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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】判定装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20240910BHJP
   G01S 13/04 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G01V3/12 A
G01S13/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023573960
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2022047898
(87)【国際公開番号】W WO2023136113
(87)【国際公開日】2023-07-20
【審査請求日】2024-07-08
(31)【優先権主張番号】P 2022002824
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 雄彦
(72)【発明者】
【氏名】田邊 祐馬
(72)【発明者】
【氏名】藤原 亮太
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 敬
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0135711(US,A1)
【文献】特開2019-148428(JP,A)
【文献】特開2020-034511(JP,A)
【文献】特開2011-089812(JP,A)
【文献】特開平09-274077(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104267439(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 3/12
G01S 13/04
G01S 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1送信アンテナないし第T送信アンテナから電磁波により送信された第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの信号を第1受信アンテナないし第R受信アンテナにおいて受信する送受信システムにおいて用いられる判定装置であって、
N、T及びRは、1以上の整数であり、
前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナ及び前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナは、第1領域に配置されており、
チャネル状態情報は、前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナと前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナとの間の前記電磁波の伝送経路の状態を示す情報であり、
前記判定装置は、
前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナが受信した前記第1サブキャリアないし前記第Nサブキャリア毎の信号に基づいて算出された前記チャネル状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記チャネル状態情報に基づいて、前記第1領域内の物体の位置に関連する判定、及び、前記第1領域に隣接する第2領域における人の有無の判定を行う判定ステップと、
を実行
前記第1領域は、ビークルのキャビンであり、
前記第2領域は、前記ビークル外であり、
前記判定装置は、前記ビークル外における人の有無を判定する、
判定装置。
【請求項2】
前記判定装置は、
前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナが受信した前記第1サブキャリアないし前記第Nサブキャリアの信号に基づいて、前記チャネル状態情報を算出する算出ステップを、
実行し、
前記判定装置は、前記取得ステップにおいて、算出された前記チャネル状態情報を取得する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナが送信する信号のそれぞれは、複素数であるx1ないしxTであり、
前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナが受信する信号のそれぞれは、複素数であるy1ないしyRで表され、
x1ないしxT及びy1ないしyRは、式(1)ないし式(5)を満足しており、
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
iは、1以上N以下の整数であり、
mは、1以上R以下の整数であり、
nは、1以上T以下の整数であり、
Hiは、第iサブキャリアの前記チャネル状態情報であり、
||hmn||は、hmnの振幅であり、
∠hmnは、hmnの位相であり、
niは、ノイズベクトルである、
請求項1又は請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定装置は、前記判定ステップにおいて、機械学習モデルを用いて、前記第2領域における人の有無を判定する、
請求項1又は請求項に記載の判定装置。
【請求項5】
前記機械学習モデルは、前記チャネル状態情報と、前記第2領域に位置している人の動作と、の関係を教師データとして用いる、
請求項4に記載の判定装置。
【請求項6】
前記判定装置は、前記判定ステップにおいて、前記第2領域における人の呼吸を検知することによって前記第2領域における人の有無を判定する、
請求項1又は請求項に記載の判定装置。
【請求項7】
前記第1領域内の物体の位置が変化すると、前記チャネル状態情報が変化する、
請求項1又は請求項に記載の判定装置。
【請求項8】
第1送信アンテナないし第T送信アンテナから電磁波により送信された第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの信号を第1受信アンテナないし第R受信アンテナにおいて受信する送受信システムにおいて用いられる判定装置であって、
N、T及びRは、1以上の整数であり、
前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナ及び前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナは、第1領域に配置されており、
チャネル状態情報は、前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナと前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナとの間の前記電磁波の伝送経路の状態を示す情報であり、
前記判定装置は、
前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナが受信した前記第1サブキャリアないし前記第Nサブキャリア毎の信号に基づいて算出された前記チャネル状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記チャネル状態情報に基づいて、前記第1領域内の物体の位置に関連する判定、及び、前記第1領域に隣接する第2領域における人の有無の判定を行う判定ステップと、
を実行し、
前記第1領域は、建物内部の空間であり、
前記第2領域は、建物外であり、
前記判定装置は、前記建物外における人の有無を判定する
定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の領域における人の有無を判定する判定装置及び判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の判定装置に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の送信装置が知られている。この送信装置は、電磁波を用いて周囲のセンシングを行う。具体的には、送信装置は、電磁波を用いて、歩行者や車両を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/122220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の送信装置の分野では、自動車の車内等のような特定の領域をセンシングする新たなセンシング技術が望まれている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、自動車の車内等のような特定の領域をセンシングする新たなセンシング技術を備える判定装置及び判定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は、自動車の車内等のような特定の領域をセンシングする新たなセンシング技術について検討を行った。そこで、本願発明者は、チャネル状態情報に着目した。チャネル状態情報は、電磁波の伝送経路の状態を示す情報である。このチャネル状態情報を用いれば、電磁波の伝送経路の詳細な情報が得られる。そのため、本願発明者は、チャネル状態情報を用いて、自動車の車内等のような特定の領域(以下、第1領域と称す)をセンシングすれば、第1領域内の物体の位置に関連する情報を取得できると考えた。ここで、本願発明者は、第1領域内において人が動作ないし呼吸をしたとき、電磁波の伝送経路の状態が、変化することに気が付いた。換言すれば、本願発明者は、第1領域内において人が動作ないし呼吸をしたとき、チャネル状態情報が変化することに気が付いた。従って、本願発明者は、チャネル状態情報を用いることによって、第1領域内における人の有無を判定できることに気が付いた。
【0007】
ところで、上記チャネル状態情報を用いたセンシング技術は、高いセンシング性能を有している。そのため、本願発明者は、第1領域の近くに位置している第2領域において人が存在している場合も、チャネル状態情報が変化することに気が付いた。具体的には、本願発明者は、第1領域の近くに位置している第2領域において人が動作ないし呼吸をしたとき、チャネル状態情報が変化することに気が付いた。従って、本願発明者は、上記チャネル状態情報を用いたセンシング技術によって、第1領域内の人の有無の判定に加えて、第1領域に隣接している第2領域における人の有無の判定を行えることに気が付いた。結果、本願発明者は、第1領域内の物体の位置に関連する判定、及び、第1領域に隣接する第2領域における人の有無の判定を一つの判定装置により行うという、新たなセンシング技術に思い至った。
【0008】
本発明に係る判定装置は、
第1送信アンテナないし第T送信アンテナから電磁波により送信された第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの信号を第1受信アンテナないし第R受信アンテナにおいて受信する送受信システムにおいて用いられる判定装置であって、
N、T及びRは、1以上の整数であり、
前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナ及び前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナは、第1領域に配置されており、
チャネル状態情報は、前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナと前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナとの間の前記電磁波の伝送経路の状態を示す情報であり、
前記判定装置は、
前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナが受信した前記第1サブキャリアないし前記第Nサブキャリア毎の信号に基づいて算出された前記チャネル状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記チャネル状態情報に基づいて、前記第1領域内の物体の位置に関連する判定、及び、前記第1領域に隣接する第2領域における人の有無の判定を行う判定ステップと、
を実行する。
【0009】
本発明に係る判定プログラムは、
第1送信アンテナないし第T送信アンテナから電磁波により送信された第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの信号を第1受信アンテナないし第R受信アンテナにおいて受信する送受信システムの判定装置において実行される判定プログラムであって、
N、T及びRは、1以上の整数であり、
前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナ及び前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナは、第1領域に配置されており、
チャネル状態情報は、前記第1送信アンテナないし前記第T送信アンテナと前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナとの間の前記電磁波の伝送経路の状態を示す情報であり、
前記判定プログラムは、
前記第1受信アンテナないし前記第R受信アンテナが受信した前記第1サブキャリアないし前記第Nサブキャリア毎の信号に基づいて算出された前記チャネル状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記チャネル状態情報に基づいて、前記第1領域内の物体の位置に関連する判定、及び、前記第1領域に隣接する第2領域における人の有無を判定する判定ステップと、
を前記判定装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る判定装置によれば、自動車の車内等のような特定の領域をセンシングする新たなセンシング技術を備える判定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、送受信システム1のブロック図である。
図2図2は、第1領域A1及び第2領域A2を示す斜視図である。
図3図3は、第1領域A1と第2領域A2と第2領域A2に位置している人M2とを示す斜視図である。
図4図4は、第1領域A1と第2領域A2と第1領域A1に位置している人M1と第2領域A2に位置している人M2とを示す上面図である。
図5図5は、第1領域A1に位置している人M1の動作時のhmnの振幅及び位相を示したグラフである。
図6図6は、第1領域A1に位置している人M1の呼吸時のhmnの振幅及び位相を示したグラフである。
図7図7は、第2領域A2に位置している人M2の呼吸時のhmnの振幅を示したグラフである。
図8図8は、第2領域A2に人M2が存在していないときのhmnの振幅を示したグラフである。
図9図9は、図7におけるhmnの振幅を示す波形をFFT処理した結果を示すグラフである。
図10図10は、図8におけるhmnの振幅を示す波形をFFT処理した結果を示すグラフである。
図11図11は、判定装置14が実行する動作を示したフローチャートである。
図12図12は、送受信システム1aのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係る判定装置14を備える送受信システム1の構造について図面を参照しながら説明する。図1は、送受信システム1のブロック図である。図2は、第1領域A1及び第2領域A2を示す斜視図である。図3は、第1領域A1と第2領域A2と第2領域A2に位置している人M2とを示す斜視図である。図4は、第1領域A1と第2領域A2と第1領域A1に位置している人M1と第2領域A2に位置している人M2とを示す上面図である。本実施形態では、第1領域A1は、ビークルのキャビンである。本実施形態では、第2領域A2は、ビークル外である。本実施形態において、第2領域A2は、第1領域A1に隣接している。本実施形態では、ビークルは、自動車である。ビークルは、窓を有している。
【0013】
送受信システム1は、自動車の無線LAN(Local Area Network)に用いられる。無線LANの方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)である。送受信システム1は、送信装置9、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-T、受信装置11、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-R及び判定装置14を備えている。T及びRは、1以上の整数である。このように、判定装置14は、送受信システムにおいて用いられる。送信装置9、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-T、受信装置11及び第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-R及び判定装置14は、図1ないし図3に示すように、第1領域A1(ビークルのキャビン)に配置されている。送信装置9及び受信装置11は、無線LANのアクセスポイントである。
【0014】
送信装置9は、第1送信信号ないし第T送信信号を生成する。送信装置9は、第1送信信号ないし第T送信信号のそれぞれを第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tのそれぞれに電磁波により送信させる。この際、第1送信信号ないし第T送信信号のそれぞれは、第1サブキャリアの信号ないし第Nサブキャリアの信号を含んでいる。Nは、1以上の整数である。第1サブキャリアの信号ないし第Nサブキャリアの信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に用いられる搬送波である。第1サブキャリアの信号ないし第Nサブキャリアの信号は、互いに直交した異なる周波数を有している。
【0015】
第1送信信号ないし第T送信信号は、反射を繰り返して伝送される。そして、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rは、第1受信信号ないし第R受信信号を受信する。第1受信信号ないし第R受信信号のそれぞれは、第1サブキャリアの信号ないし第Nサブキャリアの信号を含んでいる。第1受信信号ないし第R受信信号のそれぞれ(each)は、第1送信信号ないし第T送信信号を成分として含んでいる。以上のように、送受信システム1は、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tから電磁波により送信された第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの信号を第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rにおいて受信するシステムである。
【0016】
判定装置14は、受信装置11に通信可能に接続されている。判定装置14は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の処理回路である。判定装置14は、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信した第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの第1受信信号ないし第R受信信号に基づいて、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を算出する。チャネル状態情報は、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tと第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rとの間の電磁波の伝送経路の状態を示す情報である。以下に、チャネル状態情報について説明する。
【0017】
第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tが送信する第1送信信号ないし第T送信信号のそれぞれは、複素数であるx1ないしxTである。第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信する第1受信信号ないし第R受信信号のそれぞれは、複素数であるy1ないしyRである。このとき、x1ないしxT及びy1ないしyRは、式(1)ないし式(5)を満足している。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】
【0022】
【数5】
【0023】
iは、1以上N以下の整数である。
mは、1以上R以下の整数である。
nは、1以上T以下の整数である。
||hmn||は、hmnの振幅である。
∠hmnは、hmnの位相である。
niは、ノイズベクトルである。
【0024】
Hiは、第iサブキャリアのチャネル状態情報である。また、Hiに含まれる成分であるhmnは、第iサブキャリアにおける第m送信アンテナ10-mと第n受信アンテナ12-nとの間の電磁波の伝送経路の状態を示す。ここで、第iサブキャリアのチャネル状態情報Hiの算出について説明する。
【0025】
送信装置9は、第iサブキャリアの予め定められた波形を有する第1送信信号x1ないし第T送信信号xTを第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tにより送信している。第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rは、第iサブキャリアの第1受信信号y1ないし第R受信信号yRを受信する。これにより、判定装置14は、第iサブキャリアの第1受信信号y1ないし第R受信信号yRを取得する。
【0026】
上記のように、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tが送信する第iサブキャリアの第1送信信号x1ないし第T送信信号xTは、予め定められた波形を有する信号である。従って、判定装置14は、第iサブキャリアの第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rからノイズniを除去すれば、式(1)を用いて、第iサブキャリアのチャネル状態情報Hiを算出することができる。判定装置14は、この計算を、第1サブキャリアないし第Nサブキャリアに対して行う。以上の動作により、判定装置14は、チャネル状態情報H1~HNを算出できる。
【0027】
ところで、人が呼吸及び動作を行っている時を人の動作時と呼ぶ。人が呼吸を行い、かつ、人が動作を行っていないときを人の呼吸時と呼ぶ。図5は、第1領域A1に位置している人M1の動作時のhmnの振幅及び位相を示したグラフである。図6は、第1領域A1に位置している人M1の呼吸時のhmnの振幅及び位相を示したグラフである。図5及び図6の縦軸は、振幅又は位相である。図5及び図6の横軸は、時刻である。図5及び図6は、自動車のリアシートに人M1が着席している時の実験結果である。
【0028】
第1領域A1内の人M1の有無及び人M1の位置により第1領域A1での電磁波の反射の状態が変化する。更に、第1領域A1内の人M1の動作の有無により第1領域A1での電磁波の反射の状態が変化する。前記の通り、チャネル状態情報Hiは、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tと第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rとの間の電磁波の伝送経路の状態を示す情報である。従って、第1領域A1内の人M1の動作の有無により、チャネル状態情報Hiが変化する。人M1の動作時のチャネル状態情報Hiと人M1の呼吸時のチャネル状態情報Hiとは異なる。そのため、図5に示す人M1の動作時のhmnは、図6に示す人M1の呼吸時のhmnと異なる。
【0029】
より正確には、図5に示す人M1の動作時のhmnの振幅は、図6に示す人M1の呼吸時のhmnの振幅と異なる。本実施形態では、図5に示す人M1の動作時のhmnの振幅は、図6に示す人M1の呼吸時のhmnの振幅より大きい。そのため、判定装置14は、hmnの振幅を算出することにより、第1領域A1内の人M1の動作の有無を判定することができる。
【0030】
なお、第1領域A1内の物体(人M1)の位置が変化すると、チャネル状態情報Hiが変化する。従って、人M1の位置が変化すると、チャネル状態情報Hiが変化する。そこで、判定装置14は、hmnの振幅及びhmnの位相を算出することにより、第1領域A1内の人M1の位置を判定することができる。
【0031】
以上より、判定装置14は、hmnの振幅等を算出することにより、第1領域A1内の物体の位置に関連する判定を行うことができる。物体の位置に関連する判定とは、人M1の位置、人M1の動作の有無及び人M1以外の物の位置の判定である。
【0032】
また、判定装置14は、hmnの振幅等を解析することによって、第2領域A2における人M2の有無を判定することができる。換言すれば、本実施形態において、判定装置14は、ビークル外における人M2の有無を判定することができる。以下、図を参照しながら詳細に説明する。図7は、第2領域A2に位置している人M2の呼吸時のhmnの振幅を示したグラフである。図8は、第2領域A2に人M2が存在していないときのhmnの振幅を示したグラフである。図7及び図8の縦軸は、振幅である。図7及び図8の横軸は、時刻である。図7及び図8は、自動車内に人M1が存在しない時の実験結果である。図9は、図7におけるhmnの振幅を示す波形をFFT(Fast Fourier Transform)処理した結果を示すグラフである。図10は、図8におけるhmnの振幅を示す波形をFFT処理した結果を示すグラフである。図9及び図10の横軸は、周波数である。図9及び図10の縦軸は振幅である。
【0033】
まず、図2及び図3に示す様に、第2領域A2における物体の有無により電磁波の状態が変化する。具体的には、第2領域A2に物体が存在する場合に第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信する電磁波と、第2領域A2に物体が存在しない場合に第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信する電磁波とは、異なる。以下、詳細に説明する。
【0034】
図3に示す様に、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tから送信された電磁波W1は、ビークルの窓に到達する。窓は、電磁波を透過しやすい。従って、電磁波W1は、窓を介して第2領域A2へ進行する。ここで、第2領域A2に物体が存在する場合、電磁波W1は、第2領域A2に存在する物体に到達する。この場合、電磁波W1は、第2領域A2に存在する物体によって反射する。反射した電磁波W1は、第1領域A1へ到達する。第1領域A1に到達した電磁波W1は、例えば、第1領域A1内で反射を繰り返すことによって第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rに到達する。一方、第2領域A2に物体が存在しない場合、電磁波W1は、第2領域A2において反射しない。従って、第2領域A2に物体が存在しない場合、電磁波W1は、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rに到達しない。
【0035】
上記に示す様に、第2領域A2における物体の有無により、電磁波W1の状態が変化する。換言すれば、第2領域A2に物体である人M2が存在する場合、電磁波W1の状態は、変化する。
【0036】
ここで、チャネル状態情報は、第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tと第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rとの間の電磁波の伝送経路の状態を示す情報である。従って、第2領域A2における人M2の有無により、チャネル状態情報Hiが変化する。すなわち、第2領域A2に人M2が存在するときのチャネル状態情報Hiと、第2領域A2に人M2が存在しないときのチャネル状態情報Hiとは異なる。そのため、図7に示す第2領域A2に人M2が存在しているときのhmn(以下、人存在時のhmnと称す)は、図8に示す第2領域A2に人M2が存在していないときのhmn(以下、人不在時のhmnと称す)と異なる。例えば、人M2は、呼吸等の周期的な動作を行う。従って、第2領域A2に人M2が存在している場合、人存在時のhmnは、人の周期的な動作を示す情報を含んでいる。人存在時のhmnは、例えば、人の周期的な動作である呼吸を示す周波数成分P1を含んでいる。この場合、図9に示すように、人存在時のhmnは、呼吸を示す約2Hzの周波数成分P1を含んでいる。
【0037】
一方、図8に示す人不存在時のhmnは、人の周期的な動作を示す情報を含んでいない。具体的には、図10に示すように、人の周期的な動作である呼吸を示す周波数成分P1を含んでいない。以上より、判定装置14は、hmnが人の周期的な動作を示す情報を含んでいるか否かを判定することによって、第2領域A2における人M2の有無を判定することができる。
【0038】
なお、上記説明では、判定装置14は、チャネル状態情報Hiのhmnを用いて、第1領域A1内の物体の位置に関する判定、及び、第2領域A2における人M2の有無を判定している。しかしながら、判定装置14は、チャネル状態情報H1~HNのh11~hRTを用いて、第1領域A1内の物体の位置に関する判定、及び、第2領域A2における人M2の有無を判定する。このように、チャネル状態情報の多くの成分が用いられることにより、判定装置14は、第1領域A1内の物体の位置に関する判定及び第2領域A2における人M2の有無を精度よく判定できる。
【0039】
本実施形態では、判定装置14は、機械学習モデルを用いて、第1領域A1内の物体の位置を判定する。具体的には、機械学習モデルは、チャネル状態情報と第1領域A1内の物体の位置との関係を示す教師データとして用いる。従って、機械学習モデルは、チャネル情報と第1領域A1内の物体の位置との関係を示す教師データにより、チャネル状態情報と第1領域A1内の物体の位置との関係を事前に学習している。そして、判定装置14は、判定装置14が算出したチャネル状態情報に対応する第1領域A1内の物体の位置を、機械学習モデルを用いて判定する。本実施形態では、判定装置14が、機械学習モデルを有している。
【0040】
更に、本実施形態では、判定装置14は、機械学習モデルを用いて、第2領域A2における人M2の有無を判定する。機械学習モデルは、チャネル状態情報と、第2領域A2に位置している人M2の動作と、の関係を教師データとして用いる。例えば、機械学習モデルは、第2領域A2において人M2が呼吸しているときのチャネル状態情報(以下、呼吸時チャネル状態情報と称す)を取得する。機械学習モデルは、呼吸時チャネル状態情報に含まれる特徴量を算出する。機械学習モデルは、算出した特徴量を、人の呼吸を示す特徴量として学習する。この場合、機械学習モデルは、取得ステップにおいて取得したチャネル状態情報に、人の呼吸を示す特徴量が含まれているか否かを判定する。機械学習モデルは、取得ステップにおいて取得したチャネル状態情報に人の呼吸を示す特徴量が含まれていると判定した場合、第2領域A2に人M2が存在すると判定する。なお、判定装置14は、1つの機械学習モデルを用いて第1領域A1内の物体の位置の判定及び第2領域A2における人M2の有無の判定を行ってもよいし、第1機械学習モデルを第1領域A1内の物体の位置の判定を用いて行い、第2機械学習モデルを用いて第2領域A2における人M2の有無の判定を行ってもよい。
【0041】
次に、判定装置14の動作について図面を参照しながら説明する。図11は、判定装置14が実行する動作を示したフローチャートである。図示しない記憶装置は、図11に示すフローチャートの判定プログラムを記憶している。そして、判定装置14は、この判定プログラムを記憶装置から読み出して実行する。
【0042】
判定装置14は、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信した第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの第1受信信号ないし第R受信信号に基づいて、チャネル状態情報H1~HNを算出する(算出ステップ・ステップS1)。算出ステップの詳細については、既に説明を行ったのでこれ以上の説明を省略する。これにより、判定装置14は、算出されたチャネル状態情報H1~HNを取得する(取得ステップ・ステップS2)。このように、ステップS2の取得ステップにおいて、判定装置14は、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信した第1サブキャリアないし第Nサブキャリア毎の第1受信信号ないし第R受信信号に基づいて算出されたチャネル状態情報H1~HNを取得する。
【0043】
次に、判定装置14は、取得ステップにおいて取得したチャネル状態情報H1~HNに基づいて、第1領域A1内の物体の位置に関連する判定、及び、第2領域A2における人M2の有無を判定する(判定ステップ・ステップS3)。判定装置14は、判定ステップにおいて、例えば、第2領域A2における人M2の呼吸を検知することによって、第2領域A2における人M2の有無を判定する。判定ステップの詳細については、既に説明を行ったのでこれ以上の説明を省略する。この後、判定装置14は、図示しない表示装置に判定結果を表示する。
【0044】
(効果)
判定装置14によれば、自動車の車内等のような特定の第1領域A1をセンシングする新たなセンシング技術を得ることができる。より詳細には、判定装置14は、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信した第1サブキャリアないし第Nサブキャリア毎の第1受信信号ないし第R受信信号に基づいて算出されたチャネル状態情報H1~HNを取得する。このチャネル状態情報H1~HNは、第1領域A1内の第1送信アンテナ10-1ないし第T送信アンテナ10-Tと第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rとの間の電磁波の伝送経路の状態を示す情報である。従って、判定装置14は、チャネル状態情報H1~HNに基づいて、第1領域A1内の物体の位置に関連する判定を行うことができる。
【0045】
更に、第2領域A2に人M2が存在しているときのチャネル状態情報H1~HNと、第2領域A2に人M2が存在していないときのチャネル状態情報H1~HNとは異なる。従って、判定装置14は、チャネル状態情報H1~HNに基づいて、自動車のキャビン(第1領域A1)内の物体の位置に関連する判定を行いつつ、第1領域A1に隣接する第2領域A2における人M2の有無を判定できる。このように、判定装置14によれば、自動車の車内等のような特定の第1領域A1をセンシングする新たなセンシング技術を得ることができる。
【0046】
(変形例)
以下に、変形例に係る判定装置14aを備える送受信システム1aの構造について図面を参照しながら説明する。図9は、送受信システム1aのブロック図である。
【0047】
送受信システム1aは、判定装置14の代わりに判定装置14a及び演算装置16を備えている点において、送受信システム1と相違する。判定装置14aは、CPUやGPU等の処理回路である。演算装置16は、CPUやGPU等の処理回路である。このように、判定装置14aと演算装置16とは、別々の半導体集積回路により作製されている。
【0048】
演算装置16は、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信した第1サブキャリアないし第Nサブキャリアの第1受信信号ないし第R受信信号に基づいて、チャネル状態情報H1~HNを算出する。判定装置14aは、演算装置16が演算したチャネル状態情報H1~HNを取得する。これにより、判定装置14aは、第1受信アンテナ12-1ないし第R受信アンテナ12-Rが受信した第1サブキャリアないし第Nサブキャリア毎の第1受信信号ないし第R受信信号に基づいて算出されたチャネル状態情報H1~HNを取得する(取得ステップ)。更に、判定装置14aは、取得ステップにおいて取得したチャネル状態情報H1~HNに基づいて、第1領域A1内の物体の位置に関連する判定、及び、第2領域A2における人M2の有無を判定する(判定ステップ)。送受信システム1aのその他の構造は、送受信システム1と同じであるので説明を省略する。判定装置14aは、判定装置14と同じ作用効果を奏する。
【0049】
(その他の実施形態)
本発明に係る判定装置は、判定装置14,14aに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0050】
なお、判定装置14,14aは、判定ステップにおいて、機械学習モデル以外のプログラムを用いて、第2領域A2における人M2の有無を判定してもよい。機械学習モデル以外のプログラムとは、例えば、テンプレートデータを用いたテンプレートマッチングに係るプログラム等である。
【0051】
なお、機械学習モデルは、教師データが用いられないモデルであってもよい。
【0052】
なお、判定装置14,14aは、第2領域A2に存在している人M2以外の物体を検知することができる。人M2以外の物体は、例えば、呼吸等の動作を行わない。従って、判定装置14,14aは、例えば、電磁波W1の状態が変化したときに、hmnの解析を行う。そして、判定装置14,14aが、hmnは人の周期的な動作を示す情報を含んでいないと判定した場合、第2領域A2に存在している物体は人ではないと判定する。結果、判定装置14,14aは、第2領域A2に存在している人M2以外の物体を検知することができる。この場合、人M2以外の物体とは、例えば、電柱、ガードレール等の無生物である。
【0053】
なお、判定装置14,14aは、第2領域に存在している人M2以外の生物を検知することが出来る。
【0054】
なお、判定装置14,14aは、人の呼吸以外の動作を検知することによって、第2領域A2における人M2の有無を判定してもよい。呼吸以外の人の動作とは、例えば、歩行、走行等である。
【0055】
なお、判定装置14,14aは、判定ステップにおいて、前記第1領域内の物体の位置に関連する判定を行う。従って、判定装置14,14aは、物体の位置に関連する判定として、人の位置の判定、人の動作の有無の判定、及び、人以外の物の位置の判定の少なくとも一つを行ってもよい。
【0056】
なお、ビークルが自律走行する場合には、ビークルには窓が不要である。この場合、ビークルのキャビンの一部が電磁波をキャビン外に透過させることができる素材により作製されていればよい。
【0057】
なお、ビークルは、走行制御を行う制御装置を備えている。この場合、制御装置は、第2領域A2における人M2の有無の判定結果に基づいて、走行制御を行ってもよい。例えば、制御装置は、第2領域A2における人M2の有無の判定結果に基づいて、ビークルと人M2との接触を防ぐように走行制御を行ってもよい。ビークルと人M2との接触を防ぐような制御とは、例えば、制御装置によるブレーキ制御、ハンドル制御等である。
【0058】
なお、第1領域A1は、建物内部の空間でもよい。この場合、第2領域A2は、建物外である。従って、判定装置14,14aは、建物外における人M2の有無を判定してもよい。
【0059】
なお、第1領域A1と第2領域A2とが同じ建物内にあってもよい。例えば、第1領域A1は、建物内における1以上の部屋の内の1つ(以下、第1の部屋と称す)である。このとき、第2領域A2は、第1の部屋に隣接する部屋(以下、第2の部屋と称す)である。この場合、第1の部屋の一部と第2の部屋の一部とが、電磁波を透過させることができる素材により作製されていればよい。
【0060】
なお、第1領域A1は、例えば、閉空間である。ただし、第1領域A1は、閉空間でなくてもよい。この場合、第1領域A1と第2領域A2とは、繋がっていてもよい。例えば、第1領域A1が建物内部の空間である場合、且つ、第2領域A2が建物外である場合、第1領域A1と第2領域A2とは、開放されている窓又は開放されているドア等を介して繋がっていてもよい。
【0061】
同様にして、第1領域A1がビークルのキャビンである場合、且つ、第2領域A2がビークル外である場合、第1領域A1と第2領域A2とは、開放されている窓又は、開放されているドア等を介して繋がっていてもよい。
【0062】
なお、ビークルは、屋根を有さないオープンカーであってもよい。この場合、第1領域A1及び第2領域A2は、例えば、以下である。ビークル(オープンカー)に対して加わる重力方向に平行な方向を、上下方向と定義する。このとき、第1領域A1は、オープンカーを上下方向に見て、オープンカーの車体によって囲まれている領域である。この場合、第2領域A2は、オープンカーを上下方向に見て、第1領域A1の周囲を囲んでいる。このとき、第1領域A1と第2領域A2とは、繋がっている。
【0063】
なお、ビークルは、自動車以外の乗り物でもよい。ビークルは、例えば、電車、飛行機、ロケット、ヘリコプター、船舶等が挙げられる。この場合、判定装置14,14Aは、例えば、ビークルを車庫等に保管しているときに、ビークルに接近する不審者等を検知することができる。
【0064】
なお、判定装置14,14aは、第2領域A2における人M2の有無の判定結果を表示装置に表示する代わりに、第2領域A2における人M2の有無の判定結果をスピーカーにより音声で出力してもよい。
【0065】
なお、判定装置14,14aは、チャネル状態情報H1~HNの内の一部のチャネル状態情報H1~HNに基づいて、判定ステップを行ってもよい。また、判定装置14,14aは、チャネル状態情報H1~HNの一部の成分に基づいて、判定ステップを行ってもよい。
【0066】
なお、判定装置14,14aは、加工されたチャネル状態情報H1~HNに基づいて、判定ステップを行ってもよい。加工されたチャネル状態情報H1~HNとは、例えば、判定ステップが行いやすいように、チャネル状態情報H1~HNから高周波成分を除去したデータである。
【0067】
判定装置14,14aが必ずしも、機械学習モデルを有していなくてよい。例えば、判定装置14,14aと異なるサーバ等の装置が、機械学習モデルを有していてもよい。この場合、判定装置14,14aは、機械学習モデルを有しているサーバ等の装置へチャネル状態情報を送信する。判定装置14,14aは、第1領域A1内の物体の位置の判定結果、又は、第2領域A2における人M2の有無の判定結果をサーバ等の装置から受信する。
【0068】
なお、送信装置9によって送信される電磁波の強度を強くすることによって、第2領域A2において反射した電磁波W1が第1領域A1へ到達しやすくなる。従って、送信装置9によって送信される電磁波の強度を強くすることによって、第2領域A2における人M2の有無を検知しやすくなる。
【0069】
なお、図3及び図4に示した電磁波の伝送経路の状態は、一例である。従って、判定装置14,14aの実使用時における電磁波の伝送経路の状態は、必ずしも図3及び図4に示した伝送経路の状態と一致しなくてよい。
【0070】
なお、判定装置14,14aは、必ずしもFFTを用いて、第2領域A2における人M1の有無を判定しなくてよい。
【0071】
なお、判定装置14,14aは、hmnの位相を算出することにより、第1領域A1内の人M1の動作の有無を判定してもよい。例えば、人M1の動作時のhmnの位相と、人M1の呼吸時のhmnの位相とが異なる場合がある。この場合、判定装置14,14aは、hmnの位相を算出することによって、第1領域A1内の人M1の動作の有無を判定することが出来る。
【符号の説明】
【0072】
1,1a:送受信システム
9:送信装置
10-1~10-T:第1送信アンテナないし第T送信アンテナ
11:受信装置
12-1~12-R:第1受信アンテナないし第R受信アンテナ
14,14a:判定装置
16:演算装置
A1:第1領域
A2:第2領域
M1,M2:人
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
図12