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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
H05K5/02 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023082872
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2018208386の分割
【原出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2023101591
(43)【公開日】2023-07-21
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】千葉 康則
(72)【発明者】
【氏名】碓井 泰典
(72)【発明者】
【氏名】董 古
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】実公昭47-006328(JP,Y1)
【文献】実公昭47-040252(JP,Y1)
【文献】特開2002-341967(JP,A)
【文献】特開平11-259171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0146373(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装ケースと、
前記外装ケースに取り付け可能な脚部と、を備え、
前記脚部は、
前記外装ケースにおける所定の面の一端部側に着脱可能な取付部と、
前記取付部により前記脚部が前記外装ケースに取り付けられた場合に前記所定の面から突出するように設けられ、前記所定の面を載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合に前記載置面に接触して当該外装ケースを支持する支持部と、を備え、
前記外装ケースには、前記所定の面の前記一端部側とは反対の他端部側に孔部が設けられ、
前記孔部は、マイクロホン用の集音孔またはスピーカ用の放音孔であり、
前記取付部により前記脚部が前記外装ケースに取り付けられた状態で前記所定の面を前記載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合には前記孔部よりも前記他端部側に位置する第1接触部が前記載置面に接触する一方で、前記脚部が前記外装ケースから取り外された状態で前記所定の面を前記載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合には前記孔部よりも前記一端部側に位置する第2接触部が前記載置面に接触する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記外装ケースは、ユーザが一方の手で把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部の端部に前記脚部が着脱可能に取り付けられることを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記外装ケースは、第1ケースと第2ケースとを備え、前記第1ケースと前記第2ケースとが複数のビスによって取り付けられる際の複数のビス穴に前記脚部が着脱可能に取り付けられることを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記取付部が前記外装ケースに取り付けられた状態で前記所定の面を前記載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合には前記載置面に前記第1接触部が接触し且つ前記第2接触部が接触しない一方で、前記取付部が前記外装ケースから取り外された状態で前記所定の面を前記載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合には前記載置面に前記第2接触部が接触し且つ前記第1接触部が接触しないことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記所定の面を前記載置面に向けて前記外装ケースを載置させた場合には、前記取付部が前記外装ケースに取り付けられた状態または前記取付部が前記外装ケースから取り外された状態のいずれの状態であっても、前記孔部は前記載置面に接触しないことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項1~請求項のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記取付部は、前記外装ケースに対して係脱可能に係合するフック部を含むことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
請求項1~請求項のいずれか一項に記載の携帯端末において、
前記支持部には、前記載置面に対する滑りを防ぐ滑止め部が設けられていることを特徴とする携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手に持って使用する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話などの電子機器においては、特許文献1に記載されているように、第1のケースと第2のケースとを開成した状態で、第2のケースを載置面上に配置したとき、第1のケースの結合部に近い端部の背面側と、第2のケースの背面側に設けられた突起とが、載置面に接触する構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-87791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電子機器では、第2のケースの背面側に突起が設けられているため、ユーザが手に持って使用する際に、ユーザの手の大きさなどによって突起が邪魔になり、良好に握ることができないという問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、手に持って使用するときに取り外すことができる脚部を備えた携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、この発明は、外装ケースと、前記外装ケースに取り付け可能な脚部と、を備え、前記脚部は、前記外装ケースにおける所定の面の一端部側に着脱可能な取付部と、前記取付部が前記外装ケースに取り付けられた場合に前記所定の面から突出するように設けられ、前記所定の面を載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合に前記載置面に接触して当該外装ケースを支持する支持部と、を備え、前記外装ケースには、前記所定の面の前記一端部側とは反対の他端部側に孔部が設けられ、前記孔部は、マイクロホン用の集音孔またはスピーカ用の放音孔であり、前記脚部が前記取付部により前記外装ケースに取り付けられた状態で前記所定の面を前記載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合には前記孔部よりも前記他端部側に位置する第1接触部が前記載置面に接触する一方で、前記脚部が前記外装ケースから取り外された状態で前記所定の面を前記載置面に向けて当該外装ケースを載置させた場合には前記孔部よりも前記一端部側に位置する第2接触部が前記載置面に接触する、ことを特徴とする携帯端末である。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、手に持って使用するときに脚部を取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明を携帯端末に適用した一実施形態を示した正面図である。
図2図1に示された携帯端末の裏面図である。
図3図1に示された携帯端末を左側から見た側面図である。
図4図1に示された携帯端末のA-A矢視における断面図である。
図5図2に示された携帯端末において電池蓋を取り外した状態を示した裏面図である。
図6図1に示された携帯端末のB-B矢視における要部の拡大断面図である。
図7図6に示された側面トリガーキーの接点部材を接点電極側から見た拡大斜視図である。
図8図6に示された側面トリガーキーの接点部材を端子電極側から見た拡大斜視図である。
図9図6に示された側面トリガーキーを組み立てる状態を示した要部の分解斜視図である。
図10図9に示された側面トリガーキーにおいて、接点部材を弾性部材に向けて徐々に移動させて重ね合わせる状態を原理的に示し、(a)は接点部材のスライド開始時を示した図、(b)は接点部材のスライド途中を示した図、(c)は接点部材のスライド終了時を示した図、(d)は接点部材のスライド長さxと弾性部材に対する接点部材の移動長さaとの関係を示した図である。
図11図2に示された携帯端末のグリップ部のC-C矢視において破断して示した要部の拡大斜視図である。
図12図2に示された携帯端末のグリップ部のD-D矢視における要部を示した拡大断面図である。
図13図2に示されたグリップ部の電池蓋を示し、(a)は電池蓋を外部側から見た拡大斜視図、(b)は電池蓋を内面側から見た拡大斜視図である。
図14図2に示された携帯端末のE-E矢視における要部の拡大断面図である。
図15図14に示された脚部を示し、(a)はその拡大斜視図、(b)はその拡大正面図である。
図16図3に示された携帯端末を卓上などの載置面上に配置させた状態を示した側面図である。
図17図3に示された携帯端末からハンドベルトを取り外して、下部ケースを卓上などの載置面上に配置させた状態を示した側面図である。
図18図3に示された携帯端末からハンドベルトおよび脚部を取り外して、下部ケースを卓上などの載置面上に配置させた状態を示した側面図である。
図19図14に示された脚部の変形例を示し、(a)はその拡大斜視図、(b)はその拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図18を参照して、この発明を適用した携帯端末の一実施形態について説明する。
この携帯端末は、図1図3に示すように、端末本体である機器ケース1を備えている。この機器ケース1は、縦方向(図1では上下方向)に長い縦長のほぼ長方形状に形成されている。
【0011】
この機器ケース1は、図1図3に示すように、上辺側のほぼ半分が幅広部1aに形成され、下辺側のほぼ半分が幅狭部1bに形成され、全体がほぼ羽子板形状に形成されている。すなわち、上辺側の幅広部1aは、その縦方向と直交する横方向(図1では左右方向)の長さ(幅)が、下辺側の幅狭部1bの横方向(図1では左右方向)の長さ(幅)よりも長く(広く)形成されている。
【0012】
また、この機器ケース1は、図1図5に示すように、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらの内部にモジュール(図示せず)が組み込まれるように構成されている。上部ケース2は、図1および図3に示すように、機器ケース1と同様、上辺側の幅広部と下辺側の幅狭部とを有するほぼ羽子板形状に形成され、その外周の側面部が下部ケース3に取り付けられるように構成されている。
【0013】
この場合、上部ケース2の上面である表面における上辺側の幅広部には、図1および図4に示すように、そのほぼ全域に亘って表示部4が設けられている。また、上部ケース2の表面における下辺側の幅狭部には、そのほぼ全域に亘ってキー操作部5が設けられている。表示部4は、液晶表示パネルやEL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示パネルなどの平面型の表示パネルであり、ほぼ長方形状に形成されている。
【0014】
この表示部4は、図1および図4に示すように、上部ケース2の表面に設けられた表示窓部4aに対応した状態で上部ケース2内に配置され、表示された情報が表示窓部4aを通して上部ケース2の上方から見えるように構成されている。キー操作部5は、テンキー、カーソルキー、ファンクションキーなどの携帯端末に必要な各種のキーを備えている。この場合、キー操作部5は、その上辺の中間部に上面トリガーキー5aが配置されている。
【0015】
また、この上部ケース2は、図3および図4に示すように、上辺側の幅広部の上面である表面に対して下辺側の幅狭部の上面である表面が上辺側から下辺側に向けて少し下る方向に傾斜した形状に形成されている。すなわち、この上部ケース2は、上辺側の表示部4の表示面の延長線に対して下辺側のキー操作部5側が少し下るように傾斜した形状に形成されている。これにより、上部ケース2は、ユーザがキー操作部5を操作する際に、表示部4が見やすくなるようになっている。
【0016】
下部ケース3は、図2図5に示すように、上部ケース2と同様、上辺側の幅広部と下辺側の幅狭部とを有するほぼ羽子板形状に形成され、その外周の側面部が上部ケース2に取り付けられるように構成されている。この下部ケース3の上辺部側に位置する幅広部の下面である裏面には、光学読取部6が設けられている。
【0017】
この光学読取部6は、図2図5に示すように、レーザ読取部7と撮像部8とを備え、これらが下部ケース3の幅広部における上辺部側に位置する裏面に箱型形状に突出して設けられた配置部である光学収納部10内に格納されている。この光学収納部10は、裏面における上辺側の第1面10aと、裏面における下辺側の第2面10bと、これらの境界に位置する境界部10cと、を備えている。
【0018】
この場合、上辺側の第1面10aは、図2図5に示すように、境界部10cから上辺側に向けて大きく傾斜する傾斜面に形成されている。下辺側の第2面10bは、境界部10cから下辺側に向け緩やかに傾斜する傾斜面に形成されている。すなわち、下辺側の第2面10bは、上辺側の第1面10aよりも傾斜角度が小さく、上部ケース2の表示部4の表示面とほぼ平行に形成された平坦領域である。
【0019】
また、上辺側の第1面10aには、図2図5に示すように、光学収納部10内に設けられたレーザ読取部7が対応する第1窓部10dが設けられている。下辺側の第2面10bには、光学収納部10内に設けられた撮像部8が対応する第2窓部10eが設けられている。
【0020】
また、下辺側の第2面10bには、図2に示すように、マイクロホン用の集音孔10fまたはスピーカ用の放音孔の何れか第2窓部10eの領域外に設けられている。この場合、第2面10bには、図17および図18に示すように、下部ケース3が卓上などの載置面T上に配置された際に、載置面Tに接触しない非接触部である基準部が集音孔10fまたは放音孔を含む領域に設けられている。
【0021】
これにより、光学読取部6は、図2図5に示すように、レーザ読取部7がレーザ光線を光学収納部10の第1面10aの第1窓部10dから機器ケース1の外部に出射させ、そのレーザ光線の反射光を受光することにより、物品のバーコードなどを読み取るように構成されている。また、この光学読取部6は、撮像部8が第2面10bの第2窓部10eを通してレーザ読取部7で読み取る物品の画像を撮影するように構成されている。
【0022】
また、機器ケース1の縦方向(長手方向)におけるほぼ中間部、つまり幅広部1aと幅狭部1bとの境界部側に位置する幅広部1aの両側部には、図1図4に示すように、後述する側面トリガーキー11がそれぞれ設けられている。これら側面トリガーキー11およびキー操作部5の上面トリガーキー5aは、光学読取部6による読取動作を実行させるためのものである。
【0023】
さらに、この機器ケース1の下辺部側に位置する幅狭部1bには、図2図5に示すように、電池蓋12で覆われる電池収納部13がキー操作部5に対応して設けられている。この電池収納部13は、充電池(図示せず)を収納するものであり、機器ケース1の幅狭部1bに設けられたキー操作部5に対応した状態で、機器ケース1の幅狭部1bの内部に設けられ、機器ケース1の裏面に設けられた開口部13aによって裏面側に開放されている。
【0024】
電池蓋12は、図4および図12に示すように、その下辺部側の端部に支点突起部12aが設けられている。この支点突起部12aは、電池収納部13内に位置する下部ケース3の内部に設けられた係止部3bに着脱可能に挿入されて係止される構造になっている。これにより、電池蓋12は、下部ケース3の係止部3bに係止された支点突起部12aを支点として回転することにより、電池収納部13を開閉するように構成されている。
【0025】
この場合、電池収納部13と光学読取部6との間に位置する下部ケース3の裏面には、図2および図4に示すように、電池収納部13の開口部13aを塞いだ電池蓋12を下部ケース3に着脱可能に固定するための一対の取付レバー14が設けられている。すなわち、一対の取付レバー14は、機器ケース1の両側部に設けられた側面トリガーキー11の近傍に設けられている。
【0026】
これら一対の取付レバー14は、図2図5に示すように、これらを回転操作させて、電池蓋12の上辺部の縁部を下部ケース3の裏面に係脱可能に係止させるように構成されている。これにより、電池蓋12は、電池収納部13の開口部13aを開閉可能に覆った状態で、上辺部の縁部が一対の取付レバー14によって係止されることにより、キー操作部5と対応した状態で、下部ケース3の裏面に取り付けられるように構成されている。
【0027】
ところで、機器ケース1の下辺部側に位置する幅狭部1bには、図1図3に示すように、機器ケース1の第1の面である表面と、その反対側に位置する第2の面である裏面とに跨ってユーザの一方の手により把握可能なグリップ部15が設けられている。このグリップ部15は、ユーザの一方の手の母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザの一方の手により把握可能に構成されている。
【0028】
すなわち、このグリップ部15は、図1図3に示すように、機器ケース1の幅狭部1bである上部ケース2の幅狭部と、下部ケース3の幅狭部と、下部ケース3の電池蓋12と、で構成されている。この場合、グリップ部15における上部ケース2の幅狭部と下部ケース3の幅狭部との各側面部は、ユーザがグリップ部15を上述した把握態様で把握する手を自然に湾曲させる円弧状の湾曲面に形成されている。また、下部ケース3の電池蓋12は、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されている。
【0029】
これにより、グリップ部15は、図1図3に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、機器ケース1の表面にユーザが母指F1を被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様のときに、ユーザの他の指F2~F5が機器ケース1の裏面に自然に曲がって巻き付くような形状に形成されている。
【0030】
このため、グリップ部15は、図1図3に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、機器ケース1の表面にユーザが母指F1を被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手で機器ケース1を保持した際に、ユーザの把握手がフィットすることにより、ユーザの手の大きさに係わらず、ユーザが片手で握り易い形状に形成されている。
【0031】
また、このグリップ部15のうち、裏面に位置する電池蓋12には、図2図4に示すように、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手で機器ケース1を保持した際に、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に膨らみを持たせる形状に盛り上がる指掛突起部16が設けられている。
【0032】
この場合、機器ケース1の裏面には、図2図4に示すように、えぐれ部17がグリップ部15とこのグリップ部15の延長上に位置する機器ケース1の他端部側との間に窪んで設けられている。すなわち、このえぐれ部17は、電池蓋12の指掛突起部16と光学読取部6の光学収納部10との間に窪んだ状態で設けられている。
【0033】
指掛突起部16は、図2図4に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1を機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手でグリップ部15を保持した際に、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に位置する山形状の頭頂部16aを有している。この頭頂部16aは、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に位置して、示指F2と中指F3との屈曲形状に沿って湾曲状に連続するように形成されている。
【0034】
すなわち、この頭頂部16aは、図2図4に示すように、機器ケース1の長手方向と直交する横方向に示指F2と中指F3との屈曲形状に沿って湾曲状に連続すると共に、その連続する横方向における中間部が機器ケース1の厚み方向における裏面側に向けて最も大きく突出し、横方向の中間部から横方向の両側に向かうに従って次第に突出長さが小さくなるように形成されている。また、この指掛突起部16は、頭頂部16aの一方側の裾野である第1の指掛領域18と、頭頂部16aの他方側の裾野である第2の指掛領域19と、を備えている。
【0035】
第1の指掛領域18は、図2図4に示すように、ユーザが上述した把握態様でグリップ部15を把握した際に、示指F2が押し当てられる第1傾斜面であり、電池蓋12の上辺部側から頭頂部16aに向けて急な傾斜面に形成されている。第2の指掛領域19は、ユーザが上述した把握態様でグリップ部15を把握した際に、中指F3~小指F5が押し当てられる第2傾斜面であり、頭頂部16aから電池蓋12の下辺側に向けて緩やかに傾斜する傾斜面に形成されている。
【0036】
すなわち、第1の指掛領域18は、図2図4に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様のときに、ユーザが把握する手の示指F2の腹が電池蓋12の縦方向(長手方向)における下辺部側、つまりユーザが把握する手側に向けて押し当てられて配置されるような傾斜面に形成されている。
【0037】
この第1の指掛領域18は、図2図4に示すように、グリップ部15側に位置するえぐれ部17の傾斜面でもあり、電池蓋12の上辺側に位置する上辺側から頭頂部16aに向けて急な角度で立ち上る傾斜面に形成されている。また、この第1の指掛領域18は、機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する横方向に連続する頭頂部16aに沿って示指F2の屈曲状態に対応する円弧状に湾曲して形成されている。
【0038】
このため、この指掛突起部16は、図2図4に示すように、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部15を握った際に、ユーザの示指F2が第1の指掛領域18の湾曲に沿って屈曲した形状で、その示指F2の腹が第1の指掛領域18に押し当てられ、この状態で第1の指掛領域18を機器ケース1の縦方向における下辺部側、つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せるように構成されている。
【0039】
一方、第2の指掛領域19は、図2図4に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部15を把握するときに、ユーザが把握する手の指F3~F5の各腹がグリップ部15の電池蓋12を機器ケース1に向けて押し当てて、ユーザの中指F3~小指F5が並んだ状態で自然に曲がるような湾曲面に形成されている。
【0040】
すなわち、この第2の指掛領域19は、図2図4に示すように、頭頂部16aから電池蓋12の下辺側に向けて緩やかに傾斜する湾曲面に形成されている。これにより、この第2の指掛領域19は、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部15を把握するときに、示指F2以外の指F3~F5が並んで自然な状態で曲がるように、電池蓋12の裏面側に向けて凸となる緩やかな湾曲形状に形成されている。
【0041】
さらに、この機器ケース1は、図1図5に示すように、グリップ部15が機器ケース1の横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状で形成されている。これにより、この機器ケース1は、ユーザがグリップ部15を握る際に、ユーザが右手でも、また左手でも、同じように握れるように構成されている。
【0042】
また、この機器ケース1の下部ケース3における電池蓋12の上辺部に接近する箇所、つまり電池蓋12の上辺部に接近する箇所のえぐれ部17には、図2図5に示すように、下面トリガーキー20が設けられている。この下面トリガーキー20は、キー操作部5の上面トリガーキー5aおよび側面トリガーキー11と同様、光学読取部6による読取動作を実行させるためのスイッチ部である。
【0043】
この下面トリガーキー20は、図2図4に示すように、ユーザが一方の手でグリップ部15を上述した把握態様で把握した際に、ユーザが把握した手の示指F2がグリップ部15の指掛突起部16における第1の指掛領域18との間に配置される間隔を持って設けられている。
【0044】
この下面トリガーキー20は、図4に示すように、釦部20aと弾性シート20bとスイッチ基板20cとを備え、これらが下部ケース3の内面に押し付けられた状態で取り付けられている。釦部20aは、下部ケース3に設けられた釦孔3aに下部ケース3の内部側から外部側に向けて挿入されている。
【0045】
この釦部20aは、図3および図4に示すように、下部ケース3の釦孔3aから外部に突出した部分が、グリップ部15の指掛突起部16側の一端部が高く、指掛突起部16と反対側の他端部に向けて次第に低くなるように傾斜した構造で、指掛突起部16における第1の指掛領域18の傾斜とほぼ同じ傾斜で形成されている。
【0046】
この場合、釦部20aは、図3および図4に示すように、下部ケース3の釦孔3aから下部ケース3の外部に突出した高さが、グリップ部15の指掛突起部16の頭頂部16aの高さよりも低く、例えば指掛突起部16の第1の指掛領域18の高さの1/2程度と低く形成されている。このため、釦部20aは、図16図18に示すように、機器ケース1を載置面T上に配置させた際に、載置面Tに接触せずに、載置面Tから上方に離れて配置されるように構成されている。
【0047】
これにより、下面トリガーキー20は、図3および図4に示すように、ユーザがグリップ部15を把握した手の示指F2によって釦部20aが押されると、この釦部20aが弾性シート20bの膨出部を弾性変形させて弾性シート20bの可動接点がスイッチ基板20cの固定接点に接触することにより、スイッチ信号を出力するように構成されている。
【0048】
ところで、機器ケース1の両側部に設けられた側面トリガーキー11は、左右同じ構造である。このため、以下の説明は、機器ケース1の左側の側面に設けられた側面トリガーキー11について説明する。この左側の側面トリガーキー11は、図2および図3に示すように、グリップ部15の近傍に位置する機器ケース1の幅広部1aの左側面に釦部22が露出して設けられている。
【0049】
すなわち、この側面トリガーキー11は、図1図3に示すように、機器ケース1の幅広部1aにおける上面である表面に設けられた表示部4の下辺部側の左側に配置されている。この場合、側面トリガーキー11の釦部22は、機器ケース1の長手方向に沿って長いほぼ長方形状に形成されている。この釦部22は、機器ケース1の表面を基準面として、この基準面に対する機器ケース1の厚み方向の距離が、グリップ部15側から離れるに従って次第に長くなるように傾斜した状態で配置されている。
【0050】
言い換えれば、この釦部22は、図3に示すように、グリップ部15側に位置する一端部における機器ケース1の基準面までの距離が、グリップ部15と反対側に位置する光学読取部6側の他端部における機器ケース1の基準面までの距離よりも短くなるように、傾斜した状態で配置されている。このため、釦部22は、その長手方向に沿う中心線が機器ケース1の基準面である表面に対して所定の傾斜角度で傾斜して設けられている。
【0051】
これにより、左側の側面トリガーキー11は、図3に示すように、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部15を第1の握り方で握り、ユーザの示指F2を第1の指掛領域18に押し当てた状態で、この押し当てた示指F2を第1の指掛領域18から離して伸ばした際に、示指F2が左側の釦部22に配置されるように構成されている。
【0052】
また、この左側の側面トリガーキー11は、図3に示すように、グリップ部15の上面である表面に設けられたキー操作部5をユーザが右手の掌で被せるように、ユーザが母指F1をグリップ部15の右側の側面に配置させ、他の指F2~F5をグリップ部15の右側の脇からグリップ部15の裏面に巻き付けるように配置させた第2の握り方でグリップ部15を握った際に、機器ケース1の右側の側面に配置されたユーザの示指F2が左側の釦部22に傾きをもって配置されるように構成されている。
【0053】
これにより、左側の側面トリガーキー11の釦部22は、図3に示すように、グリップ部15の上面である表面に設けられたキー操作部5をユーザが右手の掌で被せるように、ユーザが母指F1をグリップ部15の左側の側面に配置させ、他の指F2~F5をグリップ部15の右側の脇からグリップ部15の裏面に巻き付けるように配置させた第2の握り方でグリップ部15を握った際に、機器ケース1の右側の側面に配置されたユーザの示指F2が自然な状態で左側の釦部22に配置されるように構成されている。
【0054】
一方、右側の側面トリガーキー11は、図2に示すように、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部15を第1の握り方で握った状態で、母指F1を機器ケース1の側面に移動させた際に、その移動した母指F1が右側の釦部22に配置されるように構成されている。
【0055】
また、この右側の側面トリガーキー11は、図2に示すように、グリップ部15の上面である表面に設けられたキー操作部5をユーザが右手の掌で被せるように、ユーザが母指F1をグリップ部15の左側の側面に配置させ、他の指F2~F5をグリップ部15の右側の脇からグリップ部15の裏面に巻き付けるように配置された第2の握り方でグリップ部15を握った際に、機器ケース1の左側の側面に配置されたユーザの母指F1が自然な状態で右側の釦部22上に配置されるように構成されている。
【0056】
ところで、機器ケース1の左右両側に設けられた側面トリガーキー11は、図6図9に示すように、釦部22と弾性部材23と接点部材24と一対のガイド部25とを備えている。釦部22は、機器ケース1の前後方向に長い長方形のキャップ状の釦本体22aと、この釦本体22a内に配列された複数の押圧部22bとを有し、釦本体22aが下部ケース3の側面において所定の傾斜角度で傾斜した状態で設けられた細長い釦挿入孔26に出没可能に挿入されて配置されている。
【0057】
この場合、釦本体22aは、図6に示すように、下部ケース3の内部側に位置する外周部に鍔部22cが環状に設けられている。これにより、釦本体22aは、下部ケース3の内部から下部ケース3の釦挿入孔26内に挿入された際に、下部ケース3の側面において所定の傾斜角度で傾斜して配置された状態で、鍔部22aが下部ケース3の釦挿入孔26の内周縁に当接して、釦本体22aが下部ケース3から外部に抜け出さないようになっている。
【0058】
弾性部材23は、図6に示すように、ウレタンゴムやシリコーンゴムなどの弾性シートであり、釦部22の外形よりも少し大きい長方形状に形成され、釦部22に取り付けられた状態で、下部ケース3の内面に配置されるように構成されている。すなわち、この弾性部材23は、弾性シートの中央部にドーム状の膨出部23aが下部ケース3の側面において所定の傾斜角度で傾斜した状態で釦部22の複数の押圧部22bに向けて突出して形成されている。この膨出部23aの内部には、複数の可動接点23bが複数の押圧部22bに対応して設けられている。
【0059】
また、この弾性部材23は、図6に示すように、その外周部が釦本体22aの外周に接着によって取り付けられている。これにより、弾性部材23は、膨出部23aに釦部22の複数の押圧部22bが食い込んで、釦部22に接着によって取り付けられた状態で、釦部22と共に下部ケース3の内面に配置されるように構成されている。
【0060】
接点部材24は、図6図8に示すように、弾性部材23の内面に重なり合って弾性部材23を下部ケース3の内面に押し当てて固定するように構成されている。すなわち、この接点部材24は、弾性部材23の内面に対応する接点本体部27と、この接点本体部27における弾性部材23と反対側の面に設けた端子配置部28と、を備えている。
【0061】
接点本体部27は、図6および図7に示すように、弾性部材23とほぼ同じ大きさの板状に形成されている。この接点本体部27における弾性部材23に対面する外面には、櫛歯状の一対の接点電極27aが弾性部材23の複数の可動接点23bに対応した状態で、下部ケース3の側面において所定の傾斜角度で傾斜して設けられている。
【0062】
この櫛歯状の一対の接点電極27aは、図6および図7に示すように、弾性部材23の複数の可動接点23bのいずれか、または全部が接離可能に接触することにより、導通する構造になっている。この場合、接点本体部27の上辺部と両側部とには、弾性部材23の上辺部と両側部とを覆うカバー部27bが設けられている。
【0063】
端子配置部28は、図6図8に示すように、接点本体部27を補強する補強リブを兼ねるものであり、接点本体部27における弾性部材23と反対側の内面に機器ケース1の内部側に向けて突出して設けられている。この端子配置部28の上面には、一対の端子電極28aが設けられている。これら一対の端子電極28aは、接点本体部27に設けられた一対の接点電極27aとスールホール28bを介して電気的に接続されている。
【0064】
また、この端子配置部28上には、図6に示すように、機器ケース1内に設けられた回路基板30の端部が配置されるようになっている。このため、一対の端子電極28aは、回路基板30の端部における下面に設けられた一対の接続端子30aにそれぞればね部材30bによって電気的に接続されている。これにより、接点部材24は、接点本体部27の一対の接点電極27aが端子配置部28の一対の端子電極28aを介して回路基板30と電気的に接続されている。
【0065】
一対のガイド部25は、図8および図9に示すように、弾性部材23の両側に位置する下部ケース3内にそれぞれ起立して設けられた一対のガイドレール31と、接点部材24の両側にそれぞれ設けられた一対のスライド部32と、を備えている。これら一対のガイド部25は、図10(a)~図10(d)の原理図に示すように、一対のガイドレール31が一対のスライド部32をガイドして接点部材24の接点本体部27を弾性部材23に徐々に接近させて重ね合わせて押し当てるように構成されている。
【0066】
一対のガイドレール31それぞれは、図9に示すように、下部ケース3の底部に垂直(90°の角度)に起立して設けられているが、図10(a)~図10(d)の原理図では、説明の便宜上、ガイドレール31が傾いた状態で設けられている。また、一対のスライド部32それぞれは、図8に示すように、接点部材24の両側部にそれぞれ設けられ、ガイドレール31を挟んだ状態でガイドレール31に沿って垂直方向にスライドするように構成されている。
【0067】
この場合、弾性部材23は、釦部22に取り付けられて下部ケース3内に配置された際に、接点本体部27に対面する弾性部材23の対向面とガイドレール31との間隔が上部側から下部側に向けて次第に狭くなる傾斜角、つまり金型の抜き方向に対して約4°の抜き勾配で傾斜した状態で、下部ケース3内に配置されている。ただし、図10(a)~図10(d)の原理図では、説明の便宜上、弾性部材23が垂直な状態で配置されている。
【0068】
また、接点本体部27は、一対の接点電極27aが設けられた電極面が弾性部材23の対向面と同じ傾斜角で平行になるように、一対のガイドレール31に対し傾斜して設けられている。この場合にも、図10(a)~図10(d)の原理図では、説明の便宜上、接点本体部27が垂直な状態で配置されている。
【0069】
これにより、一対のガイドレール31は、図7図9に示すように、接点部材24に設けられた一対のスライド部32をガイドする際におけるガイド開始時には図10(a)および図10(d)の原理図に示すように接点本体部27の電極面が弾性部材23の対向面に対向して面方向にずれた状態で、弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面との間にクリアランスaをもって配置されるように構成されている。
【0070】
また、一対のガイドレール31は、図7図9に示すように、一対のスライド部32をガイドしてスライドさせた際におけるスライド途中では図10(b)および図10(d)の原理図に示すように接点本体部27が弾性部材23に徐々に接近する方向に移動して、弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面との間のクリアランスaが徐々に狭くなるように構成されている。
【0071】
さらに、一対のガイドレール31は、図6図9に示すように、一対のスライド部32をガイドしてスライドさせて接点部材24が下部ケース3の底部に到達した際におけるスライド終了時には図10(c)および図10(d)の原理図に示すように弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面とが対面して重なり合った状態で押し当てられて圧接するように構成されている。
【0072】
このように、この接点部材24は、図6図10に示すように、一対のガイド部25の一対のガイドレール31によって一対のスライド部32をガイドして、接点部材24の接点本体部27を弾性部材23に重ね合わせる際に、一対のガイドレール31による一対のスライド部32のスライドに伴って、弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面との間にクリアランスaをもって、接点本体部27の電極面をこれに対向する弾性部材23の対向面に徐々に接近移動させ、スライド終了時に接点本体部27の電極面を弾性部材23の対向面に対面させて重ね合わせた状態で押し当てて圧接させるように構成されている。
【0073】
この場合、接点部材24は、図6および図9に示すように、接点本体部27が弾性部材23に押し当てられて圧接された際に、接点本体部27の一対の接点電極27aが弾性部材23の複数の可動接点23bに対応した状態で、接点本体部27のカバー部27bが弾性部材23の弾力によって下部ケース3の内面に押し当てられて固定される。
【0074】
これにより、側面トリガーキー11は、図6に示すように、釦部22が押されると、釦部22の複数の押圧部22bが弾性部材23の膨出部23aを押圧して弾性変形させて、この弾性変形した膨出部23a内の複数の可動接点23bのいずれか、または全部が接点部材24の接点本体部27に設けられた櫛歯状の一対の接点電極27aに接触して一対の接点電極27aを導通させることにより、スイッチ信号を回路基板30に出力するように構成されている。
【0075】
ところで、機器ケース1は、図3に示すように、グリップ部15の下辺側の端部が裏面側(図3では左側)に向けて突出すように傾斜する傾斜部15aが下部ケース3に設けられた構造になっている。この下部ケース3に設けられた電池収納部13の開口部13aは、図10および図11に示すように、下部ケース3の下辺側の傾斜部15aから下部ケース3の上辺側における一対の取付レバー14の近傍に亘って設けられている。
【0076】
この開口部13aの周囲には、図5図11図12に示すように、圧接枠である外枠13bが全周に亘って枠状に設けられている。すなわち、この外枠13bは、下部ケース3の傾斜部15aから下部ケース3における一対の取付レバー14の近傍に亘って設けられて、開口部13aの外周を囲うように構成されている。
【0077】
また、この外枠13bは、図5図11図12に示すように、電池蓋12の支点突起部12aが挿入する下部ケース3の係止部3bから離れた上辺部が係止部3bから離れる方向に向けて緩やかに突出して湾曲する形状に形成されている。これにより、外枠13bは、全体が五角形に近い形状に形成されている。
【0078】
この電池収納部13の開口部13aを塞ぐ電池蓋12は、図12図14に示すように、その外形が電池収納部13の開口部13aよりも大きく、かつ下部ケース3の外面と同じ大きさで形成され、外周縁が下部ケース3の外面と一致するように形成されている。この電池蓋12の内面には、電池収納部13の開口部13aの周囲に設けられた外枠13bの内周に沿ってパッキン部33が設けられている。
【0079】
このパッキン部33は、図11図14に示すように、電池蓋12に設けられた支持枠である内枠33aと、この内枠33aにこれを覆って一体に設けられたパッキンゴム33bと、を備え、これらが電池蓋12の支点突起部12aに近づくにつれて電池蓋12の内部側に向けて傾斜するように設けられた構造になっている。この場合、支持枠である内枠33aは、下部ケース3の外枠13bの内周に沿って電池蓋12の内面に枠状に設けられている。
【0080】
すなわち、この内枠33aは、図12図14に示すように、外枠13bと同様、下部ケース3の傾斜部15aから下部ケース3の上辺側における一対の取付レバー14の近傍に亘って電池蓋12の内面に設けられている。また、この内枠33aも、外枠13bと同様、電池蓋12の支点突起部12aから離れた上辺部が支点突起部12aから離れる方向に向けて緩やかに突出して湾曲する形状に形成されている。これにより、内枠33aも、外枠13bと同様、全体が五角形に近い形状に形成されている。
【0081】
パッキンゴム33bは、図12図14に示すように、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの弾性材料で、好ましくはシリコーンゴムで形成されている。このパッキンゴム33bは、インサート成型によって電池蓋12の内枠33aの全周にこれを覆った状態で一体に形成されている。また、このパッキンゴム33bは、内枠33aの先端部における外側が円弧状に突出して形成されている。
【0082】
これにより、パッキン部33は、図11図14に示すように、電池蓋12の支点突起部12aを電池収納部13の下辺部に設けられた係止部3bに係止させ、この係止された支点突起部12aを中心に電池蓋12を回転させて電池収納部13の開口部13aを塞いだ際に、内枠33aの外面が開口部13aの外枠13bの内面に対面した状態で、内枠33aの先端部に円弧状に突出したパッキン部33が外枠13bの内面に圧接することにより、開口部13aの防水を図るように構成されている。
【0083】
この場合、パッキン部33は、図11図14に示すように、パッキン部33が電池蓋12の支点突起部12aに近づくにつれて電池蓋12の内部側に向けて傾斜していることにより、支点突起部12aを中心に電池蓋12が回転して電池収納部13の開口部13aを塞ぐ際に、電池蓋12が回転するに従い、電池収納部13の開口部13aの周囲に設けられた外枠13bの内面に対するパッキンゴム33bの密接部分が増加するにつれて密接抵抗も増加し、電池蓋12の操作荷重が徐々に重くなることにより、電池蓋12の開閉操作を向上させるように構成されている。
【0084】
また、機器ケース1のグリップ部15における下辺側の傾斜部15aの端部には、図2および図14に示すように、上部ケース2と下部ケース3とを複数のビス34によって取り付けるための複数のビス穴35が設けられている。すなわち、複数のビス穴35は、ビス34の頭部34aが挿入する穴であり、下部ケース3の傾斜部15aの端部におけるグリップ部15の長手方向と直交する短手方向(幅方向)の両側に設けられている。
【0085】
複数のビス34は、図14に示すように、頭部34aとねじ部34bとを有し、頭部34aがビス穴35に挿入された状態で、ねじ部34bが上部ケース2内に設けられたボス部36のねじ穴に36aに螺合するように構成されている。これにより、複数のビス34は、ねじ部34bが上部ケース2のボス部36のねじ穴に36aに螺合して締め付けられると、頭部34aが下部ケース3を上部ケース2のボス部36に押し当てて、上部ケース2と下部ケース3とを取り付けるように構成されている。
【0086】
この場合、複数のビス穴35それぞれは、図14に示すように、下部ケース3の裏面とこの裏面に対して交差する下部ケース3の端面とに連通するストラップ孔37を兼ねている。すなわち、このストラップ孔37は、その内部に紐を通すことにより、ストラップが取り付けられるように構成されている。
【0087】
また、複数のビス穴35には、図15および図16に示すように、ブリッジ形状の脚部38が着脱可能に取り付けられるように構成されている。すなわち、この脚部38は、後述するハンドベルト43が取り付けられるベルト取付部を兼ねるものであり、機器ケース1を卓上など載置面T上に配置させる際に、図16に示すように、下部ケース3の上辺部側の光学収納部10が載置面Tに載置された状態で、下部ケース3の下辺部側を支持することにより、機器ケース1を載置面T上に安定させた状態で配置させるように構成されている。
【0088】
この場合、脚部38は、図14および図15に示すように、下部ケース3のビス穴35にそれぞれ着脱可能に取り付けられる一対の支持片40と、これら一対の支持片40に梁渡されて、下部ケース3の傾斜部15aにおけるグリップ部15の長手方向と直交する短手方向(幅方向)の両側に傾斜部15aの頂点を跨ぐ梁部41と、を備えている。
【0089】
一対の支持片40は、図15および図16に示すように、下部ケース3の裏面側からビス穴35に差し込まれた際に、下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に係脱可能に係合するフック部40aを備えている。このフック部40aは、その下端部に係合突起40bが設けられている。
【0090】
これにより、支持片40は、図15および図16に示すように、下部ケース3のビス穴35に差し込まれる際に、係合突起40bがビス穴35の内面によって押されてフック部40aを撓ませる構造になっている。また、この支持片40は、下部ケース3のビス穴35に差し込まれた際に、フック部40aが弾性復帰して係合突起40bを下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に係脱可能に係合させる構造になっている。
【0091】
また、この支持片40は、図15および図16に示すように、下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に工具を差し込んで、フック部40aの係合突起40bを押圧して、フック部40aを撓ませると、係合突起40bがビス穴35内に押し込まれ、ビス穴35から支持片40が抜けるように構成されている。
【0092】
梁部41は、図15および図16に示すように、一対の支持片40に梁渡されて、下部ケース3の傾斜部15aにおけるグリップ部15の長手方向と直交する短手方向(幅方向)の両側に傾斜部15aの頂点を跨いでいることにより、一対の支持部40を連結して卓上など載置面Tに載置されると共に、後述するハンドベルト43が折り返されて取り付けられる構造になっている。
【0093】
この梁部41の両側には、図15(a)および図15(b)に示すように、滑止め部42がハンドベルト43の長手方向と直交する短手方向の両側に位置して設けられている。この滑止め部42は、ウレタンゴムやシリコーンゴムなどのゴム材料で形成され、載置面Tに対する滑り防ぐものである。この滑止め部42は、リング状に形成され、半径方向の厚みがハンドベルト43の厚みよりも厚く形成されている。
【0094】
これにより、機器ケース1は、図16および図17に示すように、脚部38が取り付けられた状態で、卓上などの載置面T上に配置された際に、光学収納部10における第1面10aと第2面10bとの境界に位置する境界部10c、つまり第2面10bにおける集音孔10fを含む領域である基準部を境にして第1面10a側の端部である境界部10cと脚部38とが載置面Tに載置される。
【0095】
このときには、第2面10bの基準部が載置面Tに接触することがなく、第2面10bにおける第1面10aと反対側の端部、つまり境界部10cと反対側の端部が載置面Tから離れた状態で、光学収納部10の第2面10bと載置面Tとの間に隙間を持って機器ケース1が載置面T上に配置されるように構成されている。このため、この機器ケース1は、光学収納部10の平坦領域である第2面10bに設けられたマイクロホン用の集音孔10fまたはスピーカ用の放音孔が載置面Tで塞がれない構造になっている。
【0096】
また、この機器ケース1は、図18に示すように、脚部38が下部ケース3から取り外された状態で、載置面T上に配置された際に、光学収納部10の第2面10bにおける集音孔10fを含む領域である基準部を境にして、境界部10cと反対側に位置する第2面10bの端部と下部ケース3の下辺部に位置する傾斜部15aの端部とが載置面Tに載置される。
【0097】
このときには、第2面10bの基準部が載置面Tに接触することがなく、第2面10bにおける第1面10a側の端部、つまり境界部10cが載置面Tから離れた状態で、光学収納部10の第2面10bと載置面Tとの間に隙間を持って機器ケース1が載置面T上に配置されるように構成されている。このため、この機器ケース1は、光学収納部10の平坦領域である第2面10bに設けられたマイクロホン用の集音孔10fまたはスピーカ用の放音孔が載置面Tで塞がれない構造になっている。
【0098】
さらに、この機器ケース1は、脚部38が下部ケース3に着脱可能に取り付けられていることにより、下部ケース3から脚部38を取り外すことができ、この状態でユーザが一方の手でグリップ部15を握った際に、脚部38が邪魔にならないため、ユーザが一方の手でグリップ部15を良好に握れるように構成されている。
【0099】
ところで、この機器ケース1には、図2図3および図16に示すように、ハンドベルト43が取り付けられるように構成されている。このハンドベルト43は、帯状のものであり、長手方向と直交する短手方向の幅が脚部38の滑止め部42の間隔と同じ長さで形成されている。このハンドベルト43は、一端部に取付金具44が取り付けられ、他端部が脚部38の梁部41で折り返されて面状ファスナなどの係止部材45によって連結されるように構成されている。
【0100】
この場合、取付金具44は、図2および図3に示すように、下部ケース3の光学収納部10におけるえぐれ部17側の傾斜面に設けられた金具取付部46に着脱可能に取り付けられるように構成されている。これにより、ハンドベルト43は、一端部の取付金具44を下部ケース3の金具取付部46に取り付け、他端部を下部ケース3の脚部38で折り返して係止部材45によって一端部側に連結させることにより、下部ケース3の光学収納部10と脚部38との間に張り渡されるように構成されている。
【0101】
次に、このような携帯端末の作用について説明する。
まず、下部ケース3の両側に側面トリガーキー11を取り付ける場合について説明する。この場合には、第1の工程で下部ケース3の釦挿入孔26に挿入される釦部22に取り付けられた弾性部材23を下部ケース3内に釦部22と共に配置する。
【0102】
すなわち、この第1の工程では、弾性部材23の膨出部23aに釦部22の複数の押圧部22bを食い込ませて、釦部22の周縁部に弾性部材23を接着によって取り付ける。この状態で、下部ケース3の内部側から釦部22を下部ケース3の釦挿入孔26に挿入させて、弾性部材23の周辺部を下部ケース3の内面に配置させる。
【0103】
そして、第2の工程で、弾性部材23の両側に位置する下部ケース3の内面に設けられた一対のガイド部25によって、接点部材24をガイドして弾性部材23に徐々に接近させて重ね合わせる。すなわち、この第2の工程では、一対のガイド部25の各ガイドレール31によって接点部材24の一対のスライド部32を垂直方向にガイドして、ガイドレール31に対して傾いた接点本体部27の電極面をこれに対向してガイドレール31に対して傾いた弾性部材23の対向面に重ね合わせる。
【0104】
このときには、接点本体部27の電極面に対向する弾性部材23の対向面がガイドレール31に対して約4°の抜き勾配で傾斜しており、これと同様に接点本体部27の電極面も傾斜している。このため、ガイドレール31が接点部材24のスライド部32をガイドする際におけるガイド開始時には、図10(a)および図10(d)の原理図に示すように、接点本体部27の電極面が弾性部材23の対向面に対向して面方向にずれた状態で、弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面との間にクリアランスaをもって配置される。
【0105】
この状態で、ガイドレール31がスライド部32をガイドしてスライドさせた際におけるスライド途中では、図10(b)および図10(d)の原理図に示すように、接点本体部27が弾性部材23に徐々に接近する方向に移動して、弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面との間のクリアランスaが徐々に狭くなる。
【0106】
そして、ガイドレール31がスライド部32をガイドしてスライドさせて接点部材24が下部ケース3の底部に到達した際におけるスライド終了時には、図10(c)および図10(d)の原理図に示すように、弾性部材23の対向面と接点本体部27の電極面とが対面して重なり合った状態で押し当てられて圧接する。
【0107】
これにより、接点部材24を弾性部材23に重ね合わせる際に、接点部材24と弾性部材23とが相互に擦れて傷付かないようにすることができる。このため、接点部材24の接点電極27aと弾性部材23の可動接点23bとが相互に擦れることがなく、接点部材24の接点電極27aが傷付いたり、弾性部材23の可動接点23bが傷付いたりすることがないので、接点不良を起こすことがない。
【0108】
この状態では、接点部材24の接点本体部27が弾性部材23に押し当てられて圧接された際に、接点本体部27の一対の接点電極27aが弾性部材23の複数の可動接点23bに対応した状態で、接点本体部27のカバー部27bが弾性部材23の弾力によって下部ケース3の内面に押し当てられて固定される。
【0109】
また、機器ケース1の電池収納部13に充電池(図示せず)を収納する場合には、下部ケース3の電池収納部13を覆っている電池蓋12を取り外して、電池収納部13内に充電池を収納する。そして、電池収納部13の開口部13aを電池蓋12で塞ぐ。このときには、電池蓋12の支点突起部12aを電池収納部13の下辺部に設けられた係止部3bに係止させ、この支点突起部12aを中心に電池蓋12を回転させて電池収納部13の開口部13aを電池蓋12で塞ぐ。
【0110】
このときには、電池蓋12の内枠33aの外面が電池収納部13の開口部13aの外枠13bの内面に対面した状態で、電池蓋12の内枠33aに設けられたパッキン部33の円弧状に突出した部分が電池収納部13の開口部13aの外枠13bの内面に圧接する。これにより、電池蓋12のパッキン部33によって電池収納部13の開口部13aの防水が図れる。
【0111】
すなわち、パッキン部33が電池蓋12の支点突起部12aに近づくにつれて電池蓋12の内部側に向けて傾斜していることにより、支点突起部12aを中心に電池蓋12を回転させて電池収納部13の開口部13aを塞ぐ際には、電池蓋12が回転するに従い、電池収納部13の開口部13aの周囲に設けられた外枠13bの内面に対するパッキンゴム33bの密接部分が増加するにつれて密接抵抗も徐々に増加し、電池蓋12の操作荷重が徐々に重くなる。これにより、電池蓋12の開閉操作が向上する。
【0112】
また、パッキン部33は、電池蓋12の支点突起部12aから離れた上辺部が、支点突起部12aから離れる方向に向けて緩やかに突出して湾曲する形状に形成されていることにより、支点突起部12aから離れる方向に位置するパッキン部33がこれに対応する下部ケース3の開口部13aの外周に設けられた外枠13bの内面にその湾曲に沿って順次圧接される。
【0113】
これにより、電池蓋12の閉操作が良く、電池蓋12の閉操作を向上させて、電池収納部13の開口部13aが確実にかつ良好に密閉される。この状態で、電池蓋12の上辺側の縁部を一対の取付レバー14によって下部ケース3の裏面に係止させて電池蓋12を下部ケース3に取り付ける。これにより、電池蓋12と下部ケース3と上部ケース2とによって、機器ケース1の幅狭部1bにグリップ部15が形成される。
【0114】
そして、機器ケース1にハンドベルト43を取り付ける。この場合には、予め、機器ケース1のグリップ部15にベルト取付部を兼ねる脚部38を取り付ける。このときには、グリップ部15における下部ケース3の下辺部の傾斜部15aに設けられたストラップ孔37を兼ねる複数のビス穴35に脚部38の一対の支持片40を差し込む。
【0115】
すると、支持片40に設けられたフック部40aの係合突起40bがビス穴35の内面によって押されてフック部40aが撓む。そして、支持片40が下部ケース3のビス穴35に差し込まれた際には、フック部40aが弾性復帰して係合突起40bを下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に係合させる。これにより、脚部38がビス穴35に着脱可能に取り付けられる。
【0116】
この状態で、ハンドベルト43の一端部に取り付けられた取付金具44を下部ケース3の金具取付部46に取り付け、ハンドベルト43の他端部を下部ケース3に取り付けられた脚部38と下部ケース3との間に挿入させて、脚部38で折り返し、この折り返されたハンドベルト43の他端部をハンドベルト43の一端部側に重ね合わせる。すると、ハンドベルト43の一端部側と他端部側とが係止部材45によって連結される。これにより、ハンドベルト43が下部ケース3の光学収納部10と脚部38との間に張り渡される。
【0117】
次に、このような携帯端末を使用する場合について説明する。
この場合には、ユーザが一方の手を機器ケース1とハンドベルト43との間に差し込み、この差し込んだユーザの一方の手でグリップ部15を握って機器ケース1を保持する。すなわち、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザが一方の手でグリップ部15を把握する。
【0118】
このときには、母指F1が機器ケース1の表面のキー操作部5上に配置され、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に膨らみを持たせる形状の指掛突起部16の頭頂部16aが配置され、この状態で示指F2の腹が機器ケース1の裏面側に位置する電池蓋12の指掛突起部16における第1傾斜面である第1の指掛領域18に押し当てられ、他の指F3~F5の各腹が指掛突起部16の第2の指掛領域19上に配置される。
【0119】
この状態では、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザが把握する手の示指F2の腹を電池蓋12の指掛突起部16における第1の指掛領域18の傾斜面に押し当て、この状態で第1の指掛領域18を機器ケース1の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて、その把握手の示指F2を引き寄せる。
【0120】
この場合、示指F2の腹が電池蓋12の指掛突起部16における第1の指掛領域18の傾斜面に押し当てられ、機器ケース1の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せられると、示指F2が第1の指掛領域18にその湾曲に沿って自然な状態で屈曲して押し当てられる。このときには、ユーザが把握する手の示指F2が第1の指掛領域18と下面トリガーキー20の釦部20aとの間に配置される。この状態では、下面トリガーキー20の釦部20aがユーザが把握する手の示指F2によって操作されることはない。
【0121】
また、このときには、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザが把握する手の他の指F3~F5の各腹が指掛突起部16の第2の指掛領域19上に押し当てられる。この状態では、指F3~F5が第2の指掛領域19の湾曲に沿って自然に曲がった状態で並んで配置される。
【0122】
これにより、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に、膨らみを持たせる形状の指掛突起部16の頭頂部16aが配置された状態で、中指F3~小指F5が指掛突起部16の第2の指掛領域19を包み込むように自然に曲がって状態で第2の指掛領域19に並んで配置される。このため、指F3~F5が第2の指掛領域19の湾曲面に沿って安定した状態で良好に配置される。これによって、ユーザが片手で機器ケース1のグリップ部15を確実にかつ良好に把握することができる。
【0123】
このように、ユーザが機器ケース1のグリップ部15を握った際には、グリップ部15が機器ケース1の幅狭部1bに設けられ、かつグリップ部15の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、ユーザが把握する手で機器ケース1のグリップ部15を確実にかつ良好に握ることができると共に、ユーザが把握する手をグリップ部15にフィットさせることができる。
【0124】
また、ユーザが機器ケース1のグリップ部15を片手で握る際には、グリップ部15が機器ケース1の横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状に形成されていることにより、ユーザが右手でも、また左手でも、機器ケース1のグリップ部15を確実にかつ良好に握ることができる。この場合にも、グリップ部15の下面側が緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、機器ケース1のグリップ部15を片手で握った際に、ユーザの把握手がグリップ部15にフィットする。
【0125】
このようにユーザが機器ケース1のグリップ部15を握った際には、母指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、母指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができ、また示指F2を下面トリガーキー20に移動させて下面トリガーキー20をキー操作することができると共に、示指F2を機器ケース1の側面に移動させて、側面トリガーキー11をキー操作することができる。
【0126】
この場合、ユーザが機器ケース1のグリップ部15を握った状態で、上面トリガーキー5a、下面トリガーキー20、側面トリガーキー11のいずれかを操作してオン動作させると、機器ケース1の幅広部1aの裏面に設けられた光学読取部6が駆動されて、レーザ読取部7がレーザ光線を光学収納部10の第1面10aに設けられた第1窓部10dから機器ケース1の外部に出射させ、そのレーザ光線の反射光を受光することにより、物品のバーコードなどを読み取る。
【0127】
また、このとき、モードが撮影モードの場合には、光学読取部6の撮像部8が光学収納部10の第2面10bに設けられた第2窓部10eを通してレーザ読取部で読み取る物品の画像を撮影する。このときには、上部ケース2に設けられた表示部4の表示面と光学収納部10の第2面10bとがほぼ平行に設けられていることにより、撮像部8で画像を撮影する際に、撮影部8を撮影する物品に向けた状態で、表示部4に物品の画像が表示され、この表示された画像をユーザが見ながら良好に撮影することができる。
【0128】
この場合、ユーザがグリップ部15を把握した手の示指F2によって下面トリガーキー20の釦部20aを押した場合には、釦部20aが弾性シート20bの膨出部を弾性変形させて、弾性シート20bの可動接点をスイッチ基板20cの固定接点に接触させることにより、スイッチ信号を出力する
【0129】
また、ユーザがグリップ部15を把握した手の示指F2によって側面トリガーキー11を操作する場合には、側面トリガーキー11が機器ケース1の幅広部1aの両側部にそれぞれ所定の傾斜角度で傾斜して設けられていることにより、示指F2によって側面トリガーキー11を良好に操作することができる。
【0130】
すなわち、側面トリガーキー11の釦部22は、機器ケース1の表面を基準面として、この基準面に対する機器ケース1の厚み方向の距離が、グリップ部15側から離れるに従って次第に長くなるように所定の傾斜角度で傾斜して設けられている。このため、示指F2を第1の指掛領域18から離して伸ばし、この示指F2で側面トリガーキー11の釦部22を良好に操作することができる。
【0131】
すなわち、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2~F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部15を第1の握り方で握り、ユーザの示指F2を第1の指掛領域18に押し当てた状態で、この押し当てた示指F2を第1の指掛領域18から離して伸ばした際に、示指F2を側面トリガーキー11の釦部22に確実にかつ良好に配置させることができる。
【0132】
この状態で、側面トリガーキー11の釦部22を示指F2で押して操作すると、釦部22の複数の押圧部22bが弾性部材23の膨出部23aを押圧して弾性変形させ、この弾性変形した膨出部23a内の複数の可動接点23bが接点部材24の接点本体部27に設けられた櫛歯状の一対の接点電極27aに接触して一対の接点電極27aを導通させることにより、スイッチ信号を回路基板30に出力する。
【0133】
次に、この携帯端末を卓上などの載置面Tに配置させて使用する場合について説明する。
この場合には、まず、ハンドベルト43が取り付けられた機器ケース1を卓上などの載置面Tに配置させる。このときには、図16に示すように、上部ケース2の表示部4およびキー操作部5を上に向けて下部ケース3を載置面Tに配置させる。
【0134】
すると、下部ケース3の一端側に設けられた光学収納部10の第2面10bと下部ケース3の他端部側に取り付けられた脚部38とが載置面Tに載置される。この状態では、機器ケース1にハンドベルト43が取り付けられていても、ハンドベルト43によって妨げられることなく、機器ケース1が載置面T上に配置される。
【0135】
すなわち、ハンドベルト43は、一端部の取付金具44が下部ケース3の光学収納部10のえぐれ部17側の傾斜面に設けられた金具取付部46に取り付けられ、ハンドベルト43の他端部が脚部38の滑止め部42の間に配置されて、滑止め部42の外周面がハンドベルト43の表面から突出しているので、脚部38の一対の滑止め部42が載置面Tに接触して載置され、光学収納部10の第2面10bにおける一端側の境界部10cが載置面Tに接触して載置される。
【0136】
このため、機器ケース1がハンドベルト43によって妨げられることなく、載置面T上に配置される。この場合、機器ケース1に脚部38を取り付けた状態で、図17に示すように、ハンドベルト43のみを機器ケース1から取り外した場合にも、上述した場合と同様に配置される。
【0137】
これにより、機器ケース1が載置面T上に安定した状態で良好に配置される。すなわち、機器ケース1のグリップ部15をユーザが手で握り易い湾曲した形状に形成しても、グリップ部15に取り付けられた脚部38によって、機器ケース1が載置面T上で転がらないように、機器ケース1を載置面T上に安定した状態で良好に配置させることができる。このため、この状態では、表示部4に表示された情報を見ながらキー操作部5を良好に操作することができる。
【0138】
この場合、脚部38は、下部ケース3にその長手方向と直交する短手方向(幅方向)の両側に設けられた複数のビス穴35に着脱可能に取り付けられる一対の支持片40と、これら一対の支持片40に梁渡されて下部ケース3の長手方向と直交する短手方向(幅方向)において傾斜部15aの頂点を跨ぐ梁部41と、を備え、この脚部38の梁部41が載置面Tに載置されるので、機器ケース1を載置面T上に安定した状態で確実にかつ良好に配置させることができる。
【0139】
また、この状態では、下部ケース3に脚部38が取り付けられていることにより、光学収納部10の境界部10cと脚部38の滑止め部42とが載置面Tに接触して配置されている。このときには、平坦領域の第2面10bの基準部が載置面Tに接触することがなく、光学収納部10の第2面10bにおける第1面10aと反対側の端部つまり境界部10cと反対側の端部が載置面Tから離れた状態で、機器ケース1が載置面T上に配置される。これにより、機器ケース1の第2面10bの基準部と載置面Tとの間に隙間が設けられる。
【0140】
このため、光学収納部10の平坦領域である第2面10bの基準部に設けられたマイクロホン用の集音孔10fが載置面Tによって塞がれることがないので、マイクロホンで音を良好に取り込むことができる。また、マイクロホン用の集音孔10fに代えてスピーカ用の放音孔が設けられている場合にも、放音孔が載置面Tによって塞がれることがないので、スピーカの音を良好に放音させることができる。
【0141】
一方、ハンドベルト43と脚部38とを機器ケース1から取り外して、機器ケース1を載置面T上に配置させた際には、図18に示すように、平坦領域である第2面10bの基準部が載置面Tに接触することがなく、光学収納部10の第2面10bにおける境界部10cと反対側の端部と下部ケース3の下辺側の傾斜部15a側の端部とが載置面Tに載置される。
【0142】
このときには、光学収納部10の平坦領域である第2面10bにおいて基準部を境にして、第1面10a側に位置する第2面10bの端部、つまり境界部10cが載置面Tから離れた状態で、機器ケース1が載置面T上に配置される。これにより、機器ケース1の第2面10bの基準部と載置面Tとの間に隙間が設けられる。
【0143】
このため、この状態でも、光学収納部10の平坦領域である第2面10bの基準部に設けられたマイクロホン用の集音孔10fが載置面Tによって塞がれることがないので、マイクロホンで音を良好に取り込むことができる。また、マイクロホン用の集音孔10fに代えてスピーカ用の放音孔が設けられている場合にも、放音孔が載置面Tによって塞がれることがないので、スピーカの音を良好に放音させることができる。
【0144】
すなわち、この機器ケース1では、脚部38を取り付けて光学収納部10と脚部38とを載置面Tに載置した場合と、脚部38を機器ケース1から取り外して光学収納部10と機器ケース1の他端部とを載置面Tに載置した場合とで、光学収納部10の第2面における基準部を境にして、載置面Tに対する第2面10bの接触箇所が異なる。
【0145】
つまり、この機器ケース1では、脚部38を取り付けたときと、脚部38を機器ケース1から取り外したときとで、載置面Tに対する第2面10bの傾きが、基準部を境にして逆向きになるだけで、機器ケース1の第2面10bと載置面Tとの間に隙間を確実にかつ良好に設けることができる。このため、脚部38を取り付けても、また取り外しても、マイクロホンで音を良好に取り込むことができると共に、スピーカの音を良好に放音させることができる。
【0146】
このように、この携帯端末の脚部38によれば、ブリッジ形状をなして機器ケース1に着脱可能に取り付けられ、機器ケース1の所定の面を載置面に向けて載置させた際に、載置面Tに接触して機器ケース1を支持することにより、脚部38を機器ケース1から取り外したり、機器ケース1に取り付けたりすることができ、機器ケース1をユーザが手に持って使用する際に、脚部38を機器ケース1から取り外すことにより、脚部38が邪魔にならずに、機器ケース1を良好に握ることができる。
【0147】
また、この携帯端末の脚部38によれば、ブリッジ形状をなして機器ケース1の一端部側に着脱可能に取り付けられ、機器ケース1の他端部側が載置面Tに載置された際に、載置面Tに接触して機器ケース1の一端部側を支持することにより、脚部38が機器ケース1に対して着脱可能であるから、脚部38を機器ケース1から取り外したり、機器ケース1に取り付けたりすることができる。
【0148】
すなわち、この携帯端末の脚部38では、脚部38を機器ケース1から取り外すことができるので、機器ケース1をユーザが手に持って使用する際に、脚部38が邪魔にならずに、機器ケース1を良好に握ることができ、また機器ケース1に脚部38を取り付けた際に、機器ケース1の形状に係わらず、載置面T上に機器ケース1を安定させた状態で良好に配置させることができる。
【0149】
この場合、この携帯端末の脚部38は、機器ケース1における長手方向と直交する短手方向の両側に着脱可能に取り付けられる一対の支持片40と、これら一対の支持片40に梁渡されて、機器ケース1が載置面Tに載置された際に、載置面Tに接触する梁部41と、を備えていることにより、一対の支持片40に梁渡された梁部41が機器ケース1の長手方向と直交する短手方向の中心を跨いた状態で、脚部38を機器ケース1に取り付けることができ、これにより載置面T上に機器ケース1を安定させた状態で確実にかつ良好に配置させることができる。
【0150】
また、この携帯端末の脚部38によれば、一対の支持片40に機器ケース1に対して係脱可能に係合するフック部40aが設けられていることにより、機器ケース1に脚部38を簡単に取り付けることができると共に、機器ケース1から脚部38を容易に取り外すことができる。
【0151】
また、梁部41には、載置面Tに対する滑りを防ぐ滑止め部42が設けられていることにより、載置面T上に機器ケース1を配置した際に、滑止め部42によって脚部38が載置面T上で滑らないようにすることができ、これによっても載置面T上に機器ケース1を安定させた状態で配置させることができる。
【0152】
また、この携帯端末の脚部38の取付構造によれば、機器ケース1と、ブリッジ形状をなして機器ケース1に着脱可能に取り付けられ、機器ケース1の所定の面を載置面に向けて載置させた際に、載置面Tに接触して機器ケース1を支持する脚部38と、を備えていることにより、脚部38を機器ケース1から取り外したり、機器ケース1に取り付けたりすることができ、機器ケース1をユーザが手に持って使用する際に、脚部38を機器ケース1から取り外すことにより、脚部38が邪魔にならずに、機器ケース1を良好に握ることができる。
【0153】
また、この携帯端末の脚部38の取付構造によれば、機器ケース1と、ブリッジ形状をなして機器ケース1の一端部側に着脱可能に取り付けられ、機器ケース1の他端部側が載置面Tに載置された際に、載置面Tに接触して機器ケース1の一端部側を支持する脚部38と、を備えていることにより、脚部38が機器ケース1に対して着脱可能であるから、脚部38を機器ケース1から取り外したり、機器ケース1に取り付けたりすることができる。
【0154】
すなわち、この携帯端末の脚部38では、脚部38を機器ケース1から取り外すことができるので、機器ケース1をユーザが手に持って使用する際に、脚部38が邪魔にならずに、機器ケース1を良好に握ることができ、また機器ケース1に脚部38を取り付けた際に、機器ケース1の形状に係わらず、載置面T上に機器ケース1を安定させた状態で良好に配置させることができる。
【0155】
この場合にも、脚部38は、機器ケース1における長手方向と直交する短手方向の両側に着脱可能に取り付けられる一対の支持片40と、これら一対の支持片40に梁渡されて、機器ケース1が載置面Tに載置された際に、載置面Tに接触する梁部41と、を備えていることにより、一対の支持片40に梁渡された梁部41が機器ケース1の長手方向と直交する短手方向の中心を跨いた状態で、脚部38を機器ケース1に取り付けることができ、これにより載置面T上に機器ケース1を安定させた状態で確実にかつ良好に配置させることができる。
【0156】
また、機器ケース1は、ユーザが一方の手で把握可能なグリップ部15を備え、グリップ部15の端部の傾斜部15aに脚部38がグリップ部15の頂上を跨いで着脱可能に取り付けられることにより、機器ケース1に着脱可能に取り付けられた脚部38を取り外した際に、脚部38が邪魔にならず、ユーザが一方の手でグリップ部15を良好に握ることができる。
【0157】
また、機器ケース1では、グリップ部15をユーザが手で握り易い湾曲した形状に形成しても、グリップ部15に取り付けられた脚部38によって、機器ケース1が載置面T上で転がらないように、機器ケース1を載置面T上に安定した状態で良好に配置させることができる。このため、機器ケース1を載置面T上に配置させた状態でも、表示部4に表示された情報を見ながらキー操作部5を良好に操作することができる。
【0158】
この場合、機器ケース1は、上部ケース2と下部ケース3とを備え、上部ケース2と下部ケース3とが複数のビス34によって取り付けられる際の複数のビス穴35に脚部38が着脱可能に取り付けられることにより、機器ケース1に脚部38を取り付けるための専用の取付孔部を設ける必要がなく、ビス34のビス穴35を兼用することができるので、構造が簡単で、低コスト化を図ることができる。
【0159】
また、ビス穴35は、脚部38が配置される下部ケース3の一面である裏面と、この裏面に対して交差する下部ケース3の他面である端面とに、連通するストラップ孔37を兼ねていることにより、機器ケース1にストラップ専用の取付孔を設ける必要がなく、ビス34のビス穴35をストラップ孔37として兼用することができるので、これによっても構造が簡単で、更なる低コスト化を図ることができる。
【0160】
また、脚部38は、支持片40が下部ケース3の裏面側からビス穴35に差し込まれた際に、下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に係脱可能に係合するフック部40aを備えていることにより、下部ケース3に脚部38を簡単に取り付けることができると共に、下部ケース3から脚部38を容易に取り外すことができる。
【0161】
すなわち、フック部40aは、その下端部に係合突起40bが設けられていることにより、支持片40が下部ケース3のビス穴35に差し込まれる際に、係合突起40bがビス穴35の内面によって押されてフック部40aを撓ませ、支持片40が下部ケース3のビス穴35に差し込まれた際に、フック部40aが弾性復帰して係合突起40bを下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に係脱可能に係合させることができるので、下部ケース3に脚部38を簡単に取り付けることができる
【0162】
また、このフック部40aは、下部ケース3の裏面と交差する下部ケース3の端面側に位置するストラップ孔37に工具を差し込んで、フック部40aの係合突起40bを押圧して、フック部40aを撓ませると、係合突起40bがビス穴35内に押し込まれて、ビス穴35から支持片40を抜き出すことができるので、下部ケース3から脚部38を容易に取り外すことができる。
【0163】
また、この携帯端末における脚部38の取付構造では、脚部38がハンドベルト43のベルト取付部を兼ねていることにより、ハンドベルト43を機器ケース1に取り付けて使用する際に、ハンドベルト43の一端部の取付金具44を下部ケース3の金具取付部46に取り付け、ハンドベルト43の他端部を脚部38に取り付けることができるので、ハンドベルト43を取り付けるための専用のベルト取付部を必要としないため、部品点数の削減を図ることができ、これによっても低コスト化を図ることができる。
【0164】
さらに、この携帯端末における脚部38の取付構造では、脚部38の滑止め部42がハンドベルト43の長手方向と直交する短手方向の両側に配置されていることにより、ハンドベルト43を滑止め部42間に配置させた脚部38に取り付けることができ、ハンドベルト43を脚部38に取り付けた状態で、機器ケース1を載置面T上に配置させた際に、脚部38の滑止め部42を載置面Tに接触させることができ、これによって脚部38が載置面T上で滑らないようにすることができる。
【0165】
なお、上述した実施形態では、脚部38の梁部41に滑止め部42をハンドベルト43の点手方向の両側に位置させて設けた場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば図19(a)および図19(b)に示す変形例のように、脚部38の梁部41全体に滑止め部50を設けた構造であっても良い。このように構成すれば、滑止め部50が載置面Tに接触する面積を大きくすることができるので、より一層、脚部38が載置面T上で滑り難くすることができる。
【0166】
また、上述した実施形態では、側面トリガーキー11のスライド部32がガイドレール31を挟んだ状態でガイドレール31に沿って垂直方向にスライドする場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば、下部ケース3に設けられたガイドレールが接点部材24に設けられたスライド部を挟んだ状態で垂直方向にガイドする構造であっても良い。
【0167】
また、上述した実施形態では、側面トリガーキー11の接点部材24の電極面とこれに対向する弾性部材23の対向面とを下部ケース3に対して傾けて、かつ接点部材24のスライド部32をガイドするガイドレール31を下部ケース3に垂直に設けた場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば接点部材24の電極面と弾性部材23の対向面とを下部ケース3に垂直に設け、接点部材24のスライド部32をガイドするガイドレール31を下部ケース3に傾けた構造であっても良い。
【0168】
さらに、上述した実施形態では、機器ケース1の電池収納部13の開口部13aとこの開口部13aを塞ぐ電池蓋12との防水を図る場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば機器ケース1の上部ケース2と下部ケース3との防水を図る構造にも適用することができ、これにより防水ケースとして用いることができる。
【0169】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0170】
(付記)
請求項1に記載の発明は、ブリッジ形状をなしてケースに着脱可能に取り付けられ、前記ケースの所定の面を載置面に向けて載置させた際に、前記載置面に接触して前記ケースを支持することを特徴とする脚部である。
【0171】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脚部が、前記ケースの一端部側に着脱可能に取り付けられ、前記ケースの他端部側が載置面に載置された際に、前記載置面に接触して前記ケースの前記一端部側を支持することを特徴とする脚部である。
【0172】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の脚部が、前記ケースにおける長手方向と直交する短手方向の両側に着脱可能に取り付けられる一対の支持片と、前記一対の支持片に梁渡されて、前記ケースが前記載置面に載置された際に、前記載置面に接触する梁部と、を備えていることを特徴とする脚部である。
【0173】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の脚部において、前記一対の支持片には、前記ケースに対して係脱可能に係合するフック部が設けられていることを特徴とする脚部である。
【0174】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の脚部において、前記梁部には、前記載置面に対する滑りを防ぐ滑止め部が設けられていることを特徴とする脚部である。
【0175】
請求項6に記載の発明は、ケースと、ブリッジ形状をなして前記ケースに着脱可能に取り付けられ、前記ケースの所定の面を載置面に向けて載置させた際に、前記載置面に接触して前記ケースを支持する脚部と、を備えていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0176】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の脚部の取付構造において、前記脚部は、前記ケースの一端部側に着脱可能に取り付けられ、前記ケースの他端部側が載置面に載置された際に、前記載置面に接触して前記ケースの前記一端部側を支持するを備えていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0177】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の脚部の取付構造において、前記脚部は、前記ケースにおける長手方向と直交する短手方向の両側に着脱可能に取り付けられる一対の支持片と、前記一対の支持片に梁渡されて、前記ケースが前記載置面に載置された際に、前記載置面に接触する梁部と、を備えていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0178】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の脚部の取付構造において、前記脚部の前記梁部には、前記載置面に対する滑りを防ぐ滑止め部が設けられていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0179】
請求項10に記載の発明は、請求項6~請求項9のいずれかに記載の脚部の取付構造において、前記ケースは、ユーザが一方の手で把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部の端部に前記脚部が前記グリップ部の頂上を跨いで着脱可能に取り付けられることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0180】
請求項11に記載の発明は、請求項6~請求項10のいずれかに記載の脚部の取付構造において、前記ケースは、第1ケースと第2ケースとを備え、前記第1ケースと前記第2ケースとが複数のビスによって取り付けられる際の複数のビス穴に前記脚部が着脱可能に取り付けられることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0181】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の脚部の取付構造において、前記ビス穴は、前記脚部が配置される前記ケースの一面と、前記一面に対して交差する前記ケースの他面とに、連通するストラップ孔を兼ねていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0182】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の脚部の取付構造において、前記脚部の前記一対の支持片それぞれには、前記支持片が前記ケースの前記一面側から前記ビス穴に差し込まれた際に、前記ケースの前記一面と交差する前記ケースの前記他面側に位置する前記ストラップ孔に係脱可能に係合するフック部が設けられていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0183】
請求項14に記載の発明は、請求項6~請求項13のいずれかに記載の脚部の取付構造において、前記脚部は、ハンドベルトが取り付けられるベルト取付部を兼ねていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0184】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の脚部の取付構造において、前記滑止め部は、前記ハンドベルトの長手方向と直交する短手方向の両側に配置されていることを特徴とする脚部の取付構造である。
【0185】
請求項16に記載の発明は、請求項6~請求項15のいずれかに記載された脚部の取付構造を備えていることを特徴とする携帯端末である。
【符号の説明】
【0186】
1 機器ケース
2 上部ケース
3 下部ケース
4 表示部
5 キー操作部
5a 上面トリガーキー
6 光学読取部
7 レーザ読取部
8 撮影部
10 光学収納部
10a 第1面
10b 第2面
10c 境界部
10f 集音孔
11 側面トリガーキー
12 電池蓋
12a 支点突起部
13 電池収納部
13a 開口部
13b 外枠
14 取付レバー
15 グリップ部
15a 傾斜部
16 指掛突起部
17 えぐれ部
18 第1の指掛領域
19 第2の指掛領域
20 下面トリガーキー
22 釦部
23 弾性部材
23a 膨出部
23b 可動接点
24 接点部材
25 ガイド部
26 釦挿入孔
27 接点本体部
27a 接点電極
28 端子配置部
28a 端子電極
30 回路基板
31 ガイドレール
32 スライド部
33 パッキン部
33a 内枠
33b パッキンゴム
34 ビス
35 ビス穴
36 ボス部
37 ストラップ孔
38 脚部
40 支持片
40a フック部
40b 係合突起
41 梁部
42、50 滑止め部
43 ハンドベルト
44 取付金具
46 金具取付部
図1
図2
図3
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図5
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