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特許7552873商品デザイン生成支援装置、商品デザイン生成支援方法、商品デザイン生成支援システムおよびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】商品デザイン生成支援装置、商品デザイン生成支援方法、商品デザイン生成支援システムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023510015
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2021013821
(87)【国際公開番号】W WO2022208720
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】高本 亮
(72)【発明者】
【氏名】オノロ ルビオ ダニエル
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-310454(JP,A)
【文献】特開平06-096113(JP,A)
【文献】蘇 文宰 他,パッケージのデザインエレメントが消費者の視覚的注意に及ぼす影響-缶コーヒーのパッケージに対する眼球運,日本感性工学会論文集,Vol.8,No.2,2009年,pp.407-417
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する取得手段と、
取得された前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を前記対象商品に対する視線の動きの特徴によって分類される複数のグループに分類する分類手段と、
前記複数のグループの個々に関する、含まれる対象人物の数の全体に占める割合を表す分類の結果を出力する出力手段と
を備える商品デザイン生成支援装置。
【請求項2】
前記視線情報は、前記対象デザインに対する前記対象人物の視線の軌跡と、前記対象デザインに対する前記対象人物の視線滞在時間との少なくとも一方を含む
請求項1に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記対象人物に関する人物属性情報をさらに取得し、
前記分類手段は、前記人物属性情報にさらに基づいて、前記複数の対象人物を分類する
請求項1又は請求項2に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記対象デザインに対する前記対象人物の見解情報をさらに取得し、
前記分類手段は、前記見解情報にさらに基づいて、前記複数の対象人物を分類する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項5】
前記分類手段は、前記対象デザインに対する前記対象人物の前記視線情報に基づいて前記対象人物の分類理由を推定し、
前記出力手段は、前記分類理由をさらに出力する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項6】
前記デザイン情報は、前記対象デザインを表すデザイン画像を含み、
前記出力手段は、さらに、前記デザイン画像と、前記見解情報とを出力する
請求項4に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項7】
前記デザイン情報は、前記対象デザインを表すデザイン画像を含み、
前記出力手段は、さらに、前記デザイン画像と、前記視線情報とを出力する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項8】
前記分類手段は、クラスタリングモデルを用いて、前記複数の対象人物を前記複数のグループに分類し、
前記クラスタリングモデルは、前記視線情報に基づいた前記対象人物の特徴量を用いて、前記複数の対象人物を前記複数のグループに分類するモデルである
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
【請求項9】
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する取得手段と、
取得された前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を前記対象商品に対する視線の動きの特徴によって分類される複数のグループに分類する分類手段と、
前記複数のグループの個々に関する、含まれる対象人物の数の全体に占める割合を表す分類の結果を出力する出力手段と
を備える商品デザイン生成支援システム。
【請求項10】
コンピュータによって、
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得し、
前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を前記対象商品に対する視線の動きの特徴によって分類される複数のグループに分類し、
前記複数のグループの個々に関する、含まれる対象人物の数の全体に占める割合を表す分類の結果を出力する
商品デザイン生成支援方法。
【請求項11】
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する処理と、
前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を前記対象商品に対する視線の動きの特徴によって分類される複数のグループに分類する処理と、
前記複数のグループの個々に関する、含まれる対象人物の数の全体に占める割合を表す分類の結果を出力する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品のデザインの見え方の情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
新商品やリニューアル商品のデザインを決定する際に、それ以前に収集された商品のデザインについての商品購入者からのアンケート回答やモニタ調査の結果を参考にすることがある。
【0003】
なお、特許文献1(特開2017-41123号公報)には、商品の販売促進をどのように行えばよいかという知見を得るための技術が開示されている。特許文献1に示されているシステムは、対象物(商品)に対する視線の量を示す数値と、当該対象物に対する興味を示す数値とに基づいて、商品の課題点を示す情報(例えば、商品のパッケージを改善すればよいのか、商品のブランド力を向上させればよいのかというような情報)を出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-41123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したようなアンケート回答やモニタ調査の結果から得られる商品のデザインについての情報は、例えば、明るい感じで良いと思ったとか、色の組み合わせが好きではないとか、キャラクタの絵が可愛いというような単なる印象である場合が多い。このため、商品開発者やデザイナーは、そのようなアンケート回答やモニタ調査の結果から、商品のデザインのどの部分に注力して商品のデザイン設計(生成)をすればよいかを判断することが困難な場合がある。
【0006】
また、特許文献1に示されているシステムから出力された情報を参照するとした場合、商品開発者やデザイナーは、商品のパッケージに改善すべき点があるか否かを把握することはできる。しかしながら、商品のパッケージに改善すべき点がある場合に、システムから出力される上記の情報は、改善すべき点があることを示す情報であるから、当該情報を参照しても、商品のデザインのどの部分に注力して商品のデザイン設計(生成)をすればよいかを商品開発者やデザイナーが判断することは難しいと考えられる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するために考え出された。すなわち、本発明の主な目的は、商品のデザイン設計(生成)を支援できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品デザイン生成支援装置は、その一態様として、
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する取得部と、
取得された前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類する分類部と、
前記分類の結果を出力する出力部と
を備える。
【0009】
また、本発明に係る商品デザイン生成支援方法は、その一態様として、
コンピュータによって、
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得し、
前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類し、
前記分類の結果を出力する。
【0010】
さらに、本発明に係るプログラム記憶媒体は、その一態様として、
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する処理と、
前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類する処理と、
前記分類の結果を出力する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、商品のデザイン設計(生成)を好適に支援できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態における商品デザイン生成支援装置の構成を説明する図である。
図2】デザイン要素を説明する図である。
図3】会場調査の一例を説明する図である。
図4】視線の軌跡と視線滞在時間を説明する図である。
図5】さらに、視線の軌跡と視線滞在時間を説明する図である。
図6】グラフ(知識グラフ)の一例を表す図である。
図7】クラスタの情報を表す表示例を示す図である。
図8】第1の実施形態における商品デザイン生成支援装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図9】第2の実施形態で用いられるグラフ(知識グラフ)の一例を表す図である。
図10】分類理由の表示例を表す図である。
図11】第4の実施形態で用いられるグラフ(知識グラフ)の一例を表す図である。
図12】その他の実施形態を説明する図である。
図13】その他の実施形態における商品デザイン生成支援装置の構成を説明する図である。
図14】その他の実施形態における商品デザイン生成支援装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る第1の実施形態の商品デザイン生成支援装置の構成を説明する図である。第1の実施形態の商品デザイン生成支援装置1は、対象商品のデザインの見え方についての情報を提供する機能を備えている。なお、以下の説明では、商品デザイン生成支援装置を略して、支援装置とも称する。
【0015】
対象商品とは、ここでは、デザインについて調査したい調査対象の商品である。商品には、食品や玩具や雑貨や家具や家電や衣類などの形がある物だけでなく、サービスや情報などの無形なものもあるが、ここでの商品は有形な物とし、商品のデザインとは、商品の形状、模様、色彩、若しくはそれらの組み合わせなどである。また、商品のなかには、パッケージに、食品や玩具や雑貨などの内容物が収容された形態の商品がある。このようなパッケージを含む商品の場合、支援装置1が対象とする商品のデザインとは、パッケージと、その内容物とのうちの一方だけのデザインである場合もあるし、パッケージと内容物のそれぞれ又は組み合わせのデザインである場合もある。支援装置1は、そのような何れのデザインにも対応可能であるが、第1の実施形態では、商品のパッケージのデザイン(以下、パッケージデザインとも称する)を例にして、支援装置1の構成について説明する。
【0016】
支援装置1はコンピュータ(例えば、データセンターに配置されるサーバなど)であり、図1に表されるように、端末装置3と例えば有線又は無線の情報通信網を介して接続可能となっている。端末装置3は、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末などであり、例えば、当該端末装置3から支援装置1に、対象商品のデザイン情報と、対象商品に対する複数の人物の視線情報とが送信される。
【0017】
デザイン情報は、対象商品のデザインを表す情報である。第1の実施形態では、デザイン情報は、図2に表されるようなデザイン画像32を含む。デザイン画像32は、商品のデザインを撮影した撮影画像や、商品のデザインが描かれているイラスト画像などの商品のデザインが表されている画像である。
【0018】
また、第1の実施形態では、デザイン情報は、デザイン画像32だけでなく、デザイン要素の説明情報33も含む。デザイン要素とは、デザインを構成する要素であり、例えば、図2に表されるような缶飲料のパッケージデザインにおいては、メインタイトル、キャッチコピー、キービジュアル、ベースデザイン、製品説明(原材料名、製造会社名、内容量、アルコール度数など)、栄養表示、誤飲防止用表示がある。また、図2には図示されていないが、デザイン要素として、缶の材質マーク(アルミ、スチールなど)、注意書き(「空き缶はゴミ箱へ」、「お酒は20歳になってから」など)、二次元コード、味を表す表示、飲料種別の表示、主材料の産地表示などもある。さらにまた、デザイン要素として、パッケージの特徴的な形状の情報、パッケージの材料の情報などもある。
【0019】
デザイン要素の説明情報33は、上記のようなデザイン要素を表す名称(例えば、メインタイトル、キービジュアルなど)と、デザイン画像32におけるデザイン要素の位置を表す情報と、デザインに関係する情報とを含む。デザインに関係する情報とは、例えば、パッケージにおける配置位置を表す情報や、大きさの情報(例えば、パッケージ全体の表面積に占める占有面積の比率(占有率)、文字のフォントサイズ等)、色系統を表す情報などである。
【0020】
第1の実施形態では、対象商品のデザイン情報は、端末装置3から支援装置1に送信される。
【0021】
人物の視線情報とは、人物の視線に関する情報であり、視線情報としては、例えば、視線の軌跡や視線滞在時間などがある。視線の軌跡とは、人物が対象商品のデザインを見ているときの視線の動きである。また、視線滞在時間とは、人物が対象商品のデザインを見ているときに視線が止まった部分での視線が止まっていた時間である。このような視線情報は、例えば、対象商品のデザインについての会場調査(CLT(Central Location Test))が実施される会場(調査会場)において取得可能である。会場調査とは、予め設定した会場(調査会場)に調査対象者(モニタ)を集めて、アンケート(インタビューも含む)を行う調査手法である。例えば、商品のデザインについての会場調査では、商品のデザインを見て、購入したいと思ったか否かの購入意向がモニタに質問される。また、商品のデザインについての見解(コメント)がモニタに要求される。
【0022】
図3は、商品30のパッケージデザインについての会場調査が行われている調査会場の様子の一例を表す図である。調査会場では、例えば図3に表されるように、パッケージデザインが互いに異なる複数の商品30が並んでいる。このように並んでいる商品30を見ているモニタ40の少なくとも顔が撮影装置5により撮影される。この撮影により得られた撮影画像(又は撮影動画)の分析により、モニタ40が商品30のそれぞれについて、どのように視線を動かしてパッケージデザインを見たかというような視線に関する情報が得られる。図4は、撮影画像の分析により取得される視線に関する情報をイメージで表す図である。図4の例では、商品30のパッケージデザインの画像に、当該商品30に対する対象人物の視線の軌跡を表す線と、視線滞在時間を表す図形画像とが重畳されている。視線滞在時間を表す図形は、視線が止まった部分に位置し、視線滞在時間に応じた面積を持つ。また、ここでの対象人物とは、商品30を見ている人物であり、その一例として、会場調査の対象者(モニタ)である。なお、図4の例では、視線滞在時間は図形画像により表されているが、視線滞在時間は必ずしも図形画像で表されなくてもよい。例えば、視線滞在時間は数字で表される時間(秒数)であってもよい。
【0023】
また、撮影画像の分析によって、モニタ40が、並んでいる複数の商品30をどのような順番で見たか、何処で視線を止めたかというような視線に関する情報も得られる。図5は、並んでいる複数の商品30についての、撮影画像の分析により取得される視線に関する情報をイメージで表す図である。図5の例においても、図4と同様に、複数の並んでいる商品30のパッケージデザインの画像に、視線の軌跡を表す線と、視線滞在時間を表す図形画像とが重畳されている。
【0024】
視線情報としては、さらに、商品に対する視認時間、視認回数、視認率などもある。視認時間とは、モニタ40(対象人物)が或る一つの商品30を見ていた時間である。視認回数とは、複数の商品30が並んでいる状況において、モニタ40が或る一つの商品30を見た回数である。視認率とは、並んでいる複数の商品30をモニタ40が見ていた時間に対する或る一つの対象商品を見た時間の割合、あるいは、複数の商品30のそれぞれをモニタ40が見た総回数に対する或る一つの商品30を見た回数の割合である。なお、会場調査の調査会場等において、商品として実際に販売されていない試作品や比較品なども並べられることがある。ここでは、そのような試作品や比較品などをも含めて商品として称することとする。
【0025】
第1の実施形態では、調査会場に並んでいる複数の商品30の一つを調査対象の商品(つまり、対象商品)とし、当該調査対象の商品(対象商品)に対する複数の対象人物(モニタ40)の視線情報が端末装置3から支援装置1に送信される。なお、以下の説明では、対象商品(調査対象の商品)を他の商品30と区別するために、対象商品30Sとも記載する。また、対象商品30Sのデザインを対象デザインとも称する。また、端末装置3が送信する視線情報は、端末装置3による撮影画像の分析により得られた情報である場合もあるし、端末装置3とは別のコンピュータ装置による撮影画像の分析により得られ端末装置3が取得した情報である場合もある。
【0026】
第1の実施形態における支援装置1は、図1に表されるように、演算装置10と、記憶装置20とを備えている。記憶装置20は、各種データや、支援装置1の動作を制御するコンピュータプログラム(以下、プログラムとも称する)21を記憶する構成を有し、例えば、ハードディスク装置や半導体メモリ等の記憶媒体により構成される。支援装置1に備えられる記憶装置は一つに限定されず、複数種の記憶装置が支援装置1に備えられていてもよく、この場合には、複数の記憶装置をまとめて記憶装置20と称する。
【0027】
第1の実施形態では、記憶装置20には、さらに、演算装置10が用いるモデル22,23が記憶されている。モデル22は、グラフ(知識グラフとも称される)のノードとエッジを、グラフAI(Artificial Intelligence)技術を用いてベクトル化するモデルである。モデル23は、複数のデータを複数のグループ(以下、クラスタとも称する)に分類するクラスタリングモデルであり、例えば非階層型クラスタリング手法が用いられる。
【0028】
なお、支援装置1は、図1の点線に表されるような外部の記憶装置25と接続されていてもよく、モデル22,23は、内蔵の記憶装置20に代えて、記憶装置25に記憶されていてもよい。この場合には、支援装置1は、記憶装置25と有線又は無線により通信することにより、モデル22,23を利用することができる。
【0029】
演算装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサにより構成される。演算装置10は、プロセッサが記憶装置20に格納されているプログラム21を実行することにより、様々な機能を有することができる。第1の実施形態では、演算装置10は、機能部として、取得部11と、分類部12と、出力部13とを備えている。
【0030】
すなわち、取得部11は、端末装置3から送信された対象商品のデザイン情報と、その対象商品の対象デザインを見た複数の対象人物(モニタ40)の視線情報とを取得する。取得部11が取得する視線情報は、前述したような撮影装置5による撮影画像の分析により得られる視線に関する情報であり、例えば、視線の軌跡と視線滞在時間とのうちの少なくとも一つを含んでいる。
【0031】
なお、上記の例では、取得部11は、端末装置3から視線情報を取得している。これに代えて、例えば、端末装置3は、分析前の撮影画像を支援装置1に送信し、支援装置1を構成するコンピュータ(サーバ)が、端末装置3から受信した撮影画像を分析することによって視線情報を生成し、取得部11は、その生成された視線情報を取得してもよい。また、取得部11により取得されたデザイン情報と視線情報は、記憶装置20に格納される。


【0032】
分類部12は、取得部11により取得されたデザイン情報および視線情報に基づいて、複数の対象人物を複数のグループ(クラスタ)に分類する。第1の実施形態では、分類部12による対象人物の分類は、モデル22,23を用いて実行される。
【0033】
例えば、分類部12は、まず、取得部11により取得されたデザイン情報および人物の視線情報を用いて、図6に表されるようなグラフ(例えば知識グラフ等)を生成する。生成されるグラフは、対象商品30Sのデザイン31および対象人物(モニタ40)をノードとし、視線情報をエッジとするグラフである。
【0034】
そして、分類部12は、グラフAIの技術により、モデル22を用いてグラフ内のノードやエッジのベクトル化を行う。すなわち、グラフ内のノードやエッジに係る情報は、モデル22を用いて特徴ベクトルに変換される。
【0035】
さらに、分類部12は、ノードそれぞれを表す特徴ベクトルと、クラスタリング用のモデル23とに基づいて、複数の対象人物を複数のクラスタに分類する。つまり、モデル23は、視線情報に基づいた複数の対象人物(モニタ40)の特徴量を用いて、複数の対象人物を複数のクラスタ(グループ)に分類するモデルである。
【0036】
分類部12によりモニタ40が分類されるクラスタの具体例としては、キービジュアルよりもタイトルを長く見た人物のクラスタ(モニタ全体の19%)や、キービジュアルを最初に見た人物のクラスタ(モニタ全体の24%)や、全体を走査するように見た人物のクラスタ(モニタ全体の7%)などがある。このようなクラスタの情報は、記憶装置20に格納される。
【0037】
出力部13は、分類部12による分類の結果を出力する。例えば、出力部13は、分類の結果として、クラスタを表すクラスタ情報を出力する。クラスタ情報の一例としては、クラスタ毎に、クラスタを識別するクラスタ識別情報と、当該クラスタに特徴的な視線情報を表す情報と、例えばモニタ全体に対するクラスタに分類される人物の割合の情報とを含む情報がある。このようなクラスタ情報は、例えば、端末装置3に送信され、端末装置3の表示制御動作によって表示装置に表示される。図7は、対象人物の分類結果を表す表示装置の表示例を示す図である。図7の例では、対象商品30Sのデザイン画像32が表示され、また、対象商品30Sのデザインを見た対象人物を視線情報に基づいて分類(クラスタリング)したことによるクラスタの情報がグラフを利用して表されている。
【0038】
第1の実施形態における支援装置1は上記のように構成されている。以下に、支援装置1の演算装置10における対象商品30Sのデザインに関する対象人物の分類(クラスタリング)の動作の一例を図8に基づいて説明する。図8は、演算装置10における対象商品30Sのデザインに関する対象人物の分類動作の一例を表すフローチャートである。
【0039】
まず、例えば、端末装置3から送信された対象商品30Sのデザイン情報と、対象商品30Sのデザイン31に対する対象人物(モニタ40)の視線情報とを、演算装置10の取得部11が取得する(ステップ101)。その後、分類部12が、取得したデザイン情報と、人物の視線情報とを用いて、デザインおよび人物をノードとし、視線情報をエッジとするグラフを生成する。さらに、分類部12は、モデル22を用いて、グラフにおけるノードやエッジの特徴ベクトルを生成する(ステップ102)。
【0040】
その後、分類部12は、ノードを表す特徴ベクトルと、モデル23とを用いて、複数の対象人物を複数のクラスタに分類する(ステップ103)。そして、出力部13は、対象人物の分類結果として、クラスタ情報を出力する(ステップ104)。なお、演算装置10は、例えば、対象商品30Sを順次、別の商品30に代えて、上記同様の動作を行うことにより、複数の商品30のそれぞれについて対象人物のクラスタの情報を取得できる。
【0041】
第1の実施形態における支援装置1は、対象商品30Sのデザイン31に関し、上記のように視線情報を用いて対象人物を分類し、当該分類の結果を出力する構成を備えている。商品開発者やデザイナーなどは、そのような支援装置1により提供される情報を利用することによって、商品のデザインのどの部分に注力して商品のデザイン設計(生成)をすればよいかを判断することが容易となる。このように、支援装置1は、商品のデザインの設計や決定に有効な情報を生成して提示することによって、商品のデザイン設計(生成)を好適に支援できるという効果を奏する。
【0042】
また、特に、支援装置1は、商品購入者やモニタの単なる印象ではなく、上記の如く視線情報を利用していることから、対象商品のデザインの見え方についての情報として、視線情報という科学的な根拠を示すことができる情報を提供できる。
【0043】
<第2の実施形態>
以下に、本発明に係る第2の実施形態を説明する。なお、第2の実施形態の説明において、第1の実施形態の商品デザイン生成支援装置(支援装置)1を構成する構成部分と同一の名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0044】
第2の実施形態の支援装置1は、対象人物(モニタ40)の分類に関し、対象人物の見解情報をも用いる。見解情報とは、商品のデザインについて会場調査等の調査を行った場合に、例えばアンケートにより得られる対象商品30Sのデザイン31に対するモニタ40の見解を表す情報である。具体的には、見解情報として、対象商品30Sを見て当該対象商品30Sを購入したいと思ったか否かを表す見解(以下の説明では、購入意向とも称する)や、対象商品30Sのデザイン31に対するコメントを表すテキストなどがある。
【0045】
すなわち、第2の実施形態では、演算装置10の取得部11は、第1の実施形態で説明したデザイン情報と対象人物(モニタ40)の視線情報に加えて、対象人物(モニタ40)の見解情報を取得する。なお、見解情報は、商品デザインに対するモニタの見解を示す情報であれば上記に限定されない。
【0046】
分類部12は、取得部11により取得された情報を用いて、図9に表されるようなグラフを生成する。図9に表されるグラフは、視線情報および見解情報をエッジとし、対象商品30Sのデザイン31および対象人物(モニタ40)をノードとするグラフである。分類部12は、グラフAI技術により、モデル22を用いて、そのような見解情報をも用いたグラフのノードやエッジの特徴ベクトルを生成する。
【0047】
分類部12は、見解情報を含むグラフにおけるノードの特徴ベクトルを用いて、対象人物(モニタ40)を複数のクラスタに分類する。そのクラスタの具体例としては、見解情報が反映された、購入意向が高くてキービジュアルに注目する対象人物のクラスタ、色についてのコメントが多くて栄養表示の視線滞在時間が長い対象人物のクラスタなどがある。
【0048】
第2の実施形態の支援装置1における上記以外の構成は、第1の実施形態の支援装置1の構成と同様である。
【0049】
第2の実施形態の支援装置1は、第1の実施形態と同様に、対象商品30Sのデザイン31に関し、視線情報を用いて複数の対象人物を複数のクラスタに分類した分類結果を出力することから、第1の実施形態の支援装置1と同様の効果を奏する。また、第2の実施形態の支援装置1は、デザイン31に対する対象人物の見解情報をも含めて対象人物の分類を行うことから、商品のデザインの見え方としてのより有効な情報を提供でき、商品のデザイン設計(生成)を好適に支援できる。
【0050】
<第3の実施形態>
以下に、本発明に係る第3の実施形態を説明する。なお、第3の実施形態の説明において、第1又は第2の実施形態の商品デザイン生成支援装置(支援装置)1を構成する構成部分と同一の名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0051】
第3の実施形態の支援装置1は、第1又は第2の実施形態の支援装置1の構成に加えて、分類部12が対象人物の分類理由を推定し、出力部13がその分類理由を出力する機能を備えている。すなわち、第3の実施形態では、分類部12は、対象商品30Sのデザイン31に関し、視線情報に基づいて複数の対象人物を複数のクラスタに分類するだけでなく、その分類理由を推定する。分類理由を推定する手法として、例えば、分類部12は、分類理由推定用のモデルを用いる。分類理由推定用のモデルは、記憶装置20あるいは記憶装置25に格納されており、対象人物の特徴ベクトルに基づいて複数の対象人物を複数のクラスタに分類(クラスタリング)するルールを学習したモデルである。第3の実施形態では、このモデルは、対象人物の分類に用いられるのではなく、分類理由の推定に用いられる。つまり、分類部12は、モデル22,23によって複数の対象人物を複数のクラスタに分類した後に、当該分類結果となるように対象人物を分類するルールを分類理由推定用モデルによって推定する。そして、分類部12は、分類理由推定用モデルにより推定されたルールを利用して、分類理由を推定する。例えば、図7に表されているように、対象人物が複数のクラスタに分類されたとする。また、この分類結果に基づいたモデルのルール推定動作により、クラスタAに分類されている対象人物が当該クラスタAに分類されたルールの一つとして、例えば、キービジュアルを最初に見たというルールが含まれていると推定されたとする。このような場合には、分類部12は、クラスタAに分類された対象人物がクラスタAに分類された理由として、例えば、その対象人物はキービジュアルに強くインパクトを受けたから、という理由を推定する。
【0052】
出力部13は、クラスタ情報に加えて、分類部12により推定された分類理由の情報を出力する。この分類理由の情報には、例えば、対応するクラスタを識別するクラスタ識別情報が含まれている。分類理由の情報は、例えば、端末装置3に送信され、端末装置3の表示制御動作によって表示装置に表示される。図10は、分類理由を表す表示装置の表示例を示す図である。図10の例では、クラスタ情報が表示されている表示装置の画面35において、ポインタ37により指定されたクラスタに関する分類理由がポップアップ表示されている。
【0053】
第3の実施形態の支援装置1における上記以外の構成は、第1又は第2の実施形態の支援装置1の構成と同様である。
【0054】
第3の実施形態の支援装置1は、第1又は第2の実施形態と同様に、対象商品30Sのデザイン31に関し、視線情報を用いて複数の対象人物を複数のクラスタに分類した分類結果を出力することから、第1又は第2の実施形態の支援装置1と同様の効果を奏する。また、第3の実施形態の支援装置1は、対象人物の分類理由を出力することから、クラスタを解釈し易くする情報を提供できる。
【0055】
<第4の実施形態>
以下に、本発明に係る第4の実施形態を説明する。なお、第4の実施形態の説明において、第1~第3の実施形態の商品デザイン生成支援装置(支援装置)1を構成する構成部分と同一の名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0056】
第4の実施形態の支援装置1は、対象人物の分類に関し、対象人物(モニタ40)に関する人物属性情報をも用いる。人物属性情報の例としては、年齢、ライフスタイルの情報(例えば、一日の食事の回数や食事の時間帯などの食事についての情報、一週間における運動量、睡眠時間、起床時間、就寝時間、通勤時間)、嗜好情報、趣味などがある。支援装置1が用いる人物属性情報は、対象商品の種類などを考慮して適宜に設定される。
【0057】
第4の実施形態では、人物属性情報は、例えば端末装置3から支援装置1に送信される。当該人物属性情報は、会場調査等の調査でのアンケートにより取得可能である。また、モニタ40が、例えば、上記のような属性情報を予め登録している人たちの中から選定された人である場合には、その登録情報から人物属性情報を取得することができる。
【0058】
取得部11は、第1~第3の実施形態において取得する情報に加えて、上記のような人物属性情報をも取得する。
【0059】
分類部12は、第1~第3の実施形態と同様に、図11のようなグラフ(知識グラフ)を生成した後に、当該グラフにおけるノードやエッジの特徴ベクトルを生成するが、第4の実施形態では、その特徴ベクトルは、人物属性情報に基づくベクトル要素を含む。
【0060】
分類部12は、そのような人物属性情報をも含む特徴ベクトルを用いて、対象人物(モニタ40)を複数のクラスタに分類する。第4の実施形態におけるクラスタの具体例としては、人物属性情報が反映された、週に一回程度の頻度で飲酒してタイトルに注目した人物のクラスタや、スポーツ好きで一目で購入したいと思った人物のクラスタなどがある。
【0061】
第4の実施形態の支援装置1における上記以外の構成は、第1~第3のいずれかの実施形態の支援装置1の構成と同様である。
【0062】
第4の実施形態の支援装置1は、第1~第3の実施形態と同様に、対象商品30Sのデザイン31に関し、視線情報を用いて複数の対象人物を複数のクラスタに分類した分類結果を出力することから、第1~第3の実施形態の支援装置1と同様の効果を奏する。また、第4の実施形態の支援装置1は、人物属性情報が反映されたクラスタを生成する。このため、商品のデザイン設計に際して、注目したい人物のグループが定まっている場合には、商品開発者やデザイナーなどは、その注目したい人物のグループに対応する人物属性情報が関係するクラスタの情報を参考にすることによって、よりデザイン設計に有効な情報を取得しやすくなる。
【0063】
<その他の実施形態>
なお、本発明は第1~第4の実施形態に限定されずに、様々な実施の態様を採り得る。例えば、第1~第4の実施形態では、商品のデザインとしてパッケージデザインを例にして、支援装置1について説明しているが、第1~第4の実施形態の支援装置1が対象とする対象商品のデザインは、パッケージデザインに限定されない。例えば、第1~第4の実施形態の支援装置1が対象とする対象商品のデザインは、パッケージに収容される物のデザインであってもよいし、パッケージが無い商品そのもののデザインであってもよい。
【0064】
また、第1~第4の実施形態では、対象商品の対象デザインに対する対象人物の視線情報や見解情報が会場調査にて取得される例を示している。これに代えて、対象商品の対象デザインに対する対象人物の視線情報や見解情報は、例えば街頭でのアンケート調査にて取得されてもよい。この場合においては、対象人物は街頭でアンケートに回答している人物であり、対象人物の視線情報は、アンケート回答中の対象人物を前述と同様に撮影装置により撮影した撮影画像(又は撮影動画)から取得可能である。さらに、第1~第4の実施形態では、対象人物が対象商品30Sを直接に見ている場合の視線情報や、対象商品30Sを直接に見たことによる見解情報が用いられている。これに代えて、例えば、新聞や雑誌やテレビやウェブサイトでの広告や、公共交通機関内での広告に載っている対象商品30Sを対象人物が見ている場合の視線情報や、そのような広告に載っている対象商品30Sを対象人物が見たことによる見解情報が用いられてもよい。
【0065】
また、第1~第4の実施形態の支援装置1は、例えば接続している端末装置3と共に商品デザイン生成支援システムを構築してもよい。
【0066】
さらに、第1~第4の実施形態では、分類部12は、クラスタリングモデル23を利用して、複数の対象人物を複数のグループ(クラスタ)に分類している。これに代えて、分類部12は、例えば統計処理を用いて対象人物を分類するというような他の手法によって、デザインを複数のグループに分類してもよい。
【0067】
さらに、第2~第4の実施形態に加えて、出力部13は、対象商品30Sのデザインに対する見解情報や視線情報を、対応するデザイン要素に関連付け可能な状態で出力してもよい。図12には、そのような見解情報や視線情報が端末装置3に送信された場合における表示装置の表示例が表されている。図12の例では、対象商品30Sのデザイン画像32が表示されている表示装置の画面35において、ポインタ37により指定されたデザイン要素に対応する見解情報と視線情報がポップアップ表示されている。なお、図12の例では、見解情報と視線情報の両方がポップアップ表示されているが、見解情報と視線情報は、取得部11により取得された後に端末装置3に送信されるものである。このため、取得部11の取得状況によっては、見解情報と視線情報の一方は画面35に表示されない場合も有り得る。
【0068】
図13は、商品デザイン生成支援装置の最小構成を表すブロック図である。この商品デザイン生成支援装置50は、取得部51と、分類部52と、出力部53とを備えている。商品デザイン生成支援装置50は、例えば、コンピュータ装置であり、第1~第4の実施形態と同様に、取得部51と分類部52と出力部53が実現される。
【0069】
取得部51は、対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する。分類部52は、取得されたデザイン情報および視線情報に基づいて、複数の対象人物を複数のグループに分類する。出力部53は、その分類の結果を出力する。
【0070】
図14は、商品デザイン生成支援装置50の動作の一例を説明するフローチャートである。例えば、取得部51が、対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する(ステップ201)。その後、分類部52は、取得されたデザイン情報および視線情報に基づいて、複数の対象人物を複数のグループに分類する(ステップ202)。そして、出力部53が、分類の結果を出力する(ステップ203)。
【0071】
商品デザイン生成支援装置50は上記のような構成を備えていることにより、商品のデザインの設計や決定に有効な情報を生成して提示できるという効果を奏する。
【0072】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する取得手段と、
取得された前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類する分類手段と、
前記分類の結果を出力する出力手段と
を備える商品デザイン生成支援装置。
(付記2)
前記視線情報は、前記対象デザインに対する前記対象人物の視線の軌跡と、前記対象デザインに対する前記対象人物の視線滞在時間との少なくとも一方を含む
付記1に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記3)
前記取得手段は、前記対象人物に関する人物属性情報をさらに取得し、
前記分類手段は、前記人物属性情報にさらに基づいて、前記複数の対象人物を分類する
付記1又は付記2に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記4)
前記取得手段は、前記対象デザインに対する前記対象人物の見解情報をさらに取得し、
前記分類手段は、前記見解情報にさらに基づいて、前記複数の対象人物を分類する
付記1から付記3のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記5)
前記分類手段は、前記対象デザインに対する前記対象人物の前記視線情報に基づいて前記対象人物の分類理由を推定し、
前記出力手段は、前記分類理由をさらに出力する
付記1から付記4のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記6)
前記デザイン情報は、前記対象デザインを表すデザイン画像を含み、
前記出力手段は、さらに、前記デザイン画像と、前記見解情報とを出力する
付記4に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記7)
前記デザイン情報は、前記対象デザインを表すデザイン画像を含み、
前記出力手段は、さらに、前記デザイン画像と、前記視線情報とを出力する
付記1から付記6のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記8)
前記分類手段は、クラスタリングモデルを用いて、前記複数の対象人物を前記複数のグループに分類し、
前記クラスタリングモデルは、前記視線情報に基づいた前記対象人物の特徴量を用いて、前記複数の対象人物を前記複数のグループに分類するモデルである
付記1から付記7のいずれか一項に記載の商品デザイン生成支援装置。
(付記9)
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する取得手段と、
取得された前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類する分類手段と、
前記分類の結果を出力する出力手段と
を備える商品デザイン生成支援システム。
(付記10)
コンピュータによって、
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得し、
前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類し、
前記分類の結果を出力する
商品デザイン生成支援方法。
(付記11)
対象商品の対象デザインを表すデザイン情報と、前記対象デザインに対する複数の対象人物の視線情報とを取得する処理と、
前記デザイン情報および前記視線情報に基づいて、前記複数の対象人物を複数のグループに分類する処理と、
前記分類の結果を出力する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶するプログラム記憶媒体。
【0073】
以上、前述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、前述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1,50 商品デザイン生成支援装置
11,51 取得部
12,52 分類部
13,53 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14