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特許7552866通信装置、通信システム、通信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20240910BHJP
   H04W 24/06 20090101ALI20240910BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W24/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023508313
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2021012550
(87)【国際公開番号】W WO2022201429
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】阿南 信一
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-32668(JP,A)
【文献】特開2013-5097(JP,A)
【文献】特開2008-153825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセスポイントと通信可能な通信部と、
前記通信部の受信情報を取得する受信情報取得部と、
前記受信情報取得部で取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する影響推定部と、
前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する能動的測定部と、
前記受信情報と前記能動的測定部の測定結果とに基づいて通信品質を推定する通信品質推定部と、
前記通信品質推定部で推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する通信経路制御部と、を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記能動的測定部は、前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する際の条件を設定する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記影響推定部は、前記受信情報取得部で取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を推定する、請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信部は、複数の通信部を用いて構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信経路制御部は、前記通信品質推定部で推定された通信品質が現用通信を行っている通信部の通信品質よりも高い場合、現用通信を行っている通信部から通信品質が高いと推定された通信部に通信経路を切り替える制御を実施する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受信情報は、前記通信部が使用する周波数、受信強度、信号対雑音比、及び通信レートのうちの少なくとも一つである、請求項1~5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記能動的測定部は、前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する際のデータ量、送信回数、及び周波数帯のうちの少なくとも一つを設定する、請求項1~6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
複数のアクセスポイントと、
前記複数のアクセスポイントとネットワークを介して接続されているサーバと、
請求項1~7のいずれか一項に記載の通信装置と、
前記通信装置が搭載された移動体と、を備え、
前記移動体が移動する際に、前記通信装置は、当該通信装置と前記複数のアクセスポイントと間の通信経路を切り替えながら移動する、
通信システム。
【請求項9】
複数のアクセスポイントと通信可能な通信部の受信情報を取得し、
前記取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定し、
前記現用通信に与える影響の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施し、
前記受信情報と前記能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定し、
前記推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する、
通信方法。
【請求項10】
複数のアクセスポイントと通信可能な通信部の受信情報を取得する処理と、
前記取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する処理と、
前記現用通信に与える影響の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する処理と、
前記受信情報と前記能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定する処理と、
前記推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する処理と、を備える通信処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信システム、通信方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動化された倉庫や製造現場の工程間などにおいて、製品や資材の搬送を自動化する自動搬送システムの開発が進んでいる。このような自動搬送システムにおいて、製品や資材を搬送する移動体は、移動体に搭載された通信装置を用いて、倉庫や製造現場に設けられた複数のアクセスポイントと通信をしながら移動する。
【0003】
特許文献1には、複数の周波数帯を利用した通信において、無線リソースの圧迫を良好に抑制することができる通信装置に関する技術が開示されている。特許文献2には、通信中である無線通信システムとは異なる無線通信システムの通信品質を、簡易な構成で短時間に推定することができる無線通信装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-198384号公報
【文献】特開2007-028436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した自動搬送システムでは、製品や資材を搬送する移動体は、移動体に搭載された通信装置を用いて、倉庫や製造現場に設けられた複数のアクセスポイントと通信をしながら移動する。このとき移動体は、通信装置を用いて複数のアクセスポイントと無線通信をすることで遠隔制御される。
【0006】
しかしながら、通信装置と複数のアクセスポイントとの間の通信が不安定であると、移動体を安定的に制御することができないという問題がある。
【0007】
本開示の目的は、複数のアクセスポイントと安定した無線通信を実施することが可能な通信装置、通信システム、通信方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様にかかる通信装置は、複数のアクセスポイントと通信可能な通信部と、前記通信部の受信情報を取得する受信情報取得部と、前記受信情報取得部で取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する影響推定部と、前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する能動的測定部と、前記受信情報と前記能動的測定部の測定結果とに基づいて通信品質を推定する通信品質推定部と、前記通信品質推定部で推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する通信経路制御部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様にかかる通信システムは、複数のアクセスポイントと、前記複数のアクセスポイントとネットワークを介して接続されているサーバと、上述の通信装置と、前記通信装置が搭載された移動体と、を備え、前記移動体が移動する際に、前記通信装置は、当該通信装置と前記複数のアクセスポイントと間の通信経路を切り替えながら移動する。
【0010】
本開示の一態様にかかる通信方法は、複数のアクセスポイントと通信可能な通信部の受信情報を取得し、前記取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定し、前記現用通信に与える影響の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施し、前記受信情報と前記能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定し、前記推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する。
【0011】
本開示の一態様にかかる非一時的なコンピュータ可読媒体は、複数のアクセスポイントと通信可能な通信部の受信情報を取得する処理と、前記取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する処理と、前記現用通信に与える影響の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する処理と、前記受信情報と前記能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定する処理と、前記推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する処理と、を備える通信処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本開示により、複数のアクセスポイントと安定した無線通信を実施することが可能な通信装置、通信システム、通信方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる通信装置の構成例を示すブロック図である。
図3】実施の形態1にかかる通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図4】実施の形態2にかかる通信装置の構成例を示すブロック図である。
図5】実施の形態2にかかる通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図6】実施の形態2にかかる通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる通信システム1は、移動体30、サーバ50、及び複数のアクセスポイント60_1~60_n(nは2以上の整数)を備える。移動体30には通信装置10が搭載されている。サーバ50および複数のアクセスポイント60_1~60_nは、ネットワーク55を介して互いに接続されている。
【0015】
移動体30は、通信装置10を用いて複数のアクセスポイント60_1~60_nと無線通信をしながら移動可能に構成されている。ここで、複数のアクセスポイント60_1~60_nは親局装置として機能し、通信装置10は子局装置として機能する。
【0016】
サーバ50は、移動体30を遠隔制御するように構成されている。例えば、サーバ50には移動体30を遠隔制御するためのプログラムが格納されており、サーバ50が遠隔制御用のプログラムを実行することで、移動体30を遠隔制御する。つまり、サーバ50は、ネットワーク55、複数のアクセスポイント60_1~60_n、及び通信装置10を介して移動体30に制御信号を送信することで、移動体30を遠隔制御する。
【0017】
通信装置10は、移動体30が移動する際に、通信装置10と複数のアクセスポイント60_1~60_nとの間の通信経路を切り替えながら移動する。複数のアクセスポイント60_1~60_nは、例えば無線LAN(Local Area Network)を用いて構成することができる。例えば、無線LANは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の仕様に従った通信方式を採用することができる。
【0018】
例えば移動体30は、製品や資材等の搬送物を載せながら、倉庫や工場などの所定のエリアを移動可能に構成されている。このとき、本実施の形態にかかる通信システム1を用いることで、移動体30が搬送物を自動で運搬する自動搬送システムを実現することができる。
【0019】
次に、本実施の形態にかかる通信装置10について説明する。図2は、本実施の形態にかかる通信装置の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態にかかる通信装置10は、通信部11、受信情報取得部12、影響推定部13、能動的測定部14、通信品質推定部15、及び通信経路制御部16を備える。
【0020】
通信部11は、複数のアクセスポイント61_1~60_n(図1参照)と通信可能に構成されている。例えば、通信部11は、IEEE802.11の仕様に従った通信方式を用いて、複数のアクセスポイント61_1~60_n(図1参照)と通信することができる。また、通信部11は、所定の周波数帯の電波を用いて通信をする。この周波数帯には、複数の周波数チャンネルが含まれている。通信部11は1つであってもよく、また複数であってもよい。
【0021】
受信情報取得部12は、通信部11の受信情報を取得する。ここで受信情報とは、例えば、通信部11が使用する周波数、受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)、及び通信レートのうちの少なくとも一つである。
【0022】
影響推定部13は、受信情報取得部12で取得した受信情報に基づいて、通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する。ここで現用通信とは、通信部11が所定のアクセスポイント61と実際に通信を行っている通信(通信経路)である。影響推定部13は、通信部11が現用通信とは別に能動的測定(テスト通信)を実施した際に、能動的測定が現用通信に与える影響を推定する。
【0023】
例えば、影響推定部13は、受信情報取得部12で取得した受信情報に基づいて、通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を推定する。例えば、影響推定部13は、通信部11が能動的測定(テスト通信)を実施する際の周波数帯と、通信部11が現用通信を行っている周波数帯とに基づいて、能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を推定する。
【0024】
能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて能動的測定(テスト通信)を実施する。このとき能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて、能動的測定を実施する際の条件を設定する。例えば、能動的測定部14は、能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を一定以下に抑えることができる条件を設定する。例えば、能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて、能動的測定を実施する際のデータ量、送信回数、及び周波数帯(つまり、周波数帯の上限値と下限値など)のうちの少なくとも一つを設定してもよい。
【0025】
例えば、能動的測定部14は、能動的測定が現用通信に与える影響が小さいと推定された場合は能動的測定を実施する際のデータ量を多くし、能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定された場合は能動的測定を実施する際のデータ量を少なくしてもよい。このように能動的測定を実施する際のデータ量を調整することで、能動的測定が現用通信に与える影響を低減できる。
【0026】
また、能動的測定部14は、能動的測定が現用通信に与える影響が小さいと推定された場合は能動的測定を実施する際の送信回数を多くし、能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定された場合は能動的測定を実施する際の送信回数を少なくしてもよい。このように能動的測定を実施する際の送信回数を調整することで、能動的測定が現用通信に与える影響を低減できる。
【0027】
また、能動的測定部14は、能動的測定が現用通信に与える影響が小さい周波数帯を能動的測定に用いるようにしてもよい。つまり、能動的測定部14は、通信部11が現用通信を行っている周波数帯と干渉しない周波数帯(または、干渉したとしても干渉の程度が低い周波数帯)を、能動的測定に用いる周波数帯としてもよい。
【0028】
なお、能動的測定部14が能動的測定を実施する際に設定する上記パラメータは一例であり、本実施の形態において能動的測定部14は、上記パラメータ以外のパラメータを設定するようにしてもよい。また、能動的測定部14は、能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと影響推定部13において推定された場合、能動的測定を実施しないようにしてもよい。
【0029】
通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報と能動的測定部14の測定結果とに基づいて通信品質を推定する。例えば、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報である受信強度(RSSI)が高い場合、信号対雑音比(SNR)が高い場合、通信レートが高い場合、通信部11の通信品質が高いと推定することができる。逆に、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報である受信強度(RSSI)が低い場合、信号対雑音比(SNR)が低い場合、通信レートが低い場合、通信部11の通信品質が低いと推定することができる。
【0030】
また、通信品質推定部15は、能動的測定部14が行った能動的測定(テスト通信)の測定結果に基づいて通信品質を推定する。例えば、通信品質推定部15は、能動的測定時の受信強度(RSSI)が高い場合、信号対雑音比(SNR)が高い場合、通信レートが高い場合、通信部11の通信品質が高いと推定することができる。逆に、通信品質推定部15は、能動的測定時の受信強度(RSSI)が低い場合、信号対雑音比(SNR)が低い場合、通信レートが低い場合、通信部11の通信品質が低いと推定することができる。
【0031】
このとき、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報と能動的測定部14の測定結果とを用いて、総合的に通信品質を推定する。例えば、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定されたため、能動的測定を実施する際のデータ量や送信回数を少なくした場合は、能動的測定の測定結果の精度が低減する。この場合、通信品質推定部15は、能動的測定の測定結果の精度が低減したことを考慮して、通信品質を推定してもよい。換言すると、通信品質推定部15は、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定された場合、能動的測定の測定結果の重み付けを低くして通信品質を推定してもよい。
【0032】
例えば、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定されたため、能動的測定を実施しなかった場合、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報を用いて(能動的測定の測定結果を用いずに)、通信品質を推定する。この場合、通信品質推定部15は、能動的測定の測定結果を考慮することができないので、能動的測定の測定結果を考慮した場合よりも、受信情報を低く評価して、通信品質を推定してもよい。
【0033】
通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質に基づいて、通信部11と複数のアクセスポイント61_1~60_n(図1参照)との間の通信経路を制御する。例えば、通信部11が複数の通信部を備える場合、通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質が現用通信を行っている通信部の通信品質よりも高い場合、現用通信を行っている通信部から通信品質が高いと推定された通信部に通信経路を切り替える制御を実施する。つまり、現用の通信部から、通信品質が高いと推定された通信部に切り替えてもよい。
【0034】
なお、通信部11が1つの場合、通信部11は複数の周波数チャンネルを用いて複数のアクセスポイント60と通信を行う。この場合、能動的測定部14は各々の周波数チャンネルに対して能動的測定を行い、また通信品質推定部15は各々の周波数チャンネルの通信品質を推定する。通信部11が1つの場合、通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質を用いてハンドオーバー処理を実施してもよい。
【0035】
次に、本実施の形態にかかる通信装置の動作(通信方法)について説明する。図3は、本実施の形態にかかる通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。なお、通信装置10は、所定のアクセスポイント60と現用通信を行いながら移動しているものとする。
【0036】
まず、受信情報取得部12は、通信部11の受信情報を取得する(ステップS1)。ここで受信情報とは、例えば、通信部11が使用する周波数、受信強度(RSSI)、信号対雑音比(SNR)、及び通信レートのうちの少なくとも一つである。
【0037】
次に、影響推定部13は、受信情報取得部12で取得した受信情報に基づいて、通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する(ステップS2)。つまり、影響推定部13は、通信部11が現用通信とは別に能動的測定(テスト通信)を実施した際に、能動的測定が現用通信に与える影響を推定する。例えば、影響推定部13は、受信情報取得部12で取得した受信情報に基づいて、通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を推定する。
【0038】
次に、能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて能動的測定(テスト通信)を実施する(ステップS3)。このとき能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて、能動的測定を実施する際の条件を設定する。例えば、能動的測定部14は、能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を一定以下に抑えることができる条件を設定する。能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて、能動的測定を実施する際のデータ量、送信回数、及び周波数帯のうちの少なくとも一つを設定してもよい。なお、能動的測定部14は、能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと影響推定部13において推定された場合、能動的測定を実施しないようにしてもよい。
【0039】
次に、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報と能動的測定部14の測定結果とに基づいて通信品質を推定する(ステップS4)。このとき、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報と能動的測定部14の測定結果とを用いて、総合的に通信品質を推定する。例えば、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定されたため、能動的測定を実施する際のデータ量や送信回数を少なくした場合は、能動的測定の測定結果の精度が低減する。この場合、通信品質推定部15は、能動的測定の測定結果の精度が低減したことを考慮して、通信品質を推定してもよい。
【0040】
例えば、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定されたため、能動的測定を実施しなかった場合、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報を用いて(能動的測定の測定結果を用いずに)、通信品質を推定する。この場合、通信品質推定部15は、能動的測定の測定結果を考慮することができないので、能動的測定の測定結果を考慮した場合よりも、受信情報を低く評価して、通信品質を推定してもよい。
【0041】
その後、通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質に基づいて、通信部11と複数のアクセスポイント61_1~60_n(図1参照)との間の通信経路を制御する(ステップS5)。例えば、通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質が現用通信を行っている通信部の通信品質よりも高い場合、現用通信を行っている通信部から通信品質が高いと推定された通信部に通信経路を切り替える制御を実施する。つまり、現用の通信部から、通信品質が高いと推定された通信部に切り替えてもよい。
【0042】
上述したように、自動搬送システムでは、製品や資材を搬送する移動体は、移動体に搭載された通信装置を用いて、倉庫や製造現場に設けられた複数のアクセスポイントと通信をしながら移動する。このとき移動体は、通信装置を用いて複数のアクセスポイントと無線通信をすることで遠隔制御される。
【0043】
しかしながら、通信装置と複数のアクセスポイントとの間の通信が不安定であると、移動体を安定的に制御することができないという問題があった。つまり、移動体がアクセスポイントのカバーエリア外に移動した場合、移動体が障害物の影へ移動した場合、また移動体がアクセスポイント間を移動する場合は、通信装置とアクセスポイントとの間の通信が切断したり通信の遅延が発生したりする場合があった。このため、移動体を安定的に制御することができないという問題があった。
【0044】
本実施の形態では、通信部11の受信情報を取得し、当該取得した受信情報に基づいて、通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定し、当該推定結果に基づいて、能動的測定を実施している。そして、受信情報と能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定し、当該推定された通信品質に基づいて、通信部と複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御している。このように、本実施の形態では、受信情報と能動的測定の測定結果とを用いて総合的に通信品質を推定しているので、通信品質を精度よく推定することができる。したがって、複数のアクセスポイントと安定した無線通信を実施することができる。
【0045】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明した通信装置10の具体的な構成例を示している。図4は、実施の形態2にかかる通信装置の構成例を示すブロック図である。なお、実施の形態2にかかる通信装置10aでは、実施の形態1で説明した通信装置10と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【0046】
図4に示すように、本実施の形態にかかる通信装置10aは、複数の通信部11_1~11_m(mは2以上の整数)、受信情報取得部12、影響推定部13、能動的測定部14、通信品質推定部15、通信経路制御部16、及び通信経路切り替え部17を備える。ここで、受信情報取得部12、影響推定部13、能動的測定部14、及び通信品質推定部15は、通信性能推定部20を構成している。
【0047】
本実施の形態にかかる通信装置10aは、複数の通信部11_1~11_mを備えており、通信品質推定部15は、複数の通信部11_1~11_mの通信品質を推定する。例えば、通信品質推定部15は、複数の通信部11_1~11_mの通信品質を順番に推定するようにしてもよい。通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質に基づいて、複数の通信部11_1~11_mのうち現用通信に用いる通信部を決定する。例えば、通信経路制御部16は、現用の通信部から、通信品質が高いと推定された通信部に切り替えるように制御してもよい。なお、本実施の形態では、通信部11_1~11_mを総称して通信部11と記載する場合もある。
【0048】
通信経路切り替え部17は、通信経路制御部16の制御に応じて、複数の通信部11_1~11_mのうち現用通信に用いる通信部を切り替える。具体的には、通信経路切り替え部17は、通信経路制御部16が決定した通信経路に対応する通信部がアクセスポイントと通信を行うように切り替える。
【0049】
通信経路切り替え部17は、通信装置10aが搭載された移動体30(図1参照)の制御部(不図示)と有線で接続されている。これにより、サーバ50(図1参照)から送信された制御信号が、ネットワーク55、アクセスポイント60_1~60_n、通信部11、及び通信経路切り替え部17を介して移動体30の制御部に供給され、移動体30が遠隔制御される。
【0050】
なお、受信情報取得部12、影響推定部13、能動的測定部14、通信品質推定部15、及び通信経路制御部16については、実施の形態1で説明した場合と同様であるので、重複した説明は省略する。
【0051】
次に、本実施の形態にかかる通信装置10aの動作(通信方法)について説明する。図5図6は、本実施の形態にかかる通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。なお、通信装置10aは、所定のアクセスポイント60(図1参照)と現用通信を行いながら移動するものとする。
【0052】
まず、影響推定部13は、現用の通信部11を確認する(ステップS11)。例えば、影響推定部13は、通信経路制御部16から現用の通信部11の情報を取得する。次に、受信情報取得部12は、通信品質を推定する通信部11(以下、「推定対象の通信部」とも記載する)の受信情報を取得する(ステップS12)。ここで受信情報とは、例えば、推定対象の通信部11が使用する周波数、受信強度(RSSI)、信号対雑音比(SNR)、及び通信レートのうちの少なくとも一つである。なお、推定対象の通信部11は、現用の通信部11以外の通信部であってもよく、現用の通信部11であってもよい。
【0053】
次に、影響推定部13は、受信情報取得部12で取得した受信情報に基づいて、推定対象の通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する(ステップS13)。つまり、影響推定部13は、推定対象の通信部11が現用通信とは別に能動的測定(テスト通信)を実施した際に、能動的測定が現用通信に与える影響を推定する。例えば、影響推定部13は、受信情報取得部12で取得した受信情報に基づいて、推定対象の通信部11が能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を推定する。
【0054】
能動的測定が可能である場合(ステップS14:Yes)、能動的測定部14は、能動的測定を実施する際の条件を設定する(ステップS15)。例えば、能動的測定部14は、能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を一定以下に抑えるための条件を設定する。能動的測定部14は、影響推定部13の推定結果に基づいて、能動的測定を実施する際のデータ量、送信回数、及び周波数帯のうちの少なくとも一つを設定してもよい。その後、能動的測定部14は、設定した条件を用いて能動的測定を実施する(ステップS16)。
【0055】
なお、能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度が大きい等の理由により、能動的測定が不可能であると判断された場合は(ステップS14:No)、能動的測定を実施することなく、ステップS17へと進む。
【0056】
次に、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報と能動的測定部14の測定結果とに基づいて通信品質を推定する(ステップS17)。このとき、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報と能動的測定部14の測定結果とを用いて、総合的に通信品質を推定する。例えば、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定されたため、能動的測定を実施する際のデータ量や送信回数を少なくした場合は、能動的測定の測定結果の精度が低減する。この場合、通信品質推定部15は、能動的測定の測定結果の精度が低減したことを考慮して、通信品質を推定してもよい。
【0057】
例えば、影響推定部13において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定されたため、能動的測定を実施しなかった場合(ステップS14:No)、通信品質推定部15は、受信情報取得部12で取得した受信情報を用いて(能動的測定の測定結果を用いずに)、通信品質を推定する。この場合、通信品質推定部15は、能動的測定の測定結果を考慮することができないので、能動的測定の測定結果を考慮した場合よりも、受信情報を低く評価して、通信品質を推定してもよい。
【0058】
その後、通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質に基づいて、通信部11_1~11_mと複数のアクセスポイント61_1~60_nとの間の通信経路を制御する。具体的には、図6に示すように、推定対象の通信部が現用の通信部であり(ステップS18:Yes)、かつ、現用の通信部の通信品質が閾値以上である場合(ステップS19:Yes)、予備通信部(つまり、現用の通信部以外の通信部)の通信品質の推定を停止する(ステップS20)。すなわち、この場合は現用の通信部の通信品質が良好であるので、予備通信部の通信品質の推定は不要となる。なお、この場合の判断基準の閾値は、ユーザが任意に設定することができる。
【0059】
一方、推定対象の通信部が現用の通信部であり(ステップS18:Yes)、かつ、現用の通信部の通信品質が閾値よりも低い場合(ステップS19:No)、予備通信部(つまり、現用の通信部以外の通信部)の通信品質の推定を開始する(ステップS21)。すなわち、この場合は現用の通信部の通信品質が良好ではないので、予備通信部の通信品質の推定を開始して、切り替え先の通信部を探索する。
【0060】
また、推定対象の通信部が予備通信部であり(ステップS18:No)、かつ、推定された通信品質が現用の通信部の通信品質よりも高い場合(ステップS22:Yes)、通信経路制御部16は、通信経路を現用の通信部から推定対象の通信部に切り替える制御を実施する(ステップS23)。つまり、現用の通信部から、通信品質が高いと推定された通信部に通信経路を切り替える。
【0061】
一方、推定対象の通信部が予備通信部であり(ステップS18:No)、かつ、推定された通信品質が現用の通信部の通信品質よりも低く(ステップS22:No)、かつ、推定された予備通信部の通信品質が低い場合は(ステップS24:Yes)、通信経路制御部16は、現用の通信部を用いてハンドオーバー処理を実施する(ステップS25)。すなわち、通信経路制御部16は、予備通信部の通信品質が一定の基準よりも低い場合、現用の通信部が他のアクセスポイントにハンドオーバー処理を行うように制御する。なお、推定された予備通信部の通信品質が一定の基準よりも高い場合は(ステップS24:No)、次の通信品質推定処理を実施する。
【0062】
以降、本実施の形態にかかる通信装置10aは、図5図6に示したステップS11~S25の動作を繰り返す。通信経路制御部16は、通信品質推定部15で推定された通信品質の最新値を保持し、各々の通信部11_1~11_mの通信品質を比較し、最適な通信経路を現用通信に用いるように制御する。このとき、通信経路の選択は、通信品質の最新値が最大のものを選択してもよいし、通信品質の移動平均値が最大のものを選択してもよい。通信品質の最新値が最大のものを選択する場合、現用通信の通信品質よりも一定以上優れているという判定基準を設けてもよい。
【0063】
以上で説明した本実施の形態にかかる通信装置10aにおいても、複数のアクセスポイントと安定した無線通信を実施することができる。なお、図4に示した本実施の形態にかかる通信装置10aにおいて、通信性能推定部20は、通信装置10aの外部に設けられていてもよい。この場合、通信装置10aは、外部に設けられた通信性能推定部20と通信をすることで、通信部11の通信品質に関する情報を取得することができる。
【0064】
また、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、CPUにコンピュータプログラムを実行させることで、上述の通信処理を実現することも可能である。
【0065】
また、上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0066】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0067】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0068】
(付記1)
複数のアクセスポイントと通信可能な通信部と、
前記通信部の受信情報を取得する受信情報取得部と、
前記受信情報取得部で取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する影響推定部と、
前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する能動的測定部と、
前記受信情報と前記能動的測定部の測定結果とに基づいて通信品質を推定する通信品質推定部と、
前記通信品質推定部で推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する通信経路制御部と、を備える、
通信装置。
【0069】
(付記2)
前記能動的測定部は、前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する際の条件を設定する、付記1に記載の通信装置。
【0070】
(付記3)
前記影響推定部は、前記受信情報取得部で取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える干渉の程度を推定する、付記1または2に記載の通信装置。
【0071】
(付記4)
前記通信部は、複数の通信部を用いて構成されている、付記1~3のいずれか一項に記載の通信装置。
【0072】
(付記5)
前記通信経路制御部は、前記通信品質推定部で推定された通信品質が現用通信を行っている通信部の通信品質よりも高い場合、現用通信を行っている通信部から通信品質が高いと推定された通信部に通信経路を切り替える制御を実施する、付記4に記載の通信装置。
【0073】
(付記6)
前記受信情報は、前記通信部が使用する周波数、受信強度、信号対雑音比、及び通信レートのうちの少なくとも一つである、付記1~5のいずれか一項に記載の通信装置。
【0074】
(付記7)
前記能動的測定部は、前記影響推定部の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する際のデータ量、送信回数、及び周波数帯のうちの少なくとも一つを設定する、付記1~6のいずれか一項に記載の通信装置。
【0075】
(付記8)
前記能動的測定部は、前記能動的測定が前記現用通信に与える影響が小さいと推定された場合、前記能動的測定を実施する際のデータ量を多くし、前記能動的測定が前記現用通信に与える影響が大きいと推定された場合、前記能動的測定を実施する際のデータ量を少なくする、付記7に記載の通信装置。
【0076】
(付記9)
前記能動的測定部は、前記能動的測定が前記現用通信に与える影響が小さいと推定された場合、前記能動的測定を実施する際の送信回数を多くし、前記能動的測定が前記現用通信に与える影響が大きいと推定された場合、前記能動的測定を実施する際の送信回数を少なくする、付記7または8に記載の通信装置。
【0077】
(付記10)
前記通信品質推定部は、前記影響推定部において能動的測定が現用通信に与える影響が大きいと推定された場合、前記能動的測定の測定結果の重み付けを低くして通信品質を推定する、付記1~9のいずれか一項に記載の通信装置。
【0078】
(付記11)
複数のアクセスポイントと、
前記複数のアクセスポイントとネットワークを介して接続されているサーバと、
付記1~10のいずれか一項に記載の通信装置と、
前記通信装置が搭載された移動体と、を備え、
前記移動体が移動する際に、前記通信装置は、当該通信装置と前記複数のアクセスポイントと間の通信経路を切り替えながら移動する、
通信システム。
【0079】
(付記12)
複数のアクセスポイントと通信可能な通信部の受信情報を取得し、
前記取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定し、
前記現用通信に与える影響の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施し、
前記受信情報と前記能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定し、
前記推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する、
通信方法。
【0080】
(付記13)
複数のアクセスポイントと通信可能な通信部の受信情報を取得する処理と、
前記取得した受信情報に基づいて、前記通信部が能動的測定を実施した際に現用通信に与える影響を推定する処理と、
前記現用通信に与える影響の推定結果に基づいて、前記能動的測定を実施する処理と、
前記受信情報と前記能動的測定の測定結果とに基づいて通信品質を推定する処理と、
前記推定された通信品質に基づいて、前記通信部と前記複数のアクセスポイントとの間の通信経路を制御する処理と、を備える通信処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0081】
1 通信システム
10、10a 通信装置
11、11_1~11_m 通信部
12 受信情報取得部
13 影響推定部
14 能動的測定部
15 通信品質推定部
16 通信経路制御部
17 通信経路切り替え部
20 通信性能推定部
30 移動体
50 サーバ
55 ネットワーク
60_1~60_n アクセスポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6