(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】入退管理システム、入退管理方法、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G07C 9/37 20200101AFI20240910BHJP
【FI】
G07C9/37
(21)【出願番号】P 2023508652
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 JP2022000553
(87)【国際公開番号】W WO2022201746
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2021048491
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】坂山 和樹
(72)【発明者】
【氏名】矢野 達也
(72)【発明者】
【氏名】横山 弘基
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-164093(JP,A)
【文献】特開2015-011597(JP,A)
【文献】特開2008-117264(JP,A)
【文献】特開2010-044619(JP,A)
【文献】特開平08-326381(JP,A)
【文献】特開2008-014001(JP,A)
【文献】特開2000-348227(JP,A)
【文献】特開2010-211510(JP,A)
【文献】特開2003-288625(JP,A)
【文献】特開2013-178702(JP,A)
【文献】特開2012-133477(JP,A)
【文献】特開2007-122400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定領域を通過するユーザの認証を行う認証手段と、
前記認証が成功した第1ユーザの属性情報を取得する属性取得手段と、
前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定する判定手段と、
前記認証が失敗した第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第2ユーザの画像を前記第1ユーザに提示し、前記
第1ユーザが前記画像に含まれる前記第2ユーザを同行者として認めた場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する許可手段と、
を備えることを特徴とする入退管理システム。
【請求項2】
前記第1ユーザと前記第2ユーザとの関係性の有無を判定する関係性判定手段を更に備え、
前記許可手段は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの関係性がある場合に、前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可することを特徴とする請求項1に記載の入退管理システム。
【請求項3】
前記第1ユーザからの入力に基づいて、該第1ユーザの前記許容人数を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2一項に記載の入退管理システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記第1ユーザが複数存在している場合に、複数の前記第1ユーザの各々について判定された前記許容人数を足し合わせて合計許容人数を算出し、
前記許可手段は、前記第2ユーザの数が前記合計許容人数以下である場合に、前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の入退管理システム。
【請求項5】
前記ユーザに関する深度情報を取得する深度取得手段と、
前記深度情報に基づいて、前記ユーザのシルエット画像を生成する生成するシルエット生成手段と、
前記シルエット画像を出力するシルエット出力手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記ユーザを誘導する誘導情報を生成する誘導情報生成手段を更に備え、
前記シルエット出力手段は、前記シルエット画像と共に、前記誘導情報を出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の入退管理システム。
【請求項7】
前記認証手段は、互いに通信可能な第1認証装置及び第2認証装置を含んでおり、
前記第1認証装置は、
前記ユーザの画像から特徴量を抽出する抽出手段と、
第1変換キーを生成する第1変換キー生成手段と、
前記抽出した特徴量を前記第1変換キーで変換して、第1変換情報を生成する第1変換手段と、
前記第1変換キー及び前記第1変換情報を、前記第2認証装置に送信する第1送信手段と、
を備え、
前記第2認証装置は、
登録ユーザの特徴量である登録特徴量を記憶する第2記憶手段と、
前記登録特徴量を、前記第1変換キーで変換して第2変換情報を生成する第2変換手段と、
前記第1変換情報と前記第2変換情報とを照合する第2照合手段と、
前記第2照合手段による照合が成功した場合に、第2変換キーを生成する第2変換キー生成手段と、
前記登録特徴量を前記第2変換キーで変換して、第3変換情報を生成する第3変換手段と、
前記第2変換キー及び第3変換情報を、前記第1認証装置に送信する第2送信手段と、
を備え、
前記第1認証装置は更に、
前記第2変換キー及び第3変換情報を記憶する第1記憶手段と、
新たに抽出した特徴量を前記第2変換キーで変換して、第4変換情報を生成する第4変換手段と、
前記第4変換情報と前記第3変換情報とを照合する第1照合手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の入退管理システム。
【請求項8】
特定領域を通過するユーザの認証を行い、
前記認証が成功した第1ユーザの属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定し、
前記認証が失敗した第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第2ユーザの画像を前記第1ユーザに提示し、前記
第1ユーザが前記画像に含まれる前記第2ユーザを同行者として認めた場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する、
ことを特徴とする入退管理方法。
【請求項9】
特定領域を通過するユーザの認証を行い、
前記認証が成功した第1ユーザの属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定し、
前記認証が失敗した第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第2ユーザの画像を前記第1ユーザに提示し、前記
第1ユーザが前記画像に含まれる前記第2ユーザを同行者として認めた場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、ユーザの入退管理を行う入退管理システム、入退管理方法、及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、複数人の入退管理を行うものが知られている。例えば特許文献1では、マンション入口のオートロックにおける共連れを検出する技術が開示されている。特許文献2では、第1登録者に同伴する第2登録者の入退出を管理する技術が開示されている。特許文献3では、在籍者が共連れ要求を行うことで、来訪者の入室を許可する技術が開示されている。
【0003】
その他の関連する技術として、例えば特許文献4では、複数の視点からユーザを撮影して、深度マップを生成する技術が開示されている。特許文献5では、探索範囲内のエッジ強度を比較して輪郭抽出を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-120086号公報
【文献】特開2006-188853号公報
【文献】特開2009-211430号公報
【文献】特表2019-501473号公報
【文献】特開2005-148245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この開示は、先行技術文献に開示された技術を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の入退管理システムの一の態様は、特定領域を通過するユーザの画像認証を行う認証手段と、前記画像認証が成功した第1ユーザと、前記画像認証が失敗した第2ユーザと、が存在する場合に、前記第1ユーザの属性情報を取得する属性取得手段と、前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定する判定手段と、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する許可手段と、を備える。
【0007】
この開示の入退管理方法の一の態様は、特定領域を通過するユーザの画像認証を行い、前記画像認証が成功した第1ユーザと、前記画像認証が失敗した第2ユーザと、が存在する場合に、前記第1ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定し、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する。
【0008】
この開示の記録媒体の一の態様は、特定領域を通過するユーザの画像認証を行い、前記画像認証が成功した第1ユーザと、前記画像認証が失敗した第2ユーザと、が存在する場合に、前記第1ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定し、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可するようにコンピュータを動作させるコンピュータプロブラムが記録されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る入退管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】第2実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第3実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】第3実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第4実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図9】第4実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図10】第5実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図11】第5実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第6実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図13】第6実施形態に係る入退管理システムのシルエット画像に関する動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】シルエット画像の一例を示す概念図である。
【
図15】第1ユーザのシルエット画像の表示例を示す概念図である。
【
図16】第2ユーザのシルエット画像の表示例を示す概念図である。
【
図17】第7実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図18】第7実施形態に係る入退管理システムのシルエット画像に関する動作の流れを示すフローチャートである。
【
図19】誘導情報を重畳したシルエット画像の一例を示す概念図(その1)である。
【
図20】誘導情報を重畳したシルエット画像の一例を示す概念図(その2)である。
【
図21】誘導情報を重畳したシルエット画像の一例を示す概念図(その3)である。
【
図22】第8実施形態に係る入退管理システムにおける画像認証部の機能的構成を示すブロック図である。
【
図23】第8実施形態に係る第1認証装置の動作の流れを示すフローチャート(その1)である。
【
図24】第8実施形態に係る第2認証装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図25】第8実施形態に係る第1認証装置の動作の流れを示すフロチャート(その2)である。
【
図26】第8実施形態に係る第1認証装置による照合処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、入退管理システム、入退管理方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る入退管理システムについて、
図1から
図3を参照して説明する。
【0012】
(ハードウェア構成)
まず、
図1を参照しながら、第1実施形態に係る入退管理システム10のハードウェア構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る入退管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態に係る入退管理システム10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。入退管理システム10は更に、入力装置15と、出力装置16と、カメラ20とを備えていてもよい。プロセッサ11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16と、カメラ20とは、データバス17を介して接続されている。
【0014】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、プロセッサ11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、プロセッサ11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。プロセッサ11は、ネットワークインタフェースを介して、入退管理システム10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。プロセッサ11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、プロセッサ11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ11内には、ユーザの入退管理に関する処理を実行するための機能ブロックが実現される。また、プロセッサ11として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。
【0015】
RAM12は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムを実行している際にプロセッサ11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0016】
ROM13は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0017】
記憶装置14は、入退管理システム10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、プロセッサ11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0018】
入力装置15は、入退管理システム10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0019】
出力装置16は、入退管理システム10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、入退管理システム10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。
【0020】
カメラ20は、ユーザを含む画像を撮像可能なカメラである。カメラ20は、例えば可視光カメラとして構成されており、生体の顔画像を撮像可能に構成されてよい。或いは、カメラ20は、例えば近赤外線カメラとして構成されており、生体の虹彩画像を撮像可能に構成されてよい。カメラ20は、静止画を撮像するカメラであってもよいし、動画を撮像するカメラであってもよい。また、カメラ20は、被写体の深度情報を取得可能なカメラとして構成されてもよい。
【0021】
(機能的構成)
次に、
図2を参照しながら、第1実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【0022】
図2に示すように、第1実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、を備えて構成されている。画像認証部110、属性取得部120、許容人数判定部130、及び通行許可部140の各々は、例えば上述したプロセッサ11において実現されてよい。
【0023】
画像認証部110は、特定領域を通過しようとするユーザの画像認証を実行可能に構成されている。なお、ここでの「特定領域」とは、ユーザが通ることが可能な領域であり、ユーザが通行可能な領域であれば、どのような領域であっても構わない。画像認証部110は、例えばカメラ20(
図1参照)から取得したユーザの画像を用いて認証処理を実行してよい。画像認証部110は、画像から抽出したユーザの特徴量を用いて認証処理を行ってよい。画像認証部110は、例えば画像からユーザの所定部位(例えば、顔や虹彩等)を検出する機能を有しており、検出した所定部位から特徴量を抽出するようにしてもよい。画像認証部110は、ユーザの画像から抽出した特徴量と、予め登録されている特徴量(即ち、登録ユーザの特徴量)と、を照合して、それらが一致するか否かを判定してもよい。この場合、画像認証部110は、登録ユーザの特徴量を記憶する特徴量データベースを備えて構成されてもよい。特徴量データベースは、例えば上述した記憶装置14で構成されてもよいし、システム外部のサーバ等で構成されてもよい。
【0024】
属性取得部120は、特定領域を通過しようとするユーザのうち、画像認証部110による認証が成功したユーザ(以下、適宜「第1ユーザ」と称する)の属性情報を取得可能に構成されている。属性情報の一例としては、ユーザの職種、役職、階級等が挙げられる。属性取得部120は、例えば登録ユーザの属性情報を予め記憶している属性情報データベースから属性情報を取得してよい。なお、属性取得部120は、画像認証部110による認証が失敗したユーザ(以下、適宜「第2ユーザ」と称する)が存在する場合に、第1ユーザの属性情報を取得すればよい。言い換えれば、第2ユーザが存在しない場合には、属性取得部120は、属性情報を取得しなくてもよい。
【0025】
許容人数判定部130は、属性取得部120で取得された第1ユーザの属性情報に基づいて、第1ユーザに同行して特定領域を通過可能な許容人数を判定する。なお、ここでの「同行」とは、特定領域を意図して一緒に通過することを指しており、例えば第1ユーザが他のユーザ(例えば、第1ユーザのゲスト等)と1つのグループとして特定領域を通過するような状況が一例として挙げられる。第1ユーザに同行して特定領域を通過可能な許容人数は、ユーザの属性情報に対応して予め設定されている。具体的には、許容人数は、部長職であれば許容人数は3人、課長職であれば許容人数は2人、役職なしであれば1人、のように設定されてよい。また、許容人数が0人である属性(即ち、第2ユーザの同行が認められない属性)があってもよい。なお、1人のユーザに対して複数の属性情報が存在する場合には、その中で最も許容人数の多い属性に応じて許容人数が判定されてよい。
【0026】
通行許可部140は、画像認証部110の認証結果と、許容人数判定部130で判定された許容人数とに基づいて、各ユーザの通過を許可する。具体的には、通行許可部140は、画像認証部110における画像認証が成功したユーザ(即ち、第1ユーザ)の通過を許可する一方で、画像認証部110における画像認証が失敗したユーザ(即ち、第2ユーザ)についても、第1ユーザの許容人数以内であれば通過を許可する。なお、第2ユーザの人数については、第2ユーザが写った画像から確認すればよい。なお、画像から正確な人数が判定できない場合(例えば、死角に存在するユーザがいる場合)を想定して、その他のセンサ等を用いて、ユーザの人数を検出するようにしてもよい。例えば、特定領域の床に人感センサ(圧力センサ)を設けて、特定領域に存在する人の重さや形状(足が2本など)から、特定領域の人数を計測し、センサによる計測結果と画像の解析結果とに差異がある場合に、カメラの死角に人がいると判断し、その人の顔画像や周辺画像をシステム管理者等に送信するようにしてもよい。また、死角に存在する人にスポットライトを当てたり、その人の周りの床を強調表示したりしてもよい。
【0027】
通行許可部140は更に、ユーザの通過を許可した場合に、その旨をユーザに通知する機能を有していてもよい。また、通行許可部140は、ユーザの通過を許可した場合に、特定領域に存在するゲート等を開く機能を有していてもよい。或いは、通行許可部140は、通過を許可できないユーザが存在する場合に、アラームを鳴らしたり、警備員等に不審者の存在を通知したりする機能を有していてもよい。不審者の存在を通知する場合には、例えば警備員等が保有する端末(スマートフォンやスマートグラス等)に不審者の画像を送信して表示させるようにしてもよい。或いは、建物全体の監視カメラ映像を解析して、不審者までの最短ルートを表示したりしてもよい。スマートグラスの場合は、最短ルートをAR表示してもよい。
【0028】
(動作の流れ)
次に、
図3を参照しながら、第1実施形態に係る入退管理システム10の動作の流れについて説明する。
図3は、第1実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0029】
図3に示すように、第1実施形態に係る入退管理システム10が動作する際には、まず画像認証部110がユーザの画像を取得する(ステップS101)。複数のユーザが存在する場合、画像はユーザごとに撮像されてもよいし、複数のユーザがまとめて写るように撮像されてもよい。ただし、複数のユーザをまとめて撮像する場合には、各ユーザの画像認証が適切に行えるような画像(例えば、ユーザ同士が重なっていない画像等)であることが望ましい。
【0030】
続いて、画像認証部110は、取得した画像に基づいて画像認証を実行する(ステップS102)。そして、画像認証部110は、画像認証を行ったユーザの中に第2ユーザが存在しているか否かを判定する(ステップS103)。即ち、画像認証に失敗したユーザが存在するか否かを判定する。なお、第2ユーザが存在しないと判定された場合(ステップS103:NO)、その場には第1ユーザしか存在しない(即ち、画像認証が成功したユーザだけが存在している)と判断できるため、通行許可部140は、ユーザの通過を許可する(ステップS107)。
【0031】
一方、第2ユーザが存在すると判定された場合(ステップS103:YES)、属性情報取得部120が、第1ユーザの属性情報を取得する(ステップS104)。そして、許容人数判定部130が、第1ユーザの属性情報に基づいて許容人数を判定する(ステップS105)。
【0032】
続いて、通行許可部140が、第2ユーザの人数が許容人数判定部130で判定された許容人数以内であるか否かを判定する(ステップS106)。そして、第2ユーザの人数が許容人数以内である場合(ステップS106:YES)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザの人数が許容人数以内でない場合(ステップS106:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。
【0033】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0034】
図1から
図3で説明したように、第1実施形態に係る入退管理システム10では、特定領域を通過しようとするユーザに、第1ユーザ(画像認証が成功したユーザ)と、第2ユーザ(画像認証が失敗したユーザ)と、が存在する場合に、第1ユーザの属性情報に基づいて許容人数(即ち、第1ユーザに同行可能な人数)が判定され、第2ユーザの人数が許容人数以内である場合には、第2ユーザの通過が許可される。このようにすれば、第1ユーザに同行して第2ユーザが不正に通過する行為(所謂、共連れ)を抑制しつつ、通過させるべき第2ユーザ(例えば、第1ユーザのゲスト等)をスムーズに通過させることが可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る入退管理システム10について、
図4及び
図5を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1実施形態(
図1から
図3参照)と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した第1実施形態と重複する部分について適宜説明を省略するものとする。
【0036】
(機能的構成)
まず、
図4を参照しながら、第2実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図4は、第2実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図4では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0037】
図4に示すように、第2実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、を備えて構成されている。そして特に、第2実施形態に係る通行許可部140は、画像送信部141と、入力受付部141と、を備えている。
【0038】
画像送信部141は、第2ユーザの画像を第1ユーザが保有する端末(例えば、スマートフォン等)に送信可能に構成されている。画像送信部141は、第2ユーザの数が許容人数(即ち、第1ユーザの属性上に応じた人数)以内である場合に、第2ユーザの画像を第1ユーザの端末に送信するようにしてよい。画像送信部141は、第2ユーザが複数人存在する場合には、1人1枚ずつ写真を送信するようにしてもよいし、複数の第2ユーザがまとめて写った写真を送信するようにしてもよい。
【0039】
入力受付部142は、第1ユーザ(具体的には、画像送信部141が第2ユーザの画像を送信した第1ユーザ)からの入力を受付可能に構成されている。送信された画像を確認した第1ユーザは、例えば送信された画像に写る第2ユーザの中から、同行者として認める第2ユーザを選択する操作を行う。例えば、第1ユーザは、第2ユーザの写真と共に表示される「OK」ボタンをタップしたり、画像中の第2ユーザの顔をタップしたりすることで、同行を認める第2ユーザを選択する。入力受付部142は、このような第1ユーザの操作に応じた入力を受け付ける。
【0040】
(動作の流れ)
次に、
図5を参照しながら、第2実施形態に係る入退管理システム10の動作の流れについて説明する。
図5は、第2実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0041】
図5に示すように、第2実施形態に係る入退管理システム10が動作する際には、まず画像認証部110がユーザの画像を取得する(ステップS101)。そして、画像認証部110は、取得した画像に基づいて画像認証を実行する(ステップS102)。
【0042】
続いて、画像認証部110は、画像認証を行ったユーザの中に第2ユーザが存在しているか否かを判定する(ステップS103)。そして、第2ユーザが存在しないと判定された場合(ステップS103:NO)、通行許可部140は、ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザが存在すると判定された場合(ステップS103:YES)、属性情報取得部120が、第1ユーザの属性情報を取得する(ステップS104)。そして、許容人数判定部130が、第1ユーザの属性情報に基づいて許容人数を判定する(ステップS105)。
【0043】
続いて、通行許可部140が、第2ユーザの人数が許容人数判定部130で判定された許容人数以内であるか否かを判定する(ステップS106)。第2ユーザの人数が許容人数以内でない場合(ステップS106:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。
【0044】
一方、第2ユーザの人数が許容人数以内である場合(ステップS106:YES)、画像送信部141が、第1ユーザに第2ユーザの画像を送信する(ステップS201)。その後、入力受付部142が、画像を送信した第1ユーザからの入力を受け付けて、第2ユーザが同行者として認められたか否かを判定する(ステップS202)。なお、第1ユーザからの入力が何もなかった場合、入力受付部142は、第2ユーザが同行者として認められなかったと判定してもよい。
【0045】
第2ユーザが第1ユーザから同行者として認められた場合(ステップS202:YES)通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザが第1ユーザから同行者として認められなかった場合(ステップS202:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。なお、第1ユーザが複数存在する場合には、複数の第1ユーザの各々に第2ユーザの画像を送信してよい。この場合、画像を送信した複数の第1ユーザのうち、いずれか1人から同行者として認められれば、その第2ユーザの通過を許可するようにしてもよい。
【0046】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0047】
図4及び
図5で説明したように、第2実施形態に係る入退管理システム10では、第2ユーザの人数が許可人数以内である場合であっても、すぐに通過は許可されず、まずは第1ユーザに第2ユーザの画像が送信される。そして、送信した画像に対する第1ユーザの入力に基づいて、第2ユーザの通過が許可されることになる。このようにすれば、意図しない第2ユーザの通過が許可されてしまうことを防止できる。例えば、許容人数が2人である属性の第1ユーザが、1人のゲスト(即ち、第2ユーザ)を連れている場合、第1ユーザとは関係のない、もう1人の第2ユーザまで通過が許可されてしまうことを防止できる。
【0048】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る入退管理システム10について、
図6及び
図7を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1及び第2実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した実施形態と重複する部分について適宜説明を省略するものとする。
【0049】
(機能的構成)
まず、
図6を参照しながら、第3実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図6は、第3実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図6では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0050】
図4に示すように、第3実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、関係性判定部150と、を備えて構成されている。即ち、第3実施形態に係る入退管理システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、関係性判定部150を更に備えて構成されている。なお、関係性判定部150は、例えば上述したプロセッサ11において実現されてよい。
【0051】
関係性判定部150は、第1ユーザと第2ユーザとの関係性の有無を判定可能に構成されている。関係性判定部150は、例えば第1ユーザと第2ユーザとの間の距離に基づいて、関係性の有無を判定してもよい。具体的には、関係性判定部150は、第1ユーザと第2ユーザとの間の距離が所定距離(例えば、1m)よりも近い場合には関係性があると判定し、第1ユーザと第2ユーザとの間の距離が所定距離よりも離れている場合には関係性がないと判定してよい。或いは、関係性判定部150は、第1ユーザと第2ユーザとの会話の有無に基づいて、関係性の有無を判定してもよい。具体的には、関係性判定部150は、第1ユーザと第2ユーザとが会話をしている場合には関係性があると判定し、第1ユーザと第2ユーザとが会話をしていない場合には関係性がないと判定してよい。なお、会話をしているか否かについては、画像(顔の向き、口の動き、会話する際の仕草等)から判定してもよいし、マイク等を介して取得した音声情報から判定してもよい。なお、上述した判定手法はあくまで一例であり、ユーザ間の距離及び会話の有無の両方を組み合わせて関係性を判定してもよいし、その他の手法を用いて関係性を判定してもよい。
【0052】
(動作の流れ)
次に、
図7を参照しながら、第3実施形態に係る入退管理システム10の動作の流れについて説明する。
図7は、第3実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図7では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0053】
図7に示すように、第3実施形態に係る入退管理システム10が動作する際には、まず画像認証部110がユーザの画像を取得する(ステップS101)。そして、画像認証部110は、取得した画像に基づいて画像認証を実行する(ステップS102)。
【0054】
続いて、画像認証部110は、画像認証を行ったユーザの中に第2ユーザが存在しているか否かを判定する(ステップS103)。そして、第2ユーザが存在しないと判定された場合(ステップS103:NO)、通行許可部140は、ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザが存在すると判定された場合(ステップS103:YES)、属性情報取得部120が、第1ユーザの属性情報を取得する(ステップS104)。そして、許容人数判定部130が、第1ユーザの属性情報に基づいて許容人数を判定する(ステップS105)。
【0055】
続いて、通行許可部140が、第2ユーザの人数が許容人数判定部130で判定された許容人数以内であるか否かを判定する(ステップS106)。第2ユーザの人数が許容人数以内でない場合(ステップS106:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。
【0056】
一方、第2ユーザの人数が許容人数以内である場合(ステップS106:YES)、関係性判定部150が、第1ユーザと第2ユーザとの関係性の有無を判定する(ステップS301)。そして、第1ユーザと第2ユーザとの関係性があると判定した場合(ステップS302:YES)、関係性判定部150は、第2ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第1ユーザと第2ユーザとの関係性がないと判定した場合(ステップS302:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。
【0057】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0058】
図6及び
図7で説明したように、第3実施形態に係る入退管理システム10では、第2ユーザの人数が許可人数以内である場合であっても、すぐに通過は許可されず、第1ユーザと第2ユーザとに関係性があると判定された場合に、第2ユーザの通過が許可されることになる。このようにすれば、第1ユーザとは関係性がない第2ユーザに対して、特定領域の通過が許可されてしまうことを防止できる。例えば、第1ユーザとは全く関係がないにもかかわらず、第1ユーザが同行者を連れて通過できる属性であるが故に、意図せず同行者であると認められて、不正な通過が許可されてしまうような状況を回避できる。
【0059】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る入退管理システム10について、
図8及び
図9を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第3実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した実施形態と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0060】
(機能的構成)
まず、
図8を参照しながら、第4実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図8は、第4実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図8では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0061】
図8に示すように、第4実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、許容人数変更部160と、を備えて構成されている。即ち、第4実施形態に係る入退管理システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、許容人数変更部160を更に備えて構成されている。なお、許容人数変更部160は、例えば上述したプロセッサ11において実現されてよい。
【0062】
許容人数変更部160は、第1ユーザからの入力に基づいて、第1ユーザの許容人数を変更可能に構成されている。即ち、許容人数変更部160は、第1ユーザの属性情報から判定される許容人数を、第1ユーザからの入力に応じた人数へと変更可能とされている。第1ユーザからの入力は、例えばフィンガージェスチャーであってもよい。この場合、第1ユーザがカメラ20に向かって所定のフィンガージェスチャーを行うと、そのジェスチャーに応じて許容人数が変更される。例えば、第1ユーザが指を2本立てるようなジェスチャーを行った場合には、許容人数が2人に変更されてよい。なお、許容人数を変更する場合には、第1ユーザに対して、本当に許容人数を変更してよいか確認するための通知を行ってもよい。この場合、ユーザが許容人数の変更を認めてから、実際に許容人数を変更するようにしてもよい。
【0063】
第1ユーザの中には、許容人数の変更が許可された第1ユーザと、許容人数の変更が許可されない第1ユーザと、が存在していてよい。これらは、例えばユーザの属性情報に応じて分けられていてよく、例えば役職の高い第1ユーザは許容人数の変更が可能とされる一方で、役職の低い第1ユーザは許容人数の変更が不可とされてよい。この場合、許容人数の変更が許可されない第1ユーザが、許容人数を変更するための入力(例えば、フィンガージェスチャー)を行っても、許容人数は変更されない。
【0064】
(動作の流れ)
次に、
図9を参照しながら、第4実施形態に係る入退管理システム10の動作の流れについて説明する。
図9は、第4実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図9では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0065】
図9に示すように、第4実施形態に係る入退管理システム10が動作する際には、まず画像認証部110がユーザの画像を取得する(ステップS101)。そして、画像認証部110は、取得した画像に基づいて画像認証を実行する(ステップS102)。
【0066】
続いて、画像認証部110は、画像認証を行ったユーザの中に第2ユーザが存在しているか否かを判定する(ステップS103)。そして、第2ユーザが存在しないと判定された場合(ステップS103:NO)、通行許可部140は、ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザが存在すると判定された場合(ステップS103:YES)、属性情報取得部120が、第1ユーザの属性情報を取得する(ステップS104)。
【0067】
続いて、許容人数変更部160が、第1ユーザによって許容人数を変更する入力が行われたか否かを判定する(ステップS401)。そして、許容人数を変更する入力が行われていない場合(ステップS401:NO)、許容人数判定部130が、第1ユーザの属性情報に基づいて許容人数を判定する(ステップS105)。一方、許容人数を変更する入力が行われている場合(ステップS401:YES)、許容人数変更部160が、第1ユーザからの入力に応じて許容人数を変更する(ステップ402)。なお、許容人数を変更する場合、許容人数判定部130による許容人数の判定(即ち、第1ユーザの属性情報に基づいた許容人数の判定)は行われない。このため、属性情報を取得する前に、第1ユーザから許容人数を変更する入力が行われた場合には、属性情報の取得を省略してもよい。
【0068】
続いて、通行許可部140が、第2ユーザの人数が許容人数(許容人数判定部130で判定された許容人数、又は許容人数変更部160で変更された許容人数)以内であるか否かを判定する(ステップS106)。第2ユーザの人数が許容人数以内である場合(ステップS106:YES)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザの人数が許容人数以内でない場合(ステップS106:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。
【0069】
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0070】
図8及び
図9で説明したように、第4実施形態に係る入退管理システム10では、第1ユーザの入力に基づいて、許容人数が変更されることがある。このようにすれば、許容人数を変更できない場合(即ち、許容人数が属性情報によってのみ決まる場合)と比べて、より柔軟な対応が可能となる。例えば、第1ユーザが自身の属性情報で決まる許容人数よりも多くのゲストを連れている場合、許容人数を増やすことで、確実にすべてのゲストの通過を許可できる。あるいは、第1ユーザが自身の属性情報で決まる許容人数よりも少ないゲストしか連れていない場合、許容人数を減らすことで、意図しない第2ユーザが通過を許可されてしまうことを防止できる。
【0071】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る入退管理システム10について、
図10及び
図11を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第1から第4実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第4実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した実施形態と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0072】
(機能的構成)
まず、
図10を参照しながら、第5実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図10は、第5実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図10では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0073】
図4に示すように、第2実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、を備えて構成されている。そして特に、第5実施形態に係る許容人数判定部130は、人数合算部131を備えている。
【0074】
人数合算部131は、第1ユーザが複数存在している場合に、複数の第1ユーザの各々について判定された許容人数を足し合わせて、合計許容人数を算出可能に構成されている。例えば、1人目の第1ユーザの許容人数が3人、2人目の第1ユーザの許容人数が2人、3人目の第1ユーザの許容人数が2人である場合、人数合算部131は、3人+2人+2人=7人を合計許容人数として算出する。合計許容人数が算出された場合、通過許可部140は、合計許容人数に基づいて、第2ユーザの特定領域の通過を許可する。
【0075】
(動作の流れ)
次に、
図11を参照しながら、第5実施形態に係る入退管理システム10の動作の流れについて説明する。
図11は、第5実施形態に係る入退管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図11では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0076】
図11に示すように、第5実施形態に係る入退管理システム10が動作する際には、まず画像認証部110がユーザの画像を取得する(ステップS101)。そして、画像認証部110は、取得した画像に基づいて画像認証を実行する(ステップS102)。
【0077】
続いて、画像認証部110は、画像認証を行ったユーザの中に第2ユーザが存在しているか否かを判定する(ステップS103)。そして、第2ユーザが存在しないと判定された場合(ステップS103:NO)、通行許可部140は、ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザが存在すると判定された場合(ステップS103:YES)、属性情報取得部120が、第1ユーザの属性情報を取得する(ステップS104)。
【0078】
続いて、許容人数判定部130は、第1ユーザが複数いるか否かを判定する(ステップS501)。そして、第1ユーザが複数いないと判定した場合(ステップS501:NO)、許容人数判定部130は、第1ユーザの属性情報に基づいて許容人数を判定する(ステップS105)。即ち、1人の第1ユーザについて許容人数の判定を行う。一方、第1ユーザが複数いると判定した場合(ステップS501:YES)、許容人数判定部130は、複数の第1ユーザの属性情報に基づいて、それぞれ許容人数を判定する(ステップS502)。即ち、複数の第1ユーザの各々の許容人数を判定する。そして、人数合算部131が、複数の第1ユーザの許容人数を合算して、合計許容人数を算出する(ステップS503)。
【0079】
続いて、通行許可部140が、第2ユーザの人数が許容人数(人数合算部131で合計許容人数が算出されている場合には合計許容人数)以内であるか否かを判定する(ステップS106)。第2ユーザの人数が許容人数以内である場合(ステップS106:YES)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可する(ステップS107)。一方、第2ユーザの人数が許容人数以内でない場合(ステップS106:NO)、通行許可部140は、第2ユーザの通過を許可しない(ステップS108)。
【0080】
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0081】
図10及び
図11で説明したように、第5実施形態に係る入退管理システム10では、第1ユーザが複数存在する場合に、それぞれの許容人数が足し合わされて合計許容人数が算出される。このようにすれば、複数の第1ユーザが、それぞれ第2ユーザを同行しようとしている場合でも、適切に通過を許可することが可能となる。例えば、第1ユーザが複数存在するにもかかわらず、その中の1人の第1ユーザの許容人数のみで通過の許可が判定され、通過させたい第2ユーザの通過が許可されないという状況を回避できる。
【0082】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る入退管理システム10について、
図12から
図16を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上述した第1から第5実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第5実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した実施形態と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0083】
(機能的構成)
まず、
図12を参照しながら、第6実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図12は、第6実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図12では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0084】
図12に示すように、第6実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、深度取得部210と、シルエット生成部220と、シルエット出力部230とを備えて構成されている。即ち、第6実施形態に係る入退管理システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、深度取得部210と、シルエット生成部220と、シルエット出力部230と、を更に備えて構成されている。なお、深度取得部210、シルエット生成部220、及びシルエット出力部230の各々は、例えば上述したプロセッサ11において実現されてよい。
【0085】
深度取得部210は、特定領域を通過しようとするユーザの深度情報(言い換えれば、奥行きに関する情報)を取得可能に構成されている。深度情報は、例えば深度カメラを用いて深度画像として取得されてよい。また、深度情報は、視点の異なる複数のカメラでユーザを撮像することで取得されてもよい。或いは、深度情報は、その他の深度センサ等を用いて取得されてもよい。なお、深度情報をカメラ20で取得する場合、画像認証に用いる画像を撮像するカメラと、深度情報を取得するカメラとは、別々に設けられたものであってもよいし、共通するものであってもよい。
【0086】
シルエット生成部220は、深度取得部210で取得された深度情報に基づいて、ユーザのシルエット画像(即ち、ユーザの外縁を示す画像)を生成可能に構成されている。シルエット生成部220は、例えば深度画像における「深度0の部分」と「その他の部分」との境界を検出してシルエット画像を生成してよい。ただし、シルエット画像の生成方法については、特に限定されるものではない。シルエット生成部220は、複数のユーザが存在する場合には、複数のユーザの各々についてシルエット画像を生成してよい。
【0087】
シルエット出力部230は、シルエット生成部220で生成された画像を出力可能に構成されている。シルエット出力部230は、例えば上述した出力装置16(
図1)が有するディスプレイ等にシルエット画像を出力してよい。シルエット画像は、例えばユーザに対して表示されるように出力されてもよいし、システム管理者等に対して表示されるように出力されてもよい。なお、ユーザに対してシルエット画像を表示する一方で、システム管理者等にはシルエット画像以外の画像を表示するようにしてもよい。
【0088】
(動作の流れ)
次に、
図13を参照しながら、第6実施形態に係る入退管理システム10におけるシルエット画像に関連する動作の流れについて説明する。
図13は、第6実施形態に係る入退管理システムのシルエット画像に関する動作の流れを示すフローチャートである。
【0089】
図13に示すように、第6実施形態に係る入退管理システム10がシルエット画像を出力する際には、まず深度取得部210が深度情報を取得する(ステップS601)。深度取得部210が取得した深度情報は、シルエット生成部220に出力される。
【0090】
続いて、シルエット生成部220は、深度情報から物体(ここでは、ユーザ)の位置や形状を確認する(ステップS602)。そして、シルエット生成部220は、確認した物体のシルエット画像を生成する(ステップS603)。生成されたシルエット画像は、シルエット出力部230によって出力される(ステップS604)。
【0091】
なお、上述した一連の処理は、第1から第5実施形態で説明した画像認証及び許容人数に基づく通過許可の処理(
図2参照)と並行して行われてよい。例えば、シルエット画像は、ユーザの画像認証(特に、画像の撮影)が行われる際に表示されてもよいし、ユーザの通過許可に関する判定が行われた際に表示されてもよい。
【0092】
<シルエット画像の表示例>
次に、
図14から
図16を参照しながら、シルエット画像の具体的な表示例について説明する。
図14は、シルエット画像の一例を示す概念図である。
図15は、第1ユーザのシルエット画像の表示例を示す概念図である。
図16は、第2ユーザのシルエット画像の表示例を示す概念図である。
【0093】
図14に示すように、シルエット画像は、ユーザの外縁を示す画像として表示されてよい。なお、シルエット画像は、ユーザの外縁をデフォルメした画像であってもよい。
【0094】
図15に示すように、第1ユーザのシルエット画像を表示する際には、第1ユーザに関する各種情報がシルエット画像に重畳表示されてよい。図に示す例では、シルエット画像の上部分に画像認証が成功したことを示す「認証OK(登録ユーザ)」というメッセージが表示されている。また、シルエット画像の右下部分には、第1ユーザ個人の「氏名」、「属性情報」、「許容人数」に関する情報が表示されている。
【0095】
図16に示すように、第2ユーザのシルエット画像を表示する際には、第2ユーザに関する各種情報がシルエット画像に重畳表示されてよい。図に示す例では、シルエット画像の上部分に画像認証が失敗したことを示す「認証NG(ゲスト)」というメッセージが表示されている。また、それに加えて、「〇〇の同行者として通過OK」というメッセージが表示されている。これは、第2ユーザが第1ユーザの同行者として認められ、特定領域の通過が許可されたことを示している。
【0096】
(技術的効果)
次に、第6実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0097】
図12から
図16で説明したように、第6実施形態に係る入退管理システム10では、深度情報から生成されたシルエット画像が出力される。このようにすれば、ユーザの個人情報に配慮した表示を行うことが可能となる。例えば、自分の顔を表示してほしくない、画面に写った自分の顔を他人に見られたくない等のユーザの意見に対応することができる。また、本実施形態に係るシルエット画像は深度情報に基づいて生成されるため、他の方法(例えば、画像解析等)によってシルエット画像を生成する場合と比較すると、システムの処理負荷を低減することが可能である。
【0098】
<第7実施形態>
第7実施形態に係る入退管理システム10について、
図17及び
図21を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上述した第6実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第6実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した実施形態と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0099】
(機能的構成)
まず、
図17を参照しながら、第7実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成について説明する。
図17は、第7実施形態に係る入退管理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図17では、
図12で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0100】
図17に示すように、第7実施形態に係る入退管理システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、画像認証部110と、属性取得部120と、許容人数判定部130と、通行許可部140と、深度取得部210と、シルエット生成部220と、シルエット出力部230と、誘導情報生成部240を備えて構成されている。即ち、第7実施形態に係る入退管理システム10は、第6実施形態の構成(
図12参照)に加えて、誘導情報生成部240を更に備えて構成されている。なお、誘導情報生成部240は、例えば上述したプロセッサ11において実現されてよい。
【0101】
誘導情報生成部240は、ユーザを誘導する誘導情報を生成可能に構成されている。誘導情報は、例えば、ユーザに対して立ち位置や姿勢を変更することを促すための情報として生成されてよい。この場合、誘導情報生成部240は、ユーザの画像(即ち、ユーザの写り具合)に基づいて、誘導情報を生成するようにしてよい。なお、誘導情報生成部240は、ユーザの誘導が完了した場合に、誘導情報の生成を停止してもよい。また、ユーザの移動等によって、それまでとは異なる誘導を行う必要が生じた場合には、誘導情報生成部240は、新たな誘導情報を生成するようにしてもよい。誘導情報生成部230で生成された誘導情報は、シルエット出力部230に出力される構成となっている。シルエット出力部230は、誘導情報生成部240で生成された誘導情報を、シルエット生成部220で生成されたシルエット画像と共に出力する。
【0102】
<動作の流れ>
次に、
図18を参照しながら、第7実施形態に係る入退管理システム10におけるシルエット画像に関連する動作の流れについて説明する。
図18は、第7実施形態に係る入退管理システムのシルエット画像に関する動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図18では、
図13で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0103】
図18に示すように、第7実施形態に係る入退管理システム10がシルエット画像を出力する際には、まず深度取得部210が深度情報を取得する(ステップS601)。深度取得部210が取得した深度情報は、シルエット生成部220に出力される。
【0104】
続いて、シルエット生成部220は、深度情報から物体(ここでは、ユーザ)の位置や形状を確認する(ステップS602)。そして、シルエット生成部220は、確認した物体のシルエット画像を生成する(ステップS603)。
【0105】
ここで第7実施形態では特に、誘導情報生成部240が、ユーザに対する誘導情報を生成する(ステップS701)。誘導情報生成部240で生成された誘導情報は、シルエット生成部220で生成されたシルエット画像と共に、シルエット出力部230によって出力される(ステップS702)。
【0106】
<誘導情報の表示例>
次に、
図19から
図21を参照しながら、誘導情報の具体的な表示例について説明する。
図19は、誘導情報を重畳したシルエット画像の一例を示す概念図(その1)である。
図20は、誘導情報を重畳したシルエット画像の一例を示す概念図(その2)である。
図21は、誘導情報を重畳したシルエット画像の一例を示す概念図(その3)である。
【0107】
図19に示すように、ユーザが画像の左側に寄りすぎている(ユーザの顔が見切れている)場合には、ユーザのシルエット画像と共に、「右によってください」というメッセージが誘導情報として表示されてよい。また、右方向を指す矢印が誘導情報として表示されてよい。
【0108】
図20に示すように、ユーザが画像の上側に寄りすぎている場合には、ユーザのシルエット画像と共に、「しゃがんでください」というメッセージが誘導情報として表示されてよい。また、下方向を指す矢印が誘導情報として表示されてよい。
【0109】
図21に示すように、複数のユーザが写り込んでいる場合には、「複数人が写っています。ひとりで写ってください」というメッセージが誘導情報として表示されてよい。この場合、深度情報を用いて、最も手前側にいるユーザを撮像対象として特定し、その他のユーザに撮像範囲外に移動してもらうように誘導情報を出力してもよい。誘導情報は、複数のユーザ間の距離に応じて出力されてもよい。例えば、ユーザ間の距離が所定距離より近くなった場合に、もう少し離れるように誘導する誘導情報が出力されてもよい。
【0110】
誘導情報は、ユーザが具体的にどの程度動けばよいか分かるように、具体的な数値を含んで表示されてもよい。例えば、「あと50cm右によってください」等のメッセージが表示されてもよい。この場合、ユーザの移動に合わせて、数値がリアルタイムで変化するようにしてもよい。誘導情報は、ユーザがどこに移動すればよいか分かるように、移動すべき場所を示す「枠(囲み領域)」として表示されてもよい。また、誘導情報は、ユーザが認識しやすいように、目立つ色で表示されてもよい。或いは、誘導表示は、点滅等の強調効果を伴う態様で表示されてもよい。更に、シルエット画像に重畳して表示される誘導情報に加えて、例えば音声等で誘導情報が出力されてもよい。
【0111】
上述した誘導情報は、例えば画像認証部110における画像認証を適切に行うための誘導を行うものであってよい。例えば、ユーザを画像認証に適した位置に誘導するための誘導情報であってよい。また、複数のユーザが重なり合うことで正常な画像認証が行えない場合に、ユーザ同士が離れるように促す誘導情報であってよい。また、誘導情報は、画像認証部110以外の認証部が実行する処理を適切に行うための誘導を行うものであってよい。例えば、画像を用いて生体判定(なりすまし判定)を行う場合に、正常な判定が行えるようにするための誘導情報であってもよい。このような誘導情報は、実際に判定処理を実行して、その結果に基づいて生成されるものであってもよい。例えば、なりすまし判定が正常に行えなかった場合に、ユーザの移動等を促すような誘導情報が生成されてよい。
【0112】
(技術的効果)
次に、第7実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0113】
図17から
図21で説明したように、第7実施形態に係る入退管理システム10では、シルエット画像と共に、ユーザを誘導する誘導情報が出力される。このようにすれば、シルエット画像を用いて、より分かりやすくユーザ誘導することが可能である。その結果、例えば画像認証やユーザの検出等に用いる画像を適切に撮像することが可能となる。
【0114】
<第8実施形態>
第8実施形態に係る入退管理システム10について、
図22から
図26を参照して説明する。なお、第8実施形態に係る入退管理システム10は、上述した第1から第7実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみで、その他の部分については第1から第7実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した実施形態と重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0115】
(機能的構成)
まず、
図22を参照しながら、第8実施形態に係る入退管理システム10の機能的構成(特に、画像認証部110の構成)について説明する。
図22は、第8実施形態に係る入退管理システムにおける画像認証部の機能的構成を示すブロック図である。なお、
図22では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0116】
図22に示すように、第8実施形態に係る画像認証部110は、第1認証装置300と、第2認証装置400とを備えて構成されている。なお、ここでは第1認証装置300及び第2認証装置を1つずつ図示しているが、第1認証装置300には、複数の第2認証装置が接続されていてよい。以下では、第1認証装置300及び第2認証装置400が、複数の企業(テナント)が入居するビルの入退館におけるウォークスルーゲートに適用される認証装置である例を挙げて説明する。この例では、第1認証装置300は、入退館処理を実行するエッジ端末として構成され、第2認証装置400は、各テナントのサーバとして構成されてよい。
【0117】
第1認証装置300は、その機能を実現するための処理ブロックとして、特徴量抽出部310と、第1変換キー生成部320と、第1処理部330と、第1送信部340と、第1記憶部350と、を備えて構成されている。なお、第1処理部330は、第1認証処理における主な処理(具体的には、変換処理や照合処理)を実行する要素であり、第1変換部331と、第1照合部332と、第4変換部333と、を備えている。
【0118】
特徴量抽出部310は、第1認証装置300に入力される画像(即ち、ゲートを通過しようとするユーザの画像)から、特徴量を抽出可能に構成されている。なお、画像から特徴量を抽出する方法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。特徴量抽出部310で抽出された特徴量は、第1変換部331に出力される構成となっている。
【0119】
第1変換キー生成部320は、特徴量抽出部310で抽出された特徴量を変換(暗号化)するための第1変換キーを生成可能に構成されている。第1変換キーは、ワンタイムキーとして生成されてよい。第1変換キー生成部320で生成された第1変換キーは、第1変換部331に出力される構成となっている。
【0120】
第1変換部331は、特徴量抽出部310で抽出された特徴量を、第1変換キー生成部320で生成した第1変換キーを用いて変換し、第1変換情報を生成可能に構成されている。なお、変換キーを用いた特徴量の変換方法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。第1変換部331で生成された第1変換情報は、第1変換キーと共に、第1送信部340に出力される構成となっている。
【0121】
第1照合部332は、後述する第4変換情報(第4変換部333で変換された情報)と、第1記憶部350に記憶されている第3変換情報(第3変換部423で生成された情報)と、を照合可能に構成されている。第1照合部332は、第4変換情報と、第3変換情報と、の照合結果を出力可能に構成されている。この照合結果は、上述した通行許可部140(
図2参照)に出力されてよい。
【0122】
第4変換部333は、特徴量抽出部310で抽出された特徴量を、第1記憶部350に記憶された第2変換キー(詳しくは後述)で変換し、第4変換情報を生成可能に構成されている。第4変換部333で生成された第4変換情報は、第1照合部322に出力される構成となっている。
【0123】
第1送信部340は、第1変換キー生成部320で生成された第1変換キーと、第1変換部331で生成された第1変換情報と、を第2認証装置400に送信可能に構成されている。第1送信部340は、第1照合部332における第4変換情報と、第3変換情報との照合が失敗した場合に、第1変換キー及び第1変換情報を、第2認証装置400に送信するようにしてよい。
【0124】
第1記憶部350は、第2認証装置400から送信されてきた第2変換キー(後述する第2変換キー生成部430で生成された変換キー)と、第3変換情報(後述する第3変換部413で生成された情報)と、を記憶可能に構成されている。第1記憶部350に記憶された第2変換キー及び第3変換情報は、第1照合部332及び第4変換部333によって適宜読み出し可能とされている。
【0125】
第2認証装置400は、その機能を実現するための処理ブロックとして、第2記憶部410と、第2処理部420と、第2変換キー生成部430と、第2送信部440とを備えて構成されている。なお、第2処理部420は、第2認証処理装置400における主な処理(具体的には、変換処理や照合処理)を実行する要素であり、第2変換部421と、第2照合部422と、第3変換部423と、を備えている。
【0126】
第2記憶部410は、各テナントの登録ユーザの特徴量(以下、適宜「登録特徴量」と称する)を記憶可能に構成されている。第2記憶部410に記憶された登録特徴量は、第2変換部421及び第3変換部423によって適宜読み出し可能とされている。
【0127】
第2変換部421は、第2記憶部410に記憶されている登録特徴量を、第1認証装置から送信されてきた第1変換キー(即ち、第1変換キー生成部320で生成された変換キー)で変換し、第2変換情報を生成可能に構成されている。第2変換部421で生成された第2変換情報は、第2照合部422に出力される構成となっている。
【0128】
第2照合部422は、第1認証装置から送信されてきた第1変換情報(即ち、第1変換部321で生成された情報)と、第2変換部421で生成された第2情報と、を照合可能に構成されている。第2照合部422における出力結果は、第2送信部440を介して、第1認証装置300に出力される構成となっている。
【0129】
第3変換部423は、第2記憶部420に記憶された登録特徴量を、第2変換キー生成部430で生成された第2変換キーで変換し、第3変換情報を生成可能に構成されている。第3変換部423で生成された第3変換情報は、第2変換キーと共に、第2送信部440に出力される構成となっている。
【0130】
第2変換キー生成部430は、第2記憶部420に記憶された登録特徴量を変換するための第2変換キーを生成可能に構成されている。第2変換キーは、ワンタイムキーとして生成されてよい。第2変換キー生成部430は、第2照合部422における第1変換情報と、第2変換情報との照合が成功した場合に、第2変換キーを生成するように構成されてよい。第2変換キー生成部430で生成された第2変換キーは、第3変換部423に出力される構成となっている。
【0131】
第2送信部440は、第2変換キー生成部420で生成された第2変換キーと、第3変換部423で生成された第3変換情報と、を第1認証装置300に送信可能に構成されている。第2送信部440が送信した第2変換キー及び第3変換キーは、すでに説明したように、第1認証装置300における第1記憶部350に記憶される。
【0132】
(動作の流れ)
次に、
図23から
図26を参照しながら、第8実施形態に係る画像認証部110(具体的には、第1認証装置300及び第2認証装置400)の動作について説明する。
図23は、第8実施形態に係る第1認証装置の動作の流れを示すフローチャート(その1)である。
図24は、第8実施形態に係る第2認証装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図25は、第8実施形態に係る第1認証装置の動作の流れを示すフロチャート(その2)である。
図26は、第8実施形態に係る第1認証装置による照合処理の流れを示すフローチャートである。
【0133】
(第1認証装置の動作)
図23に示すように、第1認証装置300の動作時には、まずユーザの画像が取得される(ステップS801)。そして、特徴量抽出部310が、ユーザの画像から特徴量を抽出する(ステップS802)。
【0134】
続いて、抽出された特徴量を用いて第1処理部330における照合処理(具体的には、第4変換部333による変換処理、及び第1照合部332における照合処理)が実行される(ステップS803)。この照合処理については、後に詳しく説明する(
図26参照)。
【0135】
照合処理の後(より正確には、照合処理が失敗した場合)、第1変換キー生成部320が第1変換キーを生成する(ステップS804)。そして、第1変換部331が、第1変換キーを用いて抽出された特徴量を変換し、第1変換情報を生成する(ステップS805)。
【0136】
続いて、第1送信部340は、第1変換キー生成部320で生成された第1変換キー、及び第1変換部331で生成された第1変換情報を、第2認証装置400に送信する(ステップS806)。
【0137】
(第2認証装置の動作)
図24に示すように、第2認証装置400に第1変換キー及び第1変換情報が送られてくると、第2変換部421が、第2記憶部410から登録特徴量を読み出す(ステップS901)。そして、第2変換部421は、第2記憶部から読み出した登録特徴量を、第1変換キーを用いて変換し、第2変換情報を生成する(ステップS902)。
【0138】
続いて、第2照合部422が、第1認証装置から送られてきた第1変換情報と、第2変換部421で生成された第2変換情報と、を照合する(ステップS903)。第2照合部422による照合の結果、特徴量が一致しないと判定された場合(ステップS904:NO)、第2照合部422は、照合を登録人数分(即ち、第2記憶部410に登録されている分)繰り返したか否かを判定する(ステップS905)。そして、登録人数分繰り返していないと判定されると(ステップS905:NO)、第2変換部421が、次の登録特徴量を読み出し(ステップS906)、再びステップS902から処理が繰り返される。一方、登録人数分繰り返したと判定されると(ステップS905:YES)、第2照合部422は、照合失敗という照合結果を出力する(ステップS907)。そして、第2送信部440は、この照合結果を第1認証装置300に送信する(ステップS910)。
【0139】
他方、第2照合部422による照合の結果、特徴量が一致したと判定された場合(ステップS904:YES)、第2変換キー生成部430が、第2変換キーを生成する(ステップS908)。そして、第3変換部423が、第2記憶部から読みだした特徴量(具体的には、照合が成功した特徴量)を、第2変換キーを用いて変換し、第3変換情報を生成する(ステップS909)。そして、第2送信部440は、第2変換キー及び第3変換情報を第1認証装置300に送信する(ステップS910)。
【0140】
(結果出力動作)
図25に示すように、第2認証装置400から第1認証装置300に照合結果(即ち、第2照合部422による照合結果)が送られてくると、第1処理部330は、送られてきた照合結果が成功であるか否かを判定する(ステップS1001)。
【0141】
照合結果が成功である場合(ステップS1001:YES)、第1処理部330は、第1記憶部350に第2変換キー及び第3変換情報を記憶する(ステップS1002)。一方、照合結果が失敗である場合(ステップS1001:NO)、上述したステップS1002は省略される。そして最後に、第1処理部330は、照合結果を出力する(ステップS1003)。
【0142】
(第1認証装置の照合処理)
図25に示すように、
図23のステップのS803の処理が開始されると、まず第1処理部330が、第1記憶部350から第2変換キー及び第3変換情報(即ち、第2認証装置400から送信されてきた情報)を読み出す(ステップS1101)。そして、第4変換部333は、特徴量抽出部310で抽出した特徴量を、第2変換キーを用いて変換し、第4変換情報を生成する(ステップS1102)。
【0143】
続いて、第1照合部422が、第4変換部333で生成された第4変換情報と、第1記憶部350から読みだした第3変換情報と、を照合する(ステップS1103)。第1照合部332による照合の結果、特徴量が一致したと判定された場合(ステップS1104:YES)、第1照合部332は、照合結果が成功であると出力する(ステップS1105)。
【0144】
他方、第1照合部332による照合の結果、特徴量が一致しないと判定された場合(ステップS1104:NO)、第1照合部332は、照合を登録人数分(即ち、第1記憶部350に登録されている分)繰り返したか否かを判定する(ステップS1106)。そして、登録人数分繰り返していないと判定されると(ステップS1106:NO)、第1処理部330が、次の第2変換キー及び第3変換情報を読み出し(ステップS1107)、再びステップS1102から処理が繰り返される。一方、登録人数分繰り返したと判定されると(ステップS1106:YES)、第1照合部332は、照合結果を失敗とし、
図22のステップS804の処理を開始する。
【0145】
図23から
図26で説明した一連の処理は、照合対象(即ち、登録ユーザ)が多いほど処理量が多くなる。よって、第1認証装置300に対して、多くの第2認証装置400が接続されているような場合(例えば、テナントの数が多い場合)には、認証処理の処理負荷が大きくなってしまう。このような処理負荷の増加を抑制するために、例えば照合対象の絞り込みを行うようにしてもよい。例えば、時間帯に応じて照合対象を絞り込んでおき、絞り込んだ照合対象から優先的に照合処理を行うようにしてもよい。この場合、例えば第2認証装置400が設置されるテナント等の出社時刻等に応じて、照合対象を絞り込むようにしてもよい。例えば、A社の出社時刻が9時半、B社の出社時刻が10時半の場合、9時から10時までの時間帯は、A社の社員に照合対象を絞り込み、10時から11時までの時間帯は、B社の社員に照合対象を絞り込んでもよい。
【0146】
(技術的効果)
次に、第8実施形態に係る入退管理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0147】
図22から
図26で説明したように、第8実施形態に係る入退管理システム10では、第1認証装置300及び第2認証装置400の各々において、変換キーの生成及び変換キーで生成した変換情報を用いた照合処理が実行される。このようにすれば、各テナント(即ち、第2認証装置400)に送信される情報は、ユーザの生体情報(特徴量)を第1変換キーで変換した情報(一方向に変換した情報)であるため、異なる日時に同一人物の認証を照会しても、テナント側では同一人物であることを比定できない。よって、テナント間でのプライバシーが守られることになる。
【0148】
また、エッジ端末(即ち、第1認証装置300)に保存するのは第2変換キー、及び第2変換キーで変換した第3変換情報となるため、氏名や勤務先等の個人情報は含まれず、個人情報が漏洩するリスクを低減することができる。更に、エッジ端末に保存される第2変換キー及び第3変換情報は、ユーザの生体情報そのものではないため、仮にそれらが漏洩したとしても、生体情報の漏洩とはならない。なお、変換情報は、それを変換した変換キーと紐付けることで特定の人物の生体情報に紐づくリスクがあるが、仮に変換情報と変換キーが漏洩したとしても、変換キーの再利用を禁止することで、認証処理時に該当者の特徴量が変換キーで変換されることはなくなり、漏洩した情報は個人情報ではなくなる。
【0149】
また、テナント側が生成する変換キー(即ち、第2変換キー)を1日~1ヶ月程度の有効期限を設定した共通の変換キーとすることで、エッジ端末に保存される変換キーを共通化することができ、エッジ端末の処理を高速化できる。この場合、変換キーをワンタイムキーとする場合と比べると安全性は低下するが、上述したテナント間のプライバシー保護、及びエッジ端末の情報が漏洩した場合の安全性は維持できる。
【0150】
上述した実施形態ではウォークスルーゲートの例を説明したが、このような形態に限定されるものではなく、例えばドア等にも適用することができる。また、本実施形態で説明した各認証装置は、マルチテナント方式で生体認証を行う各種システムに適用することができる。上述した実施形態では、エッジ端末で特徴量を抽出して照合を行い、各テナントでも照合を行う例を説明したが、エッジ端末及びテナントの構成はユースケースに応じて適宜変更することが可能である。
【0151】
上述した各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0152】
記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0153】
この開示は上記実施形態に限定されるものではない。この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う入退管理システム、入退管理方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体もまたこの開示の技術思想に含まれる。
【0154】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0155】
(付記1)
付記1に記載の入退管理システムは、特定領域を通過するユーザの画像認証を行う認証手段と、前記画像認証が成功した第1ユーザと、前記画像認証が失敗した第2ユーザと、が存在する場合に、前記第1ユーザの属性情報を取得する属性取得手段と、前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定する判定手段と、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する許可手段と、を備えることを特徴とする入退管理システムである。
【0156】
(付記2)
付記2に記載の入退管理システムは、前記許可手段は、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第2ユーザの画像を前記第1ユーザに提示し、前記1ユーザが前記画像に含まれる前記第2ユーザを同行者として認めた場合に、前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可することを特徴とする付記1に記載の入退管理システムである。
【0157】
(付記3)
付記3に記載の入退管理システムは、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの関係性の有無を判定する関係性判定手段を更に備え、前記許可手段は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの関係性がある場合に、前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可することを特徴とする付記1又は2に記載の入退管理システムである。
【0158】
(付記4)
前記推定手段は、前記第1ユーザからの入力に基づいて、該第1ユーザの前記許容人数を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の入退管理システムである。
【0159】
(付記5)
付記5に記載の入退管理システムは、前記判定手段は、前記第1ユーザが複数存在している場合に、複数の前記第1ユーザの各々について判定された前記許容人数を足し合わせて合計許容人数を算出し、前記許可手段は、前記第2ユーザの数が前記合計許容人数以下である場合に、前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の入退管理システムである。
【0160】
(付記6)
付記6に記載の入退管理システムは、前記ユーザに関する深度情報を取得する深度取得手段と、前記深度情報に基づいて、前記ユーザのシルエット画像を生成する生成するシルエット生成手段と、前記シルエット画像を出力するシルエット出力手段と、を備えることを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の入退管理システムである。
【0161】
(付記7)
付記7に記載の入退管理システムは、前記ユーザを誘導する誘導情報を生成する誘導情報生成手段を更に備え、前記シルエット出力手段は、前記シルエット画像と共に、前記誘導情報を出力することを特徴とする付記6に記載の入退管理システムである。
【0162】
(付記8)
付記8に記載の入退管理システムは、前記認証手段は、互いに通信可能な第1認証装置及び第2認証装置を含んでおり、前記第1認証装置は、前記ユーザの画像から特徴量を抽出する抽出手段と、第1変換キーを生成する第1変換キー生成手段と、前記抽出した特徴量を前記第1変換キーで変換して、第1変換情報を生成する第1変換手段と、前記第1変換キー及び前記第1変換情報を、前記第2認証装置に送信する第1送信手段と、を備え、前記第2認証装置は、登録ユーザの特徴量である登録特徴量を記憶する第2記憶手段と、前記登録特徴量を、前記第1変換キーで変換して第2変換情報を生成する第2変換手段と、前記第1変換情報と前記第2変換情報とを照合する第2照合手段と、前記第2照合手段による照合が成功した場合に、第2変換キーを生成する第2変換キー生成手段と、前記登録特徴量を前記第2変換キーで変換して、第3変換情報を生成する第3変換手段と、前記第2変換キー及び第3変換情報を、前記第1認証装置に送信する第2送信手段と、を備え、前記第1認証装置は更に、前記第2変換キー及び第3変換情報を記憶する第1記憶手段と、新たに抽出した特徴量を前記第2変換キーで変換して、第4変換情報を生成する第4変換手段と、前記第4変換情報と前記第3変換情報とを照合する第1照合手段と、を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の入退管理システムである。
【0163】
(付記9)
付記9に記載の入退管理方法は、特定領域を通過するユーザの画像認証を行い、前記画像認証が成功した第1ユーザと、前記画像認証が失敗した第2ユーザと、が存在する場合に、前記第1ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定し、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可する、ことを特徴とする入退管理方法である。
【0164】
(付記10)
付記10に記載のコンピュータプログラムは、特定領域を通過するユーザの画像認証を行い、前記画像認証が成功した第1ユーザと、前記画像認証が失敗した第2ユーザと、が存在する場合に、前記第1ユーザの属性情報を取得し、前記属性情報に基づいて、前記第1ユーザと同行可能な許容人数を判定し、前記第2ユーザの数が前記許容人数以下である場合に、前記第1ユーザと共に前記第2ユーザが前記特定領域を通過することを許可するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0165】
(付記11)
付記11に記載の記録媒体は、付記10に記載のコンピュータプログラムを記録していることを特徴とする記録媒体である。
【0166】
法令で許容される限りにおいて、この出願は、2021年3月23日に出願された日本出願特願2021-048491を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。また、法令で許容される限りにおいて、本願明細書に記載された全ての公開公報及び論文をここに取り込む。
【符号の説明】
【0167】
10 入退管理システム
11 プロセッサ
20 カメラ
110 画像認証部
120 属性取得部
130 許容人数判定部
131 人数合算部
140 通行許可部
141 画像送信部
142 入力受付部
150 関係性判定部
160 許容人数変更部
210 深度取得部
220 シルエット生成部
230 シルエット出力部
240 誘導情報生成部
300 第1認証装置
310 特徴量抽出部
320 第1変換キー生成部
330 第1処理部
331 第1変換部
332 第1照合部
333 第4変換部
340 第1送信部
350 第1記憶部
400 第2認証装置
410 第2記憶部
420 第2処理部
421 第2変換部
422 第2照合部
423 第3変換部
430 第2変換キー生成部
440 第2送信部