が行われる。その場合、機器1の機器設定の変更が必要になる。
【0023】
従来は、システム構成を変更する度に、必要な機器設定の変更を手動で行っていた。例えば、作業者やオペレータが、機器1のディップスイッチを手動で切り替えたり、機器設定のための管理装置4の操作を行ったりしていた。多くの機器設定の項目を1つ1つ手作業で変更すると、作業に時間を要し、また、人為的操作によるミスが発生する可能性がある。これに対し、本実施形態では、この後で説明する管理装置4により、必要な機器設定の変更が自動的に行われる。
【0024】
管理システム100の説明に戻り、管理装置4は、複数の機器1それぞれとの間で通信可能に構成され、複数の機器1を管理する。通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。管理装置4は、オペレータが操作可能な測定オペレータステーションである。管理装置4は、取得部41と、演算部42と、システム構成設定部43と、記憶部44とを含む。記憶部44に記憶される情報として、データベース441が例示される。
【0025】
取得部41は、複数のセンサ機器3それぞれの検出結果を取得する。例えば、センサ機器3と管理装置4との間の通信を用いて直接的に、又は、センサ機器3が搭載されたフレーム機器2と管理装置4との間の通信を用いて間接的に、センサ機器3の検出結果が取得される。取得部41は、フレーム機器2の演算部23による演算結果を取得してもよい。
【0026】
取得部41は、複数の機器1それぞれの識別IDを取得する。識別IDの取得手法はとくに限定されない。例えば、識別IDが機器1に記憶されている場合には、機器1と管理装置4との間の通信を用いて識別IDが取得されてよい。識別IDが機器1の外観に含まれている場合には、機器1の撮像画像等を用いて識別IDが取得されてよい。取得部41は、取得に必要な撮像機能、画像認識機能を含んでよい。
【0027】
取得部41は、測定システムMS内の複数の機器1それぞれの配置場所の情報を取得する。以下、配置場所の情報の取得を、単に配置場所の取得とも称する。例えば、フレーム機器2の配置場所は、フレーム機器2の番号等で特定されてよい。センサ機器3の配置場所は、フレーム機器2のセンサヘッド22等で特定されてよい。配置場所の取得方法はとくに限定されない。例えば、配置場所の情報が機器1に記憶されている場合には、機器1と管理装置4との間の通信を用いて、機器1の配置場所が取得されてよい。測定システムMS内に配置された機器1の撮像画像等を用いて、機器1の配置場所が取得されてもよい。
【0028】
取得部41は、複数の機器1それぞれの現在の機器設定(の情報)を取得する。例えば、機器1と管理装置4との間の通信を用いて機器1の現在の機器設定が取得される。
【0029】
演算部42は、取得部41によって取得された複数のセンサ機器3それぞれの検出結果に基づく演算を行う。例えば、各フレーム機器2でのシート9の測定結果に基づく種々の演算が行われる。
【0030】
システム構成設定部43は、複数の機器1によるシステム構成を設定する。システム構成は、先に述べたように、測定システムMSの構成であり、複数の機器1それぞれの機器設定、配置場所等によって規定される。
【0031】
システム構成設定部43は、取得部41の取得結果に基づいて、複数の機器1のうちの少なくとも1つの機器1の機器設定を変更する。例えば、機器設定を変更するための指令等が管理装置4から対応する機器1に送信され、その機器1が自機の機器設定を行う。
【0032】
一実施形態において、システム構成設定部43は、記憶部44に記憶されたデータベース441を参照することによって、機器設定を変更する。データベース441について、
図3を参照して説明する。
【0033】
図3は、データベース441の例を示す図である。この例では、データベース441は、識別IDと、配置場所と、機器設定と、他の情報とを対応付けて記述する。
【0034】
識別IDは、機器1の識別IDを示す。
図3において、識別IDは、フレーム機器2-1等として模式的に示される。
【0035】
配置場所は、測定システムMS内の機器1の配置場所である。機器1を配置可能なさまざまな場所が、その機器1に対応付けられる。
【0036】
機器設定は、機器1の機器設定である。1つの機器1に設定することのできるさまざまな機器設定が、その機器1に対応付けられる。識別ID及び配置場所の組合せに対して、機器設定が一意に定められる。すなわち、データベース441は、識別ID及び配置場所の組合せと、機器設定とを対応付けて記述する。
【0037】
他の情報は、上記以外のあらゆる情報を含んでよい。フレーム機器2の他の情報として、フレーム種別、モータ種別が例示される。センサ機器3の他の情報として、線源種別、温調有無が例示される。
【0038】
図1に戻り、システム構成設定部43は、取得部41の取得結果に示される各機器1の識別ID、配置場所及び現在の機器設定と、データベース441とを比較し、データベース441に示されるとおりに機器設定されていない機器1を検索する。そのような機器1を、設定変更が必要な機器1とも称する。
【0039】
設定変更が必要な機器1を発見した場合、システム構成設定部43は、データベース441に示されるその機器1の機器設定を、データベース441から読み出す。そして、システム構成設定部43は、その機器1の機器設定がデータベース441から読み出した機器設定になるように、その機器1の機器設定を変更する。例えばこのようにして、設定変更が必要な機器1の機器設定が自動的に変更される。
【0040】
なお、システム構成設定部43による設定は、測定シーケンスの設定を含んでよい。測定シーケンスの例は、フレーム機器2の状態のシーケンスであり、具体的には、測定を行う測定状態、測定を行わない待機状態等のシーケンスである。設定された測定シーケンスに従って各フレーム機器2が測定を行うように、例えば管理装置4から各フレーム機器2に指令が送られる。
【0041】
以上で説明した管理システム100によれば、必要な機器設定の変更が自動的に行われる。従って、機器設定に伴う作業負担を軽減することが可能になる。手動での機器設定が不要になり、また、人為的操作によるミスが回避される。製品品質の向上、人件費の削減、機器設定を短時間で完了させることによるリードライム短縮等のメリットもある。
【0042】
図4は、管理システム100において実行される処理(管理方法)の例を示すフローチャートである。具体的な処理はこれまで説明したとおりであるので、詳細な説明は省略する。
【0043】
ステップS1において、機器の識別ID、配置場所、現在の機器設定が取得される。管理装置4の取得部41は、複数の機器1それぞれの識別ID、配置場所及び現在の機器設定を取得する。
【0044】
ステップS2において、データベースに示されるとおりに機器設定されていない機器があるか否かが判断される。管理装置4のシステム構成設定部43は、複数の機器1のうち、データベース441に示される機器設定と異なる機器設定の機器1、すなわち設定変更が必要な機器1があるか否かを判断する。設定変更が必要な機器1がある場合(ステップS2:Yes)、ステップS3に処理が進められる。そうでない場合(ステップS2:No)、ステップS1に処理が戻される。
【0045】
ステップS3において、データベースから機器設定が読み出される。管理装置4のシステム構成設定部43は、先のステップS2で発見した設定変更が必要な機器1の機器設定を、データベース441から読み出す。
【0046】
ステップS4において、機器の機器設定が変更される。管理装置4のシステム構成設定部43は、先のステップS2で発見した設定変更が必要な機器1の機器設定が、先のステップS3でデータベース441から読み出した機器設定になるように、その機器1の機器設定を変更する。その後、ステップS1に処理が戻される。
【0047】
例えば上記のようなフローチャートの処理が、所定周期で繰り返し実行される。測定システムMSにおいて機器1の交換、追加等が行われると、設定変更が必要な機器1が生じるので、そのことがステップS2の処理で検出される。ステップS3及びステップS4の処理により、設定変更が必要な機器1の機器設定が変更される。
【0048】
<第1変形例>
開示される技術は、上記の実施形態に限定されない。いくつかの変形例について述べる。例えば、管理装置4の機能の一部又は全部が、測定システムMSの外部の装置やシステムに備えられてもよい。外部装置の例は、外付けのPC、現場のPC等である。外部システムの例は、クラウドシステム等である。外部装置を用いる例について、
図5を参照して説明する。
【0049】
図5は、変形例を示す図である。管理システム100は、外部装置5を含む。測定システムMS内の管理装置4の一部の機能が、外部装置5に備えられる。この例では、先に説明した
図1の管理装置4の取得部41、システム構成設定部43、及び、データベース441を記憶する記憶部44の機能が、外部装置5に備えられる。
【0050】
外部装置5は、複数の機器1それぞれ及び管理装置4と通信可能である。外部装置5は、取得部51と、システム構成設定部53と、記憶部54とを含む。記憶部54に記憶される情報として、データベース541が例示される。これらの基本的な機能及び用途は、先に
図1を参照して説明した管理装置4の取得部41、システム構成設定部43、記憶部44及びデータベース441と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。なお、外部装置5の機能の一部は、管理装置4の機能と重複してもよい。例えば、外部装置5は、演算部を含んでもよく、その演算部には、管理装置4の演算部42の機能が含まれてよい。
【0051】
図5に示される例では、管理装置4の操作によって、外部装置5に機器設定の変更を指示することができる。そのような指示が管理装置4から外部装置5に送られると、外部装置5のシステム構成設定部53が、設定変更が必要な機器1の機器設定を変更する。例えば、作業者やオペレータは、測定システムMS内の機器1の交換等の作業を行った後、管理装置4を操作してすぐに外部装置5に機器設定の変更を行わせることができる。
【0052】
図5に示される例では、複数の機器1は、複数の測定システムMSを構成する。具体的に、3つの測定システムMSが、測定システムMS-1~測定システムMS-3として例示される。これらの測定システムMSは、同じ領域、例えば同じ工場内に存在していてよい。外部装置5のシステム構成設定部53は、複数の測定システムMSそれぞれについて、複数の機器1によるシステム構成を設定する。その場合に参照されるデータベース541について、
図6を参照して説明する。
【0053】
図6は、データベース541の例を示す図である。この例では、データベース541は、測定システムと、識別IDと、配置場所と、機器設定と、他の情報とを対応付けて記述する。測定システムは、測定システムMSを示し、測定システムMS-1等として模式的に示される。
【0054】
測定システムMS、識別ID及び配置場所の組合せに対して、機器設定が一意に定められる。すなわち、データベース541は、測定システムMS、識別ID及び配置場所の組合せと、機器設定とを対応付けて記述する。システム構成設定部53は、データベース541を参照することにより、機器設定を変更する。
【0055】
上述のような外部装置5を備える管理システム100によっても、必要な機器設定の変更が自動的に行われるので、機器設定に伴う作業負担を軽減することが可能になる。また、データベース541が外部装置5の記憶部54に記憶されるので、複数の測定システムMSそれぞれの情報をまとめて保存し、一元管理することができる。バックアップの作成も容易である。
【0056】
再び
図1を参照し、一実施形態において、複数の機器1どうしの間で、互いの識別ID等の取得を含む通信が行われてよい。例えば、複数のセンサ機器3どうしが通信することで、複数のセンサ機器3の検出結果に基づく演算が可能になる。そのような演算を行う演算部が少なくとも一部のセンサ機器3に備えられてもよいし、そのような演算は、センサ機器3が搭載されたフレーム機器2の演算部23によって行われてもよい。また、複数のフレーム機器2どうしが通信することで、各フレーム機器2の測定タイミング(例えばセンサヘッド22の駆動タイミング)の同期制御が可能になる。複数の機器1が連携し、さまざまな制御、演算等を機器1上で行えるようにすることで、例えば、管理装置4での制御、演算等の負担を軽減し、また、測定システムMSの設計の自由度を向上させることができる。
【0057】
複数の機器1と管理装置4との間の通信において、複数の機器1の一部の機器1が親機器として機能し、残りの機器1が子機器として機能してもよい。子機器と管理装置4との間の通信は、親機器を介して行われてよい。親子関係の通信方式を用いて、各機器1の機器設定を変更することができる。
【0058】
以上で説明した技術は、例えば次のように特定される。開示される技術の1つは、管理システム100である。
図1等を参照して説明したように、管理システム100は、複数の機器1と、取得部41と、システム構成設定部43と、を備える。複数の機器1は、測定システムMSを構成する。取得部41は、複数の機器1それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得する。システム構成設定部43は、取得部41の取得結果に基づいて、複数の機器1のうちの少なくとも1つの機器の機器設定を変更する。
【0059】
上記の管理システム100によれば、機器1の機器設定の変更が自動的に行われる。従って、機器設定に伴う作業負担を軽減することが可能になる。
【0060】
図1及び
図3等を参照して説明したように、システム構成設定部43は、機器1の識別ID及び機器1の配置場所の組合せと、機器1の機器設定とを対応付けて記述するデータベース441を参照することによって、少なくとも1つの機器1の機器設定を変更してよい。その場合、システム構成設定部43は、複数の機器1のうち、データベース441に示されるとおりに機器設定されていない機器1の機器設定を変更してよい。例えばこのようにして、設定変更が必要な機器1の機器設定を変更することができる。
【0061】
図5及び
図6等を参照して説明したように、複数の機器1は、複数の測定システムMSを構成し、システム構成設定部53は、複数の測定システムMSそれぞれについて、機器1の識別IDと、機器1の配置場所と、機器1の機器設定とを対応付けて記述するデータベース541を参照することによって、少なくとも1つの機器1の機器設定を変更してよい。これにより、複数の測定システムMSが存在する場合でも、機器1の機器設定を変更することができる。また、複数の測定システムMSそれぞれの情報をデータベース541で一元管理することができる。
【0062】
図2等を参照して説明したように、管理システム100は、シート9を測定し、複数の機器1は、シート9が内側を通過するように設けられたフレーム機器2と、フレーム機器2に搭載されたセンサ機器3と、を含んでよい。例えばこのようなフレーム機器2やセンサ機器3の機器設定を自動的に変更することができる。
【0063】
図4等を参照して説明した管理方法も、開示される技術の1つである。管理方法は、測定システムMSを構成する複数の機器1それぞれの識別ID及び配置場所の情報を取得すること(ステップS1)と、取得結果に基づいて、複数の機器1のうちの少なくとも1つの機器1の機器設定を変更すること(ステップS4)と、を含む。このような管理方法によっても、これまで説明したように、機器設定に伴う作業負担を軽減することが可能になる。
【符号の説明】
【0064】
100 管理システム
1 機器
2 フレーム機器
21 フレーム
22 センサヘッド
23 演算部
3 センサ機器
4 管理装置
41 取得部
42 演算部
43 システム構成設定部
5 外部装置
51 取得部
53 システム構成設定部
54 記憶部
541 データベース