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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】分割式剛性カルバート
(51)【国際特許分類】
   E03F 3/04 20060101AFI20240910BHJP
   E21D 11/08 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
E03F3/04 A
E21D11/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020138190
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034412
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000211237
【氏名又は名称】ランデス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000162216
【氏名又は名称】共和コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 智
(72)【発明者】
【氏名】森 賀紀
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-002154(JP,A)
【文献】特開2009-097305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 3/04
E21D 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側版の頂部から張り出す左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックと、左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックに挟まれる中間頂版単位ブロックとを連結して構成される頂版を有し、頂版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、中間頂版単位ブロックは下面寄り横方向に直線状のPC鋼材を挿通させ、左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックは上面寄り横方向に直線状のPC鋼材を挿通させた分割式剛性カルバート。
【請求項2】
頂版を支持する上端側版単位ブロックと、底版を支持する下端側版単位ブロックと、上端側版単位ブロック及び下端側版単位ブロックに挟まれる中間側版単位ブロックとを連結して構成される側版を有し、側版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、中間底版単位ブロックは内面寄り縦方向に直線状のPC鋼材を挿通させ、上端側版単位ブロック及び下端側版単位ブロックは内面寄り縦方向に直線状のPC鋼材を挿通させた分割式剛性カルバート。
【請求項3】
側版の底部から張り出す左右の端底版単位ブロックと、左右の端底版単位ブロックに挟まれる中間底版単位ブロックとを連結して構成される底版を有し、底版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、中間底版単位ブロックは上面寄り横方向に直線状のPC鋼材を挿通させ、左端底版単位ブロック及び右端底版単位ブロックは下面寄り横方向に直線状のPC鋼材を挿通させた分割式剛性カルバート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割式剛性カルバートに関する。
【背景技術】
【0002】
分割式剛性カルバートは、工場で製造された単位ブロックを現場で組み立てて構築する。特許文献1は、左右の本体部用ブロックで中間上面板部及び中間底面板部を挟み、左右方向に通したPC鋼材によって、左右の本体部用ブロック、中間上面板部及び中間底面板部を連結させる分割式剛性カルバート(ボックスカルバート)を開示する(特許文献1・[請求項1][0018])。特許文献1が開示する分割式剛性カルバートは、例えば中間上面板部の厚み方向中間位置を左右方向に貫通する直線状のシースに、PC鋼材を真っ直ぐ通している(特許文献1・[図5])。
【0003】
特許文献2は、左右の側壁ブロックで頂版ブロック及び底版ブロックを挟み、左右方向に通したPC鋼材によって、左右の側壁ブロックで頂版ブロック及び底版ブロックを連結させる分割式剛性カルバート(ボックスカルバート)を開示する(特許文献2・[請求項1])。特許文献2が開示する分割式剛性カルバートは、例えば頂版ブロックに通した直線状のPC鋼材を左右の側壁ブロックに向かうに従って傾斜させている(特許文献2・[0031][0042])。このように全体として湾曲させたPC鋼材により、施工後の頂版ブロックに加わる曲げモーメントに耐えるとしている(特許文献2・[0032])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-041842号公報
【文献】特開2009-097305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分割式剛性カルバートにおいて、単位ブロック全部にわたって挿通するPC鋼材は、一体化するために単位ブロックを連結する構造要素としてだけでなく、頂版ブロックの上面寄り横方向又は下面寄り横方向に挿通させて、頂版ブロックに加わる曲げモーメントにより上面又は下面に発生する引っ張り力に抵抗する機能要素として利用される。構造要素としてのPC鋼材は、特許文献1に見られるように、直線状であっても問題がない。しかし、機能要素としてのPC鋼材は、特許文献2に見られるように、頂版ブロックに加わる曲げモーメントに応じて、中間部分である頂版ブロックと両端部分である側壁ブロックとで挿通位置を変えることが望ましい。
【0006】
特許文献2が開示する分割式剛性カルバートは、主に下向きに曲げモーメントが働く中間部分にある頂版ブロックでは下面に発生する引っ張り力に抵抗するため、下面寄りにPC鋼材を挿通し、主に上向きに曲げモーメントが働く両端部分である側壁ブロックでは上面に発生する引っ張り力に抵抗するため、上面寄りにPC鋼材を挿通している。ここで、頂版ブロック及び側壁ブロックに通すPC鋼材は1本物なので、頂版ブロックに挿通させたPC鋼材を側壁ブロックに挿通するまでに上方へ曲げている。このように、PC鋼材の適切な挿通位置を実現するためには、PC鋼材を上下に蛇行させる必要があった。
【0007】
分割式剛性カルバートは、大型であることが多いことから、頂版、側版又は底版に加わる曲げモーメントが大きくなりやすい。このため、曲げモーメントの影響を抑制できるように、曲げモーメントにより発生する引っ張り力に抵抗する機能要素として、PC鋼材の働きが期待される。この場合、特許文献2に見られるように、曲げモーメントの分布に応じて発生する引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材を適切な位置に挿通させることが望まれる。しかし、PC鋼材を蛇行させて挿通させることは難しく、分割式剛性カルバートの製造コストを上昇させかねない。
【0008】
分割式剛性カルバートの単位ブロックを緊密に連結する技術は、PC鋼材に寄らなくても、他の連結手段を用いることにより代替しうる。そこで、PC鋼材は専ら曲げモーメントにより発生する引っ張り力に抵抗する機能要素としての働きを発揮するように、分割式剛性カルバートの頂版、側版又は底版それぞれの適切な位置及び方向にPC鋼材を挿通させる構造を簡単かつ安価に実現するため、検討した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
検討の結果開発したものが、2以上の頂版単位ブロックを連結して構成される頂版を有し、頂版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、下面寄り横方向又は上面寄り横方向に直線状のPC鋼材を一部又は全部の頂版単位ブロックに挿通させた分割式剛性カルバートである。頂版単位ブロックは、プレキャストコンクリートブロックである。PC鋼材による頂版単位ブロックの緊張方法は、プレテンション方式又はポストテンション方式のいずれでもよい。PC鋼材は、全部の頂版単位ブロックに挿通させる場合を基本としながら、一部の頂版単位ブロックのみに挿通させてもよい。また、PC鋼材は、頂版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、すべての頂版単位ブロックの上面寄り横方向に挿通させたり、逆にすべての頂版単位ブロックの下面寄り横方向に挿通させたり、すべての頂版単位ブロックで異なる位置に挿通させたりすることもある。
【0010】
本発明は、分割式ボックスカルバート又は分割式門形カルバートに利用される。分割式ボックスカルバート又は分割式門形カルバートは、多連構造であってもよい。頂版は、上面又は下面が緩やかに湾曲していても、頂版単位ブロックにPC鋼材を直線状に挿通できれば本発明が適用される。頂版単位ブロック相互は、従来公知の接合構造、例えば頂版単位ブロックに挟まれたコンクリート充填部に覆われた機械式継手を介した間接的な接合構造や、頂版単位ブロックの端面を接面させて端面に埋め込まれた機械式継手を用いた直接的な接合構造により接合される。
【0011】
頂版単位ブロックは、側版の頂部から張り出す左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックと、左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックに挟まれる中間頂版単位ブロックとである構成が例示される。この場合、中間頂版単位ブロックが1基で、左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックを合わせて3分割される構成が基本となる。中間頂版単位ブロックは、2基以上あってもよい。複数の中間頂版単位ブロックは、横方向の長さや形状が同じでも、異なってもよい。また、左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックも、横方向の長さや形状が同じでも、異なってもよい。
【0012】
「頂版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、下面寄り横方向…に直線状のPC鋼材を頂版単位ブロックに挿通させた」とは、頂版に加わる下向きの曲げモーメントにより発生する下面の引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材が頂版単位ブロックの下面寄りで直線状かつ横方向に挿通されることを意味する。これは、例えば中間頂版単位ブロックが該当する。同様に、「頂版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、…上面寄り横方向…に直線状のPC鋼材を頂版単位ブロックに挿通させた」とは、頂版に加わる上向きの曲げモーメントにより発生する上面の引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材が頂版単位ブロックの上面寄りの位置で直線状かつ横方向に挿通されることを意味する。これは、例えば左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックが該当する。
【0013】
「下面寄り横方向又は上面寄り横方向に…挿通させた」とは、PC鋼材が全体として頂版単位ブロックの下面又は上面のいずれかに偏った上下位置で、横方向に挿通された状態を意味する。横方向は、水平方向を基準として、水平方向に対して若干傾斜した方向を含む。例えば頂版に加わる曲げモーメントの向きが上下に変化する部分を含む頂版単位ブロックの場合、頂版に加わる曲げモーメントの向きが上下に変化する部分を挟んで横方向の一方が下面寄り、横方向の他方が上面寄りとなるようにPC鋼材を斜めに挿通させることもある。
【0014】
本発明は、側版にも適用できる。すなわち、2以上の側版単位ブロックを連結して構成される側版を有し、側版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、内面寄り縦方向又は外面寄り縦方向に直線状のPC鋼材を一部又は全部の側版単位ブロックに挿通させた分割式剛性カルバートも本発明に含まれる。側版単位ブロックは、プレキャストコンクリートブロックである。PC鋼材による側版単位ブロックの緊張方法は、プレテンション方式又はポストテンション方式のいずれでもよい。PC鋼材は、全部の側版単位ブロックに挿通させる場合を基本としながら、一部の側版単位ブロックのみに挿通させてもよい。また、PC鋼材は、側版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、すべての側版単位ブロックの内面寄り横方向に挿通させたり、逆にすべての側版単位ブロックの外面寄り横方向に挿通させたり、すべての側版単位ブロックで異なる位置に挿通させたりすることもある。
【0015】
本発明は、分割式ボックスカルバート、分割式門形カルバート又は分割式アーチカルバートに利用される。分割式ボックスカルバート、分割式門形カルバート又は分割式アーチカルバートは、多連構造であってもよい。側版は、内面又は外面が緩やかに湾曲していても、側版単位ブロックにPC鋼材を直線状に挿通できれば本発明が適用される。側版単位ブロック相互は、従来公知の接合構造、例えば側版単位ブロックに挟まれたコンクリート充填部に覆われた機械式継手を介した間接的な接合構造や、側版単位ブロックの端面を接面させて端面に埋め込まれた機械式継手を用いた直接的な接合構造により接合される。
【0016】
側版単位ブロックは、頂版を支持する上端側版単位ブロックと、底版を支持する下端側版単位ブロックと、上端側版単位ブロック及び下端側版単位ブロックに挟まれる中間側版単位ブロックとである構成が例示される。この場合、中間側版単位ブロックが1基で、上端側版単位ブロック及び下端側版単位ブロックを合わせて3分割される構成が基本となる。中間側版単位ブロックは、2基以上あってもよい。複数の中間側版単位ブロックは、縦方向の長さや形状が同じでも、異なってもよい。また、上端頂版単位ブロック及び下端頂版単位ブロックも、縦方向の長さや形状が同じでも、異なってもよい。
【0017】
「側版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、内面寄り縦方向…に直線状のPC鋼材を側版単位ブロックに挿通させた」とは、側版に加わる内向きの曲げモーメントにより発生する内面の引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材が側版単位ブロックの内面寄りで直線状かつ縦方向に挿通されることを意味する。これは、例えば中間側版単位ブロックが該当する。同様に、「側版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、…外面寄り縦方向…に直線状のPC鋼材を側版単位ブロックに挿通させた」とは、側版に加わる外向きの曲げモーメントにより発生する外面の引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材が側版単位ブロックの外面寄りの位置で直線状かつ縦方向に挿通されることを意味する。これは、例えば上端側版単位ブロック及び下端側版単位ブロックが該当する。
【0018】
「内面寄り横方向又は外面寄り横方向に…挿通させた」とは、PC鋼材が全体として側版単位ブロックの内面又は外面のいずれかに偏った左右位置で、縦方向に挿通された状態を意味する。縦方向は、垂直方向を基準として、垂直方向に対して若干傾斜した方向を含む。例えば側版に加わる曲げモーメントの向きが内外に変化する部分を含む頂版単位ブロックの場合、側版に加わる曲げモーメントの向きが内外に変化する部分を挟んで縦方向の一方が内面寄り、縦方向の他方が外面寄りとなるようにPC鋼材を斜めに挿通させることもある。
【0019】
本発明は、底版にも適用できる。すなわち、2以上の底版単位ブロックを連結して構成される底版を有し、底版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、下面寄り横方向又は上面寄り横方向に直線状のPC鋼材を一部又は全部の底版単位ブロックに挿通させた分割式剛性カルバートも本発明に含まれる。底版単位ブロックは、プレキャストコンクリートブロックである。PC鋼材による底版単位ブロックの緊張は、プレテンション方式又はポストテンション方式のいずれでもよい。PC鋼材は、全部の底版単位ブロックに挿通させる場合を基本としながら、一部の底版単位ブロックのみに挿通させてもよい。また、PC鋼材は、底版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、すべての底版単位ブロックの上面寄り横方向に挿通させたり、逆にすべての底版単位ブロックの下面寄り横方向に挿通させたり、すべての底版単位ブロックで異なる位置に挿通させたりすることもある。
【0020】
本発明は、分割式ボックスカルバート又は分割式アーチカルバートに利用される。分割式ボックスカルバート又は分割式アーチカルバートは、多連構造であってもよい。底版は、上面又は下面が緩やかに湾曲していても、底版単位ブロックにPC鋼材を直線状に挿通できれば本発明が適用される。底阪単位ブロック相互は、従来公知の接合構造、例えば底阪単位ブロックに挟まれたコンクリート充填部に覆われた機械式継手を介した間接的な接合構造や、底阪単位ブロックの端面を接面させて端面に埋め込まれた機械式継手を用いた直接的な接合構造により接合される。
【0021】
底版単位ブロックは、側版の底部から張り出す左右の端底版単位ブロックと、左右の端底版単位ブロックに挟まれる中間底版単位ブロックとである構成が例示される。この場合、中間底版単位ブロックが1基で、左端底版単位ブロック及び右端底版単位ブロックを合わせて3分割される構成が基本となる。中間底版単位ブロックは、2基以上あってもよい。複数の中間底版単位ブロックは、横方向の長さや形状が同じでも、異なってもよい。また、左端頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックも、横方向の長さや形状が同じでも、異なってもよい。
【0022】
「底版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、下面寄り横方向…に直線状のPC鋼材を底版単位ブロックに挿通させた」とは、底版に加わる下向きの曲げモーメントにより発生する下面の引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材が底版単位ブロックの下面寄りで直線状かつ横方向に挿通されることを意味する。これは、例えば左端底版単位ブロック及び右端底版単位ブロックが該当する。同様に、「底版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、…上面寄り横方向…に直線状のPC鋼材を底版単位ブロックに挿通させた」とは、底版に加わる上向きの曲げモーメントにより発生する上面の引っ張り力に抵抗させるため、PC鋼材が底版単位ブロックの上面寄りの位置で直線状かつ横方向に挿通されることを意味する。これは、例えば中間底版単位ブロックが該当する。
【0023】
「下面寄り横方向又は上面寄り横方向に…挿通させた」とは、PC鋼材が全体として底版単位ブロックの下面又は上面のいずれかに偏った上下位置で、横方向に挿通された状態を意味する。横方向は、水平方向を基準として、水平方向に対して若干傾斜した方向を含む。例えば底版に加わる曲げモーメントの向きが上下に変化する部分を含む底版単位ブロックの場合、底版に加わる曲げモーメントの向きが上下に変化する部分を挟んで横方向の一方が下面寄り、横方向の他方が上面寄りとなるようにPC鋼材を斜めに挿通させることもある。
【発明の効果】
【0024】
本発明の分割式剛性カルバートは、頂版、側版又は底版それぞれに加わる曲げモーメントの分布に応じて、頂版単位ブロック、側版単位ブロック又は底版単位ブロックそれぞれに独立したPC鋼材を挿通させ、曲げモーメントにより発生する引っ張り力に抵抗するPC鋼材の働きを効率よく発揮させる。例えば左端頂版単位ブロックと右端頂版単位ブロックとでPC鋼材を挿通させる位置を変えることで、左右非対称な曲げモーメントにも対応できる。また、頂版単位ブロック、側版単位ブロック又は底版単位ブロックは、PC鋼材を直線状に挿通するだけだから、構造が簡素で、安価に製造できる。
【0025】
頂版単位ブロックは、頂版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、下面寄り横方向又は上面寄り横方向に直線状のPC鋼材を挿通させることにより、曲げモーメントにより発生する引っ張り力に抵抗するPC鋼材の働きを効率よく発揮させる。頂版単位ブロックは、左端頂版単位ブロック、中間頂版単位ブロック及び右端頂版単位ブロックの組み合わせが、PC鋼材をそれぞれに直線状かつ横方向に挿通できて、構造を簡素化し、安価に製造できる。
【0026】
側版単位ブロックは、側版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、内面寄り縦方向又は外面寄り縦方向に直線状のPC鋼材を挿通させることにより、曲げモーメントにより発生する引っ張り力に抵抗するPC鋼材の働きを効率よく発揮させる。側版単位ブロックは、上端側版単位ブロック、中間側版単位ブロック及び下端側版単位ブロックの組み合わせが、PC鋼材をそれぞれに直線状かつ縦方向に挿通できて、構造を簡素化し、安価に製造できる。
【0027】
底版単位ブロックは、底版に加わる曲げモーメントの分布に応じて、下面寄り横方向又は上面寄り横方向に直線状のPC鋼材を挿通させることにより、曲げモーメントにより発生する引っ張り力に抵抗するPC鋼材の働きを効率よく発揮させる。底版単位ブロックは、左端底版単位ブロック、中間底版単位ブロック及び右端底版単位ブロックの組み合わせが、PC鋼材をそれぞれに直線状かつ横方向に挿通できて、構造を簡素化し、安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明を適用した分割式ボックスカルバートの例(本例)を表す正面図である。
図2】本例の分割式ボックスカルバートを表す平面図である。
図3】本例の分割式ボックスカルバートを表す左側面図である。
図4】本例の分割式ボックスカルバートと曲げモーメントとの関係を表す正面図である。
図5】本発明を適用した分割式門形カルバートの例(別例1)を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明は、例えば図1図3に見られるように、分割式ボックスカルバート1に適用される。本例の分割式ボックスカルバート1は、四隅の左上角部ブロック11、右上角部ブロック12、左下角部ブロック13、右下角部ブロック14、左上角部ブロック11及び右上角部ブロック12に挟まれる中間頂版単位ブロック15、左上角部ブロック11及び左下角部ブロック13に挟まれる左中間側版単位ブロック16、右上角部ブロック12及び右下角部ブロック14に挟まれる右中間側版単位ブロック17、そして左下角部ブロック13及び右下角部ブロック14に挟まれる中間底版単位ブロック18の8つから構成される。
【0030】
本例の頂版は、右下に向けて開いた正面視L字状の左上角部ブロック11の水平部分である左端頂版単位ブロック111と、左下に向けて開いた正面視L字状の右上角部ブロック12の水平部分である右端頂版単位ブロック121と、左端頂版単位ブロック111及び右端頂版単位ブロック121に挟まれる中間頂版単位ブロック15との3分割構成である。左上角部ブロック11、右上角部ブロック12、中間頂版単位ブロック15は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0031】
本例の左側版は、右下に向けて開いた正面視L字状の左上角部ブロック11の垂直部分である左上端側版単位ブロック115と、右上に向けて開いた正面視L字状の左下角部ブロック13の垂直部分である左下端側版単位ブロック135と、左上端側版単位ブロック115及び左下端側版単位ブロック135に挟まれる左中間側版単位ブロック16との3分割構成である。左上角部ブロック11、左下角部ブロック13、左中間側版単位ブロック16は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0032】
本例の右側版は、左下に向けて開いた正面視L字状の右上角部ブロック12の垂直部分である右上端側版単位ブロック125と、左上に向けて開いた正面視L字状の右下角部ブロック14の垂直部分である右下端側版単位ブロック145と、右上端側版単位ブロック125及び右下端側版単位ブロック145に挟まれる右中間側版単位ブロック17との3分割構成で、上下対称構造である。右上角部ブロック12、右下角部ブロック14、右中間側版単位ブロック17は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0033】
本例の底版は、右上に向けて開いた正面視L字状の左下角部ブロック13の水平部分である左端底版単位ブロック131と、左上に向けて開いた正面視L字状の右下角部ブロック14の水平部分である右端底版単位ブロック141と、左端底版単位ブロック131及び右端底版単位ブロック141に挟まれる中間底版単位ブロック18との3分割構成である。左下角部ブロック13、右下角部ブロック14、中間底版単位ブロック18は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0034】
頂版は、図4に見られるように、中間頂版単位ブロック15の左右中央付近を最大として下面を引っ張り、左端頂版単位ブロック111及び右端頂版単位ブロック121では上面を引っ張る曲げモーメントM1が左右対称形に加わる。このため、左端頂版単位ブロック111及び右端頂版単位ブロック121はPC鋼材112,122が上面寄り(例えば図4中上方寄り)に、中間頂版単位ブロック15はPC鋼材151が下面寄り(例えば図4中下方寄り)に、それぞれ水平方向に挿通される。本例のPC鋼材112,122,151は、前後方向に等間隔で3本挿通される(図2参照)。PC鋼材112,122,151は、シースに通す鋼線又は鋼棒でも、アンボンド仕様の鋼線でもよい。
【0035】
左側版は、図4に見られるように、左中間側版単位ブロック16の上下中央付近を最大として内面を引っ張り、左上端側版単位ブロック115及び左下端側版単位ブロック135では外面を引っ張る曲げモーメントM2が上下対称形に加わる。このため、左上端側版単位ブロック115及び左下端側版単位ブロック135はPC鋼材116,136が外面寄り(例えば図4中左方寄り)に、中間底版単位ブロック16はPC鋼材161が内面寄り(例えば図4中右方寄り)に、それぞれ垂直方向に挿通される。本例のPC鋼材116,136,161は、3本あるPC鋼材112の中間位置で2本挿通される。PC鋼材116,136,161は、シースに通す鋼線又は鋼棒でも、アンボンド仕様の鋼線でもよい。
【0036】
右側版は、図4に見られるように、右中間側版単位ブロック17の上下中央付近を最大として内向きに凸で、右上端側版単位ブロック125及び右下端側版単位ブロック145では外向きに凸となる曲げモーメントM2が上下対称形に加わる。このため、右上端側版単位ブロック125及び右下端側版単位ブロック145はPC鋼材126,146が外面寄り(例えば図4中右方寄り)に、中間底版単位ブロック17はPC鋼材171が内面寄り(例えば図4中左方寄り)に、それぞれ垂直方向に挿通される。本例のPC鋼材126,146,171は、3本あるPC鋼材122の中間位置で2本挿通される。PC鋼材126,146,171は、シースに通す鋼線又は鋼棒でも、アンボンド仕様の鋼線でもよい。
【0037】
底版は、図4に見られるように、中間底版単位ブロック18の左右中央付近を最大として上方に凸で、左端底版単位ブロック131及び右端底版単位ブロック141では上方に凸となる曲げモーメントM3が左右対称形に加わる。このため、左端底版単位ブロック131及び右端底版単位ブロック141はPC鋼材132,142が下面寄り(例えば図4中下方寄り)に、中間底版単位ブロック18はPC鋼材181が上面寄り(例えば図4中上方寄り)に、それぞれ水平方向に挿通される。本例のPC鋼材132,142,181は、頂版同様、前後方向に等間隔で3本挿通される。PC鋼材132,142,181は、PC鋼材132,142,181は、シースに通す鋼線又は鋼棒でも、アンボンド仕様の鋼線でもよい。
【0038】
本発明の分割式剛性カルバートは、特有なPC鋼材の挿通以外、従来公知のブロック構造やブロック相互の接合構造を用いることができる。本例の分割式ボックスカルバート1は、左上角部ブロック11、右上角部ブロック12及び中間頂版単位ブロック15や、左下角部ブロック13、右下角部ブロック14及び中間底版単位ブロック18は、コンクリート充填部155,185で覆った機械式継手を介した接合構造や、左上角部ブロック11、右下角部ブロック13及び左中間側版単位ブロック16や、右上角部ブロック12、右下角部ブロック14及び中間底版単位ブロック18は端面を接面させる直接的な接合構造を用いている。
【0039】
頂版の接合構造を図2により説明する。本例の左上角部ブロック11は、水平部分である左端頂版単位ブロック111の右端面から上下及び前後に計4本の鉄筋114を右方に突出させている。同様に、本例の右上角部ブロック12は、水平部分である右端頂版単位ブロック121の左端面から上下及び前後に計4本の鉄筋124を左方に突出させている。そして、中間頂版単位ブロック15は、鉄筋114と同位置関係で左端面から4本の鉄筋153を、同じく鉄筋124と同位置関係で右端面から4本の鉄筋153をそれぞれ突出させている。鉄筋153は、機械式継手154が移動自在に外嵌めされている。
【0040】
左上角部ブロック11、右上角部ブロック12及び中間頂版単位ブロック15は、先に設置された左側版及び右側版の上端に位置する左上角部ブロック11及び右上角部ブロック12の間に、例えばジャッキアップされた中間頂版単位ブロック15を挿入配置させた状態で、鉄筋114及び鉄筋153と鉄筋124及び鉄筋153とをそれぞれ対向させる。そして、鉄筋153に外嵌めされた機械式継手154を移動させ、鉄筋114及び鉄筋153や鉄筋124及び鉄筋153を機械式継手154にそれぞれ接合し、機械式継手154を介して鉄筋114及び鉄筋153と鉄筋124及び鉄筋153とをそれぞれ接合する。鉄筋114及び鉄筋153や鉄筋124及び鉄筋153と機械式継手154との接合方法は、接合材(例えばグラウド材)による固着や、ネジによる螺合や圧着等の物理的接合である。
【0041】
最後に、左端頂版単位ブロック111の右端面と中間頂版単位ブロック15の左端面との間や右端頂版単位ブロック121の左端面と中間頂版単位ブロック15の右端面との間それぞれに仮枠を当てた状態で、鉄筋114、鉄筋124、鉄筋153及び機械式継手154をコンクリート充填部155で埋めて、接合構造を完成させる。仮枠は、コンクリート充填部155が固化した段階で除去される。接合構造は、本例の鉄筋114又は鉄筋124と鉄筋153とを機械式継手154により接合する構成のほか、鉄筋114、鉄筋124、鉄筋153を重ね継手又はループ継手とする構成でもよい。
【0042】
本例の頂版の接合構造は、左端頂版単位ブロック111の右端面と中間頂版単位ブロック15の左端面、右端頂版単位ブロック121の左端面と中間頂版単位ブロック15の右端面とが直接接面せず、機械式継手154をコンクリート充填部155で覆った間接的な接合構造である。頂版の接合構造は、図示を省略するが、左端頂版単位ブロック111、中間頂版単位ブロック15、右端頂版単位ブロック121それぞれの端面を接面させ、端面の一方に埋め込んだ機械式継手に端面の他方から突出する鉄筋を挿入させ、機械式継手にモルタルを充填させる直接的な接合構造としてもよい(本例の側版の接合構造参照)。底版の接合構造は、頂版同様であるため、説明を省略する。
【0043】
左側版の接合構造を図3により説明する。本例の左上角部ブロック11は、垂直部分である左上端側版単位ブロック115の下端面に前後及び左右で計4本の機械式継手119を埋め込んでいる。また、本例の左下角部ブロック13は、垂直部分である左下端側版単位ブロック135の上端面から前後及び左右に計4本の鉄筋139を上方に突出させている。そして、左中間頂版単位ブロック16は、機械式継手119と同位置関係で上端面から4本の鉄筋164を突出させ、鉄筋139と同位置関係で下端面に4本の機械式継手165を設けている。左上端側版単位ブロック115及び左中間頂版単位ブロック16は、機械式継手119及び機械式継手165にモルタルを充填するための充填孔が設けられるが、図示を省略している。
【0044】
本例の左側版は、左下角部ブロック13、左中間側版単位ブロック16、左上角部ブロック11の順に設置場所に搬入し、順に積み上げて構成する。左下端側版単位ブロック135及び左中間側版単位ブロック16は、左下端側版単位ブロック135の上端面と左中間側版単位ブロック16の下端面とを接面させて鉄筋139を機械式継手165に挿入し、機械式継手165にモルタルを充填して接合する。また、左中間側版単位ブロック16及び左上端側版単位ブロック115は、左中間側版単位ブロック16の上端面と左上端側版単位ブロック115の下端面とを接面させて鉄筋164を機械式継手119に挿入し、機械式継手119にモルタルを充填して接合する。
【0045】
本例の左側版の接合構造は、左上端側版単位ブロック115の下端面と左中間側版単位ブロック16の上端面、左下端側版単位ブロック135の上端面と左中間側版単位ブロック16の下端面とが直接接面する。また、左下端側版単位ブロック135の下端面は、基礎(図示略)に接する。これから、緊張状態のPC鋼材116両端に接合する定着金具117、緊張状態のPC鋼材136の両端に接合する定着金具137、緊張状態のPC鋼材161両端に接合する定着金具162は、それぞれ定着金具用凹部118,138,163に収納してモルタルで埋め、突出させない。右側版の接合構造は、左側版同様であるため、説明を省略する。
【0046】
本発明は、他の剛性ボックスカルバートにも適用される。別例1の分割式門形カルバート2は、図5に見られるように、左上角部ブロック21、右上角部ブロック22、左下側版単位ブロック23、右下側版単位ブロック24、左上角部ブロック21及び右上角部ブロック22に挟まれる中間頂版単位ブロック25、左上角部ブロック21及び左下側版単位ブロック23に挟まれる左中間側版単位ブロック26、そして右上角部ブロック22及び右下側版単位ブロック24に挟まれる右中間側版単位ブロック27の7つから構成される。
【0047】
別例1の頂版は、右下に向けて開いた正面視L字状の左上角部ブロック21の水平部分である左端頂版単位ブロック211と、左下に向けて開いた正面視L字状の右上角部ブロック22の水平部分である右端頂版単位ブロック221と、左端頂版単位ブロック211及び右端頂版単位ブロック221に挟まれる中間頂版単位ブロック25との3分割構成である。左上角部ブロック21、右上角部ブロック22、中間頂版単位ブロック25は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0048】
別例1の左側版は、右下に向けて開いた正面視L字状の左上角部ブロック21の垂直部分である左上端側版単位ブロック215と、下端にフーチング235を設けた左下端側版単位ブロック23と、左上端側版単位ブロック215及び左下端側版単位ブロック23に挟まれる左中間側版単位ブロック26との3分割構成で、上下非対称構造である。左上角部ブロック21、左下端側版単位ブロック23、左中間側版単位ブロック26は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0049】
別例1の右側版は、左下に向けて開いた正面視L字状の右上角部ブロック22の垂直部分である右上端側版単位ブロック225と、下端にフーチング245を設けた右下端側版単位ブロック24と、右上端側版単位ブロック225及び右下端側版単位ブロック24に挟まれる右中間側版単位ブロック27との3分割構成で、上下非対称構造である。右上角部ブロック22、右下端側版単位ブロック24、右中間側版単位ブロック27は、いずれもプレキャストコンクリートブロックである(各図中、配筋の図示省略)。
【0050】
別例1の分割式門形カルバート2も、本例の分割式ボックスカルバート1同様の曲げモーメントが頂版、左側版及び右側版に発生する(図4参照)。そこで、左端頂版単位ブロック211及び右端頂版単位ブロック221はPC鋼材212,222が上面寄りに、中間頂版単位ブロック25はPC鋼材251が下面寄りに、それぞれ水平方向に挿通される。左上端側版単位ブロック215及び左下端側版単位ブロック23はPC鋼材216,231が外面寄りに、中間側版単位ブロック26はPC鋼材261が内面寄りに、それぞれ垂直方向に挿通される。右上端側版単位ブロック225及び右下端側版単位ブロック24はPC鋼材226,241が外面寄りに、中間側版単位ブロック27はPC鋼材271が内面寄りに、それぞれ垂直方向に挿通される。PC鋼材212,216,221,226,231,241,251,261,271は、シースに通す鋼線又は鋼棒でも、アンボンド仕様の鋼線でもよい。
【0051】
左上角部ブロック21、右上角部ブロック22及び中間頂版単位ブロック25は、コンクリート充填部255で覆った機械式継手254を介した接合構造により接合される。例えば左上角部ブロック21及び中間頂版単位ブロック25は、左端頂版単位ブロック211の右端面から右方に突出させた鉄筋 214と中間頂版単位ブロック15の左端面から突出させた鉄筋253とを機械式継手254により接合し、鉄筋214、鉄筋253及び機械式継手254をコンクリート充填部255で埋めて、接合構造を完成させる。頂版の接合構造は、図示を省略するが、左端頂版単位ブロック211、中間頂版単位ブロック25、右端頂版単位ブロック221それぞれの端面を接面させ、端面の一方に埋め込んだ機械式継手に端面の他方から突出する鉄筋を挿入させ、機械式継手にモルタルを充填させる直接的な接合構造としてもよい(別例1の側版の接合構造参照)。
【0052】
左上角部ブロック21、左下端側版単位ブロック23及び左中間側版単位ブロック26や、右上角部ブロック22、右下端側版単位ブロック24及び中間底版単位ブロック27は、端面を接面させる直接的な接合構造により接合される。例えば左上角部ブロック21及び左中間側版単位ブロック26は、左上端頂版単位ブロック215の下端面に設けた機械式継手219に、左中間側版単位ブロック26の上端面から突出させた鉄筋264を挿入し、機械式継手219にモルタルを充填して接合する。緊張状態のPC鋼材216,261両端に接合する定着金具217,ト262は、それぞれ定着金具用凹部218,263に収納してモルタルで埋め、突出させない。
【符号の説明】
【0053】
1 分割式ボックスカルバート
11 左上角部ブロック
112 PC鋼材
116 PC鋼材
12 右上角部ブロック
122 PC鋼材
126 PC鋼材
13 左下角部ブロック
132 PC鋼材
136 PC鋼材
14 右下角部ブロック
142 PC鋼材
146 PC鋼材
15 中間頂版単位ブロック
151 PC鋼材
16 左中間側版単位ブロック
161 PC鋼材
17 右中間側版単位ブロック
171 PC鋼材
18 中間底版単位ブロック
181 PC鋼材
2 分割式門形カルバート
21 左上角部ブロック
212 PC鋼材
216 PC鋼材
22 右上角部ブロック
222 PC鋼材
226 PC鋼材
23 左下端側版単位ブロック
231 PC鋼材
24 右下端側版単位ブロック
241 PC鋼材
25 中間頂版単位ブロック
251 PC鋼材
26 左中間側版単位ブロック
261 PC鋼材
27 右中間側版単位ブロック
271 PC鋼材
M1 頂版の曲げモーメント
M2 側版の曲げモーメント
M3 底版の曲げモーメント

図1
図2
図3
図4
図5