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特許7552808風速特定システム、風速特定装置、及び風速特定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】風速特定システム、風速特定装置、及び風速特定方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/26 20060101AFI20240910BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20240910BHJP
   G01W 1/02 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G01P5/26 Z
G01W1/00 A
G01W1/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023121205
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2022503029の分割
【原出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2023138561
(43)【公開日】2023-10-02
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】森 洸遥
(72)【発明者】
【氏名】青野 義明
(72)【発明者】
【氏名】依田 幸英
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106199056(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102832582(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0137483(US,A1)
【文献】特開2009-162657(JP,A)
【文献】特開2010-237083(JP,A)
【文献】特開2000-230935(JP,A)
【文献】特開平09-243366(JP,A)
【文献】国際公開第2011/104828(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105222882(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102042885(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102175888(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/00-5/26
G01W 1/00-1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電線の周辺に敷設された光ファイバと、
前記光ファイバから、該光ファイバに風が当たることで生じる振動を示す情報を含む光信号を受信する受信部と、
前記光信号に含まれる前記振動を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定すると共に、前記風の方向を特定する特定部と、
を備える、風速特定システム。
【請求項2】
前記特定部が特定した前記風速に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する制御部をさらに備える、
請求項1に記載の風速特定システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記光ファイバの周辺の温度を示す情報に基づいて、前記温度を特定し、
前記制御部は、前記特定部が特定した前記風速及び前記温度に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する、
請求項に記載の風速特定システム。
【請求項4】
送電線の周辺に敷設された光ファイバから受信した光信号に含まれる、該光ファイバに風が当たることで生じる振動を示す情報を取得する取得部と、
前記振動を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定すると共に、前記風の方向を特定する特定部と、
を備える、風速特定装置。
【請求項5】
前記特定部が特定した前記風速に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する制御部をさらに備える、
請求項に記載の風速特定装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記光ファイバの周辺の温度を示す情報に基づいて、前記温度を特定し、
前記制御部は、前記特定部が特定した前記風速及び前記温度に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する、
請求項に記載の風速特定装置。
【請求項7】
報知部をさらに備え、
前記特定部は、前記光信号に基づいて、該光信号が発生した位置を特定し、
前記報知部は、地図上の前記特定部が特定した位置にて、前記特定部が特定した前記風速及び前記風の方向の情報を重畳して、表示部に表示させる、
請求項に記載の風速特定装置。
【請求項8】
風速特定システムによる風速特定方法であって、
送電線の周辺に敷設された光ファイバから、該光ファイバに風が当たることで生じる振動を示す情報を含む光信号を受信する受信ステップと、
前記光信号に含まれる前記振動を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定すると共に、前記風の方向を特定する特定ステップと、
を含む、風速特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、風速特定システム、風速特定装置、及び風速特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線は、温度、風速等の外部環境要因によって、送電効率が変化し、これに伴い、送電容量が変化する。そのため、現状では、送電線を流れる電流値をある一意の値に決定して電力を送電している。そのため、送電線の効率性の観点では改善の余地がある。
【0003】
そこで、最近は、送電線の外部環境要因を常時監視し、外部環境要因に合わせて、送電容量を変化させるダイナミックレーティングと呼ばれる技術が注目を集めている。ダイナミックレーティングを行うためには、温度、風速等の外部環境要因の情報が必要となる。
【0004】
その一方で、光ファイバをセンサとして用いる光ファイバセンシングと呼ばれる技術が注目を集めており、光ファイバセンシングを利用した様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1には、光ファイバを用いて、温度及び風速を算出する技術が開示されている。詳細には、特許文献1に開示された技術は、被覆層の熱容量等が互いに異なる第1の測定部及び第2の測定部を備える光ファイバを使用する。そして、光ファイバから受信した光信号に基づいて、第1の測定部及び第2の測定部の各々の温度を測定し、第1の測定部の温度の変動幅と第2の測定部の温度の変動幅との比率に基づいて、風速を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2011/104828号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1に開示された技術は、光ファイバの周辺の温度情報から、光ファイバの周辺の風速を算出する。
その一方で、より精度の高いダイナミックレーティングを行うためには、外部環境要因の変化に対してタイムリーに対応する必要がある。
【0007】
しかし、特許文献1に開示された技術のように、光ファイバの周辺の温度情報から、光ファイバの周辺の風速を算出する場合には、急激な温度変化が発生する可能性は低いため、急激な風速変化を検出することが難しいという問題がある。
【0008】
このことから、特許文献1に開示された技術を用いても、風速の変化に対してタイムリーに対応することができないため、精度の高いダイナミックレーティングを行うことができないと考えられる。
そのため、ダイナミックレーティングの精度を高めるために、よりリアルタイム性の高い、風速の検出を行うことが望まれている。
【0009】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、よりリアルタイム性の高い、風速の検出を行うことができる風速特定システム、風速特定装置、及び風速特定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様による風速特定システムは、
送電線の周辺に敷設された光ファイバと、
前記光ファイバから、該光ファイバに気流が当たることで生じる音を示す情報を含む光信号を受信する受信部と、
前記光信号に含まれる前記音を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定する特定部と、
を備える。
【0011】
一態様による風速特定装置は、
送電線の周辺に敷設された光ファイバから受信した光信号に含まれる、該光ファイバに気流が当たることで生じる音を示す情報を取得する取得部と、
前記音を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定する特定部と、
を備える。
【0012】
一態様による風速特定方法は、
風速特定システムによる風速特定方法であって、
送電線の周辺に敷設された光ファイバから、該光ファイバに気流が当たることで生じる音を示す情報を含む光信号を受信する受信ステップと、
前記光信号に含まれる前記音を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定する特定ステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0013】
上述の態様によれば、よりリアルタイム性の高い、風速の検出を行うことができる風速特定システム、風速特定装置、及び風速特定方法を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係る風速特定システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る受信部が受信した光信号に含まれる、エルオス音を示す情報の例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る受信部が受信した光信号に含まれる、エルオス音を示す情報の例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る受信部が受信した光信号に含まれる、エルオス音を示す情報の例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る風速特定システムの動作の流れの例を示すフロー図である。
図6】実施の形態2に係る風速特定システムの動作の流れの例を示すフロー図である。
図7】実施の形態3に係る風速特定システムの構成例を示す図である。
図8】実施の形態3に係る風速特定システムの動作の流れの例を示すフロー図である。
図9】実施の形態4に係る風速特定システムの構成例を示す図である。
図10】実施の形態4に係る報知部が表示部に表示させるGUI画面の例を示す図である。
図11】実施の形態4に係る風速特定システムの動作の流れの例を示すフロー図である。
図12】他の実施の形態に係る風速特定システムの構成例を示す図である。
図13】実施の形態に係る風速特定装置を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0016】
<実施の形態1>
まず、図1を参照して、本実施の形態1に係る風速特定システムの構成例について説明する。
【0017】
図1に示されるように、本実施の形態1に係る風速特定システムは、光ファイバ10、受信部20、及び、風速特定装置30を備えている。また、風速特定装置30は、取得部31及び特定部32を備えている。なお、風速特定装置30は、受信部20から離れた位置に配置することができ、例えば、クラウド上に配置することができる。
【0018】
光ファイバ10は、送電線40が敷設されている複数の鉄塔50(図1では2つの鉄塔50)に敷設され、一端が受信部20に接続されている。なお、図1では、光ファイバ10は、送電線40の下側に設けられているが、送電線40の上側に設けられても良い。また、光ファイバ10は、鉄塔50に敷設することには限定されず、送電線40の周辺に敷設されていれば、任意の方法で敷設することができる。
【0019】
また、光ファイバ10は、センシング専用の光ファイバでも良いし、通信及びセンシング兼用の光ファイバでも良い。光ファイバ10が通信及びセンシング兼用の光ファイバである場合には、受信部20の前段で不図示のフィルタによりセンシング用の光信号を分波し、センシング用の光信号のみを受信部20で受信できるようにする。また、図1では、光ファイバ10は、1本のみ設けられているが、複数本設けられていても良い。
【0020】
受信部20は、光ファイバ10から光信号(センシング用の光信号。以下、同じ)を受信する。例えば、受信部20は、光ファイバ10にパルス光を入射し、そのパルス光が光ファイバ10を伝送されることに伴い発生した後方散乱光を、光信号として受信する。
【0021】
ここで、細い棒に空気の流れが当たると、その棒の背後にカルマン渦が生じることにより、エルオス音(風切り音)が発生することが知られている。光ファイバ10は、一般的に細径であるため、光ファイバ10に風の気流が当たることで、光ファイバ10の周辺にも、エルオス音が発生する。
【0022】
光ファイバ10の周辺でエルオス音が発生すると、そのエルオス音及びそのエルオス音に伴い発生した振動が、光ファイバ10に伝達される。その結果、光ファイバ10を伝送される光信号は、特性(例えば、波長)が変化する。そのため、光ファイバ10は、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を検知することが可能であり、また、受信部20が受信した光信号は、光ファイバ10が検知したエルオス音を示す情報を含むことになる。エルオス音を示す情報は、エルオス音の音自体を示す情報だけでなく、エルオス音に伴い発生した振動を示す情報も含まれる。
【0023】
取得部31は、受信部20が受信した光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報を取得する。
特定部32は、取得部31が取得した、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報に基づいて、光ファイバ10の周辺の風速を特定する。
【0024】
このとき、特定部32は、以下のようにして、エルオス音を示す情報が含まれる光信号が発生した位置(受信部20からの光ファイバ10の距離)を特定することが可能である。例えば、特定部32は、受信部20が光ファイバ10にパルス光を入射した時刻と、光信号を受信した時刻と、の時間差に基づいて、その光信号が発生した位置を特定することが可能である。又は、特定部32は、受信部20が受信した光信号の受信強度に基づいて、その光信号が発生した位置を特定することが可能である。例えば、特定部32は、光信号の受信強度が小さいほど、その光信号が発生した位置は、受信部20から遠い位置と特定する。
【0025】
なお、光信号の発生位置の特定は、特定部32が行うことには限定されない。例えば、受信部20が、光信号の発生位置を特定し、取得部31が、受信部20から、光信号の発生位置の情報を取得しても良い。
【0026】
以下、特定部32において、光ファイバ10の周辺の風速を特定する方法について詳細に説明する。
光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報には、そのエルオス音の音響パターン及びそのエルオス音に伴い発生した振動の振動パターンが含まれる。エルオス音の音響パターン及びそのエルオス音に伴い発生した振動の振動パターンは、光ファイバ10の周辺の風速に応じて動的に変動する、固有の動的な変動パターンとなる。例えば、エルオス音に伴い発生した振動の振動パターンは、光ファイバ10の周辺の風速に応じて、振動の強弱、振動位置、振動数の変動推移等が異なる変動パターンとなる。
【0027】
そのため、特定部32は、エルオス音の音響パターン又はそのエルオス音に伴い発生した振動の振動パターンに基づいて、例えば、以下のようにして、光ファイバ10の周辺の風速を特定することが可能である。以下では、エルオス音に伴い発生した振動の振動パターンを用いて、風速を特定する例について説明する。
【0028】
(A)方法A
まず、取得部31は、受信部20が受信した光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報として、図2に示されるような情報を取得する。図2は、光ファイバ10上のある位置における、エルオス音に伴い発生した振動の振動特性を示しており、横軸が時間を示し、縦軸が振動強度を示している。
【0029】
図2の情報に含まれる振動パターンにおいては、風が強い状態では、振幅強度の変動幅が大きくなり、風が弱い状態では、振幅強度の変動幅が小さくなっている。そのため、特定部32は、振動強度の変動幅に基づいて、光ファイバ10の周辺の風速を特定する。
【0030】
(B)方法B
まず、取得部31は、受信部20が受信した光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報として、図3及び図4に示されるような情報を取得する。図3及び図4は、光ファイバ10上のある位置における、エルオス音に伴い発生した振動の周波数特性を示しており、横軸が周波数を示し、縦軸が振動強度を示している。
【0031】
図3及び図4の情報に含まれる振動パターンにおいては、振動強度のピークが発生する。振動強度のピークの大きさ及びこのピークが発生する周波数が、風の状態に応じて異なっている。具体的には、風が強い状態(図4)では、風が弱い状態(図3)と比較して、振動強度のピークの大きさが大きく、また、このピークが発生する周波数が高周波側にシフトしている。そのため、特定部32は、振動強度のピークの大きさ及びこのピークが発生する周波数に基づいて、光ファイバ10の周辺の風速を特定する。なお、図3及び図4では、振動強度のピークが発生する周波数は、風が強いほど、高周波側にシフトしているが、光ファイバ10の敷設条件等によっては、風が強いほど、低周波側にシフトする場合もある。
【0032】
(C)方法C
特定部32は、複数の風速毎に、その風速であるときに実際に発生した振動の振動パターン(例えば、図2図4のいずれかと同様の振動パターン)を、マッチング用パターンとして不図示のメモリ等に予め記憶させておく。
【0033】
まず、取得部31は、受信部20が受信した光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報を取得する。
続いて、特定部32は、取得部31が取得した情報に含まれる振動パターン(例えば、図2図4のいずれかと同様の振動パターン)を、マッチング用パターンと比較する。マッチング用パターンの中に、振動パターンとの適合率が閾値以上となったマッチング用パターンがある場合、特定部32は、そのマッチング用パターンに対応する風速であると判断する。
【0034】
(D)方法D
【0035】
特定部32は、複数の風速毎に、風速を示す教師データと、その風速であるときに実際に発生した振動の振動パターン(例えば、図2図4のいずれかと同様の振動パターン)と、の組を準備し、準備した各組を入力して、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)による学習モデルを予め構築し、不図示のメモリ等に予め記憶させておく。
【0036】
まず、取得部31は、受信部20が受信した光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報を取得する。
続いて、特定部32は、取得部31が取得した情報に含まれる振動パターン(例えば、図2図4のいずれかと同様の振動パターン)を、学習モデルに入力する。これにより、特定部32は、学習モデルの出力結果として、風速を得る。
【0037】
続いて、図5を参照して、本実施の形態1に係る風速特定システムの動作の流れの例について説明する。
図5に示されるように、受信部20は、光ファイバ10から、光ファイバ10に風の気流が当たることで生じるエルオス音を示す情報を含む光信号を受信する(ステップS11)。
【0038】
続いて、取得部31は、受信部20が受信した光信号に含まれる、エルオス音を示す情報を取得し、特定部32は、エルオス音を示す情報に基づいて、光ファイバ10の周辺の風速を特定する(ステップS12)。このとき、例えば、特定部32は、上述した方法A~Dのいずれかを用いて、風速を特定すれば良い。
【0039】
上述したように本実施の形態1によれば、受信部20は、光ファイバ10から、光ファイバ10に風の気流が当たることで生じるエルオス音を示す情報を含む光信号を受信する。特定部32は、光信号に含まれる、エルオス音を示す情報に基づいて、光ファイバ10の周辺の風速を特定する。
【0040】
すなわち、本実施の形態1によれば、光ファイバ10の周辺の温度情報から風速を特定するのではなく、光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報から、光ファイバ10の周辺の風速をリアルタイムに特定する。これにより、よりリアルタイム性の高い、風速の検出を行うことができる。
【0041】
<実施の形態2>
本実施の形態2に係る風速特定システムは、構成自体は上述した実施の形態1の構成と同様であるが、特定部32の機能を拡張している。
具体的には、特定部32は、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音を示す情報に基づいて、風の気流の方向を特定する機能を備える。
【0042】
上述したように、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音の音響パターン及びそのエルオス音に伴い発生した振動の振動パターンは、光ファイバ10の周辺の風速に応じて変動する。ただし、これら音響パターン及び振動パターンは、光ファイバ10の周辺の気流の方向によっても変動する。
【0043】
そのため、特定部32は、光ファイバ10の周辺で発生したエルオス音の音響パターン及びそのエルオス音に伴い発生した振動の振動パターンに基づいて、光ファイバ10の周辺の気流の方向を特定することも可能である。
【0044】
特定部32において、光ファイバ10の周辺の気流の方向を特定する方法としては、例えば、上述した方法Cのように、マッチング用パターンを用いる方法や、上述した方法Dのように、学習モデルを用いる方法が考えられる。
【0045】
上述した方法Cのように、マッチング用パターンを用いる場合には、気流の複数の方向毎に、その方向であるときに実際に発生した振動の振動パターンを、マッチング用パターンとしてメモリ等に予め記憶させておく。その他は、上述した方法Cと同様で良い。
【0046】
また、上述した方法Dのように、学習モデルを用いる場合には、気流の複数の方向毎に、気流の方向を示す教師データと、その方向であるときに実際に発生した振動の振動パターンと、の組を準備し、準備した各組を入力して、学習モデルを予め構築し、メモリ等に予め記憶させておく。その他は、上述した方法Dと同様で良い。
【0047】
続いて、図6を参照して、本実施の形態2に係る風速特定システムの動作の流れの例について説明する。
図6に示されるように、まず、図5のステップS11,S12と同様のステップS21,S22が行われる。
続いて、特定部32は、光信号に含まれる、エルオス音を示す情報に基づいて、光ファイバ10の周辺の気流の方向を特定する(ステップS23)。このとき、例えば、特定部32は、上述したマッチング用パターンを用いる方法又は学習モデルを用いる方法のいずれかを用いて、気流の方向を特定すれば良い。
【0048】
上述したように本実施の形態2によれば、特定部32は、光信号に含まれる、エルオス音を示す情報に基づいて、光ファイバ10の周辺の気流の方向を特定する。これにより、光ファイバ10の周辺の風速だけでなく、気流の方向も特定することができる。
その他の効果は、上述した実施の形態1と同様である。
【0049】
<実施の形態3>
続いて、図7を参照して、本実施の形態3に係る風速特定システムの構成例について説明する。
【0050】
図7に示されるように、本実施の形態3に係る風速特定システムは、上述した実施の形態1,2の構成と比較して、風速特定装置30の内部に制御部33が追加されている点が異なる。なお、図7では、制御部33は、風速特定装置30の内部に設けられているが、風速特定装置30の外部に設けられていても良い。
【0051】
制御部33は、特定部32が特定した、光ファイバ10の周辺の風速に基づいて、送電線40の送電容量を制御する。例えば、制御部33は、送電線40の電圧又は電流を調整する不図示の装置に対し、送電線40の送電容量に応じた電圧又は電流の指令値を送信することで、送電線40の送電容量を制御する。
【0052】
ここで、特定部32が特定した風速は、光ファイバ10の周辺の風速である。そのため、制御部33は、特定部32が特定した風速によって光ファイバ10にかかるストレスを特定することはできる。
しかし、より精度の高いダイナミックレーティングを行うためには、特定部32が特定した風速によって送電線40にかかるストレスを特定し、送電線40にかかるストレスに基づいて、送電線40の送電容量を決定する必要がある。
【0053】
そこで、制御部33は、光ファイバ10の周辺の風速が、特定部32が特定した風速である場合に、送電線40にかかるストレスを、光ファイバ10と送電線40の位置関係等に基づいて、推定する。そして、制御部33は、推定した送電線40にかかるストレスに基づいて、送電線40の送電容量を決定する。
【0054】
このとき、制御部33は、光ファイバ10の周辺の風速と、そのときに送電線40にかかるストレスと、の対応関係を表す対応テーブルを保持していても良い。そして、制御部33は、この対応テーブルを用いて、特定部32が特定した光ファイバ10の周辺の風速から、送電線40にかかるストレスを推定しても良い。
【0055】
また、特定部32が、光ファイバ10の周辺の気流の方向を特定する機能を備える場合、制御部33は、特定部32が特定した、光ファイバ10の周辺の風速及び気流の方向に基づいて、送電線40の送電容量を制御すれば良い。このとき、制御部33は、光ファイバ10の周辺の風速及び気流の方向が、特定部32が特定した風速及び気流の方向である場合に、送電線40にかかるストレスを推定し、推定したストレスに基づいて、送電線40の送電容量を決定すれば良い。このときのストレスの推定方法は、上述したものと同様で良い。
【0056】
続いて、図8を参照して、本実施の形態3に係る風速特定システムの動作の流れの例について説明する。ここでは、特定部32は、上述した実施の形態1に係る特定部32であり、気流の方向を特定する機能を備えていないものとする。
【0057】
図8に示されるように、まず、図5のステップS11,S12と同様のステップS31,S32が行われる。
続いて、制御部33は、特定部32が特定した光ファイバ10の周辺の風速に基づいて、送電線40の送電容量を制御する(ステップS33)。このとき、例えば、制御部33は、上述したように、送電線40にかかるストレスを推定し、推定したストレスに基づいて、送電線40の送電容量を決定すれば良い。また、制御部33は、上述したように、送電線40の電圧又は電流を調整する不図示の装置に対し、送電線40の送電容量に応じた電圧又は電流の指令値を送信することで、送電線40の送電容量を制御すれば良い。
【0058】
上述したように本実施の形態3によれば、制御部33は、特定部32が特定した光ファイバ10の周辺の風速に基づいて、送電線40の送電容量を制御する。ここで、特定部32が特定した風速は、上述したように、よりリアルタイム性の高い風速となる。そのため、よりリアルタイム性の高い風速に基づいて、送電線40の送電容量を制御することで、より精度の高いダイナミックレーティングを行うことができる。
その他の効果は、上述した実施の形態1と同様である。
【0059】
<実施の形態4>
続いて、図9を参照して、本実施の形態4に係る風速特定システムの構成例について説明する。
【0060】
図9に示されるように、本実施の形態4に係る風速特定システムは、上述した実施の形態1,2の構成と比較して、表示部60が追加されている点と、風速特定装置30の内部に報知部34が追加されている点と、が異なる。
【0061】
表示部60は、通信局舎、オペレーションセンター等に設置され、各種の情報を表示するディスプレイやモニター等である。
報知部34は、光ファイバ10の敷設位置を示す情報と、送電線40の敷設位置を示す情報と、地図情報と、を対応付けて予め保持しておく。
【0062】
ここで、上述したように、特定部32は、光信号の発生位置(受信部20からの光ファイバ10の距離)を特定することが可能である。
そのため、報知部34は、地図上の特定部32が特定した光信号の発生位置にて、その光信号に含まれるエルオス音を示す情報に基づいて特定部32が特定した風速及び気流の方向の情報を重畳したGUI(Graphical User Interface)画面を、表示部60に表示させる。
【0063】
図10に、報知部34が表示部60に表示させるGUI画面の例を示す。なお、図10のGUI画面における地図は、必要に応じて、拡大及び縮小することが可能であるものとする。
【0064】
図10に示されるように、地図上の光信号の発生位置にて、その光信号に含まれるエルオス音を示す情報に基づいて特定した風速及び気流の方向の情報が重畳されている。図10の例では、風速の情報は数値で示され、気流の方向の情報は矢印で示されている。また、図10の例では、地図上に、光ファイバ10及び送電線40の敷設位置を示す情報も重畳されている。また、図10の例では、地図上に、受信部20の位置を示す情報が星印として重畳されている。
【0065】
続いて、図11を参照して、本実施の形態4に係る風速特定システムの動作の流れの例について説明する。
図11に示されるように、まず、図6のステップS21~S23と同様のステップS41~S43が行われる。
【0066】
続いて、報知部34は、地図上の特定部32が特定した光信号の発生位置にて、その光信号に含まれるエルオス音を示す情報に基づいて特定部32が特定した風速及び気流の方向の情報を重畳して、表示部60に表示させる(ステップS44)。この表示は、例えば、図10に示されるGUI画面により行えば良い。
【0067】
上述したように本実施の形態4によれば、報知部34は、地図上の光信号の発生位置にて、その光信号に含まれるエルオス音を示す情報に基づいて特定した風速及び気流の方向の情報を重畳して、表示部60に表示させる。これにより、地図上の各位置での風速及び気流の方向を、表示部60が設置された通信局舎、オペレーションセンター等に知らせることができる。
その他の効果は、上述した実施の形態2と同様である。
【0068】
<他の実施の形態>
上述した実施の形態では、受信部20と風速特定装置30とを分離しているが、これには限定されない。受信部20と風速特定装置30とを一体化し、風速特定装置30の内部に受信部20を設けても良い。図12に、風速特定装置30の内部に受信部20を設けた風速特定システムの構成例を示す。図12の例では、受信部20及び特定部32は、同じ風速特定装置30の内部に設けられているため、取得部31が除去されている。なお、図12に示される風速特定システムは、上述した実施の形態3のように、風速特定装置30の内部に制御部33を追加しても良いし、上述した実施の形態4のように、表示部60を追加すると共に、風速特定装置30の内部に報知部34を追加しても良い。
【0069】
また、上述した実施の形態では、制御部33は、光ファイバ10の周辺の風速に基づいて、又は、光ファイバ10の周辺の風速及び気流の方向に基づいて、送電線40の送電容量を制御していたが、これには限定されない。
【0070】
光ファイバ10の周辺で温度が変化すると、光ファイバ10を伝送される光信号は、特性(例えば、波長)が変化する。そのため、光ファイバ10は、光ファイバ10の周辺の温度を検知することが可能であり、また、受信部20が受信した光信号は、光ファイバ10が検知した温度を示す情報を含んでいる。そのため、特定部32は、受信部20が受信した光信号に含まれる、光ファイバ10の周辺の温度を示す情報に基づいて、光ファイバ10の周辺の温度を特定することが可能である。
【0071】
そこで、制御部33は、光ファイバ10の周辺の風速及び温度に基づいて、又は、光ファイバ10の周辺の風速、気流の方向、及び温度に基づいて、送電線40の送電容量を制御しても良い。このように、光ファイバ10の周辺の温度の情報をさらに用いることにより、さらに精度の高いダイナミックレーティングを行うことができる。
【0072】
また、上述した実施の形態では、受信部20及び風速特定装置30をそれぞれ1つずつ設けているが、これには限定されない。例えば、複数本の光ファイバ10を設ける場合には、複数本の光ファイバ10にそれぞれ対応して、複数の受信部20及び複数の風速特定装置30を設けても良い。
【0073】
<実施の形態に係る風速特定装置のハードウェア構成>
続いて以下では、図13を参照して、上述した実施の形態に係る風速特定装置30を実現するコンピュータ70のハードウェア構成について説明する。
【0074】
図13に示されるように、コンピュータ70は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、入出力インタフェース(入出力I/F)704、及び通信インタフェース(通信I/F)705等を備える。プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、入出力インタフェース704、及び通信インタフェース705は、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路で接続されている。
【0075】
プロセッサ701は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ702は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。ストレージ703は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカード等の記憶装置である。また、ストレージ703は、RAMやROM等のメモリであっても良い。
【0076】
ストレージ703は、風速特定装置30が備える構成要素の機能を実現するプログラムを記憶している。プロセッサ701は、これら各プログラムを実行することで、風速特定装置30が備える構成要素の機能をそれぞれ実現する。ここで、プロセッサ701は、上記各プログラムを実行する際、これらのプログラムをメモリ702上に読み出してから実行しても良いし、メモリ702上に読み出さずに実行しても良い。また、メモリ702やストレージ703は、風速特定装置30が備える構成要素が保持する情報やデータを記憶する役割も果たす。
【0077】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(コンピュータ70を含む)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAMを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0078】
入出力インタフェース704は、表示装置7041、入力装置7042、音出力装置7043等と接続される。表示装置7041は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、モニターのような、プロセッサ701により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置7042は、オペレータの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチセンサ等である。表示装置7041及び入力装置7042は一体化され、タッチパネルとして実現されていても良い。音出力装置7043は、スピーカのような、プロセッサ701により処理された音響データに対応する音を音響出力する装置である。
【0079】
通信インタフェース705は、外部の装置との間でデータを送受信する。例えば、通信インタフェース705は、有線通信路または無線通信路を介して外部装置と通信する。
【0080】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
例えば、上述した実施の形態は、一部又は全部を相互に組み合わせて用いても良い。
【0081】
また、上述した実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
送電線の周辺に敷設された光ファイバと、
前記光ファイバから、該光ファイバに気流が当たることで生じる音を示す情報を含む光信号を受信する受信部と、
前記光信号に含まれる前記音を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定する特定部と、
を備える、風速特定システム。
(付記2)
前記特定部は、前記音を示す情報に基づいて、前記気流の方向を特定する、
付記1に記載の風速特定システム。
(付記3)
前記特定部が特定した前記風速に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する制御部をさらに備える、
付記2に記載の風速特定システム。
(付記4)
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記光ファイバの周辺の温度を示す情報に基づいて、前記温度を特定し、
前記制御部は、前記特定部が特定した前記風速及び前記温度に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する、
付記3に記載の風速特定システム。
(付記5)
表示部と、
報知部と、をさらに備え、
前記特定部は、前記光信号に基づいて、該光信号が発生した位置を特定し、
前記報知部は、地図上の前記特定部が特定した位置にて、前記特定部が特定した前記風速及び前記気流の方向の情報を重畳して、前記表示部に表示させる、
付記2から4のいずれか1項に記載の風速特定システム。
(付記6)
送電線の周辺に敷設された光ファイバから受信した光信号に含まれる、該光ファイバに気流が当たることで生じる音を示す情報を取得する取得部と、
前記音を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定する特定部と、
を備える、風速特定装置。
(付記7)
前記特定部は、前記音を示す情報に基づいて、前記気流の方向を特定する、
付記6に記載の風速特定装置。
(付記8)
前記特定部が特定した前記風速に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する制御部をさらに備える、
付記7に記載の風速特定装置。
(付記9)
前記特定部は、前記光信号に含まれる前記光ファイバの周辺の温度を示す情報に基づいて、前記温度を特定し、
前記制御部は、前記特定部が特定した前記風速及び前記温度に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する、
付記8に記載の風速特定装置。
(付記10)
報知部をさらに備え、
前記特定部は、前記光信号に基づいて、該光信号が発生した位置を特定し、
前記報知部は、地図上の前記特定部が特定した位置にて、前記特定部が特定した前記風速及び前記気流の方向の情報を重畳して、表示部に表示させる、
付記7から9のいずれか1項に記載の風速特定装置。
(付記11)
風速特定システムによる風速特定方法であって、
送電線の周辺に敷設された光ファイバから、該光ファイバに気流が当たることで生じる音を示す情報を含む光信号を受信する受信ステップと、
前記光信号に含まれる前記音を示す情報に基づいて、前記光ファイバの周辺の風速を特定する特定ステップと、
を含む、風速特定方法。
(付記12)
前記特定ステップでは、前記音を示す情報に基づいて、前記気流の方向を特定する、
付記11に記載の風速特定方法。
(付記13)
前記特定ステップで特定した前記風速に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する制御ステップをさらに含む、
付記12に記載の風速特定方法。
(付記14)
前記特定ステップでは、前記光信号に含まれる前記光ファイバの周辺の温度を示す情報に基づいて、前記温度を特定し、
前記制御ステップでは、前記特定ステップで特定した前記風速及び前記温度に基づいて、前記送電線の送電容量を制御する、
付記13に記載の風速特定方法。
(付記15)
前記特定ステップでは、前記光信号に基づいて、該光信号が発生した位置を特定し、
前記風速特定方法は、
地図上の前記特定ステップで特定した位置にて、前記特定ステップで特定した前記風速及び前記気流の方向の情報を重畳して、表示部に表示させる報知ステップをさらに含む、
付記12から14のいずれか1項に記載の風速特定方法。
【符号の説明】
【0082】
10 光ファイバ
20 受信部
30 風速特定装置
31 取得部
32 特定部
33 制御部
34 報知部
40 送電線
50 鉄塔
60 表示部
70 コンピュータ
701 プロセッサ
702 メモリ
703 ストレージ
704 入出力インタフェース
7041 表示装置
7042 入力装置
7043 音出力装置
705 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13