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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】検索装置、検索方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/909 20190101AFI20240910BHJP
【FI】
G06F16/909
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022556284
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2020039503
(87)【国際公開番号】W WO2022085102
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】田中 智章
(72)【発明者】
【氏名】井出 典宏
(72)【発明者】
【氏名】小野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 司
(72)【発明者】
【氏名】卯月 葵
(72)【発明者】
【氏名】岡 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】西田 匡孝
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-096923(JP,A)
【文献】特開2009-186182(JP,A)
【文献】特開2011-034200(JP,A)
【文献】特開2014-066605(JP,A)
【文献】特開2019-149854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の出発地点を指定した検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する選択手段と、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する通知手段と、
を有し、
前記選択手段は、
混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する条件下で前記複数の出発地点各々から前記予め登録された複数の施設各々に行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つを算出し、
前記予め登録された複数の施設の中の、混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する条件下で前記複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、前記集合場所として選択する検索装置。
【請求項2】
前記選択手段は、
前記複数の出発地点に基づき、集合候補エリアを決定し、
前記集合候補エリア内に存在する前記予め登録された複数の施設の中から、前記集合場所とする施設を選択する請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記検索条件取得手段は、施設の利用目的をさらに指定した前記検索条件を取得し、
前記予め登録された複数の施設各々には、利用目的を示す情報が紐付けて登録されており、
前記選択手段は、前記検索条件で指定された利用目的を紐付けられた前記予め登録された複数の施設の中から、前記集合場所とする施設を選択する請求項1又は2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記検索条件取得手段は、集合時間とする時間帯をさらに指定した前記検索条件を取得し、
前記選択手段は、
公共交通手段の混雑状況、前記予め登録された複数の施設の混雑状況、及び前記複数の出発地点各々から出発する人のスケジュールの少なくとも1つに基づき、前記時間帯の中から集合時間を選択し、
公共交通手段の混雑状況に基づき集合時間を選択する場合、前記時間帯の中の、前記複数の出発地点各々から前記集合場所として選択された施設に行く場合に利用される公共交通手段の混雑状況が所定条件を満たす時刻を集合時間として決定し、
前記予め登録された複数の施設の混雑状況に基づき集合時間を選択する場合、前記時間帯の中の、前記集合場所として選択された施設の混雑状況が所定条件を満たす時刻を集合時間として決定し、
前記複数の出発地点各々から出発する人のスケジュールに基づき集合時間を選択する場合、前記時間帯の中の、すべての人のスケジュールが空いている時刻を集合時間として決定する請求項1からのいずれか1項に記載の検索装置。
【請求項5】
前記通知手段は、
前記複数の出発地点、及び前記集合場所として選択された施設の位置を示した地図を出力する請求項1からのいずれか1項に記載の検索装置。
【請求項6】
コンピュータが、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得し、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択し、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知し、
前記施設を選択する処理では、
混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する条件下で前記複数の出発地点各々から前記予め登録された複数の施設各々に行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つを算出し、
前記予め登録された複数の施設の中の、混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する条件下で前記複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、前記集合場所として選択する検索方法。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得する検索条件取得手段、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する選択手段、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する通知手段、
として機能させ
前記選択手段は、
混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する条件下で前記複数の出発地点各々から前記予め登録された複数の施設各々に行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つを算出し、
前記予め登録された複数の施設の中の、混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する条件下で前記複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、前記集合場所として選択するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置、検索方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
特許文献1は、複数の車両の待ち合わせ場所を算出する技術を開示している。当該技術は、複数の車両各々の位置情報に基づき、移動距離、移動時間又はコスト的に優れた待ち合わせ場所を算出する。
【0004】
特許文献2は、複数の人各々の現在位置を取得すると、複数の人の現在位置の略中央にある会議室を、当該複数の人が集まりやすい会議室として選定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-048047号公報
【文献】特開2017-026568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、公共交通手段を利用した移動を考慮して、適切な集合場所を算出する技術を検討した。そして、次のような課題を新たに見出した。
【0007】
感染症の感染防止やストレス軽減などの観点から、混雑した公共交通手段の利用を避けることが好ましい場合がある。このような観点を考慮して適切な集合場所を検索することで、よりユーザニーズに合った集合場所を検索できるようになる。いずれの特許文献も、このような観点を考慮して適切な集合場所を検索する技術を記載も示唆もしていない。
【0008】
本発明は、従来にない手法で、ユーザニーズに合った集合場所を検索できるようにすることを課題とする、
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する選択手段と、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する通知手段と、
を有する検索装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得し、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択し、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する検索方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得する検索条件取得手段、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する選択手段、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する通知手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来にない手法で、ユーザニーズに合った集合場所を検索できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の検索装置のハードウエア構成図の一例である。
図2】本実施形態の検索装置の機能ブロック図の一例である。
図3】本実施形態の検索装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図4】本実施形態の検索装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図5】本実施形態の検索装置が出力する画面の一例を模式的に示す図である。
図6】本実施形態の検索装置が出力する画面の一例を模式的に示す図である。
図7】本実施形態の検索装置が出力する画面の一例を模式的に示す図である。
図8】本実施形態の検索装置が出力する画面の一例を模式的に示す図である。
図9】本実施形態の検索装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の検索装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態の検索装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図12】本実施形態の検索装置が出力する画面の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の検索装置は、予め登録された複数の施設の中から、複数の出発地点にいる複数の人の集合場所として適切な施設を検索し、ユーザに通知する機能を有する。検索装置は、当該検索において、公共交通手段の混雑状況を示す情報を利用する。検索装置は、混雑状況が所定の条件に適合する公共交通手段(例:基準レベル以上に混雑していない公共交通手段)を利用して移動する場合に、距離的、時間的又は費用的な負担が全ての人の間でできるだけ均等になる施設を検索し、その施設を集合場所として選択する。
【0016】
「構成」
次に、検索装置の構成を説明する。まず、検索装置のハードウエア構成の一例を説明する。検索装置の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
図1は、検索装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。図1に示すように、検索装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。検索装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、検索装置は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び/又は論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。検索装置が物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0018】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0019】
次に、検索装置の機能構成を説明する。検索装置は、例えばサーバである。検索装置は、有線及び/又は無線で構成された通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介してクライアント端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、携帯電話等)と繋がる。そして検索装置は、クライアント端末から検索条件を取得し、当該検索条件に基づき所定の検索処理を実行し、検索結果をクライアント端末に返信する。
【0020】
図2は、検索装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、検索装置10は、検索条件取得部11と、選択部12と、通知部13と、記憶部14とを有する。なお、検索装置10は記憶部14を有さなくてもよい。この場合、検索装置10と通信可能に構成された外部装置が記憶部14を備え、検索装置10から記憶部14にアクセスできるように構成される。以下、各機能部の構成を詳細に説明する。
【0021】
検索条件取得部11は、検索条件を取得する。検索条件取得部11は、クライアント端末から検索条件を取得することができる。例えば、ユーザは、クライアント端末を操作して検索条件を指定する入力を行う。クライアント端末は、指定された検索条件を検索装置10に送信する。
【0022】
検索条件では、複数の出発地点が指定される。出発地点は、例えば緯度経度等の位置情報で特定される。検索条件では、さらに移動手段が指定されてもよい。
【0023】
出発地点を指定する入力を実現する手段は、様々である。例えば、クライアント端末は、地図を表示し、その地図上で出発地点を指定する入力を受付けてもよい。その他、クライアント端末は、出発地点を指定する入力として、複数の地点各々の位置情報(緯度経度情報等)に紐付けられた関連情報(住所、施設名、電話番号等)の入力を受付けてもよい。
【0024】
その他、クライアント端末は、予め登録された出発地点の候補の中からいずれかを選択する入力を受付けてもよい。この場合、出発地点の候補が予め検索装置10に登録されている。例えば、以前に出発地点として利用した地点が出発地点の候補として登録されていてもよい。または、ユーザが任意の手段で、自身の自宅や会社の所在地を出発地点の候補として登録してもよい。その他、クライアント端末は、予め登録された駅やバスの停留所の中からいずれかを選択する入力を受付けてもよい。なお、ここでの例示はあくまで一例であり、出発地点を指定する入力はここでの例示に限定されない。
【0025】
移動手段は、「徒歩」、「公共交通手段」、「車両」等である。検索条件では、出発地点ごと、すなわち各出発地点から出発する人ごとに移動手段を指定できてもよい。その他、検索条件では、指定された出発地点の数に関わらず、1つの移動手段のみが指定できてもよい。後者の場合、各出発地点から出発する人すべてがその指定された1つの移動手段で移動するという前提で検索が実行される。
【0026】
なお、検索条件では移動手段は指定されなくてもよい。この場合、予めデフォルト値として設定されていた移動手段で移動するという前提で検索が実行される。また、検索条件では、ここで例示した条件以外の条件が指定されてもよい。その他の条件については、以下で適宜説明する。
【0027】
選択部12は、検索条件で指定された複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する。
【0028】
まず、「予め登録された複数の施設」について説明する。当該施設は、人が集まるのに適した施設である。どのような種類の施設を登録しておくかは当該検索サービスの目的次第である。例えば、飲食店、アミューズメント施設、図書館、駅等のあらゆる人が利用できる施設が登録されてもよい。その他、会社のオフィスや個人の自宅等、特定の人のみが利用できる施設が登録されてもよい。施設の登録は、検索サービスのサービサーが行ってもよい。また、検索サービスのユーザが、自身の検索用に、任意の施設(自身が属する会社のオフィスや、自身及び知人の自宅等)を登録できてもよい。
【0029】
図3に、予め登録された複数の施設の情報の一例を模式的に示す。例えば記憶部14が当該情報を記憶している。図示する情報では、登録された複数の施設を互いに識別するための施設識別情報と、施設名と、各施設の位置情報(緯度経度等)とが互いに紐付けられている。
【0030】
次に、「公共交通手段の混雑状況」について説明する。公共交通手段は、例えば地下鉄、電車、汽車、バス、飛行機、船等である。選択部12は、公共交通手段の混雑状況を示す情報を取得する。検索条件において集合日時等が指定されている場合、選択部12は、その日時やその日時に近い時刻における混雑状況を示す情報を取得することができる。検索条件において集合日時等が指定されていない場合、選択部12は、現時点の混雑状況を示す情報を取得してもよい。公共交通手段の現時点の混雑状況を把握してユーザに通知したり、将来の混雑状況を予測してユーザに通知したりするサービスが広く利用されている。選択部12による公共交通手段の混雑状況を示す情報の取得は、例えばこれらの技術を利用して実現することができる。選択部12は、外部装置から当該情報を取得してもよい。その他、選択部12は、上述した技術を利用して当該情報を生成してもよい。混雑状況は、例えば乗客率(基準定員に対する乗客人数の割合)で示されてもよい。その他、混雑状況は、「がらがら」、「座れる程度にすいている」、「混雑」等のように所定の基準(設計的事項)で示されてもよい。
【0031】
なお、混雑状況を示す情報として、過去の混雑状況の実績から統計的に作成した混雑傾向を用いてもよい。混雑傾向の作成の方法は、例えば以下のような例が考えられる。まず、随時、混雑状況の実績を蓄積する。そして、1日を30分から1時間程度の時間幅に区分し、区分に含まれる過去の混雑状況の平均値等を用いて、区分毎に混雑傾向を算出する。なお、平日・休日で分けて混雑傾向を算出してもよい。また、曜日で分けて混雑傾向を算出してもよい。さらに、季節で分けても混雑傾向を算出してもよい。
【0032】
次に、「集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する処理」について説明する。選択部12は、混雑状況が所定の条件に適合する公共交通手段を利用して移動する場合に、距離的、時間的又は費用的な負担が全ての人(複数の出発地点各々から出発する複数の人)の間でできるだけ均等になる施設を検索し、その施設を集合場所として選択する。「所定の条件」は、例えば「混雑状況が基準レベル未満」である。当該選択を実現するためのアルゴリズムは様々であるが、以下一例を説明する。
【0033】
当該例では、選択部12は、
・複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く場合の最適経路を検索する第1の処理、及び、
・予め登録された複数の施設の中から、最適経路に基づき特定される距離的、時間的又は費用的な負担が全ての人の間でできるだけ均等になる施設を検索する第2の処理、
を実行する。以下、詳細に説明する。
【0034】
第1の処理では、複数の出発地点各々と、予め登録された複数の施設各々とのペア毎に、最適経路を検索する。当該処理の対象とする施設は、予め登録された複数の施設の全てであってもよい。その他、選択部12は、所定の手段で予め登録された複数の施設の中の一部を集合場所の候補として抽出し、抽出した一部を当該処理の対象としてもよい。この場合、抽出されなかった他の一部の施設は、当該処理の対象外となる。当該処理の対象とする一部の施設を抽出する手段の詳細は、以下の実施形態で説明する。
【0035】
選択部12は、最適経路の検索において、公共交通手段の混雑状況を考慮する。まず、選択部12は、取得した公共交通手段の混雑状況を示す情報に基づき、混雑状況が基準レベル未満(例:乗客率が70%未満、「座れる程度にすいている」以下)である公共交通手段を特定する。なお、当該基準レベルは予め設定された固定値であってもよいし、各ユーザが設定・変更できてもよい。
【0036】
そして、選択部12は、混雑状況が所定の条件に適合する公共交通手段を利用して移動する場合に、複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く場合の最適経路を検索する。検索条件で移動手段が指定されている場合には、選択部12は、その移動手段で移動する場合の最適経路を検索する。
【0037】
「混雑状況が所定の条件に適合する公共交通手段」は、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段である。すなわち、選択部12は、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を利用する(すなわち、混雑状況が基準レベル以上の公共交通手段を利用しない)場合に、複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く場合の最適経路を検索する。
【0038】
混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段が存在しない場合、選択部12は、「最もすいている公共交通手段を利用する場合の最適経路」を検索してもよいし、「すいている方から所定数の公共交通手段を利用する場合の最適経路」を検索してもよいし、「混雑状況が上限レベル未満の公共交通手段を利用する場合の最適経路」を検索してもよい。すなわち、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段が存在しない場合には、「最もすいている公共交通手段」、「すいている方から所定数の公共交通手段」、「混雑状況が上限レベル未満の公共交通手段」等が、混雑状況が所定の条件に適合する公共交通手段として選択されてもよい。上記上限レベルの方が、上記基準レベルよりも混雑のレベルが高い。例えば、上限レベルの乗客率は80%であり、基準レベルの乗客率は70%である。なお、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段が存在しない場合、選択部12は、「公共交通手段を利用しない場合の最適経路」を検索してもよい。
【0039】
最適経路は、例えば移動距離が最も小さい経路、移動時間が最も小さい経路、又は移動に要する費用が最も小さい経路である。検索条件において、移動距離、移動時間及び費用の中のいずれを優先するかが指定されていてもよい。そして、選択部12は、指定された項目の値が最も小さい経路を、最適経路として決定してもよい。なお、移動時間の算出においては、道路の渋滞情報が利用されてもよい。最適経路の算出や、各経路の移動距離、移動時間及び費用の算出は、従来の技術を利用して実現できる。
【0040】
ここまでの処理により、図4に示すように、複数の出発地点各々と、予め登録された複数の施設各々とのペア毎に、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を利用する場合の最適経路が決定されるとともに、その移動距離、移動時間及び費用が算出される。
【0041】
次に、第2の処理において、選択部12は、複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く場合の上記決定された最適経路の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つに基づいて、集合場所とする施設を選択する。選択部12は、予め登録された複数の施設の中の、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、集合場所として選択することができる。検索条件において、移動距離、移動時間及び費用の中のいずれを優先するかが指定されていてもよい。そして、選択部12は、指定された項目の値のばらつきの程度に基づき、所定の施設を集合場所として選択してもよい。
【0042】
ばらつきの程度は、値の範囲(最大値と最小値との差)で示すことが好ましいが、その他の指標を用いてもよい。図4に示すように、予め登録された施設毎に、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用等が算出される。選択部12は、予め登録された施設毎に、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離のばらつきの程度、複数の出発地点各々から行く場合の移動時間のばらつきの程度、又は複数の出発地点各々から行く場合の費用のばらつきの程度を算出する。
【0043】
ばらつきの程度が所定の条件を満たす施設は、「ばらつきの程度(値の範囲等)が閾値以下の施設」、「ばらつきの程度(値の範囲)が小さい方から所定数に含まれる施設」等である。
【0044】
図2に戻り、通知部13は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設をユーザに通知する。通知部13は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設を示す情報を、クライアント端末に送信する。クライアント端末は、取得した情報をディスプレイに出力する。
【0045】
例えば、クライアント端末は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設に関する情報(名称、住所、電話番号、サムネイル画像等)を一覧表示した画像を表示してもよい。
【0046】
その他、クライアント端末は、図5に示すように、指定された複数の出発地点(図中、出発(1)乃至(3))と、集合場所として選択された1つ又は複数の施設の位置(図中、集合(1)乃至(3))とを示した地図の画像を表示してもよい。
【0047】
なお、図5では示していないが、各出発地点から各施設までの最適経路や、移動距離、移動時間、費用等がさらに表示されてもよい。しかし、出発地点及び集合場所として選択された施設の数が多いと、出発地点と集合場所のペアの数が多くなり、ペア毎に表示される最適経路、移動距離、移動時間、費用等の情報も多くなる。結果、画面上の情報が過多となり、出力結果を確認し難くなる。そこで、例えば図5に示す画像上で1つの施設が選択された場合に、図6に示すように、その選択された1つの施設と、複数の出発地点各々との間の最適経路や、移動距離、移動時間、費用等が表示されてもよい。同様に、例えば図5に示す画像上で1つの出発地点が選択された場合に、図7に示すように、その選択された1つの出発地点と、集合場所として選択された複数の施設各々との間の最適経路や、移動距離、移動時間、費用等が表示されてもよい。
【0048】
また、例えば図5に示す画像上で1つの施設と1つの出発地点が選択された場合に、図8に示すように、その選択された1つの施設と、その選択された1つの出発地点との間の最適経路及び代替経路や、各経路の移動距離、移動時間、費用等が表示されてもよい。
【0049】
次に、図9のフローチャートを用いて、検索装置10の処理の流れの一例を説明する。なお、ここでの説明は処理の「流れ」を説明することを目的とする。各処理の詳細は上述したので、適宜省略する。
【0050】
まず、検索条件取得部11は、複数の出発地点を指定した検索条件をクライアント端末から取得する(S10)。検索条件では、移動手段や集合日時等がさらに指定されてもよい。
【0051】
次いで、選択部12は、複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く最適経路を検索する(S11)。選択部12は、最適経路の検索において、公共交通手段の混雑状況を考慮する。まず、選択部12は、取得した公共交通手段の混雑状況を示す情報に基づき、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を特定する。そして、選択部12は、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を利用する場合に、複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く場合の最適経路を算出する。当該処理により、図4に示すように、複数の出発地点各々と、予め登録された複数の施設各々とのペア毎に、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を利用する場合の最適経路が決定されるとともに、その移動距離、移動時間及び費用が算出される。
【0052】
S11における最適経路検索処理の対象とする施設は、予め登録された複数の施設の全てであってもよい。その他、選択部12は、所定の手段で、予め登録された複数の施設の中の一部を集合場所の候補として抽出し、抽出した一部を当該処理の対象としてもよい。
【0053】
次に、選択部12は、複数の出発地点各々から予め登録された複数の施設各々に行く場合の上記決定された最適経路の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つに基づいて、集合場所とする施設を選択する(S12)。選択部12は、予め登録された複数の施設の中の、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、集合場所として選択することができる。例えば、検索条件において、移動距離、移動時間及び費用の中のいずれを優先するかが指定されていてもよい。そして、選択部12は、指定された項目のばらつきの程度に基づき、集合場所とする施設を選択してもよい。
【0054】
ばらつきの程度は、例えば値の範囲(最大値と最小値との差)で示される。図4に示すように、予め登録された施設毎に、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用等が算出される。選択部12は、予め登録された施設毎に、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離のばらつきの程度、複数の出発地点各々から行く場合の移動時間のばらつきの程度、又は複数の出発地点各々から行く場合の費用のばらつきの程度を算出する。そして、算出結果が所定の条件を満たす施設を、集合場所として選択する。所定の条件を満たす施設は、「ばらつきの程度(値の範囲等)が閾値以下の施設」、「ばらつきの程度(値の範囲)が小さい方から所定数に含まれる施設」等である。
【0055】
次に、通知部13は、選択された施設をユーザに通知する(S13)。通知部13は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設を示す情報を、クライアント端末に送信する。クライアント端末は、取得した情報をディスプレイに出力する。
【0056】
例えば、クライアント端末は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設に関する情報(名称、住所、電話番号、サムネイル画像等)を一覧表示した画像を表示してもよい。その他、クライアント端末は、図5に示すように、指定された複数の出発地点(図中、出発(1)乃至(3))と、集合場所として選択された1つ又は複数の施設の位置(図中、集合(1)乃至(3))とを示した地図の画像を表示してもよい。
【0057】
「作用効果」
本実施形態の検索装置10は、予め登録された複数の施設の中から、複数の出発地点からの集合場所として適切な施設を検索し、ユーザに通知することができる。そして、検索装置10は、混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する場合に、距離的、時間的又は費用的な負担が全ての人の間でできるだけ均等になる施設を検索し、その施設を集合場所として選択するとともに、ユーザに通知することができる。
【0058】
このように、検索装置10は、「混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用して移動する場合に、距離的、時間的又は費用的な負担が全ての人の間でできるだけ均等になる施設」というユーザのニーズに合った集合場所(施設)を検索し、ユーザに通知することができる。
【0059】
また、検索装置10によれば、複数の出発地点各々から出発する人毎に移動手段を指定することができる。このような検索装置10によれば、より実際の状況にあった条件下で、上記ニーズにあった集合場所(施設)を検索することができる。
【0060】
また、検索装置10によれば、ユーザ自身が集合場所の候補とする施設を登録することができる。このような検索装置10によれば、より検索サービスの利便性が向上する。
【0061】
<第2の実施形態>
本実施形態の選択部12は、検索条件で指定された複数の出発地点に基づき、予め登録された複数の施設の中の一部を集合場所の候補として抽出する。そして、選択部12は、抽出した施設を処理対象として第1の実施形態で説明した第1の処理及び第2の処理を行い、抽出した施設の中から集合場所として適切な1つ又は複数の施設を選択する。
【0062】
ここで、検索条件で指定された複数の出発地点に基づき、予め登録された複数の施設の中の一部を集合場所の候補として抽出する処理を説明する。
【0063】
選択部12は、複数の出発地点に基づき、集合候補エリアを決定する。そして、選択部12は、この集合候補エリア内に存在する施設を、集合場所の候補として抽出する。
【0064】
-抽出処理例1-
例えば、選択部12は、複数の出発地点を結ぶ多角形の内部を集合候補エリアとして決定してもよい。
【0065】
-抽出処理例2-
その他、選択部12は、所定の形状(円、多角形等)のエリアを地図上で移動したり、拡大縮小したりしながら、複数の出発地点の全てを内部に含み、かつ面積が最小となる状態(位置及び大きさ)を求め、その状態のエリアを集合候補エリアとして決定してもよい。
【0066】
-抽出処理例3-
その他、選択部12は、複数の出発地点に基づき基準地点を算出し、その基準地点を中心とした所定の形状および大きさのエリアを集合候補エリアとして決定してもよい。基準地点は、複数の出発地点各々との距離が同じになる地点であるが、その他であってもよい。所定の形状は円、多角形等であるが、これらに限定されない。所定の大きさは、予め定められていてもよいし、ユーザが設定・変更できてもよい。例えば、基準地点を中心とした所定の大きさの円エリアや多角形エリアが集合候補エリアとして決定される。
【0067】
なお、当該例の場合、選択部12は、混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用して、複数の出発地点各々から集合候補エリアに行く場合の移動距離(例えば、最短移動距離)、移動時間(例えば最短移動時間)及び費用(例えば最小費用)の少なくとも1つを算出し、その算出結果に基づき基準地点又は集合候補エリアを修正してもよい。具体的には、選択部12は、複数の出発地点各々から集合候補エリアに行く場合の移動距離、移動時間又は費用がなるべき均等になるように、基準地点又は集合候補エリアを修正する。
【0068】
例えば、選択部12は、移動距離が他に比べて大きい出発地点の方に基準地点又は集合候補エリアを近づけ、移動距離が他に比べて小さい出発地点から基準地点又は集合候補エリアを遠ざけてもよい。又、選択部12は、移動時間が他に比べて大きい出発地点の方に基準地点又は集合候補エリアを近づけ、移動時間が他に比べて小さい出発地点から基準地点又は集合候補エリアを遠ざけてもよい。又、選択部12は、費用が他に比べて大きい出発地点の方に基準地点又は集合候補エリアを近づけ、費用が他に比べて小さい出発地点から基準地点又は集合候補エリアを遠ざけてもよい。
【0069】
次に、図10のフローチャートを用いて、検索装置10の処理の流れの一例を説明する。なお、ここでの説明は処理の「流れ」を説明することを目的とする。各処理の詳細は上述したので、適宜省略する。
【0070】
まず、検索条件取得部11は、複数の出発地点を指定した検索条件をクライアント端末から取得する(S20)。検索条件では、移動手段や集合日時や移動目的等がさらに指定されてもよい。
【0071】
次いで、選択部12は、複数の出発地点に基づき集合候補エリアを決定する(S21)。例えば、選択部12は、上述した抽出処理例1乃至3のいずれかに基づき、集合候補エリアを決定する。
【0072】
次いで、選択部12は、予め登録された複数の施設の中から、集合候補エリア内に存在する施設を抽出する(S22)。
【0073】
次いで、選択部12は、複数の出発地点各々から、抽出された複数の施設各々に行く最適経路を検索する(S23)。選択部12は、最適経路の検索において、公共交通手段の混雑状況を考慮する。まず、選択部12は、取得した公共交通手段の混雑状況を示す情報に基づき、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を特定する。そして、選択部12は、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を利用して、複数の出発地点各々から、抽出された複数の施設各々に行く場合の最適経路を算出する。当該処理により、図4に示すように、複数の出発地点各々と、抽出された複数の施設各々とのペア毎に、混雑状況が基準レベル未満である公共交通手段を利用して移動する場合の最適経路が決定されるとともに、その移動距離、移動時間及び費用が算出される。
【0074】
次に、選択部12は、複数の出発地点各々から抽出された複数の施設各々に行く場合の上記決定された最適経路の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つに基づいて、集合場所として適切な施設を選択する(S24)。選択部12は、抽出された施設の中の、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、集合場所として選択することができる。例えば、検索条件において、移動距離、移動時間及び費用の中のいずれを優先するかが指定されていてもよい。そして、選択部12は、指定された項目のばらつきの程度に基づき、集合場所とする施設を選択してもよい。
【0075】
ばらつきの程度は、例えば値の範囲(最大値と最小値との差)で示される。図4に示すように、抽出された施設毎に、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用等が算出される。選択部12は、抽出された施設毎に、複数の出発地点各々から行く場合の移動距離のばらつきの程度、複数の出発地点各々から行く場合の移動時間のばらつきの程度、又は複数の出発地点各々から行く場合の費用のばらつきの程度を算出する。そして、算出結果が所定の条件を満たす施設を、集合場所として選択する。所定の条件を満たす施設は、「ばらつきの程度(値の範囲等)が閾値以下の施設」、「ばらつきの程度(値の範囲)が小さい方から所定数に含まれる施設」等である。
【0076】
次に、通知部13は、選択された施設をユーザに通知する(S25)。通知部13は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設を示す情報を、クライアント端末に送信する。クライアント端末は、取得した情報をディスプレイに出力する。
【0077】
例えば、クライアント端末は、集合場所として選択された1つ又は複数の施設に関する情報(名称、住所、電話番号、サムネイル画像等)を一覧表示した画像を表示してもよい。その他、クライアント端末は、図5に示すように、指定された複数の出発地点(図中、出発(1)乃至(3))と、集合場所として選択された1つ又は複数の施設の位置(図中、集合(1)乃至(3))とを示した地図の画像を表示してもよい。
【0078】
検索装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。本実施形態の検索装置10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、検索装置10によれば、予め登録された複数の施設の中の一部を集合場所の候補として抽出し、その候補と複数の出発地点各々との最適経路、移動距離、移動時間及び費用等に基づき、抽出した複数の施設の中から集合場所として適切な1つ又は複数を選択することができる。このような検索装置10によれば、最適経路、移動距離、移動時間及び費用等を算出する処理の対象とする施設を減らすことができるので、コンピュータの処理負担を軽減することができる。
【0079】
また、検索装置10は、「複数の出発地点」に基づき、予め登録された複数の施設の中から集合場所の候補を抽出することができる。このため、集合場所に適した施設が含まれるように、当該候補を抽出することができる。
【0080】
<第3の実施形態>
本実施形態の選択部12は、第2の実施形態で説明した手段に加えて又は代えて、予め登録された複数の施設の中の一部を集合場所の候補として抽出する他の手段を有する。
【0081】
本実施形態では、図11に示すように、予め登録された複数の施設各々に、各施設の利用目的を示す情報が紐付けて登録されている。そして、検索条件取得部11は、施設の利用目的をさらに指定した検索条件を取得する。すなわち、図9のS10や図10のS20において、複数の出発地点に加えて、施設の利用目的を指定した検索条件を取得する。
【0082】
選択部12は、予め登録された複数の施設の中から、検索条件で指定された利用目的が紐付けられた施設を、集合場所の候補として抽出する。検索装置10が第2の実施形態で説明した機能を備える場合、選択部12は、予め登録された複数の施設の中から、集合候補エリア内に存在し、かつ利用目的に合った施設(検索条件で指定された利用目的が紐付けられた施設)を抽出する。そして、選択部12は、抽出した施設を処理対象として第1の実施形態で説明した第1の処理及び第2の処理を行い、抽出した施設の中から集合場所として適切な1つ又は複数の施設を選択する。
【0083】
検索装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。本実施形態の検索装置10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、よりユーザのニーズに合った集合場所(利用目的に合った施設)を検索することができる。
【0084】
<第4の実施形態>
本実施形態の検索条件取得部11は、集合時間とする時間帯をさらに指定した検索条件を取得する。集合時間とする時間帯は、例えば午前・午後等の単位で指定できてもよいし、日単位で指定できてもよいし、一日におけるある時間帯で指定できてもよいし(10時から12時等)、一日における互いに離れた複数の時間帯で指定できてもよいし(10時から12時または16時から18時等)、複数日における複数の範囲で指定できてもよいし(10月1日~10月5日のいずれかの日の10時から12時)、その他の手法で指定できてもよい。
【0085】
そして、選択部12は、公共交通手段の混雑状況、予め登録された複数の施設の混雑状況、及び複数の出発地点各々から出発する人のスケジュールの少なくとも1つに基づき、指定された時間帯の中から最適な集合時間を選択する。
【0086】
-集合時間選択例1-
選択部12は、第1乃至第3の実施形態で説明した手法に基づき集合場所とする施設を選択した後、その施設の混雑状況を示す情報を取得する。
【0087】
施設の混雑状況を示す情報は、検索条件で指定された集合する日における施設の予約状況を示す情報であってもよい。当該情報は、例えば施設の予約を管理するサーバから取得することができる。その他、施設の混雑状況を示す情報は、過去の実績から求められた時間帯毎の施設の混雑状況を示す情報(例:1時間毎の混雑状況を示す情報)であってもよい。
【0088】
選択部12は、検索条件で指定された時間帯の中の、施設が最も混雑していない時間帯を特定する。そして、選択部12は、特定した時間帯の中の任意の時刻を、集合時間として決定することができる。その他、選択部12は、検索条件で指定された時間帯の中の、施設の混雑状況が基準レベル以下の時間帯を特定してもよい。そして、選択部12は、特定した時間帯の中の任意の時刻を、集合時間として決定してもよい。
【0089】
この例の場合、選択部12は、集合場所として選択された施設毎に、集合時間を選択してもよい。
【0090】
-集合時間選択例2-
選択部12は、複数の出発地点各々から出発する人のスケジュールを取得する。選択部12は、例えば当該スケジュールを管理するサーバから当該スケジュールを取得することができる。この場合、検索条件において、集合する人各々の識別情報が入力される。選択部12は、当該識別情報で識別される人のスケジュールを取得する。
【0091】
選択部12は、検索条件で指定された時間帯の中の、すべての人のスケジュールが空いている時間帯を特定する。そして、選択部12は、特定した時間帯の中の任意の時刻を、集合時間として決定することができる。
【0092】
-集合時間選択例3-
選択部12は、検索条件で指定された日及び時間帯の中の、公共交通手段の混雑状況が所定条件を満たす時間帯を特定する。所定条件は、検索条件で指定された日の指定された時間帯の中の最も混雑していない時間帯、又は混雑状況が基準レベル未満の時間帯である。そして、選択部12は、特定した時間帯の中の任意の時刻を、集合時間として決定することができる。
【0093】
例えば、選択部12は、第1乃至第3の実施形態で説明した手法に基づき集合場所とする施設を選択した後、複数の出発地点各々からその施設に行くための最適経路に含まれる公共交通手段を特定してもよい。そして、選択部12は、特定した公共交通手段の混雑状況に基づき、上述した手法で集合時間を決定してもよい。
【0094】
その他、選択部12は、第2の実施形態で説明した手法を用いて集合候補エリアを決定した後、指定された出発地点からこの集合候補エリアに行くために利用することになる公共交通手段を特定してもよい。そして、特定した公共交通手段の混雑状況に基づき、上述した手法で集合時間を決定してもよい。
【0095】
なお、選択部12は、集合時間を決定した後、複数の出発地点各々からの出発時間を算出してもよい。そして、通知部13は、当該出発時間をユーザに通知してもよい。出発時間は、例えば集合時間から移動時間分だけ前にさかのぼった時刻とすることができる。
【0096】
検索装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。本実施形態の検索装置10によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、ユーザにとって好ましい集合時間を算出し、通知することができる。さらに、その集合時間に集合するための出発時間を、出発位置毎に算出し、通知することができる。本実施形態の検索装置10によれば、より利便性が向上する。
【0097】
<変形例>
以下、第1乃至第4の実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0098】
-変形例1-
変形例1では、検索条件において、集合する人各々の識別情報が入力される。そして、検索条件を指定したユーザは、集合場所として選択された1つ又は複数の施設(通知部13により通知された1つ又は複数の施設)の中から1つを指定する入力を行う。また、当該ユーザが、検索条件で指定した人をその集まりに招待する招待状を送付する指示入力を行う。
【0099】
通知部13は、上記招待状の送付指示に応じて、ユーザが指定した1つの施設の情報(名称、住所、電話番号等)を、検索条件で指定された人に通知する。施設の情報に加えて、集合する日、集合時間、出発時間、最適経路、ユーザが入力したコメント等が通知されてもよい。
【0100】
通知手段は、電子メール、アプリのプッシュ通知、アプリやウェブサイトにおけるログイン後のユーザページ上での通知等が例示されるが、これらに限定されない。
【0101】
-変形例2-
第1乃至第4の実施形態は、公共交通手段の混雑状況を示す情報を利用し、混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用するという前提で集合場所を選択した。変形例2では、混雑状況が基準未満の公共交通手段を利用するという前提を外して同様の処理を行い、集合場所を選択する。
【0102】
-変形例3-
変形例3では、記憶部14において、予め登録された複数の施設の中の少なくとも一部に紐付けて、その施設の予約を管理する予約サイトのURLが記憶される。そして、集合場所として選択された施設を通知する画面(例:図5乃至8)は、当該画面上で1つの施設を選択し、予約サイトに遷移する入力を行うと、当該URLに基づき当該予約サイトにアクセスできるように構成される。
【0103】
<画面例>
図12に、検索装置10が提供する画面の一例を示す。「目的選択」の画面例は、検索条件として、集合場所とする施設の利用目的を指定するUI(user interface)の一例である。「出発地選択」の画面例は、検索条件として、複数の出発地点を指定するUIの一例である。「日時指定」の画面例は、検索条件として、集合する日及び時間帯を指定するUIの一例である。
【0104】
「オプション選択」の画面例は、検索条件として、その他の項目を指定するUIの一例である。目的地検索で標準を選択した場合、第2の実施形態で説明した集合候補エリア(基準地点を中心とした所定の大きさの円形状のエリア)の円の半径が予め定められた標準的な値となる。一方で、検索半径を選択し、所望の値を入力することで、集合候補エリアの円の半径をカスタマイズできる。経路検索では、集合場所の選択において優先すべき項目が指定される。
【0105】
「目的地選択」の画面例は、選択部12により集合場所として選択された1つ又は複数の施設をユーザに通知するためのUIの一例である。「経路選択」の画面例は、複数の出発地点各々から選択された集合場所に行くための経路を通知するためのUIの一例である。
【0106】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0107】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
1. 複数の出発地点を指定した検索条件を取得する検索条件取得手段と、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する選択手段と、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する通知手段と、
を有する検索装置。
2. 前記選択手段は、
前記複数の出発地点各々から前記予め登録された複数の施設各々に行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つにさらに基づいて、前記集合場所とする施設を選択する1に記載の検索装置。
3. 前記選択手段は、
混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する場合に、前記複数の出発地点各々から前記予め登録された複数の施設各々に行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つを算出する2に記載の検索装置。
4. 前記選択手段は、
前記予め登録された複数の施設の中の、前記複数の出発地点各々から行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つのばらつきの程度が所定の条件を満たす施設を、前記集合場所として選択する2又は3に記載の検索装置。
5. 前記選択手段は、
前記複数の出発地点に基づき、集合候補エリアを決定し、
前記集合候補エリア内に存在する前記予め登録された複数の施設の中から、前記集合場所とする施設を選択する1から4のいずれかに記載の検索装置。
6. 前記選択手段は、
前記複数の出発地点に基づき基準地点を算出し、前記基準地点を中心とした所定の形状及び大きさのエリアを前記集合候補エリアとして決定する5に記載の検索装置。
7. 前記選択手段は、
前記複数の出発地点各々から前記集合候補エリアに行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つの算出結果に基づき、前記基準地点又は前記集合候補エリアを修正する5又は6に記載の検索装置。
8. 前記選択手段は、
混雑状況が基準レベル未満の公共交通手段を利用する場合に、前記複数の出発地点各々から前記集合候補エリアに行く場合の移動距離、移動時間及び費用の少なくとも1つを算出する7に記載の検索装置。
9. 前記検索条件取得手段は、施設の利用目的をさらに指定した前記検索条件を取得し、
前記予め登録された複数の施設各々には、利用目的を示す情報が紐付けて登録されており、
前記選択手段は、前記検索条件で指定された利用目的を紐付けられた前記予め登録された複数の施設の中から、前記集合場所とする施設を選択する1から8のいずれかに記載の検索装置。
10. 前記検索条件取得手段は、集合時間とする時間帯をさらに指定した前記検索条件を取得し、
前記選択手段は、公共交通手段の混雑状況、前記予め登録された複数の施設の混雑状況、及び前記複数の出発地点各々から出発する人のスケジュールの少なくとも1つに基づき、前記時間帯の中から集合時間を選択する1から9のいずれかに記載の検索装置。
11. 前記通知手段は、
前記複数の出発地点、及び前記集合場所として選択された施設の位置を示した地図を出力する1から10のいずれかに記載の検索装置。
12. コンピュータが、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得し、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択し、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する検索方法。
13. コンピュータを、
複数の出発地点を指定した検索条件を取得する検索条件取得手段、
前記複数の出発地点、及び公共交通手段の混雑状況に基づいて、予め登録された複数の施設の中から、前記複数の出発地点からの集合場所とする1つ又は複数の施設を選択する選択手段、
前記集合場所として選択された施設をユーザに通知する通知手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0108】
10 検索装置
11 検索条件取得部
12 選択部
13 通知部
14 記憶部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12