IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特許7552752指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラム
<>
  • 特許-指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラム 図1
  • 特許-指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラム 図2
  • 特許-指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラム 図3
  • 特許-指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/00 20060101AFI20240910BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20240910BHJP
   G04G 21/02 20100101ALI20240910BHJP
【FI】
G04C3/00 B
G04G21/00 D
G04G21/02 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023012393
(22)【出願日】2023-01-31
(62)【分割の表示】P 2021029991の分割
【原出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2023037035
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩良
(72)【発明者】
【氏名】水口 元尊
(72)【発明者】
【氏名】大野 堯子
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-096790(JP,A)
【文献】特開2014-032067(JP,A)
【文献】国際公開第2014/010644(WO,A1)
【文献】特開2009-036673(JP,A)
【文献】特開平11-183664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00-99/00
G04R 20/00-60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針と、
前記指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部と、
前記第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号に従って予め定められたある処理としてのセンサを利用したリアルタイムでの計測または当該計測の結果の解析処理を行う第2処理部と、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部と、
前記ある処理の実行の有無に応じて前記発振部が出力する周波数信号の切り替えを制御し、前記第2処理部が前記ある処理を行う間、指針動作全体を禁止させる制御部と、
を備える指針表示装置。
【請求項2】
前記第2処理部は、外部機器との通信を行う通信部を有し、
前記ある処理には、前記通信部による外部機器との通信処理が含まれる
請求項1に記載の指針表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記外部機器における予め定められたイベントの発生情報を前記通信部により受信させ、前記発生情報が受信された場合には、予め定められた報知動作を実行するための制御を行う請求項2記載の指針表示装置。
【請求項4】
デジタル表示を行う表示部を備え、
前記制御部は、受信された前記発生情報に係るイベントの種別を特定して、特定された前記種別を示す表示を前記表示部により行わせることで前記報知動作を行わせる
請求項3記載の指針表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信部により外部機器から複数の種別のイベントの前記発生情報が続けて受信された場合に、当該複数の種別のうちの一部を示す表示を前記表示部により行わせる請求項4記載の指針表示装置。
【請求項6】
前記一部の種別は、直近に受信された前記発生情報に係る種別である請求項5記載の指針表示装置。
【請求項7】
指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部に対し、前記第1の周波数信号又は前記第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号を出力する第1出力ステップ、
前記第2の周波数信号に従って予め定められたある処理としてのセンサを利用したリアルタイムでの計測または当該計測の結果の解析処理を行う第2処理部に対する前記第2の周波数信号の出力有無を制御する第2出力ステップ、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部の前記切り替えを前記ある処理の有無に応じて制御し、前記第2処理部が前記ある処理を行う間、指針動作全体を禁止させる周波数制御ステップ、
を含む指針表示動作制御方法。
【請求項8】
コンピュータを
指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部に対し、発振部が出力する前記第1の周波数信号又は当該第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号を出力する第1出力手段、
前記第2の周波数信号に従って予め定められたある処理としてのセンサを利用したリアルタイムでの計測または当該計測の結果の解析処理を行う第2処理部に対する前記第2の周波数信号の出力有無を制御する第2出力手段、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部の前記切り替えを、前記ある処理の有無に応じて制御し、前記第2処理部が前記ある処理を行う間、指針動作全体を禁止させる周波数制御手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
指針を移動動作させて、標識及び目盛などに対するこの指針の相対位置、並びに指針の動作パターンなどに応じた表示を行う指針表示装置がある。指針は、ステッピングモータなどによりステップ動作される。したがって、ステップ動作を続けて行って表示内容を変更する早送り動作では、ステップ動作の回数などに応じて、表示の変更が終了するまでに時間を要する場合がある。
【0003】
時刻表示などを行う指針表示装置であるアナログ時計などでは、低いクロック周波数で各種処理を行うことで、低消費電力で長時間にわたっての継続動作を行わせている。しかしながら、指針の早送り動作に係る駆動などを行う指針表示装置としては、やや負荷が大きい処理が、さらに通信処理などの負荷の大きい他の処理と並行して行われると、合計の負荷が過大となる場合がある。そこで、複数の処理が同時に重ならないように、それらの処理タイミングを互いにずらす技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-33430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
指針表示装置では、近年の多機能化、高性能化などに応じて、従来のクロック周波数では迅速に処理し切れない場合がある。しかしながら、一律にクロック周波数を上昇させると、処理負荷や消費電力が増大して、従来のように長時間動作を継続するのが難しくなるという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、消費電力の増大を抑えながら所望の処理能力の向上を図ることのできる指針表示装置、指針表示動作制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
指針と、
前記指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部と、
前記第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号に従って予め定められたある処理としてのセンサを利用したリアルタイムでの計測または当該計測の結果の解析処理行う第2処理部と、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部と、
前記ある処理の実行の有無に応じて前記発振部が出力する周波数信号の切り替えを制御し、前記第2処理部が前記ある処理を行う間、指針動作全体を禁止させる制御部と、
を備える指針表示装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従うと、指針表示装置において、消費電力の増大を抑えながら所望の処理能力の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の指針表示装置である電子時計の平面図である。
図2】電子時計の機能構成を示すブロック図である。
図3】デジタル表示部により表示される報知パターンの例を示す図である。
図4】イベント発生情報取得制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の指針表示装置である電子時計1の平面図である。
電子時計1は、筐体2と、表示板3と、指針30と、デジタル表示画面41などを備える。
【0011】
筐体2は、電子時計1の動作に係るマイコンやバッテリなどの各構成を内部に収容する。筐体2の上下は開放されており、上面(ユーザが表示を視認する側)に表示板3が位置している。表示板3には、時刻を示す標識(時字)及び目盛などがその周縁に並んでいる。指針30は、この表示板3の上方で表示板3に平行な面内を回転動作可能となっている。ここでは、指針30として時針、分針及び秒針の3本が例示されているが、指針30の数は3本に限られない。また、全ての指針30が中央付近に共通の回転軸を有して回転動作するものではなくてもよい。表示板3及び指針30の上方は、図示略の透明な風防ガラスで覆われている。
【0012】
デジタル表示画面41は、表示板3の6時方向に位置してデジタル表示を行う。デジタル表示画面41は、主に時間及び日付などの限られた表示が可能なセグメント表示領域411と、曜日などを示す文字及び標識をドットで表示するドットマトリクス表示領域412とを有する。なお、デジタル表示画面41は、全てドットマトリクス表示がなされるものであってもよいし、専用の標識の形に点灯するセグメントを有していてもよく、その構成は、特には限られない。
【0013】
図2は、電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
電子時計1は、例えば腕時計である。電子時計1は、CPU10(Central Processing Unit)(制御部、コンピュータ)と、記憶部20と、指針30と、輪列機構31と、ス
テッピングモータ32と、駆動部33(第1処理部)と、デジタル表示部40(表示部)と、報知動作部45と、操作受付部50と、通信部60と、アンテナANと、発振部70と、計時回路80などを備える。
【0014】
CPU10は、演算処理を行い、電子時計1の動作を統括制御するプロセッサである。CPU10は、単一のプロセッサでなくてもよく、複数のプロセッサを有し、並列に又は各々独立に動作するものであってもよい。
【0015】
記憶部20は、揮発性メモリ、すなわちRAM(Random Access Memory)と、不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリはCPU10に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリなどであり、プログラム21及び設定データを記憶する。設定データには、後述の報知種別情報22が含まれている。
【0016】
ステッピングモータ32は、パルス状の電気信号が入力されるごとにロータがステータに対して予め定められている角度ずつ回転する回転動作を行う。輪列機構31は、ステッピングモータ32の回転動作に応じて回転する歯車列であり、ステッピングモータ32のロータの回転角度を指針30の回転角度に変換して当該指針30の回転軸に伝える。指針30は、ステッピングモータ32の回転動作に応じ、輪列機構31を介して回転動作する。電子時計1は、複数本の指針30に対して、それぞれステッピングモータ32及び輪列機構31を有していてもよい。また、共通のステッピングモータ32により、途中で分岐する輪列機構31を介して連動して回転動作する複数の指針30があってもよい。
【0017】
駆動部33は、CPU10から入力された制御信号に基づいて、ステッピングモータ32(すなわち指針30)を回転動作させるための駆動信号として上記パルス状の電気信号を当該ステッピングモータ32に対して出力する処理を実行して、指針30を回転動作させる。駆動部33は、タイマ回路331を有する。タイマ回路331は、駆動信号が出力されてから、次の駆動信号を出力可能とするまでの時間間隔(パルス間隔)を計数する。すなわち、タイマ回路331がパルス間隔を計数している間は、CPU10からの制御信号により指針30の動作予約がなされても、駆動信号が出力されない。また、タイマ回路331がパルス間隔を計数し終わるまでに次の動作予約がなされることで、パルス間隔で連続して駆動パルスが出力されて指針30が早送りで回転する早送り動作(特定動作)がなされる。駆動部33は、複数のステッピングモータ32を同時に駆動することが可能であってもよいし、排他的に駆動信号を出力するように各駆動信号の出力タイミングをずらす調整を行ってもよい。動作予約のデータは、駆動部33のレジスタに書き込まれ、駆動部33から駆動信号を出力すると消去される。
【0018】
デジタル表示部40は、上記のデジタル表示画面41を有し、CPU10の制御に基づいて、このデジタル表示画面41に簡易なデジタル表示を行う。デジタル表示画面41は、例えば、液晶表示画面であるが、これに限られない。デジタル表示画面41は、その他、例えば、有機EL(Electro-Luminescent)表示画面などであってもよい。デジタル表示画面41は、上述のように、セグメント表示領域411とドットマトリクス表示領域412とを含む。
【0019】
報知動作部45は、CPU10の制御に基づいて電子時計1のユーザに知得させる報知動作を行う。報知動作は、特には限られないが、例えば、ビープ音などの音声の出力、又は振動の発生などである。音声出力や振動の発生に係る機構には、従来周知のもの、例えば、発振回路やおもり付きモータなどが用いられてよい。
【0020】
操作受付部50は、ユーザなどによる外部からの入力操作を受け付けて、この入力操作に基づく入力信号をCPU10へ出力する。操作受付部50は、例えば、1又は複数個の押しボタンスイッチ及びりゅうずを有する。この場合、受け付けられる入力操作には、押しボタンスイッチの押下、並びにりゅうずの引き出し、押し戻し及び回転動作などが含まれてよい。
【0021】
通信部60は、アンテナANを介して外部機器との間で行う無線通信を、通信規格に従って制御する。通信部60が制御可能な通信規格は、特には限られないが、例えば、ブルートゥース(登録商標)などである。特に、通信部60は、ブルートゥース内のローエナジー規格(BLEと記す)での通信が可能であってよい。あるいは、通信規格には、無線LAN(Local Area Network)に係る各種規格が含まれていてもよい。通信部60は、後述のように第2クロック信号に従って通信処理(ある処理)を行う。通信部60が本発明の第2処理部に対応する。通信部60は、一時記憶部61を有する。一時記憶部61は、レジスタであり、これにより送受信データを一時記憶(バッファリングなど)することができる。
【0022】
発振部70は、ある周波数の信号を発振し、発振された周波数の信号をクロック信号として出力する。発振部70は、互いに異なる周波数の信号を出力する第1回路71と第2回路72とを有する。第1回路71は、第1クロック信号(第1の周波数信号)として、例えば、32~64kHzの信号を発振し、出力する。第2回路72は、第1クロック信号よりも周波数の高い2MHzの第2クロック信号(第2の周波数信号)を、第1回路71とは異なる発振子を用いて発振し、出力する。発振部70は、これらの第1クロック信号及び第2クロック信号のうちいずれかを選択的に切り替えてCPU10に出力する。CPU10は、入力された第1クロック信号及び第2クロック信号の一方を、駆動部33や通信部60に出力する。また、発振部70は、分周回路を有し、発振された周波数を他の周波数に変換して出力することが可能であってもよい。
【0023】
計時回路80は、発振部70からCPU10を経由して入力された信号により時間の経過を計数して日時を保持する。計時回路80は、特定のハードウェア回路であってもよいし、CPU10が記憶部20のRAM上で日時を計数保持するものであってもよい。また、計時回路80が保持する日時は、通信部60により外部から取得される日時データに基づいて適宜修正可能であってよい。保持される日時は、電子時計1が現在位置する場所が属するタイムゾーンのもの(地方時)であってもよいし、特定のタイムゾーンのものに固定されていてもよい。また、複数のタイムゾーンの時刻(例えば、現在位置の時刻:ベースタイムと、ユーザなどにより設定された他の位置の時刻:デュアルタイム)を同時に表示可能な電子時計1では、当該複数のタイムゾーンの時刻を平行に計数保持していてもよい。タイムゾーンの情報は別途記憶部20に記憶保持されていてよい。この情報は、タイムゾーン(タイムゾーンを代表する都市名など)の表示に用いられたり、また、特定のタイムゾーンの日時が保持されている場合に、電子時計1の現在の位置又は日時の表示対象の位置が属するタイムゾーンにおける地方時への換算に利用されたりしてもよい。
なお、CPU10、駆動部33及び通信部60などの制御動作を行う構成は、実際にはそれらの一部又は全部が共通のハードウェアプロセッサを利用して動作してもよいし、各々別個のハードウェアプロセッサ(マイコンなど)により動作してもよい。
【0024】
次に、指針30の動作制御について説明する。
指針30の回転動作は、CPU10から指針30をいずれかの回転方向に移動させる制御信号(動作予約)を駆動部33に出力(割込処理)することをトリガとして行われる。駆動部33は、制御信号が入力されると、上述のようにタイマ回路331の計数により動作が禁止されていない期間に、駆動信号をステッピングモータ32に出力し、それによりステッピングモータ32のロータを回転動作させる。このロータの回転に応じて、指針30が輪列機構31を介して回転動作する。
【0025】
CPU10は、自身のレジスタに各指針30の位置情報を記憶させ、駆動部33に制御信号を出力するごとに、この位置情報を更新する。指針30を複数ステップ早送り動作させる場合において、CPU10は、早送り先位置が定められている場合には、レジスタに早送り先位置情報を記憶させ、指針30の現在位置が早送り先位置と等しくなるまで又は早送りの終了命令が取得されるまで、上記のパルス間隔で順次制御信号を駆動部33へ出力する。最大早送り速度は、ロータのトルクや慣性など機構的に上限値が定まり、例えば、16Hz~120Hzである。ここでは、一例として、最大早送り速度を64Hzとする。早送り速度は、時計回りの早送りの場合と反時計回りの早送りの場合とで異なってもよい。また、早送り速度は可変であってもよい。駆動部33のタイマ回路331が、例えば、駆動信号を出力するごとに第1回路71が出力する第1クロック信号としての32kHz信号を1/64秒分(500回)計数することで、早送り速度が64Hzに定められる。
【0026】
早送り動作としては、特に限られるものではないが、例えば、表示する時刻の地方時(タイムゾーン)の変更(ベースタイムとデュアルタイムの入れ替えなども含む)、夏時間の開始及び終了に係る時刻変更、指針30のデジタル表示画面41上からの退避及び復帰などが挙げられる。その他、日付を回転円板などにより表示させる場合には、日付の変更も早送り動作に含まれ得る。
【0027】
また、上記のように、指針30の移動先を指定して、指針30が移動先位置に到達するまで予め定められた移動速度(時間間隔)で指針30を移動させ続ける早送り動作に限らず、基本機能に係る指針30の動作、すなわち、時刻表示において規定の時間間隔で1ステップ(特には限られないが、例えば、秒針を1秒間隔、分針を10秒間隔、時針を2分間隔)それぞれ回転動作させるというような基本動作よりも短い時間間隔での動作を含む指針動作の全体を早送り動作に準じる処理負荷の大きい動作として特定動作に含んでもよい。この特定動作には、例えば、センサなどの計測動作に応じた計測値をリアルタイム(例えば、1Hz以上)で表示する動作、ストップウォッチ機能などにおいて計数時間を1秒未満の数値まで表示させる動作などが含まれてもよい。
【0028】
次に通信動作及びイベント発生報知動作について説明する。
電子時計1は、外部機器、例えばスマートフォンと、BLEにより通信接続される。通信接続は、常時維持されてもよい(BLEでは、送受信する実体データがない場合には、実体データの送受信時よりも広い間隔で定期的に制御データがやり取りされる)が、例えば、ユーザ操作などにより意図的に電子時計1又は外部機器で通信処理が停止された場合や、バッテリの残量不足などにより通信処理が停止された場合、電子時計1と外部機器とが通信可能な距離範囲内に存在しない場合(リンクロス)などには、切断され得る。受信したデータは、一時的に一時記憶部61に記憶され、その後順次、記憶部20へ転送される。
【0029】
電子時計1に対しては、外部機器における設定などに応じて、外部機器におけるイベントの発生に係る情報(イベント発生情報)が、電子時計1に送信され得る。電子時計1では、受信されたイベント発生情報に応じて、このイベントの発生を報知することができる。外部機器における設定は、特には限られないが、電子時計1におけるイベント発生の報知動作に対応する専用のアプリケーションプログラム(アプリ)などによりなされてもよい。このアプリにより設定情報が更新されると、この設定情報は、電子時計1との通信接続が確立されている間に電子時計1に送信される。この設定情報に基づいて、報知種別情報22が更新される。
【0030】
イベント発生情報が電子時計1へ送信されるイベントの種別には、例えば、電話着信、電子メール受信、SNS(Social Network Service)のメッセージ受信、登録スケジュールの通知などが含まれる。これらのイベントは、予め定められて報知種別情報22に記憶されている。外部機器では、イベントの種別ごとに、その発生に係る報知を行うか否かが設定可能であってもよい。電子時計1では、これらのイベント発生情報が受信されると、イベントの種別が特定され、特定されたイベントの種別を示す表示を行う報知動作(予め定められた報知動作)が、デジタル表示部40により行われる。イベントの種別の特定は、例えば、受信データのヘッダの内容などによりなされる。ヘッダの内容から特定できないイベント種別については、一律にその他の種別とされてもよいし、本文などヘッダ以外の内容から特定又は類推可能なものがある場合には、本文など受信データにおける当該部分の解析を行ってもよい。
【0031】
図3は、デジタル表示部40により表示される報知パターンの例を示す図である。
デジタル表示部40のドットマトリクス表示領域412には、イベント種別に応じた報知パターンの標識(アイコンなど)が表示され得る。電話着信に係る情報が受信された場合には、図3(a)に示すように、電話を意味するアイコンが表示される。この表示は、矢印で示されている、互いに白の部分と黒の部分とが反転した2つの白黒反転画像のように、予め定められた時間間隔で白黒反転が繰り返されてもよい(以下のアイコンについても同様)。
【0032】
電子メールの受信時には、図3(b)に示す封筒アイコンが表示される。SNSのメッセージ受信時には、図3(c)に示す吹き出しアイコンが表示される。スケジュール通知の受信時には、図3(d)に示すカレンダーアイコンが表示される。その他、上記に該当しない種別の通知を受信した場合には、図3(e)に示すアイコンが表示される。これらのアイコンの画像データも、報知種別情報22に含まれて、イベント種別と対応付けられて各々記憶されていればよい。
【0033】
次に、クロック信号の切替に係る動作制御について説明する。
本実施形態の電子時計1では、CPU10、駆動部33、デジタル表示部40及び操作受付部50などによる動作は処理負荷が小さく、第1回路71の出力する第1クロック信号に基づいて十分に動作する。一方、電子時計1の動作のうち、通信部60による通信処理は、通信速度に応じてリアルタイムでデータを処理するために、第2回路72の出力する第2クロック信号に従って行われる。したがって、通信部60により通信処理が行われる間は(通信処理の有無に応じて)、発振部70の出力するクロック信号は、CPU10の制御により第1クロック信号から第2クロック信号に切り替えられる。これに伴って、通常は第1クロック信号で動作している各部も第2クロック信号による動作に切り替わる。第2クロック信号の生成及び出力中は、第1クロック信号の生成及び出力中と比較して電力消費が一時的に大きくなり、発熱量も増えるので、通信処理が終了すると、発振部70の出力は、CPU10により第2クロック信号から第1クロック信号に戻される。
【0034】
ここでいう通信処理には、上記のイベント発生情報の取得及びイベントの種別の特定に係る処理が含まれる。通信接続が維持された状態では、イベント発生情報は、随時一つずつ受信される。一方で、イベント発生の報知を行う設定がなされている状態で上記の各例のように通信の接続がしばらく切断されていると、外部機器において送信対象のイベント発生情報のデータが蓄積されて、通信接続の再開(通信が切断されていた状態から通信接続が確立された状態に移行)後にまとめて送信されることになる。特に、iOSをオペレーティングシステム(OS)として動作するスマートフォンでは、複数のイベント(アプリ)に係るデータの統括的な送信制御がなされないので、連続して一度に蓄積されている全てのイベント発生情報のデータが通信部60により受信されることになり、一度の受信データ量が一時記憶部61の容量を超えてオーバーフローしやすい。第2クロック信号により一時記憶部61に記憶される受信データを速やかに処理して、必要なデータを記憶部20へ移動させることで、イベント発生情報のデータの受信処理を安定して続けることができる。
【0035】
指針30の早送り動作は、第1クロック信号で動作可能な処理の中では負荷が大きい。よって、指針30の早送り動作に関して周波数信号の変更に対応した動作制御を可能とするためには、構成が複雑化し、また、電子時計1の処理負荷の更なる上昇(消費電力の増大)が無視できなくなる。また、駆動部33では、第1クロック信号以外での早送り動作に係るデータの更新を一律に禁止する場合もある。
【0036】
そこで、電子時計1では、通信処理が行われる間には、指針30の早送り動作(特定動作)が禁止される。早送り動作の途中であった指針30は、その途中位置で一時停止(早送り動作が一時中断)され、通信処理の終了後に、早送り動作が再開されて目標位置に移動する。通信処理の実行中に指針30の早送り動作を行う命令が取得された場合には、当該早送り動作の実行を保留、待機し、通信処理の終了後に早送り動作が開始、実行される。
【0037】
通信処理の終了タイミングは、リアルタイムで取得されてもよい。あるいは、条件(例えば、上記のOS、通信の接続状況など)に応じて予想される通信量に基づいて、早送り動作が一時中断された場合における、その早送り動作の再開が認められるまでの早送り動作の禁止時間(最大値)が定められてもよい。通信量の予想は、単に通信接続の再開有無だけではなく、例えば、通信切断時間の長さなどが考慮されてもよい。また、過去の実績、例えば、前日や直近のある期間の同時間帯におけるイベント発生量などに基づいて、より動的に通信量の予想がなされてもよい。ここでは、予想される通信量(イベント発生情報に限らず、通信接続の確立に係る制御データ及び他の通信データを含む)が予め定められた基準以上となるような条件が満たされる場合には、禁止時間が長く(第1禁止時間。例えば、12秒)定められ、通信量が少ないと予想される場合には、禁止時間が上記第1禁止時間よりも短く(第2禁止時間。例えば、2秒)定められるが、これに限られない。より細かく定量的に通信量の予想が可能な場合には、第1禁止時間が動的に変更されてもよいし、3段階以上の禁止時間が定められてもよい。
また、予想される通信量(イベント発生情報)が多い(上記の条件を満たす)場合、全てのイベント発生について報知を行っても、重複したり、イベント発生からの時間が経過してユーザにとってそのイベントが既にあまり意味を持たなかったりする場合もあり、ユーザの利便性を必ずしも高めない。したがって、電子時計1では、イベント発生順に受信される複数のイベント発生情報のうち当初のものについては無視し、受信開始から基準時間(ここでは例えば10秒。第1禁止時間は基準時間よりも長い)が経過した後に途中から、あるいは最後(直近の)イベント発生情報のみを取得し、記憶部20に記憶して、記憶したイベント発生情報から特定された一部のイベント種別に係る報知動作を行ってもよい。
【0038】
図4は、本実施形態の電子時計1で実行されるイベント発生情報取得制御処理のCPU10による制御手順を示すフローチャートである。
このイベント発生情報取得制御処理は、通信部60が動作しており、外部機器との間で予め定められた種別の情報を取得する設定となっている状況で(上記イベント発生情報を含む場合に限定してもよい)、通信部60が外部機器から実際にデータの受信を行う場合、例えば、通信接続が確立されている間の各通信タイミング、特に、通信部60から外部機器に対して実体データの送信要求を送信する場合や、自機のアドバタイズを受けて通信接続要求を受けた場合に、これらの情報が通信部60から通知されることなどで開始される。
【0039】
イベント発生情報取得制御処理が開始されると、CPU10は、指針30の早送り動作を行っている途中であるか否かを判別する(ステップS101)。指針30の早送り動作を行っている途中であると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、CPU10は、駆動部33への制御信号の出力を停止して早送り動作を中止させる(ステップS102)。それから、CPU10の処理は、ステップS103へ移行する。指針30の早送り動作を行っている途中ではないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、CPU10の処理は、ステップS103へ移行する。
【0040】
ステップS101、S102の処理からステップS103の処理へ移行すると、CPU10は、発振部70に第2回路72を動作させて、当該第2回路72からの第2クロック信号を出力させ、入力された第2クロック信号を駆動部33及び通信部60などに出力する(ステップS103)。
【0041】
CPU10は受信データの送信元である外部機器のOSの種別がアップルインコーポレイテッド社のiOSであるか否かを判別する(ステップS104)。OSの情報は、BLEのペアリング情報(ボンディング情報)などに対応付けて予め別途保持されていて、この保持されている情報が参照されることで得られてもよい。
【0042】
外部機器のOSの種別がiOSであると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU10は、現在の通信がリンクロスからの復帰により行われているものであるか、又は通信部60の起動に伴って行われているものであるか否かを判別する(ステップS105)。リンクロスからの復帰により行われている通信であるか、又は通信部60の起動に伴って行われている通信であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、CPU10は、次のステップS107の処理における受信データの取得開始から(又は現時点から若しくはイベント発生情報取得制御処理の開始からであってもよい。いずれであってもほとんど差はない)、指針30の早送り動作を可能とするまでの禁止時間を12秒に設定する(ステップS106)。CPU10は、受信データを順次通信部60の一時記憶部61から取得して、記憶部20に記憶させる。このとき、CPU10は、受信の開始から10秒間のデータを保持せずにそのまま消去してよい(ステップS107)。あるいは、CPU10は、最後のイベント発生情報のみが残るように記憶部20に順次イベント発生情報を上書き更新していってもよい。それから、CPU10の処理は、ステップS121へ移行する。
【0043】
ステップS104の判別処理で、受信データの送信元である外部機器のOSがiOSではないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU10の処理は、ステップS111へ移行する。
ステップS105の判別処理で、現在の通信がリンクロスからの復帰により行われているものではなく、かつ通信部60の起動に伴って行われているものでもないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU10の処理は、ステップS111へ移行する。
【0044】
ステップS104又はステップS105の判別処理で“NO”に分岐してステップS111の処理へ移行すると、CPU10は、次のステップS112の処理における受信データの取得開始から(又は現時点から若しくはイベント発生情報取得制御処理の開始からであってもよい)指針30の早送り動作を可能とするまでの禁止時間を2秒に設定する(ステップS111)。CPU10は、通信部60の一時記憶部61から受信データを取得して記憶部20に記憶させる(ステップS112)。それから、CPU10の処理は、ステップS121へ移行する。
【0045】
ステップS107の処理又はステップS112の処理からステップS121の処理に移行すると、CPU10は、新たな早送り動作の命令が取得されたか否かを判別する(ステップS121)。新たな早送り動作の命令が取得されたと判別された場合には(ステップS121で“YES”)、CPU10は、報知動作部45により命令を取得したことを示す音声(ビープ音)報知動作を行わせ、また、早送り動作の待機設定を行い、ステップS106、S111で設定されている早送り動作を可能とするまでの時間が経過するまで、早送りを禁止する(ステップS122)。このとき、中断されている早送りの設定(早送り先位置及び早送り方向)が更新される場合には、CPU10は、中断している早送りの設定を消去してよい。それから、CPU10の処理は、ステップS123へ移行する。ステップS121の判別処理で、新たな早送り動作の命令が取得されていないと判別された場合には(ステップS121で“NO”)、CPU10の処理は、ステップS123へ移行する。
【0046】
ステップS121又はステップS122の処理からステップS123の処理へ移行すると、CPU10は、報知種別情報22に基づいて、取得した受信データから受信内容の種別(イベント発生情報に係るイベントの種別)を特定する(ステップS123)。CPU10は、特定された内容種別(イベント種別)に対応するアイコンの画像データを報知種別情報22から取得し、当該画像データに応じたアイコンをデジタル表示部40によりデジタル表示画面41のドットマトリクス表示領域412に表示させる(ステップS124)。
【0047】
CPU10は、外部機器からの受信が終了したか否かを判別する(ステップS125)。外部機器からの受信が終了していないと判別された場合には(ステップS125で“NO”)、CPU10の処理は、ステップS121に戻る。外部機器からの受信が終了したと判別された場合には(ステップS125で“YES”)、CPU10は、第2回路72による第2クロック信号の出力から第1回路71による第1クロック信号の出力に戻すように、発振部70を制御し、発振部70から出力された第1クロック信号を、駆動部33などと、必要に応じて通信部60(通信を行わない待機状態における処理などの実行のため)とに出力する(ステップS126)。なお、上記で定められた禁止時間が経過するまでは、CPU10は、機械的に出力するクロック信号を第1クロック信号に戻さないこととしてもよい。また、もし禁止時間が経過しても受信が終了していない場合には、禁止時間が延長されてよい。
【0048】
CPU10は、ドットマトリクス表示領域412に表示されているアイコンの消去命令が操作受付部50により取得されたか、又はアイコンが表示されてから規定時間が経過したか否かを判別する(ステップS127)。アイコンの消去命令が取得されたか、又はアイコンが表示されてから規定時間が経過したと判別された場合には(ステップS127で“YES”)、CPU10は、デジタル表示部40によりドットマトリクス表示領域412におけるアイコン表示を消去させる(ステップS128)。CPU10は、イベント発生情報取得制御処理を終了する。アイコンの消去命令が取得されておらず、かつアイコンが表示されてから規定時間が経過していないと判別された場合には(ステップS127で“NO”)、CPU10の処理は、ステップS127を繰り返す。
【0049】
ステップS103の処理、ステップS125の判別処理及びステップS126の処理が本実施形態の指針動作制御方法における周波数制御ステップ(プログラム21の周波数制御手段)を構成する。また、ステップS102の処理、ステップS121の判別処理及びステップS122の処理が本実施形態の指針動作制御方法における特定動作禁止ステップ(プログラム21の特定動作禁止手段)を構成する。
【0050】
なお、ステップS126の処理の終了後、イベント発生情報取得制御処理が終了する前に、新たなイベント発生情報が受信された場合には、新たなイベント発生情報取得制御処理を並行して起動し、この新たな処理におけるステップS124の処理で表示が行われることで、先に実行されていたイベント発生情報取得制御処理におけるステップS128の処理が実行されたものとして、先のイベント発生情報取得制御処理を終了してもよい。
【0051】
以上のように、本実施形態の指針表示装置としての電子時計1は、指針30と、指針30を動作させるための処理を第1クロック信号に従って実行可能な第1処理部としての駆動部33と、第1クロック信号よりも周波数の高い第2クロック信号に従って予め定められたある処理、例えば、通信処理を行う第2処理部としての通信部60と、第1クロック信号と第2クロック信号とを切り替えて出力する発振部70と、上記ある処理の実行の有無に応じて発振部70が出力するクロック信号の切り替えを制御し(図4のステップS101で“YES”、ステップS102、ステップS125で“YES”、ステップS126)、第2処理部が上記ある処理を行う間(ステップS107、S112、S121~S124、S125で“NO”)、駆動部33による指針30の特定動作を禁止する(図4のステップS101で“YES、ステップS102、S122)制御部としてのCPU10と、を備える。
このように、高周波数の周波数信号に従った処理が必要な場合にだけ高周波数の第2クロック信号を出力し、これによって処理負荷及び消費電力の増大が生じる一方で、リアルタイム性の要求が必ずしも高くない指針30の特定動作を、第2クロック信号が出力されている間は禁止することで、電子時計1では、消費電力の増大(ひいては、製品サイズの大型化)を抑えながら所望の処理能力を向上させることができる。
【0052】
また、CPU10は、駆動部33により指針30に特定動作を行わせている途中で第2処理部が上記ある処理を開始する場合には(図4のステップS101で“YES”)、指針30の特定動作を一時中断させる(ステップS102)。すなわち、高周波数の第2クロック信号に従ったある処理の途中に特定動作を開始させないだけではなく、既に開始している特定動作も途中で中断させることで、第2処理部の処理を速やかに滞りなく実行することができる。第2クロック信号による上記ある処理が長時間継続して行われることが一般的に想定されにくい電子時計1では、これにより消費電力や製品サイズの増大を抑えながら、容易に優先度の高い処理をよりスムーズに実行させることが可能になる。
【0053】
また、特定動作は、指針表示装置(例えば、ここでは電子時計1)の基本機能(すなわちここでは時刻表示動作)に係る動作での処理負荷よりも高い処理負荷を発生させる指針動作である。時刻表示などよりも頻繁に指針30を移動させる必要がある表示では、早送り動作ではなくても指針動作に係る処理負荷が大きくなる。このような処理負荷の大きい指針動作を特定動作に含めて上記ある処理の実行中には当該特定動作を禁止することで、一度に電力消費が過大になるのを避けつつ、第2クロック信号での動作が必要な高負荷のある処理(通信処理など)の処理能力を適切に向上させることができる。
【0054】
また、上記の特定動作は、指針30の早送り動作である。早送り動作の処理負荷は負荷が大きいので、元々電力消費が大きくなる第2クロック信号での動作時には、第2クロック信号での動作が必要な上記ある処理や、クロック信号の周波数を問わず継続が必要な基本的な制御処理などに限定して、この早送り動作を禁止することで、処理負荷が過大になるのを抑え、必要な処理の処理能力を向上させることができる。
また、早送り動作に係る処理、特にレジスタへの書き込み動作が第1クロック信号周波数での動作を前提とする場合、第2クロック信号での動作を禁止することで、駆動部33の構成の大型化や処理の複雑化を抑えながら容易に第2クロック信号での上記ある処理の処理能力を向上させることができる。
【0055】
また、指針表示装置である電子時計1は、外部機器との通信を行う通信部60を備える。高周波数の第2クロック信号に従った上記ある処理には、通信部60による外部機器との通信処理が含まれる。特定の機器との間でデータを送受信する通信処理では、データの送信間隔に応じて外部機器の通信時間などにも影響を与えるので、周波数信号の周波数を上昇させることで、データのスムーズな送受信が可能となる。
【0056】
また、指針表示装置である電子時計1は、データを記憶する記憶部20を備える。通信部60は、受信データを一時記憶する一時記憶部61を有する。制御部としてのCPU10は、外部機器からの予想される受信データ量に係る条件を満たす場合に(ステップS104、ステップS105でいずれも“YES”)、データの受信開始から基準時間が経過した後の受信データを一時記憶部61から取得して記憶部20に記憶させる(ステップS107)。すなわち、大量のデータの受信が予想される場合には、当初の受信データを取得せずにそのまま廃棄してもよい。電子時計1で表示させるデータには、電子時計1において直接確認できない内容を得るための緊急性と代用性が求められる場合が多く、時間が経過した古い情報を改めて取得して利用する価値は、新しい情報と比較して相対的に低い。このように、古い情報を廃棄して新しい情報のみを取得することで、電子時計1では、処理を低減化するとともに、ユーザの利便性を向上させることもできる。また、通信部60がブルートゥースにより通信を行う場合には、一時記憶部61に記憶された受信データを処理しきれずにオーバーフローが生じると、通信接続自体が切断されて、適切に受信対象のデータが取得されずに通信接続のやり直しが続くことになるので、電子時計1では、このようなトラブルを避けながら安定して必要な情報を取得することができる。
【0057】
また、CPU10は、上記の受信データ量に係る条件を満たす場合に(ステップS104、S105でいずれも“YES”)、データの受信開始から基準時間、例えば、10秒よりも長い第1禁止時間、例えば12秒を、指針30の早送り動作を禁止する期間として定め(ステップS106)、上記の条件を満たさない場合に、第1禁止時間よりも短い第2禁止時間、例えば、2秒を、指針30の早送り動作を禁止する期間として定める(ステップS111)。通信動作、特に、ここではイベント発生情報の受信を行う場合に予め指針30の早送り動作の禁止時間を設定することで、処理の軽減を図り、よりスムーズに通信処理を実行することができる。
【0058】
また、上記の条件には、外部機器との通信が切断されていた状態から通信接続が確立された状態に移行した場合の受信であることが含まれていてもよい(ステップS105)。外部機器からの受信開始時に実際の受信データ量を取得するのは難しいので、電子時計1では、間接的に受信データ量が多くなると推定される状況を条件として含めることで、処理負荷を低減しつつ、必要性の高い情報を選択的に取得することができる。
【0059】
また、上記の条件には、外部機器のオペレーティングシステムの種別が含まれていてもよい(ステップS104)。外部機器における複数のアプリに係る情報を各々当該外部機器から受信する場合、外部機器のOSがこれらを統括的に出力制御するか否かで電子時計1におけるデータ受信時の処理負荷が変わり得るので、OS情報も受信データの選択的な取得を行うか否かの判別に係る要素として用いることにより、電子時計1では、処理負荷を低減しつつ、必要性の高い情報を選択的に取得することができる。
【0060】
また、制御部としてのCPU10は、外部機器における予め定められたイベントの発生情報を通信部60により受信させ、イベントの発生情報が受信された場合(ステップS123)には、予め定められた報知動作、本実施形態では、デジタル表示部40による標識(アイコン)の表示を実行するための制御を行う(ステップS124)。電子時計1におけるイベントの発生情報の報知動作は、外部機器をユーザが保持したり手元に置いたりすることができないような場面で有効であり、このような情報は速報性が重要である。このような情報の受信処理を第2クロック信号に従って速やかに行い、かつ消費電力を抑えることで、電子時計1のユーザの利便性を向上させることができる。
【0061】
また、電子時計1は、デジタル表示部40を備える。制御部としてのCPU10は、受信された発生情報に係るイベントの種別を特定して、特定された種別を示すアイコンの表示をデジタル表示部40により行わせることで報知動作を行わせる(ステップS124)。イベント発生に係る報知動作をデジタル表示画面41への表示により行わせることで、音声パターンや振動パターンなどの他の報知動作と比較して、ユーザのイベント種別の判別性を容易に高めることができる。
【0062】
また、制御部としてのCPU10は、通信部60により外部機器から複数の種別のイベントの発生情報が続けて受信された場合に、当該複数の種別のうちの一部を示す表示をデジタル表示部40により行わせる。上記のように、イベント発生の報知動作は、速報性が重要であり、古い発生イベントを順番に全て表示しても、ユーザにとって有用性の小さくなった表示が混在し、また表示時間が長くなったり同一の表示が重複したりすることなどによりユーザの利便性を低下させることになる。したがって、一部の種別に係る表示のみを選択して、ユーザに伝えるべき報知内容を絞ることで、電子時計1では、ユーザの利便性を高めることができる。
【0063】
また、上記一部の種別は、直近に受信された発生情報のイベントに係る種別であってもよい。すなわち、最も新しく発生したイベントの種別のみを表示させることで、速報性のみを重視してユーザの情報取得に係る判断を軽くすることができる。
【0064】
また本実施形態の指針表示動作制御方法は、駆動部33に対し、発振部70が出力する第1クロック信号又は第2クロック信号を出力する第1出力ステップ、予め定められたある処理(例えば、通信処理)を行う第2処理部である通信部60に対し、第2クロック信号の出力有無を制御する第2出力ステップ(第1出力ステップ、第2出力ステップともステップS103.S126)、第1のクロック信号と第2のクロック信号を切り替えて出力する発振部70の上記切り替えを、上記ある処理である通信部60の通信処理の有無に応じて制御する周波数制御ステップ(ステップS103、S125で“YES”、S126)、第2処理部としての通信部60が上記ある処理を行う間、駆動部33による指針30の特定動作としての早送り動作を禁止する特定動作禁止ステップ(ステップS102、ステップS121で“YES”、S122)、を含む。
このように、高周波数の周波数信号に従った処理が必要な場合にだけ第2クロック信号を出力し、この間は、指針30の早送り動作を禁止する制御動作により、電子時計1の消費電力の増大を抑えかつ所望の処理能力を向上させることのできる指針動作の制御を行うことができる。
【0065】
また、本実施形態のプログラム21は、駆動部33に対し、発振部70が出力する第1クロック信号又は第2クロック信号を出力する第1出力手段、予め定められたある処理(例えば、通信処理)を行う第2処理部である通信部60に対し、第2クロック信号の出力有無を制御する第2出力手段(第1出力手段、第2出力手段ともステップS103.S126)、第1のクロック信号と第2のクロック信号を切り替えて出力する発振部70の上記切り替えを、上記ある処理(通信部60の通信処理)の有無に応じて制御する周波数制御手段(ステップS103、S125で“YES”、S126)、第2処理部としての通信部60が第2クロック信号での処理を行う間、駆動部33による指針30の特定動作としての早送り動作を禁止する早送り禁止手段(ステップS102、ステップS121で“YES”、S122)、として、電子時計1のコンピュータ(CPU10)を機能させる。
2種類のクロック信号を選択的に出力可能な指針表示装置にこのようなプログラム21をインストールして、指針動作を制御させることで、追加の構成を設けて電子時計1を大型化、複雑化させずに容易に消費電力の増大を抑えかつ所望の処理能力を向上させることのできる指針動作の制御を行うことができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、条件に応じて指針の早送り動作を禁止して上記ある処理を開始してから可能とするタイミングまでの時間(早送り動作の禁止時間)を設定することとしたが、指針の早送り動作の可否は、通信処理の有無だけで定められ、上記の条件によって受信データの読捨の有無のみが定められてもよい。あるいは、直近のイベント発生情報しか常に取得しないのであれば、CPU10は、この条件の判別も行わずに、イベントが発生するごとにイベント発生情報のデータを上書き更新して保持してもよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、常に早送り動作(特定動作)よりも通信処理(ある処理)の実行を優先することとしたが、これに限られるものではない。早送り動作を通信処理と同時並行で行わなければよく、例えば、残りの早送り動作の時間が短い場合などには、早送り動作が終了してから通信処理によるデータ(制御データ以外など)の送受信が開始されてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、通信処理(ある処理)の実行中に早送り(特定動作)の開始命令を取得した場合には、報知動作部45による報知動作を行わせることとしたが、報知動作が常に行われなくてもよい。例えば、操作受付部50により手動で早送り動作の命令が取得された場合にのみ報知動作が行われ、ユーザ操作などとは関係がなく、CPU10の内部処理で早送り動作の開始タイミングと判断されて早送り開始命令がなされた場合には、報知動作が行われなくてもよい。あるいは、開始命令の種類によらず、報知動作を行わないこととしてもよい。また、報知動作の有無は、設定によって切り替えが可能であってもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、取得されたイベント発生情報の種別が特定され次第、内容種別に対応するアイコンをデジタル表示部40により表示させることとしたが、受信終了後に、最後に得られたイベント発生情報の種別に応じたアイコンを表示させてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、複数のイベント発生情報の受信時に、直近の1つ又は一部の発生イベントに係る種別の表示を選択的に行うこととしたが、これに限られない。やや古い情報であっても、イベントの種別によってはユーザにとっての有用性が高い場合もあるので、有用性の判断基準を予め定め、古いイベントについては表示(報知)の要否を各々判別してもよい。また、この場合でも、重複して発生しているイベントについては、1回の表示に集約させて複数回表示を行わせないこととしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、外部機器からの受信内容がイベント発生情報であるものとして説明したが、実際には、これ以外の情報が受信されることもあり得る。この場合でも、イベント発生情報がまとまって受信され得るか否かについての判断基準に差はないので、上記実施形態で説明したものと同じように処理が可能である。そして、図4のステップS123の判別処理において、受信内容にイベント発生情報が含まれなかったと判断された場合には、CPU10は、単純にデジタル表示画面41へのアイコンの表示及びその消去に係る処理(ステップS124、S127、S128)を省略すればよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、指針30が回転軸の周りで回転動作するものとして説明したが、電子時計1は、ある設定範囲内で平行移動する指針を有していてもよい。また、回転動作する場合でも、360度の回転が可能ではなく、ある角度範囲でのみ往復動作するものであってもよい。また、ここでいう指針には、回転円板など、ステッピングモータにより表示に係る動作が可能なものが含まれる。また、複数の指針30が一部の指針30ずつ複数のグループに分かれて各々異なる表示動作を行う場合がある。このときに、基本機能(すなわち、電子時計1では時刻表示動作)に係る表示動作の処理負荷よりも大きい処理負荷の表示動作を行うグループによる当該表示動作を、上記ある処理を行う間禁止することとしてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、イベントの種別を特定して表示するものとして説明したが、種別の特定はより詳しくてもよい。例えば、SNSはアプリごとに各々別個に特定されてもよい。あるいは、反対に、イベントの種別を特定せず、外部機器で何らかのイベントが発生したことのみを報知するものであってもよい。この場合には、報知方法は表示に限られなくてもより容易にユーザがイベント発生を認識することができる。また、リアルタイムでの報知動作自体が本発明では必須ではない。例えば、ログ情報の受信取得などを行って、後に操作受付部50により受け付けられた入力操作により呼び出されて表示されるデータなどであってもよい。また、受信して報知されるデータは、イベント発生情報ではなく、簡易なナビゲーションデータなどであってもよい。
【0074】
また、上記実施の形態では、通信接続の維持又は切断に関わらずイベント発生情報を送信するように外部機器が動作するものとして説明したが、これに限られない。正常な処理を経て通信接続が切断されている間は、外部機器からイベント発生情報を送信しようとする処理が行われていなくてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、ある処理として通信処理を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。一時的に周波数を上げて処理をする必要がある負荷の大きい処理、例えば、センサなどを利用したリアルタイムでの計測及び解析処理なども第2クロック信号で行われる上記ある処理とされてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、指針表示装置を電子時計1であるものとして説明したが、これに限られない。指針を用いて表示を行い、かつ指針の位置の早送り動作などの基本機能に係る指針30の動作よりも処理負荷の大きい特定動作を行うことのある表示装置であればよい。この場合には、表示装置の表示動作中であっても指針動作の処理負荷が大きくなるので、早送り動作などに限られず、ある処理(通信処理)の実行中には、指針動作全体を特定動作として禁止させることとしてもよい。
【0077】
また、以上の説明では、本発明に係る指針動作制御を含むプログラム21を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部20を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)、MRAMなどの他の不揮発性メモリ、及びCD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0079】
[付記]
<請求項1>
指針と、
前記指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部と、
前記第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号に従って予め定められたある処理を行う第2処理部と、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部と、
前記ある処理の実行の有無に応じて前記発振部が出力する周波数信号の切り替えを制御し、前記第2処理部が前記ある処理を行う間、前記第1処理部による前記指針の特定動作を禁止する制御部と、
を備える指針表示装置。
<請求項2>
前記制御部は、前記第1処理部により前記指針に前記特定動作を行わせている途中で前記第2処理部が前記ある処理を開始する場合には、前記特定動作を一時中断させる請求項1記載の指針表示装置。
<請求項3>
前記特定動作は、当該指針表示装置の基本機能に係る前記指針の動作での処理負荷よりも高い処理負荷を発生させる指針動作である請求項1又は2記載の指針表示装置。
<請求項4>
前記特定動作は、前記指針の早送り動作である請求項1~3のいずれか一項に記載の指針表示装置。
<請求項5>
前記第2処理部は、外部機器との通信を行う通信部を有し、
前記ある処理には、前記通信部による外部機器との通信処理が含まれる
請求項1~4のいずれか一項に記載の指針表示装置。
<請求項6>
データを記憶する記憶部を備え、
前記通信部は、受信データを一時記憶する一時記憶部を有し、
前記制御部は、外部機器からの予想される受信データ量に係る条件を満たす場合に、データの受信開始から基準時間が経過した後の受信データを前記一時記憶部から取得して前記記憶部に記憶させる
請求項5記載の指針表示装置。
<請求項7>
前記制御部は、前記受信データ量に係る条件を満たす場合に、データの受信開始から基準時間よりも長い第1禁止時間を、前記指針の前記特定動作を禁止する期間として定め、前記条件を満たさない場合に、前記第1禁止時間よりも短い第2禁止時間を、前記指針の前記特定動作を禁止する期間として定める
請求項6記載の指針表示装置。
<請求項8>
前記条件には、外部機器との通信が切断されていた状態から通信接続が確立された状態に移行した場合の受信であることが含まれる請求項6又は7記載の指針表示装置。
<請求項9>
前記条件には、外部機器のオペレーティングシステムの種別が含まれる請求項6~8のいずれか一項に記載の指針表示装置。
<請求項10>
前記制御部は、前記外部機器における予め定められたイベントの発生情報を前記通信部により受信させ、前記発生情報が受信された場合には、予め定められた報知動作を実行するための制御を行う請求項5~9のいずれか一項に記載の指針表示装置。
<請求項11>
デジタル表示を行う表示部を備え、
前記制御部は、受信された前記発生情報に係るイベントの種別を特定して、特定された前記種別を示す表示を前記表示部により行わせることで前記報知動作を行わせる
請求項10記載の指針表示装置。
<請求項12>
前記制御部は、前記通信部により外部機器から複数の種別のイベントの前記発生情報が続けて受信された場合に、当該複数の種別のうちの一部を示す表示を前記表示部により行わせる請求項11記載の指針表示装置。
<請求項13>
前記一部の種別は、直近に受信された前記発生情報に係る種別である請求項12記載の指針表示装置。
<請求項14>
指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部に対し、前記第1の周波数信号又は前記第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号を出力する第1出力ステップ、
前記第2の周波数信号に従って予め定められたある処理を行う第2処理部に対する前記第2の周波数信号の出力有無を制御する第2出力ステップ、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部の前記切り替えを前記ある処理の有無に応じて制御する周波数制御ステップ、
前記第2処理部が前記ある処理を行う間、前記第1処理部による前記指針の特定動作を禁止する特定動作禁止ステップ、
を含む指針表示動作制御方法。
<請求項15>
コンピュータを
指針を動作させるための処理を第1の周波数信号に従って実行可能な第1処理部に対し、発振部が出力する前記第1の周波数信号又は当該第1の周波数信号よりも周波数の高い第2の周波数信号を出力する第1出力手段、
前記第2の周波数信号に従って予め定められたある処理を行う第2処理部に対する前記第2の周波数の出力有無を制御する第2出力手段、
前記第1の周波数信号と前記第2の周波数信号とを切り替えて出力する発振部の前記切り替えを、前記ある処理の有無に応じて制御する周波数制御手段、
前記第2処理部が前記ある処理を行う間、前記第1処理部による前記指針の特定動作を禁止する特定動作禁止手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0080】
1 電子時計
2 筐体
3 表示板
10 CPU
20 記憶部
21 プログラム
22 報知種別情報
30 指針
31 輪列機構
32 ステッピングモータ
33 駆動部
331 タイマ回路
40 デジタル表示部
41 デジタル表示画面
411 セグメント表示領域
412 ドットマトリクス表示領域
45 報知動作部
50 操作受付部
60 通信部
61 一時記憶部
70 発振部
80 計時回路
AN アンテナ
図1
図2
図3
図4