(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】尾端絞り抑制装置
(51)【国際特許分類】
B21B 37/72 20060101AFI20240910BHJP
B21B 37/68 20060101ALI20240910BHJP
B21B 37/38 20060101ALI20240910BHJP
B21B 33/02 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
B21B37/72
B21B37/68 Z
B21B37/38 Z
B21B33/02
(21)【出願番号】P 2023519371
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 JP2021048283
(87)【国際公開番号】W WO2023119640
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橘 稔
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-145303(JP,A)
【文献】特公昭50-035901(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 27/00 - 35/14
B21B 37/00 - 37/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に配置されたN基(N≧2)の圧延スタンドで被圧延材を圧延するタンデム圧延機のための尾端絞り抑制装置であって、
前記タンデム圧延機の第i圧延スタンド(1≦i≦N)それぞれは
、ワークロール及びバックアップロールと、予め設定されたロールベンダー圧力で前記被圧延材を圧下する第iロールベンダー装置を有し、
前記被圧延材の尾端が1つの指定された第j圧延スタンド(1≦j≦N-1)を抜けたときから第N圧延スタンドを抜けるまでの間、前記第j圧延スタンドよりも下流の第j+1から第Nまでのロールベンダー装置における各ロールベンダー圧力を、前記第j+1から第Nまでのロールベンダー装置について予め設定された各ロールベンダー圧力から
、前記被圧延材が無い状態において前記第i圧延スタンドが有するワークロールとバックアップロールを接触させた状態における基準の圧力を示すバランス圧力まで、ランプ関数を用いて連続的に低下させる
尾端絞り抑制制御を行うこと、
を特徴とする尾端絞り抑制装置。
【請求項2】
鋼種および第N圧延スタンド出側目標板厚の組み合わせと、尾端絞り抑制に関する指定スタンドとの関係を複数定めた指定スタンド情報を記憶し、
前記第j圧延スタンドは、
前記被圧延材の鋼種と第N圧延スタンド出側目標板厚との組み合わせを入力として前記指定スタンド情報から選択された前記指定スタンドであること、
を特徴とする請求項1に記載の尾端絞り抑制装置。
【請求項3】
前記尾端絞り抑制制御において、前記第j+1から第Nまでの各ロールベンダー装置は、自らのロールベンダー装置におけるロールベンダー圧力が
前記バランス圧力に達すると、当該自らのロールベンダー装置におけるロールベンダー圧力を前記バランス圧力で保持すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の尾端絞り抑制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機のための尾端絞り抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間仕上圧延機により被圧延材を圧延する場合に発生するトラブルとして、被圧延材の絞り事故が知られている。被圧延材の絞り事故は、被圧延材の最尾端が、圧延スタンドを通過する際に張力が解放されて蛇行状態となり、圧延スタンドのサイドガイドに接触して、折れ重なるトラブルである。絞り事故が起こると、被圧延材の尾端に疵が発生し品質不良が発生する。更に、この絞り部分が圧延された結果ワークロールの表面に疵が生じ、以降の被圧延材にこの疵が転写して品質不良が発生する。
【0003】
絞り事故の原因となる蛇行を防止する技術として、以下の特許文献が知られている。
特許文献1は、蛇行を防止するために、被圧延材の尾端画像をモニターに表示し、オペレータが監視することを開示している。特許文献2は、蛇行を防止するために、板の蛇行量は板厚の左右非対称性(ウェッジ)及びその非対称性が蛇行に及ぼす影響(平行剛性)が圧延荷重を下げるほど小さくなることを考慮し、尾端が抜ける際に計算された量のロール間隔を開ける制御することを開示している。特許文献3は、蛇行を防止するために、スタンド間に設けられた複数の分割ロールからの検出されたトルク差に基づいて蛇行量を計算し、圧下レベリングを調整することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本特開2013-180322号公報
【文献】日本特開2002-096109号公報
【文献】国際公開第2012/086043号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように蛇行を防止する方法が開示されている。しかしながら、複雑な計算に基づく制御手法が必ずしも最適な手法であるとは限らない。よりシンプルな制御により被圧延材の蛇行による絞り事故を防止できることが望ましい。本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ロールベンダー装置を用いたシンプルな制御により被圧延材の蛇行による絞り事故を防止する手法を見出した。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ロールベンダー装置を用いて被圧延材が圧延ラインの中央を通るように制御し、被圧延材の蛇行および尾端絞りを防止できる尾端絞り抑制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点は、直列に配置されたN基(N≧2)の圧延スタンドで被圧延材を圧延するタンデム圧延機のための尾端絞り抑制装置に関連する。
前記タンデム圧延機の第i圧延スタンド(1≦i≦N)それぞれは、ワークロール及びバックアップロールと、予め設定されたロールベンダー圧力で前記被圧延材を圧下する第iロールベンダー装置を有する。
前記尾端絞り抑制装置は、前記被圧延材の尾端が1つの指定された第j圧延スタンド(1≦j≦N-1)を抜けたときから第N圧延スタンドを抜けるまでの間、前記第j圧延スタンドよりも下流の第j+1から第Nまでの各ロールベンダー装置における各ロールベンダー圧力を、前記第j+1から第Nまでのロールベンダー装置について予め設定された各ロールベンダー圧力から、前記被圧延材が無い状態において前記第i圧延スタンドが有するワークロールとバックアップロールを接触させた状態における基準の圧力を示すバランス圧力まで、ランプ関数を用いて連続的に低下させる尾端絞り抑制制御を行う。
【0008】
第2の観点は、第1の観点に加えて、次の特徴を更に有する。
前記尾端絞り抑制装置は、鋼種および第N圧延スタンド出側目標板厚の組み合わせと、尾端絞り抑制に関する指定スタンドとの関係を複数定めた指定スタンド情報を記憶する。
前記第j圧延スタンドは、前記被圧延材の鋼種と第N圧延スタンド出側目標板厚との組み合わせを入力として前記指定スタンド情報から選択された前記指定スタンドである。
【0009】
第3の観点は、第1又は2の観点に加えて、次の特徴を更に有する。
前記尾端絞り抑制制御において、前記第j+1から前記第Nまでの各ロールベンダー装置は、自らのロールベンダー装置におけるロールベンダー圧力が前記バランス圧力に達すると、当該自らのロールベンダー装置におけるロールベンダー圧力を前記バランス圧力で保持する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、尾端絞り抑制装置は、被圧延材が指定スタンドを抜けた場合に、後段スタンドのロールベンダー圧力を、この後段スタンドのロールベンダー装置について予め設定されたロールベンダー圧力からバランス圧力まで、ランプ関数を用いて連続的に下げる尾端絞り抑制制御を行うことで被圧延材にクラウンを生じさせる。これにより、被圧延材は圧延ラインの中央を通るように制御され、被圧延材の蛇行および尾端絞りは抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る仕上圧延機の構成例を説明するための図である。
【
図2】実施の形態に係る圧延スタンドのロールベンダー装置について説明するための図である。
【
図3】実施の形態に係る圧延スタンドのロールベンダー装置について説明するための図である。
【
図4】実施の形態に係る指定スタンド情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態に係るロールベンダー圧力の制御タイミングについて説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】実施の形態に係る制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0013】
実施の形態.
1.システム構成
図1は、熱間圧延ラインの仕上圧延機1の構成例を説明するための図である。
仕上圧延機1の上流には図示省略する加熱炉、粗圧延機、スケールブレーカなどが設けられている。仕上圧延機1の下流には図示省略するランアウトテーブル(ROT:Run Out Table)、コイラーなどが設けられている。
【0014】
仕上圧延機1は、直列に配置されたN基(N≧2)の圧延スタンド2を備えたタンデム圧延機である。
図1に示す仕上圧延機1は、7基(N=7)の圧延スタンド2(第1圧延スタンド21、第2圧延スタンド22、第3圧延スタンド23、第4圧延スタンド24、第5圧延スタンド25、第6圧延スタンド26、第7圧延スタンド27)を備える。仕上圧延機1は、帯状の鋼材(被圧延材3)を上流から下流へ一方向(矢印4)に連続して圧延する。仕上圧延により、被圧延材3の板厚、板幅などのサイズに関する最終品質が決定される。
【0015】
なお、圧延スタンド2の台数はこれに限定されるものではない。各圧延スタンドを特に区別しない場合は単に「圧延スタンド2」と記す。
【0016】
各圧延スタンド2は、ワークロール(WR:Work Roll)5とバックアップロール(BUR:Back Up Roll)6とを備えている。ワークロール5は、被圧延材3と接触しながら回転して被圧延材3を圧延する圧延ロールである。ワークロール5には、その回転軸を駆動する電動機及びそのドライブ装置が接続されている。バックアップロール6は、ワークロール5を支え、ワークロール5の回転軸方向のたわみを矯正する。バックアップロール6は、ワークロール5との間の摩擦により、ワークロール5の回転につれて回転させられる。
【0017】
なお、仕上圧延機1は、ワークロール5とバックアップロール6の間にさらに中間ロールを備えてもよい。
【0018】
各圧延スタンド2は、ロールベンダー圧力を制御するためのロールベンダー装置7、ワークロール5の速度を制御するドライブ装置(図示省略)、ロールギャップを制御するための圧下装置(図示省略)などの各種アクチュエータを備える。制御装置8は、最終スタンド出側目標板厚や最終スタンド出側目標温度などを満たすように計算された操作量に基づいて各種アクチュエータを制御する。また、制御装置8は、図示省略するセンサ(板厚計、速度計、温度計など)の測定値と目標値との差をフィードバックして各種アクチュエータを制御する。
【0019】
図2および
図3は、圧延スタンド2のロールベンダー装置7について説明するための図である。
各圧延スタンド2はロールベンダー装置7を備える。
図1に示す第i圧延スタンド(1≦i≦N)それぞれは、予め設定されたロールベンダー圧力で被圧延材3を圧下する第iロールベンダー装置(第1ロールベンダー装置71、第2ロールベンダー装置72、第3ロールベンダー装置73、第4ロールベンダー装置74、第5ロールベンダー装置75、第6ロールベンダー装置76、第7ロールベンダー装置77)を備える。各ロールベンダー装置を特に区別しない場合は単に「ロールベンダー装置7」と記す。
【0020】
ロールベンダー装置7は、ワークロール5の中心軸をたわませるようにロールを曲げるアクチュエータである。ロールベンダー装置7は、上下一対のワークロール5の回転軸の両端にロールベンダー圧力(ベンディング力)を付与するための油圧シリンダーを備える。
【0021】
図3の(A)に示すように、ロールベンダー圧力を高めることで、ワークロール両端部の圧延荷重が減少し、ワークロール中央部の圧延荷重が増加する。そのため、板クラウンを低減させることができる。板クラウンは、製品の板幅方向の中央と端部との板厚差である。また、
図3の(B)に示すように、ロールベンダー圧力を低めることで、ワークロール両端部の圧延荷重が増加し、ワークロール中央部の圧延荷重が減少する。そのため、板クラウンを増大させることができる。
【0022】
2.尾端絞り抑制制御
上述した仕上圧延機1により圧延を実施する場合、被圧延材の最尾端が、圧延スタンド2を通過する際に蛇行状態となり、通板性が悪化し、圧延スタンド2のサイドガイドに接触し折れ重なる「絞り事故」が発生しうる。そこで、本実施形態に係る制御装置8は、ロールベンダー装置7を適切に制御することで、被圧延材3の蛇行による尾端絞り事故を防止できる尾端絞り抑制部9を備えることとした。
【0023】
尾端絞り抑制部9は、被圧延材3の尾端が、1つの指定された第j圧延スタンド(1≦j≦N-1)を抜けたときから第N圧延スタンドを抜けるまでの間、第j圧延スタンドよりも下流の第j+1から第Nまでの各ロールベンダー装置7にロールベンダー圧力を連続的に低下させる。ロールベンダー圧力は、ランプ関数(ramp function)を用いて設定値から連続的に低下する。
【0024】
また、第j+1から第Nまでの各ロールベンダー装置は、ロールベンダー圧力がバランス圧力に達すると、ロールベンダー圧力をバランス圧力で保持する。バランス圧力は、被圧延材3が無い状態で、バックアップロール6とワークロール5を接触させた状態における基準の圧力である。
【0025】
(指定スタンド情報)
上述した指定スタンドである第j圧延スタンドは、指定スタンド情報に基づいて選択される。
図4は、本実施の形態に係る指定スタンド情報の一例を示す図である。指定スタンド情報は、被圧延材3の鋼種および第N圧延スタンド出側目標板厚の組み合わせと、尾端絞り抑制に関する指定スタンド(第j圧延スタンド)との関係を複数定めた情報である。指定スタンド情報は、制御装置8に予めメモリ82(
図6)に記憶されている。
【0026】
尾端絞り抑制制御は、尾端の蛇行による尾端絞りが発生しやすい、板厚が薄い被圧延材3に適応する。蛇行による尾端絞りが発生しやすい被圧延材3の第N圧延スタンド出側目標板厚は、例えば2.5mmである。一方、板厚が厚い被圧延材3に尾端絞り抑制制御が実施されると形状不良が生じるおそれがある。そのため、鋼種および第N圧延スタンド出側目標板厚の組み合わせによっては、蛇行による尾端絞りの発生に関する指定スタンドは必ずしも設定されない。
【0027】
尾端絞り抑制部9は、被圧延材3の鋼種と第N圧延スタンド出側目標板厚との組み合わせを入力として指定スタンド情報から指定スタンド(第j圧延スタンド)を選択する。なお、製品仕様に関する鋼種および第N圧延スタンド出側目標板厚は、圧延開始前に外部装置から取得可能である。
【0028】
3.制御例
図5を参照して、尾端絞り抑制制御の一例について説明する。
図5は、ロールベンダー圧力の制御タイミングについて説明するためのタイミングチャートである。
【0029】
t1は、被圧延材3の先端が第3圧延スタンド23に到達したタイミングである。t2は、被圧延材3の先端が第4圧延スタンド24に到達したタイミングである。t3は、被圧延材3の先端が第5圧延スタンド25に到達したタイミングである。t4は、被圧延材3の先端が第6圧延スタンド26に到達したタイミングである。t5は、被圧延材3の先端が最終スタンドである第7圧延スタンド27に到達したタイミングである。
【0030】
t6は、被圧延材3の尾端が第3圧延スタンド23から抜けたタイミングである。t7は、被圧延材3の尾端が第4圧延スタンド24から抜けたタイミングである。t8は、被圧延材3の尾端が第5圧延スタンド25から抜けたタイミングである。t9は、被圧延材3の尾端が第6圧延スタンド26から抜けたタイミングである。t10は、被圧延材3の尾端が最終スタンドである第7圧延スタンド27から抜けたタイミングである。
【0031】
図5に示す例では、指定スタンド(第j圧延スタンド)として第3圧延スタンド23(j=3)が選択されている。時刻t6において、被圧延材3の尾端は、指定スタンドである第3圧延スタンド23を通過する。これにより、被圧延材3の尾端は、第3圧延スタンド23のワークロール5による拘束力を失う。被圧延材3の尾端が第3圧延スタンド23を抜けた時刻t6から、指定スタンドより後段の各ロールベンダー装置7によるロールベンダー圧力下げが開始される。
【0032】
第4ロールベンダー装置74は、被圧延材3の尾端が第3圧延スタンド23を抜けた時刻t6から被圧延材3の尾端が第4圧延スタンド24を抜ける時刻t7にまでの間、ロールベンダー圧力を時刻t6の設定値から連続的に低下させる。
【0033】
第5ロールベンダー装置75は、時刻t6から被圧延材3の尾端が第5圧延スタンド25を抜ける時刻t8にまでの間、ロールベンダー圧力を時刻t6の設定値から連続的に低下させる。
【0034】
第6ロールベンダー装置76は、時刻t6から時刻t8までの間、ロールベンダー圧力を時刻t6の設定値から連続的に低下させる。時刻t8において、ロールベンダー圧力がバランス圧力に達すると、第6ロールベンダー装置76は、ロールベンダー圧力を低下させる制御を停止する。時刻t8から時刻t9までの間、ロールベンダー圧力はバランス圧力で保持される。
【0035】
第7ロールベンダー装置77は、時刻t6から時刻t8までの間、ロールベンダー圧力を時刻t6の設定値から連続的に低下させる。時刻t8において、ロールベンダー圧力がバランス圧力に達すると、第7ロールベンダー装置77は、ロールベンダー圧力を低下させる制御を停止する。時刻t8から時刻t10までの間、ロールベンダー圧力はバランス圧力で保持される。
【0036】
4.効果
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置8によれば、指定スタンドより後段の圧延スタンド2のロールベンダー圧力を下げることにより、被圧延材3の板形状を耳伸び(板幅方向の端部が中央部より伸びている状態)気味にする。これにより被圧延材3は圧延ラインの中央を通るように制御され、被圧延材3の蛇行および尾端絞りは抑制される。
【0037】
5.ハードウェア構成例
図6は、各実施の形態における尾端絞り抑制装置として機能する制御装置8が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。装置内の各部は機能の一部を示し、各機能は処理回路により実現される。一態様として、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ81と少なくとも1つのメモリ82とを備える。他の態様として、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア83を備える。
【0038】
処理回路がプロセッサ81とメモリ82とを備える場合、各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、メモリ82に格納される。プロセッサ81は、メモリ82に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
【0039】
処理回路が専用のハードウェア83を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、又はこれらを組み合わせたものである。各機能は処理回路で実現される。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数にこの発明が限定されるものではない。また、上述した実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
【符号の説明】
【0041】
1 仕上圧延機
2 圧延スタンド
3 被圧延材
5 ワークロール
6 バックアップロール
7 ロールベンダー装置
8 制御装置
9 尾端絞り抑制部
21-27 第1圧延スタンド-第7圧延スタンド
71-77 第1ロールベンダー装置-第7ロールベンダー装置
81 プロセッサ
82 メモリ
83 ハードウェア