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特許7552943遠隔保守システム、保守装置、プログラム、および遠隔保守方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】遠隔保守システム、保守装置、プログラム、および遠隔保守方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20240910BHJP
【FI】
G06F8/65
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024024877
(22)【出願日】2024-02-21
【審査請求日】2024-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】福崎 健志
(72)【発明者】
【氏名】小林 正男
(72)【発明者】
【氏名】奈良 和紀
【審査官】久々宇 篤志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-139707(JP,A)
【文献】特開2006-060779(JP,A)
【文献】特開2019-096202(JP,A)
【文献】特開2019-028886(JP,A)
【文献】特開2022-095185(JP,A)
【文献】特開2010-218456(JP,A)
【文献】特開2017-108360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の保守対象装置と、前記保守対象装置を遠隔で保守する保守装置と、を備えた遠隔保守システムであって、
前記保守対象装置は、
所定のアップロードイベントが発生すると、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を含むアップロード要求を前記保守装置に送信するアップロード要求手段と、
所定のダウンロードイベントが発生すると、前記保守装置にダウンロード要求を送信して、前記保守装置からコンフィグレーション更新情報をダウンロードするダウンロード要求手段と、
前記ダウンロード要求手段によりダウンロードした前記コンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されている前記コンフィグレーション情報を更新するとともに、自装置に設定されている前記コンフィグレーション情報の更新結果を前記保守装置に送信するコンフィグレーション更新手段と、を有し、
前記保守装置は、
前記保守対象装置から受信した前記アップロード要求に含まれている前記コンフィグレーション情報を取得するアップロード処理手段と、
前記アップロード処理手段により取得した前記コンフィグレーション情報の編集を受け付ける編集受付手段と、
前記編集受付手段により編集された前記コンフィグレーション情報を、前記コンフィグレーション更新情報として、当該コンフィグレーション情報のアップロード元の前記保守対象装置に紐付けて登録する更新情報登録手段と、
前記保守対象装置から受信した前記ダウンロード要求に従い、当該保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信するダウンロード処理手段と、
前記ダウンロード処理手段により前記保守対象装置に送信された前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果を当該保守対象装置から受信して出力する更新結果出力手段と、を有し、
前記ダウンロード処理手段は、
前記保守対象装置から受信した前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果が「更新成功」である場合、当該コンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定し、
前記ダウンロード要求の送信元である前記保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報に前記反映フラグが設定されている場合、当該コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信しない
ことを特徴とする遠隔保守システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔保守システムであって、
前記保守装置は、
前記保守対象装置毎に当該保守対象装置の認証情報を記憶する認証情報記憶手段と、
前記保守対象装置から受信した前記アップロード要求あるいは前記ダウンロード要求に含まれている認証情報および当該保守対象装置に紐付けられて前記認証情報記憶手段に記憶されている前記認証情報を用いて、当該保守対象装置の認証処理を実施する認証手段と、をさらに有し、
前記アップロード要求手段は、
前記アップロード要求を、当該アップロード要求に自装置の前記認証情報を含めて前記保守装置に送信し、
前記ダウンロード要求手段は、
前記ダウンロード要求を、当該ダウンロード要求に自装置の前記認証情報を含めて前記保守装置に送信し、
前記アップロード処理手段は、
前記認証手段により、前記アップロード要求の送信元である前記保守対象装置の認証が成立しなかった場合に、当該アップロード要求に含まれている前記コンフィグレーション情報を取得せず
前記ダウンロード処理手段は、
前記認証手段により、前記ダウンロード要求の送信元である前記保守対象装置の認証が成立しなかった場合に、当該保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信しない
ことを特徴とする遠隔保守システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遠隔保守システムであって、
前記保守装置は、
前記保守対象装置から前記アップロード要求あるいは前記ダウンロード要求を新たに受信することなく所定時間経過することによりタイムアウトした場合、当該保守対象装置の非稼働状態を知らせるメッセージを出力するメッセージ出力手段をさらに有する
ことを特徴とする遠隔保守システム。
【請求項4】
保守対象装置を遠隔で保守する保守装置であって、
前記保守対象装置から受信したアップロード要求に含まれているコンフィグレーション情報を取得するアップロード処理手段と、
前記アップロード処理手段により取得した前記コンフィグレーション情報の編集を受け付ける編集受付手段と、
前記編集受付手段により編集された前記コンフィグレーション情報を、コンフィグレーション更新情報として、当該コンフィグレーション情報のアップロード元の前記保守対象装置に紐付けて登録する更新情報登録手段と、
前記保守対象装置から受信したダウンロード要求に従い、当該保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報を、当該保守対象装置に送信するダウンロード処理手段と、
前記ダウンロード処理手段により前記保守対象装置に送信された前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果を当該保守対象装置から受信して出力する更新結果出力手段と、を有し、
前記ダウンロード処理手段は、
前記保守対象装置から受信した前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果が「更新成功」である場合、当該コンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定し、
前記ダウンロード要求の送信元である前記保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報に前記反映フラグが設定されている場合、当該コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信しない
ことを特徴とする保守装置。
【請求項5】
保守対象装置を遠隔で保守する保守装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記保守対象装置から受信したアップロード要求に含まれているコンフィグレーション情報を取得するアップロード処理手段、
前記アップロード処理手段により取得した前記コンフィグレーション情報の編集を受け付ける編集受付手段、
前記編集受付手段により編集された前記コンフィグレーション情報を、コンフィグレーション更新情報として、当該コンフィグレーション情報のアップロード元の前記保守対象装置に紐付けて登録する更新情報登録手段
前記保守対象装置から受信したダウンロード要求に従い、当該保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報を、当該保守対象装置に送信するダウンロード処理手段、および
前記ダウンロード処理手段により前記保守対象装置に送信された前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果を当該保守対象装置から受信して出力する更新結果出力手段として、前記コンピュータを機能させ
前記ダウンロード処理手段は、
前記保守対象装置から受信した前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果が「更新成功」である場合、当該コンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定し、
前記ダウンロード要求の送信元である前記保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報に前記反映フラグが設定されている場合、当該コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信しない
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
保守装置から少なくとも1台の保守対象装置を遠隔で保守する遠隔保守方法であって、
前記保守対象装置は、
所定のアップロードイベントが発生すると、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を含むアップロード要求を前記保守装置に送信し、
所定のダウンロードイベントが発生すると、前記保守装置にダウンロード要求を送信して、前記保守装置からコンフィグレーション更新情報をダウンロードし、ダウンロードした前記コンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されている前記コンフィグレーション情報を更新するとともに、自装置に設定されている前記コンフィグレーション情報の更新結果を前記保守装置に送信し、
前記保守装置は、
前記保守対象装置から受信したアップロード要求に含まれている前記コンフィグレーション情報を取得し、取得した前記コンフィグレーション情報の編集を受け付けて、編集された前記コンフィグレーション情報を、前記コンフィグレーション更新情報として、当該コンフィグレーション情報のアップロード元の前記保守対象装置に紐付けて登録し、
前記保守対象装置から受信した前記ダウンロード要求に従い、当該保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報に反映フラグが設定されていないならば、当該保守対象装置に当該コンフィグレーション更新情報を送信し、設定されているならば、当該保守対象装置に当該コンフィグレーション更新情報を送信せず、
前記保守対象装置から当該保守対象装置に送信した前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果を受信して出力するとともに、当該更新結果が「更新成功」である場合、当該コンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定する
ことを特徴とする遠隔保守方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守対象装置を保守装置から遠隔で保守する遠隔保守技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インターネット上のサーバからルータを介してLAN(Local Area Network)に接続されている端末にコンフィグレーション情報を設定する技術が開示されている。この技術において、ルータは、インターネットを介して管理サーバからコンフィグレーション情報を取得する。そして、端末は、起動時にLAN経由でルータからコンフィグレーション情報を取得して自身に設定する。
【0003】
また、特許文献2には、任意のタイミングでコンフィグレーション情報(設定情報)を自動取引装置に設定することができる遠隔保守技術が開示されている。この遠隔保守技術において、自動取引装置は管理サーバに設定要求信号を送信し、これを受けて、管理サーバは、自動取引装置に、この自動取引装置のコンフィグレーション情報を送信する。そして、自動取引装置は、管理サーバから受信したコンフィグレーション情報を自身に設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-246414号公報
【文献】特開2013-84234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビジネスホンシステムの主装置等のオンプレミスサーバのコンフィグレーション情報は、様々なサービスに対応する必要から、その設定項目が日々増加傾向にある。それに伴い、コンフィグレーション情報の管理負担も増大している。例えば、不具合に対処する場合、所望のサービスを追加する場合等、保守者が、コンフィグレーション情報の膨大な設定項目のなかから、関連する設定項目を正しく特定して、これらに正しい値を設定する作業を、オンプレミスサーバに出向いて行わなければならない。このような現場作業の発生は、保守者および現場の双方にとって負担が大きい。特許文献1および特許文献2いずれにおいてもこの点が考慮されていない。
【0006】
すなわち、特許文献1および特許文献2に記載の技術を適用してオンプレミスサーバのコンフィグレーション情報を遠隔で設定する場合でも、管理サーバに登録する更新用のコンフィグレーション情報を作成するためには、オンプレミスサーバに設定されているコンフィグレーション情報の膨大な設定項目の設定内容を現場で一つ一つ確認する作業が必要となる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンフィグレーション情報の管理負担を軽減することが可能な遠隔保守技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明において、保守対象装置は、アップロード指示の受け付け、定期的なアップロードタイミングの到来等、所定のアップロードイベントが発生すると、保守装置にアクセスして、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を保守装置にアップロードする。これを受けて、保守装置は、保守対象装置によりアップロードされたコンフィグレーション情報の編集を、操作者から受け付ける。そして、操作者により編集されたコンフィグレーション情報を、コンフィグレーション更新情報として保守対象装置に紐付けて登録する。また、保守対象装置は、ダウンロード指示の受け付け、定期的なダウンロードタイミングの到来等、所定のダウンロードイベントが発生すると、保守装置にアクセスして、自装置に紐付けられているコンフィグレーション更新情報を保守装置からダウンロードする。そして、保守装置からダウンロードしたコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新する。
【0009】
例えば、本発明は、
少なくとも1台の保守対象装置と、前記保守対象装置を遠隔で保守する保守装置と、を備えた遠隔保守システムであって、
前記保守対象装置は、
所定のアップロードイベントが発生すると、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を含むアップロード要求を前記保守装置に送信するアップロード要求手段と、
所定のダウンロードイベントが発生すると、前記保守装置にダウンロード要求を送信して、前記保守装置からコンフィグレーション更新情報をダウンロードするダウンロード要求手段と、
前記ダウンロード要求手段によりダウンロードした前記コンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されている前記コンフィグレーション情報を更新するとともに、自装置に設定されている前記コンフィグレーション情報の更新結果を前記保守装置に送信するコンフィグレーション更新手段と、を有し、
前記保守装置は、
前記保守対象装置から受信した前記アップロード要求に含まれている前記コンフィグレーション情報を取得するアップロード処理手段と、
前記アップロード処理手段により取得した前記コンフィグレーション情報の編集を受け付ける編集受付手段と、
前記編集受付手段により編集された前記コンフィグレーション情報を、前記コンフィグレーション更新情報として、当該コンフィグレーション情報のアップロード元の前記保守対象装置に紐付けて登録する更新情報登録手段と、
前記保守対象装置から受信した前記ダウンロード要求に従い、当該保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信するダウンロード処理手段と、
前記ダウンロード処理手段により前記保守対象装置に送信された前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果を当該保守対象装置から受信して出力する更新結果出力手段と、を有し、
前記ダウンロード処理手段は、
前記保守対象装置から受信した前記コンフィグレーション更新情報を用いた更新結果が「更新成功」である場合、当該コンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定し、
前記ダウンロード要求の送信元である前記保守対象装置に紐付けられて登録されている前記コンフィグレーション更新情報に前記反映フラグが設定されている場合、当該コンフィグレーション更新情報を当該保守対象装置に送信しない
【発明の効果】
【0010】
本発明では、保守対象装置に設定されているコンフィグレーション情報が保守対象装置から保守装置にアップロードされ、保守装置は、このアップロードされたコンフィグレーション情報の編集を操作者(保守者)から受け付けることにより、コンフィグレーション更新情報を作成する。そして、保守対象装置は、保守装置からコンフィグレーション更新情報をダウンロードし、このコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新する。
【0011】
このため、コンフィグレーション情報の管理のための現場作業が発生せず、保守者は、保守対象装置にまで出向く必要はない、一方、現場は、保守者の受け入れ負担を課されない。したがって、本発明によれば、コンフィグレーション情報の管理負担を軽減することできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る遠隔保守システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る遠隔保守システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る遠隔保守システムの動作を説明するためのシーケンス図であり、図2の続きである。
図4図4は、保守対象装置1の概略機能構成図である。
図5図5は、保守対象装置1の動作を説明するためのフロー図である。
図6図6は、保守装置2の概略機能構成図である。
図7図7は、保守装置2の動作を説明するためのフロー図である。
図8図8は、保守装置2の動作を説明するためのフロー図であり、図7の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る遠隔保守システムの概略構成図である。
【0015】
図示するように、本実施の形態に係る遠隔保守システムは、少なくとも1台の保守対象装置1と、保守対象装置1を遠隔で保守する保守装置2とが、WAN(Wide Area Network)5を介して互いに接続されて構成される。
【0016】
本実施の形態では、保守対象装置1として、LAN(Local Area Network)6を介して複数の内線電話機4を収容し、これらの内線電話機4に電話サービスを提供するビジネスホンシステムの主装置を想定している。また、保守装置2には、LAN7を介して操作端末3が接続されている。
【0017】
図2および図3は、本実施の形態に係る遠隔保守システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【0018】
まず、保守対象装置1において、ユーザからのアップロード指示の受け付け、定期的なアップロードタイミングの到来等、所定のアップロードイベントが発生したものとする(S100)。これを受けて、保守対象装置1は、自装置に設定されているコンフィグレーション情報と自装置の認証情報(アカウント名、パスワード)とを含むアップロード要求を保守装置2に送信する(S101)。
【0019】
つぎに、保守装置2は、保守対象装置1からアップロード要求を受信すると、アップロード要求に含まれる認証情報と、アップロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてあらかじめ登録されているアカウント情報とを用いて、アップロード要求元の保守対象装置1を認証する(S102)。認証が成立したならば、アップロード要求に含まれるコンフィグレーション情報をアップロード要求元の保守対象装置1に紐付けて登録する(S103)。
【0020】
その後、この保守対象装置1の指定を含むコンフィグレーション情報要求を操作端末3から受信すると、この保守対象装置1に紐付けて登録したコンフィグレーション情報を、この保守対象装置1の情報とともに操作端末3に送信する(S104)。
【0021】
つぎに、操作端末3は、保守装置2から受信したコンフィグレーション情報およびアップロード要求元の保守対象装置1の情報を表示して(S105)、操作者からコンフィグレーション情報の編集操作を受け付ける(S106)。そして、受け付けた編集操作による編集内容を保守装置2に送信する(S107)。これを受けて、保守装置2は、操作端末3から受け付けた編集内容に従い、操作端末3に表示中のコンフィグレーション情報を編集する(S108)。
【0022】
それから、操作端末3は、操作者から登録操作を受け付けると(S109)、保守装置2に登録指示を送信する(S110)。これを受けて、保守装置2は、編集中のコンフィグレーション情報を、このコンフィグレーション情報に紐付けられている保守対象装置1に紐付けて、コンフィグレーション更新情報として登録する(S111)。
【0023】
つぎに、保守対象装置1において、ユーザからのダウンロード指示の受け付け、定期的なダウンロードタイミングの到来等、所定のダウンロードイベントが発生したものとする(S112)。これを受けて、保守対象装置1は、自装置の認証情報を含むダウンロード要求を保守装置2に送信する(S113)。
【0024】
つぎに、保守装置2は、保守対象装置1からダウンロード要求を受信すると、このダウンロード要求に含まれる認証情報と、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてあらかじめ登録されているアカウント情報とを用いて、ダウンロード要求元の保守対象装置1を認証する(S114)。保守装置2は、認証が成立したならば、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられて登録されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグが設定されているか否かを確認する(S115)。ここで、コンフィグレーション更新情報に反映フラグは設定されていない。この場合、保守装置2は、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられて登録されているコンフィグレーション更新情報をダウンロード要求元の保守対象装置1に送信する(S116)。
【0025】
保守対象装置1は、保守装置2からコンフィグレーション更新情報を受信すると、このコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新する(S117)。そして、その更新結果を示す更新結果通知を保守装置2に送信する(S118)。これを受けて、保守装置2は、保守対象装置1から受信した更新結果通知を、この保守対象装置1の情報とともに操作端末3に送信する(S119)。また、保守装置2は、この更新結果通知に含まれる更新結果が更新成功であることを確認し、この更新結果通知の送信元の保守対象装置1に紐付けられて登録されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定する(S120)。一方、操作端末3は、保守装置2から受信した更新結果通知および保守対象装置1の情報を表示する(S121)。
【0026】
つぎに、保守対象装置1において、所定のダウンロードイベントが新たに発生したものとする(S122)。これを受けて、保守対象装置1は、自装置の認証情報を含むダウンロード要求を保守装置2に送信する(S123)。
【0027】
保守装置2は、保守対象装置1からダウンロード要求を受信すると、このダウンロード要求に含まれる認証情報と、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてあらかじめ登録されているアカウント情報とを用いて、ダウンロード要求元の保守対象装置1を認証する(S124)。保守装置2は、認証が成立したならば、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられて登録されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグが設定されているか否かを確認する(S125)。ここでは、コンフィグレーション更新情報に反映フラグが設定されている。この場合、保守装置2は、ダウンロード要求元の保守対象装置1に、コンフィグレーション更新情報を送信せず、代わりに、最新のコンフィグレーション情報が設定されていることを示す反映済み通知を送信する(S126)。
【0028】
つぎに、本実施の形態に係る遠隔保守システムを構成する保守対象装置1および保守装置2の詳細について説明する。
【0029】
まず、保守対象装置1の詳細を説明する。
【0030】
図4は、保守対象装置1の概略機能構成図である。
【0031】
図示するように、保守対象装置1は、ネットワークインターフェース部10と、アカウント情報記憶部11と、コンフィグレーション情報記憶部12と、アップロード要求部13と、ダウンロード要求部14と、コンフィグレーション情報更新部15と、を有する。
【0032】
ネットワークインターフェース部10は、WAN5を介して保守装置2に接続するためのインターフェースである。
【0033】
アカウント情報記憶部11には、保守装置2による遠隔保守サービスを受けるためのアカウント情報が記憶されている。このアカウント情報は、認証情報(アカウント名、パスワード)を含んでいる。
【0034】
コンフィグレーション情報記憶部12には、自装置に設定されているコンフィグレーション情報が記憶されている。
【0035】
アップロード要求部13は、ユーザからのアップロード指示の受け付け、定期的なアップロードタイミングの到来等、所定のアップロードイベントが発生した場合に、コンフィグレーション情報記憶部12に記憶されているコンフィグレーション情報と、アカウント情報記憶部11に記憶されているアカウント情報に含まれる認証情報と、を含むアップロード要求を保守装置2に送信する。
【0036】
ダウンロード要求部14は、ユーザからのダウンロード指示の受け付け、定期的なダウンロードタイミングの到来等、所定のダウンロードイベントが発生した場合に、アカウント情報記憶部11に記憶されているアカウント情報に含まれる認証情報を含むダウンロード要求を保守装置2に送信して、保守装置2からコンフィグレーション更新情報をダウンロードする。
【0037】
コンフィグレーション情報更新部15は、ダウンロード要求部14により保守装置2からダウンロードされたコンフィグレーション更新情報に従い、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新する。そして、その更新結果を含む更新結果通知を保守装置2に送信する。
【0038】
図4に示す保守対象装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現される。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信機と、を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現される。
【0039】
図5は、保守対象装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【0040】
アップロード要求部13は、所定のアップロードイベントが発生すると(S200でYES)、コンフィグレーション情報記憶部12に記憶されているコンフィグレーション情報と、アカウント情報記憶部11に記憶されているアカウント情報に含まれる認証情報と、を含むアップロード要求を、ネットワークインターフェース部10を介して保守装置2に送信する(S201)。その後、S200に戻る。
【0041】
また、ダウンロード要求部14は、所定のダウンロードイベントが発生すると(S2002でYES)、アカウント情報記憶部11に記憶されているアカウント情報に含まれる認証情報を含むダウンロード要求を、ネットワークインターフェース部10を介して保守装置2に送信する(S203)。そして、保守装置2からコンフィグレーション更新情報を受信すると(S204でYES)、受信したコンフィグレーション更新情報をコンフィグレーション情報更新部15に渡す。これを受けて、コンフィグレーション情報更新部15は、ダウンロード要求部14から受け取ったコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新するとともに、更新後のコンフィグレーション情報をコンフィグレーション情報記憶部12に記憶する(S205)。その後、コンフィグレーション情報更新部15は、ネットワークインターフェース部10を介して保守装置2に、その更新結果を含む更新結果通知を送信する(S206)。その後、S200に戻る。
【0042】
一方、保守装置2に送信したダウンロード要求に対して、コンフィグレーション更新情報を受信することなく、保守装置2から反映済み通知を受信した場合は(S207でYES)、直ちにS200に戻る。
【0043】
つぎに、保守装置2の詳細を説明する。
【0044】
図6は、保守装置2の概略機能構成図である。
【0045】
図示するように、保守装置2は、WANインターフェース部20と、LANインターフェース部21と、アカウント情報記憶部22と、コンフィグレーション情報記憶部23と、コンフィグレーション更新情報記憶部24と、アップロード処理部25と、ダウンロード処理部26と、認証部27と、編集受付部28と、更新情報登録部29と、稼働状態監視部30と、更新結果・メッセージ出力部31と、を有する。
【0046】
WANインターフェース部20は、WAN5を介して保守対象装置1に接続するためのインターフェースであり、LANインターフェース部21は、LAN7を介して操作端末3に接続するためのインターフェースである。
【0047】
アカウント情報記憶部22には、保守対象装置1毎に、保守対象装置1が保守装置2から遠隔保守サービスの提供を受けるためのアカウント情報が記憶されている。このアカウント情報は、認証情報(アカウント名、パスワード)を含んでいる。
【0048】
コンフィグレーション情報記憶部23には、保守対象装置1毎に、保守対象装置1に設定されているコンフィグレーション情報が記憶されている。
【0049】
コンフィグレーション更新情報記憶部24には、保守対象装置1毎に、保守対象装置1に設定されているコンフィグレーション情報を更新するためのコンフィグレーション更新情報が記憶されている。
【0050】
アップロード処理部25は、保守対象装置1から受信したアップロード要求に含まれているコンフィグレーション情報を、アップロード要求元の保守対象装置1に紐付けてコンフィグレーション情報記憶部23に記憶する。
【0051】
ダウンロード処理部26は、保守対象装置1から受信したダウンロード要求に従い、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶されているコンフィグレーション更新情報を、このダウンロード要求元の保守対象装置1に送信する。
【0052】
認証部27は、保守対象装置1から受信したアップロード要求に含まれる認証情報と、このアップロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてアカウント情報記憶部22に記憶されているアカウント情報と、を用いて、アップロード要求元の保守対象装置1の認証処理を実施する。また、保守対象装置1から受信したダウンロード要求に含まれる認証情報と、このダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてアカウント情報記憶部22に記憶されているアカウント情報と、を用いて、ダウンロード要求元の保守対象装置1の認証処理を実施する。
【0053】
編集受付部28は、操作端末3からのコンフィグレーション情報要求に従い、指定された保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション情報記憶部23に記憶されているコンフィグレーション情報を操作端末3に送信する。そして、このコンフィグレーション情報に対する編集内容を操作端末3から受け付け、受け付けた編集内容に従ってこのコンフィグレーション情報を編集する。
【0054】
更新情報登録部29は、編集受付部28により編集されたコンフィグレーション情報を、コンフィグレーション更新情報として、このコンフィグレーション情報に紐付けられている保守対象装置1に紐付けてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶する。
【0055】
稼働状態監視部30は、保守対象装置1毎に、アップロード要求およびダウンロード要求の受信状態に基づいて保守対象装置1の稼働状態を監視する。具体的には、最後にアップロード要求あるいはダウンロード要求を受信してから新たにアップロード要求あるいはダウンロード要求を受信することなく所定時間の経過によりタイムアウトした場合、保守対象装置1が非稼働状態にあると判断する。
【0056】
更新結果・メッセージ出力部31は、保守対象装置1から受信した更新結果通知を、この保守対象装置1の情報とともに操作端末3に送信する。また、更新結果・メッセージ出力部31は、稼働状態監視部30によりいずれかの保守対象装置1が非稼働状態と判断された場合に、その旨を示す非稼働メッセージを操作端末3に送信する。
【0057】
図6に示す保守装置2の機能構成は、図4に示す保守対象装置1の機能構成と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現される。または、CPUと、メモリと、SSD、HDD等の補助記憶装置と、NIC等の通信機と、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現される。
【0058】
図7および図8は、保守装置2の動作を説明するためのフロー図である。
【0059】
アップロード処理部25は、WANインターフェース部20を介して保守対象装置1からアップロード要求を受信すると(S300でYES)、このアップロード要求に含まれる認証情報を、アップロード要求元の保守対象装置1の情報とともに認証部27に渡す。これを受けて、認証部27は、アップロード要求に含まれる認証情報と、アップロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてアカウント情報記憶部22に記憶されているアカウント情報と、を用いて、アップロード要求元の保守対象装置1の認証処理を実施し、その認証結果をアップロード処理部25に返す。アップロード処理部25は、認証結果が「認証失敗」であるならば(S301でNO)、アップロード要求元の保守対象装置1にエラーメッセージを送信する等の所定のエラー処理を実施する(S302)。一方、認証結果が「認証成功」であるならば(S301でYES)、このアップロード要求に含まれるコンフィグレーション情報をアップロード要求元の保守対象装置1に紐付けてコンフィグレーション情報記憶部23に記憶する(S303)。
【0060】
また、ダウンロード処理部26は、WANインターフェース部20を介して保守対象装置1からダウンロード要求を受信すると(S304でYES)、このダウンロード要求に含まれる認証情報をダウンロード要求元の保守対象装置1の情報とともに認証部27に渡す。これを受けて、認証部27は、ダウンロード要求に含まれる認証情報と、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてアカウント情報記憶部22に記憶されているアカウント情報と、を用いて、ダウンロード要求元の保守対象装置1の認証処理を実施し、その認証結果をダウンロード処理部26に返す。ダウンロード処理部26は、認証結果が「認証失敗」であるならば(S305でNO)、ダウンロード要求元の保守対象装置1にエラーメッセージを送信する等の所定のエラー処理を実施する(S302)。一方、認証結果が「認証成功」であるならば(S305でYES)、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグが未設定であるか否かをさらに調べる(S306)。
【0061】
ダウンロード処理部26は、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグが設定されているならば(S306でNO)、WANインターフェース部20を介してダウンロード要求元の保守対象装置1に反映済み通知を送信する(S307)。
【0062】
一方、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグが未設定であるならば(S306でYES)、ダウンロード処理部26は、WANインターフェース部20を介してダウンロード要求元の保守対象装置1にこのコンフィグレーション更新情報を送信する(S308)。その後、ダウンロード要求元の保守対象装置1から更新結果通知を受信すると、これをダウンロード要求元の保守対象装置1の情報とともに更新結果・メッセージ出力部31に渡す。これを受けて、更新結果・メッセージ出力部31は、LANインターフェース部21を介して操作端末3に、更新結果通知を、ダウンロード要求元の保守対象装置1の情報とともに送信する(S309)。
【0063】
つぎに、ダウンロード処理部26は、ダウンロード要求元の保守対象装置1から受信した更新結果通知が「更新成功」であるならば(S310でYES)、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定する(S311)。
【0064】
また、編集受付部28は、LANインターフェース部21を介して操作端末3からコンフィグレーション情報要求を受信すると(S312でYES)、このコンフィグレーション情報要求で指定された保守対象装置1に紐付けられてコンフィグレーション情報記憶部23に記憶されているコンフィグレーション情報を、LANインターフェース部21を介して操作端末3に送信する(S313)。そして、コンフィグレーション情報に対する編集内容を操作端末3から受け付けたならば(S314でYES)、その編集内容に従ってこのコンフィグレーション情報の複製を編集する(S315)。その後、操作端末3から登録指示を受け付けたならば(S316でYES)、編集後のコンフィグレーション情報の複製を、このコンフィグレーション情報に紐付けられている保守対象装置1の情報とともに更新情報登録部29に渡す。これを受けて、更新情報登録部29は、この編集後のコンフィグレーション情報の複製を、コンフィグレーション更新情報として、この保守対象装置1に紐付けてコンフィグレーション更新情報記憶部24に記憶する(S317)。
【0065】
また、稼働状態監視部30は、保守対象装置1毎に、最後にアップロード要求あるいはダウンロード要求を受信してからの経過時間を監視しており、この経過時間が所定時間以上となりタイムアウトした保守対象装置1があるならば(S318でYES)、この保守対象装置1が非稼働状態にあると判断し、この保守対象装置1の情報を更新結果・メッセージ出力部31に出力する。これを受けて、更新結果・メッセージ出力部31は、LANインターフェース部21を介して操作端末3に、この保守対象装置1が非稼働状態である旨の非稼働メッセージを送信する(S319)。
【0066】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0067】
本実施の形態では、保守対象装置1に設定されているコンフィグレーション情報が保守対象装置1から保守装置2にアップロードされ、保守装置2は、このアップロードされたコンフィグレーション情報の編集を操作端末3から受け付けることにより、コンフィグレーション更新情報を作成する。そして、保守対象装置1は、保守装置2からコンフィグレーション更新情報をダウンロードし、このコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新する。このため、コンフィグレーション情報の管理のための現場作業が発生せず、保守者(操作端末3の操作者)は、保守対象装置1にまでわざわざ出向く必要はなく、一方、現場は、保守者の受け入れ負担を課されない。したがって、本実施の形態によれば、コンフィグレーション情報の管理負担を軽減することできる。
【0068】
また、本実施の形態において、保守装置2は、保守対象装置1から受信したアップロード要求あるいはダウンロード要求に含まれている認証情報と、この保守対象装置1に紐付けられて登録されているアカウント情報とを用いて、この保守対象装置1を認証する。そして、認証が成立した場合に、アップロード要求に含まれているコンフィグレーション情報を記憶、あるいは、ダウンロード要求元の保守対象装置1に紐付けられて記憶されているコンフィグレーション更新情報をこの保守対象装置1に送信する。したがって、本実施の形態によれば、不正な装置からのアップロードおよび不正な装置へのダウンロードを防止してセキュリティを向上させることができる。
【0069】
また、本実施の形態において、保守対象装置1は、保守装置2からダウンロードしたコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新した場合に、その更新結果を含む更新結果通知を保守装置2に送信する。そして、保守装置2は、保守対象装置1から受信した更新結果通知を操作端末3に送信する。したがって、保守者は、保守対象装置1まで出向かなくても、保守対象装置1におけるコンフィグレーション情報の更新結果を知ることができ、利便性が向上する。
【0070】
また、本実施の形態において、保守装置2は、保守対象装置1から受信した更新結果通知に含まれている更新結果が「更新成功」である場合、この保守対象装置1に紐付けられて記憶されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグを設定する。そして、保守対象装置1からダウロード要求を受信した場合、この保守対象装置1に紐付けて記憶されているコンフィグレーション更新情報に反映フラグが設定されているならば、コンフィグレーション更新情報をこの保守対象装置1に送信しない。このようにすることにより、保守対象装置1に反映済みのコンフィグレーション更新情報が繰り返し送信されるのを防止して、通信量を低減させることができる。また、コンフィグレーション更新情報の送信回数を減らすことでセキュリティを向上させることができる。
【0071】
また、本実施の形態において、保守装置2は、保守対象装置1から新たなアップロード要求あるいは新たなダウンロード要求を受信することなく所定時間経過することによりタイムアウトした場合、この保守対象装置1に非稼働状態を知らせる非稼働メッセージを操作端末3に送信する。したがって、本実施の形態によれば、保守対象装置1の異常を速やかに検知して保守点検等を迅速に行うことができる。
【0072】
また、本実施の形態においては、所定のアップロードイベントの発生タイミグで、保守対象装置1は、保守装置2にアクセスし、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を保守装置2にアップロードする。このため、保守装置2が保守対象装置1からコンフィグレーション情報を収集する場合と異なり、保守対象装置1は、WAN5側にポートを開放する必要がない。したがって、セキュリティ低下を防止することができる。
【0073】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0074】
例えば、上記の実施の形態では、保守装置2にLAN7を介して操作端末3を接続しているが、操作端末3は、WAN5を介して保守装置2に接続されていてもよい。あるいは、保守装置2に、保守者に提供すべき上記の情報(コンフィグレーション情報等)を出力するとともに保守者から上記の各操作を受け付けるマンマシンインターフェースを追加することにより、操作端末3を省略してもよい。
【0075】
また、上記の実施の形態では、保守対象装置1としてビジネスホンシステムの主装置を想定している。しかし、保守対象装置1は、主装置に限定されるものではなく、様々なオンプレミスサーバを保守対象装置1とすることができる。
【符号の説明】
【0076】
1:保守対象装置 2:保守装置 3:操作端末 4:内線電話機
5:WAN 6、7:LAN 10:ネットワークインターフェース部
11:アカウント情報記憶部 12:コンフィグレーション情報記憶部
13:アップロード要求部 14:ダウンロード要求部
15:コンフィグレーション情報更新部 20:WANインターフェース部
21:LANインターフェース部 22:アカウント情報記憶部
23:コンフィグレーション情報記憶部
24:コンフィグレーション更新情報記憶部 25:アップロード処理部
26:ダウンロード処理部 27:認証部 28:編集受付部
29:更新情報登録部 30:稼働状態監視部
31:更新結果・メッセージ出力部
【要約】      (修正有)
【課題】コンフィグレーション情報の管理負担を軽減する遠隔保守システム及び遠隔保守方法並びに保守装置、保守対象装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】遠隔保守システムの動作であって、保守対象装置1に設定されているコンフィグレーション情報を保守対象装置1から保守装置2にアップロードし、保守装置2が、このアップロードされたコンフィグレーション情報の編集を操作端末3から受け付けることにより、コンフィグレーション更新情報を作成する。そして、保守対象装置1は、保守装置2からコンフィグレーション更新情報をダウンロードし、このコンフィグレーション更新情報に従って、自装置に設定されているコンフィグレーション情報を更新する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8