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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】段ボール原紙管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240910BHJP
【FI】
G06Q50/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021195353
(22)【出願日】2021-12-01
(65)【公開番号】P2022092590
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】P 2020205052
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514318862
【氏名又は名称】アールエフシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 紘
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-113233(JP,A)
【文献】特開平11-139515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール製造装置に供給される原紙ロールを管理する段ボール原紙管理システムであって、
原紙製造番号と、前記原紙ロールの在庫情報とを対応付けて記憶するサーバ装置と、
前記原紙ロールの使用時に、前記原紙ロールに直接印字された前記原紙製造番号を撮影する撮影部と、
前記原紙ロールの撮影画像から前記原紙製造番号を取得し、取得した前記原紙製造番号に基づいて、前記在庫情報のうちから、前記段ボール製造装置に供給される前記原紙ロールを特定する引き当て処理を行う情報端末と、を備える、段ボール原紙管理システム。
【請求項2】
前記段ボール製造装置から払い出される前記原紙ロールに対して、前記原紙製造番号とは別個に割り当てられた管理番号と残長さとを印字したラベルを出力する印字部をさらに備え、
前記情報端末は、半端原紙の前記原紙ロールの供給時に、前記原紙製造番号を撮影した前記撮影画像から取得した前記原紙製造番号と、前記ラベルを撮影した前記撮影画像から取得した前記管理番号と、のうちいずれかに基づいて、前記引き当て処理を行うように構成されている、請求項1に記載の段ボール原紙管理システム。
【請求項3】
前記情報端末は、前記引き当て処理において、取得した前記原紙製造番号が前記サーバ装置に登録されていない場合、前記原紙製造番号が未登録の前記原紙ロールの候補を表示するとともに、表示した前記候補のうちから対応する原紙ロールの選択を受け付けるように構成されている、請求項1または2に記載の段ボール原紙管理システム。
【請求項4】
前記情報端末は、前記撮影画像中の文字列の傾き補正処理を行い、傾き補正後の文字列と、傾き補正後に180度回転させた文字列と、の2種類の文字列を画像認識により生成し、生成した各文字列に対して前記サーバ装置に登録された前記原紙製造番号との照合を行うように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の段ボール原紙管理システム。
【請求項5】
前記管理番号は、バーコードまたは2次元コードの形態で前記ラベルに印字され、
前記情報端末は、前記撮影画像中のラベル領域に含まれるコード画像を読み取ることにより、前記管理番号を取得するように構成されている、請求項2に記載の段ボール原紙管理システム。
【請求項6】
前記情報端末は、前記撮影部を内蔵した携帯情報端末である、請求項1~5のいずれか1項に記載の段ボール原紙管理システム。
【請求項7】
前記情報端末は、
表示した前記候補のうちから対応する原紙ロールの選択を受け付ける場合、前記原紙製造番号に代えて、前記原紙ロールの撮影画像の入力を受け付け可能であり、
前記原紙ロールの撮影画像の入力を受け付けた場合、前記原紙ロールの撮影画像を前記原紙ロールの在庫情報と対応付けて前記サーバ装置に記憶させるように構成されている、請求項3に記載の段ボール原紙管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボール原紙管理システムに関し、特に、段ボール製造装置に使用される原紙ロールの在庫管理を行うための段ボール原紙管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、段ボール製造装置に使用される原紙ロールの在庫管理が行われている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、段ボール製造時に、段ボール製造装置が備える5台のミルロールスタンドに、それぞれ2本ずつ、原紙ロールをセットすることが開示されている。上記特許文献1には、使用済みの原紙ロールには、オペレータによって、原紙残長が原紙ロールに直接書き込まれるか、その原紙残長を記録したバーコードシール(ラベル)が原紙ロールに貼り付けられることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3670626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
段ボール製造に用いられる個々の原紙ロールは、原紙の不具合が発見された場合等のトレーサビリティのために、1本ずつ個体識別されて管理される。そのため、上記特許文献1には記載されていないが、従来、段ボール製造装置を運用する段ボール製造業者は、新原紙の原紙ロールが入荷した時点で、1本1本の新原紙の原紙ロールに対して、管理番号を記録したラベルを貼付する作業を行うことが多い。新原紙の原紙ロールに付されたラベルは、段ボール製造装置で使用されると除去される。当該原紙ロールが段ボール製造装置から払い出されて半端原紙となった際には、管理番号に加えて残長さも記録した新たなラベルが発行されて、当該原紙ロールに貼り直される。
【0006】
このような従来の原紙ロール管理の運用では、新原紙が入荷した時にラベルを貼付する作業に課題が存在している。すなわち、新原紙が入荷するのは段ボール製造開始前の早朝の時間帯であるため、オペレータにとって早朝作業となってしまう。また、一日に100本の新原紙が入荷すると仮定すると、それらの1本1本にラベルを貼付する作業量も少なくない。また、毎日、多数のラベルを印刷する必要が生じるため、コストおよび資源消費量が大きくなる。
【0007】
なお、ラベルに代えた管理手法として、管理番号や残長さなどのデータを記録したRFICタグを、原紙ロールの紙管内部に取り付ける手法が存在する。しかし、RFICタグは、データエラーや物理的破損などが生じた場合に管理番号が不明になる可能性があるとともに、情報読取を行わない限りオペレータが外観から確認できないことから、結局、上記のラベル貼付も同時に行われることが多く、課題解決には至っていない。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、新原紙の原紙ロールの入荷時にラベルを貼付する作業を省略することが可能な段ボール原紙管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討した結果、新原紙の原紙ロールには、原紙メーカーによる固有の原紙製造番号が直接印字されていることから、ラベルに代えて、この原紙製造番号を仮の管理番号として利用することに想到した。すなわち、この発明の一の局面による段ボール原紙管理システムは、段ボール製造装置に供給される原紙ロールを管理する段ボール原紙管理システムであって、原紙製造番号と、原紙ロールの在庫情報とを対応付けて記憶するサーバ装置と、原紙ロールの使用時に、原紙ロールに直接印字された原紙製造番号を撮影する撮影部と、原紙ロールの撮影画像から原紙製造番号を取得し、取得した原紙製造番号に基づいて、在庫情報のうちから、段ボール製造装置に供給される原紙ロールを特定する引き当て処理を行う情報端末と、を備える。

【0010】
この発明の一の局面による段ボール原紙管理システムでは、上記のように、原紙ロールの使用時に、原紙ロールに印字された原紙製造番号を撮影する撮影部と、原紙ロールの撮影画像から原紙製造番号を取得し、取得した原紙製造番号に基づいて、在庫情報のうちから、段ボール製造装置に供給される原紙ロールを特定する引き当て処理を行う情報端末と、を備える。これにより、新原紙の原紙ロールに印字された固有の原紙製造番号を撮影画像から取得し、得られた原紙製造番号を用いて、新原紙の原紙ロールの個体識別(引き当て処理)を行える。そのため、新原紙の入荷時に管理番号を記載したラベルを貼付することなく、段ボール製造におけるトレーサビリティを確保した原紙ロールの個体管理を行える。この結果、1本1本の新原紙の原紙ロールに対する早朝のラベル貼付業務を省くことができるので、オペレータの作業負荷が低減される。そして、毎日入荷する新原紙の原紙ロールに対して、多数のラベル印刷を省くことにより、コスト低減、資源消費量の低減を図ることができる。
【0011】
上記一の局面による段ボール原紙管理システムにおいて、好ましくは、段ボール製造装置から払い出される原紙ロールに対して、原紙製造番号とは別個に割り当てられた管理番号と残長さとを印字したラベルを出力する印字部をさらに備え、情報端末は、半端原紙の原紙ロールの供給時に、原紙製造番号を撮影した撮影画像から取得した原紙製造番号と、ラベルを撮影した撮影画像から取得した管理番号と、のうちいずれかに基づいて、引き当て処理を行うように構成されている。このように構成すれば、新原紙の原紙ロールが段ボール製造装置から払い出されて半端原紙の原紙ロールとなったときに、初めて、管理番号と残長さとを印字したラベルを用いて当該原紙ロールの個体識別を行える。ここで、原紙製造番号は、原紙ロールの端面に印字されており、原紙直径が印字箇所まで減少すると読み取れなくなる。そこで、半端原紙の原紙ロールについて、原紙製造番号およびラベル(管理番号)のどちらでも引き当て処理を行えるようにすることにより、ラベルが床面に接して管理番号が読めない時にも端面の原紙製造番号を読み取ることができるので、オペレータの利便性を向上させることができる。
【0012】
上記一の局面による段ボール原紙管理システムにおいて、好ましくは、情報端末は、引き当て処理において、取得した原紙製造番号がサーバ装置に登録されていない場合、原紙製造番号が未登録の原紙ロールの候補を表示するとともに、表示した候補のうちから対応する原紙ロールの選択を受け付けるように構成されている。このように構成すれば、撮影画像から取得された原紙製造番号がサーバ装置の在庫情報において未登録であった場合にも、情報端末を使用するオペレータが確認、選択することにより、原紙製造番号の登録をその場で行えるとともに、円滑な引き当て処理を行うことができる。また、候補の選択により引き当て処理が完了する場合、オペレータは、情報端末に原紙製造番号を1文字ずつ手入力せずに済むので、入力作業の省力化を図ることができる。
【0013】
上記一の局面による段ボール原紙管理システムにおいて、好ましくは、情報端末は、撮影画像中の文字列の傾き補正処理を行い、傾き補正後の文字列と、傾き補正後に180度回転させた文字列と、の2種類の文字列を画像認識により生成し、生成した各文字列に対してサーバ装置に登録された原紙製造番号との照合を行うように構成されている。このように構成すれば、ロール端面に印字された原紙製造番号の向きが撮影画像中でどのような向きに回転していた場合でも、撮影画像から原紙製造番号を取得できる。この結果、オペレータは、原紙製造番号の撮影時に、角度調整のために重く大きい原紙ロールを転がしたり、原紙製造番号の向きに合うように撮影角度を変更したりする必要がなくなるので、オペレータの作業負荷を効果的に低減できる。なお、幅寸法や原紙種類にもよるが、原紙ロールの重さは、数百kg~千kg程度である。
【0014】
上記印字部をさらに備える構成において、好ましくは、管理番号は、バーコードまたは2次元コードの形態でラベルに印字され、情報端末は、撮影画像中のラベル領域を検出し、検出したラベル領域に含まれるコード画像を読み取ることにより、管理番号を取得するように構成されている。このように構成すれば、管理番号をバーコードまたは2次元コードの形態でラベルに印字する場合でも、専用のリーダー装置等を追加することなく、原紙製造番号と同じように撮影部を用いてラベルを撮影するだけで、管理番号を取得できる。つまり、撮影部により、原紙製造番号の取得と、管理番号の取得との両方を行えるので、段ボール原紙管理システムの構成を簡素化できる。
【0015】
上記一の局面による段ボール原紙管理システムにおいて、好ましくは、情報端末は、撮影部を内蔵した携帯情報端末である。このように構成すれば、いわゆるタブレット端末やスマートフォン等の撮影部を内蔵した携帯情報端末によって、撮影、番号読取、サーバ装置への照合といった一連の引き当て処理をすべて行うことができる。そのため、段ボール原紙管理システムの構成を簡素化できる。また、オペレータにとっても、引き当て処理に用いる機器が携帯情報端末に統合されるため、利便性が向上する。
【0016】
上記原紙製造番号が未登録の原紙ロールの候補を表示するとともに、表示した候補のうちから対応する原紙ロールの選択を受け付ける構成において、好ましくは、情報端末は、表示した候補のうちから対応する原紙ロールの選択を受け付ける場合、原紙製造番号に代えて、原紙ロールの撮影画像の入力を受け付け可能であり、原紙ロールの撮影画像の入力を受け付けた場合、原紙ロールの撮影画像を原紙ロールの在庫情報と対応付けてサーバ装置に記憶させるように構成されている。このように構成すれば、原紙製造番号がサーバ装置の在庫情報において未登録であった場合で、かつ、撮影画像から原紙製造番号を文字認識できない場合にも、原紙ロールの撮影画像のイメージデータを記憶することで、原紙製造番号の代替として撮影画像を利用できる。つまり、原紙ロールの原紙製造番号が必要になるとき、オペレータ(または原紙メーカー)が撮影画像から原紙製造番号を特定できるので、原紙ロール個体のトレーサビリティを確保できる。そして、そのための番号入力作業を省略できるので、オペレータの省力化にも寄与する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、新原紙の原紙ロールの入荷時にラベルを貼付する作業を省略することが可能な段ボール原紙管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態による段ボール原紙管理システムの構成を説明するためのブロック図である。
図2】段ボール製造装置の一例を示した模式図である。
図3】原紙倉庫において保管される原紙ロールの例を示した模式的な斜視図である。
図4】段ボール製造装置へ原紙ロールを投入するための構成を示した模式的な斜視図である。
図5】在庫情報として記録される情報の一例を説明するための図である。
図6】原紙製造番号が印字された原紙ロールの模式的な斜視図(A)および端面の模式図(B)である。
図7】情報端末の構成を説明するためのブロック図である。
図8】ラベルの一例を示した図である。
図9】撮影画像に対する傾き補正処理を示した模式図である。
図10】文字列と原紙製造番号の候補とを表示する例を示した模式図である。
図11】段ボール原紙管理システムによる原紙ロールの引き当て処理を示した第1のフロー図である。
図12】段ボール原紙管理システムによる原紙ロールの引き当て処理を示した第2のフロー図である。
図13】段ボール原紙管理システムによる原紙ロールの引き当て処理を示した第3のフロー図である。
図14】情報端末が表示するロット表示画面の一例を示した図である。
図15】情報端末が表示する原紙一覧画面の一例を示した図である。
図16】本実施形態における作業の流れと比較例における作業の流れとを対比説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
まず、図1図10を参照して、一実施形態による段ボール原紙管理システム100について説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態による段ボール原紙管理システム100(以下、原紙管理システム100という)は、段ボール製造の生産管理システム200の一部または生産管理システム200と連携するシステムとして構成される。生産管理システム200は、段ボール製造装置(コルゲータ)110による段ボールシート製造工程の管理などを行うシステムである。
【0022】
生産管理システム200は、段ボール製造装置110およびコルゲータ管理装置120を含むネットワークを構成している。コルゲータ管理装置120は、段ボール製造装置110の動作制御や、製造ロットの管理を行う機能を有する。原紙管理システム100は、段ボール製造装置110に供給される段ボール原紙(原紙ロール1)の在庫管理を行うシステムである。
【0023】
[段ボール製造装置の概要]
まず、本実施形態による原紙管理システム100が管理する原紙を用いて段ボール製造を行う段ボール製造装置110について説明する。段ボール製造装置110は、ロール状に巻かれた原紙(原紙ロール1)を使用して、段ボールシートを製造する装置である。
【0024】
段ボール製造装置110は、図2に示すように、ロールスタンド11、スプライサ12、シングルフェーサ13、ダブルフェーサ14、カッタ15およびスタッカ16を主として備えている。図2の段ボール製造装置110は、5つのロールスタンド11を備え、最大5種類の原紙(3枚のライナおよび2枚の中芯)を貼り合わせて段ボールを製造可能である。ライナは、段ボールの表面および中間に設けられる平坦な原紙であり、中芯は波状に段成形される原紙である。
【0025】
各ロールスタンド11は、それぞれ2つの原紙ロール1を回転可能に保持する。段ボールシートの製造中、いずれか一方の原紙ロール1が使用される。他方の原紙ロール1は、一方の原紙ロール1の原紙が全て消費された場合の交換用や、次の製造ロット用として、ロールスタンド11に準備される。スプライサ12は、ロールスタンド11毎に設けられ、原紙ロール1の切替時に紙継ぎを行う。シングルフェーサ13は、ライナと中芯とを貼り合わせて片面段ボールシートを形成する。ダブルフェーサ14は、2つのシングルフェーサ13からそれぞれ送られる2つの片面段ボールシートと、ライナとの3枚のシートを貼り合わせて、2段(ダブル)の段ボールシートを形成する。シングルフェーサ13およびダブルフェーサ14の上流側には、それぞれ、シートを加熱するヒータ17が設けられている。また、ダブルフェーサ14の上流側には、シートに糊付けを行うグルーイングマシン18が配置されている。貼り合わされた2段(ダブル)の段ボールシートは、スリッタスコアラ19によって罫線(折り曲げ線)や切り込みを形成され、カッタ15によって所定長さに切断された後、スタッカ16に積み上げられて貯留される。
【0026】
5つのロールスタンド11は、それぞれ、A段用の中芯(A芯)、A芯用の裏ライナ、B段用の中芯(B芯)、B芯用の裏ライナ、および共通の表ライナ、の合計5種類の原紙を供給するように、原紙の種類毎に設けられている。裏ライナは段ボールの裏面側のライナであり、表ライナは段ボールの表面側のライナである。段ボール製造装置110は、AB段の2段の段ボールの他、A段のみまたはB段のみの1段の段ボールを選択的に製造することが可能である。1段の段ボールを製造する場合、3つのロールスタンド11が稼働する。2段の段ボールを製造する場合、5つのロールスタンド11が稼働する。どの品種の段ボール製造をどの順番で行うかは、生産管理システム200が管理する製造ロットによって決められている。
【0027】
図3に示すように、原紙ロール1は、所定幅寸法の原紙が円柱状に巻回されたものであり、径方向の表面である外周面2と、巻回軸方向の端面3とを有する。原紙ロール1の径方向中心には、巻回用の紙管の内面からなり、原紙ロール1を巻回軸方向に貫通する中心孔4がある。
【0028】
製造に使用される原紙には、紙巾、秤量、紙質が異なる多種類がある。また、原紙ロール1は、新原紙(未使用の原紙)の場合だけでなく、半端原紙(途中まで使用された原紙)の場合もある。段ボールシートの多品種生産の結果、同一種類の原紙について、新原紙のロールや半端原紙のロールが複数、在庫として保管されることになる。このような多種類、多数の原紙ロール1は、段ボール製造装置110が設置された生産施設の原紙倉庫8(図1参照)に保管されている。製造時に、製造ロットに応じた種類の原紙ロール1が、図3に示すようにクランプリフト9を操縦するオペレータ(図示せず)によって原紙倉庫8から出庫され、段ボール製造装置110の各ロールスタンド11前の準備位置(図4参照)へ搬送される。
【0029】
図4に示すように、準備位置へ搬送された原紙ロール1は、図2に示した原紙の搬送方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に延びる一対のレール20上に載置され、一対のレール20間をY方向に移動可能な搬送装置21によって、ロールスタンド11に搬送される。一対のレール20は、互いに向かい合う方向に下り傾斜となっており、一対のレール20の中間位置に原紙ロール1を保持する。搬送装置21は、一対のレール20の間で、原紙ロール1の端面3の下部と係合(チャック)して、原紙ロール1を搬送する。原紙ロール1は、ロールスタンド11とX方向に並ぶ位置までY方向に搬送され、ロールスタンド11のアーム11aにチャック(装着)されることによって、巻回軸回りに回転可能に保持される。1日の作業終了時や、製造ロット分の製造終了時には、搬送装置21によって原紙ロール1がロールスタンド11からY方向の逆向きに搬送される(払い出される)。
【0030】
[段ボール原紙管理システムの構成]
次に、原紙管理システム100の構成について説明する。図1に示すように、原紙管理システム100は、少なくとも、サーバ装置30と、撮影部46と、情報端末40と、を備える。また、図1の例では、原紙管理システム100は、さらに、制御装置50、残長取得部60と、中継機器70と、クランプ用端末80とを含む。
【0031】
コルゲータ管理装置120と、サーバ装置30と、制御装置50と、残長取得部60と、中継機器70とは、有線または無線のネットワークを介して互いに接続されている。情報端末40およびクランプ用端末80は、中継機器70との無線通信により、中継機器70を介してネットワークに接続できる。無線通信は、たとえばWifi(登録商標)などの無線LANであり、中継機器70は、たとえば無線LANのアクセスポイントである。
【0032】
サーバ装置30は、生産管理システム200全体のサーバ装置であってもよいし、生産管理システム200の上位サーバ装置130(二点鎖線参照)と連携するように構成される原紙管理システム100専用のサーバ装置であってもよい。ここでは、上位サーバ装置130が設けられておらず、原紙管理システム100のサーバ装置30が生産管理システム200と共通のサーバ装置である場合の例を説明する。
【0033】
サーバ装置30は、CPU(プロセッサ)、メモリ(主記憶装置)および記憶装置(補助記憶装置)を備えたPC(パーソナルコンピュータ)により構成されている。原紙管理システム100のアプリケーションプログラムをCPUが実行することにより、PCが原紙管理システム100のサーバ装置30として機能する。サーバ装置30は、原紙製造番号31a(図5参照)と、原紙ロール1の在庫情報31とを対応付けて記憶する。在庫情報31は、1本1本の原紙ロール1についての管理情報が記録されたものである。図5に示すように、1本の原紙ロール1についての在庫情報31は、たとえば、原紙ロール1の原紙製造番号31a、管理番号31b、原紙種類(秤量)31c、幅寸法31d、銘柄31e(メーカー名)、原紙の初期長さLS、使用日時31f、残長さLP、および、ロット番号31g、納入日31hなどを含む。
【0034】
原紙製造番号31aは、その原紙(原紙ロール1)を製造した原紙メーカーが、製品の個体識別を行うために割り当てた固有の番号である。そのため、原紙製造番号31aの番号体系(文字種、桁数)は、原紙メーカーによって異なる。ただし、原紙製造番号31aは、英数字の組み合わせであり、文字数も一定の範囲内(おおむね、7桁~11桁程度)である。
【0035】
図6(A)および図6(B)に示すように、原紙製造番号31aは、原紙ロール1の巻回軸方向の端面3に、直接印字されている。原紙メーカーによっては、原紙製造番号31aが原紙ロール1の外周面2にも印字される場合がある。
【0036】
外周面2の原紙製造番号31aは、原紙ロール1の初回の使用時に最外周の原紙が剥がされることにより原紙ロール1から除去される。端面3の原紙製造番号31aは、原紙が使用されて原紙ロール1の直径が原紙製造番号31aの印字位置まで減少することにより、視認できなくなる。なるべく長期間にわたって端面3の原紙製造番号31aが残るように、原紙製造番号31aは、端面3において、紙管(中心孔4)に近い位置に印字される。
【0037】
なお、原紙ロール1には、原紙製造番号31aに加えて、原紙種類(秤量)、幅寸法、初期長さ、銘柄などが印字されることが多い。図6(B)では、端面3に原紙製造番号31aとして「ABCIH01238」、原紙種類31cとして「160g(/m)」、幅寸法31dとして「170CM」、初期長さLSとして「5000M」が印字された例を示している。
【0038】
図5に戻り、管理番号31bは、原紙管理システム100が原紙ロール1の個体管理のために個々の原紙ロール1に割り当てる固有の識別番号である。管理番号31bは、原紙管理システム100が独自に割り当てる番号であるため、番号体系は任意に決定できる。
【0039】
原紙種類31cは、坪量や紙質による原紙の品種であり、k5(180g/m)、k6(220g/m)などの記号またはグラム数で表される。幅寸法31dは、原紙ロール1の巻回軸線方向の長さである。幅寸法31dは、50mm間隔で規格が存在し、一般に850mm~2000mmの範囲である。初期長さLSは、新原紙(未使用状態)の原紙ロール1の総長さである。使用日時31fは、その原紙ロール1が最後に使用された日時(時刻は図示省略)である。残長さLPは、途中まで使用された半端原紙の原紙ロール1の残りの長さである。ロット番号31gは、段ボール製造の順番を表す番号であり、コルゲータ管理装置120から取得される。納入日31hは、その原紙ロール1が入荷した日付である。
【0040】
在庫情報31のうち、原紙種類31c、幅寸法31d、銘柄31e、初期長さLSは、原紙メーカーへの原紙の発注時に決定およびサーバ装置30に登録される。原紙製造番号31aは、原紙の発注に対する原紙メーカーから事前に送付される受注確認メール(注文請書)において記載されている場合、受注確認メールから原紙製造番号31aを予めサーバ装置30に登録できる。この他、原紙製造番号31aは、新原紙の原紙ロール1の初回使用時に取得および登録できる。管理番号31bは、原紙の発注時または新原紙の原紙ロール1の初回使用時にサーバ装置30により割り当てられる。使用日時31f、ロット番号31gおよび残長さLPは、原紙ロール1が段ボール製造装置110において使用される度に付与(更新)される情報である。残長さLPは、残長さ取得専用のPCである残長取得部60が、コルゲータ管理装置120の生産実績から取得する。サーバ装置30は、原紙ロール1の使用終了時に、残長取得部60から残長さLPを取得して、在庫情報31を更新する。
【0041】
図1に戻って、撮影部46は、たとえばCMOSセンサやCCDセンサなどのイメージセンサを有するカメラである。後述するが、本実施形態では、撮影部46は、情報端末40に組み込まれている。撮影部46は、一般的なWEBカメラと同等かそれ以上の画素数を有するものであればよい。撮影部46は、情報端末40とは別個に設けられていてもよい。撮影部46は、原紙ロール1の使用時に、原紙ロール1に印字された原紙製造番号31a(図6参照)を撮影するために用いられる。また、後述するが、撮影部46は、半端原紙の原紙ロール1の使用時に、半端原紙の原紙ロール1に付与されたラベル5(図4参照)を撮影するために用いられる。
【0042】
情報端末40およびクランプ用端末80は、原紙管理システム100を利用するオペレータに情報を表示するとともに、オペレータからの情報入力を受け付ける機能を有する。
【0043】
クランプ用端末80は、クランプリフト9(図3参照)を運転して、原紙倉庫8(図3参照)からの原紙ロール1の出庫作業を行うオペレータが使用する情報端末である。原紙倉庫8では、様々な原紙ロール1が巻回軸方向を上下に向けた姿勢で平積みされる。出庫作業は、製造ロットに応じた原紙ロール1を、原紙倉庫8(図3参照)から各ロールスタンド11前の準備位置(図4参照)へ搬送する作業である。なお、クランプリフト9は、フォークリフトに把持用クランプアタッチメントを装着した搬送装置である。クランプ用端末80(図3参照)は、ブラケットを介してクランプリフト9に着脱可能である。クランプ用端末80は、オペレータ数に応じた台数(たとえば、2~3台)が設けられる。
【0044】
情報端末40は、各ロールスタンド11の準備位置へ運ばれた複数の原紙ロール1を、ロールスタンド11に供給(投入)する準備作業(引き当て処理)を行うオペレータが使用する情報端末である。5つのロールスタンド11(図2参照)のそれぞれへの作業を行うため、たとえば3人から4人程度のオペレータが投入準備作業を担当する。投入準備用の情報端末40は、オペレータが個別に使用するように、複数台(3台から4台)設けられている。
【0045】
本実施形態では、情報端末40は、撮影部46を内蔵した携帯情報端末である。具体的には、情報端末40は、いわゆるタブレット端末であるが、スマートフォン、ノート型PCなどでもよい。図7に示すように、情報端末40は、CPUなどのプロセッサ41、メモリ(主記憶装置)および記憶装置(補助記憶装置)などの記憶部42、中継機器70との無線通信を行う通信部43、液晶モニタなどの表示部44、タッチパネルなどの入力部45、および撮影部46を含む。プロセッサ41が記憶部42に記憶されたプログラム(アプリケーションソフトウェア)を実行することにより、投入準備用の情報端末40としての機能を果たす。情報端末40は、通信部43により、中継機器70を介してサーバ装置30の在庫情報31にアクセスすることができる。なお、クランプ用端末80も、図7に示した情報端末40と同様のハードウェアにより構成されるので、説明を省略する。
【0046】
本実施形態では、情報端末40は、原紙ロール1の撮影画像90(図8参照)から原紙製造番号31aを取得し、取得した原紙製造番号31aに基づいて、在庫情報31のうちから、段ボール製造装置110に供給される原紙ロール1を特定する引き当て処理を行うように構成されている。具体的には、製造ロットでは、原紙種類31c、幅寸法31dが指定されており、原紙種類31c、幅寸法31dが指定と一致する原紙ロール1であれば、その製造ロットで使用できる。引き当て処理は、対象となる製造ロットについて、在庫情報31(図5参照)に登録された個々の原紙ロール1のうち、いずれの原紙ロール1を使用するかをサーバ装置30に登録する処理である。引き当て処理によって、段ボール製造装置110での使用後(製造ロットの生産終了後)に、使用された原紙ロール1の在庫情報31における使用日時、残長さ等が更新される。引き当て処理の詳細については後述する。
【0047】
図1に示すように、制御装置50は、段ボール製造装置110の5つのロールスタンド11に対して1つずつ(合計5台)設けられている。それぞれの制御装置50は、サーバ装置30(ネットワーク)と有線または無線により接続されている。
【0048】
制御装置50は、CPU(プロセッサ)、メモリ(主記憶装置)および記憶装置(補助記憶装置)を備えたPCにより構成されている。また、制御装置50は、表示部および入力部と接続されている。具体的には、制御装置50は、表示部および入力部としてのタッチパネルディスプレイを内蔵したタブレット端末(図4参照)により構成されているが、ノート型PCでもよいし、表示部および入力部が外部接続されるタイプのPCでもよい。
【0049】
制御装置50は、段ボール製造装置110の動作中に、対応するロールスタンド11の各アーム11aに装着された原紙ロール1の情報を表示するように構成されている。制御装置50は、原紙ロール1に貼付するラベル5を発行するラベルプリンタ51と接続されている。ラベルプリンタ51は、特許請求の範囲の「印字部」の一例である。
【0050】
ラベルプリンタ51は、段ボール製造装置110から払い出される原紙ロール1に対して、原紙製造番号31aとは別個に割り当てられた管理番号31bと残長さLPとを印字したラベル5(図8参照)を出力するように構成されている。すなわち、図4において、引き当て処理によって特定された原紙ロール1が、製造ロットの完了によって段ボール製造装置110から払い出されると、サーバ装置30から制御装置50に、払い出された原紙ロール1の残長さLPが送信される。制御装置50が、管理番号31bと残長さLPとを含む各種情報を印字するようにラベルプリンタ51を制御する。出力されたラベル5が、オペレータによって、払い出された原紙ロール1の外周面2に貼付される。
【0051】
図8は、ラベルプリンタ51が出力するラベル5の一例を示す。ラベルプリンタ51は、粘着ラベル台紙に情報を印字することにより、ラベル5を出力(発行)する。図8の例では、ラベル5は、管理番号31bと、残長さ情報(残長さLP)とに加えて、原紙種類31c、銘柄31e、幅寸法31d、原紙製造番号31a、および納入日31hの各情報を含む。本実施形態では、管理番号31bは、バーコードの形態でラベル5に印字される。管理番号31bは、2次元コードの形態で印字されてもよい。管理番号31bは、情報端末40の撮影部46により、読み取りが可能である。
【0052】
すなわち、情報端末40は、撮影画像中のラベル領域ALに含まれるコード画像CIを読み取ることにより、管理番号31bを取得するように構成されている。オペレータが、情報端末40の撮影部46により、ラベル5を含む原紙ロール1の外周面2の画像を撮影する。情報端末40は、領域ベースマッチング(たとえばテンプレートマッチング)により、撮影画像中のラベル領域AL(図8参照)を検出する。このため、情報端末40の記憶部42には、ラベル5のテンプレート画像が予め登録されうる。情報端末40は、公知のバーコード読取用アプリケーションにより、ラベル領域ALに含まれるコード画像CI(図8参照)の読み取りを行う。又は、テンプレートマッチングによるラベル領域ALの検出を行わずに、オペレータがバーコード読取を指示して、情報端末40が画像中のバーコード(コード画像CI)を検出する方式で、コード画像IC(図8参照)を読み取ることもできる。
【0053】
(原紙製造番号の読み取り)
次に、引き当て処理の際に、情報端末40を用いて、原紙ロール1に印字された原紙製造番号31aを読み取る処理について説明する。情報端末40は、原紙ロール1の撮影画像90から、画像認識によって、原紙ロール1に印字された文字情報を抽出することにより、原紙製造番号31aを取得する。
【0054】
まず、図4に示したように、引き当て処理の際、原紙ロール1は、ロールスタンド11付近の準備位置に、外周面2が地面と接する横倒しの状態で配置される。原紙製造番号31aが印字された端面3は横向きに露出する。オペレータが、情報端末40の撮影部46により、原紙ロール1の端面3を撮影する。これにより、情報端末40は、図9に示すように、原紙製造番号31aを含む端面3の撮影画像90を取得する。
【0055】
撮影時の原紙ロール1の回転角度は任意であり、原紙ロール1と向かい合う撮影部46の角度も必ずしも水平とは限らない。原紙製造番号31aは、撮影画像90において任意の角度に回転した状態で写る可能性がある。
【0056】
そこで、情報端末40は、撮影画像90中の文字列の傾き補正処理を行い、傾き補正後の文字列と、傾き補正後に180度回転させた文字列と、の2種類の文字列を画像認識により生成し、生成した各文字列に対してサーバ装置30に登録された原紙製造番号31aとの照合を行うように構成されている。
【0057】
具体的には、情報端末40は、まず、撮影画像90に2値化処理を行う。2値化処理により、文字列の像が鮮明化され、不要な画像要素が除去される。2値化閾値は、設定変更可能であり、使用環境に適した値が設定される。図9は、2値化処理後の画像のイメージである。
【0058】
次に、情報端末40は、傾き補正処理を行う。原紙製造番号31aなどの文字列は、一直線に印字されているので、情報端末40は、画像中の文字列の傾きθを検出する。情報端末40は、検出した傾きθに基づいて、文字列が画像の横軸方向に一致するように撮影画像90を回転させる傾き補正処理を行う。これにより、文字列が画像の横軸方向に一致した撮影画像90が得られる。図9の右側の撮影画像90は、傾き補正処理後の画像のイメージである。
【0059】
次に、情報端末40は、傾き補正処理後の撮影画像90に対して、文字認識処理を行う。文字認識処理の内容は特に限定されず、公知の文字認識アルゴリズムを利用できる。これにより、原紙ロール1の端面3に印字された文字列が文字情報として生成される。情報端末40は、画像を180度回転させて、文字認識処理を行う。この結果、図10に示すように、初回の文字認識処理(角度0度とする)により抽出された文字列91aと、180度回転させた文字列91bと、の2通りの文字列が生成される。
【0060】
図10では、初回の文字列91aが正しい向きで文字認識された例を示し、文字列91bが180度回転されて文字認識された例を示している。原紙製造番号31aが180度回転されると、回転後画像RFとなる。この回転後画像RFに対して文字認識処理を行うと、各文字が反転しているため、形状が類似した別の文字として認識されうる。たとえば図10では、反転した「A」、「B」、「C」、「2」、「3」の文字が、それぞれ「V」、「8」、「0」、「7」、「C」として文字認識された例を示している。回転対称または回転対称に近い文字(「8」、「1」、「0」、「H」、「I」)は、回転後画像RFにおいてもそのまま認識されうる。反転により文字認識できなかった文字は、「スペース(空白)」に置換されうる。この結果、反転した状態で文字認識された文字列91bでは、実際の原紙製造番号31aとは全く異なったものとなる。傾き補正後の撮影画像90に写る原紙製造番号31aの向き次第(撮影した方向次第)で、文字列91aおよび91bのいずれか一方が正しい向きで文字認識された文字列となり、いずれか他方が反転した向きで文字認識された文字列となる。
【0061】
なお、原紙ロール1の端面3には、原紙製造番号31a以外の文字列も印字されている。そこで、情報端末40は、全ての文字列のうちから、所定範囲の文字数の文字列を検索する。上記の通り、原紙製造番号31aは、原紙メーカーにもよるが、7文字~11文字程度が多い。検索する文字列の文字数範囲は、設定変更可能であり、取引のある原紙メーカー等に応じて適切な範囲が設定できる。
【0062】
以上の結果、情報端末40は、所定文字数範囲に含まれた文字列91aおよび文字列91bを、原紙製造番号31aの可能性が高い文字列として取得する。情報端末40は、精製した文字列91aおよび91bを、表示部44に画面表示する。情報端末40は、生成した各文字列を、サーバ装置30に登録された原紙製造番号31aと比較し、一致する番号を有する原紙ロール1のデータを特定する。これにより、引き当て処理が行われる。
【0063】
また、情報端末40は、引き当て処理において、取得した文字列91a、91bと一致する番号が存在しない場合は、在庫情報31のうちから、製造ロットで使用可能な原紙ロール1の原紙製造番号31aを、候補95として表示部44に表示する。情報端末40は、文字列の修正、または原紙製造番号31aの直接入力を受け付けることが可能に構成されている。修正後の文字列が候補95と一致すれば、情報端末40は、その候補95の原紙ロール1に対して引き当て処理が行われる。又は、修正せずに、候補95の中から、オペレータが現物と一致する番号の候補をタップ(選択入力)することにより、引き当てしても良い。
【0064】
ここで、原紙発注の際に原紙メーカーから原紙製造番号31aが提供されていなかったためにサーバ装置30の在庫情報31において原紙製造番号31aが未登録となっているケースがありうる。このような場合、発注情報に基づいて原紙ロール1のデータは在庫情報31に登録済みであるものの、原紙製造番号31aの情報が未登録により空欄とされる。
【0065】
そこで、本実施形態では、情報端末40は、引き当て処理において、取得した原紙製造番号31aがサーバ装置30の在庫情報31に登録されていない場合、原紙製造番号31aが未登録の原紙ロール1の候補95を表示するとともに、表示した候補95のうちから対応する原紙ロール1の選択を受け付けるように構成されている。つまり、情報端末40は、原紙製造番号31aが未登録となっている原紙ロール1についても、候補95として表示部44に表示させる。そして、情報端末40は、文字列91aおよび91bの選択入力と、未登録(空欄)の原紙ロール1の候補95の選択入力とを受け付ける。情報端末40は、サーバ装置30との通信により、オペレータにより選択された候補95の在庫情報31に対して、選択された文字列を原紙製造番号31aとして登録する処理を行うとともに、その原紙ロール1の引き当て処理を行う。
【0066】
また、文字列91aおよび91bが正しく文字認識されておらず、かつ、撮影した原紙ロール1の正しい原紙製造番号31aも在庫情報31に未登録となっている場合、オペレータは、未登録(空欄)の候補95を選択して原紙製造番号31aを直接入力できるほか、未登録(空欄)の候補95を選択して撮影画像90を在庫情報31に登録できる。
【0067】
すなわち、本実施形態では、情報端末40は、表示した候補95のうちから対応する原紙ロール1の選択を受け付ける場合、原紙製造番号31aに代えて、原紙ロール1の撮影画像90の入力を受け付け可能である。情報端末40は、原紙ロール1の撮影画像90の入力を受け付けた場合、原紙ロール1の撮影画像90を原紙ロール1の在庫情報31と対応付けてサーバ装置30に記憶させるように構成されている。この場合、撮影画像90によって原紙ロール個体のトレーサビリティを確保できる。
【0068】
このようにして、新原紙の原紙ロール1の段ボール製造装置110への供給時(使用時)には、情報端末40は、原紙製造番号31aを撮影した撮影画像90から取得した原紙製造番号31a(または撮影画像90のデータ)を用いて引き当て処理を行う。
【0069】
半端原紙の原紙ロール1については、端面3に印字された原紙製造番号31aが読み取れる間は、端面3を撮影することにより原紙製造番号31aを取得する方法と、管理番号31b(バーコード)が記載されたラベル5を撮影することにより管理番号31bを取得する方法と、の2通りの方法で原紙ロール1の引き当て処理を行うことができる。すなわち、情報端末40は、半端原紙の原紙ロール1の供給時(使用時)に、原紙製造番号31aを撮影した撮影画像90から取得した原紙製造番号31aと、ラベル5を撮影した撮影画像から取得した管理番号31bと、のうちいずれかに基づいて、引き当て処理を行うように構成されている。
【0070】
図4に示したように、原紙ロール1は横倒しの状態で配置されるので、外周面2に貼付されたラベル5が地面側に位置する場合、ラベル5が撮影できる位置まで原紙ロール1を転がす必要が生じうるが、端面3の撮影では原紙ロール1の向きに依存しないため、オペレータにとっては利便性が高い。
【0071】
以上のように、本実施形態による原紙管理システム100では、原紙ロール1の端面3に印字された原紙製造番号31aを撮影することにより、原紙製造番号31aに基づく引き当て処理を行えるように構成したので、新原紙の原紙ロール1については、初回使用後の払い出しまで、管理番号31bを記録したラベル5を貼付する必要がない。このため、本実施形態では、原紙メーカーから新原紙の原紙ロール1が入荷した段階では、新原紙の原紙ロール1に対してラベル5を貼付する作業が行われない。
【0072】
[原紙管理システムの引き当て処理]
次に、図11図13を参照して、本実施形態による原紙管理システム100における引き当て処理の流れについて説明する。段ボールの製造時には、準備作業として、最大で5つのロールスタンド11にそれぞれ投入する原紙ロール1の引き当て処理が、以下に示す処理フローを繰り返すことにより行われる。
【0073】
前提として、図11図13の処理フローは、製造ロットに応じた原紙ロール1が原紙倉庫8から準備位置まで出庫された状態(図4参照)で開始される。準備位置には、製造ロットに応じた原紙ロール1が複数、並べて配置される。そして、投入準備担当のオペレータが操作する情報端末40により、引き当て処理が実行される。以下の説明において、情報端末40の処理動作は、情報端末40のプロセッサ41によって実行される。
【0074】
図11のステップS1において、情報端末40は、準備の対象となる製造ロット内の原紙一覧を表示部44に表示する。製造ロット内の原紙とは、当該製造ロットにおいて使用可能な原紙のことである。
【0075】
具体的には、情報端末40は、図14に示すロット表示画面210において、準備の対象となる製造ロットの選択を受け付ける。ロット表示画面210は、各製造ロットにおいて段ボール製造装置110に投入すべき(準備すべき)原紙を特定する情報を表形式で表示する。たとえば図14のロット表示画面210は、「A裏(A芯用の裏ライナ)」のロールスタンド11における製造ロット一覧を表示しており、ロット番号「360」においては、紙巾(幅寸法)が1700mm、A段、C5(160g/m)の原紙を、1643m使用することが表示されている。なお、5つの種別選択ボタン211のいずれかを選択入力することにより、「A裏」以外の、「A芯」、「B芯」、「B裏」、「表」の各ロールスタンド11における製造ロット一覧に切替表示できる。なお、選択入力とは、タッチパネルの該当部位をタップすることである。
【0076】
情報端末40は、いずれかのロット番号の行に対する選択入力を受け付けると、図15に示す原紙一覧画面220を表示する。図15は、ロット番号「360」の行が選択入力されることにより、ロット番号「360」の原紙一覧画面220に遷移した例を示す。原紙一覧画面220は、当該製造ロット(「360」)において使用可能な全ての原紙の在庫情報31を一覧表形式で表示する。原紙一覧画面220において、「No.」は、一覧表における行番号である。「選択」は、引き当て処理により使用する原紙ロールとして特定されたことを示す。「選択」欄の数値は、ロールスタンド11への投入順序を示す。「区分」は、当該原紙ロール1が、新原紙であるか、半端原紙であるかを示す。「管理No.」は、当該原紙ロール1の管理番号31bを示す。「製造No.」は、当該原紙ロール1の原紙製造番号31aを示す。「紙巾」、「原紙」、「秤量」、「銘柄」は、それぞれ在庫情報31に登録された当該原紙の幅寸法、原紙種類、秤量、銘柄を示す。「残m」は、在庫情報31に登録された原紙の残長さLPを示す。「残m」は、新原紙の場合、初期長さLSと一致する。
【0077】
準備担当のオペレータは、該当する製造ロットの原紙一覧画面220を表示させることで、在庫情報31中から使用可能な原紙を確認できる。
【0078】
次に、準備位置に配置され、今回引き当て処理を行う原紙ロール1の撮影が行われる。まず、ステップS2において、情報端末40は、画像種別の選択入力を受け付ける。準備担当のオペレータは、原紙製造番号31aの撮影を行うか、ラベル5の撮影を行うかの指示を、情報端末40に対して入力する。通常、オペレータは、新原紙の原紙ロール1の引き当て処理を行う場合、または、半端原紙の原紙ロール1であるがラベル5が地面側に隠れていて撮影しにくい場合に、原紙製造番号31aの撮影を選択する。オペレータは、半端原紙の原紙ロール1であって、ラベル5が撮影できる場合には、ラベル5の撮影を選択する。
【0079】
情報端末40は、ステップS3において、ユーザの選択入力に基づいて、原紙製造番号31aの撮影を行うか、ラベル5の撮影を行うかを判断する。原紙製造番号31aの撮影を行う場合、情報端末40は、ステップS4に処理を進める。ラベル5の撮影を行う場合、情報端末40は、後述するステップS19(図13参照)に進む。
【0080】
原紙製造番号31aの撮影を行う場合、ステップS4において、情報端末40は、原紙ロール1の端面3に印字された原紙製造番号31aの撮影画像を取得する。すなわち、オペレータが情報端末40の撮影部46を端面3に向けて、撮影操作を入力すると、情報端末40が撮影部46により撮影画像90を取得する。
【0081】
ステップS5において、情報端末40は、撮影画像90に対して2値化処理と、傾き補正処理(図9参照)とを行う。処理の内容は上述の通りである。
【0082】
ステップS6において、情報端末40は、2値化処理および傾き補正処理が行われた後の撮影画像90に対して、文字認識処理を行う。これにより、情報端末40は、初期角度(0度)の文字列を生成する。
【0083】
ステップS7において、情報端末40は、2値化処理および傾き補正処理が行われた後の撮影画像90を180度回転させ、2回目の文字認識処理を行う。これにより、情報端末40は、180度回転させた文字列を生成する。
【0084】
ステップS8において、情報端末40は、取得した各文字列(0度および180度)から、設定された規定文字数の範囲の文字列を検索する。これにより、情報端末40は、撮影画像90から、原紙製造番号31aに対応する2種類の文字列91aおよび91b(図10参照)を取得する。
【0085】
ステップS9において、情報端末40は、取得した2種類の文字列91aおよび91bを、それぞれ、引き当て処理の対象となる製造ロット中の原紙製造番号31aと比較する。すなわち、情報端末40は、原紙一覧画面220(図15参照)にリストアップされた原紙製造番号31aと、文字列91aおよび91bとを比較し、一致する番号の項目を検索する。
【0086】
ステップS10において、情報端末40は、取得した2種類の文字列91aおよび91bのいずれかが、対象製造ロット中の原紙製造番号31a(すなわち、在庫情報31に登録済みの原紙製造番号31a)のいずれかと一致したか否かを判断する。
【0087】
文字列が原紙製造番号31aと一致した場合、情報端末40は、ステップS14において、一致した原紙製造番号31aの項目(原紙製造番号31aにより特定される原紙ロール1)を、該当する製造ロットにおいてロールスタンド11に投入する原紙ロール1とする引き当て処理を行う。
【0088】
一方、ステップS10において、取得した2種類の文字列91aおよび91bと一致する原紙製造番号31aが存在しなかった場合、情報端末40は、ステップS11に処理を進める。文字列が一致しないケースとしては、(a)文字列の誤読み取りのケース、(b)文字列は正しいが、原紙製造番号31aが未登録となっているケース、(c)文字列の誤読み取りが発生し、かつ、原紙製造番号31aが未登録となっているケース、がある。
【0089】
ステップS11において、情報端末40は、図10に示したように、取得した文字列91a、91bと、製造ロット内の原紙ロール1の候補95とを表示部44に表示する。この際、情報端末40は、図15の原紙一覧画面220とは異なり、幅寸法、原紙種類、秤量、残長さなどの情報を非表示とし、原紙製造番号31aを一覧表示する。
【0090】
ステップS12において、情報端末40は、原紙ロール1の候補95の選択操作を受け付けるか、原紙製造番号31aの直接入力(全部入力または文字列の修正)を受け付けるか、または、撮影画像90のイメージデータ保管の入力を受け付ける制御を行う。
【0091】
すなわち、(a)文字列の誤読み取りのケースでは、情報端末40は、該当する候補95を選択入力(タップ)を受け付けるか、または、原紙製造番号31aの直接入力(全部入力または文字列の修正)を受け付ける。オペレータは、正しい原紙製造番号31aと一致する候補95が表示されている場合、該当する候補95を選択入力(タップ)する。または、オペレータは、撮影した原紙ロール1の端面3の原紙製造番号31aを確認して、正しい番号の直接入力(文字列の修正または番号全部の入力)を行うことができる。
【0092】
(b)取得された文字列は正しいが、原紙製造番号31aがサーバ装置30に登録されていないケースでは、図10に示したように、情報端末40は、ステップS12において、文字列91aおよび91bのいずれかを選択する操作と、表示した未登録の原紙ロール1の候補95の選択とを受け付ける。
【0093】
(c)取得された文字列が誤っていて、かつ、正しい原紙製造番号31aが未登録となっているケースでは、情報端末40は、未登録の原紙ロール1の候補95の選択を受け付けるとともに、オペレータからの原紙製造番号31aの直接入力(全部入力または文字列の修正)を受け付けるか、または、原紙製造番号31aに代えて、原紙ロール1の撮影画像90の入力を受け付ける。
【0094】
なお、図11では記載を省略しているが、例外として、取得した文字列が正しいにも関わらず、製造ロット内に一致する番号の候補95が存在せず、かつ、番号未登録の候補95も存在しないケースである。このケースでは、撮影した原紙ロール1が、誤って出庫された製造ロット外の原紙ロール1である可能性があるので、オペレータにより所定のエラー処理が行われる。
【0095】
ステップS13において、情報端末40は、対象ロット中の製造番号なし項目(原紙製造番号31aが未登録の候補95)がステップS12で選択されたか否かを判断する。
【0096】
製造番号なし項目(未登録の候補95)が選択されていない場合(上記(a)のケース)には、情報端末40は、ステップS14に進み、選択された番号登録済みの候補95、または直接入力(修正または全部入力)された文字列と一致する原紙製造番号31aの候補95について、その候補95の原紙製造番号31aで引き当て処理を行う。
【0097】
一方、製造番号なし項目(未登録の候補95)が選択された場合(上記(b)、(c)のケース)には、情報端末40は、図12のステップS15の処理に進み、ステップS12で原紙製造番号31aが取得されたか否かを判断する。
【0098】
上記(b)のケースでは、文字列91aおよび91bのうちオペレータが選択入力した方の番号が取得されるので、情報端末40は、原紙製造番号31aを取得したと判断し、ステップS16に処理を進める。ステップS16において、情報端末40は、サーバ装置30の在庫情報31のうち、選択された未登録の候補95に対応するデータに、選択された文字列を原紙製造番号31aとして登録し、その原紙製造番号31aで引き当て処理を行う。
【0099】
また、上記(c)のケースで、原紙製造番号31aの直接入力(全部入力または文字列の修正)を受け付けた場合も、情報端末40は、原紙製造番号31aを取得したと判断し、に処理を進める。ステップS16において、情報端末40は、サーバ装置30の在庫情報31のうち、選択された未登録の候補95に対応するデータに、直接入力された文字列を原紙製造番号31aとして登録し、その原紙製造番号31aで引き当て処理を行う。
【0100】
一方、上記(c)のケースで、原紙製造番号31aに代えて、原紙ロール1の撮影画像90の入力を受け付けた場合、情報端末40は、原紙製造番号31aを取得しなかったと判断し、ステップS17に処理を進める。
【0101】
ステップS17において、情報端末40は、原紙ロール1の撮影画像90をイメージデータのままサーバ装置30に保存する。すなわち、情報端末40は、サーバ装置30の在庫情報31のうち、選択された未登録の候補95に対応するデータに、今回撮影された原紙ロール1の撮影画像90のデータを関連付けてサーバ装置30に記憶させ、(原紙製造番号無しで)引き当て処理を行う。
【0102】
ステップS16、ステップS17またはステップS14(図11参照)のいずれかで引き当て処理が行われた後、情報端末40は、図11のステップS18に処理を進める。
【0103】
引き当て処理が行われると、ステップS18において、情報端末40は、製造ロットで使用される全ての原紙ロール1についての引き当て処理が完了したか否かを判断する。情報端末40は、他のロールスタンド11に投入される原紙ロール1の引き当て処理を行う場合には、ステップS2に処理を戻す。情報端末40は、全ての原紙ロール1についての引き当て処理が完了した場合、その製造ロットにおける引き当て処理を完了する。
【0104】
以上が原紙製造番号31aを用いた引き当て処理となる。次に、管理番号31bを用いた引き当て処理を説明する。すなわち、図11のステップS3において、ラベル5の撮影を行う場合の処理を説明する。
【0105】
この場合、図13のステップS19において、情報端末40は、原紙ロール1の外周面2に貼付されたラベル5の撮影画像(以下、「ラベル撮影画像」という)を取得する。すなわち、オペレータが情報端末40の撮影部46をラベル5に向けて、撮影操作を入力すると、情報端末40が撮影部46によりラベル撮影画像を取得する。
【0106】
ステップS20において、情報端末40は、ラベル撮影画像中から、ラベル領域AL(図8参照)を検出する。
【0107】
ステップS21において、情報端末40は、ラベル撮影画像に対して傾き補正処理を行う。傾き補正処理の内容は原紙製造番号31aの撮影画像90に対する処理と同様である。なお、バーコードは、元々2値画像として表現されるため、ステップS5とは異なり画像の2値化処理は行われない。また、コード画像CIが位置検出パターンを含む2次元コードである場合には、コード画像CIの読み取り処理自体に傾き検出が含まれる(傾いたコード画像CIも読み取りできる)ので、撮影画像90全体の傾き補正処理を行う必要はない。
【0108】
ステップS22において、情報端末40は、検出したラベル領域AL中のコード画像CI(図8参照)を読み取る処理を行う。これにより、情報端末40は、バーコード(コード画像CI)から管理番号31bを取得する。
【0109】
ステップS23において、情報端末40は、取得した管理番号31bを、サーバ装置30の在庫情報31から対象製造ロット中の原紙ロール1の管理番号31bと比較する。ステップS24において、情報端末40は、対象製造ロット中に、取得した管理番号31bと一致する番号が存在するか否かを判断する。取得した管理番号31bと一致する番号のデータが存在する場合、情報端末40は、ステップS25において、取得した管理番号31bと一致した番号の原紙ロール1を、使用する原紙ロール1とする引き当て処理を行う。
【0110】
取得した管理番号31bと一致する番号のデータが存在しない場合には、撮影した原紙ロール1が誤って出庫された製造ロット外の原紙ロール1である。そのため、情報端末40は、ステップS26において所定の警告表示を行う。そして、オペレータによりエラー処理が行われる。
【0111】
ステップS25で引き当て処理が行われた場合、情報端末40は、処理をステップS18(図11参照)に進めて、次の原紙ロール1がある場合には引き当て処理を繰り返す。
【0112】
以上により、たとえばAB段の2段の段ボールの製造ロットであれば、5つのロールスタンド11への原紙ロール1の投入準備として、最大で5回の引き当て処理が繰り返し行われる。全ての引き当て処理が完了すると、オペレータが、それぞれのロールスタンド11に対する原紙ロール1の投入作業を開始する。製造ロットで使用される各原紙ロール1が5つのロールスタンド11に順次投入され、段ボール製造装置110による段ボールの製造が開始される。
【0113】
(段ボール製造開始後の作業の流れ)
段ボールの製造が進行して、ロールスタンド11の一方側のアーム11aの原紙ロール1の使用が終了した場合、他方側のアーム11aの原紙ロール1に切り替えて製造が再開され、使用が終了した一方側の原紙ロール1はロールスタンド11から払い出される。原紙ロール1が使い切られた場合(残長さLP=0の場合)、その原紙ロール1は廃棄される。原紙ロール1が途中まで使用された場合(残長さLP>0の場合)には、ラベルプリンタ51によりラベル5が出力され、オペレータによりラベル5が原紙ロール1に貼付される。払い出された半端原紙の原紙ロール1は、使用予定がなければ原紙倉庫8へ入庫される。
【0114】
払い出しが行われるまでに、投入準備担当のオペレータは、次の原紙ロール1の引き当て処理の作業を行う。オペレータは、原紙ロール1の払い出し前の任意のタイミングで、準備位置に配置された原紙ロール1の引き当て処理を順次行う。製造開始時の引き当て処理の後は、各ロールスタンド11の一方側のアーム11aと他方側のアーム11aとに対して、引き当て済みの原紙ロール1の投入作業が交互に行われる。そして、現在の製造ロットの終了が近付くと、オペレータは、次ロットの製造を準備する。このようにして、原紙製造の作業が製造ロットにしたがって継続される。
【0115】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0116】
本実施形態の段ボール原紙管理システム100は、上記のように、原紙ロール1の使用時に、原紙ロール1に印字された原紙製造番号31aを撮影する撮影部46と、原紙ロール1の撮影画像90から原紙製造番号31aを取得し、取得した原紙製造番号31aに基づいて、在庫情報31のうちから、段ボール製造装置110に供給される原紙ロール1を特定する引き当て処理を行う情報端末40と、を備える。これにより、新原紙の原紙ロール1に印字された固有の原紙製造番号31aを撮影画像90から取得し、得られた原紙製造番号31aを用いて、新原紙の原紙ロール1の個体識別(引き当て処理)を行える。そのため、新原紙の入荷時に管理番号31bを記載したラベル5を貼付することなく、段ボール製造におけるトレーサビリティを確保した新原紙の原紙ロール1の個体管理を行える。この結果、1本1本の新原紙の原紙ロール1に対する早朝のラベル貼付業務を省くことができるので、オペレータの作業負荷が低減できる。そして、毎日入荷する新原紙の原紙ロール1に対して、多数のラベル印刷を省くことにより、コスト低減、資源消費量の低減を図ることができる。
【0117】
図16を参照して、本実施形態の段ボール原紙管理システム100の効果を具体的に説明する。図16は、オペレータの作業の流れを示しており、縦方向が時間の流れを示す。また、図16の左側のフローF1が本実施形態の段ボール原紙管理システム100を用いた場合の作業フローを示し、右側のフローF2が従来の作業フロー(比較例)を示す。以下のフローは、新原紙の原紙ロール1を入荷して、新原紙の原紙ロール1を用いた段ボール製造を行い、新原紙の原紙ロール1が払い出され、半端原紙として入庫される、という作業の流れを説明する。
【0118】
比較例による従来のフローF2では、製造開始前の早朝の時間帯に、新原紙の原紙ロール1が入荷すると(作業W21)、オペレータがラベルプリンタによりラベルを作成し、貼付する作業を行う(作業W22)。ラベルの貼付が完了すると、原紙倉庫に入庫される(作業W23)。その後、段ボール製造の段階では、原紙倉庫からの原紙出庫(作業W24)、ラベル読み取り(作業W25)、引き当て処理(作業W26)、原紙ロールの投入(作業W27)、半端原紙の払い出し(作業W28)、ラベルの作成および更新貼付(作業W29)、半端原紙の入庫(作業W30)、という流れとなる。入荷時のラベル貼付の作業W22は、作業W25におけるラベル読み取りのために行われる。
【0119】
本実施形態の段ボール原紙管理システム100を用いた場合のフローF1では、製造開始前の早朝の時間帯に、新原紙の原紙ロール1が入荷すると(作業W1)、そのまま原紙倉庫に入庫される(作業W2)。その後、段ボール製造の段階では、原紙出庫(作業W3)、原紙製造番号31aの読み取り(作業W4)、引き当て処理(作業W5)、原紙ロールの投入(作業W6)、半端原紙の払い出し(作業W7)、初回のラベル5の作成および貼付(作業W8)、半端原紙の入庫(作業W9)、という流れとなる。
【0120】
入荷する新原紙のロールが1日当たり100本と仮定すると、比較例の作業W22では、ラベルの印字、貼付を100回分行う必要がある。このため、毎日、製造開始前の早朝の時間帯に、作業W22に20分~30分程度の作業時間が少なくとも必要となる。また、ラベル1枚の原価および1枚当たりの印刷費用を考慮した消耗品費用と、早朝業務の人件費とがコストとして発生し、資源消費量も増大する。
【0121】
これに対して、本実施形態の段ボール原紙管理システム100では、作業W4において、初回の引き当て処理のために原紙製造番号31aを読み取るので、新原紙の原紙ロール1に対するラベル5の作成および貼付作業(フローF2の作業W22)が不要である。その結果、早朝業務削減によりオペレータの負荷を低減でき、新原紙の原紙ロール1に対するラベル5の貼付に伴う費用発生、資源消費を抑制できる。
【0122】
また、本実施形態では、上記のように、段ボール製造装置110から払い出される原紙ロール1に対して、原紙製造番号31aとは別個に割り当てられた管理番号31bと残長さLPとを印字したラベル5を出力するラベルプリンタ51をさらに備え、情報端末40は、半端原紙の原紙ロール1の供給時に、原紙製造番号31aを撮影した撮影画像90から取得した原紙製造番号31aと、ラベル5を撮影したラベル撮影画像から取得した管理番号31bと、のうちいずれかに基づいて、引き当て処理を行うように構成されている。これにより、新原紙の原紙ロール1が段ボール製造装置110から払い出されて半端原紙の原紙ロール1となったときに、初めて、管理番号31bと残長さLPとを印字したラベル5を用いて当該原紙ロール1の個体識別を行える。ここで、原紙製造番号31aは、原紙直径が印字箇所まで減少すると読み取れなくなる。また、ラベル5が地面側に向く場合、ラベル5をそのまま撮影できない。そこで、半端原紙の原紙ロール1について、原紙製造番号31aおよびラベル5(管理番号31b)のどちらでも引き当て処理を行えるようにすることにより、引き当て処理を行うオペレータの利便性を向上させることができる。
【0123】
また、本実施形態では、上記のように、情報端末40は、引き当て処理において、取得した原紙製造番号31aがサーバ装置30に登録されていない場合、原紙製造番号31aが未登録の原紙ロール1の候補95を表示するとともに、表示した候補95のうちから対応する原紙ロール1の選択を受け付けるように構成されている。これにより、撮影画像90から取得された原紙製造番号31aがサーバ装置30の在庫情報31において未登録であった場合にも、情報端末40を使用するオペレータが確認、選択することにより、原紙製造番号31aの登録をその場で行えるとともに、円滑な引き当て処理を行うことができる。また、候補の選択により引き当て処理が完了する場合、オペレータは、情報端末40に原紙製造番号31aを1文字ずつ手入力せずに済むので、入力作業の省力化を図ることができる。
【0124】
また、本実施形態では、上記のように、情報端末40は、撮影画像90中の文字列の傾き補正処理を行い、傾き補正後の文字列と、傾き補正後に180度回転させた文字列と、の2種類の文字列を画像認識により生成し、生成した各文字列に対してサーバ装置30に登録された原紙製造番号31aとの照合を行うように構成されている。これにより、ロール端面に印字された原紙製造番号31aの向きが撮影画像90中でどのような向きに回転していた場合でも、撮影画像90から原紙製造番号31aを取得できる。この結果、オペレータは、原紙製造番号31aの撮影時に、角度調整のために重く大きい原紙ロール1を転がしたり、原紙製造番号31aの向きに合うように撮影角度を変更したりする必要がなくなるので、オペレータの作業負荷を効果的に低減できる。
【0125】
また、本実施形態では、上記のように、管理番号31bは、バーコードまたは2次元コードの形態でラベル5に印字され、情報端末40は、ラベル撮影画像中のラベル領域ALを検出し、検出したラベル領域ALに含まれるコード画像CIを読み取ることにより、管理番号31bを取得するように構成されている。これにより、管理番号31bをバーコードまたは2次元コードの形態でラベル5に印字する場合でも、専用のリーダー装置等を追加することなく、原紙製造番号31aと同じように撮影部46を用いてラベル5を撮影するだけで、管理番号31bを取得できる。つまり、撮影部46により、原紙製造番号31aの取得と、管理番号31bの取得との両方を行えるので、段ボール原紙管理システム100の構成を簡素化できる。
【0126】
また、本実施形態では、上記のように、情報端末40は、撮影部46を内蔵した携帯情報端末である。これにより、いわゆるタブレット端末やスマートフォン等の撮影部46を内蔵した携帯情報端末によって、撮影、番号読取、サーバ装置30への照合といった一連の引き当て処理をすべて行うことができる。そのため、段ボール原紙管理システム100の構成を簡素化できる。また、オペレータにとっても、引き当て処理に用いる機器が携帯情報端末に統合されるため、利便性が向上する。
【0127】
また、本実施形態では、上記のように、情報端末40は、表示した候補95(図10参照)のうちから対応する原紙ロール1の選択を受け付ける場合、原紙製造番号31aに代えて、原紙ロール1の撮影画像90の入力を受け付け可能であり、原紙ロール1の撮影画像90の入力を受け付けた場合、原紙ロール1の撮影画像90を原紙ロール1の在庫情報31と対応付けてサーバ装置30に記憶させるように構成されている。これにより、原紙製造番号31aがサーバ装置30の在庫情報31において未登録であった場合で、かつ、撮影画像90から原紙製造番号31aを文字認識できない場合にも、原紙ロール1の撮影画像90のイメージデータを記憶することで、原紙製造番号31aの代替として撮影画像90を利用できる。つまり、原紙ロール1の原紙製造番号31aが必要になるとき、撮影画像90からオペレータ(または原紙メーカー)が原紙製造番号31aを特定できるので、原紙ロール個体のトレーサビリティを確保できる。そして、そのための番号入力作業を省略できるので、オペレータの省力化にも寄与する。
【0128】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0129】
たとえば、上記実施形態では、撮影部46を情報端末40に内蔵した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮影部46を情報端末40とは別個に設けてもよく、情報端末40は撮影部を備えていなくてもよい。この場合、撮影部46は、オペレータが携帯可能なカメラ装置であってもよい。撮影部46は、たとえば原紙準備位置に配置された原紙ロール1の端面3と対向する位置に、固定設置または移動機構により移動可能に設置されていてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、情報端末40がタブレット端末やスマートフォンなどの携帯情報端末である例を示したが、本発明はこれに限られない。情報端末40は、たとえば原紙準備位置付近に固定設置されたPCなどでもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、投入準備担当のオペレータが使用する情報端末40が、引き当て処理を実行する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、出庫担当のクランプ用端末80が、引き当て処理を実行する情報端末であってもよい。つまり、原紙倉庫8内から出庫する際に、クランプ用端末80を用いて引き当て処理が実行されてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、半端原紙の原紙ロール1に対してラベル5を出力するラベルプリンタ51を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ラベルプリンタ51(印字部)を設けなくてもよい。たとえば、原紙ロール1の払い出し時に、制御装置50に表示させた管理番号31bを、オペレータが原紙ロール1の外周面2に直接書き込んだり、オペレータが管理番号31bを転記したラベルを貼付したりしてもよい。ただし、誤転記などの人為的エラーを抑制する観点で、ラベルプリンタ51を用いることが好ましい。なお、印字部は、ラベルプリンタ51に代えて、一般的な普通紙プリンタやオフィス複合機プリンタなどにより構成されてもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、原紙ロール1の端面3の原紙製造番号31aを撮影する例を示したが、本発明はこれに限られない。原紙製造番号31aが原紙ロール1の外周面2にも印字されている場合、外周面2の原紙製造番号31aまたは端面3の原紙製造番号31aのいずれかを撮影してよい。
【0134】
また、上記実施形態では、2回目以降(半端原紙)の原紙ロール1の供給時に、原紙製造番号31aと、管理番号31bとのうちいずれかに基づいて引き当て処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。2回目以降(半端原紙)の原紙ロール1の引き当て処理では、原紙製造番号31aを用いずに管理番号31bのみに限定してもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、図11のステップS2において、情報端末40が画像種別の選択入力を受け付け、ステップS3において、受け付けた選択入力に応じて、原紙製造番号31aを文字認識するか、ラベル5のバーコードを読み取るかを切り換える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像種別の選択入力を受け付けなくてもよい。たとえば、オペレータが情報端末40を操作して撮影画像90またはラベル撮影画像を撮影し、情報端末40が、撮影された画像に基づいて、原紙製造番号31aを文字認識するか、ラベル5のバーコードを読み取るかを自動で選択してもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、引き当て処理において、取得した原紙製造番号31aが登録されていない場合、原紙製造番号31aが未登録の原紙ロール1の候補95を表示するとともに、表示した候補95のうちから対応する原紙ロール1の選択を受け付ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、候補95の選択を行わず、原紙製造番号31aが未登録の在庫情報31については、情報端末40が原紙製造番号31aの直接入力による登録のみを受け付けるようにしてもよいし、撮影画像90をイメージデータのまま保存してもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、撮影画像90における傾き補正後の文字列91aと、傾き補正後に180度回転させた文字列91bと、の2種類の文字列を画像認識により生成し、生成した各文字列に対して原紙製造番号31aとの照合を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。傾き補正処理を行うことなく、撮影画像90中の文字列の角度にかかわらず、撮影画像90中から文字列を抽出する画像認識手法を用いてもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、情報端末40が、ラベル撮影画像から管理番号31bを取得するように構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像から管理番号31bを取得することに代えて、情報端末40とは別個に設けたバーコードリーダーなどのコード読取機器を用いてラベル5から管理番号31bを取得してもよい。この場合、情報端末40は、有線通信または無線通信により、コード読取機器から管理番号31bを受信するように構成されればよい。
【0139】
また、上記実施形態では、5つのロールスタンド11のそれぞれに制御装置50を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数のロールスタンド11に対して共通の制御装置50を設けてもよい。たとえば、A芯用のロールスタンド11とA芯裏ライナ用のロールスタンド11とについて1つ、B芯用のロールスタンド11とB芯裏ライナ用のロールスタンド11とに1つ、表ライナ用のロールスタンド11について1つ、というように合計3つの制御装置50を設けてもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、情報端末40の台数として、3台~4台と説明したが、本発明はこれに限られない。情報端末40の台数は特に限定されず、1台、2台または5台以上でもよい。
【0141】
また、上記実施形態では、原紙製造番号31aと、ラベル5に印字された管理番号31bとによって原紙ロール1の在庫管理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、RFICタグを用いて在庫管理を行う構成に適用されてもよい。RFICタグは、原紙ロール1の中心孔4の内面(紙管の内面)に取り付けられる。たとえば、情報端末40が、原紙ロール1の撮影画像90から読み取った原紙製造番号31aを、通信によりRFICタグに書き込む処理を行うことが可能である。図3に示したように原紙倉庫8において原紙ロール1を平積みする形態で原紙ロール1を保管する場合には、RFICタグとラベル5とを併用することが好ましい。原紙倉庫8を自動倉庫として、RFICタグとの通信により原紙ロール1を個体識別して管理するような構成では、必ずしもラベル5を用いる必要はない。
【0142】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理をフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 原紙ロール
5 ラベル
30 サーバ装置
31 在庫情報
31a 原紙製造番号
31b 管理番号
40 情報端末
46 撮影部
90 撮影画像
91a 文字列
91b 文字列
95 候補
100 段ボール原紙管理システム
110 段ボール製造装置
AL ラベル領域
CI コード画像
LP 残長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16