(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】電子機器、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G04G 19/00 20060101AFI20240910BHJP
G04G 9/00 20060101ALI20240910BHJP
G04G 21/00 20100101ALI20240910BHJP
【FI】
G04G19/00 Z
G04G9/00 305
G04G21/00 D
(21)【出願番号】P 2023078724
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2021205862の分割
【原出願日】2019-04-02
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】水野 公靖
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
(72)【発明者】
【氏名】内田 修平
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-173085(JP,A)
【文献】特開昭62-097464(JP,A)
【文献】特開2018-159644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
G04R 20/00-60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の計時回路を有する第1制御部と、
第2の計時回路を有し、前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、
通常の動作状態である通常状態から消費電力を抑えるスリープ状態へ移行する場合に、電力抑制通知と、前記第1の計時回路が計時する第1時刻情報とを、前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部は、
前記第1制御部から前記電力抑制通知と前記第1時刻情報とを受信した場合、受信した前記第1時刻情報に前記第2の計時回路を同期さ
せ、
前記スリープ状態から前記通常状態へ前記第1制御部を復帰させる場合にウェイクアップ信号を前記第1制御部に送信した後に、前記第2の計時回路が計時する第2時刻情報に基づき前記第1の計時回路を同期させるために前記第2制御部が前記第2時刻情報を送信することを前記第1制御部が待機している間に、前記第2時刻情報を前記第1制御部に送信する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1制御部は、
前記第2制御部
が前記ウェイクアップ信号
を前記第1制御部に送信し
た後に、前記第2制御部から送信させる前記第2時刻情報を待機し、
待機中に前記第2制御部か
ら受信した前記第2時刻情報に前記第1の計時回路を同期させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
第1の計時回路を有する第1制御部と、第2の計時回路を有し、前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、
前記第1制御部が、通常の動作状態である通常状態から消費電力を抑えるスリープ状態へ移行する場合に、電力抑制通知と、前記第1の計時回路が計時する第1時刻情報とを、前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部が、
前記第1制御部から前記電力抑制通知と前記第1時刻情報とを受信した場合、受信した前記第1時刻情報に前記第2の計時回路を同期さ
せ、
前記スリープ状態から前記通常状態へ前記第1制御部を復帰させる場合にウェイクアップ信号を前記第1制御部に送信した後に、前記第2の計時回路が計時する第2時刻情報に基づき前記第1の計時回路を同期させるために前記第2制御部が前記第2時刻情報を送信することを前記第1制御部が待機している間に、前記第2時刻情報を前記第1制御部に送信する、
ことを含む、ことを特徴とする制御方法。
【請求項4】
前記第1制御部が、
前記第2制御部が
前記ウェイクアップ信号
を前記第1制御部に送信し
た後に、前記第2制御部から送信させる前記第2時刻情報を待機し、
待機中に前記第2制御部か
ら受信した前記第2時刻情報に前記第1の計時回路を同期させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
第1の計時回路を有する第1制御部と、第2の計時回路を有し、前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、を備える電子機器のコンピュータによって、
前記第1制御部が、通常の動作状態である通常状態から消費電力を抑えるスリープ状態へ移行する場合に、前記第1制御部により、電力抑制通知と、前記第1の計時回路が計時する第1時刻情報とを、前記第2制御部に送信させ、
前記第2制御部が、前記第1制御部から前記電力抑制通知と前記第1時刻情報とを受信した場合、前記第2制御部により、受信した前記第1時刻情報に前記第2の計時回路を同期さ
せ、
前記第2制御部により前記スリープ状態から前記通常状態へ前記第1制御部を復帰させる場合にウェイクアップ信号を前記第1制御部に送信させた後に、前記第2の計時回路が計時する第2時刻情報に基づき前記第1の計時回路を同期させるために前記第2制御部が前記第2時刻情報を送信することを前記第1制御部により待機させている間に、前記第2制御部により前記第2時刻情報を前記第1制御部に送信させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記電子機器のコンピュータによって、
前記第2制御部により
前記ウェイクアップ信号
を前記第1制御部に送信させ
た後に、前記第2制御部から送信させる前記第2時刻情報を前記第1制御部により待機させ、
待機中に前記第2制御部か
ら受信した前記第2時刻情報に前記第1の計時回路を
前記第1制御部により同期させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子時計等の電子機器、電子機器の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートウォッチ等の高機能で小型の電子機器が普及してきている。高機能な電子機器は消費電力が大きく、また、電池電圧が低下すると計時機能のような基本的な機能を含め、全ての機能が停止してしまう。そこで、例えば特許文献1に開示されている電子時計では、二次電池の電圧に応じた機能制限を行うことによって基本機能(計時機能等)を長時間維持できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている電子時計は、二次電池の電圧に応じた機能制限を行うことによって基本機能を長時間維持できるようにしている。しかし、当該電子時計は、二次電池の電圧降下が生じるまでの間は機能制限が行われずに電力を多く消費する。したがって、ユーザが基本機能以外の機能を使用しようとした時には既に二次電池の電圧降下が生じている場合も考えられ、このような場合、結局ユーザは基本機能以外の機能を使用できない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ユーザに機能制限を感じさせずに電池寿命を長期化させることが可能な電子機器、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る電子機器は、
第1の計時回路を有する第1制御部と、
第2の計時回路を有し、前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、
を備え、
前記第1制御部は、
通常の動作状態である通常状態から消費電力を抑えるスリープ状態へ移行する場合に、電力抑制通知と、前記第1の計時回路が計時する第1時刻情報とを、前記第2制御部に送信し、
前記第2制御部は、
前記第1制御部から前記電力抑制通知と前記第1時刻情報とを受信した場合、受信した前記第1時刻情報に前記第2の計時回路を同期させ、
前記スリープ状態から前記通常状態へ前記第1制御部を復帰させる場合にウェイクアップ信号を前記第1制御部に送信した後に、前記第2の計時回路が計時する第2時刻情報に基づき前記第1の計時回路を同期させるために前記第2制御部が前記第2時刻情報を送信することを前記第1制御部が待機している間に、前記第2時刻情報を前記第1制御部に送信する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザに機能制限を感じさせずに電池寿命を長期化させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る電子時計の構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る電子機器システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る通常動作状態と低消費電力動作状態とを比較する図である。
【
図4】実施形態に係る第1表示部と第2表示部の構造を説明する図である。
【
図5】実施形態に係る低消費電力動作状態移行処理のフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る通常動作状態移行処理のフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る動作状態切替処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0010】
実施形態に係る電子機器の一例である電子時計100は、
図1に示すように、機能構成として、第1制御部110と、第2制御部120と、第1通信部131と、第1表示部132と、第1操作部133と、第2操作部134と、第2通信部135と、第2表示部136と、センサ部137と、通知部138と、電源制御部140と、電池141と、を備える。
【0011】
また、第1制御部110は、プロセッサ111と、メモリ112と、計時回路113と、を備える。第1制御部110は、自分自身をスリープさせて電力消費を抑える機能を持つ。スリープした第1制御部110は、基本的には動作を停止しているが、外部から割り込み信号(ウェイクアップ信号)を受信するとスリープ状態から復帰してアクティブ状態になり、動作を開始する。
【0012】
プロセッサ111は、Android等の高機能OS(Operating System)を実装可能な処理能力の高い(例えば動作周波数1GHzの64ビットの)CPU(Central Processing Unit)である。
【0013】
メモリ112は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなり、電子時計100の全ての機能を実現するために必要となる容量の大部分をまかなうことができる容量のメモリである。なお、メモリ112は、第1制御部110の内部に限られず、第1制御部110の外部に設けられてもよい。
【0014】
計時回路113は、電子時計100が表示する時刻を計時する。なお、計時回路113は、所定の時間(例えば1秒)毎にメモリ112に記憶させる値を変化させるソフトウェアにより構成されてもよいし、あるいは、専用のハードウェアにより構成されてもよい。計時回路113が計時する時刻は、所定のタイミングからの累積時間、UTC(Coordinated Universal Time、協定世界時)、JST(Japan Standard Time、日本標準時)等の各地の標準時、又は予め設定された都市の時刻(地方時)等のうち何れであってもよい。また、この計時回路113が計時する時刻は、必ずしも年月日時分秒の形式でなくてもよい。なお、計時回路113は、第1制御部110の内部に限られず、第1制御部110の外部に設けられてもよい。
【0015】
第2制御部120は、プロセッサ121と、メモリ122と、電子時計100の時刻を計時する計時回路123と、を備える。
【0016】
プロセッサ121は、プロセッサ111と比較して、低機能で速度が遅い(例えば動作周波数16MHzの16ビットの)CPUである。そのため、プロセッサ121は高機能OSには向かない。反面、プロセッサ121は、プロセッサ111よりも低消費電力である。また、プロセッサ121は、間欠動作が可能であり、例えば間欠動作により、1秒に1回ずつ短時間だけ動作させるようにすることで、プロセッサ111よりも格段に低消費電力で動作させることが可能である。
【0017】
メモリ122は、RAM、ROM等からなり、プロセッサ121の動作に必要な容量のメモリである。なお、メモリ122及び計時回路123は、第2制御部120の内部に限られず、第2制御部120の外部に設けられてもよい。例えば、第1制御部110の内部のメモリ112の全体又は一部をメモリ122として第2制御部120から使用可能な構成にしてもよい。また、メモリ112もメモリ122も外部の同一のメモリで、その同一のメモリを第1制御部110と第2制御部120とが共用するような構成にしてもよい。
【0018】
計時回路123は、計時回路113と同様に、電子時計100が表示する時刻を計時する。また、計時回路113と同様に、ソフトウェアにより構成されてもよいし、専用のハードウェアにより構成されてもよい。計時回路123が計時する時刻の種類や形式は、計時回路113と同様に任意である。なお、計時回路123は、第2制御部120の内部に限られず、第2制御部120の外部に設けられてもよい。また、計時回路113も計時回路123も外部の同一の計時回路で、その同一の計時回路を第1制御部110と第2制御部120とが共用するような構成にしてもよい。
【0019】
第1通信部131は、他の装置(例えばスマートフォン)と無線通信するためのデバイスであり、例えば、Bluetooth(登録商標) Classicの通信規格に対応した通信デバイスである。
【0020】
第1表示部132は、カラー表示が可能な高精細ディスプレイであり、例えば、カラー高精細LCD(Liquid Crystal Display)である。ただし、第1表示部132はLCDに限定されるものではなく、例えばEL(Electro-Luminescence)等でもよい。第1表示部132は、高精細な時刻の表示や、高機能OSのアプリケーションソフトが実行されることによる画面の表示を行う。
【0021】
第1操作部133は、第1表示部132及び第2表示部136の上に重ねて備えられたタッチパネルモジュールを備える。第1操作部133は、タッチパネルモジュールによりユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力操作に応じた電気信号を入力信号として第1制御部110に送る。例えば、ユーザが電子時計100のディスプレイにタッチすると、第1操作部133は、割り込み信号(ウェイクアップ信号)を発生させて、ディスプレイにタッチされたことを第1制御部110に通知する。そして、当該タッチパネルモジュールへのユーザの接触動作に係る接触位置や接触態様を検出し、検出された接触位置や接触態様に応じた操作信号を第1制御部110に送る。第1表示部132と第1操作部133とにより、高機能OSのUI(User Interface)が実現される。第1操作部133は、ユーザの操作を取得する操作取得部として機能する。
【0022】
第2操作部134は、竜頭やボタンを備える。第2操作部134は、竜頭やボタンによりユーザからの入力操作を受け付けて、当該入力操作に応じた電気信号を入力信号として第1制御部110及び第2制御部120に送る。例えば、第2操作部134は、竜頭やボタンによりユーザからの時刻合わせや表示切り替え等の指示を受け付けて、当該指示を第1制御部110及び第2制御部120に送る。
【0023】
なお、
図1では、第1操作部133は第1制御部110のみに接続され、第2操作部134は第1制御部110及び第2制御部120に接続されているが、これはあくまでも一例であり、接続先がこの例に限定されるものではない。例えば、第1操作部133が第1制御部110及び第2制御部120に接続されていてもよいし、第2制御部120のみに接続されていてもよい。また、第2操作部134が第1制御部110のみ又は第2制御部120のみに接続されていてもよい。
【0024】
第2通信部135も、第1通信部131同様に、他の装置(例えばスマートフォン)と無線通信するためのデバイスである。ただし、第2通信部135の消費電力は第1通信部131の消費電力よりも低く、通信速度は第1通信部131よりも遅い。第2通信部135は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLEという。)の通信規格に対応した通信デバイスである。
【0025】
第2表示部136は、例えばLCDによるモノクロのセグメント等のディスプレイである。第2表示部136は、第1表示部132よりも消費電力が低い。第2表示部136は、セグメント等により、時刻その他の情報を表示することができる。
【0026】
センサ部137は、加速度センサ、地磁気センサ、気圧センサ等のセンサ類を備える。センサ部137が検知した情報に基づき、第2制御部120は、電子時計100の動き、向き、高度等の情報を取得することができる。
【0027】
通知部138は、ブザーやバイブレーションモーター(振動モーター)を備える。通知部138は、ブザーを鳴らしたり、バイブレーションモーターで電子時計100を振動させたりすることにより、例えばアラーム設定した時刻になったことや、何らかのメッセージを受信したこと等をユーザに通知することができる。
【0028】
電源制御部140は、電池141からの電源電圧を所望の電圧に変換し、電子時計100の内部の各デバイスに電力を供給する。電源制御部140は、第1制御部110及び第2制御部120からの指示により、各デバイスに供給する電源(電力供給)のON/OFFを行うことが可能である。
【0029】
以上、電子時計100の機能構成について説明した。電子時計100は、
図2に示すように、スマートフォン200とともに、電子機器システム1を構成する。スマートフォン200は、電子時計100とBluetooth(登録商標)により無線通信接続している。このため、例えば、スマートフォン200は、受信したメールをBluetooth(登録商標)により電子時計100に送信することができる。
【0030】
そして、電子時計100は、上述の高機能OSの上では、高速通信可能な第1通信部131を用いることによって、スマートフォン200から送信されたメールを、メール本文や添付ファイルも含め全て比較的短時間で受信することができ、また、高機能OSの機能を用いることで、例えば、メール本文、又は、メール本文及び添付ファイル等を全て表示することができる。したがって、この場合は、ユーザはスマートフォン200を確認せずとも、当該メールを電子時計100で確認することができる。
【0031】
しかし、電子時計100は、消費電力を抑えるために、第1通信部131や第1制御部110を停止(スリープ等)させている場合があり、この場合、第2制御部120や第2通信部135で処理が行われる。上述のように、第2制御部120のプロセッサ121は、高機能OSの実装には向かず、また、第2通信部135の通信速度は遅い。したがって、電子時計100が消費電力を抑えている場合には、電子時計100はプロセッサ121の処理速度や第2通信部135の通信速度を考慮し、メール本文等を全て受信したりせずに最小限の通信に抑え、電子時計100をより低消費電力にすることもできる。
【0032】
したがって、この場合、電子時計100では、プロセッサ121により、メールの着信があったことを示すメール着信アイコンを表示する。もっとも、プロセッサ121でどの程度の機能を提供するかは任意であり、この場合に電子時計100は、メール着信アイコンの表示の代わりに、又は、メール着信アイコンの表示に加えて、メールの送信元や件名を表示するようにしてもよい。電子時計100と第2通信部135で接続している際に、スマートフォン200がどのような通知信号を電子時計100に送信するかについては、予めスマートフォン200に設定されているものとする。
【0033】
このように、電子時計100は、プロセッサ111が動作している場合は、電子時計100の全機能を実行することができるが、プロセッサ111が動作していない場合には、当該全機能の中の一部の限定された機能(例えば、時計機能、メール着信アイコン表示機能、歩数機能、生体情報(脈拍等)検知機能等。以下、限定機能という。)のみを実行することができるにとどまる。ただし、限定機能だけを実行できればよい場合は、プロセッサ111を動作させる必要がない(プロセッサ111をスリープ状態又は電源OFF状態にすることが可能)ので、電子時計100の消費電力は低い値に抑えられる。
【0034】
電子時計100の、このような2種類の動作状態について、
図3を参照して説明する。ここでは、電子時計100のプロセッサ111(メインCPU)が動作している動作状態を通常動作状態という。また、プロセッサ111が動作していない(プロセッサとしては、プロセッサ121(サブCPU)のみが動作している)動作状態を低消費電力動作状態という。また、低消費電力動作状態のことを電力抑制状態ともいう。
【0035】
低消費電力動作状態では、第2制御部120、第1操作部133、第2操作部134、第2通信部135、第2表示部136、センサ部137、通知部138及び電源制御部140が動作する。そして、
図3に示すように、第2表示部136によるモノクロのセグメントでの時刻表示が行われる。また、第2通信部135により、低速ながらBLEの低消費電力での通信を行うことができる。そして、低消費電力のプロセッサ121と低機能OSの上で限定機能の処理が可能である。機能が限定される代わりに、ハードウェアとして、プロセッサ121、BLE、モノクロセグメントLCDでの動作となるため、電子時計100の電力消費は小さくなる。
【0036】
また、通常動作状態では、低消費電力動作状態で動作しているハードウェアに加え、第1制御部110、第1通信部131及び第1表示部132が動作する。ただし、通常動作状態では、第2通信部135及び第2表示部136は、スリープ状態又は電源OFF状態であってもよい。そして、通常動作状態では、
図3に示すように、第1表示部132による高精細カラーの表示が行われる。また、第1通信部131により、Bluetooth(登録商標) Classicの高速な通信を行うことができる。そして、高速なプロセッサ111と高機能OSの上で電子時計100の全機能の処理が可能である。ただし、ハードウェアとして、プロセッサ111、Bluetooth(登録商標) Classic、カラー高精細LCDでの動作となるため、電子時計100の電力消費は低消費電力動作状態に比べて大きくなる。
【0037】
なお、
図3の「表示例」を見ると分かるように、通常動作状態ではモノクロセグメントLCDでの表示は見えず、低消費電力動作状態ではカラー高精細LCDでの表示は見えない。これは、
図4に示すように、電子時計100は、表示部が第1表示部132の上に第2表示部136を重ね合わせた構造になっており、通常動作状態時に第2表示部136の表示を透過状態にすることにより実現される。通常動作状態時は、第2表示部136が透過状態になるので、目Eから見ると、第1表示部132の表示だけが見えることになる。また、低消費電力動作状態時は、第1表示部132は駆動されていないため、目Eから見ると、第2表示部136の表示だけが見えることになる。このような構成にすることにより、電子時計100は、ユーザが所望する情報の表示と、消費電力の削減とを両立させることができる。
【0038】
電子時計100は、上述の2種類の動作状態を状況に応じて切り替えて動作している。通常動作状態から低消費電力動作状態に切り替えられる状況の例としては、ユーザ操作がない状態が所定時間(例えば5秒、10秒、1分等、ユーザ等により設定された時間)継続している状況がある。また、低消費電力動作状態から通常動作状態へと切り替えられる状況の例としては、ユーザが電子時計100のタッチパネルを操作した状況や、スマートフォン200から電話を着信したことを示す通知信号を受信した状況がある。
【0039】
次に、電子時計100が、通常動作状態から低消費電力動作状態に切り替える際の処理(低消費電力動作状態移行処理)について、
図5を参照して説明する。
【0040】
まず、第1制御部110は、計時回路113が計時している時刻情報と、第1通信部131での通信状態の情報(通信相手との接続情報等)と、を取得する(ステップS111)。そして、当該時刻情報及び通信状態の情報とともに、低消費電力動作状態に移行することを知らせる通知(電力抑制通知)を第2制御部120に送信する(ステップS112)。
【0041】
そして、第1制御部110は、第1通信部131及び第1表示部132をスリープ状態に移行させ(ステップS113)、自制御部(第1制御部110)もスリープ状態に移行させる(ステップS114)。
【0042】
一方、第2制御部120は、通常動作状態においては、第1制御部110から電力抑制通知が送信されるのを待ち続けている(ステップS121)。第2制御部120は、電力抑制通知を受信しなければ(ステップS121;No)、ステップS121に戻る。また、第2制御部120は、電力抑制通知を受信したら(ステップS121;Yes)、当該通知に含まれる時刻情報に基づき計時回路123の計時する時刻情報を計時回路113の計時していた時刻に同期させる(ステップS122)。
【0043】
そして当該通知に含まれる通信状態の情報に基づき、第1通信部131で通信していた相手との通信を第2通信部135で再開可能にする(ステップS123)。そして、低消費電力動作状態移行処理を終了する。なお、ステップS122とステップS123の処理の順番は任意であり、ステップS123の処理を行ってからステップS122の処理を行ってもよい。
【0044】
以上の低消費電力動作状態移行処理により、電子時計100は、通常動作状態から低消費電力動作状態に切り替わる。低消費電力動作状態移行処理は、電力抑制移行ステップとも呼ばれる。なお、第1通信部131の通信状態の情報に基づいて第2通信部135での通信を再開するのは困難な場合も考えられる。このような場合は、ステップS111で通信相手との通信を一度切断し、ステップS123で当該通信相手と再度接続する処理を行う。
【0045】
次に、電子時計100が、低消費電力動作状態から通常動作状態に切り替える際の処理(通常動作状態移行処理)について、
図6を参照して説明する。
【0046】
まず、第2制御部120は、第1制御部110に割り込み信号(ウェイクアップ信号)を送信して第1制御部110をスリープ状態から復帰させる(ステップS221)。なお、低消費電力動作状態から通常動作状態への切り替えは、ユーザが第1操作部133(タッチパネル)をタッチした際にも行われるが、この場合は、第1操作部133が第1制御部110に割り込み信号(ウェイクアップ信号)を送信し、第1制御部110をスリープ状態から復帰させる。そして、第1操作部133からの割り込み信号でスリープ状態から復帰した第1制御部110は、第2制御部120に対して後述する通常移行通知を送信するように依頼する通知(送信依頼通知)を送信する。そして、当該送信依頼通知を受信した第2制御部120は、通常動作状態移行処理のステップS222から処理を開始する。
【0047】
第1制御部110に割り込み信号を送信した第2制御部120、又は、第1制御部110から送信依頼通知を受信した第2制御部120は、計時回路123が計時している時刻情報と、第2通信部135での通信状態の情報(通信相手との接続情報等)と、を取得する(ステップS222)。
【0048】
そして、第2制御部120は、当該時刻情報及び通信状態の情報とともに、通常動作状態に移行することを知らせる通知(通常移行通知)を第1制御部110に送信する(ステップS223)。そして、第2制御部120は、第2表示部136を透過状態にし(ステップS224)、第2通信部135をスリープ状態に移行させる(ステップS225)。なお、ステップS224とステップS225の処理の順番は任意であり、ステップS225の処理を行ってからステップS224の処理を行ってもよい。
【0049】
一方、第1制御部110は割り込み信号(ウェイクアップ信号)を受信するとスリープ状態から復帰し、通常動作状態移行処理を開始する。そして、第2制御部120から通常移行通知が送信されるのを待つ(ステップS211)。第1制御部110は通常移行通知を受信しなければ(ステップS211;No)、ステップS211に戻る。また、第1制御部110は、通常移行通知を受信したら(ステップS211;Yes)、当該通知に含まれる時刻情報に基づき、計時回路113の計時する時刻情報を計時回路123の計時していた時刻に同期させる(ステップS212)。
【0050】
そして、第1制御部110は、当該通知に含まれる通信状態の情報に基づき、第2通信部135で通信していた相手との通信を第1通信部131で再開可能にする(ステップS213)。そして、通常動作状態移行処理を終了する。なお、ステップS212とステップS213の処理の順番は任意であり、ステップS213の処理を行ってからステップS212の処理を行ってもよい。
【0051】
以上の通常動作状態移行処理により、電子時計100は、低消費電力動作状態から通常動作状態に切り替わる。通常動作状態移行処理は、通常状態移行ステップとも呼ばれる。なお、第2通信部135の通信状態の情報に基づいて第1通信部131での通信を再開するのは困難な場合も考えられる。このような場合は、ステップS222で通信相手との通信を一度切断し、ステップS213で当該通信相手と再度接続する処理を行う。
【0052】
次に、電子時計100の動作状態を状況に応じて切り替える処理である動作状態切替処理について
図7を参照して説明する。動作状態切替処理は、電子時計100が起動すると、1つのスレッドとして起動し、他のスレッドと並行して処理が開始される。なお、
図7では、電子時計100は起動するとまず通常動作状態になることを想定している。もし、電子時計100が起動するとまず低消費電力動作状態になるのであれば、動作状態切替処理は、ステップS103から開始されるようにすればよい。
【0053】
第1制御部110は、第1操作部133及び第2操作部134からの信号に基づき、ユーザ操作がない状態が所定時間(例えば3秒)継続したか否かを判定する(ステップS101)。ユーザ操作がない状態が所定時間以上継続していなければ(ステップS101;No)、ステップS101に戻る。
【0054】
ユーザ操作がない状態が所定時間以上継続していれば(ステップS101;Yes)、第1制御部110及び第2制御部120は、上述した低消費電力動作状態移行処理を行い、電子時計100は、低消費電力動作状態へ移行する(ステップS102)。
【0055】
次に、第2制御部120は、第2通信部135がスマートフォン200から通知信号を受信したか否かを判定する(ステップS103)。通知信号とは、例えば、スマートフォン200が電話やメールを着信したことを通知する信号である。通知信号を受信していなければ(ステップS103;No)、第1操作部133は、ユーザによるタッチパネルモジュールへのタッチを検出したかを判定する(ステップS104)。タッチを検出していなければ(ステップS104;No)、ステップS103に戻る。タッチを検出したら(ステップS104;Yes)、ステップS107に進む。
【0056】
一方、ステップS103で第2通信部135が通知信号を受信していれば(ステップS103;Yes)、第2制御部120は、当該通知信号に高優先度を示す情報が含まれるか否かを判定する(ステップS105)。優先度は、ユーザ、メール送信者、電子機器システム1等により予め設定されている。例えば、電話の着信を知らせる通知信号や、ユーザが優先度を高く設定した送信者からのメールの通知信号には、高優先度を示す情報が含まれる。ステップS105において、第2制御部120は、優先度取得部として機能する。
【0057】
当該通知信号に高優先度を示す情報が含まれなければ(ステップS105;No)、第2制御部120は、第2表示部136にアイコンを表示し(ステップS106)、ステップS103に戻る。ここで、アイコンとは、例えばメールの着信を示す図柄であり、第2表示部136には、アイコンの各図柄がセグメントにより設定されているものとする。
【0058】
当該通知信号に高優先度を示す情報が含まれていれば(ステップS105;Yes)、第2制御部120は、上述した通常動作状態移行処理を行い、第1制御部110をスリープ状態から復帰させ、電子時計100は、通常動作状態へ移行する(ステップS107)。そして、第1制御部110は、第1通信部でスマートフォン200とデータ通信を開始し(ステップS108)、ユーザの指示に従って、メール本文の受信等を行う。そして、ステップS101に戻る。
【0059】
以上、動作状態切替処理について説明した。以上説明した動作状態切替処理により、電子時計100は、できるだけ長い時間、低消費電力動作状態で動作しつつ、ユーザが限定機能以外の機能を実行しようとした時にはすぐに通常動作状態に移行する。したがって、電子時計100は、ユーザに機能が限定されている状態であることを意識させることなく、電池寿命を長時間化させることができる。
【0060】
なお、
図7に示す上述の動作状態切替処理では、説明が煩雑になるのを防ぐために、低消費電力動作状態から通常動作状態への移行のトリガーとして、通知信号の受信判定(ステップS103)と、タッチの検出判定(ステップS104)のみを行っているが、これらに限られない。例えば、歩数等の情報をユーザがカラーディスプレイ(第1表示部132)で確認しようとして、手首の動きによって(ジェスチャー動作によって)カラーディスプレイを表示させるような場合も含まれる。この場合は、第2制御部120は、センサ部137が備える加速度センサの検出値等に基づいてジェスチャー動作を判定し、ジェスチャー動作が検出された場合には、ステップS107の処理に進む。このようにすることによって、電子時計100は、ジェスチャー動作によっても通常動作状態に切り替わるので、低消費電力動作状態のせいでユーザに操作上の違和感を与える心配をより少なくすることができる。
【0061】
また、予め、ユーザが「常にアイコン表示希望(電子時計100ができるだけ長い時間、低消費電力動作状態(電力抑制状態)を維持することを希望)」であるか否かの設定を行っておき、
図7のステップS105の直前で、第2制御部120が「ユーザによる設定は、常にアイコン表示希望であるか?」を判定する変形例も考えられる。この変形例では、当該判定がYesならステップS106に、NoならステップS105に、それぞれ進むことになる。当該判定をする際、第2制御部120は、ユーザ設定取得部として機能する。
【0062】
この変形例では、ユーザが「常にアイコン表示希望」という設定を行っている場合は、スマートフォン200から送信された通知信号を受信しても、電子時計100はアイコン表示を行う低消費電力動作状態を維持し、ユーザによるタッチ操作やジェスチャー動作が検出されて初めてステップS107の処理に進む。このようにすることによって、ユーザ自らが通常動作状態への切り替えをしない限り、電子時計100は、低消費電力動作状態を維持することができ、その分、さらに電池寿命を長期化させることができる。
【0063】
また、
図7に示す上述の動作状態切替処理では、説明を省略したが、ステップS107で通常状態に移行する際、第2制御部120は、通知部138を制御して、ユーザに通常状態への移行を通知してもよい。例えば所定の音を鳴らしたり、所定の振動パターンで電子時計100を振動させたりさせることが考えられる。同様に、ステップS106で第2表示部136にアイコンを表示する際も、第2制御部120は、通知部138を制御して、ユーザにアイコンが表示されたことを通知してもよい。このようにすることにより、低消費電力動作状態で動作している場合でも、ユーザにすぐに通知しなければならない情報を受信した際には、当該情報をすぐにユーザに通知することができる。
【0064】
なお、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、様々に組み合わせたり変更したりすることが可能である。
【0065】
例えば、上述の実施形態では、第1通信部131がBluetooth(登録商標) Classicの通信規格に対応した通信デバイスで、第2通信部135がBLEの通信規格に対応した通信デバイスである例で説明したが、これに限られない。例えば、第1通信部131がIEEE802.11n等の高速無線LANの通信規格に対応した通信デバイスで、第2通信部135がBluetooth(登録商標) Classicの通信規格に対応した通信デバイスであるような実施形態も考えられる。第2通信部135の消費電力が第1通信部131の消費電力よりも低くなるような関係であれば、電子時計100は、要求仕様を満たす任意の通信規格に対応した通信デバイスを利用することができる。
【0066】
また、第1表示部132と第2表示部136との関係も同様であり、第2表示部136の消費電力が第1表示部132の消費電力よりも低ければ、電子時計100は、要求仕様を満たす任意の第1表示部132及び第2表示部136を利用することができる。同様に、第2制御部120の消費電力が第1制御部110の消費電力よりも低ければ、電子時計100は、要求仕様を満たす任意の第1制御部110及び第2制御部120を利用することができる。
【0067】
また、上述の実施形態では、第1通信部131及び第1制御部110をスリープ状態にし、第2制御部120又は第1操作部133が第1制御部110をスリープ状態から復帰させることを説明したが、これに限られない。例えば、第1制御部110はスリープ状態に移行するが、第1通信部131は、スリープ状態に移行せず無線通信接続を維持し、電子時計100とスマートフォン200の無線通信接続を維持するため以外の信号又は情報を第1通信部131が受信した場合等に、第1通信部131が第1制御部110をスリープ状態から復帰させてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、第1制御部110及び第2制御部120を内蔵した電子機器の一例として電子時計100を挙げて説明しているが、本発明は、電子時計に限られず、スマートウォッチ、スマートフォン、ウェアラブルデバイス等、能力が高く消費電力の大きな第1のデバイス群(第1制御部110、第1通信部131、第1表示部132)と、当該第1のデバイス群よりも能力は低いが消費電力の小さい第2のデバイス群(第2制御部120、第2通信部135、第2表示部136)と、を搭載する任意の電子機器に適用することができる。
【0069】
また、第1制御部110及び第2制御部120が実行するプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネット等の通信媒体を介して適用することもできる。例えば通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0070】
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や表示例などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記の番号は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0072】
(付記1)
第1表示部と、
前記第1表示部より消費電力の低い第2表示部と、
第1通信部と、
前記第1通信部より消費電力の低い第2通信部と、
第1制御部と、
前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、
ユーザの操作を取得すると、消費電力を抑えるスリープ状態から通常の動作状態である通常状態へ前記第1制御部を復帰させるウェイクアップ信号を送信する操作取得部と、を備え、
前記第1制御部は、
消費電力を抑える動作状態である電力抑制状態への移行の条件が満たされると、前記第2制御部に電力抑制通知を送信し、前記第1表示部での表示と前記第1通信部での通信とを停止し、前記スリープ状態に移行し、
前記第2制御部又は前記操作取得部から前記ウェイクアップ信号を受信すると前記スリープ状態から前記通常状態へ復帰し、前記第1表示部での表示と前記第1通信部での通信とを開始し、
前記第2制御部は、
前記第1制御部から前記電力抑制通知を受信すると、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを開始し、
前記通常状態への移行の条件が満たされると、前記第1制御部に前記ウェイクアップ信号を送信し、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを停止する、
電子機器。
【0073】
(付記2)
前記電力抑制状態への移行の条件には、所定の時間、前記操作取得部で前記操作が取得されないことが含まれる、
付記1に記載の電子機器。
【0074】
(付記3)
前記通常状態への移行の条件には、前記第2通信部で受信した情報が電話の着信を示す情報であることが含まれる、
付記1又は2に記載の電子機器。
【0075】
(付記4)
さらに、前記第2通信部で受信した情報の優先度を取得する優先度取得部を備え、
前記通常状態への移行の条件には、前記優先度取得部が取得した優先度が高い前記情報を前記第2通信部で受信したことが含まれる、
付記1から3のいずれか1つに記載の電子機器。
【0076】
(付記5)
前記第2制御部は、前記第2通信部で受信した情報の優先度が高くない場合、当該情報を受信したことを示すアイコンを前記第2表示部に表示する、
付記4に記載の電子機器。
【0077】
(付記6)
さらに、加速度を検出する加速度センサを備え、
前記通常状態への移行の条件には、前記加速度センサが検出した値が所定の動きを示していると前記第2制御部が判定したことが含まれる、
付記1から5のいずれか1つに記載の電子機器。
【0078】
(付記7)
さらに、ユーザが前記電力抑制状態の維持を希望するか否かの設定を取得するユーザ設定取得部を備え、
前記ユーザ設定取得部で取得した前記設定が、前記電力抑制状態の維持を希望するである場合は、前記第2制御部は、前記第2通信部で受信した情報が前記通常状態への移行の条件を満たす場合でも、前記第1制御部に前記ウェイクアップ信号を送信せず、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを維持する、
付記1から6のいずれか1つに記載の電子機器。
【0079】
(付記8)
さらに、前記動作状態が切り替わることを振動又は音によりユーザに通知する通知部を備え、
前記第2制御部は、前記通常状態への移行の条件が満たされると、前記通知部によりユーザに通知する、
付記1から7のいずれか1つに記載の電子機器。
【0080】
(付記9)
第1表示部と、前記第1表示部より消費電力の低い第2表示部と、第1通信部と、前記第1通信部より消費電力の低い第2通信部と、第1制御部と、前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、
消費電力を抑える動作状態である電力抑制状態への移行の条件が満たされると、制御の主体を前記第2制御部に切り替え、前記第1表示部での表示と前記第1通信部での通信とを停止し、前記第1制御部を消費電力を抑えるスリープ状態に移行させ、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを開始する、電力抑制移行ステップと、
通常の動作状態である通常状態への移行の条件が満たされると、前記第1制御部を前記スリープ状態から通常の動作状態である通常状態へ復帰させて制御の主体を前記第1制御部に切り替え、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを停止し、前記第1表示部での表示と前記第1通信部での通信とを開始する、通常状態移行ステップと、
を備える制御方法。
【0081】
(付記10)
第1表示部と、前記第1表示部より消費電力の低い第2表示部と、第1通信部と、前記第1通信部より消費電力の低い第2通信部と、第1制御部と、前記第1制御部より消費電力の低い第2制御部と、を備える電子機器のコンピュータに、
消費電力を抑える動作状態である電力抑制状態への移行の条件が満たされると、制御の主体を前記第2制御部に切り替え、前記第1表示部での表示と前記第1通信部での通信とを停止し、前記第1制御部を消費電力を抑えるスリープ状態に移行させ、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを開始する、電力抑制移行ステップ、及び、
通常の動作状態である通常状態への移行の条件が満たされると、前記第1制御部を前記スリープ状態から通常の動作状態である通常状態へ復帰させて制御の主体を前記第1制御部に切り替え、前記第2表示部での表示と前記第2通信部での通信とを停止し、前記第1表示部での表示と前記第1通信部での通信とを開始する、通常状態移行ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0082】
1…電子機器システム、100…電子時計、110…第1制御部、111,121…プロセッサ、112,122…メモリ、113,123…計時回路、120…第2制御部、131…第1通信部、132…第1表示部、133…第1操作部、134…第2操作部、135…第2通信部、136…第2表示部、137…センサ部、138…通知部、140…電源制御部、141…電池、200…スマートフォン、E…目