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特許7553075制御装置、制御プログラム、広告表示方法、及び広告表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】制御装置、制御プログラム、広告表示方法、及び広告表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240910BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G09F19/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020069157
(22)【出願日】2020-04-07
(65)【公開番号】P2021165943
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎介
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 敦基
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-284101(JP,A)
【文献】特開2007-122217(JP,A)
【文献】特開2013-054718(JP,A)
【文献】特開2002-155564(JP,A)
【文献】特開2019-008183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ施設におけるトイレ個室への広告表示を制御する制御装置であって、
前記トイレ個室に設置された検出手段から、前記トイレ個室における利用者の入室状況を示す検出結果を受信する受信手段と、
前記トイレ個室の利用者が閲覧可能な位置に設置された表示手段に表示させる複数の広告コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記検出結果に応じて、前記利用者が入室中に前記表示手段に前記記憶手段が記憶した広告コンテンツの一部の広告コンテンツを表示させる表示制御手段とを有し、
前記記憶手段は、前記表示制御手段が前記利用者の入室中に前記表示手段に表示しうるコンテンツ数Tのα倍(αは2以上)より多い数の広告コンテンツを記憶し、
前記表示制御手段は、前記記憶手段が記憶した複数の広告コンテンツの中からランダムに選択したコンテンツ数Tの広告コンテンツを、前記表示手段に表示させ、
前記トイレ個室に第1の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツと、第2の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツとは異なりうること、
を特徴とする制御装置。
【請求項2】
さらに広告コンテンツを管理するサーバと通信する通信手段を有し、
前記通信手段は、特定の時間帯に前記サーバから広告コンテンツを受信し、前記記憶手段に記憶させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記記憶手段において前記表示手段が利用者入室の1回毎に表示する広告コンテンツ数分よりも多い数の広告コンテンツを記憶する第1の設定モードと、前記記憶手段において前記広告コンテンツ数分と同数の広告コンテンツを記憶する第2の設定モードとの、何れかの設定モードを設定する設定手段と、
前記表示制御手段は、前記広告コンテンツ数分の広告コンテンツを選択すること、を特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1ないし3の何れか一項に記載の制御装置として機能させるための制御プログラム。
【請求項5】
トイレ施設におけるトイレ個室への広告表示を制御する広告表示方法であって、
前記トイレ個室には、
前記トイレ個室における利用者の入室を検出する検出手段と、
前記トイレ個室の利用者が閲覧可能な位置に設置された表示手段とが備えられ、
制御装置が実行する、
複数の広告コンテンツを記憶手段に記憶する記憶手順と、
前記検出手段からの検出結果に応じて、前記利用者が入室中に前記表示手段に前記記憶手段が記憶した広告コンテンツの一部の広告コンテンツを表示させる表示制御手順とを有し、
前記記憶手段は、前記表示制御手順が前記利用者の入室中に前記表示手段に表示しうるコンテンツ数Tのα倍(αは2以上)より多い数の広告コンテンツを記憶し、
前記表示制御手順は、前記記憶手段が記憶した複数の広告コンテンツの中からランダムに選択したコンテンツ数Tの広告コンテンツを、前記表示手段に表示させ、前記トイレ個室に第1の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツと、第2の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツとは異なりうること、
を特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
トイレ施設におけるトイレ個室への広告表示を制御する広告表示システムであって、
前記トイレ個室における利用者の入室を検出する検出手段と、
前記トイレ個室の利用者が閲覧可能な位置に設置された表示手段と、
複数の広告コンテンツを記憶する記憶手段と、
前記検出手段からの検出結果に応じて、前記表示手段における表示を制御する表示制御手段とを有し、
前記記憶手段は、前記表示制御手段が前記利用者の入室中に前記表示手段に表示しうるコンテンツ数Tのα倍(αは2以上)より多い数の広告コンテンツを記憶し、
前記表示制御手段は、前記記憶手段が記憶した複数の広告コンテンツの中からランダムに選択したコンテンツ数Tの広告コンテンツを、前記表示手段に表示させ、
前記トイレ個室に第1の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツと、第2の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツとは異なりうること、
を特徴とする広告表示システム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記表示手段が利用者入室の1回毎に表示する広告コンテンツ数分よりも多い数の広告コンテンツを記憶し、
前記表示制御手段は、前記広告コンテンツ数分の広告コンテンツを選択し、
前記トイレ個室に第1の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツの組み合わせと、第2の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツの組み合わせとは異なりうること、
を特徴とする請求項6に記載の広告表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御プログラム、広告表示方法、及び広告表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ施設の個室等にディスプレイを設置し、利用者が便器に近づくとセンサにより利用者を検知し広告やイベント情報等の画像を表示することで、利用者に対する広告伝達効果を高めようとする広告やイベント情報等の画像を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-155564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、オフィスビルなどのトイレ施設においては、同一の利用者(例えば同オフィスビルで働く人)が1日に複数回同じトイレ施設を利用することが多い。このため、特許文献1記載の発明によれば、毎回同じような広告やイベント情報等の画像が繰り返し表示されると、利用者に飽きられてしまいなどして広告伝達効果が低下する恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、施設利用者に対する広告伝達効果を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る制御装置は、トイレ施設におけるトイレ個室への広告表示を制御する制御装置であって、前記トイレ個室に設置された検出手段から、前記トイレ個室における利用者の入室状況を示す検出結果を受信する受信手段と、前記トイレ個室の利用者が閲覧可能な位置に設置された表示手段に表示させる複数の広告コンテンツを記憶する記憶手段と、前記検出結果に応じて、前記利用者が入室中に前記表示手段に前記記憶手段が記憶した広告コンテンツの一部の広告コンテンツを表示させる表示制御手段とを有し、前記記憶手段は、前記表示制御手段が前記利用者の入室中に前記表示手段に表示しうるコンテンツ数Tのα倍(αは2以上)より多い数の広告コンテンツを記憶し、前記表示制御手段は、前記記憶手段が記憶した複数の広告コンテンツの中からランダムに選択したコンテンツ数Tの広告コンテンツを、前記表示手段に表示させ、前記トイレ個室に第1の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツと、第2の利用者の入室が検知された場合に前記表示手段に表示させる前記一部の広告コンテンツとは異なりうる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施の形態によれば、施設利用者に対する広告伝達効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る広告表示システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る広告表示システムのトイレ施設設置例を示す図である。
図3】本実施形態に係る広告管理サーバ及び表示端末のハードウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態に係る広告管理サーバ及び表示端末のソフトウェア構成例を示す図である。
図5】本実施形態に係る個室管理DB及び広告管理DBのデータ例を示す図である。
図6】本実施形態に係る広告管理サーバの広告コンテンツ表示制御処理を示すフローチャート図である。
図7】本実施形態に係る表示端末の広告コンテンツ表示制御処理を示すフローチャート図である。
図8】本実施形態に係る広告コンテンツのランダム選択例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
[実施形態1]
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る広告表示システムの構成例を示す図である。図1の広告表示システム100は、広告管理サーバ10と、空室検知センサ30と、表示端末40とを含み、ネットワーク50を介して接続されている。
【0011】
広告管理サーバ10は、表示端末40に、広告動画やお知らせ広告などをはじめとする広告コンテンツを配信する情報処理装置である。配信された広告コンテンツは、トイレ個室20内にそれぞれ設置された表示端末40のディスプレイ上に表示される。
【0012】
トイレ施設Aは、オフィスビル等の建物内におけるトイレ施設である。トイレ施設A内には、複数のトイレ個室が設置されており、更に各トイレ個室に空室検知センサ30及び表示端末40が設置される。
【0013】
表示端末40は、トイレ施設Aのトイレ個室毎に設置され、利用者がトイレ個室利用中に広告動画などの広告コンテンツを表示する情報表示装置である。例えば表示端末30としてタブレット端末を利用する。
【0014】
空室検知センサ30は、トイレ施設Aのトイレ個室毎に設置され、トイレ個室20の空室情報(空室状況)を検知するための監視機器である。空室検知センサ30は、監視対象となる個室毎に設置される。空室検知センサ30は、トイレ個室20における利用者の入退出を検出する。
【0015】
空室検知センサ30としては、例えばトイレ個室20の扉の開閉を検知する磁気センサやトイレ個室20内の利用者の人感を検知する人感センサなどを用いることができる。トイレ個室20が常開式である場合、磁気センサがトイレ個室20の扉が閉まったことを検知したときに、トイレ個室20に利用者が入室したと判定することができる。また、磁気センサがトイレ個室20の扉が開いたことを検知したときに、トイレ個室20に利用者が退出したと判定することができる。磁気センサは、例えば開閉状態が変化した場合や、数秒毎などの一定時間が経過した場合などに検知信号を出力する。本実施形態では空室検知センサ30として磁気センサを用いるものとするため、空室検知センサ30はドアが閉まっている場合には検知信号1を、ドアが開いている場合には検知信号0を、施設ID及びセンサIDとともに広告管理サーバ10に出力する。
【0016】
ネットワーク50は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク50は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0017】
(設置例)
図2は、本実施形態に係る広告表示システムのトイレ施設設置例を示す図である。空室検知センサ30は、トイレ個室20の空室情報(空室状況)を監視するため、各トイレ個室20内の所定の場所に設置される。図2のトイレ施設の場合には、合計5つの個室が設けられているため、トイレ個室20毎に、合計5台の空室検知センサ30が設置される。空室検知センサ30は、トイレ施設内の無線又は有線ネットワーク(非図示)を介して広告管理サーバ10と通信可能に接続される。
【0018】
上述したように、空室検知センサ30は、例えばトイレ個室20の扉の開閉を検知する磁気センサなどを用いることができる。よって空室検知センサ30に磁気センサを用いた場合、空室検知センサ30はトイレ個室20の扉に設置されうる。
【0019】
表示端末40は、各トイレ個室20内の所定の場所に設置される。図2のトイレ施設の場合には、合計5つの個室が設けられているため、トイレ個室20毎に、合計5台の表示端末40が設置される。表示端末40は、トイレ施設内の無線又は有線ネットワークを介して広告管理サーバ10と通信可能に接続される。なお、表示端末40は、トイレ個室20内の利用者が閲覧しやすい位置・高さにおいて設置されるとよい。
【0020】
(ハードウェア構成)
図3は、本実施形態に係る広告管理サーバ及び表示端末のハードウェア構成例を示す図である。
【0021】
図3(A)に示されるように、広告管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、及び通信装置15を有する。
【0022】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD14は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置15は、ネットワーク50を介して他装置との通信を行う。
【0023】
図3(B)に示されるように、表示端末40は、CPU41、ROM42、RAM43、通信装置44、メモリ45、及びディスプレイ装置46を有する。
【0024】
CPU41は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM42は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM43は、CPU41での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。通信装置44は、ネットワーク50を介して広告管理サーバ10との通信を行う。メモリ45は、広告管理サーバ10から配信された広告コンテンツデータを格納し保存する。ディスプレイ装置46は、メモリ45に格納された広告コンテンツを表示する。
【0025】
(ソフトウェア構成)
図4は、本実施形態に係る広告管理サーバ及び表示端末のソフトウェア構成例を示す図である。図4(A)に示されるように、広告管理サーバ10は、主な機能部として、配信部101、受信部102、表示制御部103、及び記憶部104を有する。
【0026】
配信部101は、トイレ個室20内に設置された表示端末40に、複数の広告コンテンツを配信する。本実施形態において配信部101は、トイレ施設Aが設置された建物がクローズしている夜間に広告コンテンツを配信する。また配信部101は、トイレ施設Aについて事前に設定された1回の広告再生時に表示するコンテンツ数に応じて広告コンテンツを配信する。
【0027】
受信部(検出部)102は、空室検知センサ30から検出結果としての検知信号を、空トイレ施設の施設IDと室検知センサ30のセンサIDとともに受信することで、トイレ個室20における利用者の入室状況(利用者の有無)を検出する。例えば、受信部102は、検知信号が1を示す場合に検出結果として当該トイレ個室は利用者が入室した(利用者あり)と検出し、検知信号が0を示す場合に検出結果として当該トイレ個室は利用者が退出した(利用者なし)と検出する。
【0028】
表示制御部103は、受信部(検出部)102が受信した検出結果に応じて、表示端末40における表示を制御する。具体的に、表示制御部103は、検知信号が1を示す場合(トイレ個室に利用者ありの場合)、複数の広告コンテンツの中からランダムに選択した一部の広告コンテンツを、表示端末40に表示させる。
【0029】
記憶部104は、個室管理DB(Data Base)104a及び広告管理DB104bを記憶する。個室管理DB104aは、トイレ施設におけるトイレ個室20の管理情報を管理するためのデータベースである。広告管理DB104bは、トイレ個室20に備えられた表示端末40に表示させるための広告コンテンツを管理するためのデータベースである。
【0030】
図4(B)に示されるように、表示端末40は、主な機能部として、受信部401、記憶部402、及び表示制御部403を有する。受信部401は、広告管理サーバ10の配信部101からの広告コンテンツ及び表示制御部103からの表示制御命令(又は空室検知センサ30からの検出結果)を受信する。記憶部402は、受信部401により受信された広告コンテンツをメモリ45に記憶する。表示制御部403は、広告管理サーバ10からの表示制御部103の表示制御命令(又は空室検知センサ30からの検出結果)に従って、複数の広告コンテンツの中からランダムに選択した一部の広告コンテンツを、ディスプレイ装置46に表示する。
【0031】
なお、各機能部は、広告管理サーバ10及び表示端末40を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。
【0032】
(個室管理DB及び広告管理DB)
図5は、本実施形態に係る個室管理DB及び広告管理DBのデータ例を示す図である。図5(A)に示されるように、個室管理DB104aは、例えば、「施設ID」、「施設名」、「個室ID/センサID/表示端末ID」などのデータ項目を有する。
【0033】
「施設ID」は、トイレ施設毎に付番される固有の識別子を示す。「施設名」は、トイレ施設の名称を示す。
【0034】
「個室ID/センサID/表示端末ID」は、トイレ個室毎に付番された固有の識別子、当該トイレ個室に設置された空室検知センサ30に付番された固有の識別子、及び、当該トイレ個室に設置された表示端末40に付番された固有の識別子を対応付けて示したものである。図5の場合、トイレ個室20の「個室ID」は、それぞれ1、2、3、4、5に対応し、各トイレ個室20に設置された空室検知センサ30の「センサID」は、s1、s2、s3、s4、s5に対応し、各トイレ個室20に設置された表示端末40の「表示端末ID」は、t1、t2、t3、t4、t5に対応する。つまり例えば「個室ID」1であるトイレ個室20には、「センサID」1の空室検知センサ30、及び「表示端末ID」t1の表示端末40が設置されていることになる。
【0035】
図5(B)に示されるように、広告管理DB104bは、例えば、「広告ID」、「広告主ID」、「広告コンテンツデータ」、「再生時間(秒)」などのデータ項目を有する。「広告ID」は、広告毎に付番される固有の識別子を示す。「広告主ID」は、広告を出稿した広告主毎に付番される固有の識別子を示す。
【0036】
「広告コンテンツデータ」は、出稿された広告のコンテンツデータを示す。「広告コンテンツデータ」は、複数の広告コンテンツが用いられるため、後述するように十分な数の広告コンテンツが保持される。
【0037】
「再生時間(秒)」は、広告コンテンツデータの再生時間(表示時間ともいえる)を示す。なお、広告コンテンツデータは、広告動画に限られず、例えば静止画、又は複数ページの静止画からなるスライド動画などでもよい。その場合、「再生時間(秒)」は「表示時間(秒)」ということができる。
【0038】
<情報処理>
図6は、本実施形態に係る広告管理サーバの広告コンテンツ表示制御処理を示すフローチャート図である。CPU11が図6に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。図6(A)は、広告管理サーバ10(配信部101)における配信処理である。広告管理サーバ10は、事前設定として非運用稼働時間帯等(例えば深夜時間帯)に、トイレ個室20内に設置された表示端末40に、図6(A)に示す処理を実行することにより、予め複数の広告コンテンツデータを配信する。
【0039】
S1:配信部101は、配信対象の施設IDを取得する。
【0040】
S2:配信部101は、事前に設定された施設IDの各トイレ個室20に広告を配信する際に再生されるコンテンツ数(以下、再生コンテンツ数とする)を取得する。ここでは配信部101は、施設IDとコンテンツ数とを対応付けたテーブル(不図示)を参照するものとする。なお再生コンテンツ数は、トイレ施設の設置された建物の属性(オフィス、ホテル、ファッションなど)や、男性トイレ、女性トイレ、多目的トイレいずれかの属性などに応じて設定されている。
【0041】
S3:配信部101は、記憶部104にS1において取得した施設IDのトイレ個室に配信可能なコンテンツ数が、S2において取得した再生コンテンツ数のα倍(ここではα=3とする)以上あるか否かを判定する。S3においてYESの場合にはS4に進み、S3においてNoの場合にはS5に進む。
【0042】
S4:配信部101は、記憶部104から再生コンテンツ数×α倍(ここではα=3とする)の分の広告コンテンツを、トイレ個室20の各表示端末40に配信する。
【0043】
S5:配信部101は、記憶部104から配信可能な広告コンテンツを全てトイレ施設の表示端末40に配信する。以上で、広告管理サーバ10における配信処理を完了する。
【0044】
トイレ施設における表示端末40は、広告管理サーバ10から複数の広告コンテンツデータを受信し、広告コンテンツデータをメモリ45に予め記憶しておく。例えば、トイレ個室20に利用者が入室した際に1枠15秒の広告コンテンツ動画を4枠の合計60秒再生表示するものとする場合、広告管理サーバ10は、1回の閲覧に表示する広告コンテンツ数の3倍分である12枠分の広告コンテンツを表示端末40に配信し、表示端末40はこれをメモリ45に記憶する。次に広告管理サーバ10は、図6(B)に示す表示制御処理のフローチャートを実行する。
【0045】
S11:受信部102は、トイレ個室20に設置された空室検知センサ30から出力された検知信号を施設ID及びセンサIDと共に受信する。
【0046】
S12:表示制御部103は、検知信号が利用者の入室を示す1であるか否かを判定する。検知信号が1の場合、S13へ進む。
【0047】
S13:表示制御部103は、個室管理DB104aを参照し、S11で受信した施設ID及びセンサIDに基づいて、表示端末IDを特定する。そして表示制御部103は、特定した表示端末IDに対応する表示端末40に対する広告コンテンツのランダム表示制御を指示する。なお、S12で、検知信号が1でない場合(検知信号が利用者の不在を示す0の場合)、ENDへ進む。この場合、トイレ個室20に利用者がいないことを示すため、表示端末IDに対応する表示端末40に、広告コンテンツが依然再生中であれば、広告コンテンツの再生停止制御(非表示制御)を実行してもよい。
【0048】
図7は、本実施形態に係る表示端末の広告コンテンツ表示制御処理を示すフローチャート図である。
【0049】
S21:表示制御部403は、広告管理サーバ10の表示制御部103から広告コンテンツのランダム表示制御を受信する。
【0050】
S22:表示制御部403は、メモリ45に予め記憶された複数の広告コンテンツデータの中から、一部の広告コンテンツをランダムに選択して取得する。具体的に、メモリ45に記憶された12枠分の広告コンテンツのうち1枠ずつランダムに選択し、1回の閲覧に表示する4枠分の広告コンテンツを取得する。
【0051】
S23:表示制御部403は、S22で選択し取得した広告コンテンツを、ディスプレイ装置46に再生表示させる。表示制御部403は、複数枠分(例えば4枠分)の広告コンテンツを取得した場合には、1枠ずつ順次表示させる。なお、表示制御部403が広告コンテンツをディスプレイ装置46に表示させる場合、トイレ個室20において利用者が好適に閲覧可能な態勢及びタイミングが整ってから広告コンテンツを再生表示できるように、利用者の入室が検出されたタイミングから所定時間経過後(例えば3~10秒経過後等)に表示させるとよい。
【0052】
<広告コンテンツのランダム選択例>
図8は、本実施形態に係る広告コンテンツのランダム選択例を示す図である。表示端末40で表示再生される広告コンテンツは、表示端末40のメモリ45に記憶された例えば12枠分の広告コンテンツの中から1枠ずつランダムに選択されるため、Case1~3においては、1回の閲覧に表示する4枠分の広告コンテンツとして、それぞれ相異なる組み合わせの広告コンテンツが選択されていることが分かる。
【0053】
以上、本実施形態によれば、トイレ個室20に利用者が入室した場合、トイレ個室20内の表示装置40には広告コンテンツが再生表示される。また、再生表示される広告コンテンツは、複数の広告コンテンツの中からランダムに選択された広告コンテンツであるため、同一の広告コンテンツが繰り返し再生表示されることは稀である。また、1回の閲覧に複数枠(例えば4枠)の広告コンテンツを1セットで再生表示する場合に、同一組み合わせの広告コンテンツが繰り返し再生表示されることは稀である。これにより、同一の利用者が1日に複数回同じトイレ個室20を利用しても毎回異なる広告コンテンツが表示再生されるので(毎回異なる広告コンテンツが表示再生されることが殆どであるので)、利用者は広告コンテンツに飽きることなく、広告コンテンツに対して新鮮味をもって広告コンテンツを閲覧することができる。
【0054】
特に、トイレ個室20が多数ある場合は、リアルタイムに広告管理サーバ10から表示端末40それぞれに動画を配信するのは通信容量の負荷が高くなるため、非運用稼働時間帯に事前に各表示端末40に広告コンテンツを配信しておくものとした。この時、表示端末40に1回の再生に必要なコンテンツ数の分しか記憶されていないと、上述したようにランダムに広告コンテンツを選択して配信することができない。そこで本実施形態において表示端末40は再生コンテンツ数よりも十分多い複数の広告コンテンツデータを受信し、メモリ45に予め記憶しておく。これにより、通信負荷を抑えながら効果的な広告表示を実現することができる。なお、通信帯域に制限がない場合には、表示端末40は広告コンテンツデータをメモリ45に予め記憶せずに、広告管理サーバ10(表示制御部103)が、S13で広告コンテンツのランダム表示制御を実行するに代えて、配信する広告コンテンツをランダムに選択の上、広告管理サーバ10(配信部101)が、選択した広告コンテンツデータを表示端末40にストリーミング配信してもよい。
【0055】
[実施形態2]
上述したように、オフィスビルなどのトイレ施設においては、同一の利用者(例えば同オフィスビルで働く人)が1日に複数回同じトイレ施設を利用することが多い。しかしながら、飲食店等の商業施設が多く入ったテナントビルなどのトイレ施設の場合、不特定多数の人が利用し、同一の利用者が1日に複数回同じトイレ施設を利用することは少ない。また、商業施設兼オフィスビルの場合、平日は同一の利用者(例えば同オフィスビルで働く人)が1日に複数回同じトイレ施設を利用することが多く、休日は同一の利用者が1日に複数回同じトイレ施設を利用することは少なくなる。
【0056】
そこで実施形態2においては、広告配信会社やビルマネジメント会社などの管理者が、広告管理サーバ10の管理画面を介して、トイレ個室20の表示端末40に表示再生させる広告をランダム選択して再生する「ランダム選択広告モード」(シャッフル選択広告モードともいう)と、同一の広告を固定して広告を再生する「広告固定モード」とを選んで設定することができる。
【0057】
ランダム選択広告モードを設定した場合、実施形態1で説明したように広告管理サーバ10は複数の広告コンテンツデータを、表示端末40に配信する。この場合、広告コンテンツ数は、1回の閲覧に再生表示されるコンテンツ数T(例えば4枠)のα倍(例えば3倍)の広告コンテンツ数「コンテンツ数T×α」を配信し、表示端末40はこれをメモリ45に記憶する。トイレ個室20の表示端末40は、この中から1枠ずつランダムに選択したコンテンツ数Tの広告コンテンツを表示再生する。
【0058】
また、管理者はランダム選択広告モードを設定した場合、αの値を任意に設定可能である。αを大きく設定するほどメモリ45に記憶される広告コンテンツ数(コンテンツ数T×α)が大きくなるので、その分、同一の広告コンテンツが選択される可能性は一層低くなる。一方、αを小さく設定するほどメモリ45に記憶される広告コンテンツ数(コンテンツ数T×α)が小さくなるので、その分、同一の広告コンテンツが選択される可能性は高くなる。
【0059】
広告固定モードを設定した場合、広告管理サーバ10の配信する広告コンテンツ数は、1回の閲覧に再生表示されるコンテンツ数T(例えば4枠)の等倍の広告コンテンツ数「コンテンツ数T×1」を配信し、表示端末40はこれをメモリ45に記憶する。トイレ個室20の表示端末40は、この中から1枠ずつランダムに選択したコンテンツ数Tの広告コンテンツを表示再生される。「広告固定モード」の場合、コンテンツ数Tの中からコンテンツ数Tの広告コンテンツをランダムに選択するため、毎回同一の広告コンテンツが選択されることになる。
【0060】
なお言うまでもなく、ランダム選択広告モード及び広告固定モードを設定した場合、広告管理DB104bには、少なくとも広告コンテンツ数「コンテンツ数T×α」分の広告コンテンツが保持されるとともに、広告管理サーバ10は、広告コンテンツ数「コンテンツ数T×α」分の広告コンテンツを表示端末40に配信し、表示端末40のメモリ45には、広告コンテンツ数「コンテンツ数T×α」分の広告コンテンツが記憶されている。
【0061】
このように実施形態2によれば、トイレ個室20の表示端末40に再生表示される広告コンテンツの同一度・ランダム度合いを設定により調整することができる。よって例えば、管理者はオフィスビルなどのトイレ施設においてはランダム選択広告モードを、商業施設が多く入ったテナントビルなどのトイレ施設においては広告固定モードを、又は、商業施設兼オフィスビルなどのトイレ施設において平日はランダム選択広告モードを、休日は広告固定モードを設定すると好適である。
【0062】
また、商業施設兼オフィスビルなどのトイレ施設においては、トイレ施設が設けられたフロア毎(例えばオフィスフロア、飲食フロア等)、時間帯毎(例えば早朝、深夜又はそれ以外)によって、モード設定の切り替えを行ってもよい。具体的に、トイレ施設が設けられたフロアが例えばオフィスフロアであればランダム選択広告モードを、飲食フロアであれば固定広告モードを設定することができる。また、時間帯が例えば不特定の利用者が少ない夜間であればランダム選択広告モードを、特定及び不特定の両利用者が多い日中であればランダム選択広告モードであってバランスを考慮したα値(例えばα=2)を設定することができる。
【0063】
[変形例]
実施形態1及び2においては、広告管理サーバ10が空室検知センサ30からの検出結果の受信と検出結果に応じて表示端末30の表示制御を行う方法を例に説明したが、これに限らない。即ち、トイレ個室30に設置された空室検知センサ30と表示端末30とが通信可能に接続されており、空室検知センサ30が利用者の入室を検出したタイミングで表示端末30がメモリ45に予め記憶された複数の広告コンテンツの中から一部の広告コンテンツをランダムに選択の上、表示端末30(表示制御部403)がディスプレイ装置46に選択した広告コンテンツを表示させる制御を行うことも可能である。
【0064】
<総括>
以上のように、本実施形態に係る広告表示システム100は、トイレ個室20に利用者が入室した場合にトイレ個室20内の表示装置40に表示再生する広告コンテンツを、複数の広告コンテンツの中からランダムに選択する。これにより、オフィスビルなどのトイレ施設において、同一の利用者が1日に複数回同じトイレ個室を利用しても都度異なる広告コンテンツが表示再生されるので、利用者は広告コンテンツに飽きることなく、広告コンテンツに対して新鮮味をもって広告コンテンツを閲覧することができる。
【0065】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0066】
なお、本発明は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記録媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出し作動させる処理でも実現可能である。
【符号の説明】
【0067】
102 受信部
103 表示制御部
104 記憶部
401 受信部
403 表示制御部
402 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8