(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】膨張可能な哺乳用容器を充填する装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20240910BHJP
A61J 9/00 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
A61J9/00 Z
(21)【出願番号】P 2022504749
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 IL2020050550
(87)【国際公開番号】W WO2020188579
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-05-11
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】521434827
【氏名又は名称】ベイザーマン、エルチャナン
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】ベイザーマン、エルチャナン
(72)【発明者】
【氏名】ケニッグ、エダン
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0024948(US,A1)
【文献】特開2016-175676(JP,A)
【文献】特表2019-511341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
A61J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給容器から哺乳用器具に液体内容物を移すための収縮装置であって、前記収縮装置は、(i)液体内容物が予め充填され、前記供給容器を構成する絞り出し可能バッグと、(ii)前記哺乳用器具を構成する膨張可能な容器とを備える二重構造体を位置決めして保持するように構成された位置決め保持具を備え、前記位置決め保持具は、前記二重構造体を保持した状態で、前記絞り出し可能バッグから前記膨張可能な容器に前記液体内容物を移すことができるように構成されており、前記装置は、前記絞り出し可能バッグに収縮圧力をかけて、その液体内容物を前記膨張可能な容器に抜くように構成された収縮機構をさらに備え
、
前記装置は、前記絞り出し可能バッグが前記膨張可能な容器から上に位置する状態で、前記二重構造体を垂直方向に保持するための懸架具を備え、
その上端を前記装置内の充填位置で開放し、前記装置の本体内の開口部を通してアクセス可能であり、それにより、調製されたフォーミュラに絞りセッションを適用する前に、前記供給容器の中に乳児用フォーミュラの成分の導入を容易にし、
前記装置は、前記絞り出し可能バッグの上端を共通回転軸に沿った領域でクランプするように構成された絞り器を備え、液体内容物のレベルの上で前記絞り出し可能バッグを閉じ、かつ、共通回転軸周りの前記絞り器の回転で前記絞り出し可能バッグの遠位端から膨張可能な容器部分に近い近位端まで前記絞り出し可能バッグを前記絞り器の周りに巻き取ることにより、その内容物を前記哺乳用器具内に絞り出す、収縮装置。
【請求項2】
前記懸架具は、前記装置の上端付近に構成または配置され、間隔を空けて配置された複数の上向きに延びるペグを備えることを特徴とする請求項
1に記載の収縮装置。
【請求項3】
前記収縮機構は、前記二重構造体の少なくとも一部と、前記絞り出し可能バッグからの液体を前記哺乳用器具に強制的に入れる
ための前記絞り器との間でそれぞれの動きを引き起こすために、前記二重構造体に結合された電気モータを備えていることを特徴とする請求項1に記載の収縮装置。
【請求項4】
前記
絞り器は、互いに構造化され、その長手方向の端部が近づくとミラーリングアーチ状に互いに離反し、その長手方向の端部が最大に離反すると一緒になって直線状になるように構成された2つのストラップを有していることを特徴とする請求項
3に記載の収縮装置。
【請求項5】
前記ストラップは、その長手方向の端部付近で、共通の垂直方向に可動な部材にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項
4に記載の収縮装置。
【請求項6】
前記ストラップは、その長手方向の端部付近で、共通の回転可能な部材にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項
4に記載の収縮装置。
【請求項7】
前記回転可能な部材による回転時に、前記絞り出し可能バッグが前記ストラップ上で転がることを可能にし、一方で、前記二重構造体の膨張した部分が制限要素の上方に上がることを無効にするように構成された少なくとも1つの制限要素をさらに備えることを特徴とする請求項
6に記載の収縮装置。
【請求項8】
前記絞り出し可能バッグをその外側から繰り返し変形させることによって、そのバッグの液体内容物を誘導するように構成された攪拌部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の収縮装置。
【請求項9】
i)フレームと、(ii)前記フレームに接続された可撓性レセプタクルと、(iii)前記可撓性レセプタクルと液体連通し、膨張可能な哺乳用容器の適合する液体受容口に着脱可能に接続される液体排出口と、カートリッジの液体排出口に接続された前記膨張可能な哺乳用容器でカートリッジを保持するように適合された相互接続手段に適合する接続手段と、を備える哺乳用フォーミュラカートリッジ。
【請求項10】
請求項1~
8のいずれかに記載の収縮装置によって充填される膨張可能な哺乳用容器のための液体受容口であって、前記液体受容口の本体の周りに前記膨張可能な哺乳用容器の伸縮可能な容器の開放端を固定するための締付具と、
前記液体受容口の前記本体の壁に設けられた少なくとも1つの開口部と、前記少なくとも1つの開口部の前に配置されたダイアフラムとを備え、前記伸縮可能な容器の内部からの液圧が前記ダイアフラムを前記壁に向かって押し付け、これにより前記開口部が前記ダイアフラムにより密閉され、前記伸縮可能な容器の外部からの液圧が前記ダイアフラムを前記壁から離して押し付け、これにより前記壁と前記ダイアフラムとの間に一時的な隙間が生じ、これを通して外部からの液体が前記伸縮可能な容器内に漏れることができることを特徴とする液体受容口。
【請求項11】
乳児用フォーミュラを確定し、使い捨ての膨張可能な哺乳用容器にそれを導入する方法であって、(i)粉体状態の乳児用フォーミュラで部分的に充填された可撓性レセプタクルを有するカートリッジを提供する工程と、(ii)所望の量の水を前記可撓性レセプタクルに導入し、前記カートリッジを振って粉体を溶解し、水と混合する工程と、(iii)前記膨張可能な哺乳用容器の液体受容口と前記カートリッジのフォーミュラ排出口との間に防液性の接続を設ける工程と、(iv)前記可撓性レセプタクルと前記膨張可能な容器との間に圧力差を設け、それにより調製されたフォーミュラを前記可撓性レセプタクルから前記膨張可能な容器に排出する工程と、(v)前記膨張可能な容器を前記カートリッジから分離する工程とを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された発明は、乳児用哺乳瓶に液体食品を充填するための装置の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの種類とデザインの哺乳瓶は再利用可能であるため、少なくとも病原体の望ましくない発生を防ぐために洗浄が必要である。哺乳瓶の洗浄と無菌化は、両親や介護者の責任で行われる。
【0003】
WO2006129302に関連する膨張可能な容器は使い捨てであるため、乳児への授乳における無菌性の向上や、使用者の誤った行為や無謀な行為による汚染の最小化に貢献することができる。
【0004】
しかし、混合による乳児用フォーミュラの最終的な調製は、通常、家庭で行われる。したがって、WO2006129302に開示されているような膨張可能な容器は、使用者が家庭の状況で、容易な方法で、できるだけ無菌に近い状態でフォーミュラを容器に導入できるものでなければならない。熟練していない人が家庭環境で使い捨て膨張可能な容器に乳児用フォーミュラを確定して充填する際の無菌性を向上させる方法は、このように求められており、本明細書で開示されている発明の目的の一つである。
【0005】
乳児用フォーミュラの確定プロセスや、膨張可能な容器への充填プロセスを使用者が容易に行えるようにすることも、本発明の目的の一つである。
【発明の概要】
【0006】
絞り可能な供給容器から哺乳用器具に液体内容物を移すための収縮装置の様々な実施形態が、開示された解決策の第1のカテゴリーの下で開示されている。いくつかの実施形態では、装置は電気的に駆動され、液体内容物のハンズフリー(手を使わないで)移送を可能にするように構成されている。開示された発明の他の実施形態では、液体移送プロセスは手動で駆動される。収縮装置は、(i)液体内容物が予め充填され、二重構造体の第1部分である前記供給容器を構成する絞り出し可能バッグと、(ii)二重構造体の第2部分である前記哺乳用器具を構成する膨張可能な容器と、を含む二重構造体を保持するための機械的機器を備え、収縮装置は、絞り出し可能バッグを収縮させ、それによってその液体内容物を膨張可能な容器に抜くように構成された手動または電気的に作動する収縮機構をさらに備える。開示された発明による装置は、液体移送プロセス中に供給容器が収縮するという事実に基づいて、「収縮装置」と呼ばれる。理解できるように、供給容器の収縮と同時に、液体移送プロセスの間に哺乳用器具の膨張可能な容器が膨張するという事実に基づいて、同じ装置を「膨張装置」と呼ぶことも可能である。
【0007】
本明細書で開示されている発明の様々な実施形態によれば、収縮装置は、絞り出し可能バッグが上にあり、膨張可能な容器が下にある状態で、その長手方向軸を有する二重構造体を垂直方向に保持するための懸架具をさらに備える。
【0008】
本明細書で開示されている発明の様々な実施形態によれば、懸架具は、二重構造体が懸垂されるべき空間において、当該空間を少なくとも部分的に取り囲む直立壁の間に配置され、懸架具は、ペグなどの少なくとも2つの引っ掛け手段を備える。開示された発明の他の様々な実施形態では、引っ掛け手段は、フック、バネ付きクランプ、外向きに曲げられた壁の縁部などを含んでもよい。いくつかの実施形態では、引っ掛け手段、例えばペグは、水平方向に間隔を空けて配置され、その上端付近で、空間内に突出するように配向されている。他の実施形態では、引っ掛け手段、例えばペグは、水平方向に間隔を空けて配置されており、周囲の壁の上端および/または装置の本体の上端から、直立して突出するように配向されている。
【0009】
様々な実施形態によれば、この装置は、電気的に作動し、ハウジングと、外部環境から隔離された二重構造体を受け入れて保持するように適合されたハウジング内部のドア付き空間とをさらに備える。
【0010】
様々な実施形態では、ドア付き空間は、その中央部に、絞り出し可能バッグと哺乳用器具との間の接続領域で二重構造体を把持するように適合された締付具を備える。
【0011】
様々な実施形態において、締付具は、ドア付き空間の後壁から突出する第1の半円形要素と、ドア付き空間のドアから突出し、第1の半円形要素に対向する第2の半円形要素とを備える。
【0012】
様々な実施形態において、電気的収縮装置は、絞り出し可能バッグが位置する圧力に対して負の外圧を提供することにより、膨張可能な哺乳用器具を膨張させるためのエアポンプを備え、それにより、絞り出し可能バッグが位置する環境と哺乳用器具が位置する環境との間の圧力差の下で絞り出し可能バッグを収縮させることができる。
【0013】
様々な実施形態において、電気的収縮装置は、二重構造体に結合された電気モータを備え、二重構造体と、絞り出し可能バッグから液体を哺乳用器具に強制的に注入するように構成された機械的絞り出し可能部材との間でそれぞれの動きを引き起こす。
【0014】
様々な実施形態において、収縮機構は、二重構造体に着脱可能に接続された絞り出し可能部材から構成される。
【0015】
絞り出し可能部材は、トング状に配置された一対のロッドで構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、一対のトング状のロッドは、その近位端の近くでそれぞれ共通の垂直方向に可動する部材に回動可能に接続されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、一対のトング状のロッドは、その近位端の近くでそれぞれ共通の回転可能な部材に回動可能に接続されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、共通の回転可能な部材は、その回転運動と同時に垂直方向に移動するように構成されている。様々な実施形態において、電気的収縮装置は、絞り出し可能バッグをその外側から1つのバッグの輪郭から別の輪郭へと繰り返し変形させることにより、絞り出し可能バッグ内の液体内容物を誘導し、それによりバッグ内の液体内容物を振るように構成された撹拌部材をさらに備えている。
【0019】
いくつかの実施形態では、収縮装置の絞り出し可能部材は、一緒に構造化された2つのストラップで構成され、その長手方向の端部が近づくとミラーリングアーチ状(本明細書では「カーブ」とも呼ばれる)を描いて互いに離れるように構成され、その長手方向の端部が最大に離れると一緒になって直線になるようになっている。
【0020】
いくつかの実施形態では、ストラップは、その長手方向の端部付近で、それぞれ共通の垂直方向に可動する部材に接続される。
【0021】
いくつかの実施形態では、ストラップは、その長手方向の端部付近で、それぞれ共通の回転可能な部材に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態では、共通の回転可能な部材は、所定の垂直方向の範囲で垂直に移動しながら回転するように構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、共通の回転可能な部材は、垂直方向の位置を変えずに回転するように構成されている。
【0024】
別のカテゴリーでは、開示された解決策は、(i)フレームと、(ii)フレームに接続された可撓性レセプタクルと、(iii)可撓性レセプタクルと液体連通し、膨張可能な哺乳用容器の適合する液体受容口に着脱可能に接続される液体排出口と、カートリッジの液体排出口に接続された前記膨張可能な哺乳用容器でカートリッジを保持するように適合された相互接続手段に適合する接続手段とを備える哺乳用フォーミュラカートリッジを含む。
【0025】
さらに別のカテゴリーでは、開示されている解決策には、乳児用フォーミュラを確定し、使い捨ての膨張可能な哺乳用容器にそれを導入する方法であって、(i)粉体状態の乳児用フォーミュラで部分的に充填された可撓性レセプタクルを有するカートリッジを提供する工程と、(ii)所望の量の水を可撓性レセプタクルに導入し、カートリッジを振って粉体を溶解し、水と混合する工程と、(iii)膨張可能な哺乳用容器の液体受容口とカートリッジのフォーミュラ排出口との間に防液性の接続を設ける工程と、(iv)可撓性レセプタクル内の圧力が膨張可能な哺乳用容器内の圧力よりも大きくなるように、可撓性レセプタクルと膨張可能な容器との間に圧力差を設け、それにより調製されたフォーミュラを可撓性レセプタクルから膨張可能な容器に排出する工程と、(v)膨張可能な容器をカートリッジから分離する工程とを含む方法を含む。
【0026】
解決策の第1のカテゴリーの第1の広範な態様では、開示された発明は、予め充填された供給容器を受け入れるように構成された装置の実施形態によって例示され、供給容器を絞ることを容易にし(いくつかの実施形態では、供給容器を絞る前に収容されたフォーミュラをかき混ぜることも容易にする)、それによって収容されたフォーミュラが供給容器から哺乳用器具に移されるようになっている。
【0027】
第1のカテゴリーの解決策の第2の広範な態様では、開示された発明は、ユーザが絞り可能な供給容器を装置内の充填位置に配置し、供給容器から哺乳用器具に移すために調製されたフォーミュラに絞りセッションを適用する前に、乳児用フォーミュラ(または事前に調製されたフォーミュラ)の成分を供給容器に注ぐことを可能にする装置の実施形態によって例示される。
【0028】
次に、前記第1および第2の広範な態様の両方による装置の実施形態を参照すると、電気的収縮装置は、(i)液体内容物が予め充填された絞り出し可能バッグと前記供給容器とを含む二重構造体を保持するための機械的機器と、(ii)前記哺乳用器具を構成する膨張可能な容器とを備えており、装置は、絞り出し可能バッグを収縮させてその液体内容物を膨張可能な容器内に抜くための電気的に作動する収縮機構をさらに備えている。
【0029】
次に、前記第1の広範な態様による装置の実施形態を参照すると、装置は、ハウジングと、外部環境から隔離された二重構造体を受け入れて保持するように適合されたハウジング内部のドア付き空間とをさらに備える。
【0030】
絞り出し可能バッグが限られた所定の容積を含むことができるにもかかわらず、様々な実施形態において、ドア付き空間は、その上部にある最大の所定の容積の液体内容物が充填された絞り出し可能バッグと、その下部にある前記所定の容積が充填された膨張可能な容器との2倍の容積を収容するように寸法設定されている。このような実施形態では、ドア付き空間の総容積は、絞り出し可能な使い捨てバッグから膨張可能な容器に移送される容積の少なくとも2倍となる。
【0031】
開示された発明の好ましい実施形態では、ドア付き空間は、絞り出し可能バッグを上に、膨張可能な容器を下にして、二重構造体を垂直方向に保持するための懸架具を有する。開示された発明の様々な実施形態では、懸架具は、その上端付近でドア付き空間に突出する2つの間隔を空けた水平方向に向いたペグを備える。そのような実施形態で使用される絞り出し可能バッグは、ペグに一致する一対の間隔を空けた開口部を備え、ペグにバッグを吊り下げることができるようになる。このように、ペグを開口部にそれぞれ挿入した状態で、バッグをドア付き空間内に設置することで、バッグをペグに吊り下げることができる。
【0032】
開示された発明の様々な好ましい実施形態では、ドア付き空間は、その中間部に、絞り出し可能な使い捨てバッグと哺乳用器具との間の接続領域で二重構造体を把持するように適合された締付具を備える。開示された発明の様々な好ましい実施形態では、締付具は、ドア付き空間の後壁から突出する第1の半円形要素と、ドア付き空間のドアから突出する第2の半円形要素とを備え、2つの半円形要素は、絞り出し可能な使い捨てバッグと哺乳用器具との間の円筒形接続領域を有する二重構造体がドア付き空間の上部付近に位置するホルダから吊り下げられたときに、前記円筒形接続領域が前記ドア付き空間の上部に位置するように配置される。前記円筒形接続領域は、第1の半円形要素に隣接して配置されており、ドアが閉じられると、第1の半円形要素と第2の半円形要素の間に挟まれてしっかりと把持され、これらの要素が一緒になって、二重構造体の円筒形接続領域の周りにぴったりと収まるリング状のクランプを形成する。
【0033】
絞り出し可能な使い捨てバッグを絞るための空気圧、または膨張可能な哺乳用器具を膨張させるための(負の外圧を与えることによる)真空ポンプのいずれかを利用する開示された発明の実施形態では、第1および第2の半円形要素は、それぞれの水平障壁部分の向き合った縁部に形成された半円形の凹部によって形成され、第1の障壁部分はドア付き空間の後壁から突出し、第2の障壁部分はドアから突出している。ドアが閉じられ、二重構造体がドア付き空間内の位置にあるときに、水平障壁部分の縁部が合わさって一致し、ドア付き空間の上部領域(絞り可能な使い捨てバッグが配置されている)とドア付き空間の下部領域(膨張可能な哺乳用器具が配置されている)との間に密封された水平障壁を形成し、それによってドア付き空間の上部領域と下部領域との間の流体の通過を最小限に抑えることができる。これらの実施形態では、半円形の凹部は、ドアが閉じられると、水平方向の障壁を貫通する円形の穴を形成し、その向かい合った縁部は、二重構造体の円筒形の接続領域の周りにぴったりと収まる。障壁の穴は、ドア付き空間の上側領域と下側領域の間の唯一の流体連絡経路であるため、二重構造体の円筒形接続領域で満たされると、二重構造体の外部にある流体は、ドア付き空間の上側領域と下側領域の間を自由に流れることができない。
【0034】
本開示の文脈では、ドア付き空間の上側および下側の領域は、それぞれ、ドア付き空間の上側および下側の区画と呼ばれる。
【0035】
開示された発明の様々な実施形態では、膨張可能な容器は、絞り出し可能バッグが設けられているマッチコネクタ部分に取り外し可能に接続されたコネクタ部分を備える。2つのコネクタ部分が一緒に差し込まれると、絞り出し可能バッグと膨張可能な容器は、意図しない分離に対して機械的に固定されるようになり、絞り出し可能バッグと膨張可能な容器との間に、コネクタを介して液体連通が提供される。膨張可能な容器のコネクタ部分(例えば、WO2006129302の
図2に開示されているタイプのもの)には、逆流防止装置が設けられており、絞り出し可能バッグから膨張可能な容器への液体の流入は可能であるが、膨張可能な容器から絞り出し可能バッグへの液体の逆流(絞り出し可能バッグが外された場合には外部への逆流)を防止するバルブとなっている。絞り出し可能バッグのコネクタ部分は、絞り出し可能な容器が膨張可能な容器を充填するために固定される前に、バッグがさらされている、またはさらされる可能性のある内部または外部の圧力下でバッグからの液体の漏れを排除するための圧力バルブを含んでもよい。様々な実施形態において、絞り出し可能バッグは、膨張可能な容器と一緒に供給され、相互のコネクタ部分によって膨張可能な容器に接続され、したがって、膨張可能な容器のバルブによって塞がれており、その液体内容物が膨張可能な容器に絞り込まれた後にのみ、そこから取り外される。したがって、絞り出し可能バッグは、それ自体のバルブを持たなくてもよい。
【0036】
開示された発明の様々な実施形態では、電気式収縮装置は、大気圧よりも大きい圧力をドア付き空間の上部区画に提供するように適合された電気式空気ポンプを備える。圧力の提供は、絞り出し可能バッグを圧迫し、その液体内容物を、接続部を介して、圧力が大気圧と等しいかまたは大気圧よりも小さい下側区画にある膨張可能な容器へと強制的に流入させる。開示された発明の様々な実施形態では、電気的収縮装置は、ドア付き空間の下部区画に負圧(大気圧よりも小さい圧力)を提供するように適合された電気的真空ポンプを備える。真空の提供は、絞り出し可能バッグから液体内容物を吸引し、接続部を介して、圧力が上部区画での圧力よりも小さい下部区画にある膨張可能な容器へと強制的に流入させる。開示された発明の好ましい実施形態では、電気式収縮装置は、下部区画から空気を吸い、上部区画に送出するように適合された電気ポンプを備え、それによって、ドア付き空間の下部区画に負圧(大気圧よりも小さい圧力)を提供し、同時に上部区画に大気圧よりも大きい圧力を提供している。上部区画と下部区画の間の圧力差により、絞り出し可能バッグからの液体内容物がそれらの接続部を介して膨張可能な容器に押し出される。
【0037】
開示された発明の好ましい実施形態では、ポンプの起動は、ドア付き空間のドアが閉じているときにのみ許可される。これらの実施形態では、装置は、ドアが開いているときは常に開いたままの常開のドアスイッチを備えており、それによってポンプから電力を切り離している。ドアが閉じられると、スイッチがオンになり、ポンプの起動が可能になる。
【0038】
設計により、スイッチには、機械的なもの(押しボタン式など)や電気てきなもののほか、光学的なもの(光検出器などの光学的手段でドアの状態を認識する)、磁気的なもの、静電容量やインダクタンスで作動するものなどがある。スイッチの種類に応じて、ドアによるスイッチの不活性化。
【0039】
開示された発明の様々な実施形態において、絞り出し可能な容器は、膨張可能な容器が作られたのと同じ材料から作られ、膨張可能な容器が液体封止具によって絞り出し可能バッグから分離されて絞り出し可能バッグとの液体連通から切り離されるまで、膨張可能な容器の延長部を構成する。
【0040】
膨張可能な容器は、絞り出し可能バッグから加圧された液体が導入されると膨らむように構成された伸縮可能な外壁を有している。
【0041】
絞り出し可能バッグと膨張可能な容器との間の液体連通の前記遮断は、絞り出し可能バッグから絞り出された液体の導入により膨張可能な容器が膨張した後に行われる。
【0042】
様々な実施形態において、液体封止具は、伸縮可能な壁の外側に圧力をかけて、その内向きの面を合わせて膨張可能な容器を封止するように構成された絞り出し部材を含んでおり、絞り器によって絞られた領域において、伸縮可能な壁の内向きの面の間に液体のためのスペースを残さないようになっている。
【0043】
いくつかの実施形態では、外部絞り器は、伸縮可能な壁の内向きの表面の間に含まれる液体が閉じる隙間から押し出されるように、伸縮可能な壁の間の隙間を閉じる際には伸縮可能な壁に対して移動可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、絞り器は、伸縮可能な壁に沿って、膨張可能な容器部分から離れた二重構造体の絞り出し可能バッグ部分の遠位端から、膨張可能な容器部分により近い二重構造体の絞り出し可能バッグ部分の近位端へと移動するように構成されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、絞り器は、膨張可能な容器部分から離れた二重構造体の絞り出し可能バッグ部分の遠位端を保持するように構成されており、それにより、絞り出し可能バッグを、遠位端から膨張可能な容器部分により近い近位端へと絞り器に対して転がすことができる。
【0046】
二重構造体の絞り出し可能バッグ部分から膨張可能な容器部分に向かって(移動によるまたは転がしによる)絞り器と絞り出し可能バッグの間を相対的に移動させることにより、絞り出し可能バッグ内の液体が膨張可能な容器と絞り出し可能バッグのまだ離されていない壁部分に向かって閉じる隙間から押し出され、伸縮可能な壁の液体を含む部分の間の隙間がそれぞれ大きくなる。膨張可能な容器が十分に膨らみ、例えば球体のような形状になった時点で、絞り器の作動を停止することができる。
【0047】
様々な実施形態において、二重構造体の絞り出し可能バッグ部分には、絞り器に隣接した余りが残っており、例えば、ハサミで切り取ることができる。様々な実施形態において、絞り器は、膨張可能な容器が十分に膨張した後に、二重構造体から空の絞り出し可能バッグ部分を除去することを容易にするビルトイン切断具を含んでいてもよい。
【0048】
絞り出し可能な使い捨てバッグから液体を絞り出して、膨張可能な容器部分に強制的に入れるための可動式クロージャを利用する開示された発明のいくつかの実施形態では、電気的に作動する収縮機構は、二重構造体と、絞り出し可能バッグから液体を哺乳用器具に強制的に入れるように構成された機械的な絞り出し可能部材との間でそれぞれの動きを引き起こすために、二重構造体に結合された電気モータを備える。開示された発明の様々な実施形態では、絞り出し可能部材は、二重構造体に着脱可能に接続されており、絞り出し可能バッグから分離された哺乳用容器の密閉状態を維持するために、装置から取り外すことができる。
【0049】
次に、前記第2の広範な態様による装置の実施形態を参照すると、電気的収縮装置は、外部表面上で垂直方向に装置を安定させるための位置決め具と、位置決め具に接続され、垂直方向に二重構造体を受け入れて保持するように構成された懸架具とを備え、二重構造体は、(i)その後に供給容器を構成するための液体内容物を充填する絞り出し可能バッグと、(ii)哺乳用器具を構成する膨張可能な容器とを備え、その保持は、絞り出し可能バッグを上にし、膨張可能な容器を下にした状態である。膨張可能な容器を下にした状態で行われ、装置は、絞り出し可能バッグを絞り、それによりその液体内容物を膨張可能な容器に供給するための電気的に作動する収縮機構をさらに備える。
【0050】
開示された発明の様々な実施形態では、懸架具は、装置の上端またはその近くで上向きに突出する複数(好ましくは3つから4つの間)の間隔を空けたペグを備える。そのような実施形態で使用される絞り出し可能バッグは、ペグに一致するそれぞれの複数の離間した開口部を備え、乳児用フォーミュラの粉末および液体成分を受け入れるためにバッグの上端が開いた状態で、ペグにバッグを吊り下げることができるようになる。
【0051】
開示された発明の様々な好ましい実施形態では、位置決め具は、その中間部に、絞り出し可能な使い捨てバッグと哺乳用器具との間の接続領域に二重構造体を把持するように適合された締付具、または絞り出しが実行されるときに膨張可能な容器が上方に移動するのを防止するための留め具のいずれかを備える。開示された発明の様々な好ましい実施形態では、留め具は、絞り出し可能バッグと哺乳用器具との間の円筒形の接続領域を受け入れるために十分な空間がありながら、哺乳用器具を通過させないために十分に狭い、水平方向に配向されたU字型またはC字型の部材を有する。
【0052】
第1の広範な態様に関して述べたように、開示された発明の様々な実施形態において、膨張可能な容器は、絞り出し可能バッグが設けられているマッチコネクタ部分に取り外し可能に接続されたコネクタ部分を備える。2つのコネクタ部分が一緒に差し込まれると、絞り出し可能バッグと膨張可能な容器は、意図しない分離に対して(例えば、コネクタに、分離のために押して回転させる操作を必要とするタイプの機械的な仕掛けを設けることにより)機械的に固定されるようになる。そのため、絞り出し可能バッグに一定の上向きの引っ張り力が加わっても、コネクタ部分が分離することはない。
【0053】
開示された発明の様々な実施形態では、絞り出し可能な容器は、膨張可能な容器が作られたのと同じ材料から作られ、膨張可能な容器が液体封止具によって絞り出し可能バッグから分離されて絞り出し可能バッグとの液体連通から切り離されるまで、膨張可能な容器の延長部を構成する。このような実施形態では、位置決め構造は、絞り込みの際にバッグ部分によって膨張可能な容器に引っ張り力が作用したときに、膨張可能な容器が上方に移動しないように把持するように適合された締付具を備える。
【0054】
膨張可能な容器は、絞り出し可能バッグから加圧された液体が導入されると膨らむように構成された伸縮可能な外壁を有する。
【0055】
絞り出し可能バッグと膨張可能な容器との間の液体連通の遮断は、絞り出し可能バッグから絞り出された液体の導入により膨張可能な容器が膨張した後に行われる。
【0056】
様々な実施形態において、液体封止具は、伸縮可能な壁の外側に圧力をかけて、その内向きの面を合わせて膨張可能な容器を封止するように構成された絞り出し部材を含んでおり、絞り器によって絞られた領域において、伸縮可能な壁の内向きの面の間に液体のためのスペースを残さないようになっている。
【0057】
いくつかの実施形態では、外部絞り器は、伸縮可能な壁の内向き面の間に含まれる液体が塞がれた隙間から押し出されるように、その間の隙間を塞ぐために反対側の下で一緒に押し付け、伸縮可能な壁に対して移動可能である。
【0058】
いくつかの実施形態では、絞り器は、伸縮可能な壁に沿って、膨張可能な容器部分から離れた二重構造体の絞り出し可能バッグ部分の遠位端から、膨張可能な容器部分に近い二重構造体の絞り出し可能バッグ部分の近位端へと移動するように構成されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、絞り器は、二重構造体の絞り出し可能バッグ部分の遠位端を、膨張可能な容器部分から離して保持するように構成されており、それにより、絞り出し可能バッグを、その遠位端から膨張可能な容器部分に近い近位端まで、絞り器に対して転がすことができる。
【0060】
開示された発明の文脈では、絞り器に言及するとき、移動という用語は、関心のある絞り器の実施形態のタイプによって必要とされるように、移動することによって、または転がすことによって、絞り器を膨張可能な容器に向けて移動させることを意味する。
【0061】
絞り器を二重構造体の絞り出し可能バッグの部分から膨張可能な容器の部分に向かう方向に移動させることにより、絞り出し可能バッグに含まれる液体が膨張可能な容器に向かって閉じた隙間から押し出され、絞り出し可能バッグのまだ離されていない壁部分に向かって押し出され、それにより、伸縮可能な壁の液体を含む部分の間の隙間がそれぞれ大きくなる。膨張可能な容器が十分に膨らみ、例えば球体のような形状になったら、クランプの移動を停止することができる。
【0062】
様々な実施形態では、二重構造体の絞り出し可能バッグ部分は、クランプの隣に余ったままであり、例えば、ハサミで切り取ることができる。様々な実施形態において、クランプは、膨張可能な容器が十分に膨張すると、二重構造体から空の絞り出し可能バッグ部分を取り外すことを容易にするビルトインの切断具を備える。
【0063】
絞り出し可能な使い捨てバッグから液体を絞り出して、膨張可能な容器部分に強制的に入れるための可動式クロージャを利用する開示発明の実施形態では、電気的に作動する収縮機構は、二重構造体と、絞り出し可能バッグから液体を哺乳用器具に強制的に入れるように構成された機械的な絞り出し可能部材との間でそれぞれの動きを引き起こすために、二重構造体に結合された電気モータを備える。開示された発明の様々な実施形態では、絞り出し可能部材は、二重構造体に着脱可能に接続されており、絞り出し可能バッグから分離された哺乳用容器の密閉状態を維持するために、装置から取り外すことができる。
【0064】
第3の広範な態様において開示された発明は、(i)フレーム(フレームは、開示された発明の第1の態様による収縮装置の部材を構成する外部マッチングホルダに着脱可能に接続されている)と、(ii)フレームに接続された可撓性レセプタクルと、(iii)可撓性レセプタクルと液体連通し、膨張可能な哺乳用容器の適合する液体受容口に着脱可能に接続されたバルブ付き液体排出ポートと、カートリッジをその液体排出口に接続された膨張可能な哺乳用容器で保持するように適合された相互接続手段に適合する接続手段と、を備える哺乳用フォーミュラカートリッジに関する。
【0065】
第4の広範な態様において、開示された発明は、乳児用フォーミュラを確定し、使い捨ての膨張可能な哺乳用容器にそれを導入する方法であって、(i)粉体状態の乳児用フォーミュラで部分的に充填された可撓性レセプタクルを有するカートリッジを提供する工程と、(ii)所望の量の水を前記可撓性レセプタクルに導入し、前記カートリッジを振って粉体を溶解し、水と混合する工程と、(iii)前記膨張可能な哺乳用容器の液体受容口と前記カートリッジのフォーミュラ排出口との間に防液性の接続を設ける工程と、(iv)可撓性レセプタクル内の圧力と膨張可能な容器内の圧力との間に圧力差を設けることにより、調製されたフォーミュラを可撓性レセプタクルから膨張可能な容器内に排出する工程と、(v)前記膨張可能な容器を前記カートリッジから分離する工程とを含む方法に関する。
【0066】
開示された発明の第5の広範な態様は、前記第1および第2の広範な態様の一部として開示された収縮装置によって充填される膨張可能な哺乳用容器のための液体受容口の実施形態であり、液体受容口は、液体受容口の本体の周りに膨張可能な哺乳用容器の伸縮可能な容器の開放端を固定するための締付具と、本体の壁に設けられた少なくとも1つの開口部と、少なくとも1つの開口部の前に配置されたダイアフラムとを備え、伸縮可能な容器の内部からの液圧がダイアフラムを壁に向かって押し付け、これにより開口部がダイアフラムにより密閉され、伸縮可能な容器の外部からの液圧がダイアフラムを壁から離して押し付け、これにより壁とダイアフラムとの間に一時的な隙間が生じ、これを通して外部からの液体が伸縮可能な容器内に漏れることができることを特徴とする。
開示された発明の詳細説明
【0067】
本明細書で開示されている発明は、添付の図によってさらに説明される。ここで図の詳細な参照は、それに示されている特定事項は例示であり、本明細書で開示されている発明の1つ以上の好ましい実施形態を説明するためのものであり、開示されている発明の原理および概念的態様の最も有用で容易に理解できる説明であると考えられるものを提供することを目的として提示されていることを強調する。これに関連して、開示された発明の基本を理解するために必要以上に、開示された発明の構造的詳細を図に示す試みは行われておらず、図面と一緒に取られた説明は、開示された発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにするものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1は、本明細書で開示されている発明の第1の実施形態による、液体を供給容器から哺乳用器具に移すための収縮装置の開状態図である。
図1Aは、
図1の装置の電気的機構を示す概略図である。
図2は、
図1に示した装置を閉じた状態で示した図である。
図3は、
図1の実施形態の装置を用いて、バッグから容器への液体の移送をハンズフリーで行うために構成された、絞り出し可能バッグと膨張可能な哺乳用容器からなる二重構造体を示している。
図4は、ハンズフリー移送プロセスの終了時に、
図1の装置内の位置にある
図3の二重構造体を示している。
図5は、開示された発明の第2の実施形態による、液体を供給容器から哺乳用器具にハンズフリーで移送するための電気的収縮装置を示す。絞り出し可能バッグと膨張可能な哺乳用容器からなる二重構造体が、装置の位置に示されている。
図5Aは、開示された発明の第3の実施形態による、液体を供給容器から哺乳用器具に移すための手動操作の収縮装置の透視図である。
図5Bは、
図5Bに示した実施形態における連結ホイール領域の拡大図であり、両クランプロッドが連結ホイールに係合して一緒に保持されている状態を示している。
図5Cは、
図5Bに示した実施形態の側面図である。
図5Dは、
図5Bに示した実施形態の正面図である。
図5Eは、
図5Bに示した実施形態の上面図である。
図5Fは、開示された発明の第4の実施形態による、供給容器から哺乳用器具に液体を移送するための電気的収縮装置を示す。
図5Gは、開示された発明の第5の実施形態による、供給容器から哺乳用器具に液体を移送するための電気的収縮装置を示す。
図5Hは、開示された発明の第6の実施形態による、供給容器から哺乳用器具に液体を移送するための電気的収縮装置を示す。
図5Iは、開示された発明の第7の実施形態による、供給容器から哺乳用器具に液体を移送するための電気的収縮装置を示す。
図5Jは、開示された発明の第8の実施形態による、供給容器から哺乳用器具に液体を移送するための電気的収縮装置を示す。
図5Kは、開示された発明の第9の実施形態による、供給容器から哺乳用器具に液体を移すための手動操作の収縮装置の透視図である。
図5Lは、
図5Kに例示された収縮装置の本体の透視図であり、本体構造の妨げにならないように装置の可動部を取り除いた状態を示している。
図6Aは、本明細書で開示されている発明の様々な実施形態による二重構造体の膨張可能な容器部分を構成する哺乳用器具の液体受容口の垂直断面図である。
図6Bは、
図6Aに示した液体受容口の等角線図である。
図6Cは、本明細書で開示されている発明による膨張可能な容器の例示的な実施形態に取り付けられた
図6Aの液体受容口の垂直断面図である。
図7Aは、本明細書で開示されている発明の様々な実施形態による二重構造体の膨張可能な容器部分を構成する哺乳用器具の液体受容口の他の実施形態の3つの部材を分解縦断面図で示している。
図7Bは、
図7Aに示した液体受容口のバルブ保持部材を等角線で示したものである。
図7Cは、
図7Aで示した液体受容口の部材を取り付けた状態を示す等角図である。
図7Dおよび
図7Eは、それぞれ、
図7Aで示された液体受容口の部材を取り付けた状態の2つの垂直断面図であり、バルブ膜部材の動作状態が異なる。
【発明を実施するための形態】
【0069】
(図の詳細説明)開示された発明は、前述の例示的な実施形態の詳細に限定されるものではなく、本明細書で開示されている発明は、その精神または本質的な属性から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化することができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本実施形態は、すべての点で例示的なものであって制限的なものではないと考えられ、開示された発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および同等性の範囲内に入るすべての変更は、したがって、そこに包含されることが意図される。
【0070】
図1および
図2は、開いた状態(
図1)および閉じた状態(
図2)で、開示された発明の好ましい実施形態に従って、供給容器から哺乳用器具に液体をハンズフリーで移送するための電気式収縮装置100を示している。
【0071】
電気的収縮装置は、ハウジング101bおよび101cと、(i)液体内容物が予め充填され、供給容器を構成する絞り出し可能バッグ301と、(ii)哺乳用器具を構成する膨張可能な容器311の二つから構成される二重構造体(300、
図3に示す)を受け入れて保持するように適合された、ハウジング内部のドア付き空間(103b、103c、104b、104c)と、絞り出し可能バッグを絞り、その液体内容物を膨張可能な容器に供給するための電気的に作動する収縮機構(例えば、
図1に示す機械的機器と協働する、
図1Aに示す電気機構130)と、を備える。
【0072】
図示の実施形態では、電気式収縮装置100は、テーブルなどの水平面上に装置を支持するためのベース部102を有する本体101bを備えている。ドア101cは、その上端付近でドア101cに接続され、本体101bの上端付近に形成されたそれぞれのヒンジカプセル113内で本体101bにそれぞれヒンジ結合された一対のヒンジ115によって、本体101bにヒンジ結合されている。ヒンジは、ドア101cがほぼ完全に開いているときに、ユーザがそれを保持することを必要とせずに、(例えば、その重量に作用する重力によって)その開位置に留まるように寸法設定され、構成されている。そして、ユーザは、
図3によって示される二重構造体を、水平ペグ117に吊り下げ、その後、ドアを閉じることができる。
【0073】
絞り出し可能バッグ301が限られた所定の体積を含むことができるにもかかわらず、ドア付き空間は、その上部103bおよび103cに、最大の所定の体積の液体内容物が充填された絞り出し可能バッグ301を収容し、その下部に、前記所定の体積が充填される膨張可能な容器311を収容するため、その2倍の体積を収容するように寸法設定されている。これにより、ドア付き空間の総容積は、絞り出し可能な使い捨てバッグ301から膨張可能な容器311に移送される容積の少なくとも2倍となる。
【0074】
開示された発明の好ましい実施形態では、ドア付き空間は、絞り出し可能バッグを上に、膨張可能な容器を下にして、二重構造体を垂直方向に保持するための懸架具を有する。ここに例示されているような、開示されている発明の様々な実施形態では、懸架具は、その上端付近でドア付き空間103bに突出している、間隔を空けて配置された2つの水平方向に向いたペグ117からなる。このような実施形態で使用される絞り出し可能バッグ301は、ペグ117に適合する一対の離間した開口部304を備え、バッグをペグに吊り下げることを可能にする。したがって、ペグ117を開口部304にそれぞれ挿入した状態で、バッグをドア付き空間内に取り付けることで、ペグに吊り下げることができる。
【0075】
開示された発明の様々な好ましい実施形態では、ドア付き空間は、その中間部に、絞り可能な使い捨てバッグ301と哺乳用器具311との間の接続領域で二重構造体300を把持するように適合された締付具を備える。開示された発明の様々な好ましい実施形態では、締付具は、ドア付き空間の後壁101bから突出する第1の半円形要素108bと、ドア付き空間のドア101cから突出する第2の半円形要素108cとを備え、2つの半円形要素108bおよび108cは、絞り出し可能な使い捨てバッグ301と哺乳用器具311との間の円筒形接続領域305を有する二重構造体300がドア付き空間の上部付近に位置するホルダ117から吊り下げられたときに、そのように配置される。前記円筒形接続領域305は、第1の半円形要素108bに隣接して配置され、ドア101cが閉じられると、第1の半円形要素108bと第2の半円形要素108cとの間に挟まれてしっかりと把持され、これらの要素が一緒になって二重構造体300の円筒形接続領域305の周りにぴったりと嵌まるリング状のクランプを形成する。
【0076】
電気式収縮装置は、
図1Aが示す機構130のような電気的な機構で構成されている。図示の実施形態では、機構130は、本体101bに形成された区画内で、壁部114の背後に隠されている。押しボタン120は、壁部114に配置され、ライン121によって本装置のコントローラ133に接続されている。ドア101cが閉じられると、押しボタン120は、ドア101cの上部付近に形成された、ユーザが操作可能なアクチュエータ120cによって係止される。ユーザによって押下され、ドアセンサ140(例えばヒンジカプセル113内に配置されていてもよい)がコントローラ133にドア101cが閉じていることを伝達した状態で、コントローラ133はバッテリBを接続して電気式空気圧ポンプ131に電力を供給する。ポンプされた空気は、その後、ポンプからエアチューブ131tを介して上部区画103b、103cに流れ、それによって、電気式収縮装置の上部区画103b、103c内の空気圧が上昇する。空間103b、103cは、本体101bとドア101cの一部を構成する上壁、下壁、側壁と、ドア101cを閉じたときに嵌合するミラーリングガスケット105b、105c(例えば、ゴムやシリコン等で形成されている)によって、外気から密閉されている。ドア101cと本体101bには、ドアを押してしっかりと閉じた状態を維持するための手段(機械的または磁気的なもの)が設けられていることが好ましい。ドアを閉じた状態を維持するために磁気的に相互に作用するように、本体とドアの向かい合った縁部の中に磁気要素を隠してもよい。ガスケット105b、105cは、絞り出し可能バッグ301の円筒状の首部305にも適合する。水平な壁106b、106cは、ドア付きの空間を上側の空間105b、105cと下側の空間104b、104cに分けている。ドア101cが閉じられ、絞り出し可能バッグの円筒状の首部305が、水平壁部106bおよび106cに半円形のくぼみとしてそれぞれ形成されている第1および第2の半円形要素108bおよび108cの間に保持される。
【0077】
人間工学的に設計された凹部111、は、ドア101cの底部付近に形成された人間工学的なグリップハンドル112へのアクセスを容易にするために、本体101bのベース部102に設けられており、これによって、ドア101cを開いて持ち上げることができる。
【0078】
ドア101cは、好ましくは、透明なフロントパネル110を備えており、ユーザは、このフロントパネルを通して、装置の動作を監視し、所望の量の液体が膨張可能な容器に移送された時点で動作を停止することができる。これは、例えば、膨張可能な容器の満足できる体積によって示すことができる。
【0079】
開示された発明の様々な実施形態では、デバイスの電気的動作は、起動ボタン120cの2回目の押下時にオフにすることができる。開示された発明の他の様々な実施形態では、装置の電気的動作は、ドア101cを開くことによってオフにすることができる。開くことは、ドアセンサ140によってコントローラに伝えられる。
【0080】
図3は、
図1の装置の実施形態によって、(絞り出し可能バッグ構造301の)絞り出し可能バッグ302から容器311に液体をハンズフリーで移送するように構成された、絞り出し可能バッグ構造301と膨張可能な哺乳用容器311からなる二重構造体300を示している。絞り出し可能バッグ構造301は、剛性または半剛性のフレーム303と、ナイロンやアルミ箔などで形成可能な可撓性バッグ302とからなるカートリッジとしてユーザに提供されてもよい。可撓性バッグ302(乳児用フォーミュラのためのレセプタクルを構成する)は、円筒状の剛性または半剛性の首部305と合体する。円筒状の首部305内には、首部が(例えば、相互のねじ切りによって、または、バッグと哺乳用器具が相互に備える他の受け入れ可能な継手によって)膨張可能な哺乳用器具311の液体投入口(ここでは図示せず、液体投入口の詳細については、例えば、WO2006129302
図2を参照)に接続されたときに開く常閉バルブがあり、バッグ302と哺乳用器具311の膨張可能なバルーン状部材312との間で液体の連通を可能にする。
【0081】
絞り出し可能バッグ301のフレーム303には、電気的収縮装置の一対の水平ペグ117と適合する一対の開口部304が設けられており、これにより、二重構造体300は、ペグ117に吊り下げられた状態で、ドア付き空間103b、104b、103c、104cの内部に配置することができるようになっている。
【0082】
図示された実施形態では、哺乳用器具の膨張可能な部材312は、半剛性のプラスチックフレーム部材314および315によって保護されており、プラスチックフレーム部材314は、哺乳用器具の赤ちゃん供給用乳首313に接続され、機械的支持を提供する。また、プラスチックフレーム部材315は、絞り出し可能バッグ301が着脱可能に接続される液体投入口(図面では半剛性首部305内に隠れている)を機械的に支持する。
【0083】
図4は、
図1の装置内の位置にある
図3の二重構造体300を、ハンズフリー移送プロセスの終わりの典型的な図で示したものである。ドア101cは、透明なフロントパネルを有しており、閉じた状態で装置内を透視することができる。装置の内部では,二重構造体300が水平ペグ117に吊り下げられている。ペグ317は、絞り出し可能バッグ301のフレーム303に形成された開口部304をそれぞれ貫通しており、二重構造体の円筒状の首部305は、水平壁部106b、106cに形成された半円状のくぼみ108b、108cによってしっかりと把持されている。膨張可能な哺乳用器具111は、その液体投入口が着脱可能に接続されている円筒状の首部305に吊り下げられている。膨張可能な哺乳用器具311は、電気的収縮装置の下部区画104bおよび104c内に位置し、上部区画103bおよび103cによって含まれる空気から隔離されている。
【0084】
同図は、ハンズフリーでの液体の移送が完了した後の、液体が既に空になった状態の可撓性レセプタクル302を示している(比較のために、
図3によって示されるその液体の満杯の図を参照)。哺乳用器具311は、風船状部材312が膨張した状態で示されており、液体移送プロセス中に上部区画103bおよび103cに生じた高い空気圧によって、円筒状の首部305を介してバッグ302から液体投入口を介して押し込まれた液体でいっぱいになっている。液体移送プロセスが完了すると、ユーザは、ハンドグリップ112を引くことによってドア101cを持ち上げて開き、次に、二重構造体300を水平ペグ117から外し、最後に、哺乳用器具311を絞り出し可能バッグ301の円筒状の首部305から分離して、授乳させる赤ちゃんに持っていくことができる。
【0085】
図5は、開示された発明の第2の広範な態様の好ましい実施形態による、供給容器401から哺乳用器具311に液体をハンズフリーで移送するための電気的収縮装置200を示す。絞り出し可能バッグ402と膨張可能な哺乳用容器312とからなる二重構造体400が、装置200の位置に示されている。この装置は、位置決め具を構成するベース部分406と、穴の周りに間隔を置いて配置された4つの上向きペグ403を有する穴420を有し、懸架具を構成するトップ部分442とを備える。懸架具は、位置決め具406に接続され、機械的に支持され(例えば、垂直壁部材404および405を介して)、二重構造体400を垂直方向に受け入れて保持するように構成されており、二重構造体400は、(i)液体内容物が充填され、充填されると前記供給容器を構成する、絞り出し可能バッグ402とii)(乳首313およびフレーム部材314、315の助けを借りて)前記哺乳用器具を構成する膨張可能な容器312を備え、前記保持は、絞り出し可能バッグ402を上にし、膨張可能な容器312を下にした状態であり、装置は、絞り出し可能バッグ402を絞り、それによってその液体内容物を膨張可能な容器に供給するための電気的に作動する収縮機構をさらに備える。
【0086】
絞り出し可能バッグ402は、その上端401tに、図示の実施形態ではその上端401tの近くのバッグの本体に形成されている(他の実施形態では、絞り出し可能バッグから延びる特別なストリップに形成されていてもよい)穴403hを備え、前記穴は、バッグ402をペグ403に吊り下げるためのペグをそれぞれ挿入するために適合されており、その開放された上端451を介してバッグの中に水および乳児用フォーミュラを容易に導入することができるようになっている。使用者によってフォーミュラが確定されると(本発明のいくつかの実施形態では、装置の機構の一部として撹拌機が提供されるので、そのような実施形態では、使用者は、撹拌が自動的に実行される間に、材料をバッグ402に注ぐことだけが要求される)、使用者は、電気的に作動する収縮機構をスイッチオンすることができる(作動スイッチ、電気部品および回路は、一般的な知識に基づいて、電気的な家庭用装置の技術分野の当業者によって設計され得るので、図示されていない)。
【0087】
絞り出し可能バッグ402を絞るための電気的に操作される収縮機構は、一対の棒(ロッド)462、463がその近位端でそれぞれ共通のヒンジ416にヒンジ結合されており、前記共通にヒンジ結合された一対の棒がトングのような機構を構成していることを特徴とする。ヒンジは、回転可能な本体412の凹部に形成されており、初期状態では垂直方向に向いている。回転体は、歯車の回転に伴って回転体も回転するように、歯車414に連結されている。歯車414および回転可能な本体412は、円筒部417に回転可能に固定されており、円筒部は、歯車417の一部が露出するように部分的に切り落とされており、したがって、垂直方向に配向された歯付きロッド432に連結可能である。理解できるように、切り落とされた円筒部417が下方に移動すると、歯車417の露出した部分が歯付きロッド432と係合し、円筒部417の直線的な下降運動に応じて反時計回りに回転する(装置を正面から見る人にとって)。
【0088】
液体フォーミュラがバッグ402に導入されると、トング状のロッド462および463は、液体内容物のレベルの上でバッグ402を閉じるために、一緒に集められてもよい。トング状のロッドを一緒にすることは、装置のスイッチを入れる前に手動で行ってもよいし、自動的に行ってもよい。トング状のロッドを自動的にまとめるために、垂直壁405にはスリット409が設けられており、このスリットは、その上部407で広く、その中間部408で徐々に狭くなり、その下部409に沿ってすべて一定の幅を有している。調製開始時には、切り落とされた円筒部417は装置の上部付近に位置しており、トング状のロッド462、463は、このようにしてスリットの上部407を通って出てくる。スリットの上側部分407は、トング状のロッドが離れて広がることができるように十分な幅を有しており、これにより、バッグ402は、トング状のロッド462および463の間で完全に展開されたペグ403からぶら下がることができる。絞りプロセスの起動時に、切り落された円筒部417は、ねじ式伝達ロッド419の回転機能として下に移動し、トング状ロッドをスリットの狭くなる領域408に入れ、それによってトング状ロッドを徐々に強制的に一緒になり、ひいては、収容された乳児用フォーミュラの上方からバッグ402を絞り込んで閉じることができる。切り落された円筒部417の更なる下方への動きは、歯車を歯付きロッド432と係合させ、それによって回転可能な部材412とトング状のロッドを回転させる。閉じたトング状ロッドの回転により、絞り出し可能バッグ402がトング状ロッド462、463の上を転がり、バッグがペグ403から引き剥がされる。バッグ402が閉じたトング状のロッドの周りを転がる(巻く)間、スリット409の下端付近で垂直壁405に接続されたストッパー410(図示の実施形態では水平方向に向いたC字型のストッパー)により、哺乳用器具311の上向きの動きが阻止される。
【0089】
このように、バッグを転がしたり巻いたりすることで、バッグの上端から液体フォーミュラがこぼれないようにバッグ402を密閉し、内容物を圧迫して膨張可能な容器に押し込む。
【0090】
切り落された円筒形部材417は、ネジ式伝達ロッド419に結合された溝付き円筒体411に固定されている。ネジ式伝達ロッド419の時計回りまたは反時計回りの回転(装置の現在の動作モードに応じて必要とされる)は、トング状のロッドがスリット409の広い上端407から出ている状態で、装置を初期状態に戻すために、絞り込みの間は下向きに、絞り込みの後は上向きに、円筒体411のそれぞれの直線運動に変換される。
【0091】
円筒体411は、垂直ロッド430から突出する垂直軌道431と一致する、垂直に延びる側溝411g(例えば、T字型の横方向の断面輪郭を有する)を有する。軌道・溝具は、円筒体411および切り落された円筒部417の滑らかな直線運動を提供し、これにより、ネジ式伝達ロッド419の回転による円筒部417の横向きの回転が回避される。
【0092】
歯付きロッド432は、バッグ402を転がしてその内容物全体を膨張可能な容器312内に絞り込むために、歯車414の所望の回転数を引き起こすように適合された所定の長さを有して垂直ロッド430に接続されている。
【0093】
ねじ式伝達ロッド419は、それぞれの電子機器によって制御される電気モータ(図示せず)に結合されている。開示された発明のいくつかの実施形態では、電子機器は、切り落された円筒417の意図された最上部および最下部の位置でモータを自動的に停止させるためのセンサ手段と、絞りによる充填が達成された後、ユーザの指示により装置が初期位置に戻されたときにモータの回転方向を逆にするためのセンサ手段とを含む。
【0094】
電気モータは、装置の底部付近に配置してもよいし、設計上の問題として、壁404と405の間の任意の所望の位置に配置してもよい。
【0095】
開示された発明の様々な実施形態において、電気的収縮装置は、バッグ402をその外側から繰り返し変形させることによって、絞り出し可能バッグの液体内容物を誘導するように構成された攪拌部材をさらに備える。
【0096】
撹拌部材は、例えば、それぞれの伝動コグ(歯)によって垂直な歯付きロッド(ロッド432と同様のもの、または図示のロッド432の上端から上方に延びる延長部を構成するもの)に結合された傍心ホイールであってもよく、トング状のロッド462および463がバッグ402を絞り、転がし始める前に(すなわち、強制的に一緒になる前に、下方に移動しながらスリット409に入るように)、傍心ホイールがバッグの壁を外側から叩き、バッグ内の液体が揺れて、溶けた乳児用フォーミュラとより均一に混ざるようになっている。また、トング状の棒462、463のすぐ上に傍心が配置されていて、トング状のロッドが一緒になってバッグ402を閉じたときに、すぐにその下向きの動きとその結果としての回転を止めるように構成されていてもよい。
【0097】
図5A~
図5Eは、開示された発明の第2の広範な態様の好ましい実施形態による、供給容器401から哺乳用器具311に液体を移すための手動操作の収縮装置250のいくつかの図を示す。絞り出し可能バッグ402および膨張可能な哺乳用容器312からなる二重構造体400は、
図5によって示される装置における二重構造体400の懸架と同様に、ペグ499に懸架することができる。絞り出し可能バッグ402は、その上端に、バッグ402をペグ499に吊り下げるためのペグをそれぞれ挿入するのに適合した穴(または穴を有する特別なストリップ)401tを有し、これにより、その開いた頂部451を介して水および乳児用フォーミュラをバッグに導入することが容易になる。
【0098】
手動操作装置250は、二重構造体400が吊り下げられるための空間496を形成する周囲の壁498a~498dを備える。周囲の壁は、空間496を下から閉じるためのベース壁497で終わっていてもよい(ただし、必ずしもそうではない)。また、4つの壁のうち対向する2つの壁498a、498bは、壁の上端付近にそれぞれ貫通溝495a、495bを有している。貫通溝495a、495bは、貫通溝を介して対向する壁498a、498bを横断する一対のクランプロッド494a、494bの軌道となるため、貫通溝のそれぞれの端部からその中間部に向かって横方向に移動することができる。貫通溝のそれぞれの中間部分には、回転のみ可能で溝に沿って横方向に不動であるように捕捉された、回転可能な連結ホイール490が設けられている。連結ホイール490は、クランプロッドの各々との相互に解放可能な接続手段を構成する。解放可能な接続手段は、ユーザの動作によってクランプロッドが一緒になると、ホイールとクランプロッドの間で係合するように構成されている。両方のクランプロッド494a,494bがそれぞれホイール490と接続されるようになると、ロッドは、ホイール490の共通の回転軸を中心としたホイール490の回転とともに回転可能になる。
【0099】
ホイール490とクランプロッド494a、494bとの間の相互接続手段の一例は、ホイールに形成された複数(少なくとも2つ)の凹部490rであり、クランプロッドの管状部分494tの周囲にぴったりと適合して、ホイールから意図せずに分離しないように把持するような成形されている。
【0100】
二重構造体400が垂直ペグ499から吊り下げられ、フォーミュラを充填して確定した後、クランプロッド494aおよび494bを一緒にすると、絞り可能な供給バッグ402の上端が、ホイール490間の共通回転軸
に沿った領域でクランプロッドの間にクランプされる。開示された発明の様々な実施形態において、クランプロッドはそれぞれ、その長手方向の軸に対して横方向に星のような断面デザインを有してもよい。クランプロッド494aおよび494bは、ユーザによって回転させることができ、それによって、絞り出し可能バッグ402を転がし、その体積を減らすことができる。クランプロッドを回転させるために、ユーザは、クランプロッドの平坦な端部494eを、回転を容易にするためのハンドルとして使用することができ、一方で、絞り出し可能バッグによって収容された液体に絞り出し力を及ぼすことができる。レバレッジロッド459は、ホイール490から外れたときに平坦な端部494eを垂直方向に維持するために、また、絞り出し可能バッグを転がしてクランプロッドに巻き付けるためにクランプロッド494a、494bに作用する手動の力を利用して、クランプされた複合体(すなわち、ホイール490、クランプロッド494a 494b、およびそれによってクランプされた絞り出し可能バッグ402)の回転を容易にするために、クランプロッドに垂直に設けられてもよい。転がし操作による哺乳用器具311の上方への動きは、
図5Aの水平C字型ストッパー410のようなストッパー(
図5Bでは図示せず)によって無効化される。ストッパーは、空間496に面した直立した周囲の壁498a(または498b~498dのいずれか)の、壁の高さの中間部分付近の表面に接続されていてもよい。これにより、転がし操作によって絞り出し可能バッグが上下方向に引き伸ばされ、内容積が減少することで、バッグ内の液体が容器311内に押し出される。クランプ時には、絞り出し可能バッグのクランプされた端部と収容された液体との間に、所定の空気が不可避的に挟まれる。この挟まれた空気が原因で、クランプロッドを転がすと、絞り出し可能バッグの体積が徐々に減少し、閉じ込められた空気の圧力が上昇し、閉じ込められた空気が液体を押すことで、絞り出し可能バッグに残っていた液体を容器に押し出すことができる。装置の壁を透明な材料で構成し、絞り出し可能バッグを検査できる透明な領域を設けることで、絞り出し可能バッグが空になったことを確認し、絞りを適時にすなわち哺乳用容器に空気を入れる前に、終了させることができる。
【0101】
図5Hは、開示された発明の第2の広範な態様の別の好ましい実施形態による、供給容器401から液体を哺乳用器具311に移すための電気的収縮装置850の上部を示す(この図の説明で言及された、図面に含まれていない注釈は、
図5または他の図でこれらの注釈によって注釈された項目に関連しており、実施形態に含まれ、それらが現れて説明された実施形態と同様の方法でユーザによって処理され得る)。絞り出し可能バッグ402および膨張可能な哺乳用容器312からなる二重構造体400は、
図5Aによって示される装置のペグ499への、または
図5によって示される装置のペグ403への二重構造体400の懸架と同様に、ペグ899に懸架することができる。開示された発明の様々な実施形態では、ペグ以外の引っ掛け手段が、二重構造体を懸架するために使用されてもよい。そのような手段は、フック、バネ付きクランプ、外向きに曲げられた縁部などを含んでもよい。絞り出し可能バッグ402は、その上端部402tに、ペグ899にバッグ402を吊り下げるための穴403hを介してペグをそれぞれ挿入するように適合された穴403h(または穴を有する特別なストリップであり、当該ストリップは、ストリップの穴が絞り出し可能バッグの上端部付近に位置するように絞り出し可能バッグに取り付けられる)を備えており、これにより、その開いた上端部451を介してバッグ内への水および乳児用フォーミュラの導入が容易になる。
【0102】
電気装置850は、周囲の壁898(例えば、
図5の実施形態の壁498a~498dのようなもの)から構成されており、これにより、二重構造体400が吊り下げられ得る空間896が形成されている。壁898は、空間896を下から閉じるためのベース壁(
図5のベース壁497のようなもの)で終わっていてもよい(なお、必ずしもそうではない)。周囲の壁898の2つの対向する壁部分の近くに(設計の問題として、また、開示された発明の範囲から逸脱することなく、周囲の壁を製造するために様々な数の壁を実装してもよい、例えば、円形または楕円形の輪郭の1つの壁、六角形の輪郭の6つの壁など)、2つのねじ式伝送部819がそれぞれ配置されており、内容物を膨張可能な哺乳用器具311に移すために、絞り出し可能バッグ402を絞るための絞り機構に結合されている。図示された実施形態の絞り機構は、バッグ402を閉じるためおよび巻き取るために機能する一対のストラップ862および863から構成されている(
図5の実施形態のトングのようなロッド機構の同様の機能に代えて、または
図5Aの実施形態のクランプロッドの機能に代えて)。ストラップ862および863は、その反対側の端部863eに穴863hを構成しており、それによって、それらの端部863eがスルーピン816によってミラーリングする回転可能な要素812に固定されて、一緒に取り付けられる。回転可能な要素812の回転は、歯車812が歯付きロッド832の歯付き部分に歯付けされ、伝達ロッド819が回転して切り落された円筒部817を下(この場合、ストラップはそれらの共通の回転軸877を中心に第1の方向に回転する)または上(この場合、ストラップはそれらの共通の回転軸877を中心に、前記第1の回転方向とは反対の第2の方向に回転する)に移動させるたびに、回転可能な要素の上下運動の間に発生する。上下の動きと回転は、
図5の実施形態で利用された手段と同様の手段、例えばT字型の溝と軌道をさらに利用してもよい。結合機構は、回転可能な両要素812を、その上下運動の間、装置の底面から同様の高さに維持するように構成されている。例えば、両方の回転可能な要素は、類似または同一の結合機構によって共通の電気モータに結合されてもよく、それによって、モータは、歯付きロッドに沿った両方の回転可能な要素812の運動に、ミラーリングのように同時にかつ同じように影響を与える。機構はさらに、ミラーリングする(協力する)回転方向で、共通の回転軸877を中心とした両方の回転可能な要素の同時回転を維持するように構成される。
【0103】
しかしながら、回転可能な要素812と歯車814との間の結合は、
図5の回転体412と歯付きロッドとの間の結合とは異なり、回転可能な要素812は、回転可能な要素が軌道に対して最上部の位置にあるか、またはその近くにあるときに、所定の範囲で、そのミラーリング相手に向かって横方向にも移動可能である。機構は、回転可能な要素812のそれぞれの横方向の移動可能性のために提供され、横方向の動きが、共通の回転軸877に沿って反対方向に、両方の回転可能な要素812につき同時に起こるように構成される。開示された発明の様々な実施形態では、横方向の可動性のための機構は、回転軸、例えば一般的な電気モータの軸上での弦の巻き取り時に回転可能な要素を横方向に引っ張る弦を含んでもよい。横方向に移動可能な機構は、回転可能な要素に縦方向および回転方向の動きを与える同じ電気モータに結合されてもよい。両者の横方向の運動は(ミラーリング構成のため)反対方向であるので、横方向の運動が行われるとき、両方の回転可能な要素は、互いに近づいたり離れたりする。開示された発明の様々な実施形態では、回転可能な要素812のそれぞれの横方向の動きは、付勢力に抗している。様々な実施形態において、付勢力は、圧縮可能なバネ/S、磁気的な引力または反発などによって生成されてもよい。図示された実施形態では、ストラップ862および863は、弾性があり、直線性を維持する傾向がある。したがって、ストラップ862および863の反対側の端863eが強制的に近づけられると、それらは一時的に変形し、
図5Gに例示されているように、それぞれが湾曲した輪郭をとる。この湾曲した輪郭により、バッグ402は、その上端が大きく開いた状態でストラップの間に吊り下げられる。ストラップの変形に起因する付勢力BFは、BFと注釈された矢印で示されるように両側に作用し、ストラップを直線性に戻す傾向がある。ストラップ862、863を直線状に戻すことで、バッグ402がストラップの間に閉じられ、その開放端がストラップの間にクランプされる。
【0104】
図示された実施形態では、回転可能な要素812の一方から他方への横方向の動きは、歯付きロッド832から斜めに延びる一対の湾曲した軌道832cによって達成される。図示の実施形態では、回転可能な要素812は、それぞれの回転可能な要素812の後端812rから、それぞれの歯車814の延長部815に横方向に延びる凹部815rに突出するステム813によって、歯車814に伸縮自在に結合されている。軌道832cは、切り落された円筒部817が(ねじ付き伝達ロッド819の回転に伴って)歯付きロッド832の歯付き領域の上端の上方からの領域で上向きに移動するときに、回転可能な要素812の後端812rを、歯車から離れて案内するように構成されている。この領域では、歯車は回転せず(歯付きロッドの歯から外れているためであり、回転可能な要素のそれぞれの後端812rは、湾曲した軌道832cによって歯車から離れて、付勢力BFに抗して押され、ストラップ862および863の端863eを空間896の中心に向かって押し、それによって、ストラップは、装置の底部の上方から最上部の位置に到達したときに、最終的に
図5Gのような湾曲した位置をとることになる。
図5Fは、回転可能な要素812が最上部の位置にあるときの、湾曲した軌道832cおよび歯車814に対する回転可能な要素812の位置を示している。この位置では、回転可能な要素812は、
図5Hの位置と比較して、歯車814から横方向に離れており、ステム813は、凹部815rから部分的に引き出されている。ステム813および凹部815rは、軸877に関する回転対称性を欠くように構成されている(例えば、回転軸877に対して横方向に長方形の断面を有していてもよい。その結果、歯付きロッド819の歯に歯合されたときの歯車の回転は、回転可能な要素812に伝達される。
【0105】
歯付き領域と伸縮具813および815rは、円筒体の垂直運動中に歯車814が歯付きロッド832とのギアリングを解除したときに、ストラップ862および863が直立し、ピン816が水平方向に向くように相互に構成されている。
図5Hは、ストラップ862および863によってバッグ402をクランプした直後の装置を示しており、これは、切り落された円筒部814の下降運動中に歯付きロッドの歯付き領域と係合して歯車814が回転し始める直前である。歯車の回転は、バッグ402がペグ899から引き裂かれ、ストラップ862、863に巻き付き、その結果、絞り出されて、収縮して、液体内容物402fを膨張可能な哺乳用器具311に移すことになる。
【0106】
図5Iは、開示された発明の第2の広範な態様のさらに別の好ましい実施形態による、供給容器401から液体を哺乳用器具311に移すための電気的収縮装置550の上部を示している(この図の説明で言及された、図面に含まれていない注釈は、
図5または他の図でこれらの注釈によって注釈された項目に関連しており、実施形態に含まれ、それらが現れて説明された実施形態と同様の方法でユーザによって取り扱われ得る)。装置550は、概して、装置550において、ストラップ862および863の回転軸577が垂直方向に不動である点で、装置850と異なる。したがって、装置550は、伝達ロッド819、歯付きロッド832、その斜めの部分832c、歯車814、および切り落された円筒部817など、ストラップ862および863の垂直方向の動きに関わる機構を含まない。
【0107】
これらに代えて、回転可能な要素812の回転、ひいてはストラップ862および863の回転は、例えば電気モータ522によって駆動されてもよい。ストラップの反対側の端部にある回転可能な要素812の、互いに向かって、および互いに遠ざかる水平方向の動きは、ユーザによる手動で、例えば手動レバー(図示せず)を介して、または電気的に、例えば、モータの回転軸522sと、ストラップの少なくとも1つの共通の端部に設けられた(回転可能な要素812に接続された)ストラップの共通の端部との間に配置された螺旋状結合部512hおよび514によって、達成されてもよい。螺旋状結合部チューブ512は、回転可能な要素812を回転させることなく、したがってストラップを回転させることなく、モータの回転軸522sを所定の回転数(螺旋512hの数による)だけ回転させることができる。
【0108】
収縮させるセッションの開始時には、回転軸522sの回転により、螺旋状の伝動管512が回転可能な要素812(したがって、ストラップ862および863の反対側の共通の端部)を引き離し、それによってストラップを一緒にしてまっすぐにし、絞り出し可能バッグ402の上端を閉じる。ストラップの回転は、ストラップが既に真っ直ぐになった後、回転軸522sのさらなる回転時に有効となり、それによってバッグ402が閉じられる。ストラップの回転は、螺旋状の引き具513に対する螺旋状の伝動管512の回転が、ストラップ862および863が真っ直ぐになると終了するときに発生し、したがって、回転可能な要素812の間の分離のさらなる増加を許容しない。
【0109】
操作のこの段階では、バッグは回転するストラップの周りで転がされ始め、それによって、その内部容積402fは徐々に減少する。ストラップの回転に伴うバッグ402の転がりの別の結果として、哺乳用器具311が徐々に上昇していく。これは、装置550がストッパー410のようなストッパーを欠いているためである。ストラップ862および863の隣および下には、哺乳用器具311自体(および絞り出し可能バッグの液体充填部分402f)が回転するストラップに到達するのを無効にするための制限要素503が設けられており、それによってストラップの周りでのこれらの望ましくない転がりを回避することができる。制限要素503は、軸577に実質的に平行な同じ水平面で延びる制限要素を維持しつつ、第1の極端な位置と第2の極端な位置との間で回動することを可能にする、ばねで付勢された軸504に取り付けられてもよい。
【0110】
初期状態では、ペグ899に二重構造体を吊り下げる前から始まり、ストラップ862および863は(
図5Gに示すように)アーチ状になっており、回転可能な要素812は互いに最も接近しており、制限要素503は、制限要素503の端部503eが図面の平面から離れた状態で、バネで付勢された軸504によって維持されており、制限要素の端部503eおよび503hが共通して位置する仮想の垂直面が、回転軸577が位置する垂直面と少なくとも45度の角度を形成し、制限要素の前記第1の極端な位置を構成し、アーチ型ストラップ862と863の間に形成された開口部を介して二重構造体の位置決めを容易にする。液体フォーミュラ402fの調製が絞り出し可能バッグ402内で確定すると、モータ522を作動させることによって、調製されたフォーミュラの哺乳用容器への移送を開始することができる。モータ回転軸522sの回転は、伝動管512の回転を引き起こし、この伝動管512は、螺旋状結合部512hおよび514によって回転可能な部材812を互いに引き離し、それによってストラップ862および863をまっすぐにし、絞り出し可能バッグ402を閉じる。回転可能な要素812のうちの1つは、ディスクのようなフランジ512fを備えていてもよく、それぞれの回転可能な要素の横方向の動きの際に、フランジ512fが制限要素503のレバー503hを押し付け、それにより、制限要素が位置する垂直面が回転軸577と平行またはほぼ平行である、その第2の極端な位置に到達するまで制限要素を回動させるようになっている。
【0111】
リーフスプリング502は、螺旋状トランスミッション512hおよび514が前記所定の数の回転を行う際に、螺旋状トランスミッションチューブ512と引き具513との間の摩擦によるストラップの回転を排除するために、その第1の端部が装置の壁(例えば、周囲の壁898)に接続され、その第2の端部が回転可能な要素812と摩擦するようにしてもよい。
【0112】
液体移送プロセスの完了後に、使用済みの絞り出し可能バッグ402をストラップ862および863から解放し、液体移送の新たなセッションに備えてストラップを初期位置に戻すためのストラップの逆回転は、モータ522を逆方向に作動させることによって行うことができる。開示された発明のいくつかの実施形態では、モータ522(およびその結果としての伝動管512)の回転は、付勢力に抗して第1の方向に行うことができ、例えば、その第1の端部で装置の停留点におよびモータ回転軸522sで回転する点にその第2の端部で接続されたスパイラルスプリング(図に示されていない)の力に抗して行うことができる。これにより、液体移送プロセスの完了時にモータ522への電力がオフにされると、ストラップ562および563の初期位置への逆回転が、ばねの力によって自動化される。
【0113】
図5Jは、開示された発明の第2の広範な態様のさらに別の好ましい実施形態による、供給容器401(この図の説明で言及された、図面に含まれていない注釈は、
図5または他の図でこれらの注釈によって注釈された項目に関連しており、実施形態に含まれ、それらが現れて説明された実施形態と同様の方法でユーザによって扱われることができる)から、哺乳用器具311に液体を移すための電気的収縮装置580の上部を示す。
【0114】
装置580は、概して、装置580のストラップ862および863が、その回転機能およびその端部の横方向の動きの両方において、特にユーザによる手動操作のために構成されている点で、装置550と異なる(一方、装置550は、電気モータによる操作に適していると考えられる構成を採用している)。回転可能な要素812の回転、ひいてはストラップ862および863の回転は、例えば回転可能なハンドル534を介して、または例えばラチェットハンドル546を介して、ユーザの手によって駆動されてもよく、それによってユーザはシャフトレバー533および543をそれぞれ制御してもよい。前記ハンドルの各々は、装置580の異なる変形例を表している。装置580の第1の変形例では、ラチェットハンドル546は存在せず、ハンドル534は、ミラーリング構成で装置の対向する横方向の両端に存在する。装置の第2の変形例では、ラチェットハンドル546およびそのシャフトレバー533は存在せず、シャフトレバー543はミラーリング構成で装置の対向する両横端に存在し、ラチェットハンドル546はそれらの間を橋渡しし、それによって装置の両横端におけるシャフトレバーの同時協調操作を可能にする。方向セレクタを有するラチェット機構537は、シャフトの端部531とシャフトの部分531rとの間で、シャフト部分の内部に介在しており、ユーザが装置の動作のすべての段階ごとにラチェットによって可能となる回転方向を選択できるようになっている。ラチェットハンドル546は、レバーの自由端の近くに位置する適切な開口部を介して、レバー543を自由に通過し、したがって、ユーザがシャフト531を横方向に、互いに離れて引っ張ることを可能にしている。ディスク547は、ラチェットレバー546がレバー543から滑り落ちないように保証する。
【0115】
ストラップの反対側の端部にある回転可能な要素812を互いに向かって、または互いに遠ざける水平方向の動きは、装置の周囲の壁898の反対側の端部に位置する管状の開口部530を介して、装置の両側のシャフト531を一緒に押したり、引き離したりすることによって達成され得る。両シャフトの横方向の動きは、装置の動作段階に応じて、双方向矢印599によって示される方向のいずれかである。図示された位置では、シャフト531が最も接近しており、したがって、ストラップは、
図5Gによって図示されたように、そのアーチ状の状態にある。
【0116】
管状の開口部530は、シャフトの領域531sにおいて、それぞれのシャフトの断面と一致するように、図面の表面に垂直な垂直面において非円形の断面、例えば正方形の断面を有している。絞り出し可能バッグ402を充填し、乳児用フォーミュラを調製する際に、シャフト531を図示の位置に維持するために、バネ付きボールベアリング531bを設けてもよい。ストラップ862および863は、管状開口部530の断面設計とシャフトの領域531sにおけるシャフト531の断面との間の相互の一致により、シャフトの図示された位置では回転することができず、それらのアーチングに起因してそれらの間に形成される開口部は、(装置の上部開口部を介して二重構造体を受け入れるために)水平に整列される。
【0117】
シャフト531のそれぞれの外向きの端部は、管状の開口部内部の直径よりも大きい円形の断面であってもよく、このようにして、シャフトは、図示されているよりも接近しないように止められる。
【0118】
各シャフト531は、それぞれの筒状の開口部530の内端からシャフト上に位置する領域531rをさらに備えている。シャフトの領域531rは、図面の平面に垂直な円形の断面であり、シャフトの領域531rが管状の開口部530の内側にかかる動作の段階で、軸597を中心としたシャフト531の回転を可能にするように、開口部530の断面の寸法と一致した直径を有する。この動作段階は、絞り出し可能バッグの内部での乳児用フォーミュラの調製が完了した後、ユーザが装置580の両横端でシャフト531を外向きに引っ張った時点で発生する。
【0119】
回転可能な要素812の線形運動は、装置550について上述したように、軸597に沿ったディスク状のフランジ512fの横方向の位置に応じて軸504を中心に回動させることにより、また、制限部材503のレバー端部503hと相互に作用することにより、制限部材503の位置を操作するものである。
【0120】
図5K~
図5Lは、開示された発明の第2の広範な態様の別の好ましい実施形態による、供給容器401から哺乳用器具311に液体を移すための手動操作の収縮装置270の図である。図示された実施形態は、その本体が透明な材料(
図5および5Aに示された実施形態と同様)で作られているように図示されており、したがって、本体の後ろ向きの部分およびそれによって支持されたいくつかの可動部材が、本体の前向きの壁を通して見えることに注目されたい。
【0121】
図5によって示される装置上での二重構造体400の懸架と同様に、絞り出し可能バッグ402と膨張可能な哺乳用容器312とからなる二重構造体400をペグ499に懸架することができる。絞り出し可能バッグ402は、その上端に、バッグ402をペグ499に吊り下げるためのペグの挿入にそれぞれ適合した穴401t(または、ストリップの自由端にループまたは穴を有する特別なストリップ)を備えており、これにより、その開いた上面451を介して水および乳児用フォーミュラをバッグに導入することが容易になる。
【0122】
手動操作装置270は、二重構造体400を吊り下げるための空間486を間に形成する周囲の壁488a~488dを有する本体487を備える。空間486は、本体487の上壁487tに形成された開口部487oを介して、または、周囲の壁488aおよび488bのうちの1つまたは2つに形成されたアクセス凹部488rを介して、アクセス可能である。周囲の壁は、その下端で、空間486を下から閉じるためのベース壁で終わっていてもよい(ただし、図示の実施形態では、そうではない)。その4つから2つの対向する壁488c、488dは、それぞれ5本の溝を備える。前記各対向壁に設けられた5本の溝のうち、上側の溝485uと下側の溝485lの2本は、一対の相互に組み合うプレート481L、481Rを支持して横方向に移動可能にする軌道として機能する。相互に組み合うプレート481Lおよび481Rは、クランプロッド474aおよび474bを(490rの機能と同様に)一緒にロックするために機能する一方で、ユーザが、
図5Aの実施形態のてこ棒459を回転させるのと同様に、てこ棒469を回転させることによって、それらを一緒に回転させることができるようになっている。
【0123】
相互に組み合うプレート481Lおよび481Rは、係合突起、例えば組み合うプレートのそれぞれの角部領域に形成された突起477を介して、スライド可能に結合された溝485uおよび485lに沿って横方向にスライド可能である。
【0124】
クランプロッド474a、474b、は、前記対向壁にそれぞれ設けられた5つの溝のうち、3番目の溝を横方向に移動可能である。第3の溝475(前記上側の溝485uの次に位置する)は、クランプロッド474a、474bのための貫通溝であり、それらの横方向の動きを可能にするように構成されており、その中央領域に円形の拡がり475bを有しており、一旦溝の中央に持ってきて、相互に組み合うプレート481L、481Rによって(その間にクランプされた絞り出し可能バッグ402の上部で)相互に組み合わせ、それらがスムーズに回転するように構成されている。相互に組み合うプレート481Lおよび481Rのそれぞれは、クランプロッド474aおよび474bのそれぞれの1つを受け入れるように構成された半円形のくぼみを含んでおり、一緒に組み合うと、ミラーリングする半円形のくぼみが一緒に円形の広がり475Bに対応する円形の開口部を形成するようになっており、これにより、相互に組み合うプレート481Lおよび481Rを介して、組み合うクランプロッド474aおよび474bの円滑な回転が可能になるようになっている。
【0125】
図示された装置270は、二重構造体400の膨張可能な容器を膨張させるために回転させたときに、絞り出し可能バッグ402の膨張した部分が上昇してクランプロッド474a、474bに到達することを無効にすることを目的とした一対の制限ロッド471a、471bを備えることにより、
図5Aの装置250とは主に異なる。
【0126】
制限ロッド471aおよび471b(本明細書では制限要素とも呼ばれる)は、前記対向壁のそれぞれに形成された5つの溝のうち、第4(483a)および第5(483b)を介して、それぞれ移動可能である。制限用の溝、すなわち貫通溝483aおよび483bは、それぞれ、それぞれの制限ロッドの横方向の動きを可能にするように構成された水平溝セグメントと、クランプロッド474aおよび474bの回転軸に最も近い領域にその横方向の動きによって一旦ブラブラすると、それぞれの制限ロッドの垂直方向の動きを可能にするように構成された垂直溝セグメントとを有するL字状の輪郭を有する。L字型溝のそれぞれの垂直セグメントは、制限ロッドがクランプロッドの回転軸に最も近いL字型溝の横方向セグメントの端部に一旦もたらされると、制限ロッドがL字型溝の垂直セグメントを移動できる(好ましい実施形態では、少なくとも最初の数ミリメートルは自由に落下できる)ように、溝のそれぞれの横方向セグメントのそれぞれの端部から下向きに延びる。制限ロッドは、制限ロッドの横方向の動きが、相互に組み合うプレート481Lおよび481Rのそれぞれの1つの同時横方向の動きに対応するように、それぞれの垂直溝481g内で、相互に組み合うプレート481Lおよび481Rに捕捉される。同様に、クランプロッド474a、474bのそれぞれは、クランプロッドの横方向の動きが、相互に組み合うプレート481L、481Rのそれぞれの横方向の動きにも対応し、かつ同時となるように、半円状のホイール部材(図示せず)を介して、相互に組み合うプレート481L、481Rのそれぞれの半円状のくぼみに捕捉されてもよい。横方向の動きによって一緒になると、相互に組み合うプレート481Lおよび481Rのそれぞれの半円形ホイール部材は、相互に解放可能な連結手段によってスナップ接続されて、半円形のくぼみによって形成される円形の開口部内で回転するように構成された回転可能なホイールを形成し、それによって、
図5Aの実施形態における転がりと同様に、ロッドの周りで絞り出し可能バッグを転がすために、てこ棒を使用してクランプロッド474aおよび474bの回転を可能にすることができる。
【0127】
様々な好ましい実施形態において、垂直溝481gは、相互に組み合うプレート481Lおよび481Rからそれぞれ外向きに突出する柔軟な垂直突出部481pを介して延びており、制限ロッドとぴったりと嵌合する。制限ロッドが手動で(両端のノブ481kを使用して)それぞれの垂直溝の下端に押し込まれると、膨張装置の膨張動作モードの間、制限ロッドは不動のままとなり、それによって、絞り出し可能バッグの膨張部分が制限ロッドを超えて上昇するのを防ぐことができるようになっている。
【0128】
二重構造体400が垂直ペグ499から吊り下げられ、フォーミュラを充填して確定した後、クランプロッド474aおよび474bを一緒にすると、絞り可能な供給バッグ402の上端が、それらの共通回転軸に沿った領域でクランプロッドの間にクランプされる。開示された発明の様々な実施形態において、クランプロッドはそれぞれ、その長手方向の軸に対して横方向に星のような断面デザインを有してもよい。クランプロッド474aおよび474bは、次に、ユーザによって回転させることができ、それによって、絞り出し可能バッグ402を転がし、その体積を減らすことができる。装置の動作の残りの部分は、装置250に関連する動作説明を読んで理解することができる。
【0129】
図6A~
図6Cは、膨らませる前の膨張可能な容器312が示されている哺乳用器具311の液体受容口600を示している(ここでは、哺乳用器具の一部分312のみが
図6Cに示されており、全体図は
図3を参照)。膨張可能な容器312は、本明細書で開示されている発明の様々な実施形態による二重構造体の膨張可能な部分を構成する。液体受容口600は、円筒状の壁601cと、膨張可能な容器を構成する柔軟な膨張可能なスリーブ312の下端に挿入される周縁601eを有するプラグ601と、を備える。
図6Cでは、プラグは、スリーブ312の内側で、圧力リング315rがスリーブ312の端部を円筒壁601cに形成されたリング凹部601rに押し込んでいる状態(
図6Aに示された状態とは上下逆になっており、
図3に示された充填装置における向きに対応している)である。このようにして、スリーブは、装置の使用中にユーザが及ぼし得る意図しない力に対応して、液体受容口600に取外し不能に固定される。圧力リング315rの外周と一致する円形の開口部を有する半剛性のプロテクタ315は、円形の開口部に面するプロテクタの縁部を、圧力リングの一致する周方向の溝に挿入することによって、圧力リングにスナップされる。液体受容口600は、スリーブ312からポート600の外への逆流を防止しつつ、絞り出し可能バッグ302から膨張可能なスリーブ312への加圧された液体の導入を可能にする一方向性バルブから構成されている。一方向性バルブは、リム601eから数mm(例えば3~12mm)離れた円筒壁601cに形成された少なくとも1つの開口部602を備える。エンドリム601eの下の円筒壁601cには、柔軟なリングバンド603が取り付けられている。バンド603は、開口602が形成されている円筒壁601cとリングバンド603との間の圧力により、開口602を液体の通過から正常に封止するために、円筒壁601cにぴったりと適合するように寸法設定されている。
【0130】
膨張可能なスリーブ312の内部の液体の圧力は、リングバンド603の円筒壁601cへの押し付けを強め、それによって開口部602の密閉性を高め、液体受容口600を介した膨張可能な容器からの液体の漏れを防止する。これに対して、膨張可能なスリーブ312の内部の圧力よりも高い圧力の液体が、その中空の首部601hを介して液体受容口600に押し込まれると、加圧された液体は、開口部602を介してリングバンド603を円筒壁601cから遠ざけるように押し、それによって、加圧された液体が、リングバンド603と円筒壁601cとの間に、前記液体の圧力下で生じた一時的な隙間を通って、膨張可能なスリーブ312に入ることができる。このように、充填装置が、バッグ内に収容された液体の量で収縮する圧力内の可撓性バッグ302を絞っている間は、バッグ302から膨張可能な容器312内に液体が流入する。一旦流入が止まると(バッグ302から絞り圧力が除去されるため、または、例えば、その収容された液体がすべて膨張可能な容器312に移されたときに起こり得る)、膨張可能な容器312からの逆流は、リングバンド603が膨張可能な容器内の液体の圧力下で開口部602を再封止することによって防止される。液体受容口600は、可撓性バッグ302の出口ポートを構成する接続部材305との接続を容易にするためのフランジ部601fを含んでいてもよい。フランジ部601fは、接続部材305に形成された相互のねじ切りに合致するねじ切りで構成されていてもよい。様々な実施形態において、接続部材305と液体受容口600との間の接続は、相互に係合する部分回転部品(すなわち、それぞれの部分回転時に係合して固定される部品)の有無にかかわらず、摩擦嵌めによって行われる。
【0131】
図7Aは、本明細書で開示されている発明の様々な実施形態による二重構造体の膨張可能な容器部分を構成する哺乳用器具の液体受容口700aの別の実施形態の3つの部材を分解縦断面図で示している。この3つの部材は、可撓性のあるバルブ膜710、管状膜保持部材701i、およびポート本体720である。一緒に取り付けられると、バルブ膜710は、ベース壁720b(
図7Dに注釈)の外面である平坦なベース面710b上に展開され、膨張可能な容器311(ここでは図示せず)の方を向いている。本明細書で開示されている発明の様々な実施形態において、膜は、シリコンゴムから形成されており、管状膜保持部材701iの管状壁701の下端によってベース面に固定されている。複数の、例えば4つの、尖った突起701pが、管状壁701の下端を越えて下方に突出している。尖った突起は、ベース面710bと、保持部材701iとの間で膜をよりよく把持するために、膜710の両端付近のそれぞれの、例えば4つの点で膜に圧入する。液体入口開口720aは、ベース壁720bを貫通して形成され、バルブ膜710によって膨張可能な容器の方向から密閉されている。
【0132】
保持部材701iの筒状壁701の下端には、一対の半円状の凹部701rが形成されており、これにより、凹部の領域でバルブ膜710がバルブの基端面710bから離間することが可能となっている。凹部は、共通の直径線の反対側の端部に形成されている(すなわち、管状壁710の円周上で互いに180度の間隔を置いている)。管状部材701iは、管状部材701iがポート本体720に固定される相互の突出部および開口部のスナップ接続701s~720sに起因して、ポート本体720上に所定の取り付け位置を有する。位置にあるとき、半円形の凹部701rは、ベース面710bのすぐ上にある円筒形の壁720cを通って形成された開口部720oと整列している。開口部720oは、半円状の凹部701rを介して、膨張可能な容器312(
図6C参照)と管状部材701iの内部との間で液体の連通を可能にする。膨張可能な容器312は、
図6A~6Cによって図示された実施形態における膨張可能な容器312と円筒壁601cとの間の取り付けと同様の方法で、ポート本体720の円筒壁720cに不動に取り付けられてもよい。リング凹部720r(リング凹部601rに類似)は、一致するプレスリング(プレスリング315rに類似)による接続を可能にし、滑り止めの取り付けのための隆起721をさらに含んでいる。このように、膨張可能な容器内の圧力が、液体受容口の中空空間720h内の圧力よりも大きい場合、その圧力は、開口部720oおよびバルブ膜710の上の半円状の凹部701rを介して伝達され、それによって、
図7Dの膜位置で例示されるように、ベース面710bに圧力を与え、開口部720aを封止することができる。
【0133】
反対に、中空空間720h内の圧力が膨張可能な容器内の液体の圧力よりも大きい場合(例えば、充填装置が膨張可能な容器312内にその液体を送出するために可撓性バッグ302を圧迫することに起因する)、その圧力は、バルブ開口部720aを介してバルブ膜710の底部に伝達され、それによって、
図7Eに例示されるように、膜が変形する。7E(
図7Dおよび7Eでは、バルブ膜710は、認識を容易にするために「xxxxx」パターンでマークされている)では、液体が、凹んだ半円領域701rにおけるベース面710bと膜710の底部との間を通って、開口部720oを介して膨張可能な容器312内に逃れることができる。
【0134】
中空空間720h内の圧力が膨張可能な容器内の液体の圧力よりも小さくなると、バルブ膜710は再びバルブ基面710bに向かって押し付けられるようになり、膨張可能な容器からの逆流を回避することができる。
【0135】
図7A~7Eに示された液体受容口の利点は、開口部720aおよび開口部の上方からのバルブ膜710が注射針によって接近および貫通可能であるため、注射器によって膨張可能な容器から液体を引き出すことができることである。さらに、膨張可能な容器は使い捨てであるため、針のない注射器であっても、膨張可能な容器から液体を引き出すことが可能である。針のない注射器は、意図的にポート本体720に結合して、強制的にバルブ膜の位置をずらし(破れたり、修復不可能な損傷を与えたりしてもよい)、円筒壁720cの中空720hを通して開口部720aに挿入された注射器の先端で押してもよい。
【0136】
フランジ720fは、リング凹部720rをその底部から区切り、横方向の突出部722とフランジ720fとの間に、相互接続手段305を有する可撓性バッグ302の液体出口ポートを接続するための接続領域を、例えば、部分回転接続法によって規定する。あるいは、可撓性バッグの出口ポートと膨張可能な容器311の液体受容口700aとの間に摩擦接続を設けてもよい。他の様々な実施形態では、接続を行うために、関連するポートの間に相互のねじ切りが設けられる。設計上の問題として、ねじ切りは、円筒壁720cの内側面(中空720hに面している)に設けられているか、または円筒壁720cの外側面(例えば、横方向の突出部722が存在しない実施形態において)に設けられているかのいずれかである。