(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】サーバ装置、及びサーバ装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240910BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240910BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2022577814
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2021002519
(87)【国際公開番号】W WO2022162713
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】冬野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】服部 美里
(72)【発明者】
【氏名】石川 稔
(72)【発明者】
【氏名】春山 昌司
(72)【発明者】
【氏名】田島 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】簑輪 要佑
(72)【発明者】
【氏名】大谷 京香
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062415(JP,A)
【文献】米国特許第10867502(US,B1)
【文献】特開2010-055248(JP,A)
【文献】特開2020-149710(JP,A)
【文献】特開2020-119245(JP,A)
【文献】特開2019-139652(JP,A)
【文献】特開2020-042491(JP,A)
【文献】特開2019-121109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人物からなるグループを検出する、検出部と、
前記検出されたグループの属性を算出する、算出部と、
所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御する、制御部と、
利用者の現在位置と前記利用者の関心事情報を対応付けて記憶する利用者情報データベースと、
を備え、
前記検出部は、利用者が所持する端末の現在位置に基づいて、前記所定地域に発生したグループを検出し、
前記算出部は、前記グループを構成する各利用者の前記関心事情報に基づいて前記グループの属性を算出し、
前記制御部は、
前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する
とともに、前記派遣されたサービス車両が目的地に到着すると、前記グループを構成する利用者に対して前記サービス車両の到着を通知し、前記サービス車両の到着が通知された利用者が前記サービス車両の利用を拒否した場合には、前記目的地に到着したサービス車両に対して前記所定地域の巡回を指示する、サーバ装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記サービス車両のうち、前記算出されたグループの属性に応じたサービス、商品の提供が可能な前記サービス車両を選択し、前記選択されたサービス車両を派遣する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記検出部は、カメラ装置から得られる画像データに基づいて、前記所定地域に発生したグループを検出する、請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記カメラ装置から得られる画像データの解析、前記カメラ装置が設置された場所のスケジュール及び前記カメラ装置が設置された場所の特性のうち少なくとも1つに基づいて前記グループの属性を算出する、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記グループの検出に用いられた前記画像データを取得した前記カメラ装置が設置された場所に基づいて、前記検出されたグループの発生位置を算出する、請求項3又は4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記サービス車両に対して前記検出されたグループの発生位置に移動するように指示する、請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
サーバ装置において、
複数の人物からなるグループを検出し、
前記検出されたグループの属性を算出し、
所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御して、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣
し、
利用者の現在位置と前記利用者の関心事情報を対応付けて記憶し、
利用者が所持する端末の現在位置に基づいて、前記所定地域に発生したグループを検出し、前記グループを構成する各利用者の前記関心事情報に基づいて前記グループの属性を算出し、
前記派遣されたサービス車両が目的地に到着すると、前記グループを構成する利用者に対して前記サービス車両の到着を通知し、前記サービス車両の到着が通知された利用者が前記サービス車両の利用を拒否した場合には、前記目的地に到着したサービス車両に対して前記所定地域の巡回を指示する、サーバ装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
グループ内のユーザの影響力を考慮した情報を提供する技術が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された情報提供装置は、グループ形成部と、ポイント算出部と、アイテム選択部と、を備える。グループ形成部は、ユーザ又は端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成する。ポイント算出部は、位置情報の時系列データに基づいて、グループ形成部において形成したグループに含まれた複数の主体それぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出する。ポイント算出部は、特徴行動量に基づいて、各主体に対するポイントを算出する。アイテム選択部は、ポイント算出部において算出したポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
過疎地の高齢者等にとって共通の趣味や関心事を持つ知り合いとの談笑は大きな楽しみの1つである。そのような談笑を目的としてグループが形成される。形成されたグループに、共通の趣味等に関連した商品等が提供されれば、グループメンバーの楽しみはより一層大きくなる。例えば、ケーキなどの甘いものが好きなグループにケーキ等が提供されれば、グループでの談笑はより一層楽しいものとなる。
【0006】
しかしながら、過疎地ではサービスや商品を提供する店舗の数が限られることや、グループメンバーに高齢者が多いことなどから、グループメンバーに適した商品等を届けることは難しい。なお、このような問題は特許文献1に開示された技術では解決できない。特許文献1の技術では、グループ内の影響力が高い人物に適したアイテムが選択されるため、グループを構成する各メンバーの満足度を高くすることはできない。
【0007】
本発明は、グループを形成するメンバーの満足度を向上させることに寄与する、サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、複数の人物からなるグループを検出する、検出部と、前記検出されたグループの属性を算出する、算出部と、所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御する、制御部と、を備え、前記制御部は、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する、サーバ装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両と、前記サービス車両と接続されたサーバ装置と、を含み、前記サーバ装置は、複数の人物からなるグループを検出する、検出部と、前記検出されたグループの属性を算出する、算出部と、前記サービス車両を制御し、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する、制御部と、を備える、システムが提供される。
【0010】
本発明の第3の視点によれば、サーバ装置において、複数の人物からなるグループを検出し、前記検出されたグループの属性を算出し、所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御して、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する、サーバ装置の制御方法が提供される。
【0011】
本発明の第4の視点によれば、サーバ装置に搭載されたコンピュータに、複数の人物からなるグループを検出する処理と、前記検出されたグループの属性を算出する処理と、所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御して、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する処理と、を実行させるプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の各視点によれば、グループを形成するメンバーの満足度を向上させることに寄与する、サーバ装置、システム、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係るグループ情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係るサービス車両情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係るサービス車両の処理構成の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】第2の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作を説明するための図である。
【
図9】第2の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作を説明するための図である。
【
図10】第2の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
【
図11】第2の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図12】第2の実施形態に係るグループ情報データベースの一例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る端末の処理構成の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態に係る利用者登録部の動作を説明するための図である。
【
図15】第2の実施形態に係る車両到着通知部の動作を説明するための図である。
【
図16】第2の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】本願開示に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図18】本願開示の変形例に係る端末の動作を説明するための図である。
【
図19】本願開示の変形例に係る端末の動作を説明するための図である。
【
図20】本願開示の変形例に係る端末の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0015】
一実施形態に係るサーバ装置100は、検出部101と、算出部102と、制御部103と、を備える(
図1参照)。検出部101は、複数の人物からなるグループを検出する。算出部102は、検出されたグループの属性を算出する。制御部103は、所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御する。制御部103は、算出されたグループの属性に応じたサービス車両を属性が算出されたグループに派遣する。
【0016】
サーバ装置100は、所定地域(例えば、過疎地)の各所に発生したグループを検出する。サーバ装置100は、当該検出されたグループのメンバーに共通する趣味や関心事等をグループの属性として算出する。サーバ装置100は、算出したグループの属性に適合するサービス、商品が提供可能なサービス車両をグループの元に派遣する。このように、サーバ装置100は、過疎地等に発生するグループを検出し、当該グループの特徴に応じたサービス車両をグループの元に派遣するので、グループの各メンバーそれぞれの満足度が向上する。また、複数人が集まりグループが発生した場所にサービス車両が自動的に派遣されるので、過疎地等に住む住人の利便性が向上する。
【0017】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0019】
図2は、第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムの概略構成の一例を示す図である。
図2を参照すると、サービス車両派遣システムには、サーバ装置10と、複数のサービス車両20-1~20-3と、複数のカメラ装置30-1~30-3と、が含まれる。
【0020】
以降の説明において、サービス車両20-1~20-3を区別する特段の理由がない場合には、単に「サービス車両20」と表記する。他の構成についても同様に、ハイフンより左側の符号を用いて当該構成を代表して表記する。
【0021】
図2は、3台のサービス車両20を図示しているが、サービス車両20の台数を限定する趣旨ではない。サービス車両派遣システムには、少なくとも1台以上のサービス車両20が含まれていればよい。
【0022】
サーバ装置10とサービス車両20はネットワークを介して接続されている。より具体的には、サーバ装置10とサービス車両20は、4G(第4世代移動通信システム)や5G(第5世代移動通信システム)等の無線通信手段により接続されている。
【0023】
第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムは、地域の各所に発生するグループを検出し、当該検出されたグループの特徴、特質に応じたサービスや商品を提供するための車両(サービス車両20)をグループの元に派遣する。
【0024】
サーバ装置10は、サービス車両派遣システムの全体を制御する装置である。
【0025】
サービス車両20は、所定地域(集落単位、村単位、町単位等)を巡回する車両である。特に限定されないが、第1の実施形態では、サービス車両20は、人が運転操作を行わなくとも自動で走行できる車両として説明を行う。ただし、サービス車両20は、人が運転操作を行う従来型の車両であってもよい。
【0026】
サービス車両20は、少なくとも1種類以上のサービスや商品を上記所定地域の住民に提供する車両である。例えば、サービス車両20-1は、ケーキや和菓子等の販売に特化した車両である。あるいは、サービス車両20-2は、健康に関する商品(例えば、フィットネス器具、サプリメント等)の販売に特化した車両である。
【0027】
サービス車両20は、サーバ装置10から制御可能に構成されている。サービス車両20の動作モードには、「巡回モード」と「派遣モード」が存在する。
【0028】
巡回モードでは、サービス車両20は、予め定められた範囲の中を巡回する。巡回するコースは、予めサービス車両20に入力されていてもよいし、サーバ装置10が当該コースを指定してもよい。サービス車両20の初期モードは「巡回モード」である。即ち、サービス車両20は、サーバ装置10から指示がなければ所定の地域内(村、町等)を巡回する。
【0029】
派遣モードでは、サービス車両20は、サーバ装置10から指示された場所(緯度、経度)に移動する。
【0030】
サービス車両20は、動作モードに関わらず、自車両の現在位置(緯度、経度)を定期的又は所定のタイミングでサーバ装置10に通知する。より具体的には、サービス車両20は、自車両の現在位置を含む「車両位置登録要求」をサーバ装置10に送信する。
【0031】
カメラ装置30は、地域の各所に設置されている。例えば、
図2に示すように、駅前広場、公民館等のイベント会場、病院等に設置されている。サーバ装置10とカメラ装置30は、有線又は無線の通信手段により接続されている。
【0032】
続いて、図面を参照しつつ、サービス車両派遣システムの概略動作について説明する。
【0033】
サーバ装置10は、複数の住民からなるグループを検出する。例えば、
図2の例では、駅前広場に形成されたグループ1、イベント会場に形成されたグループ2、病院の前に形成されたグループ3を検出する。
【0034】
サーバ装置10は、任意の手段を用いてグループを検出する。例えば、サーバ装置10は、地域の各所に設置されたカメラ装置30から得られる画像データを解析し、グループを検出する。
【0035】
例えば、サーバ装置10は、駅前広場に設置されたカメラ装置30-1から取得した画像データを解析し、グループ1を検出する。あるいは、サーバ装置10は、イベント会場に設置されたカメラ装置30-2からの画像データを解析することで、グループ2を検出する。
【0036】
グループを検出すると、サーバ装置10は、検出したグループの属性(特徴)を算出する。サーバ装置10は、種々の方法を用いてグループ属性を算出する。
【0037】
例えば、駅前広場に発生したグループ1に関し、サーバ装置10は、カメラ装置30-1から得られる画像データをさらに解析し、グループ属性を算出する。例えば、サーバ装置10は、カメラ装置30-1から取得した画像データに複数の若い女性が写っていれば当該グループの属性を「甘味」に設定する。即ち、サーバ装置10は、グループ1を構成するメンバーに共通する特徴は「甘いもの好き」と判定する。
【0038】
例えば、イベント会場に発生したグループ2に関し、当該イベント会場でカラオケ大会が開催されていれば、サーバ装置10は、当該グループの属性を「カラオケ」に設定する。なお、サーバ装置10は、イベント会場で行われる催し物のスケジュール等に基づいて上記グループ属性を決定すればよい。イベント会場のスケジュールは、システムの管理者等が予めサーバ装置10に入力してもよいし、サーバ装置10が外部のサーバ等にアクセスして当該スケジュールを取得してもよい。このように、サーバ装置10は、イベント会場で催されるイベントの種類に基づいてグループ属性を決定してもよい。
【0039】
例えば、病院前に発生したグループ3に関し、サーバ装置10は、グループの形成された場所の特性(病院)に基づいて、当該グループの属性を「健康」に設定してもよい。即ち、サーバ装置10は、グループ3を構成するメンバーは「健康」に対する興味が高いと判定する。
【0040】
サーバ装置10は、算出したグループ属性に応じたサービス、商品の提供が可能なサービス車両20をグループの元に派遣する。サーバ装置10は、グループに適したサービス、商品の提供が可能なサービス車両20に対して「移動指示」を送信する。移動指示を受信したサービス車両20の動作モードは、「派遣モード」に切り替わり、サービス車両20は指示された場所に向かって移動する。
【0041】
例えば、グループ属性が「甘味」に設定されたグループ1に対しては、サーバ装置10は、ケーキ等を積み込んだサービス車両20-1をグループ1の元に派遣する。あるいは、「カラオケ」に設定されたグループ2に対しては、サーバ装置10は、カラオケセットやカラオケの音源等を積み込んだサービス車両20-3をグループ2に派遣する。
【0042】
指定された目的地に到着したサービス車両20は、「移動完了通知」をサーバ装置10に送信する。
【0043】
グループを構成する住民は、グループの元に到着したサービス車両20からサービスの提供を受ける、又は、商品の購入を行う。なお、サービス、商品の決済は、生体認証による決済であってもよいし、自動販売機のような決済方法あってもよい。あるいは、人がサービス車両20を運転している場合には、運転手が決済処理を行ってもよい。サービス、商品の決済については、本願の趣旨とは異なるのでより詳細な説明を省略する。
【0044】
続いて、第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0045】
[サーバ装置]
図3は、第1の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図3を参照すると、サーバ装置10は、通信制御部201と、グループ検出部202と、グループ属性算出部203と、サービス車両制御部204と、記憶部205と、を備える。
【0046】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、サービス車両20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、サービス車両20に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0047】
グループ検出部202は、複数の人物からなるグループを検出する手段である。グループ検出部202は、任意の方法を用いてグループを検出する。例えば、グループ検出部202は、地域の各所に設置されたカメラ装置30から得られる画像データに基づいて、地域に発生したグループを検出する。
【0048】
グループ検出部202は、所定の間隔で撮影された複数の画像データの中に複数の人物が継続して写っている場合にグループが発生していると判定してもよい。例えば、グループ検出部202は、10秒ごとに撮影された画像データの中に2人以上の住民が3分間継続して撮影されたような場合に、グループが発生したと判定してもよい。
【0049】
なお、グループ検出部202は、既存の顔画像抽出技術を用いて画像データの中から住民を検出すればよい。グループ検出部202による顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、グループ検出部202は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、グループ検出部202は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
【0050】
また、複数の画像データの中に同一人物が継続して写っているか否かの判定に関し、グループ検出部202は、複数の画像データから抽出された顔画像に基づく1対1照合を用いてもよい。あるいは、グループ検出部202は、顔追跡等のトラッキング技術によって同一人物が継続して写っているか否かの判定をしてもよい。
【0051】
グループを検出すると、グループ検出部202は、グループの検出に用いられた画像データを取得したカメラ装置30が設置された場所に基づいて、検出されたグループの発生位置を算出する。即ち、グループ検出部202は、グループ検出の基礎となった画像データの送信元であるカメラ装置30の設置場所に基づいて、グループの発生位置を算出する。例えば、
図2の例では、カメラ装置30-1から取得した画像データに基づいてグループ1を検出した場合には、グループ検出部202はグループ1の発生位置を「駅前(駅前の緯度、経度)」に設定する。
【0052】
グループ検出部202は、グループを検出すると、当該検出されたグループの情報をグループ情報データベースに記憶する(
図4参照)。
図4を参照すると、グループ情報データベースは、グループIDフィールドと、発生日時フィールドと、発生位置フィールドと、グループ属性フィールドと、状況フィールドと、を含む。
【0053】
グループIDフィールドは、検出されたグループを識別するためのIDを格納するフィールドである。グループ属性フィールドは、算出されたグループ属性を格納するフィールドである。状況フィールドは、グループに対するサービス車両20の派遣状況を格納するフィールドである。
【0054】
グループ検出部202は、グループを検出すると、グループ情報データベースに新規なエントリを追加し、当該追加したエントリにグループID、グループ発生日時、グループ発生位置を記憶する。
【0055】
図4に示すグループ情報データベースは例示であって、グループ情報データベースが記憶する情報を制限する趣旨ではない。例えば、グループ情報データベースは、1台のサービス車両20について複数のグループ属性を記憶してもよい。また、
図4には記載していないが、グループ情報データベースは、各グループの構成人数(メンバー数)を記憶してもよい。
【0056】
グループ属性算出部203は、検出されたグループの属性を算出する手段である。グループ属性算出部203は、様々な方法によりグループ属性を算出する。グループ属性算出部203は、定期的又は所定のタイミングでグループ情報データベースにアクセスし、属性が算出されていないグループを特定する。グループ属性算出部203は、当該特定されたグループの属性を算出する。
【0057】
例えば、グループ属性算出部203は、予め用意された学習モデルを用いてグループ属性を算出してもよい。より具体的には、グループ属性算出部203は、カメラ装置30から取得した画像データを学習モデルに入力することで、グループ属性を取得してもよい。例えば、グループ属性算出部203は、複数の若い女性が写る画像データを学習モデルに入力することで「甘味」のグループ属性を取得してもよい。
【0058】
あるいは、グループ属性算出部203は、学習モデルに画像データを入力することで、グループメンバーの特徴を取得し、当該取得したグループメンバーの特徴からグループ属性を算出してもよい。例えば、グループ属性算出部203は、複数の人物が写る画像データを学習モデルに入力し、当該複数の人物の「性別」や「年齢」等を取得する。グループ属性算出部203は、取得した性別や年齢からグループ属性を算出する。例えば、グループ属性算出部203は、画像データを学習モデルに入力した結果、グループメンバーの性別、年齢が「若い」、「女性」と推定された場合には、画像データに写るグループの属性を「甘味」に設定する。
【0059】
なお、当該学習モデルは、画像データにラベル(グループ属性)が付与された教師データを用いた機械学習を行うことで生成することができる。学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
【0060】
あるいは、グループ属性算出部203は、カメラ装置30が設置されたイベント会場のスケジュール情報に基づいてグループ属性を算出してもよい。例えば、
図2に示すように、グループの検出された時間がカラオケ大会の開催されている時間帯であれば、当該検出されたグループの属性を「カラオケ」に設定する。即ち、グループ属性算出部203は、画像データが取得された場所と時間帯に基づいて、グループ属性を算出してもよい。
【0061】
あるいは、グループ属性算出部203は、カメラ装置30が設置された場所の特徴、特性に基づいてグループ属性を算出してもよい。例えば、
図2に示すように、グループ属性算出部203は、病院の前に形成されたグループの属性を「健康」に設定する。あるいは、映画館に形成されたグループに関し、グループ属性算出部203は、「映画」に設定する。
【0062】
このように、グループ属性算出部203は、カメラ装置30から得られる画像データの解析、カメラ装置30が設置された場所のスケジュール及びカメラ装置30が設置された場所の特性のうち少なくとも1つに基づいてグループ属性を算出する。
【0063】
グループ属性算出部203は、算出したグループの属性をグループ情報データベースに記憶する。なお、グループが検出されても当該グループの属性が算出されない場合もある。そのような場合には、グループ属性算出部203は、グループ属性として「なし」をグループ情報データベースに記憶すればよい。
【0064】
サービス車両制御部204は、所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両20を制御する手段である。サービス車両制御部204は、算出されたグループの属性に応じたサービス車両を当該属性が算出されたグループに派遣する。より具体的には、サービス車両制御部204は、複数のサービス車両20のうち、算出されたグループの属性に応じたサービス、商品の提供が可能なサービス車両20を選択し、当該選択されたサービス車両20をグループの元に派遣する。
【0065】
サービス車両制御部204は、サービス車両情報データベースを用いてサービス車両20の状況、状態等を管理する(
図5参照)。
【0066】
図5に示すように、サービス車両情報データベースは、車両IDフィールドと、現在位置フィールドと、サービス属性フィールドと、状況フィールドと、を含む。
【0067】
車両IDフィールドは、地域を巡回するサービス車両20のIDを格納するフィールドである。
図5では、理解の容易のため、サービス車両20に付与された符号を車両IDとして記載している。
【0068】
現在位置フィールドは、各サービス車両20の現在位置を格納するフィールドである。サービス属性フィールドは、各サービス車両20が提供可能なサービス、商品の特徴(属性)を格納するフィールドである。状況フィールドは、各サービス車両20の運行状況を格納するフィールドである。
【0069】
システムの管理者等は、各サービス車両20に関する車両ID、サービス属性を予めサーバ装置10に入力する。なお、車両IDは、任意の方法によってサーバ装置10とサービス車両20の間で共有される。例えば、新規なサービス車両20をシステムに追加する際、システム管理者が車両IDを採番し、当該車両IDをサービス車両20、サーバ装置10に入力すればよい。
【0070】
図5に示すサービス車両情報データベースは例示であって、サービス車両情報データベースが記憶する情報を制限する趣旨ではない。例えば、サービス車両情報データベースは、1台のサービス車両20について複数のサービス属性を記憶してもよい。また、
図5には記載していないが、サービス車両情報データベースは、各サービス車両20の走行時間や走行距離等を記憶してもよい。
【0071】
サービス車両制御部204は、サービス車両20から「車両位置登録要求」を受信する。サービス車両制御部204は、当該要求に含まれる車両IDに基づいて、車両位置登録要求の送信元であるサービス車両20を特定する。サービス車両制御部204は、サービス車両情報データベースのエントリのうち当該特定されたエントリのサービス車両20について、車両位置登録要求に含まれる現在位置(緯度、経度)に基づき現在位置フィールドを更新する。
【0072】
このように、サービス車両制御部204は、サービス車両20の現在位置をリアルタイムに把握する。
【0073】
サービス車両制御部204は、定期的又は所定のタイミングでグループ情報データベースにアクセスし、グループ属性が設定され、且つ、サービス車両20が派遣されていないグループを特定する。
図4の例では、1行目のグループが特定される。
【0074】
サービス車両制御部204は、特定したグループに派遣するサービス車両20を決定(選択)する。具体的には、サービス車両制御部204は、特定したグループの属性と一致するサービス属性を有し、且つ、地域を巡回中のサービス車両20をグループに派遣するサービス車両20として選択する。
【0075】
より具体的には、サービス車両制御部204は、サービス車両情報データベースのエントリのうち、グループ属性とサービス属性が一致し、且つ、状況フィールドに「巡回中」が設定されているエントリ(サービス車両20)を選択する。
【0076】
図4、
図5の例では、グループ属性として「甘味」が設定されたグループ1に対して、同じサービス属性を持つサービス車両20-1が選択される。
【0077】
グループに派遣するサービス車両20を決定すると、サービス車両制御部204は、当該サービス車両20に対して検出されたグループの発生位置に移動するように指示する。より具体的には、サービス車両制御部204は、派遣車両として決定されたサービス車両20に対して「移動指示」を送信する。移動指示には、派遣先のグループの発生位置(緯度、経度)が含まれる。
【0078】
サービス車両制御部204は、グループ情報データベースにアクセスし、サービス車両20の派遣対象であるグループの状況フィールドに「派遣済」を設定する。また、サービス車両制御部204は、サービス車両情報データベースにアクセスし、派遣されたサービス車両20の状況フィールドに「移動中」を設定する。
【0079】
サービス車両制御部204は、サービス車両20から「移動完了通知」を受信する。サービス車両制御部204は、当該通知に含まれる車両IDからサービス車両20を特定し、サービス車両情報データベースの対応するエントリの状態フィールドに「目的地到着」を設定する。
【0080】
サービス車両制御部204は、目的地(派遣されたグループ)に到着してから所定時間経過(例えば、30分)したサービス車両20に対して「巡回指示」を送信する。
【0081】
記憶部205は、サーバ装置10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0082】
[サービス車両]
図6は、第1の実施形態に係るサービス車両20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図6を参照すると、サービス車両20は、通信制御部301と、車両位置通知部302と、運行制御部303と、記憶部304と、を備える。
【0083】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0084】
車両位置通知部302は、自車両(サービス車両20)の現在位置をサーバ装置10に通知する手段である。車両位置通知部302は、任意の方法によって自車両の現在位置(例えば、緯度、経度)を算出する。例えば、車両位置通知部302は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信して測位を実行し、自車両の緯度、経度等を含む位置情報を生成する。あるいは、車両位置通知部302は、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線アクセスポイントから受信する電波の強度に基づき位置情報を生成してもよい。
【0085】
車両位置通知部302は、自車両に割り当てられた車両IDと当該生成した位置情報(現在位置;緯度、経度)を含む車両位置登録要求をサーバ装置10に送信する。
【0086】
運行制御部303は、サービス車両20の運行を制御する手段である。上述のように、サービス車両20の動作モードには「巡回モード」と「派遣モード」が含まれる。サービス車両20の初期モード(デフォルトモード)は、巡回モードである。
【0087】
巡回モードの場合、運行制御部303は、地域の予め定められた経路を巡回するようにサービス車両20の駆動系(エンジン、ステアリング、ブレーキ等)を制御する。
【0088】
なお、サービス車両20の自動運転には既存の技術を用いることができ、且つ、本願開示の趣旨とも異なるのでより詳細な説明を省略する。
【0089】
運行制御部303は、サーバ装置10から「移動指示」を受信した場合には、動作モードを「派遣モード」に切り替える。派遣モードの場合、運行制御部303は、指定された場所(グループの発生位置)にサービス車両20を移動する。
【0090】
指定された場所に到着すると、運行制御部303は、「移動完了通知」をサーバ装置10に送信する。移動完了通知には、車両IDが含まれる。
【0091】
サーバ装置10から「巡回指示」を受信すると、運行制御部303は、動作モードを「巡回モード」に切り替え、予め定められた経路を巡回するように駆動系を制御する。
【0092】
記憶部304は、サービス車両20の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0093】
[サービス車両派遣システムの動作]
次に、第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作について説明する。
【0094】
図7は、第1の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作の一例を示すシーケンス図である。サービス車両20の現在位置登録に関する動作の説明は省略する。
【0095】
サーバ装置10は、カメラ装置30から得られる画像データを解析する等により、地域に発生したグループを検出する(ステップS01)。
【0096】
サーバ装置10は、検出したグループの属性を算出する(ステップS02)。例えば、サーバ装置10は、画像データを解析する、イベント会場のスケジュールを確認することによりグループ属性を算出する。
【0097】
サーバ装置10は、属性が算出されたグループに派遣するサービス車両20を決定する(派遣車両の決定;ステップS03)。
【0098】
サーバ装置10は、決定されたサービス車両20に対して「移動指示」を送信する(ステップS04)。
【0099】
移動指示を受信したサービス車両20は、指定された場所(グループの発生場所)に向けて移動する(ステップS05)。
【0100】
指定された場所に到着すると、サービス車両20は、「移動完了通知」をサーバ装置10に送信する(ステップS06)。
【0101】
移動完了通知の受信に応じて、サーバ装置10は、サービス車両情報データベースを更新する(ステップS07)。
【0102】
以上のように、第1の実施形態に係るサーバ装置10は、地域に自然発生するグループを検出し、当該グループのメンバーに共通する趣味、趣向等をグループ属性として算出する。サーバ装置10は、算出したグループ属性に適したサービス、商品を提供可能なサービス車両20を選択し、当該選択したサービス車両20をグループの元に派遣する。その結果、グループを構成する各メンバーが強い関心を示すサービス車両20が自動的にグループに派遣されるので、グループのメンバーは特段の労力を払うことなく満足度の高い商品等を購入することができる。即ち、サーバ装置10は、過疎地等に暮らす高齢者が消費をする機会を提供することができる。
【0103】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0104】
第1の実施形態では、不特定多数の住民が地域の各所に形成するグループを検出する場合について説明した。
【0105】
第2の実施形態では、サービス車両20の派遣を希望する住民が、予めサーバ装置10に利用者登録をする場合について説明する。
【0106】
第2の実施形態に係るサービス車両20の処理構成は、第1の実施形態と同一とすることができるのでその説明を省略する。
【0107】
以下、第1及び第2の実施形態の相違点について説明する。
【0108】
図8に示すように、サービス車両20の派遣を希望する住民は、端末40を操作して自身の個人情報をサーバ装置10に入力する。当該個人情報として、氏名、生年月日、性別、住所等の基本的な情報に加え、連絡先(メールアドレス)等が例示される。
【0109】
また、住民は、趣味等の関心事に関する情報(関心事情報)をサーバ装置10に入力する。例えば、ケーキ等の甘い食べ物が好きであれば、住民は、「甘味」をサーバ装置10に入力する。あるいは、カラオケを趣味とする住民は、「カラオケ」をサーバ装置10に入力する。なお、サーバ装置10に入力される関心事は、複数であってもよい。
【0110】
また、サーバ装置10は、登録者に割り当てるユーザIDを生成する。サーバ装置10は、生成したユーザIDを利用者の端末40に払い出す。サーバ装置10は、ユーザID、個人情報及び関心事情報を対応付けて利用者情報データベースに記憶する。
【0111】
端末40は、取得したユーザIDを記憶する。
【0112】
図9に示すように、住民が所持する端末40は、定期的又は所定のタイミングで「利用者位置登録要求」をサーバ装置10に送信する。利用者位置登録要求には、利用者に払い出されたユーザIDと端末40の現在位置が含まれる。
【0113】
サーバ装置10は、受信した利用者情報登録要求に基づいて事前登録された利用者の現在位置を把握する。
【0114】
サーバ装置10は、各利用者の現在位置に基づいてグループの発生を検出する。例えば、
図9に示すように、サーバ装置10は、屋内又は屋外に発生するグループ4を検出する。
【0115】
サーバ装置10は、発生したグループを構成する利用者に共通する情報から当該グループの属性を算出する。例えば、
図9に示すグループ4のメンバーに共通する関心事が「甘味」であれば。サーバ装置10は、当該グループ4の属性を「甘味」に設定する。
【0116】
サーバ装置10は、第1の実施形態と同様に、グループの属性に応じたサービス車両20をグループの元に派遣する。
【0117】
サービス車両20は、目的地に到着すると「移動完了通知」をサーバ装置10に送信する。
【0118】
サーバ装置10は、移動完了通知を受信すると、グループのメンバーに対してサービス車両20の到着を通知する。具体的には、サーバ装置10は、グループのメンバーが使用する端末40に対して「サービス車両到着通知」を送信する。
【0119】
端末40は、サービス車両到着通知を受信したことに応じて、サービス車両20の到着を利用者に通知する。例えば、屋内にいる利用者は、当該通知に応じて屋外に出てサービス車両20からサービスの提供を受ける、又は、商品を購入する。
【0120】
図10は、第2の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図10を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置10の構成に利用者登録部206と、利用者位置管理部207と、が追加されている。
【0121】
利用者登録部206は、サービス車両20の派遣を希望する住人の利用者登録を実現する手段である。利用者登録部206は、端末40から「利用者登録要求」を受信する。その後、利用者登録部206は、利用者(登録者)を識別するためのユーザIDを生成する。
【0122】
利用者登録部206は、ユーザID、個人情報、関心事情報等を対応付けて利用者情報データベースに記憶する(
図11参照)。
【0123】
図11に示す利用者情報データベースは例示であって、利用者情報データベースが記憶する情報を制限する趣旨ではない。例えば、利用者情報データベースは、個人情報を記憶していなくともよい。
【0124】
利用者登録部206は、上記生成されたユーザIDを端末40に送信する。
【0125】
利用者位置管理部207は、利用者登録した利用者の現在位置を管理する手段である。利用者位置管理部207は、住民の端末40から「利用者位置登録要求」を受信する。利用者位置管理部207は、当該要求に含まれるユーザIDをキーとして利用者情報データベースを検索し、対応する利用者を特定する。
【0126】
利用者位置管理部207は、特定した利用者の現在位置フィールドに、利用者位置登録要求に含まれる現在位置(緯度、経度)を設定する。
【0127】
第2の実施形態に係るグループ検出部202は、利用者が所持する端末40の現在位置に基づいて、地域に発生したグループを検出する。グループ検出部202は、定期的又は所定のタイミングで利用者情報データベースにアクセスし、グループの検出を試みる。具体的には、グループ検出部202は、実質的に同じ場所に複数の利用者が存在する場合に、グループが発生していると判定する。グループ検出部202は、複数の利用者における現在位置の差分が所定の値以下である場合に、当該複数の利用者は実質的に同じ場所に存在すると判定する。
【0128】
例えば、
図11の例では、ユーザIDが「uID02」、「uID03」及び「uID05」によるグループが検出される。
【0129】
グループ検出部202は、検出したグループの情報をグループ情報データベースに記憶する(
図12参照)。なお、
図12に示すように、第2の実施形態に係るグループ情報データベースは、グループを構成する利用者のユーザIDを記憶するメンバーIDフィールドを含む。
【0130】
第2の実施形態に係るグループ属性算出部203は、グループ属性を算出する際、グループを構成する各メンバーの個人情報又は関心事情報に基づいてグループ属性を算出する。
【0131】
例えば、グループ属性算出部203は、個人情報、関心事情報のなかから共通する情報を発見し、当該発見された情報からグループ属性を算出する。上記の例では、「甘味」が共通して登録されているので(
図11の2行目、3行目、5行目参照)、グループ属性算出部203は、当該グループの属性を「甘味」に設定する。
【0132】
あるいは、グループ属性算出部203は、利用者の個人情報(例えば、生年月日、性別)から若い女性がグループの構成員であると判断した場合には、当該グループの属性を「甘味」と設定してもよい。
【0133】
グループ属性算出部203は、算出したグループ属性をグループ情報データベースに登録する。
【0134】
第2の実施形態に係るサービス車両制御部204は、サービス車両20から「移動完了通知」を受信すると、当該サービス車両20の派遣先であるグループのメンバーにサービス車両20の到着を通知する。より具体的には、サービス車両制御部204は、グループのメンバーが所持する端末40に「サービス車両到着通知」を送信する。その際、サービス車両制御部204は、派遣されたサービス車両20のサービス属性を含むサービス車両到着通知を送信してもよい。
【0135】
[端末]
図13は、第2の実施形態に係る端末40の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図13を参照すると、端末40は、通信制御部401と、利用者登録要求部402と、利用者位置通知部403と、車両到着通知部404と、記憶部405と、を備える。
【0136】
通信制御部401は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部401は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部401は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部401は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部401は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部401を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0137】
利用者登録要求部402は、サービス車両20の派遣サービスを利用するための登録を行う手段である。利用者登録要求部402は、任意の手段を用いて利用者の個人情報、関心事情報を取得する。例えば、利用者登録要求部402は、上記情報を取得するためのGUI(Graphical User Interface)や入力フォームを表示する。例えば、利用者登録要求部402は、
図14に示すようなGUIを端末40のディスプレイに表示する。
【0138】
利用者登録要求部402は、例えば、
図14に示すようなGUIを用いて個人情報、関心事情報を取得すると、これらの情報を含む「利用者登録要求」をサーバ装置10に送信する。
【0139】
利用者登録要求部402は、利用者登録要求に送信したことに応じて、ユーザIDをサーバ装置10から受信する。利用者登録要求部402は、取得したユーザIDを記憶部405に記憶する。
【0140】
利用者位置通知部403は、利用者の現在位置(端末40の現在位置)をサーバ装置10に通知する手段である。利用者位置通知部403は、GPS信号や無線アクセスポイントから受信する電波の強度等に基づき現在位置を算出する。
【0141】
利用者位置通知部403は、ユーザIDと算出した現在位置(緯度、経度)を含む利用者位置登録要求をサーバ装置10に送信する。
【0142】
車両到着通知部404は、サービス車両20の到着を利用者に通知する手段である。車両到着通知部404は、サーバ装置10から「サービス車両到着通知」を受信すると、例えば、
図15に示すような表示を行う。
図15に示すように、車両到着通知部404は、サービス車両20が到着した旨と合わせて到着したサービス車両20の特徴、属性に関する情報を表示してもよい。
【0143】
あるいは、車両到着通知部404は、音声等を用いてサービス車両20の到着を利用者に通知してもよい。
【0144】
記憶部405は、端末40の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0145】
次に、第2の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作について説明する。
【0146】
図16は、第2の実施形態に係るサービス車両派遣システムの動作の一例を示すシーケンス図である。利用者の現在位置登録に関する動作の説明は省略する。
【0147】
サーバ装置10は、利用者の現在位置に基づいてグループの発生を検出する(ステップS11)。
【0148】
サーバ装置10は、予め登録された、グループのメンバーに共通する情報に基づいてグループ属性を算出する(ステップS12)。
【0149】
サーバ装置10は、未だサービス車両20が派遣されていないグループに対して派遣するサービス車両20を決定する(派遣車両の決定;ステップS13)。
【0150】
サーバ装置10は、決定したサービス車両20に対して「移動指示」を送信する(ステップS14)。
【0151】
サービス車両20は、指定された場所に移動し、指定された場所に到着すると移動完了通知をサーバ装置10に送信する(ステップS15、S16)。
【0152】
サーバ装置10は、サービス車両情報データベースを更新する(ステップS17)。また、サーバ装置10は、グループのメンバーが所有する端末40に対して「サービス車両到着通知」を送信する(ステップS18)。このように、サーバ装置10は、グループに派遣されたサービス車両20が目的地に到着すると、当該グループを構成する利用者に対してサービス車両20の到着を通知する。
【0153】
サービス車両到着通知の受信に応じて、端末40は、サービス車両20が付近に到着した旨をグループメンバーに通知する(ステップS19)。
【0154】
以上のように、第2の実施形態に係るサーバ装置10は、利用者が所持する端末40の現在位置に基づいてグループの発生を検出すると共に、事前に登録された利用者の関心事等に基づいてグループ属性を算出する。サーバ装置10は、利用者により申告された関心事等に基づいてグループ属性を算出するので、より適切な(よりグループのメンバーに歓迎される)サービス車両20を派遣することができる。即ち、利用者の満足度、利便性がより向上する。
【0155】
続いて、サービス車両派遣システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。
図17は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0156】
サーバ装置10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、
図17に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
【0157】
但し、
図17に示す構成は、サーバ装置10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置10に含まれるプロセッサ311等の数も
図17の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置10に含まれていてもよい。
【0158】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0159】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0160】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0161】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0162】
サーバ装置10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0163】
サーバ装置10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置10の機能が実現できる。また、サーバ装置10は、当該プログラムによりサーバ装置10の制御方法を実行する。
【0164】
なお、サービス車両20、端末40の基本的なハードウェア構成はサーバ装置10と相違する点はないので説明を省略する。サービス車両20は、既存の自動運転車に上記説明した各処理モジュールを実行するためのCPUやメモリ等を備えていればよい。端末40は、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の端末とすることができる。
【0165】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明したサービス車両派遣システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0166】
上記実施形態では、サーバ装置10がグループ情報データベース等を有する場合について説明した。しかし、グループ情報データベース等は、サーバ装置10とは異なるデータベースサーバに構築されていてもよい。また、サービス車両派遣システムには、上記実施形態にて説明した各種手段(グループ検出部202、グループ属性算出部203等)が含まれていればよい。
【0167】
第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせてもよい。具体的には、カメラ装置30から取得する画像データを解析して検出されるグループと、端末40の現在位置に基づいて検出されるグループと、が混在していてもよい。サーバ装置10は、これらのグループをサービス車両20の派遣対象としてもよい。
【0168】
第2の実施形態では、端末40から送信されるユーザIDを使ってグループのメンバーを特定することを説明した。しかし、サーバ装置10は、生体認証を使ってグループを形成しているメンバーを特定してもよい。この場合、利用者は、利用者登録の際に自身の生体情報(例えば、顔画像)をサーバ装置10に登録する。サーバ装置10は、地域の各所に設置されたカメラ装置30から得られる画像データに含まれる生体情報と事前登録された生体情報を用いた生体認証によりグループメンバーを特定してもよい。
【0169】
第2の実施形態では、利用者が事前に自身の関心事等をサーバ装置10に入力する場合について説明した。しかし、サーバ装置10は、端末40を介して収集する利用者の情報に基づいて上記関心事等を算出してもよい。具体的には、利用者(住民)の各家庭には、タブレット型の端末40が設置されている。利用者は、当該タブレットを介して日常の生活を送る。例えば、住民は、タブレットを介して家族(親、子供、孫)や支援者(民生員、医療従事者)と会話をする。あるいは、住民は、タブレットを介して商品やサービスの注文を業者に行う。あるいは、住民は、タブレットを介して情報収集を行う。タブレットの会話機能には、電話による通話に加えて、利用者が話をすると内容が自動的にテキスト変換されることでSNS(Social Networking Service)やメールに文章として送付することが含まれる。あるいは、タブレットは、バイタル機器と通信連携をして、住民の健康情報を記録する。タブレットは、利用者との間の会話記録、操作(商品等の注文履歴、情報収集)、健康情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、これらの情報を用いて住民の関心事等を算出してもよい。例えば、ケーキに関する会話や商品注文が多ければ、サーバ装置10は、当該住民の関心事を「甘味」と設定する。なお、サーバ装置10は、住民から収集した情報を予め用意した学習モデルに入力し、対応する関心事を取得してもよい。
【0170】
上記実施形態では、単一の要素でグループ属性やサービス属性を表現する場合について説明した。しかし、グループ属性やサービス属性は、複数の要素(文言)の組み合わせによりグループ属性等を表現してもよい。例えば、イベント会場で行われるコンサートの種類や出演者によってグループ属性が定められていればよい。例えば、若い女性に人気のアイドルグループが開催されているイベント会場に発生したグループの属性は、「コンサート;若年;女性」のように算出されてもよい。この場合、サーバ装置10は、同じサービス属性が設定されたサービス車両20を当該グループの元に派遣すればよい。
【0171】
サーバ装置10は、グループを構成するメンバーの数に応じて、サービス車両20を派遣するか否か、又は、派遣するサービス車両20の台数を決定してもよい。例えば、サーバ装置10は、メンバーの数が少ないグループに対してサービス車両20を派遣せず、将来的に発生する大規模グループに対する派遣に備えてもよい。あるいは、同じグループ属性を持つ複数のグループが実質的に同じタイミングで検出された場合には、サーバ装置10は、グループを構成するメンバーの数に応じてサービス車両20を派遣するか否かを決定してもよい。即ち、サーバ装置10は、グループメンバーの数に応じてサービス車両20の派遣に関するグループの優先度を決定してもよい。あるいは、サーバ装置10は、大人数のメンバーを含むグループに対しては同種のサービス属性を持つ複数のサービス車両20を派遣してもよい。
【0172】
サービス車両派遣システムには、同一のサービス属性を持つ複数のサービス車両20が含まれていてもよい。この場合、同じサービス属性のサービス車両20の巡回経路が重複しないように設定されてもよい。
【0173】
また、同じサービス属性を備える複数のサービス車両20が存在する場合、サーバ装置10は、目的地(グループの発生位置)に近いサービス車両20を選択し、派遣してもよい。このように、派遣するサービス車両20を決定する際、サーバ装置10は、サービス車両20のサービス属性だけでなく、サービス車両20の位置を考慮してもよい。
【0174】
サーバ装置10は、1つのグループに対して異なるサービス属性を持つ複数のサービス車両20を派遣してもよい。例えば、グループを構成するメンバーにおいて、複数の関心事等が共通して登録されている場合には、それぞれの関心事に対応するサービス車両20が派遣されてもよい。例えば、グループのメンバーに共通した関心事が「甘味」、「映画」であれば、サーバ装置10は、ケーキ等を搭載したサービス車両20と映画関連の商品を搭載したサービス車両20を当該グループに派遣してもよい。
【0175】
上記実施形態では、1台のサービス車両20は1つのサービス属性を持つ場合について説明した。しかし、サービス車両20は、複数のサービス属性を備えていてもよい。複数のサービス属性を備えるサービス車両20が存在する場合、サーバ装置10は、各サービス属性に優先度を付けて派遣するサービス車両20を選択してもよいし、選択されるサービス属性を平準化してもよい。つまり、複数のサービス属性のうち特定のサービス属性が偏って選択されると、サービス車両20が提供可能な商品等に偏りが生じる等の不都合が生じるためである。
【0176】
サーバ装置10は、サービス車両20の走行時間や走行距離を記憶、管理してもよい。この場合、サーバ装置10は、サービス車両20の走行時間や走行距離に応じて、派遣するサービス車両20を選択してもよい。そのような選択方法を採用することで、サービス車両20の消耗(劣化)を平均化することができる。
【0177】
サーバ装置10は、グループの元にサービス車両20を派遣すると決めた際、その旨を派遣先のグループメンバーに通知してもよい。より具体的には、サーバ装置10は、サービス車両20に移動指示を送信するタイミングの前後に、サービス車両20を派遣した事実を端末40に通知してもよい。その際、サーバ装置10は、グループの発生位置とサービス車両20の現在位置に基づいてサービス車両20の到着時刻を予測し、当該到着時刻を端末40に通知してもよい。
【0178】
あるいは、サーバ装置10は、派遣するサービス車両20に関する情報(サービス属性、現在位置、到着予定時刻等)を端末40に通知してもよい。端末40は、通知された情報を用いてグループの位置(自装置の現在位置)、サービス車両20の現在位置、サービス車両20の属性、到着予定時刻等を含むマップを表示してもよい(
図18参照)。
【0179】
サーバ装置10は、グループ属性を算出する際、グループメンバーの関心事に関する多数決を用いてもよい。例えば、メンバー数が5人のグループに関し、「甘味」が設定されたメンバーの数が「3」であり、「映画」が設定されたメンバーの数が「2」である場合、サーバ装置10はグループ属性として「甘味」を選択してもよい。
【0180】
上記実施形態では、サーバ装置10は、グループメンバーの各端末40に「サービス車両到着通知」を送信する場合について説明した。しかし、サーバ装置10は、グループのメンバーから代表者を選択し、当該代表者の端末40にサービス車両到着通知を送信してもよい。サーバ装置10は、代表者を選択する際に各利用者の個人情報を利用してもよい。例えば、サーバ装置10は、グループ発生場所に最も住所が近い利用者を代表者に選択してもよいし、年長者を代表者に選択してもよい。
【0181】
上記実施形態では、端末40に払い出されたユーザIDを用いて利用者を特定する場合について説明した。しかし、生体認証により利用者が特定されてもよい。この場合、サーバ装置10は利用者の生体情報(例えば、顔画像、当該顔画像から生成された特徴量)を記憶する。端末40は、利用者の生体情報を含む利用者位置登録要求をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、予め記憶された生体情報と取得した生体情報を用いた1対N(Nは正の整数)照合により利用者を特定してもよい。
【0182】
サービス車両20から購入した商品は、購入者の自宅に配送されてもよい。例えば、端末40は、サーバ装置10に対し、ユーザIDを含む「配送伝票印刷要求」を送信する。サーバ装置10は、ユーザIDから購入者を特定し、当該購入者の氏名、住所、連絡先等を含む伝票印刷指示をサービス車両20に送信する。サービス車両20は、伝票を印刷する。購入者は、配送伝票を商品に張り付ける。サービス車両20は、集荷場に立ち寄る。集荷場にて、配送伝票が付された商品が回収される。
【0183】
サービス車両20の到着が通知された利用者は、当該サービス車両20を利用するか否かをサーバ装置10に通知してもよい。例えば、サービス車両到着通知を受信した端末40は、
図19に示すようなGUIを用いて利用者の意思(サービス車両20を利用するか否かに関する意思)を取得する。端末40は、利用者がサービス車両20を必要としてない場合には、その旨をサーバ装置10に通知する。当該通知を受けたサーバ装置10は、サービス車両20に「巡回指示」を送信する。このように、サーバ装置10は、サービス車両20の到着が通知された利用者が当該サービス車両20の利用を拒否した場合には、目的地に到着したサービス車両20に対して所定地域の巡回を指示してもよい。
【0184】
サーバ装置10は、地域を巡回しているサービス車両20に関する情報(例えば、車両ID、現在位置、サービス属性)を利用者に通知してもよい。利用者は、端末40を操作して、付近を走っているサービス車両20の情報を確認し、利用を希望するサービス車両20を呼び出してもよい。端末40は、サーバ装置10に対してユーザID及び車両IDを含む「サービス車両呼出要求」を送信する。サーバ装置10は、ユーザIDから利用者を特定し、当該特定した利用者の現在位置に指定されたサービス車両20を派遣する。
【0185】
また、端末40は、巡回しているサービス車両20の現在位置を含むマップ表示を行ってもよい。その際、端末40は、マップ表示されたサービス車両20の特徴(サービス属性)を表示しつつ、サービス車両20を呼び出し可能とするGUIを表示してもよい。例えば、端末40は、
図20に示すように、サービス車両20の属性と当該サービス車両20を呼び出すためのボタンを地図上に表示する。端末40は、利用者によって選択されたサービス車両20の車両IDをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、利用者が選択したサービス車両20を当該利用者の元に派遣する。
【0186】
あるいは、端末40は、利用者又はグループの属性と、サービス車両20のサービス属性と、を用いてマップ表示するサービス車両20を選択してもよい。例えば、甘いものが好きな利用者やグループメンバーが使用する端末40は、サービス属性が「甘味」に設定されたサービス車両20をマップ表示してもよい。即ち、端末40は、サービス車両20に関するフィルタリング機能を備えていてもよい。あるいは、サーバ装置10は、サービス車両20を呼び出した利用者の関心事情報に一致するサービス属性を持つサービス車両20の情報(現在位置等)に限って端末40に通知してもよい。即ち、フィルタリング機能はサーバ装置10が備えていてもよい。
【0187】
あるいは、サーバ装置10は、サービス車両20を呼び出した利用者又は当該利用者を含むグループの属性を算出し、当該算出された属性をサービス車両20に通知してもよい。サービス車両20は、通知された属性に基づいて積み荷を追加する等の対応を行ってもよい。即ち、サービス車両20は、通知された属性に基づいて、利用者やそのグループが利用する可能性の高いサービスや商品の提供を可能な状態にして利用者やグループの元に向かってもよい。
【0188】
サーバ装置10は、地域を巡回するサービス車両20の台数や種類を所定の条件に基づいて決定してもよい。例えば、サーバ装置10は、イベント会場のスケジュールに基づいて地域を巡回するサービス車両20の台数や種類を決定してもよい。例えば、大規模なイベントが開催されるような場合には、サーバ装置10は、巡回するサービス車両20の台数を増やす等の対応をしてもよい。あるいは、各サービス車両20の派遣実績や売り上げ実績が管理され、サーバ装置10は、当該派遣実績や売り上げ実績に基づいて地域を巡回するサービス車両20の台数や種類を決定してもよい。より具体的には、サーバ装置10は、人気の高いサービス車両20の台数を増やして地域を巡回させてもよい。あるいは、サーバ装置10は、上記派遣実績や売り上げ実績を曜日ごと時間帯ごとに管理し、曜日や時間帯に適したサービス車両20の台数や種類を決定してもよい。
【0189】
利用者(端末40)は、購入したい商品が列挙された「ウィッシュリスト」をサーバ装置10に登録してもよい。サーバ装置10は、ウィッシュリストに記載された商品に対応するサービス車両20を利用者の元に派遣してもよい。即ち、地域の住民(生活者)は、自宅にいながら特定商品の購入を「ウィッシュリスト」を用いて要求することができる。サービス車両20は、上記の要求を行った住民の自宅付近まで移動し、停車する。その結果、住民は、サービス車両20から、特定商品以外の商品(ウィッシュリストに記載された商品)を購入することができる。このように、住民は、特定の商品以外の商品ラインナップを、自宅に住んでいる家族全員のニーズを把握してウィッシュリストとして登録しておくことで、より快適で便利な生活を送ることができる。サーバ装置10は、ウィッシュリストをサービス車両20の運営事業者に通知することで、事業者は、購入率が高いと想定される家族のニーズにあった商品を把握可能であり、商品積み込みの際に判断材料として活用することができる。
【0190】
サーバ装置10は、発生したグループの属性を、サービス車両20を運営する事業者と共有してもよい。例えば、サーバ装置10は、イベント会場のスケジュールから生成したグループ属性を上記事業者に通知する。通知を受けた事業者は、グループ属性によってイベント参加者の群衆ニーズを把握できる。あるいは、サーバ装置10は、生成したグループ属性に基づいて群衆によって購入される可能性が高いと想定されるサービス、商品のラインナップを特定し、特定した商品等を事業者に推薦してもよい。事業者は、推薦された商品等を数多くサービス車両20に積み込む等の対応が行える。即ち、自動運転によるサービス車両20の商品ラインナップ等は、イベントの参加者の群衆のニーズを把握しておくことで購入率が高いと想定される群衆のニーズにあったものが事業者に推薦され、事業者の商品積み込みの際に判断材料として活用される。
【0191】
サービス車両20は、サービスや商品を提供する機能に加えて又は代えて、インフラ劣化診断や、迷子/徘徊者検索、不審者監視の機能を備えていてもよい。
【0192】
各装置(サーバ装置10、サービス車両20及び端末40)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、個人情報等が送受信され、当該個人情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
【0193】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0194】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0195】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、所定地域の住民にサービス車両を派遣するシステムなどに好適に適用可能である。
【0196】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
複数の人物からなるグループを検出する、検出部と、
前記検出されたグループの属性を算出する、算出部と、
所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御する、制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する、サーバ装置。
[付記2]
前記制御部は、複数の前記サービス車両のうち、前記算出されたグループの属性に応じたサービス、商品の提供が可能な前記サービス車両を選択し、前記選択されたサービス車両を派遣する、付記1に記載のサーバ装置。
[付記3]
前記検出部は、カメラ装置から得られる画像データに基づいて、前記所定地域に発生したグループを検出する、付記1又は2に記載のサーバ装置。
[付記4]
前記算出部は、前記カメラ装置から得られる画像データの解析、前記カメラ装置が設置された場所のスケジュール及び前記カメラ装置が設置された場所の特性のうち少なくとも1つに基づいて前記グループの属性を算出する、付記3に記載のサーバ装置。
[付記5]
前記検出部は、前記グループの検出に用いられた前記画像データを取得した前記カメラ装置が設置された場所に基づいて、前記検出されたグループの発生位置を算出する、付記3又は4に記載のサーバ装置。
[付記6]
前記制御部は、前記サービス車両に対して前記検出されたグループの発生位置に移動するように指示する、付記5に記載のサーバ装置。
[付記7]
前記検出部は、利用者が所持する端末の現在位置に基づいて、前記所定地域に発生したグループを検出する、付記1乃至6のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記8]
前記利用者の現在位置と前記利用者の関心事情報を対応付けて記憶する利用者情報データベースをさらに備え、
前記算出部は、前記グループを構成する各利用者の前記関心事情報に基づいて前記グループの属性を算出する、付記7に記載のサーバ装置。
[付記9]
前記制御部は、前記派遣されたサービス車両が目的地に到着すると、前記グループを構成する利用者に対して前記サービス車両の到着を通知する、付記8に記載のサーバ装置。
[付記10]
前記制御部は、前記サービス車両の到着が通知された利用者が前記サービス車両の利用を拒否した場合には、前記目的地に到着したサービス車両に対して前記所定地域の巡回を指示する、付記9に記載のサーバ装置。
[付記11]
前記サービス車両は、人が運転操作を行わなくとも自動で走行できる車両である、付記1乃至10のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記12]
所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両と、
前記サービス車両と接続されたサーバ装置と、
を含み、
前記サーバ装置は、
複数の人物からなるグループを検出する、検出部と、
前記検出されたグループの属性を算出する、算出部と、
前記サービス車両を制御し、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する、制御部と、
を備える、システム。
[付記13]
サーバ装置において、
複数の人物からなるグループを検出し、
前記検出されたグループの属性を算出し、
所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御して、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する、サーバ装置の制御方法。
[付記14]
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
複数の人物からなるグループを検出する処理と、
前記検出されたグループの属性を算出する処理と、
所定地域を巡回し、少なくとも1種類以上のサービス、商品の提供が可能なサービス車両を制御して、前記算出されたグループの属性に応じた前記サービス車両を前記属性が算出されたグループに派遣する処理と、
を実行させるプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0197】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0198】
10、100 サーバ装置
20、20-1~20-3 サービス車両
30、30-1~30-3 カメラ装置
40、40-1~40-3 端末
101 検出部
102 算出部
103 制御部
201、301、401 通信制御部
202 グループ検出部
203 グループ属性算出部
204 サービス車両制御部
205、304、405 記憶部
206 利用者登録部
207 利用者位置管理部
302 車両位置通知部
303 運行制御部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
402 利用者登録要求部
403 利用者位置通知部
404 車両到着通知部