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特許7552784精算装置、精算支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】精算装置、精算支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240910BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/01 301E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023072135
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2021051152の分割
【原出願日】2016-02-04
(65)【公開番号】P2023090820
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2015039637
(32)【優先日】2015-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015131453
(32)【優先日】2015-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔太
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-186495(JP,A)
【文献】特開2009-015663(JP,A)
【文献】特開2013-229063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録装置において登録された顧客の購入対象の商品の精算情報を取得する取得手段と、
顧客による精算処理において支払い方法を選択可能とする第1の画面を表示部に表示させる制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記顧客による精算処理とは異なる操作であって店員による操作が行われた場合に、前記第1の画面では選択できない支払い方法で支払われる預かり額の欄を含む第2の画面を前記表示部にさらに表示させるとともに、前記預かり額を含む支払い処理を行う
精算装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第1の画面が前記表示部に表示された後に、前記顧客による精算処理とは異なる操作であって店員による操作が行われた場合に、前記第2の画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の精算装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2の画面が表示されている状態で店員による操作が行われた場合に、前記第1の画面を表示させる、請求項1又は2に記載の精算装置。
【請求項4】
前記表示部はタッチパネルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の精算装置。
【請求項5】
前記精算処理の対象として登録された商品の精算情報を記憶する記憶部を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の精算装置。
【請求項6】
入出力部を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の精算装置。
【請求項7】
前記入出力部は、タッチパネルのセンサ部、釣銭機、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ、レシートプリンタ、スピーカ、及びキーボードのうちの少なくとも一つ以上を有する請求項6に記載の精算装置。
【請求項8】
サーバ装置を介して精算処理を行う、請求項1から7のいずれか一項に記載の精算装置。
【請求項9】
1以上のコンピュータにより実現される精算装置により実行される精算処理を支援する精算支援方法であって、
前記1以上のコンピュータが、
登録装置において登録された顧客の購入対象の商品の精算情報を取得し、
顧客による精算処理において支払い方法を選択可能とする第1の画面を表示部に表示させ、
さらに、前記顧客による精算処理とは異なる操作であって店員による操作が行われた場合に、前記第1の画面では選択できない支払い方法で支払われる預かり額の欄を含む第2の画面を前記表示部に表示させるとともに、前記預かり額を含む支払い処理を行う、精算支援方法。
【請求項10】
精算装置を実現するコンピュータが、
登録装置において登録された顧客の購入対象の商品の精算情報を取得する取得処理と、
顧客による精算処理において支払い方法を選択可能とする第1の画面を表示部に表示させる制御処理と、を実行し、
前記制御処理において、
前記顧客による精算処理とは異なる操作であって店員による操作が行われた場合に、前記第1の画面では選択できない支払い方法で支払われる預かり額の欄を含む第2の画面を前記表示部にさらに表示させるとともに、前記預かり額を含む支払い処理を行う、ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行うPOS(Point Of Sale)レジシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗におけるレジ端末では、(1)精算対象の商品を登録する処理(バーコードの読み取りなど)及び(2)登録された商品の精算を行う処理(代金の受け取りやおつりの返却など)という2つの処理が行われる。
【0003】
そして、このようなレジ端末の処理を2つの装置に分離し、(1)の処理と(2)の処理とを異なる装置で行うという運用方法がある。例えば特許文献1は、(1)の処理に用いられる登録装置と、(2)の処理に用いられる会計装置とが分離して設けられている販売管理システムを開示している。このシステムによれば、店員は、登録装置を用いて商品の登録を行い、商品登録の完了に伴い、登録装置が登録レシートを発行する。購入客は、その登録レシートを会計装置に読み取らせることで、会計装置が、その登録レシートの内容に基づく会計処理を行う。購入客はその会計装置を操作(代金を投入するなど)して会計を行う。
【0004】
上述の運用方法では、購入客が自由に精算を行う会計装置を選ぶことができる。これに対して、店員が、登録装置に表示される画面を操作することで購入客に精算させる会計装置を指定する方法がある。この場合は、下記特許文献1に記載されるような登録レシートは必要とされず、店員は、指定した会計装置を、口頭又は顧客用ディスプレイ等を介して顧客に知らせる。顧客は、指定された会計装置の所まで行き、当該会計装置を操作して登録装置で登録された商品を精算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-186495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の運用方法では、レジ端末で行われていた処理の一部の精算処理を会計装置(本明細書では精算装置と表記する)に対する顧客の操作に委ねることになる。一方で、金券を利用した支払いや、既に登録された商品のキャンセルや値引き額の変更など、店員が関わるべき操作が存在する。このような店員が関わるべき操作が発生した場合には、上述の運用方法では、精算装置から店員が利用する商品登録装置又は他の装置に精算情報を戻すことが考えられる。しかしながら、精算情報を精算装置から他の装置に移行するのでは、その顧客の精算に多大な時間と労力がかかることになる。
【0007】
本発明は、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行う運用方法において、レジの利便性を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0009】
第1の側面は、精算装置に関する。
第1の側面に係る精算装置は、
登録装置において登録された顧客の購入対象の商品の精算情報を取得する取得手段と、
顧客による精算処理において支払い方法を選択可能とする第1の画面を表示部に表示させる制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記顧客による精算処理とは異なる操作であって店員による操作が行われた場合に、前記第1の画面では選択できない支払い方法で支払われる預かり額を含む第2の画面を前記表示部にさらに表示させる。
【0010】
第2の側面は、1以上のコンピュータにより実現される精算装置により実行される精算支援方法に関する。
第2の側面に係る精算支援方法は、
前記1以上のコンピュータが、
登録装置において登録された顧客の購入対象の商品の精算情報を取得し、
顧客による精算処理において支払い方法を選択可能とする第1の画面を表示部に表示させ、
さらに、前記顧客による精算処理とは異なる操作であって店員による操作が行われた場合に、前記第1の画面では選択できない支払い方法で支払われる預かり額を含む第2の画面を前記表示部に表示させる、ことを含む。
【0011】
なお、本発明の他の側面は、上記第2の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムである。また他の側面は、そのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
【発明の効果】
【0012】
上記各側面によれば、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行う運用方法において、レジの利便性を向上させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0014】
図1】第一実施形態におけるPOSレジシステムのハードウェア構成例を概念的に示す図である。
図2】第一実施形態における精算装置の処理構成例を概念的に示す図である。
図3】第一実施形態における精算装置で表示される画面フローの例を示す図である。
図4】第一実施形態における精算装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】第二実施形態における精算装置で表示される画面フローの例を示す図である。
図6】第二実施形態における精算装置の動作例を示すフローチャートである。
図7】第三実施形態における精算装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
【0016】
[第一実施形態]
〔システム構成〕
図1は、第一実施形態におけるPOSレジシステム1のハードウェア構成例を概念的に示す図である。第一実施形態におけるPOSレジシステム1は、商品登録装置10、サーバ装置15、及び精算装置20を有する。商品登録装置10は、店員の操作に応じて精算対象の商品を登録する処理を行い、登録された商品の精算情報をサーバ装置15に送信する。サーバ装置15は、商品登録装置10から送られた精算情報を精算装置20に送信する。精算装置20は、顧客の操作に伴い、サーバ装置15から受信された精算情報に基づく精算処理を行う。各装置の具体的な処理内容については後述する。
【0017】
精算装置20は、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、通信ユニット4、入出力インタフェース(I/F)5等を有する。これら各ハードウェア要素は、例えば、バス等により接続される。CPU2は、一般的なCPU、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等の少なくとも一つに相当する。メモリ3は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)等である。通信ユニット4は、無線又は有線にて、他の装置(サーバ装置15等)と通信を行う。
【0018】
入出力I/F5には、表示装置6、入出力装置7等が接続される。表示装置6は、顧客用のディスプレイ、タッチパネルの表示部等の少なくとも一つである。入出力装置7は、タッチパネルのセンサ部、釣銭機(紙幣及び硬貨)、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ、レシートプリンタ、スピーカ等を含む。また、入出力装置7は、定位置が露出されない位置に配置されるキーボード等を含むこともできる。入出力I/F5は、CPU2により実行される処理に応じて出力装置に画面表示や音声等を出力する。また、入出力I/F5は、入出力装置7からの入力信号を受け付ける。
【0019】
精算装置20は、上述のようなハードウェア要素により、顧客の精算装置20への指示入力、顧客の支払い操作等のユーザ操作を受け付け、精算処理を行う。精算装置20により実行される「精算処理」とは、商品登録装置10で生成された精算情報に基づいて、精算装置20に対する顧客の操作に従って実行される処理を意味する。よって、精算装置20によって実行される「精算処理」は、精算装置20に表示される後述のレジ業務画面に対する店員の操作に従って実行される決済を完了させるための処理(以降、特殊精算処理と表記される)とは区別される。顧客の支払い操作には、例えば、硬貨及び紙幣の投入操作、釣銭の取り出し操作、クレジットカード支払いの操作、電子マネーの支払いの操作等が含まれる。
【0020】
商品登録装置10は、精算装置20と同様に、ハードウェア要素として、CPU2、メモリ3、通信ユニット4、入出力I/F5等を有する。商品登録装置10の入出力I/F5に接続される表示装置6は、店員用及び御客用のディスプレイ、タッチパネルの表示部等の少なくとも一つである。入出力装置7は、タッチパネルのセンサ部、キーボード、スキャナ装置、スピーカ等を含む。商品登録装置10の入出力I/F5に接続される入出力装置7は、精算装置20に接続される入出力装置7と同一の装置を包含していることが望ましい。これにより、高齢者等のように精算装置20を独自に操作することが困難な者に対して、商品登録装置10で決済まで完了させることができるからである。
【0021】
商品登録装置10は、このようなハードウェア要素により、店員の商品登録操作、店員の商品登録装置10への指示入力等を受け付け、商品登録処理を行う。店員の商品登録操作には、例えば、商品に付されたバーコードのスキャン操作、商品価格のキーボード入力等が含まれる。
【0022】
サーバ装置15は、いわゆるコンピュータであり、図1に示されるように、バスで相互に接続される、CPU2、メモリ3、通信ユニット4、入出力I/F5等を有する。図示されていないが、入出力I/F5には、表示装置や入出力装置が接続されていてもよい。
【0023】
POSレジシステム1に含まれる各装置のハードウェア構成は、図1の例に制限されない。また、各装置の数、及び各装置のハードウェア要素の数も、図1の例に制限されない。また、POSレジシステム1は、サーバ装置15を含まなくてもよい。この場合、精算装置20は商品登録装置10から精算情報を取得すればよい。また、POSレジシステム1は、レジ端末の処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置に対する顧客の操作に委ねる運用方法に対応していればよく、POSレジシステム1がサポートする具体的な運用方法は制限されない。
【0024】
例えば、POSレジシステム1は、特許文献1のように、精算装置が、顧客により持ち運ばれる可搬媒体(会計券、会員カード、携帯端末等)から得られる情報を利用して、精算処理を行う運用方法(以降、「会計券方式」と表記される)に対応可能である。この場合、精算装置20に接続される入出力装置7には、可搬媒体から情報を読み取るリーダ装置が含まれればよい。精算装置20は、その可搬媒体から読み取られた識別情報(精算識別情報等)をサーバ装置15に送ることで、サーバ装置15からその識別情報に対応する精算情報を取得することができる。また、POSレジシステム1は、商品登録装置10自身又はサーバ装置15自身、若しくは、それら装置のオペレータにより指定された精算装置20が精算処理を行う運用方法(以降、「指定方式」と表記される)にも対応可能である。
【0025】
〔処理構成〕
図2は、第一実施形態における精算装置20の処理構成例を概念的に示す図である。精算装置20は、取得部21、検出部22、制御部23等を有する。取得部21、検出部22及び制御部23は、例えば、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。また、当該プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ3に格納されてもよい。
【0026】
取得部21は、商品登録装置10で登録された商品の精算情報を取得する。精算情報は、精算対象として登録された各商品に関する識別データ、商品名、金額、個数及び値引き情報、取引番号、合計金額などを含む。但し、取得部21により取得される精算情報の具体的内容は、その精算情報により精算装置20が精算処理を完了させることができるのであれば、制限されない。また、合計金額は、制御部23により算出されてもよい。
【0027】
取得部21による精算情報の取得方法についても制限されない。例えば、会計券方式の場合、取得部21は、精算装置20のリーダ装置(図示せず)により可搬型媒体(紙や磁気カード、携帯端末等)から読み取られた識別情報(取引番号、会員番号等)をサーバ装置15に送ることで、サーバ装置15からその識別情報に対応する精算情報を取得する。指定方式の場合、取得部21は、商品登録装置10又はサーバ装置15から精算情報を送りつけられてもよい。
【0028】
検出部22は、精算装置20に対するユーザ操作を検出する。例えば、検出部22は、タッチパネルのセンサ部、釣銭機、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ等の入出力装置7からの入力信号に基づいてユーザ操作を検出する。検出部22により検出されるユーザ操作は、2つの種類に大別されるユーザ操作を含む。一方は、取得部21により取得された精算情報に基づく精算処理を行うために予め定義されている操作群(以降、通常ユーザ操作と表記する)であり、他方は、通常ユーザ操作とは異なる他の所定操作(以降、特定ユーザ操作と表記する)である。言い換えれば、通常ユーザ操作は、精算処理のフロー上で処理を進める又は処理を戻すためのユーザ操作であり、特定ユーザ操作は、精算処理のフローには含まれない特殊なユーザ操作である。一般的には、通常ユーザ操作は顧客により行われる操作であり、特定ユーザ操作は、顧客が行うことができず、店員のみにより行われ得る操作である。
【0029】
検出部22は、例えば、特定ユーザ操作として、所定の入力装置(入出力装置7)に対する予め決められた入力操作を検出する。この「所定の入力装置に対する予め決められた入力操作」は、顧客にとって、操作不可能な状態、操作困難な状態、又は操作しようとはしない状態に設定されることが望ましい。所定の入力装置の配置や形態によりこのような状態が実現されてもよいし、予め決められた入力操作の方法によりこのような状態が実現されてもよい。例えば、当該所定の入力装置は、精算装置20の筐体内に取り出し可能な状態で収容された(隠された)キーボードであり、検出部22は、そのキーボードの或るキー(例えば、切替キー)を押下する操作を特定ユーザ操作として検出する。また、当該所定の入力装置は、通常ユーザ操作のために設けられた操作子(図示せず)が配置された箇所とは異なる箇所に設けられた操作子であってもよい。また、当該所定の入力装置は、指が入らない大きさのくぼみの下、又は開閉可能な蓋で閉じられているくぼみの下に設けられた操作ボタンであってもよい。更に、このような操作子が複数設けられ、検出部22は、その複数の操作子が予め決められた順番で操作されたことを当該特定ユーザ操作として検出することもできる。
【0030】
特定ユーザ操作の他の例として、検出部22は、表示装置6に表示される画面に対する秘密操作を検出する。ここでの秘密操作とは、顧客に秘密にされ、店員のみに知らされた操作を意味する。よって、顧客はこの秘密操作をすることはできない。例えば、検出部22は、表示画面上の或る決まった位置が所定時間(例えば10秒)押され続けることを秘密操作として検出する。また、秘密操作は、表示画面の四隅を決まった順番で押す操作であってもよいし、店員のみが知るパスワードをその画面内の入力欄に入力する操作であってもよい。このような秘密操作の内容は制限されない。また、特定ユーザ操作の他の例として、検出部22は、店員カード等の可搬媒体からリーダ部(入出力装置7)に店員の識別情報を読み取らせる操作を検出する。店員カードは顧客には渡されないため、顧客がその操作を行うことはできない。
【0031】
上述のような特定ユーザ操作の内容は、精算処理のフローには含まれず、顧客が行うことができず、店員のみにより行われ得る操作であれば、制限されない。通常ユーザ操作の具体例は後述される。
【0032】
制御部23は、検出部22により検出されたユーザ操作により、取得部21により取得された精算情報に基づく精算処理を行う。具体的には、制御部23は、検出部22により通常ユーザ操作が検出された場合には、その通常ユーザ操作に基づいて、当該精算処理を行う。制御部23により実行される精算処理は、合計金額を顧客に提示する処理、支払い方法を顧客に選択させる処理、選択された支払い方法での支払いを受け付ける処理、釣銭を払い出す処理、レシートを出力する処理、精算完了を提示する処理を含む。当該精算処理は、レシートの要否を顧客に選択させる処理、領収書の発行の要否を顧客に選択させる処理、領収書出力処理、会員カードの読み取り処理等、一般的な精算の流れに沿う他の処理を含んでもよい。また、支払い方法が固定的に決定される場合や、顧客が支払い操作をいきなり行った場合等には、精算処理は、支払い方法を顧客に選択させる処理を含まなくてもよい。
【0033】
一方で、制御部23は、特定ユーザ操作が検出された場合には、上述の精算処理では表示されないレジ業務画面を表示装置6に表示する。例えば、制御部23は、精算処理では表示されないレジ業務画面として、取得部21により取得された精算情報に含まれる商品情報を変更可能な商品登録画面、又は精算処理中に表示される画面では選択できない支払い方法を選択可能な会計画面を表示装置6に表示することができる。精算処理は、取得部21で取得された精算情報に基づく処理であるため、精算情報の変更を前提としていない。よって、精算処理ではそのような商品登録画面は表示されない。ここで、商品登録画面で可能とされる商品情報の変更には、登録された商品の取り消し、新たな商品の登録、値引き及び割引きの額の適用及び変更等が含まれる。また、本運用方法では、精算処理は基本的に精算装置20に対する顧客の操作に委ねられるため、金券やクーポンを利用した支払いのように、店員が関わるべき操作に基づく処理を含まない。即ち、精算装置20で実行される精算処理のフロー上で表示される画面では選択できない支払い方法が存在する。よって、精算処理では上述の会計画面は表示されない。
【0034】
また、制御部23は、精算処理では表示されないレジ業務画面として、商品登録装置10で表示される画面と同一の画面を表示装置6に表示してもよい。これにより、店員は、商品登録装置10で慣れている使い方と同じ使い方でレジ業務画面を利用することができるため、店員による誤操作や戸惑いを防ぎ、作業効率を向上させることができる。制御部23により表示されるレジ業務画面の内容は、上述の精算処理で表示されない画面内容であれば、制限されない。
【0035】
図3は、第一実施形態における精算装置20で表示される画面フローの例を示す図である。まず、図3を用いて、制御部23により実行される上述の精算処理の具体例を説明する。制御部23は、精算処理の冒頭で、支払い方法を顧客に選択させる画面G1を表示する。この画面G1で顧客が支払い方法を選択する操作は、上述の通常ユーザ操作に該当する。制御部23は、現金支払いを示すボタンB1、クレジット支払いを示すボタンB2、電子マネー支払いを示すボタンB3のいずれか一つが押下される操作(通常ユーザ操作)が検出部22により検出されると、押下されたボタンが示す支払い方法に対応する画面G2又はG3を表示する。
【0036】
画面G2は、現金支払いを支援する画面である。制御部23は、画面G2を表示させつつ、入出力装置7から投入された硬貨及び紙幣の情報を受け、投入金額及び残りの金額を算出する。制御部23は、算出された投入金額及び残りの金額を画面G2に反映させる。画面G3は、クレジットカード支払いを支援する画面である。制御部23は、画面G3を表示させつつ、入出力装置7のクレジットカードリーダからの情報等によりクレジット決済処理を行う。なお、図3では、電子マネーの支払いを支援する画面は図示されていない。制御部23は、画面G2の「現金取りやめ」ボタンB21、又は画面G3の「クレジット取りやめ」ボタンB31が押下された場合には、画面G1を再度表示する。この場合、既に投入された硬貨及び紙幣が存在する場合、制御部23は、払い戻し処理を行うこともできる。
【0037】
図3には図示されていないが、制御部23は、選択された支払い方法での支払いが完了すると、レシートを入出力装置7のプリンタから出力し、支払い完了を示す情報と共に、その精算情報をサーバ装置15に送信する。制御部23は、更に、領収書発行の処理を実行することもできる。
【0038】
次に、図3を用いて、特定ユーザ操作の検出により表示されるレジ業務画面について説明する。制御部23は、上述のような特定ユーザ操作が検出部22により検出されると、取得部21により取得された精算情報に含まれる商品情報を変更可能な商品登録画面G11を表示する。特定ユーザ操作の検出は、画面G2又はG3若しくは他の画面が表示されているときになされてもよい。商品登録画面G11では、精算情報に含まれる登録商品のリストが表示される。制御部23は、商品登録画面G11に対するユーザ操作に応じて精算情報を変更する。精算情報の変更は、登録された商品の取り消し、新たな商品の登録、値引き又は割引きの額の変更等を含む。商品登録画面G11は、商品を登録する際に商品登録装置10で表示される画面と同様の画面であってもよい。
【0039】
商品登録画面G11の「小計」ボタンB11が選択されると、制御部23は、会計画面G12を表示する。会計画面G12では、画面G1では選択肢とされていない金券による支払いが可能とされている。制御部23は、会計画面G12に対するユーザ操作に基づいて、あらゆる支払い方法を選択可能とする。制御部23は、ボタンB12の操作を検出すると、会計画面G12で選択された支払い方法での決済処理(特殊精算処理)を行う。運用上、図3に示される商品登録画面G11及び会計画面G12は、店員により操作される。
【0040】
図3で示される画面フローはあくまで例示である。制御部23は、上述のような特定ユーザ操作が検出部22により検出されると、画面G1に、商品登録画面G11に遷移するためのボタン、及び会計画面G12に遷移するためのボタンを表示してもよい。この場合、制御部23は、操作されたボタンに応じて、商品登録画面G11又は会計画面G12を表示すればよい。
【0041】
〔動作例〕
以下、第一実施形態における精算装置20の動作例について図4を用いて説明する。図4は、第一実施形態における精算装置20の動作例を示すフローチャートである。例えば、図示される各工程は、各装置が有する各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。
【0042】
精算装置20は、サーバ装置15から精算情報を取得する(S41)。精算装置20は、商品登録装置10から精算情報を取得してもよい。精算情報の内容及び取得方法については上述のとおりである。
【0043】
精算装置20は、取得された精算情報に基づく精算処理を開始する(S42)。このとき、顧客は、商品登録装置10で登録された商品の精算を行うために、商品登録装置10の前から精算装置20の前に移動してきている。精算処理を開始するにあたり、精算装置20は、図3に示される支払い方法を選択させる画面等を表示する。
【0044】
精算装置20は、ユーザ操作を検出する(S43;NO、S44)。検出されるユーザ操作には、(S42)の精算処理で表示された画面に対するユーザ操作や、釣銭機への硬貨及び紙幣の投入操作、クレジットカードや電子マネーの読み取らせ操作等の通常ユーザ操作、この通常ユーザ操作に含まれない特定ユーザ操作が含まれる。通常ユーザ操作は顧客により行われる操作であり、特定ユーザ操作は顧客が行うことができず店員により行われる操作である。
【0045】
精算装置20は、(S44)で検出された操作が通常ユーザ操作である場合(S45;NO)、その操作に応じて精算処理を進める(S42)。例えば、精算装置20は、釣銭機(入出力装置7)やクレジットカードリーダ等に対する顧客ユーザの支払い操作が検出された場合には、その操作に基づいて、支払いを受け付けながら、投入金額や残金を表示させる。精算装置20は、現金の支払い、クレジットカード支払い、電子マネーの支払い等の支払いの受け付けが完了すると、釣銭の出力処理、レシートの発行処理等を実行し、精算処理を完了させる。精算処理の完了は、顧客ユーザによる完了ボタンの選択操作により判断されてもよい。精算装置20は、精算処理が完了すると(S43;YES)、処理を終える。
【0046】
このように、通常時であれば、顧客は、精算装置20を自身で操作しながら、商品登録装置10で登録された商品の精算を終えることができる。しかしながら、顧客が既に登録された商品をキャンセルしたい場合や、登録された商品の個数や価格が誤っていること、値引きが適用されていないことに気付いた場合等のような特殊な事情が生じる可能性がある。このような場合には、精算装置20による精算処理で表示される画面では対処できないため、顧客は、店員を呼ぶことになる。これにより、店員は、その精算装置20に対して特定ユーザ操作を行う。例えば、店員は、精算装置20の筐体内に隠されたキーボード(入出力装置7)を取り出し、そのキーボード上の切替キーを押下する(特定ユーザ操作)。
【0047】
精算装置20は、上述のような精算処理(S42)の中で、特定ユーザ操作を検出すると(S45;YES)、精算処理(S42)では表示されない商品登録画面又は会計画面を表示する(S46)。精算装置20は、(S46)で表示された画面に対する店員ユーザの操作を検出し(S47)、その操作に基づいて、精算情報の変更、特定支払い方法の設定、又は特殊精算処理を実行する(S48)。例えば、商品登録画面に表示される商品の情報(価格、値引き、割引き等)を変更する操作が検出された場合には、精算装置20は、その操作に応じて精算情報を変更する。また、(S42)の精算処理で表示される画面では選択することができない特定の支払い方法(金券支払い等)を選択する操作が検出された場合、精算装置20は、その特定支払い方法を設定する。
【0048】
精算装置20は、精算情報及び支払い方法が確定すると、それら確定された情報に基づいて特殊精算処理を実行する(S48)。(S48)の特殊精算処理は、(S42)で実行される精算処理の一部と同一である。顧客は、店員に促されながら、支払いを行い、精算を終える。精算装置20は、支払いの受け付けが完了すると、釣銭の出力処理、レシートの発行処理等を実行し、特殊精算処理を完了させる。特殊精算処理の完了は、顧客ユーザによる完了ボタンの選択操作により判断されてもよい。精算装置20は、特殊精算処理が完了すると(S49;YES)、処理を終える。
【0049】
〔第一実施形態の作用及び効果〕
上述したように第一実施形態では、商品登録装置10と精算装置20とが別体で設けられ、レジ処理が商品登録装置10での商品登録処理と精算装置20での精算処理とに分離される。即ち、精算装置20では、商品登録装置10で登録された商品の精算情報が取得され、通常ユーザ操作により、その精算情報に基づく精算処理が実行される。これにより、店員による商品登録装置10の操作で登録された商品の精算を、顧客自身の操作により精算装置20で終えることができる。
【0050】
第一実施形態では、更に、精算装置20では、その精算処理のフロー上の通常ユーザ操作に含まれない特定ユーザ操作が検出された場合、その精算処理では表示されない商品登録画面又は会計画面が表示される。商品登録画面に対する操作により、商品登録装置10で登録された商品の精算情報が変更される。また、会計画面に対する操作により、精算処理では選択不可能な支払い方法が設定される。このように第一実施形態によれば、レジ処理が精算装置20での精算処理に移った後でも、特殊事情により、店員が関わるべき処理を精算装置20で行うことが可能となる。従って、特殊事情が発生した場合でも、顧客は、他の場所に移動することなく、店員を呼ぶだけで済むため、レジの利便性を向上させることができる。
【0051】
第一実施形態では、商品登録画面又は会計画面を表示させるトリガとなる特定ユーザ操作は、定位置が露出されない位置にある入力装置に対する予め決められた入力操作等のように、顧客にとって行うことが困難な操作に設定される。これにより、既に登録された商品の情報の変更や特殊な支払い方法の選択等、店員が関わるべき処理を顧客の操作ではできないようにすることができる。
【0052】
[第二実施形態]
上述の第一実施形態では、精算装置20において精算処理では表示されないレジ業務画面が表示された場合、そのレジ業務画面(例えば、会計画面)に対する操作に基づいて決済が完了した(特殊精算処理)。第二実施形態は、精算処理では表示されないレジ業務画面から精算処理のための画面に戻すことを可能とする。以下、第二実施形態について、第一実施形態と異なる内容を中心に説明する。以下の説明では、第一実施形態と同様の内容については適宜省略する。
【0053】
〔処理構成〕
検出部22は、上述の通常ユーザ操作とは異なる他の所定操作として、第一の特定ユーザ操作、第二の特定ユーザ操作、及び第三の特定ユーザ操作を検出する。第一、第二、及び第三の特定ユーザ操作は、予め決められている。「第一の特定ユーザ操作」が第一実施形態における「特定ユーザ操作」である。即ち、「第一の特定ユーザ操作」は、精算処理では表示されないレジ業務画面を精算装置20に表示させるための操作である。「第二の特定ユーザ操作」は、レジ業務画面から精算処理のフロー上で表示される画面に切り替えるための操作であるため、検出部22は、精算処理では表示されないレジ業務画面が表示されている状態で、第二の特定ユーザ操作を検出する。
【0054】
第一及び第二の特定ユーザ操作は、同じ操作であってもよい。この場合、例えば、検出部22は、第二の特定ユーザ操作として、所定の入力装置に対する予め決められた入力操作、表示装置6に表示される画面に対する秘密操作、又は、店員カード等の可搬媒体からリーダ部(入出力装置7)に店員の識別情報を読み取らせる操作を検出する。このようにすれば、精算処理の画面とレジ業務画面との間を同一操作で切り替えることができる。また、商品登録装置10で表示される画面と精算装置20で表示されるレジ業務画面とを同じくすることができる。よって、店員にとってのユーザビリティを向上させることができる。
【0055】
第二の特定ユーザ操作は、第一の特定ユーザ操作とは異なる操作であってもよい。この場合、例えば、検出部22は、表示されているレジ業務画面に設けられた操作ボタン(例えば、「戻る」ボタン等)の押下操作を第二の特定ユーザ操作として検出する。但し、検出部22により検出される第二の特定ユーザ操作は、このような例に限定されない。
【0056】
「第三の特定ユーザ操作」は、レジ業務画面で精算を完了させるための操作である。このため、検出部22は、精算処理では表示されないレジ業務画面が表示されている状態で、第三の特定ユーザ操作を検出する。第二及び第三の特定ユーザ操作は、異なる操作となる。例えば、検出部22は、レジ業務画面としての会計画面に設けられた「預/現計」(図3の例におけるボタンB12)の押下操作を第三の特定ユーザ操作として検出する。但し、検出部22により検出される第三の特定ユーザ操作は、このような例に限定されない。第二及び第三の特定ユーザ操作は、共に、レジ業務画面が表示されている状態で検出される操作であるため、第一の特定ユーザ操作と同様に、一般的には、店員によって行われる操作である。
【0057】
制御部23は、精算処理では表示されないレジ業務画面が表示されている状態で、第二の特定ユーザ操作が検出された場合に、精算処理では表示されないレジ業務画面から精算処理のフロー上で表示される画面に表示を変える。レジ業務画面から切り替えられて表示される画面は、精算処理のフロー上で表示される画面であれば、どの画面であってもよい。制御部23は、レジ業務画面が表示される前に表示されていた画面を表示させてもよいし、精算処理のフロー上のトップ画面を表示させてもよい。
【0058】
制御部23は、精算処理では表示されないレジ業務画面が表示されている状態で、第三の特定ユーザ操作が検出された場合に、精算処理のフロー上で表示される画面への表示変更をせずに、特殊精算処理を実行することで、決済を完了させる。
【0059】
図5は、第二実施形態における精算装置20で表示される画面フローの例を示す図である。第二実施形態においても、制御部23により実行される精算処理は、第一実施形態と同様である。図5の例においても、第一実施形態と同様に、精算処理のフロー上において、画面G1と、画面G2又はG3とが表示される。
【0060】
制御部23は、上述の第一の特定ユーザ操作が検出部22により検出されると、取得部21により取得された精算情報に含まれる商品情報を変更可能な商品登録画面G11を表示する。第一の特定ユーザ操作の検出は、画面G2又はG3若しくは他の画面が表示されているときになされてもよい。制御部23は、第一実施形態と同様に、商品登録画面G11に対するユーザ操作に応じて精算情報を変更する。また、制御部23は、商品登録画面G11の「小計」ボタンB11が選択されると、第一実施形態と同様に、会計画面G12を表示する。制御部23は、会計画面G12の「預/現計」ボタンB12の選択操作が検出されると、特殊精算処理を実行して、決済を完了させる。図5の例では、第三の特定ユーザ操作は、会計画面G12の「預/現計」ボタンB12の選択操作である。
【0061】
第二実施形態では、商品登録画面G11及び会計画面G12に、「戻る」ボタンB15及びB16が設けられている。制御部23は、「戻る」ボタンB15又はB16を選択するユーザ操作が検出部22により検出されると、商品登録画面G11又は会計画面G12から、精算処理のフロー上で表示される画面G1に表示を変更する。図5の例では、第二の特定ユーザ操作は、「戻る」ボタンB15又はB16を選択する操作である。以降、制御部23は、商品登録画面G11及び会計画面G12に対するユーザ操作で変更された精算情報及び支払い方法の情報に基づく精算処理を、画面G1等に対する顧客の操作に従って実行する。これにより、店員の操作により精算情報及び支払い方法が変更された後に、顧客の操作により精算処理が進められることになる。
【0062】
図5で示される画面フローはあくまで例示である。制御部23は、商品登録画面G11又は会計画面G12から、支払い方法を選択するための画面G1以外の画面に表示を切り替えてもよい。例えば、第一の特定ユーザ操作が検出される前に、画面G1において既に支払い方法が選択されている場合には、制御部23は、商品登録画面G11又は会計画面G12から、画面G2又はG3に表示を切り替えてもよい。
【0063】
〔動作例〕
以下、第二実施形態における精算装置20の動作例について図6を用いて説明する。図6は、第二実施形態における精算装置20の動作例を示すフローチャートである。例えば、図示される各工程は、各装置が有する各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。
【0064】
(S61)、(S62)、及び(S63)は、図4に示される(S41)、(S42)、及び(S43)と同様である。
【0065】
精算装置20は、ユーザ操作を検出する(S63;NO、S64)。ここで検出されるユーザ操作は、精算処理フロー上で行われる操作であるため、基本的には、(S62)の精算処理で表示された画面に対するユーザ操作や、釣銭機への硬貨及び紙幣の投入操作、クレジットカードや電子マネーの読み取らせ操作のような通常ユーザ操作となる。
【0066】
精算装置20は、(S64)で検出された操作が通常ユーザ操作である場合(S65;YES)、その操作に応じて精算処理を進める(S62)。精算処理の具体的内容については第一実施形態で述べたとおりである。精算装置20は、通常ユーザ操作に従って精算処理を進めて、精算処理が完了すると(S63;YES)、処理を終える。このように、通常時であれば、顧客は、精算装置20を自身で操作しながら、商品登録装置10で登録された商品の精算を終えることができる。
【0067】
しかしながら、特殊な事情が生じた場合には、店員が、その精算装置20に駆けつけ、その精算装置20に対して第一の特定ユーザ操作を行う。例えば、店員は、精算装置20の筐体内に隠されたキーボード(入出力装置7)を取り出し、そのキーボード上の切替キーを押下する(第一の特定ユーザ操作)。精算装置20は、(S64)で検出された操作が通常ユーザ操作でない場合には(S65;NO)、第一の特定ユーザ操作を検出する。第二及び第三の特定ユーザ操作は、レジ業務画面が表示されている状態でのみ検出可能な操作であるため、ここでは、検出されない。このように、通常ユーザ操作は顧客により行われる操作であり、第一の特定ユーザ操作は基本的には店員により行われる操作である。
【0068】
精算装置20は、精算処理フローにおいて、第一の特定ユーザ操作を検出すると(S65;NO)、精算処理(S62)では表示されない商品登録画面又は会計画面(レジ業務画面)を表示する(S66)。精算装置20は、レジ業務画面が表示された状態で、店員ユーザの操作を検出する(S67)。精算装置20は、(S67)で検出された操作が第二の特定ユーザ操作でも第三の特定ユーザ操作でもない場合(S68;NO、S69;NO)、その操作に基づいて、精算情報の変更、又は特定支払い方法の設定を実行する(S70)。例えば、商品登録画面に表示される商品の情報(価格、値引き、割引き等)を変更する操作が検出された場合には、精算装置20は、その操作に応じて精算情報を変更する。また、(S62)の精算処理で表示される画面では選択することができない特定の支払い方法(金券支払い等)を選択する操作が検出された場合、精算装置20は、その特定支払い方法を設定する。
【0069】
精算装置20は、レジ業務画面が表示された状態で検出された店員ユーザの操作が第二の特定ユーザ操作である場合(S68;YES)、(S66)で表示されたレジ業務画面から精算処理のフロー上で表示される画面に表示を変え、(S70)で変更された精算情報又は(S70)で設定された特定の支払い方法に基づく精算処理を実行する(S62)。この場合、精算情報の変更及び特定の支払い方法の設定は店員の操作により行われ、顧客は、自身の操作で精算を終えることができる。
【0070】
精算装置20は、レジ業務画面が表示された状態で検出された店員ユーザの操作が第三の特定ユーザ操作である場合(S68;NO、S69;YES)、レジ業務画面に対する店員の操作に従って、特殊精算処理を実行して(S71)、決済を完了させる。(S71)で実行される特殊精算処理は、(S62)で実行される精算処理の一部と同一である。この場合、精算装置20に対する操作は店員により行われ、顧客は、店員に促されながら、支払いを行い、決済を終える。
【0071】
〔第二実施形態の作用及び効果〕
第二実施形態では、第一の特定ユーザ操作により、通常の精算処理では表示されない商品登録画面又は会計画面(レジ業務画面)が表示され、その状態で、第二の特定ユーザ操作が行われると、レジ業務画面から精算処理のフロー上で表示される画面に表示が変わる。このように、第二実施形態によれば、精算装置20において特殊事情により店員が関わるべき処理が終わると、顧客自身の操作で精算を終えることができる。結果、店員が精算装置20に留まる時間を短縮することができ、店員の作業効率を向上させることができる。
【0072】
[第三実施形態]
以下、第三実施形態における精算装置及び精算支援方法について図1図2、及び図7を用いて説明する。また、第三実施形態は、この精算支援方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録した当該少なくとも1つのコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【0073】
第三実施形態における精算装置は、図1に示される精算装置20と同様のハードウェア構成を有し、図2に示される精算装置20と同様の処理構成を有する。第三実施形態における精算装置20が有する取得部21、検出部22、及び制御部23についても、第一実施形態と同様に実現される。
【0074】
取得部21は、商品登録装置で登録された商品の精算情報を取得する。検出部22は、所定操作を検出する。ここで、検出される所定操作とは、精算処理を行うために定義されている操作群のいずれか一つを意味する。制御部23は、検出部22により検出された所定操作により、取得部21により取得された精算情報に基づく精算処理を行う。ここで、制御部23により実行される精算処理の内容は、商品登録装置で登録された商品の精算を終えることができれば、制限されない。即ち、その精算処理は、少なくとも、支払いを受け付ける処理、必要に応じて釣銭を払い出す処理を含めばよい。
【0075】
検出部22は、その精算処理のフロー上の上記所定操作とは異なる第一の特定操作を更に検出する。上記所定操作とは異なる第一の特定操作とは、精算処理を行うために定義されている操作群とは異なる操作であって、予め定義された少なくとも一つの操作を意味する。この「第一の特定操作」の具体例が、第一実施形態における「特定ユーザ操作」であり、第二実施形態における「第一の特定ユーザ操作」である。制御部23は、検出部22により上記第一の特定操作が検出された場合には、上記精算処理では表示されない画面を表示部(表示装置6)に表示する。
【0076】
図7は、第三実施形態における精算装置20の動作例を示すフローチャートである。図7に示されるように、第三実施形態における精算支援方法は、精算装置20のような少なくとも1つのコンピュータにより実行される。例えば、図示される各工程は、精算装置20が有する各処理モジュールにより実行される。
【0077】
第三実施形態における精算支援方法は、精算情報を取得し(S71)、操作を検出し(S72)、検出された操作が所定操作である場合に(S73;YES)、その所定操作により、取得された精算情報に基づく精算処理を行う(S75)ことを含む。ここで、検出される所定操作とは、精算処理(S75)を行うために定義されている操作群のいずれか一つを意味する。更に、第三実施形態における精算支援方法は、(S75)の精算処理のフロー上の上記所定操作とは異なる、第一の特定操作を検出することも更に含む(S72)。ここで、上記所定操作とは異なる、第一の特定操作とは、精算処理(S75)を行うために定義されている操作群とは異なる操作であって、予め定義された少なくとも一つの操作を意味する。第三実施形態における精算支援方法は、上記第一の特定操作が検出された場合には(S73;NO、S74;YES)、(S75)の精算処理では表示されない画面を表示装置6に表示することを更に含む(S76)。精算処理では表示されない画面の具体例が、上述した、商品登録画面又は会計画面である。
【0078】
精算装置20は、精算処理では表示されない画面を表示した(S76)後、第一実施形態に記載されるように特殊精算処理を実行してもよいし、第二実施形態に記載されるように(S75)の精算処理又は特殊精算処理を選択的に実行してもよい。特殊精算処理において、精算装置20は、精算処理では表示されない画面を表示後、(S75)とは異なる処理により精算を完了させてもよい。また、図7では、所定操作の検出(S72、S73;YES)と精算処理の実行(S75)とが一つのフローで示されているが、精算処理は、所定操作に伴い進められる。
【0079】
第三実施形態によれば、上述の第一実施形態及び第二実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
なお、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0081】
この出願は、2015年2月27日に出願された日本出願特願2015-039637号及び2015年6月30日に出願された日本出願特願2015-131453号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7