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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】パウチ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/36 20060101AFI20240910BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B65D33/36
B65D33/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020166394
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057898
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000216195
【氏名又は名称】天龍化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 仁昭
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/054824(WO,A1)
【文献】特開2002-255199(JP,A)
【文献】特開2001-199457(JP,A)
【文献】特開2007-076747(JP,A)
【文献】実開昭56-014848(JP,U)
【文献】実開昭59-089847(JP,U)
【文献】特開2011-063308(JP,A)
【文献】特開2010-023901(JP,A)
【文献】特開2006-082847(JP,A)
【文献】特開2009-018862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00-33/38
B65D 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に中継口を設けた袋体と、前記袋体の中継口に取り付けられた注出装置とを備えており、
前記注出装置は、前記袋体の中継口に接続された可撓性のチューブと、前記チューブの先端部に設けたアッパ注出口と、前記アッパ注出口に設けたアッパキャップとを備えていて、前記中継口と前記注出装置とは前記袋体の外側に露出しているパウチ容器であって、
前記アッパ注出口は前記チューブとは別体に作られていて、前記アッパ注出口に設けた筒状の継手部に前記チューブの上端部が嵌め込み装着されている一方、
前記チューブは、前記アッパ注出口が下向きになる姿勢に曲げることができる長さになっている、
パウチ容器。
【請求項2】
前記アッパ注出口は、上向きの注出筒とその下端に設けた上窄まりのテーパ部とを有しており、前記注出筒に外向き係合突起を形成している一方、
前記アッパキャップは、天板と下向きの外筒と前記注出筒を囲う下向きの内筒とを備えており、前記外筒の下端は前記テーパ部に当接又は近接し、前記内筒に、当該内筒を下向き動させると前記外向き係合突起に係合する内向き係合突起を形成しており、
前記外筒をその軸心と交叉した方向から挟圧して窄め変形させるとその下端縁が前記テーパ部に当たって上向き動することにより、前記内筒が弾性変形して前記内向き係合突起が外向き係合突起から離脱するように設定されている、
請求項1に記載したパウチ容器。
【請求項3】
前記袋体の上端部に雄ねじを有する前記中継口が接合されている一方、前記チューブの下端に、前記中継口の雄ねじに螺合するねじ蓋方式のロアキャップが後付けで接続されている、
請求項1又は2に記載したパウチ容器。
【請求項4】
前記チューブは、少なくとも一部が蛇腹状になっている、
請求項1~3のうちのいずれかに記載したパウチ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、袋体に合成樹脂製の注出装置が取り付けられたパウチ容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば液体飲料やシャンプー、ゼリー状飲料等の流体物品の包装体として、ガスバリアー性の高い積層構造の袋に注出装置を取り付けたパウチ容器が多く使用されている。このパウチ容器において、注出装置は、袋体に溶着された本体とこれを塞ぐキャップとから成っており、キャップとして一般にねじ蓋が使用されている。
【0003】
他方、容器を離れた部位に置きつつ人が吸引できるように、ボトルやカップ状容器に長い長さのチューブやストローを取り付けることが行われており、その例が、例えば特許文献1~3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭51-100672号のマイクロフィルム
【文献】実開昭51-139156号のマイクロフィルム
【文献】実開平03-090865号のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、各特許文献1~3を初めとして長いチューブ又はストローを設けた容器はボトルやカップ状容器であるが、ボトルが樹脂製である場合は手で若干は加圧(スクイズ)できるが、基本的には人が内容物を吸い込むことになるため、お年寄りや体力が弱い人の場合は、吸い込むことが困難であることがあった。
【0006】
また、チューブやストローの先端部を容器の一部に保持できるようにしている場合もあるが、チューブやストローの先端は開口したままであるため、容器が倒れると内容物が漏洩するおそれがある問題や、チューブやストローを装着したままでは出荷できないという問題がある。
【0007】
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は様々な構成を含んでおり、典型的な構成を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「上端に中継口を設けた袋体と、前記袋体の中継口に取り付けられた注出装置とを備えており、
前記注出装置は、前記袋体の中継口に接続された可撓性のチューブと、前記チューブの先端部に設けたアッパ注出口と、前記アッパ注出口に設けたアッパキャップとを備えていて、前記中継口と前記注出装置とは前記袋体の外側に露出している」
という基本構成において、
「前記アッパ注出口は前記チューブとは別体に作られていて、前記アッパ注出口に設けた筒状の継手部に前記チューブの上端部が嵌め込み装着されている一方、
前記チューブは、前記アッパ注出口が下向きになる姿勢に曲げることができる長さになっている」
という構成になっている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、
「前記アッパ注出口は、上向きの注出筒とその下端に設けた上窄まりのテーパ部とを有しており、前記注出筒に外向き係合突起を形成している一方、
前記アッパキャップは、天板と下向きの外筒と前記注出筒を囲う下向きの内筒とを備えており、前記外筒の下端は前記テーパ部に当接又は近接し、前記内筒に、当該内筒を下向き動させると前記外向き係合突起に係合する内向き係合突起を形成しており、
前記外筒をその軸心と交叉した方向から挟圧して窄め変形させるとその下端縁が前記テーパ部に当たって上向き動することにより、前記内筒が弾性変形して前記内向き係合突起が外向き係合突起から離脱するように設定されている」
という構成になっている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記袋体の上端部に雄ねじを有する前記中継口が接合されている一方、前記チューブの下端に、前記中継口の雄ねじに螺合するねじ蓋方式のロアキャップが後付けで接続されている」
という構成になっている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1~3のうちのいずれかにおいて、
「前記チューブは、少なくとも一部が蛇腹状になっている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0012】
本願発明では、チューブは可撓性であるため、袋体はテーブル等においたままでチューブを下向きに曲げて内容物を小出ししたり、寝ている人がチューブの先端部を口に含んで内容物を飲んだりすることができる。この場合、袋体を手で加圧して内容物を注ぎ出すことができるため、袋体を傾ける必要はないし、人が内容物を飲む場合は、体力が弱くても容易に飲むことができる。従って、ユーザーフレンドリーである。
【0013】
そして、チューブの先端のアッパ注出口はアッパキャップを設けているため、袋体が倒れても内容物が漏れ出ることはなくて安全であり、また、チューブを取り付けたままで流通させることもできる。この面でも利便性・商品性に優れている。
【0014】
アッパ注出口に設けるアッパキャップとしては、ねじ蓋やヒンジキャップも採用できるが、請求項2のように、挟圧操作によって開封するタイプを採用すると、ワンタッチ的に開封できるため利便性を格段に向上できる利点がある。更に述べると、ねじ蓋やヒンジキャップの場合は、片手でチューブの先端部を摘んで他方の手でキャップを回転等させねばならないため開封が面倒であるが、請求項2のように、アッパキャップとして外筒を外側から挟圧する(プッシュする)方式を採用すると、チューブの先端部を片手でしっかりと摘んでいなくても簡単に開封できるため、利便性を格段に向上できる。
【0015】
パウチ容器において、キャップ付きの注出装置はねじ蓋方式なっていることが普通であるため、請求項3を採用すると、従来のパウチ容器をそのまま使用できて好適である。
【0016】
請求項4のようにチューブを蛇腹状に形成すると、無理なく大きく曲げることができるため、内容物を別の容器に注ぎ出したり人がチューブの先端部を口に含んで内容物を飲んだりするにおいて、それらの行為をごく容易に行える。また、全長又は大部分を蛇腹状に形成することによって短く押し縮めることができるため、流通や保管を容易化して商品性を更に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態を示す図で、(A)は全体の正面図、(B)は中継口を中心にした部位の縦断面図、(C)はアッパ注出口を中心にした部位の縦断面図、(D)は(B)のD-D視断面図、(E)は(B)のE-E視図、(F)は(C)のF-F視平面図である。
図2】第1実施形態の使用例を示す図である。
図3】(A)は蛇腹部を縮めた状態に保持する手段を備えた第2実施形態の正面図、(B)は(A)のB-B視部分平面図、(C)は(B)のC-C視、(D)はロアキャップの例である第3実施形態の分離縦断面図である。
図4】(A)はアッパ注出口にねじ蓋を設けた第4実施形態の正面図、(B)は第5実施形態の概略正面図、(C)は第6実施形態の概略正面図、(D)は第7実施形態の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1,2に示す第1実施形態を説明する。パウチ容器は、積層フィルムを接合して形成された袋体1と、袋体1の上端部に取り付けられた注出装置2とで構成されている。以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、袋体1の広幅方向を左右方向とし、広幅面と直交した方向(厚さ方向)を前後方向として定義している。
【0019】
袋体1は正面視で四角形に形成されており、注出装置2は袋体1の左右中間部に取り付けられている。但し、注出装置2の取り付け位置は任意に設定できる。袋体1は、表裏のフィルムと底フィルムとの3枚のフィムから成っており、内容物を充填すると底フィルムが水平状に広がる。従って、本実施形態のパウチ容器は、テーブル等の平坦面上に自立できるスタンディングパウチである。
【0020】
注出装置2は、袋体1の上端部に溶着によって接合された中継口3と、中継口3に下端部が接続されたチューブ4と、チューブ4の上端部に接続されたアッパ注出口5とを備えており、アッパ注出口5はアッパキャップ6によって開閉される。いずれのパーツも合成樹脂製である。
【0021】
中継口3は、袋体1が溶着される固定部7と、袋体1の外側(上方)に露出してチューブ4が嵌め込まれる円筒部8とを有しており、円筒部8の下端に上フランジ9を設ける一方、固定部7の上端には下フランジ10を設けており、上下フランジ9,10の間の部位は平断面四角形のガイド筒部11になっている。
【0022】
図1(E)に示すように、固定部7は底面視で目玉形になっており、上下のフランジ9,10はそれぞれ平面視でやや左右横長の8角形になっている。なお、上下フランジ9,10は、充填工程や運搬工程で使用するもので、平行に配置された一対の板状シュート(リブ)に上下フランジ9,10の間の溝を嵌め込むことにより、パウチ容器を回転不能でスライド自在に保持できる。
【0023】
中継口3の円筒部8には、チューブ4の下端部が外側から強制嵌合されている。円筒部8には、抜け防止のために環状突起12を複数段(1段でもよい)形成している。チューブ4は、バンド等の締め具によって円筒部8に固定してもよいし、溶着によって接合してもよい。或いは、インジェクションブロー装置を使用して製造することにより、チューブ4を中継口3に一体成形することも可能である。
【0024】
アッパ注出口5は、チューブ4の上端部が外側から嵌め込まれた円筒状の継手部13と、継手部13の上端に一体に形成された平面視8角形のフランジ14と、フランジ14に連続した上窄まりのテーパ部15と、テーパ部15の上端に一体に形成された円筒状の注出筒16とで構成されており、注出筒16の下部に断面山形の外向き係合突起(環状突起)17が形成されている。継手部13には、チューブ4の抜け防止のための環状突起18複数段(1段でもよい)形成されている。
【0025】
他方、アッパキャップ6は、天板19と外筒20とを有するコップ状の基本形態であり、外筒20は少し下広がりのテーパ形状であり、下端縁はアッパ注出口5のテーパ部15に当接又は近接している。そして、天板15から、注出筒16の外周面に近接した内筒21を垂下し、内筒21の下端部に、注出筒16の下部に係合する内向き係合突起22を周方向に長く延びるように形成している。内向き係合突起22は下向きに開口したスリット23によって4つに分断されており、外筒18のうちスリット23の外側に位置した部位に、プッシュ部を視認せしめるための凹所24を形成している。
【0026】
チューブ4は、中継口3の円筒部8に嵌合している下端部とアッパ注出口5の継手部13に嵌合している上端部とを除いた全長が蛇腹部になっている。従って、任意の方向に曲がり変形すると共に伸縮させることができる。なお、蛇腹部は全長にわたって形成する必要はなく、部分的に形成することも可能である。例えば、中継口3に寄った部位と、アッパ注出口5に寄った部位と、上下中途部との3か所に形成することができる。また、チューブ4の内径も任意に設定できる。
【0027】
(2).第1実施形態のまとめ
本実施形態では、アッパキャップ6を指で挟圧すると、外筒20の下端がアッパ注出口5のテーパ部15に当たることにより、アッパキャップ6はフランジ14から離れるように移動し、これにより、内筒21が弾性変形して内向き係合突起22が外向き係合突起17から離脱する。従って、プッシュ動によってワッタッチ的に開封できる。
【0028】
内容物を小出ししてから封止する場合は、片方の手の指先で継手部13を摘んで、アッパキャップ6の内筒21をアッパ注出口5の注出筒16に押し込んだらよい。すると、内筒21の下端部が弾性変形して、内向き係合突起22が外向き係合突起17に係合して封止状態になる。従って、封止をワンタッチで行えるが、継手部13を摘んでいる指先はフランジ14に下から当たっているため、指先の滑りはなくて、封止を確実に行える。
【0029】
本実施形態のパウチ容器は、様々な使い方をできる。例えば図2に実線で示すように、テーブル等の平坦な台25に載せて、アッパ注出口16が下向きになるようにチューブ4を曲げることにより、同じく台25に載せた容器26に内容物を小出しすることができる。すなわち、アッパ注出口5を片手で摘んで容器26に向けておく一方、他方の手で袋体1を加圧することにより、袋体1を持ち上げることなく内容物を小出しすることができる。
【0030】
パウチ容器は袋体1の形状が変化するため、詰め替え用のパウチ容器の場合、容量が大きいと持ちにくくて内容物の小出し(注ぎ出し)が面倒なことがあるが、本実施形態では、袋体1を手で加圧するだけで内容物を注ぎ出しできるため、容量が大きくても容易かつ正確に小出しすることができる。内容物を少量ずつ多数の容器に分配することもあるが、この場合も、加圧の加減は容易で少量でも高精度で注ぎ出しできるため、本実施形態のパウチ容器はしごく重宝である。
【0031】
他の使用例として、一点鎖線で示すように、アッパ注出口5を人が口27に含んで内容物を摂取することができる。例えば、テーブルにパウチ容器を載せて、本人が袋体1を加圧して内容物を摂取することができる。或いは、ベッドに寝た人の口27にアッパ注出口5を含ませて、介護者のような他人が袋体1の加圧操作を行うことも有り得る。いずれにしても、本人が吸引するものではないため、体力が弱くて肺活量が低い人であっても容易に摂取することができる。従って、介護用としても好適である。
【0032】
袋体1を手で直接加圧することに代えて、図2に二点鎖線で示すように、袋体1を表裏両側から挟む2枚の側板28aを備えたホルダー28を使用することも可能である。このようにホルダー28を使用すると、圧力を袋体1に強く伝達できるため、注ぎ出しを安定的に行える。内容物の減量に応じて2枚の側板28aの間隔が狭まるように構成しておくと、内容物を最後まで絞り出すことができて好適である。
【0033】
なお、チューブ4は、自重及びアッパ注出口5の重量によっておじぎするように曲がり変形するが、外力が作用していないフリー状態において、完全に倒れることなくアッパ注出口5が宙に浮いた状態に保持される強度に設定しておくのが好ましい。内容物が減っていくと袋体1が変形してしまうことがあるが、本実施形態では、アッパ注出口5はアッパキャップ6で塞がれるため、チューブ4が曲がってアッパキャップ6がテーブル等に当たっても、アッパ注出口5は清潔な状態に保持される。
【0034】
(3).他の実施形態
図3(A)~(C)に示す第2実施形態は第1実施形態の変形例であり、第1実施形態の構成に加えて、チューブ4を縮めた状態に保持するロック手段を設けている。すなわち、この実施形態では、中継口3における上フランジ9の一対の長辺部に、上下に回動自在なロック板30を一体に設けて、ロック板30の先端部に角形の係合穴31を形成している一方、アッパ注出口5のフランジ14に平面視キノコ形の係合突起32を設け、ロック板30の係合穴31を係合突起32に弾性に抗して嵌め込むことにより、チューブ4を縮めた状態に保持している。
【0035】
このように、チューブ4を縮めた状態に保持しておくことにより、チューブ4を取り付けた状態のままで流通させることができて、商品性を向上できる。ロック手段としては別部材を使用してもよいが、実施形態のようにロック板30を一体に形成すると、それだけ構造を簡単化できる。
【0036】
図3(D)に示す第3実施形態では、中継口3の円筒部8に雄ねじ34を形成して、円筒部8にねじ蓋方式のロアキャップ35をねじ込み装着しており、ロアキャップ35に上向きの筒体36を一体に形成し、筒体36にチューブ4を嵌め込み装着している。
【0037】
更に、円筒部8には、抜け防止用の係合フランジ37を形成して、係合フランジ37と上フランジ9との間に外向きラチェット爪38を周方向に点在させている一方、ロアキャップ35の下端には、外向きラチェット爪38に係合する内向きラチェット爪39を形成しており、両ラチェット爪38,39が係合することによってロアキャップ35は逆転不能に保持され、かつ、内向きラチェット爪39が係合フランジ37に下方から係合することにより、ロアキャップ35は上向きに移動不能に保持される。
【0038】
図4(A)に示す第4実施形態では、中継口3は第1実施形態と基本的には同じであり、チューブ4の先端のアッパ注出口5にねじ式のアッパキャップ40を装着している。アッパ注出口5には上下のフランジ41,42が形成されており、下フランジ42の下面には、アッパキャップ40を回転させるに際してアッパ注出口5を回転不能に保持するための摘み部43を形成し、摘み部43の下面に、チューブ4を接続するための継手部(筒体)44を形成している。
【0039】
この第4実施形態では、内容物を充填する工程では、中継口3は、上下フランジ9,10と下シュート45との嵌まり合いによってスライド自在で回転不能に支持され、アッパ注出口5は、上下フランジ41,42と上シュート46との嵌まり合いによってスライド自在で回転不能に支持されている。従って、充填を正確に行える。また、充填した後に、ロック板30によってチューブ4を縮めた状態に保持できる。この実施形態では、アッパ注出口5はねじ蓋方式のアッパキャップ40を備えているが、第1実施形態のようなプッシュ式のアッパキャップ6も使用できる。
【0040】
図4(B)~(D)では、袋体1の形態や中継口3の配置位置の別例を示している。このうち図4(B)の第5実施形態では、袋体1の上部を上窄まりのテーパ状に形成して、その上端部に中継口3を接合している。他方、図4(C)に示す第6実施形態では、袋体1の1つのコーナー部を斜めにカットし、このコーナー部に中継口3を接続している。また、図4(D)に示す第7実施形態では、袋体1の上端を斜めに形成し、上端部に中継口3を横向き姿勢で装着している。
【0041】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本願発明は、パウチ容器に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 袋体
2 注出装置
3 中継口
4 チューブ
5 アッパ注出口
6 プッシュ式のアッパキャップ
8 円筒部
13 継手部
15 テーパ部
16 注出筒
17 外向き係合突起
19 天板
20 外筒
21 内筒
22 内向き係合突起
35 ねじ蓋方式のロアキャップ
40 ねじ蓋式のアッパキャップ
図1
図2
図3
図4