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特許7552914放射線出射ウィンドウ上の接触を検出するための偏光放射線の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】放射線出射ウィンドウ上の接触を検出するための偏光放射線の使用
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A61L2/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023539948
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2021087827
(87)【国際公開番号】W WO2022152571
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21151298.3
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ヒートブリンク ルーラント ブードウェン
(72)【発明者】
【氏名】サルテルス バルト アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ニーセン エドゥアルド マテウス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】マルテンス ペーター
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】特許第7019729(JP,B2)
【文献】国際公開第2019/127548(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0335246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/08-2/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、当該システムは、
放射線出射ウィンドウを有する放射体であって、当該放射体は、UV放射を少なくとも含む放射線を受け取るように構成され、前記放射線出射ウィンドウは、前記放射線の少なくとも一部を前記放射体の外へと通過させることが可能である、放射体と、
前記放射線を提供するように構成された放射装置であって、UV放射を放射するように構成された少なくとも1つのUV放射源を含む少なくとも1つの放射線源を有し、前記放射装置の少なくとも1つの放射線源が偏光放射線を放射するように構成される、放射装置と、
前記放射線出射ウィンドウの位置における前記放射線源によって放射された前記偏光放射線の散乱、および、前記放射線出射ウィンドウの内側での前記放射線源によって放射された前記偏光放射線の反射のうちの少なくとも1つを通して得られる、前記少なくとも1つの放射線源により放射された前記偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度および直交する偏光方向の偏光放射線の強度の少なくとも1つを検出するように構成される検出器装置と、
前記放射装置及び前記検出器装置に機能的に結合されたコントローラ装置であって、デフォルトとして前記少なくとも1つのUV放射源が細菌および/またはウィルスを死滅もしくは不活性化させる動作レベルの強度で前記UV放射を提供する通常状態に前記少なくとも1つのUV放射源を設定し、前記検出器装置により検出された前記少なくとも1つの放射線源により放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度および直交する偏光方向の偏光放射線の強度のうちの少なくとも1つの値が、安全基準値の範囲内から安全基準値の範囲外にシフトしたときに、前記少なくとも1つのUV放射源を、前記デフォルト状態から、前記少なくとも1つのUV放射源がゼロレベルの強度で前記UV放射を提供する適応状態にするように構成されるコントローラ装置と、を有するシステム。
【請求項2】
前記検出器装置が、前記少なくとも1つの放射線源により放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度および直交する偏光方向の偏光放射線の強度の両方を検出するように構成され、前記コントローラ装置が、それぞれの前記強度の比が安全基準比の範囲内から安全基準比の範囲外にシフトしたときに前記少なくとも1つのUV放射源を前記適応状態にするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのUV放射源が、前記偏光放射線を放射するように構成された前記放射装置の前記少なくとも1つの放射線源である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記放射装置が、前記少なくとも1つのUV放射源と、UV波長より明確に長い波長の放射線を放射するように構成される少なくとも1つの追加の放射線源との両方を含み、前記少なくとも1つの追加の放射線源が、前記偏光放射線を放射するように構成された前記放射装置の前記少なくとも1つの放射線源である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記偏光放射線を放射するように構成された前記放射装置の前記少なくとも1つの放射線源が、放射線を生成するように構成される装置と、当該装置の放射経路に配置され、所定の偏光方向の放射線のみを通過させるように構成される偏光装置とのアセンブリを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記偏光装置が、i)偏光子およびii)半波長板と組み合わされた偏光ビームスプリッタのうちの一方を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記偏光放射線を放射するように構成された前記放射装置の前記少なくとも1つの放射線源がレーザ光源を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記検出器装置が、検出器と偏光フィルタとの少なくとも1つのアセンブリを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射装置が前記放射体内で互いに距離をおいて配置される少なくとも2つのUV放射源を有し、および/または、前記検出器装置が前記放射体内で互いに距離をおいて配置される少なくとも2つの検出器を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記放射体が材料のスラブを有し、前記少なくとも2つのUV放射源および/または前記少なくとも2つの検出器が前記材料のスラブに埋め込まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のシステムを有するオブジェクトであって、前記システムの前記放射体の前記放射線出射ウィンドウが、前記オブジェクトの外側となるように配置される、オブジェクト。
【請求項12】
家電製品、家具、建物の構造部材、車両の構造部材、衛生部品、医療機器およびこれらのコンポーネントを含むグループから選択される、請求項11に記載のオブジェクト。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載のシステムを既存のオブジェクトに追加する方法であって、前記システムの前記放射体が前記既存のオブジェクトの外側表面に適用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムに関し、当該システムは、放射線出射ウィンドウを有する放射体であって、当該放射体は、少なくともUV放射を含む放射線を受け取るように構成されており、前記放射線出射ウィンドウは、放射線の少なくとも一部を放射体の外に通過させることができる、放射体と、放射線を提供するように構成された放射装置であって、UV放射を放射するように構成された少なくとも1つのUV放射源を有する放射装置と、放射線の強度を検出するように構成された検出器装置と、前記放射装置および前記検出器装置に機能的に結合されたコントローラ装置であって、デフォルトとして少なくとも1つのUV放射源が動作レベルの強度でUV放射を提供する通常状態に少なくとも1つのUV放射源を設定し、外乱事象の発生後、少なくとも1つのUV放射源を前記デフォルト状態から、少なくとも1つのUV放射源が動作レベルに対して低減されたレベルでUV放射を提供する適応状態にするように構成されるコントローラ装置とを有し、前記コントローラ装置は、前記検出器装置からの入力を処理することによって、前記外乱事象の発生を決定するように構成される。
【0002】
さらに、本発明は、システムの放射体の放射線出射ウィンドウがオブジェクトの外側に配置される、前述のシステムを有するオブジェクトに関する。
【0003】
さらに、本発明は、前述のシステムを既存のオブジェクトに追加する方法に関し、システムの放射体は、既存のオブジェクトの外面に適用される。
【背景技術】
【0004】
WO 2018/215272 A1は、導波路素子と、光学センサと、制御システムとを備えるシステムを開示している。導波路素子は、放射線出射ウィンドウを有し、導波路素子はi)放射線を受け取るように構成され、放射線は少なくともUV放射を行美、ii)放射線出射ウィンドウを介して、放射線の少なくとも一部を導波路素子の外部に放射するように構成され、iii)放射線出射ウィンドウにおいて放射の一部を内部反射するように構成される。光学センサは、内部反射放射線の内部反射強度を感知するように構成される。制御システムは、光学センサに機能的に結合され、経時的な内部反射強度の低減が所定の第1の閾値に達することに応じて、放射線の強度を低減するように構成される。
【0005】
WO 2018/215272 A1は、UV放射が放射線出射ウィンドウ上に存在し得る微生物を死滅させるために、または微生物を不活性にするか、または再生できないようにするために使用されることを教示している。微生物の実例は細菌である。UV放射を使用する殺菌効果は、主に、UV放射の総線量によって決定される。UV放射を使用する状況では、ヒトを含む高等生物がUV放射を受ける位置にある場合、特に、高等生物が放射線出射面に物理的に接触することが可能である場合、特定の措置を講じる必要があるだろう。
【0006】
既知のシステムの動作中、あるオブジェクトがウィンドウに接触した場合、放射線は、放射線出射ウィンドウを介して導波路素子の外に結合される。このアウトカップリングは、導波路素子の内部に留まる放射線が少なくなることを意味し、(総)内部反射のフラストレーションとも呼ばれる。したがって、光学センサを用いて内部反射放射線の内部反射強度をモニタすることにより、何らかのオブジェクト、特に人間の手や指などの微生物よりもかなり大きい一部のオブジェクトがウィンドウに触れている状況を検出することができる。光学センサによって提供される信号においてかなりのステップが観察されるとき、これは、比較的大きなオブジェクトがウィンドウに接触していることを意味すると推測される。そのような状況における安全性を保証するために、放射線が少なくとも一時的に遮断される必要があることが決定され得る。
【0007】
とりわけ、WO 2018/215272 A1の主題である発明は、システムを含むオブジェクトを提供し、オブジェクトは外部表面を有し、システムの導波路素子の放射線出射ウィンドウは、外部表面の少なくとも一部として構成される。そのようなオブジェクトの例としては、ドアノブ、蛇口のノブ、トイレノブ、トイレの座席、手すり、台所のまな板、台所の壁、テーブル、または(他の)共通(家庭用)オブジェクト、すなわち、家庭またはオフィスなどで使用されるように特に設計されたオブジェクトが挙げられる。このようなオブジェクトの更なる例としては、クリーンルーム壁、ならびに手術台および手術室壁などの医療装置が挙げられる。WO 2018/215272 A1の主題である発明のそのような可能な実用的なアプリケーションの全ての文脈において、外部表面が殺菌状態に保たれる一方で、プロセスにおいて使用されるUV放射が、ヒトなどの高等生物に害を引き起こすd可能性がある状況を回避する必要があることが重要である。
【0008】
一般的に言えば、WO 2018/215272 A1から知られているようなシステムを適用することは、表面の殺菌が汚染の回避に寄与するような状況において有益である。このような状況は、公共空間、作業環境、および家庭環境を含む、あらゆる種類の環境において起こり得る。例えば、殺菌措置が適用されない場合、公共空間内の制御ボタン及び接触スクリーンは、制御ボタン及び接触スクリーンを介して感染性疾患の移転が起こり得るので、健康リスクを伴うスポットを構成する。細菌およびウイルスは、第1の人によって制御ボタンまたは接触スクリーン上に残され、その後、次の人によって拾われ、それによって、第1の人によって運ばれる疾患が広がる可能性がある。制御ボタンおよび接触スクリーンの公共使用は、制御ボタンおよび接触スクリーンがエレベータ、ATM機、注文端末、決済端末、および自動販売機などの多くのタイプのデバイスに見られるという事実に鑑みて、一般的である。
【0009】
上記で説明したように、WO 2018/215272 A1から知られているシステムは、放射線がウイルスまたは細菌粒子などの任意の形態の汚染が存在する導波路素子上のまさにその位置で導波路素子から外に結合されるので、表面の殺菌に有効である。しかし、接触位置において放射線を取り出すという同じ原理は、接触の検出および放射線の遮断のための方策がない場合、導波路素子に接触する人間のUV放射線への潜在的に安全でない曝露を引き起こす。本発明の文脈において、この方策を実際に実施する有用な態様を開発する必要があることが認識される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、一方では放射体の放射線出射ウィンドウの位置で殺菌結果を効果的に得ることと、他方では放射装置の少なくとも1つのUV放射源によって提供されるUV放射線への有害な曝露から人間および他の高等生物を保護することとの間に適切なバランスが実現されるように、放射体および放射装置を備えるシステムを設計することである。本発明の文脈において、放射体は必ずしもWO 2018/215272 A1に開示された導波路素子と同じである必要はなく、特に、必ずしも放射線ガイド機能を有する必要は無く、その点で(全)内部反射現象に依存するように構成される必要はないが、本発明はそのような導波路素子の使用を含む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述を考慮して、本発明はシステムを提供し、当該システムは、放射線出射ウィンドウを有する放射体であって、当該放射体は、少なくともUV放射を含む放射線を受け取るように構成されており、前記放射線出射ウィンドウは、放射線の少なくとも一部を放射体の外に通過させることができる、放射体と、放射線を提供するように構成された放射装置であって、UV放射を放射するように構成された少なくとも1つのUV放射源を含む少なくとも1つの放射源を有し、前記放射装置の少なくとも1つの放射源は偏光放射線を放射するように構成される、放射装置と、少なくとも1つの放射源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度および直交する偏光方向の偏光放射線の強度の少なくとも1つを検出するように構成された検出器装置と、前記放射装置および前記検出器装置に機能的に結合されたコントローラ装置であって、デフォルトとして少なくとも1つのUV放射源が動作レベルの強度でUV放射を提供する通常状態に少なくとも1つのUV放射源を設定し、検出器装置によって検出された少なくとも1つの放射源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度および直交する偏光方向の偏光放射線の強度のうち少なくとも1つの変化を伴う外乱事象の発生後、少なくとも1つのUV放射源を、前記デフォルト状態から、前記少なくとも1つのUV放射源が前記動作レベルに対して低減されたレベルでUV放射を提供する適応状態にするように構成されるコントローラ装置とを有する。
【0012】
上記から、本発明は、検出器装置によって得られた検出結果が外乱事象の発生を示すときに、放射装置の少なくとも1つのUV放射源がデフォルト状態から適応状態に置かれるシステムの機能性を提供することを目的とする。特に、放射装置の少なくとも1つの放射源は、偏光放射線を放射するように構成され、検出器装置は少なくとも1つの放射線源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度と、直交する偏光方向の偏光放射線の強度とのうちの少なくとも1つを検出するように構成され、上述の強度のうちの少なくとも1つの変化は外乱事象の発生の指標とみなされる。このようにして、外乱事象の発生がUV放射線出射ウィンドウが人間の手又は指のような比較的大きなオブジェクトによって接触されることを示すと仮定すると、コントローラ装置はデフォルトとしてUV放射線出射ウィンドウの殺菌を可能にし、適切なときはいつでもUV放射が提供される強度を低減する安全対策を実施するように構成される。適応状態において少なくとも1つのUV放射源によって提供されるUV放射の強度の低減されたレベルはゼロレベルであり得るが、これは本発明の文脈において必要ではない。さらに、システムは、少なくとも1つのUV放射源の適応状態が設定された後に任意の考え得る適切な態様で少なくとも1つのUV放射源をデフォルト状態に復帰させることを実現する/可能にするように任意の適切な態様で設計されることができ、コントローラ装置は特に、限られた時間の間だけ少なくとも1つのUV放射源の適応状態を維持するように構成されることができる。
【0013】
本発明の洞察は、検出目的のために偏光放射線を使用することによって、高い検出感度を得ることができ、システムの殺菌機能を損なうことなくこれを行うことができることである。UV放射が偏光放射線である場合でもUV放射の殺菌効果の差はない。UV放射または別のタイプの放射が偏光放射であるかどうかにかかわらず、放射線出射ウィンドウが、人間の手または指などの比較的大きなオブジェクトによって接触されると、偏光放射線の一部が放射体内に後方散乱され、また放射線の一部の偏光方向の変化が引き起こされる。特に、接触の状況を自動的に認識するためにこの種の変化に依拠する場合、言及されるような高い検出感度を実現することができ、ここで、検出感度は、放射線出射ウィンドウに対する接触の影響下での放射線の構成の変化が想定されない場合よりも高くなり得ることに留意されたい。
【0014】
実用的なオプションによれば、コントローラ装置は、少なくとも1つの放射源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射の強度のうちの少なくとも1つの値と、直交する偏光方向の偏光放射線の強度とが、安全基準値の範囲内から安全値の範囲外にシフトするとき、外乱事象の発生を決定するように構成される。例えば、強度閾値が定義されてもよく、ここで、安全基準値の範囲は、実際の実施形態において適切であるように、強度閾値よりも高い、または強度閾値よりも低い値を含む。先に示唆されたように、放射線出射ウィンドウへの接触の影響下において、偏光放射線の一部に関して偏光方向の変化が予想され得る。したがって、少なくとも1つの放射線源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度の値が減少し、直交する偏光方向の偏光放射線の強度の値が増加することが起こる。これらの影響の少なくとも一方を測定することができる。これらの影響のうちの1つを測定するオプションに関して、直交する偏光方向の偏光放射線の強度の値が実質的にゼロから特定の値まで増加する、すなわち非常に大きな係数で増加するので、後者の影響を測定することが最も正確な結果をもたらすことが期待されることに留意されたい。
【0015】
別の追加的なオプションによれば、検出器装置は、少なくとも1つの放射源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度と、直交する偏光方向の偏光放射線の強度との両方を検出するように構成され、コントローラ装置は、それぞれの強度の比が安全基準比の範囲内から安全基準比の範囲外にシフトするときに、外乱事象の発生を決定するように構成される。このオプションは、さらに高い検出感度を伴うだろう。
【0016】
本発明の実用的なアプリケーションにおいて、放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線は、水平偏光方向または垂直偏光方向であり、検出器装置は、水平偏光方向の偏光放射線の強度および垂直偏光方向の偏光放射線の強度の少なくとも1つを検出するように構成される。原理的には、偏光方向の任意の組み合わせが可能であり、本発明が、様々なオプションの全て、すなわち、 i) 放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線が水平偏光方向であり、検出器装置が水平偏光方向の偏光放射線の強度を検出するように構成される、ii)放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線が水平偏光方向であり、検出器装置が垂直偏光方向の偏光放射線の強度を検出するように構成される、iii) 放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線は水平偏光方向であり、検出器装置が水平偏光方向の偏光放射線の強度と垂直偏光方向の偏光放射線の強度の両方を検出するように構成される、 iv)放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線が垂直偏光方向であり、検出器装置が垂直偏光方向の偏光放射線の強度を検出するように構成される、 v)放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線が垂直偏光方向であり、検出器装置が水平偏光方向の偏光放射の強度を検出するように構成される、 およびvi) 放射装置の少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射線が垂直偏光方向であり、検出器装置が垂直偏光方向の偏光放射線の強度と水平偏光方向の偏光放射線の強度の両方を検出するように構成される、をカバーすることを意味する。
【0017】
前述のように、UV放射が偏光放射線であるか、または別のタイプの放射が偏光放射線であるようにすることができる。第1のオプションは、少なくとも1つのUV放射源が偏光放射線を放射するように構成された放射装置の少なくとも1つの放射源であるシステムの実施形態が可能であることを示し、一方、第2のオプションは、放射装置が少なくとも1つのUV放射源と、UV放射以外の別のタイプの放射線を放射するように構成された少なくとも1つの追加の放射線源との両方を含み、少なくとも1つの追加の放射線源が偏光放射線を放射するように構成された放射装置の少なくとも1つの放射源であるシステムの実施形態が可能であることを示す。他のタイプの放射線は特に、可視光又は赤外線のようなUV波長よりも明らかに長い波長の放射線であることができる。放射体におけるより長い波長の放射線吸収が、典型的には、UV放射線吸収よりも著しく低いという事実を考慮すると、検出機能が他のタイプの放射に基づく場合には検出感度はさらに高いと予想され得る。
【0018】
本発明によるシステムの実際の実施形態では、偏光放射線を放射するように構成された放射装置の少なくとも1つの放射源は、放射を生成するように構成された装置と、当該装置の放射経路内に配置され、所定の偏光方向の放射のみを通過させるように構成された偏光装置とのアセンブリを含む。例えば、偏光装置は、i)偏光子、およびii)半波長板と組み合わせた偏光ビームスプリッタのうちの1つを備えることができる。後者の場合、半波長板は単一の偏光方向のみが得られるように、分割ビームの一方の部分の偏光方向を分割ビームの他方の部分の偏光方向に変換する働きをする。あるいは、偏光された放射線を放射するように構成された放射装置の少なくとも1つの放射線源は、例えば、適切なレーザ源を含むことができる。さらに、検出器装置が検出器と偏光フィルタとの少なくとも1つのアセンブリを備え、検出器が、フィルタを通過することが可能な偏光放射線のみを検出することが可能である場合、実用的であり得る。
【0019】
システム内のUV放射源の数及び検出器の数は、自由に選択されることができる。放射体の構成および放射線出射ウィンドウのサイズに応じて、システムが放射体内で互いに距離をおいて配置された少なくとも2つのUV放射源を備える場合、および/または、システムが放射体内で互いに距離をおいて配置された少なくとも2つの検出器を備える場合、有利であり得る。放射体が材料のスラブを含み、少なくとも2つのUV放射源および/または少なくとも2つの検出器が材料のスラブに埋め込まれている場合、実用的であり得る。材料のスラブの材料は、例えばシリコーンであることができる。少なくとも1つのUV放射源は、例えばLED、特にUV-C LEDであることができる。
【0020】
本発明はまた、システムの放射体の放射線出射ウィンドウがオブジェクトの外側に配置される、本明細書で前述したようなシステムを備えるオブジェクトに関する。このようなオブジェクトの例としては、WO 2018/215272 A1から公知のシステムに関して前述した例の全てが挙げられる。一般に、オブジェクトは、家庭用電化製品、家具、建物および車両のコンポーネント、衛生部分、医療装置ならびに前述のすべてのコンポーネントを含むグループから選択され得る。オブジェクトは、人間、特に異なる人間によって定期的かつ一時的に接触されることを特に意図されたドアノブ、制御ボタン、接触スクリーンなどであることができる。
【0021】
本発明はまた、上述のシステムを既存のオブジェクトに追加する方法に関し、システムの放射体は、既存のオブジェクトの外面に適用される。これは、接着によること、固定手段を使用すること、またはスナップ接続もしくはフォーム閉鎖構成に基づくことを含む、任意の適切な方法で行われ得る。
【0022】
本発明の上記および他の態様は、以下の定義に包含されるシステムの実用的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより明らかになり説明されるであろう:i)放射線出射ウィンドウを有する放射体であって、当該放射体は、少なくともUV放射を含む放射線を受け取るように構成され、前記放射線出射ウィンドウは、放射線の少なくとも一部が放射体の外へと通過することを可能にする、放射体と、ii)放射線を提供するように構成された放射装置であって、UV放射を放射するように構成された少なくとも1つのUV放射源を含む少なくとも1つの放射線源を含み、放射装置の少なくとも1つの放射線源は、偏光放射線を放出するように構成される、放射装置と、iii)少なくとも1つの放射線源によって放射された偏光放射線と同じ偏光方向の偏光放射線の強度および直交する偏光方向の偏光放射線の強度の少なくとも1つを検出するように構成された検出器装置と、iv)放射装置および検出器装置に機能的に結合されたコントローラ装置と、を有するシステム。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、図面を参照してより詳細に説明され、図面において、等しい又は類似の部分は同じ参照符号によって示される。
図1】本発明によるシステムの実施形態を示す図。
図2】本発明によるシステムを装備することができる複数のオブジェクトを概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明によるシステム1の実施形態を示す。
【0025】
システム1は、放射体10と、放射装置20と、検出器装置30と、コントローラ装置40とを備える。
【0026】
放射体10は、放射線出射ウィンドウ11を含む。図1は、材料のスラブを含む放射体10の実用的なオプションを示しており、放射線出射ウィンドウ11は概ね平坦な外観である。
【0027】
放射装置20は、少なくともUV放射を含む放射線を放射するように構成される。図示の例では、放射装置20が少なくとも放射線出射ウィンドウ11の内側に向かって1つ以上の方向に偏光UV放射を放射するように構成されたUV放射源21を備え、偏光UV放射は水平または垂直偏光方向のいずれかである。以下では、明確にするために、UV放射源21によって放射される偏光UV放射の偏光方向を光源偏光方向と呼ぶ。図1において、偏光UV放射は、矢印22によって示されている。UV放射源21は、UV-C LEDなどのUV放射を生成するように構成された装置23を備え、UV放射の経路に配置され、光源偏光方向のUV放射の放射波のみを通過させるように構成された偏光装置24をさらに備える。偏光装置24のこの機能は図1に示されており、偏光装置24で終わる2つの短い矢印は、通過することが許されない放射波を表す。さらに、図1は、UV放射源21が放射体10の材料のスラブに埋め込まれる実用的なオプションを示しており、材料のスラブは、UV放射源21によって提供される偏光UV放射22に対して透明である。本発明の文脈において、UV放射源21の任意の適切な数を選択することができ、UV放射源21が、重複しているか否かにかかわらず、偏光UV放射22を放射体10の放射線出射ウィンドウ11のそれぞれの領域に放射するように配置されるUV放射源21の配置を有することが可能である。
【0028】
検出器装置30は、光源偏光方向の偏光放射線の強度及び/又は光源偏光方向に直交する偏光方向の偏光放射線の強度を検出するように構成される。図1は、放射体10の材料のスラブに埋め込まれた検出器31及び偏光フィルタ32を含む検出器装置30の実用的なオプションを示す。検出器31および偏光フィルタ32のアセンブリの任意の適切な数を本発明の文脈において選択することができる。
【0029】
コントローラ装置40は、放射装置20及び検出器装置30に機能的に結合され、システム1の動作を制御するように構成される。本発明は、コントローラ装置40と放射装置20と検出器装置30との間のデータ通信をそれぞれ有線方式で行うことを可能にするように構成された通信装置を備えるシステム1のオプションと、データ通信を無線方式で行うことを可能にするように構成された通信装置を備えるシステム1のオプションの両方をカバーし、データ通信を部分的に有線方式でかつ部分的に無線方式で行うことを可能にするように構成された通信装置を備えるシステム1のオプションもカバーする。図1は、放射体10の材料のスラブに埋め込まれたユニットを備えるコントローラ装置40の実用的なオプションを示す。これは、追加的に又は代替的に、コントローラ装置40が放射体10の材料のスラブの外側に配置された少なくとも1つのユニットを備えることも可能であるという事実を変えない。
【0030】
放射装置20、検出器装置30及びコントローラ装置40は任意の適切な態様で給電されることができ、例えば、主電源又はバッテリに電気的に結合されることができる。
【0031】
放射体10の放射線出射ウィンドウ11は、UV放射源21の偏光UV放射22の一部を透過するように構成される。図1において、放射線出射ウィンドウ11を通って放射体10から出射する放射は、破線25によって示されている。検出器31は、放射線出射ウィンドウ11から放射体10の材料のスラブ内に放射される内部放射26を、偏光フィルタ32を介して受信する位置にあり、内部放射26の一部の強度、すなわち偏光フィルタ32を通過することが可能な部分を表す出力信号をコントローラ装置40に提供するように構成される。放射線出射ウィンドウ11の構造に応じて、内部放射26は、i)放射線出射ウィンドウ11の位置でのUV放射源21によって放射された偏光UV放射22の散乱、およびii)放射線出射ウィンドウ11の内側でのUV放射源21によって放射された偏光UV放射22の反射のうちの少なくとも1つによって得られる。UV放射源21によって放射される偏光UV放射22の散乱は、特に、図1に概略的に示されるように、人の指などのオブジェクト2が放射線出射ウィンドウ11の外側に存在するときに生じるだろう。いずれにせよ、放射線出射ウィンドウ11がオブジェクト2によって接触されると、出射放射25および放射線出射ウィンドウ11の内側から検出器31に向かって進行する内部放射26の両方が、強度および偏光方向に関して、変化する。
【0032】
システム1内に放射装置20を有する主な目的は、放射線出射ウィンドウ11の外側を殺菌状態に保つことである。細菌またはウイルスが放射線出射ウィンドウ11の外側に行き着くと、細菌またはウイルスは、細菌またはウイルスの位置で、出射放射線25の影響下で死滅するか、または少なくとも不活性化される。このようにして、放射線出射ウィンドウ11を介した疾患の拡がりが防止される。システム1のこの機能性は、システム1の多くの可能な用途、特に放射線出射ウィンドウ11が人間及び/又は動物/ペットによって定期的及び一時的に接触される傾向がある用途において有利である。
【0033】
コントローラ装置40は、特にUV放射源21によって放射される偏光UV放射22の強度を設定する場合、検出器装置30によって提供される信号に応じて放射装置20を制御するように構成される。実際、安全上の理由から、放射線出射ウィンドウ11に接触する人又は動物/ペットの状況において、放射線22の強度を、おそらくゼロに低減することが望ましい。その観点から、コントローラ装置40は、デフォルトとしてUV放射源21が動作レベルの強度の偏光放射22を提供する通常状態にUV放射源21を設定するように構成され、検出器31の出力信号の変化を伴う外乱事象の発生後、UV放射源21が動作レベルと比較して低減されたレベルの強度の偏光UV放射22を提供する適応状態にUV放射源21を設定するように構成される。先に説明したように、この信号は、偏光フィルタ32を通過させられる内部放射26の一部の強度を表す。この点に関して、外乱事象の発生は、内部放射線26の一部の強度の値が安全基準値の範囲内から安全値の範囲外にシフトするときに決定されることに留意されたい。
【0034】
通過が許容される内部放射26の一部が光源偏光方向に直交する偏光方向の偏光放射線であるように偏光フィルタ32が選択される場合、放射線出射ウィンドウ11上での接触の状況における内部放射26の強度および偏光方向が、デフォルトの状況における内部放射26の強度および偏光方向と異なるため、外乱事象の発生を決定するプロセスが高い精度で実行され得る。デフォルトの状況では、実際には光源偏光方向に直交する偏光方向の偏光放射は存在しないが、接触の状況では内部放射26が異なる構成であり、通常は存在しない偏光放射を含む。これは、接触の状況において、光源偏光方向に直交する偏光方向の偏光放射の著しく高い強度を表す検出器31の出力信号が得られることを意味する。逆に、通過が許容される内部放射26の一部が光源偏光方向の偏光放射であるように偏光フィルタ32が選択される場合、光源偏光方向の偏光放射のより低い強度を表す検出器31の出力信号が得られるという事実に基づいて、接触の状況を認識することができる。
【0035】
システム1の適切な機能を確実にするために、外乱事象の発生を評価する際に依拠する基準は、好ましくは、放射線出射ウィンドウ11上に比較的小さいオブジェクトが存在するとき、特に、細菌および/またはウイルスを含有する小さな液滴および/またはグリース/汚れなどの、数十~数百マイクロメートルまたはさらに小さい寸法を有するオブジェクトが存在するときには外乱事象の発生が決定されないが、比較的大きなオブジェクトが放射線出射ウィンドウ11上に存在するときにのみ、外乱事象の発生が決定されるように選択される。本発明は、殺菌という目的を、高等生物の起こり得る存在の検出と組み合わせるための、複雑ではない費用効果の高い方法を提供し、その結果、システム1が、デフォルト状態でUV放射源21を用いて動作される時間が最大化され、高等生物のUV放射への曝露のリスクが最小化される。
【0036】
一般に、本発明によるシステム1は、任意の適切な数のUV放射源21と、任意の適切な数の検出器31とを備えることができる。洗練された実施形態では、検出器装置30が光源偏光方向の偏光放射の強度と、光源偏光方向に直交する偏光方向の偏光放射の強度との両方を検出するように構成される。そのような実施形態では、それぞれの強度の比を追跡することが可能であり、この比が安全基準比の範囲内から安全比の範囲外にシフトするかどうかの評価を、外乱事象の発生を決定するプロセスに含めることが可能である。
【0037】
さらに、UV放射が偏光放射である必要はないことに留意されたい。代わりに、本発明によるシステム1が少なくとも1つのUV放射源21と少なくとも1つの追加の放射線源との両方を備えることが可能であり、偏光放射を放射するように構成されるのは、この少なくとも1つの追加の放射線源である。そのような少なくとも1つの追加の放射線源は、例えば、可視光を放射するように構成されたタイプのものであってもよい。
【0038】
図2は、本発明によるシステム1を備えることができる複数のオブジェクト、特に、浴室100および浴室ドア101に見られるオブジェクト、すなわち、便座102、便器洗浄ノブ103、蛇口ノブ104および浴室ドアのドアノブ105を含むオブジェクトを概略的に示す。示されたオブジェクトは、本発明の保護範囲に含まれる多くのオブジェクトのほんの一部である。オブジェクト102、103、104、105は、従来の設計とすることができ、その場合、システム1、またはシステム1の少なくとも放射体10および放射体10に配置されたコンポーネントは、オブジェクト102、103、104、105の外面に配置されることができ、またはオブジェクト102、103、104、105は、適合した設計とすることができ、この場合、システム1またはシステム1の少なくとも放射体10および放射線体10に配置されたコンポーネントは、例えば、システム1の放射体10の放射線出射ウィンドウ11がオブジェクト102、103、104、105の元の外面の周囲の部分と同一平面であることができる、オブジェクト102、103、104、105の部材に沈んだ配置を有することができる。
【0039】
本発明の範囲は、前述の例に限定されず、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、そのいくつかの修正および変更が可能であることは当業者には明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲またはその均等物の範囲内に入る限り、そのようなすべての修正および変更を含むものと解釈されることが意図される。本発明が図面および詳細な説明において詳細に図示および説明されてきたが、そのような図示および説明は単なる例示であり、限定するものではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。図面は概略的であり、本発明を理解するために必要とされない詳細は省略されており、必ずしも縮尺通りではない。
【0040】
開示された実施形態に対する変形例は、図面、説明、および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、達成されることができる。特許請求の範囲において、単語「有する」は他のステップ又は要素を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。請求項におけるいかなる参照符号も、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0041】
特定の実施形態のために、または特定の実施形態に関連して説明される要素および態様は、特に断らない限り、他の実施形態の要素よび態様と適切に組み合わせることができる。したがって、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0042】
本文で使用される用語「有する(comprise)」および「含む(include)」は、用語「からなる(consist of)」を包含するものとして当業者によって理解されるであろう。したがって、用語「有する(comprise)」または「含む(include)」は、実施形態に関して、「からなる(consist of)」を意味し得るが、別の実施形態においては、「少なくとも定義された種およびオプションとして1つ以上の他の種を含有する/持つ/備える」を意味する場合がある。
【0043】
本発明の注目すべき態様を以下に要約する。放射体10、放射装置20、検出器装置30及びコントローラ装置40を含むシステム1において、放射装置20は、放射体10の放射線出射ウィンドウ11の殺菌に役立つ。コントローラ装置40は、検出器装置30によって得られた検出結果が外乱事象の発生を示すとき、放射装置20の少なくとも1つのUV放射源21をデフォルト状態から、低減された放射線強度の適応状態にするように構成される。特に、少なくとも1つのUV放射源21であることができる放射装置20の少なくとも1つの放射線源は、偏光放射22を放射するように構成され、検出器装置30は少なくとも1つの放射線源によって放射される偏光放射22と同じ偏光方向の偏光放射の強度と、直交する偏光方向の偏光放射の強度とのうちの少なくとも1つを検出するように構成され、上述の強度のうちの少なくとも1つの変化は外乱事象の発生の指標とみなされる。このようにして、外乱事象の発生が、放射線出射ウィンドウ11が人間の手または指などの比較的大きなオブジェクト2によって接触されていることを示すと仮定すると、コントローラ装置40は、デフォルトとして放射線出射ウィンドウ11の殺菌を可能にし、適切なときはいつでもUV放射線22が提供される強度を低減する安全対策を実施するように構成される。
図1
図2