(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/21 20220101AFI20240910BHJP
【FI】
H04L51/21
(21)【出願番号】P 2022550492
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2021032863
(87)【国際公開番号】W WO2022059560
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2020154496
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 良
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-082436(JP,A)
【文献】特開2010-011435(JP,A)
【文献】特開2005-277976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差出元から受信した前記差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報
の当該複数の宛先のユーザの所属グループに、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれる場合に、前記メッセージ情報に基づいて、前記差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する宛先のユーザに対する第一メッセージ情報と、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先のユーザに対する第二メッセージ情報を
生成し、
前記第二メッセージ情報を一時記憶手段に一時記憶
し、
前記第一メッセージ情報が送信された少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報
に含まれる前記第一メッセージ情報の属性と、前記一時記憶手段が一時記憶する複数の
前記第二メッセージ情報の属性とを比較して、
前記第二メッセージ情報
の属性と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報
に含まれる前記第一メッセージ情報の属性との対応関係を検出し、
前記取消要請として送信されたメッセージ情報に含まれる前記第一メッセージ情報の属性に対応する前記第二メッセージ情報の削除を行うと判定
する
管理装置。
【請求項2】
前記差出元から受信した前記メッセージ情報の前記属性が示す前記複数の宛先に基づいて、前記複数の宛先のユーザの所属グループに、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定
し、
前記差出元から受信した前記メッセージ情報の前記属性が示す前記複数の宛先のユーザの所属グループに、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれる場合、前記
第二メッセージ情報を前記一時記憶手段に記録する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記差出元から受信した前記メッセージ情報の前記属性が示す前記複数の宛先に基づいて、前記複数の宛先のユーザの所属グループが、前記差出元のユーザの所属グループと一致すると判定した場合、前記差出元から受信した前記メッセージ情報を直ちに送信すると判定する
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
受信したメッセージ情報が、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報であるかを判定し、
前記受信したメッセージ情報が、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報である場合に、前記
第二メッセージ情報を前記一時記憶手段
から削除する
請求項2または請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記複数の宛先のユーザの所属グループに、前記差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループと、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループとがそれぞれ含まれる場合、前記差出元から受信した前記メッセージ情報に基づいて、前記差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する宛先のユーザに対する
前記第一メッセージ情報と、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先のユーザに対する
前記第二メッセージ情報と、をそれぞれ複製し、前記第一メッセージ情報を直ちに送信すると判定し、前記第二メッセージ情報を前記一時記憶手段に記録すると判定する
請求項2から請求項4の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
一時記憶する複数のメッセージ情報の前記一時記憶手段における滞留時間に基づいて、送信対象のメッセージ情報を抽出し、抽出された前記メッセージ情報の送信を指示す
る
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記メッセージ情報は電子メールである請求項1から請求項6の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
差出元から受信した前記差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報
の当該複数の宛先のユーザの所属グループに、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれる場合に、前記メッセージ情報に基づいて、前記差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する宛先のユーザに対する第一メッセージ情報と、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先のユーザに対する第二メッセージ情報を
生成し、
前記コンピュータが、前記第二メッセージ情報を一時記憶し、
前記コンピュータが、
前記第一メッセージ情報が送信された少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報
に含まれる前記第一メッセージ情報の属性と、一時記憶する複数の
前記第二メッセージ情報の属性とを比較して、
前記第二メッセージ情報
の属性と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報
に含まれる前記第一メッセージ情報の属性との対応関係を検出し、
前記取消要請として送信されたメッセージ情報に含まれる前記第一メッセージ情報の属性に対応する前記第二メッセージ情報の削除を行うと判定する
管理方法。
【請求項9】
管理装置のコンピュータを、
差出元から受信した前記差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報
の当該複数の宛先のユーザの所属グループに、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれる場合に、前記メッセージ情報に基づいて、前記差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する宛先のユーザに対する第一メッセージ情報と、前記差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先のユーザに対する第二メッセージ情報を
生成する手段、
前記第二メッセージ情報を一時記憶手段に一時記憶する
手段、
前記第一メッセージ情報が送信された少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報
に含まれる前記第一メッセージ情報の属性と、前記一時記憶手段が一時記憶する複数の
前記第二メッセージ情報の属性とを比較して、
前記第二メッセージ情報
の属性と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報
に含まれる前記第一メッセージ情報の属性との対応関係を検出し、
前記取消要請として送信されたメッセージ情報に含まれる前記第一メッセージ情報の属性に対応する前記第二メッセージ情報の削除を行うと判定する
手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール等のメッセージ情報を管理する管理装置、管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メール等のメッセージ情報を宛先に送信した後に、送信済みのメッセージ情報の送信の取り消しを行う技術がある。たとえば特許文献1の段落0046には、一時保留中のメールを保留メール保存部に保存しておき、そのメールの送信者が、一時保留中のメールの削除指示となる電子メールを送信した場合に、保留メール保存部からそのメールを削除することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような技術において、差出人のユーザの要求によらず、不適切な電子メールの宛先への配信を取り消すことのできる技術が求められている。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する管理装置、管理方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、管理装置は、差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報であって、前記差出元から受信した後に前記複数の宛先のうちの少なくとも一つの宛先に先に送信したメッセージ情報を一時記憶する一時記憶手段と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報の属性と、前記一時記憶手段が一時記憶する複数のメッセージ情報の属性とを比較して、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係を検出し、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係が検出された場合に、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報の削除を行うと判定する検証手段と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、管理方法は、コンピュータが、差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報であって、前記差出元から受信した後に前記複数の宛先のうちの少なくとも一つの宛先に先に送信したメッセージ情報を一時記憶し、前記コンピュータが、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報の属性と、一時記憶する複数のメッセージ情報の属性とを比較して、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係を検出し、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係が検出された場合に、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報の削除を行うと判定する。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、記録媒体は、管理装置のコンピュータを、差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報であって、前記差出元から受信した後に前記複数の宛先のうちの少なくとも一つの宛先に先に送信したメッセージ情報を一時記憶する一時記憶手段、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報の属性と、前記一時記憶手段が一時記憶する複数のメッセージ情報の属性とを比較して、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係を検出し、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、前記少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から前記差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係が検出された場合に、前記差出元から前記少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報の削除を行うと判定する検証手段、として機能させるプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、差出人のユーザの要求によらず、不適切な電子メールの宛先への配信を取り消すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による電子メールシステムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態による管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による管理装置の機能ブロック図を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による管理装置の処理フローを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による管理装置の最小構成を示す図である。
【
図6】本発明の最小構成の管理装置による処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態による管理装置を備えた電子メールシステムを図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は本実施形態による電子メールシステムの概略構成図である。
図1で示すように、電子メールシステム100は、少なくとも管理装置1を含んで構成される。管理装置1は、ユーザが電子メールを送信するために利用する端末3(クライアント装置)と通信ネットワークを介して接続される。管理装置1と端末3とは、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等の通信規則により通信ネットワークを介して互いに情報を送受信する。説明の便宜上、端末3を1つのみ
図1に図示しているが、管理装置1は複数の端末3と通信接続する。各端末3は電子メールの差出元または宛先の何れかとなり得る。管理装置1は、端末3から受信した電子メールを受信する。管理装置1は、端末3から受信した電子メールを例えばインターネット経由で宛先の他の端末(図示せず)に転送する。
【0012】
図2は管理装置のハードウェア構成を示す図である。
図2で示すように、管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、データベース104(データベースを格納した記憶装置)、通信モジュール105等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。なお、端末3も同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
【0013】
図3は管理装置の機能ブロックを示す図である。
管理装置のCPU101は、管理装置1が予め記憶するメール配信制御プログラムを起動する。これにより管理装置1は、受信部11、メール配送制御部12、送信指示部13、再送メール記憶部14、メールサーバ処理部15の各機能を発揮する。
【0014】
受信部11は、端末3より電子メールを受信する。
メール配送制御部12は、受信した電子メールの宛先への配送を制御する。
またメール配送制御部12は、宛先判定部121、検証部122、中断部123、一時記憶部124、抽出部125の各機能を発揮する。
【0015】
宛先判定部121は、差出元から受信した電子メールの属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定する。宛先判定部121は、差出元から受信した電子メールの属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループが、差出元のユーザの所属グループと一致すると判定した場合、当該電子メールを直ちに送信すると判定する。宛先判定部121は、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループと、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループとがそれぞれ含まれる場合、差出元から受信した電子メールに基づいて、差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する宛先のユーザに対する第一電子メールと、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先のユーザに対する第二電子メールと、をそれぞれ複製し、第一電子メールを直ちに送信すると判定し、第二電子メールを一時記憶部124に記録すると判定する。宛先判定部121は、電子メールの属性が示す複数の宛先を参照し、宛先のユーザの属するグループのグループ属性が差出人の属するグループのグループ属性と一致する場合には、その電子メールを直ちに配送すると判定し、宛先のユーザの属するグループのグループ属性が差出人の属するグループのグループ属性と一致しない場合には検証部122で処理を行うと判定する。
検証部122は、受信した電子メールが、配送を中断する対象の電子メールであるか否かを判定し、配送を中断しない場合には受信した電子メールを一時記憶部124へ格納し、配送を中断する場合には中断部123へ配送中断の処理依頼を行う。
【0016】
中断部123は、検証部122で受信した電子メールが取り消しを通知する電子メールであると判定した場合に一時記憶部124に記録されている当該電子メールの配送を中断すると判定し、その中断を、当該電子メールの差出元等に通知するためのエラーメールを生成する。
【0017】
一時記憶部124には、検証部122によって、電子メールの本文、当該電子メールのエンベロープ情報、当該電子メールの送信日時などの電子メールに関する情報が格納される。格納された情報は、その電子メールが宛先へ送信されることが中断される場合には中断部123によって削除され、あるいはその電子メールが宛先へ送信された後に抽出部125によって削除される。
【0018】
抽出部125は、一時記憶部124から送信保留期間の経過した電子メールを抽出し、メール配送処理を再開する。抽出処理を行う契機は任意とするが、例えば定期的に行う方法や、電子メールが一時記憶部124に格納されてから送信保留期間が経過した際に行う方法が挙げられる。
【0019】
送信指示部13は、抽出部125が抽出した電子メールや、中断部123が作成したエラーメールを、メールサーバ処理部15へ出力する。送信指示部13は、送信処理時に一時エラーや恒久エラーが発生した場合は従来のメール配送処理を行う。
再送メール記憶部14は、送信指示部13で一時的に配送に失敗した電子メールを記憶する。
メールサーバ処理部15は、公知のメールサーバの機能を用いて電子メールを配送する。
【0020】
上述の各機能により、管理装置1は、差出元と複数の宛先とを属性として含む電子メールであって、差出元から受信した後に複数の宛先のうちの少なくとも一つの宛先に先に送信した電子メールを一時記憶部124で一時記憶する。検証部122は、少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信された電子メールの属性と、一時記憶部124で一時記憶する複数の電子メールの属性とを比較する。検証部122は、差出元から少なくとも一つの宛先に送信した電子メールと、少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信された電子メールとの対応関係を検出する。検証部122は、差出元から少なくとも一つの宛先に送信した電子メールと、少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信された電子メールとの対応関係が検出できた場合に、当該差出元から少なくとも一つの宛先に送信した電子メールの削除を行うと判定する。
【0021】
上述の管理装置1の処理において、宛先判定部121は、差出元から受信した電子メールの属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定する。そして検証部122は、差出元から受信した電子メールの属性が示す複数の宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれる場合、当該電子メールを一時記憶部124に記録する。
【0022】
また上述の管理装置1の処理において、宛先判定部121は、差出元から受信した電子メールの属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループが、差出元のユーザの所属グループと一致すると判定した場合、当該電子メールを直ちに送信すると判定する。
【0023】
また上述の管理装置1の処理において、宛先判定部121は、受信した電子メールが、複数の宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信された電子メールであるかを判定する。そして検証部122は、受信した電子メールが、複数の宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信された電子メールである場合に、当該電子メールを一時記憶部124に記録する。
【0024】
また上述の管理装置1の処理において、宛先判定部121は、電子メールの属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定する。宛先判定部121は、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループと、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループとがそれぞれ含まれる場合、電子メールに基づいて、差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する宛先のユーザに対する第一電子メール(第一メッセージ情報)と、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先のユーザに対する第二電子メール(第二メッセージ情報)と、をそれぞれ複製する。宛先判定部121は、第一電子メールを直ちに送信すると判定し、第二電子メールを一時記憶部124に記録すると判定する。
【0025】
また上述の管理装置1の処理において、抽出部125は、一時記憶部124で記憶する複数の電子メールの一時記憶部124における滞留時間に基づいて、送信対象の電子メールを抽出し、当該電子メールの送信を指示する。
【0026】
図4は管理装置の処理フローを示す図である。
次に管理装置1を含む電子メールシステム100の処理について順を追って説明する。
【0027】
まず端末3は、ユーザの電子メールソフトウェアの操作に基づいて電子メールを送信する。電子メールには1つまたは複数の宛先の情報が含まれる。端末3が、端末3を差出元とし、複数の宛先の情報を含む電子メールを管理装置1に送信したとする。管理装置1の受信部11は電子メールを受信する(ステップS101)。宛先判定部121は電子メールを受信部11から取得する。
【0028】
宛先判定部121は、電子メールから差出元アドレスと、複数の宛先アドレスとを取得する。宛先判定部121は、差出元アドレスの示すドメインと、複数の宛先アドレスの示すドメインとを比較して、宛先アドレスの示す全てのドメインが差出元アドレスの示すドメインと一致するか、一部の宛先アドレスの示すドメインが差出元アドレスの示すドメインと一致するか、宛先アドレスの示す全てのドメインが差出元アドレスの示すドメインと一致しないかを判定する(ステップS102)。この判定は、電子メールの属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定する処理の一例である。
【0029】
宛先判定部121は、差出元アドレスの示すドメインと、宛先アドレス全ての示すドメインが一致する場合、また宛先アドレスの示す全てのドメインが差出元アドレスの示すドメインと一致しない場合、直ちに、その各宛先へ電子メールを送信すると判定する(ステップS103)。そして宛先判定部121は、差出元アドレスの示すドメインと、複数の宛先アドレスの示す全てのドメインが一致する場合、また宛先アドレスの示す全てのドメインが差出元アドレスの示すドメインと一致しない場合、その電子メールを送信指示部13へ出力する。送信指示部13は電子メールをメールサーバ処理部15へ出力する。これによりメールサーバ処理部15は公知の技術により電子メールを宛先へ向けて送信する(ステップS104)。
【0030】
宛先判定部121は、差出元アドレスの示すドメインと、一部の宛先アドレスの示すドメインが一致しない場合、一部の宛先のユーザの所属グループと、差出元のユーザの所属グループとが一致しないと判定する。この場合、宛先判定部121は、検証部122へ電子メールを出力する。検証部122は、電子メールの情報(電子メール、エンベロープ情報、送信日時など)を一時記憶部124へ記録する(ステップS105)。
【0031】
宛先判定部121は、差出元アドレスの示すドメインと複数の宛先アドレスの内の一部の宛先アドレスの示すドメインとが一致し、差出元アドレスの示すドメインと他の宛先アドレスの示すドメインとが一致しない場合、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループと、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループとがそれぞれ含まれると判定する。この場合、宛先判定部121は、取得した電子メールを複製するなどして、差出元アドレスとドメインが一致する宛先アドレスを宛先とする第一電子メールと、差出元アドレスとドメインが一致しない宛先アドレスを宛先とする第二電子メールを生成する(ステップS106)。宛先判定部121は第一電子メールを直ちに送信すると判定して第一電子メールを送信指示部13へ出力する。宛先判定部121は第二電子メールを検証部122へ出力する。送信指示部13は第一電子メールをメールサーバ処理部15へ出力する。これによりメールサーバ処理部15は公知の技術により第一電子メールを宛先へ向けて送信する(ステップS107)。検証部122は、第二電子メールの情報(電子メール、エンベロープ情報、送信日時など)を一時記憶部124へ記録する(ステップS108)。
【0032】
以上の処理により、電子メールが、直ちに宛先に送信される電子メールと、一時記憶部124に一時記録される電子メールとに振り分けられる。直ちに宛先に送信される電子メールは、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれない電子メールである。管理装置1は、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれる場合には、第一電子メールと第二電子メールを複製して、第一電子メールのみを直ちに送信し、第二電子メールは一時記憶部124に記録する。管理装置1は、複数の宛先のユーザの所属グループの全てが、差出元のユーザの所属グループと一致しない場合には、その電子メールを複製することなく一時記憶部124に記録してよい。
【0033】
上述の処理によれば、管理装置1は、電子メールの差出元アドレスの示すドメインと、宛先アドレスの示すドメインとを比較することにより、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定している。しかしながら、管理装置1は、他の処理により、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定してもよい。例えば、差出元アドレスの示すドメインに関するアドレス一覧を管理装置1が記憶し、管理装置1は、そのアドレス一覧に含まれる宛先アドレスについては所属グループが一致すると判定し、そのアドレス一覧に含まれない宛先アドレスについては所属グループが一致しないと判定するようにしてもよい。または、管理装置1は、それ以外の手法により、宛先のユーザの所属グループに、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループが含まれるかを判定してもよい。
【0034】
上述の処理により、差出元のユーザの所属グループに属する宛先のユーザに、直ちに電子メールが送信される。電子メールを受信した宛先端末を利用する宛先のユーザは、その宛先端末を利用して、取消要請の電子メールを差出元の端末3へ返信することができる。一例としては、宛先のユーザは、宛先端末を用いて、受信した電子メールの返信メールを作成して、その返信メールの件名に「取消」や「cancel」などの簡易な文字列を挿入し、返信操作する。宛先端末は取消要請の電子メール(返信メール)を差出元の端末3へ向けて送信する。または、宛先のユーザは、取消要請の電子メール(返信メール)のエンベロープTOの情報として、取消要請の電子メールであることの情報(「cancel」などの情報)を当該電子メールに含ませてもよい。
【0035】
電子メールを受信した宛先端末を利用する宛先のユーザが、その宛先端末を利用して、取消要請の電子メールを差出元の端末3へ返信した場合、管理装置1の受信部11は、取消要請の電子メールを受信する(ステップS109)。宛先判定部121は取消要請の電子メールを受信部11から取得する。宛先判定部121は電子メールの件名の情報を取得し、件名に「取消」や「cancel」などの取消要請の電子メールであることを示す情報(文字列など)が含まれるかを判定する(ステップS110)。
【0036】
または、宛先判定部121は、受信した電子メールのエンベロープTOとして記述されているメールアドレスの情報が、一時記憶部124に記録した電子メールのうちの何れかの電子メールにエンベロープTOとして記述されているメールアドレスの情報と同じであるかを確認して、その電子メールが取消要請の電子メールであると判定してもよい。宛先判定部121は、受信した電子メールのエンベロープTOとして記述されているメールアドレスの情報が、一時記憶部124に記録した電子メールのうちの何れかの電子メールにエンベロープTOとして記述されているメールアドレスの情報と同じである場合、受信した電子メールを取消要請の電子メールであると判定する。
【0037】
宛先判定部121は、取得した電子メールが取消要請の電子メールであると判定した場合、中断部123に、その電子メールを出力する。中断部123は取消要請の電子メールを取得する。
【0038】
中断部123は取消要請の電子メールを取得すると、その取消要請の電子メールのIn-Reply-Toヘッダ値を取得する。中断部123は、一時記憶部124に記憶している電子メールのうち、取消要請の電子メールのIn-Reply-Toヘッダ値に一致するMessage-Idヘッダ値を保持する電子メールを特定する。中断部123は、一時記憶部124に記憶している電子メールのうち、取消要請の電子メールのIn-Reply-Toヘッダ値に一致するMessage-Idヘッダ値を保持する電子メールを、取消要請対象の電子メールであると判定する。中断部123は、取消要請対象の電子メールを一時記憶部124から削除する(ステップS111)。
【0039】
このような中断部123の削除の処理により、差出元のユーザの所属グループに属する宛先のユーザから取消要請のあった電子メールであって、差出元のユーザの所属グループに属さない他の所属グループの宛先のユーザに送信されるべく一時的に一時記憶部124で記憶していた電子メールを、差出元のユーザの所属グループに属する宛先のユーザの意志により削除することができる。差出元のユーザが誤って送信してしまった電子メールを、差出元のユーザの所属グループに属する宛先のユーザが確認して誤送信に気づいた場合に、その宛先のユーザは、差出元のユーザの誤送信の電子メールの送信を取り消すことができる。
【0040】
なお差出元のユーザが、自身が送った電子メールに対する返信の取消要請の電子メールを同様に作成して送信することにより、上記処理により、同様に自身の送信した電子メールを削除することができる。
【0041】
中断部123は、取消要請のあった電子メールを削除した後に、削除した電子メールがエラーであることを示すエラーメールや、削除した電子メールの件名や本文などの情報や、削除件数などの情報を含む削除通知メールを作成してもよい。中断部123は、エラーメールや、削除通知メールを、削除した電子メールの差出元の端末3や、他の所定の端末へ送信するようにしてよい。この場合、中断部123は、エラーメールや、削除通知メールを、送信指示部13へ出力する。送信指示部13は、エラーメールや、削除通知メールの送信をメールサーバ処理部15へ指示する。メールサーバ処理部15はエラーメールや、削除通知メールを所定の端末へ送信する(ステップS112)。これにより、差出元のユーザや、他の管理者は、エラーメールや、削除通知メールを確認して、電子メールの誤送信を確認することができる。
【0042】
一時記憶部124は中断部123によって削除されずに滞留する電子メールを記憶する。そして抽出部125は、一時記憶部124に記録されている電子メールの送信日時や格納日時を取得する。抽出部125は、送信日時や格納日時から現在の日時までの滞留時間を算出する(ステップS113)。抽出部125は、一時記憶部124に記録される各電子メールの滞留時間が、所定の送信保留期間を越えたかを判定する(ステップS114)。抽出部125は、一時記憶部124に記録される各電子メールのうち、滞留時間が、送信保留期間を越えた電子メールを特定し、特定された電子メールを一時記憶部124から抽出する(ステップS115)。抽出部125は抽出した電子メールを送信指示部13へ出力すると共に、その電子メールを一時記憶部124から削除する(ステップS116)。
【0043】
送信指示部13は、抽出部125から取得した電子メールの送信をメールサーバ処理部15へ指示する。メールサーバ処理部15は抽出部125の抽出した電子メールを宛先に送信する(ステップS117)。これにより、中断部123によって削除されずに一時記憶部124に滞留する電子メールが、その宛先に送信される。これにより、一時的に送信を保留した電子メールを、差出元のユーザの所属グループとは異なる所属グループに属する宛先のユーザへ送信することができる。
【0044】
なお、抽出部125は、中断部123によって削除されずに一時記憶部124に滞留する電子メールを抽出して、送信するかどうかを判定する上述の処理を定期的に行うようにしてもよい。
【0045】
なお上述の処理においてメールサーバ処理部15は、宛先へ向けた電子メールの送信に一時エラーや恒久エラーが生じた場合には、その電子メールを再送メール記憶部14に一時的に格納してよい。そしてメールサーバ処理部15は、再送メール記憶部14に一時的に格納した電子メールの再送を定期的に試みるようにしてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の処理によれば、電子メールの差出元のユーザの所属グループに属する誤送信を検出した第三者が、当該電子メールの配送を中断させることができる。
また上述の処理によれば、電子メールの返信によって電子メールの配送を中断させることができるため、ユーザは中断のためにウェブブラウザなどを用意する必要がない。
また上述の処理によれば、電子メール送信という従来から行っている作業で、電子メールの配送を中断させることができるため、ユーザは配送中断用の電子メールのアドレスや件名を覚えるだけでよい。取消要請の電子メールを送信する場合、ユーザは、宛先を従来自身が使っているメールアドレスに「cancel」などを付与したメールアドレスにする、あるいは従来自身が使っているメールアドレスへの当該電子メールの送信時の件名に「cancel」や「取消」などを付与した文字列の件名にするなど、覚えるのが容易なメールアドレスや件名にすることができる。
また上述の処理によれば、電子メールの配送を中断した際には送信者にエラーメールが送信されるため配送を中断したメールを特定することができる。
【0047】
<第二実施形態>
上述の実施形態では、差出元のユーザの所属グループに属する宛先のユーザであれば、電子メールの取消要請を行うことができる。しかしながら、取消要請を行うことのできる宛先のユーザの電子メールの電子メールアドレスのデータテーブルを管理装置1が保持しておき、管理装置1は、このデータテーブルに記録されている電子メールアドレスから返信された取消要請の電子メールのみを受け付けて、受け付けた取消要請の電子メールに基づいて、対応する取消対象となる電子メールを一時記憶部124から削除するようにしてもよい。例えば、取消要請を行うことのできるユーザを、差出元のユーザの上司のみとして、差出元のユーザとその上司の電子メールアドレスの対を、データテーブルに記憶しておく。そして検証部122は、差出元のユーザと、その上司の各電子メールアドレスの対が、データテーブルに記録されている場合に、上司の電子メールアドレスから送信された取消要請の電子メールに基づいて、一時記憶部124に記録されている電子メールを削除するようにしてもよい。
【0048】
<第三実施形態>
また上述の実施形態では、宛先判定部121は、差出元のユーザの所属グループと、宛先のユーザの所属グループとを、ドメインによって判定している。しかしながら、宛先判定部121は、差出元のユーザの所属グループと、宛先のユーザの所属グループとを、各所属グループについて作成されたデータテーブルに基づいて判定してもよい。
【0049】
<第四実施形態>
上述の処理においては、宛先のユーザが取消要請の電子メールを返信することで、一時記憶部124に記録されている電子メールを削除することができる。しかしながら、管理装置1の宛先判定部121は、宛先に直ちに送信すると判定した電子メールに、取消要請用のURL(Uniform Resource Locator)を格納し、その電子メールを送信してもよい。例えば、取消要請用のURLには、差出元から送信された電子メールのMessage-Idヘッダ値を含めておくことでウェブサーバ側にて配送を中断させる電子メールを一意に決めることができる。
【0050】
より具体的には、差出元のユーザの所属グループに属する宛先のユーザは、電子メールを確認し取消要請を行う場合、その電子メールの本文に管理装置1の宛先判定部121の処理によって記述されたURLをクリックする。このURLには差出元から送信された電子メールのMessage-Idヘッダ値が含まれている。宛先のユーザがこのURLをクリックすると、宛先のユーザの端末が、所定のウェブサーバにMessage-Idヘッダ値を含む取消要請信号を送信する。ウェブサーバは、取消要請信号からMessage-Idヘッダ値を取得する。ウェブサーバは、取消要請信号から取得したMessage-Idヘッダ値を含む電子メールが一時記憶部124に記録されているかを判定する。ウェブサーバは、取消要請信号から取得したMessage-Idヘッダ値を含む電子メールが一時記憶部124に記録されている場合、その電子メールを特定して、電子メールを削除する。
【0051】
<第五実施形態>
上述の各実施形態では、メッセージ情報が電子メールであり、管理装置1が電子メールシステム100に含まれて、電子メールの配送を管理する場合の例について説明している。しかしながら、管理装置1は、電子メール以外のメッセージ情報を配信するメッセージ情報配信システムに含まれて、電子メール以外のメッセージ情報を配信するものであってもよい。
【0052】
この場合、管理装置1は端末3からメッセージ情報を受信する。そして管理装置1は、上述の各実施形態と同様に、直ちにメッセージ情報を宛先に配信するか、またはメッセージ情報を複製して第一メッセージ情報と第二メッセージ情報とを生成して、第一メッセージ情報を宛先に配信し、第二メッセージ情報を一時記憶部124に記憶する。そして、第一メッセージ情報の配信先から取消要請のメッセージ情報を受けた管理装置1は、一時記憶した第二メッセージ情報を配信先に配信せずに削除するようにしてよい。これにより、管理装置1は、差出元から受信したメッセージ情報の属性が示す複数の宛先に基づいて、それら宛先のユーザの所属グループが、差出元のユーザの所属グループと一致しないと判定した場合、生成した第二メッセージ情報の配信を行わない。従って、管理装置1は、差出元のユーザの所属グループと一致しない所属グループに属する宛先へのメッセージ情報の配信を、差出元のユーザの所属グループと一致する所属グループに属する他のユーザからの要請に基づいて停止することができる。
【0053】
図5は管理装置の最小構成を示す図である。
図6は最小構成の管理装置による処理フローを示す図である。
管理装置1は、少なくとも一時記憶手段51と、検証手段52とを備えればよい。
一時記憶手段51は、差出元と複数の宛先とを属性として含むメッセージ情報であって、差出元から受信した後に複数の宛先のうちの少なくとも一つの宛先に先に送信したメッセージ情報を一時記憶する(ステップS601)。
検証手段52は、少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報の属性と、一時記憶する複数のメッセージ情報の前記属性とを比較して、差出元から少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係を検出する(ステップS602)。
検証手段52は、差出元から少なくとも一つの宛先に送信したメッセージ情報と、少なくとも一つの宛先のうちの何れかの宛先から差出元に取消要請として送信されたメッセージ情報との対応関係が検出できた場合に、当該差出元から複数の宛先に送信するメッセージ情報として一時記憶したメッセージ情報の削除を行うと判定する(ステップS603)。
【0054】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0055】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0056】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0057】
この出願は、2020年9月15日に出願された日本特願2020-154496号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、例えば、電子メールを管理するために利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・管理装置
3・・・端末
11・・・受信部
12・・・メール配送制御部
13・・・送信指示部
14・・・再送メール記憶部
15・・・メールサーバ処理部
121・・・宛先判定部(宛先判定手段)
122・・・検証部(検証手段)
123・・・中断部
124・・・一時記憶部(一時記憶手段)
125・・・抽出部(抽出手段)
100・・・電子メールシステム