(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法及び装置、コンピュータ装置、並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5372 20140101AFI20240910BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240910BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240910BHJP
【FI】
A63F13/5372
G06F3/01 510
A63F13/533
(21)【出願番号】P 2022563112
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2021125019
(87)【国際公開番号】W WO2023010690
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】202110888291.2
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リー,レンジエ
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109107153(CN,A)
【文献】特表2016-525909(JP,A)
【文献】特表2018-514041(JP,A)
【文献】特表2018-518997(JP,A)
【文献】特許第6703155(JP,B1)
【文献】特開2017-099845(JP,A)
【文献】シロディールのパフォーマンスアップデート&予定されている範囲攻撃のテスト,DMM GAMES [online],2020年08月03日,[2024年7月29日検索], インターネット <URL:https://eso.dmm.com/news/detail/7018>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置が実行する、仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法であって、
第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示するステップであって、前記スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである、ステップと、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示するステップであって、前記範囲型スキルインジケータは、前記範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、前記発動範囲は、前記第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、前記ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する、ステップと、
前記ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するステップと、を含
み、
前記範囲型スキルの冷却時間は、前記発動範囲の面積に基づいて決定される、
ことを特徴とする、
制御方法。
【請求項2】
前記ドラッグコントローラは、ホイール領域とスティック部とを含むホイールコントローラを含み、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示する前記ステップは、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に前記範囲型スキルインジケータを表示するとともに、前記スキルコントローラを前記ホイールコントローラとして表示するステップを含み、
前記ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する前記ステップは、
前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するステップを含む、ことを特徴とする、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する前記ステップは、
前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記スティック部のマッピング位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得するステップと、
前記更新された第2の境界点に基づいて、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するステップと、を含む、ことを特徴とする、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記ドラッグコントローラは、ドラッグボタンを含み、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示する前記ステップは、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に前記範囲型スキルインジケータを表示するとともに、前記範囲型スキルインジケータの前記第2の境界点に前記ドラッグボタンを表示するステップを含み、
前記ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する前記ステップは、
前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するステップを含む、ことを特徴とする、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する前記ステップは、
前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記ドラッグボタンの位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得するステップと、
前記更新された第2の境界点に基づいて、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するステップと、を含む、ことを特徴とする、
請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記範囲型スキルインジケータは、矩形形状をなすスキルインジケータであり、前記第1の境界点は、前記矩形形状の第1の対角点であり、前記第2の境界点は、前記矩形形状の第2の対角点であり、
前記更新された第2の境界点に基づいて、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する前記ステップは、
前記第1の対角点及び前記更新された第2の対角点を矩形形状の2つの対角点として、更新された矩形形状を決定するステップと、
前記範囲型スキルインジケータの指示する前記発動範囲を前記更新された矩形状態に変更するステップと、を含む、ことを特徴とする、
請求項3または請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
前記ドラッグ操作が終了したことに応答して、前記発動範囲に基づいて前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を決定するステップと、
前記今回のスキル発効範囲内で前記範囲型スキルを発動させるステップと、をさらに含む、ことを特徴とする、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記範囲型スキルは、複数の候補のスキル発効範囲を含み、
前記ドラッグ操作が終了したことに応答して、前記発動範囲に基づいて前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を決定する前記ステップは、
前記ドラッグ操作が終了したことに応答して、前記複数の候補のスキル発効範囲から前記発動範囲の重なり面積比が最も高いスキル発効範囲を選択して、前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定するステップ、または、
前記ドラッグ操作が終了したことに応答して、前記複数の候補のスキル発効範囲から前記発動範囲の最も小さい外接スキル発効範囲を選択して、前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定するステップを含む、ことを特徴とする、
請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記今回のスキル発効範囲内で前記範囲型スキルを発動させる前記ステップは、
発効面積割合に基づいて前記範囲型スキルの単位面積発効数値を決定するステップであって、前記発効面積割合は、前記範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する前記今回のスキル発効範囲の面積の割合である、ステップと、
前記今回のスキル発効範囲内で前記単位面積発効数値に対応する前記範囲型スキルを発動させるステップと、を含むか、または、
発効面積割合に基づいて前記範囲型スキルの総発効数値を決定するステップであって、前記発効面積割合は、前記範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する前記今回のスキル発効範囲の面積の割合である、ステップと、
前記今回のスキル発効範囲内で前記総発効数値に対応する前記範囲型スキルを発動させるステップと、を含む、ことを特徴とする、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記範囲型スキルは、複数の候補境界点を含み、
前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記スティック部のマッピング位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得する前記ステップは、
前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記スティック部のマッピング位置に基づいて、前記複数の候補境界点から更新された第2の境界点を決定するステップを含む、ことを特徴とする、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項11】
前記範囲型スキルは、複数の候補境界点を含み、
前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記ドラッグボタンの位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得する前記ステップは、
前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記ドラッグボタンの位置に基づいて前記複数の候補境界点から更新された第2の境界点を決定するステップを含む、ことを特徴とする、
請求項5に記載の制御方法。
【請求項12】
前記ドラッグ操作が終了したことに応答して、前記発動範囲と同じものである今回のスキル発効範囲内で前記範囲型スキルを発動させるステップをさらに含む、ことを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
発効面積割合に基づいて前記範囲型スキルの冷却時間を決定するステップであって、前記発効面積割合は、前記範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する今回のスキル発効範囲の面積の割合である、ステップと、
前記ドラッグ操作が終了したことに応答して、前記ホイールコントローラを冷却状態にある前記スキルコントローラに切り替えて表示するステップと、
冷却状態にある前記スキルコントローラの表示持続時間が前記冷却時間に達すると、使用可能状態にある前記スキルコントローラを表示するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする、
請求項2又は3に記載の制御方法。
【請求項14】
第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示するための表示モジュールであって、前記スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである、表示モジュールと、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示するためのインタラクションモジュールであって、前記範囲型スキルインジケータは、前記範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、前記発動範囲は、前記第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、前記ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する、インタラクションモジュールと、
前記ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するための変更モジュールと、を含
み、
前記範囲型スキルの冷却時間は、前記発動範囲の面積に基づいて決定されることを特徴とする、
仮想キャラクタによるスキル発動の制御装置。
【請求項15】
前記ドラッグコントローラは、ホイール領域とスティック部とを含むホイールコントローラを含み、
前記インタラクションモジュールは、前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に前記範囲型スキルインジケータを表示するとともに、前記スキルコントローラを前記ホイールコントローラとして表示し、
前記変更モジュールは、前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする、
請求項14に記載の
制御装置。
【請求項16】
前記変更モジュールは、
前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記スティック部のマッピング位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得し、
前記更新された第2の境界点に基づいて、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする、
請求項15に記載の
制御装置。
【請求項17】
前記ドラッグコントローラは、ドラッグボタンを含み、
前記インタラクションモジュールは、前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に前記範囲型スキルインジケータを表示するとともに、前記範囲型スキルインジケータの前記第2の境界点に前記ドラッグボタンを表示し、
前記変更モジュールは、前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする、
請求項14に記載の
制御装置。
【請求項18】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ装置であって、
前記メモリには、少なくとも1つのプログラムが記憶されており、
前記少なくとも1つのプログラムは、前記プロセッサによってロードされ実行されることにより、請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の制御方法を実現する、ことを特徴とする、
コンピュータ装置。
【請求項19】
コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されるコンピュータコマンドを含み、
コンピュータ装置のプロセッサが前記コンピュータ読取可能な記憶媒体からコンピュータコマンドを読み取って実行することにより、請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の制御方法を実現する、
ことを特徴とする
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、2021年08月03日に提出された出願番号が202110888291.2であり、発明名称が「仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法、装置、機器及び記憶媒体」である中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
(技術分野)
本願は、ヒューマンマシンインタラクションのサポートの分野に関し、特に、仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法、装置、機器、媒体及びプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
対戦ゲームは、複数のユーザアカウントが同一のシーンで競技を行うゲームである。さらに、対戦ゲームは、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(Multiplayer Online Battle Arena、MOBA)ゲームであってもよい。
【0003】
1種の典型的なMOBAゲームにおいて、プレイヤーは、範囲型スキルを発動させて所定の範囲における少なくとも1つの敵方仮想キャラクタを攻撃するように、仮想キャラクタを制御することができる。クライアントは、仮想環境に位置する仮想キャラクタ及びスキルボタンを表示する。ユーザがスキルボタンをクリックすると、クライアントは、仮想環境における地面に範囲型スキルインジケータを表示し、当該範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものである。ユーザは、スキルボタンをドラッグすることにより、当該発動範囲の方向、位置、及び距離を制御する。
【0004】
上記の方法では、敵方仮想キャラクタの数が一定ではなく、位置が分散している場合、スキルの発動範囲が一定であるため、端末は、複数回の発動範囲の選択操作を受け付けて、位置が分散している複数の敵方仮想キャラクタに対して複数回でスキルを発動する必要があり、端末による敵方仮想キャラクタへの攻撃に対する処理効率が低すぎる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、敵方仮想キャラクタの位置が分散している場合であっても、敵方仮想キャラクタを効率的に攻撃することができ、端末の処理効率を向上させることができる範囲型の仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法、装置、機器、媒体及びプログラム製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、以下の通りである。
【0007】
本願の一側面によれば、コンピュータ装置が実行する、仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法であって、
第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示するステップであって、スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである、ステップと、
スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示するステップであって、範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、発動範囲は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する、ステップと、
ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するステップと、を含む仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を提供する。
【0008】
本願の他側面によれば、
第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示するための表示モジュールであって、スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである、表示モジュールと、
スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示するためのインタラクションモジュールであって、範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、発動範囲は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する、インタラクションモジュールと、
ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するための変更モジュールと、を含む仮想キャラクタによるスキル発動の制御装置を提供する。
【0009】
本願の他側面によれば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ装置であって、メモリには、少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたはコマンドセットが記憶されており、少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたはコマンドセットは、プロセッサによってロードされ実行されることにより、上記の側面に記載の仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を実現するコンピュータ装置を提供する。
【0010】
本願の他側面によれば、プロセッサによってロードされ実行されることにより、上記の側面に記載の仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を実現する少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたはコマンドセットが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0011】
本開示の実施例の他側面によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されるコンピュータコマンドを含み、コンピュータ装置のプロセッサがコンピュータ読取可能な記憶媒体からコンピュータコマンドを読み取って実行することにより、上記の好適な実施形態が提供する仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を当該コンピュータ装置に実行させる、コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本願の実施例に係る解決手段によれば、以下の有益な効果を達成することができる。
【0013】
ドラッグコントローラに対するドラッグ操作を受け付けることにより、第1の仮想キャラクタの位置及びドラッグコントローラの位置のそれぞれに基づいて発動範囲における2つの境界点を決定し、さらに、ドラッグ操作に応答して発動範囲の形状及び/又は面積を変更することで、1回の操作を受け付けるだけで範囲型スキルインジケータの画定した発動範囲の面積及び/又は形状を変更することができ、位置が分散している複数の敵方仮想キャラクタを攻撃する場合の端末の処理ステップを簡略化させ、端末の処理効率を向上させる、発動範囲をカスタマイズ可能な範囲型スキルの発動形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願の例示的な一実施例によるコンピュータシステムを示すブロック図である。
【
図2】本願の例示的な一実施例による仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。
【
図3】本願の例示的な一実施例による範囲型スキルインジケータが矩形であるインターフェースを示す模式図である。
【
図4】本願の例示的な一実施例による範囲型スキルインジケータが円形であるインターフェースを示す模式図である。
【
図5】本願の例示的な一実施例による範囲型スキルインジケータが六角形であるインターフェースを示す模式図である。
【
図6】本願の例示的な一実施例による仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】本願の例示的な一実施例によるホイールコントローラを示す模式図である。
【
図8】本願の例示的な一実施例によるスキル発効範囲のインターフェースを示す模式図である。
【
図9】本願の例示的な一実施例による今回スキル発効範囲の決定を示す模式図である。
【
図10】本願の例示的な一実施例による仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。
【
図11】本願の例示的な一実施例によるドラッグボタンを利用して仮想キャラクタによるスキルの発動範囲を制御するインターフェースを示す模式図である。
【
図12】本願の例示的な一実施例による仮想キャラクタによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。
【
図13】本願の例示的な一実施例による仮想キャラクタによるスキル発動の制御装置を示すブロック図である。
【
図14】本願の例示的な一実施例によるコンピュータ装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の目的、解決手段及び利点をより明確にするために、図面を参照しながら本願の実施形態をさらに詳細に説明する。
【0016】
まず、本願の実施例に係る名詞について説明する。
【0017】
仮想環境:アプリケーションプログラムが端末で実行される際、表示(または提供)される仮想環境である。当該仮想環境は、実世界に対する模擬環境であってもよいし、半分が模擬で半分が仮想化した3次元環境であってもよいし、完全に仮想化した3次元環境であってもよい。仮想環境は、2次元仮想環境、2.5次元仮想環境、及び3次元仮想環境のうちのいずれか1つであってもよい。さらに、当該仮想環境は、さらに少なくとも2つの仮想キャラクタ同士の仮想環境での対戦にも用いられ、当該仮想環境において少なくとも2つの仮想キャラクタが使用可能な仮想リソースを有することができる。さらに、当該仮想環境は、対称的な左下隅領域及び右上隅領域を含み、2つの敵対陣営に属する仮想キャラクタは、それぞれそのうちの1つの領域を占め、相手領域の奥にある目標建物や拠点、基地、水晶を破壊することを勝利目標とすることができる。
【0018】
仮想オブジェクト:仮想環境における可動オブジェクトを指す。当該可動オブジェクトは、仮想キャラクタ、仮想動物、漫画人物のうちの少なくとも一方であってもよい。さらに、仮想環境が3次元仮想環境である場合、仮想キャラクタは、3次元仮想モデルであってもよく、各仮想キャラクタは、3次元仮想環境において自身の形状及び体積を有し、3次元仮想環境における一部の空間を占める。さらに、仮想キャラクタは、3次元人体骨格技術に基づいて構築された3次元キャラクタとして、異なるスキンを着用することにより異なる外在イメージを実現することができる。幾つかの実施形態では、仮想キャラクタは、2.5次元または2次元モデルによって実現されてもよく、本願の実施例ではこれについて限定しない。
【0019】
マルチプレイヤーオンライン戦術競技:仮想環境において、少なくとも2つの敵対陣営にそれぞれ属する異なる仮想チームは、それぞれのマップ領域を占め、ある勝利条件を目標として競技を行うものである。当該勝利条件は、拠点を占領するかまたは敵対陣営の拠点を破壊すること、敵対陣営の仮想キャラクタを撃ち殺すこと、所定のシーン及び時間内に自身の生存を保証すること、ある資源を強奪すること、所定の時間内に相手の得点を超えることのうちの少なくとも一方を含むが、これらに限定されない。戦術競技は、局単位で行うことができ、各局の戦術競技のマップは同じであってもよく、異なってもよい。各仮想チームは、仮想キャラクタを1つまたは複数含むことができ、例えば1つ、2つ、3つまたは5つを含む。
【0020】
MOBAゲーム:仮想環境において幾つかの拠点を提供し、異なる陣営に属するユーザは、仮想環境において対戦して、拠点を占領するかまたは敵対陣営の拠点を破壊するように仮想キャラクタを制御するゲームである。例えば、MOBAゲームは、ユーザを2つの敵対陣営に分け、ユーザが制御する仮想キャラクタを仮想環境に分散させて互いに競争させることにより、敵方の全ての拠点を破壊または占領することを勝利条件とするものであり得る。MOBAゲームは、局を単位とし、1局のMOBAゲームの持続時間がゲーム開始の時刻から勝利条件を達成した時刻までのものである。
【0021】
ユーザインターフェースUI(User Interface)コントローラ:アプリケーションプログラムのユーザインターフェースにおいて見える任意の可視的なコントローラまたは要素であり、例えば、ピクチャー、入力ボックス、テキストボックス、ボタン、タグなどのコントローラがあり、そのうちの幾つかのUIコントローラは、ユーザによる操作に応答するためのものであり、例えば、スキルコントローラは、スキルを発動させるように主制御仮想キャラクタを制御するものである。ユーザは、スキルコントローラをトリガして、スキルを発動するように、主制御仮想キャラクタを制御する。本願の実施例に係るUIコントローラは、スキルコントローラ、シフトコントローラを含むが、これらに限定されない。
【0022】
図1は、本願の例示的な一実施例によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。当該コンピュータシステム100は、第1の端末110と、サーバ120と、第2の端末130とを含む。
【0023】
第1の端末110には、仮想環境をサポート可能なクライアント111がインストール及び実行され、当該クライアント111は、マルチプレイヤーオンライン対戦プログラムであってもよい。第1の端末がクライアント111を実行する場合、第1の端末110のスクリーンにクライアント111のユーザインターフェースを表示する。当該クライアント111は、軍事シミュレーションプログラム、バトルロイヤルシューティングゲーム、仮想現実(Virtual Reality、VR)アプリケーションプログラム、拡張現実(Augmented Reality、AR)プログラム、3次元マッププログラム、仮想現実ゲーム、拡張現実ゲーム、ファーストパーソンシューティングゲーム(First-Person Shooting Game、FPS)、サードパーソンシューティングゲーム(Third-Personal Shooting Game、TPS)、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナゲーム(Multiplayer Online Battle Arena Games、MOBA)、シミュレーションゲーム(Simulation Game、SLG)のうちのいずれか1つであってもよい。本実施例では、当該クライアント111がMOBAゲームであることを例として説明する。第1の端末110は、第1のユーザ112が使用する端末であり、第1のユーザ112は、第1の端末110を使用して仮想環境にある第1の仮想キャラクタを動作するように制御し、第1の仮想キャラクタは、第1のユーザ112の主制御仮想キャラクタと呼ぶことができる。第1の仮想キャラクタの動作は、シフト、ジャンプ、転送、スキル発動、体の姿勢の調整、腹這い、歩行、走り、ライド、飛行、運転、ピックアップ、ショット、攻撃、投げのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。例示的には、第1の仮想キャラクタは、例えば模擬人物キャラクタまたは漫画人物キャラクタなどのような第1の仮想キャラクタである。
【0024】
第2の端末130には、仮想環境をサポート可能なクライアント131がインストール及び実行され、当該クライアント131は、マルチプレイヤーオンライン対戦プログラムであってもよい。第2の端末130がクライアント131を実行する場合、第2の端末130のスクリーンにクライアント131のユーザインターフェースを表示する。当該クライアントは、軍事シミュレーションプログラム、バトルロイヤルシューティングゲーム、VRアプリケーションプログラム、ARプログラム、3次元マッププログラム、仮想現実ゲーム、拡張現実ゲーム、FPS、TPS、MOBA、SLGのうちのいずれか1つであってもよく、本実施例では、当該クライアントがMOBAゲームであることを例として説明する。第2の端末130は、第2のユーザ113が使用する端末であり、第2のユーザ113は、第2の端末130を使用して仮想環境にある第2の仮想キャラクタを動作するように制御し、第2の仮想キャラクタは、第2のユーザ113の主制御仮想キャラクタと呼ぶことができる。例示的には、第2の仮想キャラクタは、例えば模擬人物キャラクタまたは漫画人物キャラクタなどのような第2の仮想キャラクタである。
【0025】
さらに、第1の仮想キャラクタ及び第2の仮想キャラクタは、同一の仮想環境に位置してもよい。さらに、第1の仮想キャラクタ及び第2の仮想キャラクタは、同一の陣営や同一のチーム、同一の組織に属したり、フレンド関係または一時的な通信権限を有したりしてもよい。さらに、第1の仮想キャラクタ及び第2の仮想キャラクタは、異なる陣営や異なるチーム、異なる組織に属したり、敵対的関係を有したりしてもよい。
【0026】
さらに、第1の端末110及び第2の端末130にインストールされるクライアントは、同じものであってもよく、または、2つの端末にインストールされるクライアントは、異なるオペレーティングシステムフラットフォーム(AndroidまたはIOS)における同じタイプのクライアントであってもよい。第1の端末110は、複数の端末のうちの1つを広く一般的に指し、第2の端末130は、複数の端末のうちの別の1つを広く一般的に指すことができるが、本実施例では、第1の端末110及び第2の端末130のみを例として説明する。第1の端末110及び第2の端末130の機種は同じであってもよく異なってもよく、その機種として、スマートフォン、タブレット、電子書籍リーダー、MP3プレイヤー、MP4プレイヤー、ラップトップ型携帯コンピュータ、及び卓上型コンピュータのうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
図1に2つの端末のみを示しているが、異なる実施例では、サーバ120にアクセス可能な複数の他の端末140が存在している。さらに、開発者に対応する1つまたは複数の端末140がさらに存在しており、端末140に仮想環境をサポート可能なクライアントの開発及び編集を行うプラットフォームがインストールされ、開発者は、端末140においてクライアントに対して編集及び更新を行い、かつ更新されたクライアントパックを有線や無線ネットワークを介してサーバ120に伝送することができ、第1の端末110及び第2の端末130は、サーバ120からクライアントパックをダウンロードしてクライアントの更新を実現することができる。
【0028】
第1の端末110、第2の端末130及び他の端末140は、無線ネットワークや有線ネットワークを介してサーバ120に接続されている。
【0029】
サーバ120は、1台のサーバ、複数台のサーバ、クラウドコンピューティングプラットフォーム、及び仮想化センターのうちの少なくとも一方を含む。サーバ120は、3次元仮想環境をサポート可能なクライアントに対してバックグラウンドサービスを提供する。さらに、サーバ120が主要な計算を負担し、端末が副次的な計算を負担するようにしてもよく、あるいは、サーバ120が副次的な計算を負担し、端末が主要な計算を負担するようにしてもよく、あるいは、サーバ120及び端末が分散型コンピューティングアーキテクチャで協働して算出を行うようにしてもよい。
【0030】
1つの例示的な例では、サーバ120は、プロセッサ122と、ユーザアカウントデータベース123と、対戦サービスモジュール124と、ユーザ向けの入出力インターフェース(Input/Output Interface、I/Oインターフェース)125とを含む。ここで、プロセッサ122は、サーバ120に記憶されるコマンドをロードし、ユーザアカウントデータベース123及び対戦サービスモジュール124におけるデータを処理する。ユーザアカウントデータベース123は、第1の端末110、第2の端末130及び他の端末140が使用するユーザアカウントのデータ、例えばユーザアカウントのアバター、ユーザアカウントのニックネーム、ユーザアカウントの戦闘力指数、ユーザアカウントの所在するサービスエリアを記憶する。対戦サービスモジュール124は、ユーザが例えば1V1対戦、3V3対戦、5V5対戦などの対戦を行えるように複数の対戦ルームを提供する。ユーザ向けのI/Oインターフェース125は、無線ネットワークや有線ネットワークを介して、第1の端末110及び/又は第2の端末130と通信を確立してデータを交換する。
【0031】
図2は、本願の例示的な一実施例による仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。当該方法は、コンピュータ装置によって実行されてもよく、例えば、
図1に示すシステムにおける端末または端末におけるクライアントによって実行されてもよい。
図2に示すように、当該方法は、以下のようなステップを含む。
【0032】
ステップ202:第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示し、スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである。
【0033】
第1の仮想キャラクタは、ユーザによって制御される仮想キャラクタである。クライアントは、受け付けた第1のユーザによるヒューマンマシンインタラクション操作に基づいて、仮想環境において動作するように第1の仮想キャラクタを制御する。例示的には、当該仮想環境は、3次元仮想環境である。
【0034】
スキルは、第1の仮想キャラクタによって使用または発動され、第1の仮想キャラクタ(その自身及び他の仮想キャラクタを含む)に対して攻撃、減益効果、または利得効果を与える能力である。スキルは、能動的スキルと受動的スキルとを含み、能動的スキルは、仮想キャラクタが能動的に使用または発動するスキルであり、受動的スキルは、受動的条件を満足した時に自動的にトリガされるスキルである。例示的には、本実施例に言及されるスキルは、ユーザが第1の仮想キャラクタを制御して能動的に使用または発動する能動的スキルである。
【0035】
例示的には、スキルは、指向型スキルと範囲型スキルとに分けることもでき、指向型スキルは、スキルの発動過程において発動方向または発動目標を指定する必要があるスキルである。範囲型スキルは、スキルの発動過程において発動範囲を指定する必要があるスキルである。本実施例に言及されるスキルは、一般的に範囲型スキルを指し、即ち、当該範囲型スキルは、第1の仮想キャラクタの発動したスキルの発効範囲が具体的な領域範囲を有するスキルである。
【0036】
例示的には、範囲型スキルの命名について、スキルの発動方式でスキルを分類する。第1の仮想キャラクタによるスキルの使用過程は、発動過程と発効過程とを含む。端末は、発動過程において、ユーザによるスキルの発動操作を受け付け、発効過程において、ユーザによる操作に基づいて、スキルを使用するように仮想キャラクタを制御する。
【0037】
即ち、範囲型スキルは、スキルの発動過程において、ユーザによる操作(トリガ操作)によってスキルの発動範囲を決定する必要があり、範囲型スキルの発効過程において、端末が選択された発動範囲に基づいてスキルを使用するように仮想キャラクタを制御する必要があるものである。
【0038】
1つの好適な実施形態では、範囲型スキルは、ユーザ操作に基づいて発動範囲を選択し、発動範囲に基づいて発効範囲を決定して、発効範囲内においてスキルを発動するスキルである。1つの好適な実施形態では、範囲型スキルは、ユーザ操作に基づいて発動範囲を選択し、発動範囲に基づいてヒット対象を決定して、ヒット対象に対してスキルを発動するスキルである。
【0039】
これに対して、指向型スキルは、ユーザ操作に基づいて発動方向を選択し、発動方向に基づいて発効方向を決定して、発効方向にスキルを発動するスキルである。1つの好適な実施形態では、指向型スキルは、ユーザ操作に基づいて発動方向を選択し、発動方向に基づいてヒット対象を決定して、ヒット対象に対してスキルを発動するスキルである。
【0040】
例示的には、範囲型スキルを発動する場合、ユーザ操作に基づいて、仮想環境においてユーザが現在選択した発動範囲をリアルタイムに表示する。当該発動範囲は、位置、大きさ、形状などの属性を有する。関連技術における方法によれば、ユーザ操作によって発動範囲の位置しか変更することができず、発動範囲の大きさ及び形状は一定である。これに対して、本願の実施例に係る方法によれば、ユーザ操作によって発動範囲の位置、大きさ、形状のうちの少なくとも一方を変更することができる。
【0041】
例示的には、「範囲型スキル」は、「エリア型スキル」、「エリアスキル」、「範囲スキル」、「非指向型スキル」、「範囲性スキル」、「エリア性スキル」、「非指向性スキル」と呼んでもよく、「範囲型スキルインジケータ」は、「エリア型スキルインジケータ」、「エリアスキルインジケータ」、「範囲スキルインジケータ」、「非指向型スキルインジケータ」、「範囲性スキルインジケータ」、「エリア性スキルインジケータ」、「非指向性スキルインジケータ」と呼んでもよい。
【0042】
スキルコントローラは、スキルを発動するように仮想キャラクタを制御するためのコントローラである。スキルコントローラの形態は、ボタンコントローラ及びホイールコントローラのうちの少なくとも一方を含む。
【0043】
例示的には、
図3に示すように、クライアントは、ユーザインターフェース30を表示し、当該ユーザインターフェース30は、仮想環境画面及び少なくとも1つのコントローラを含む。
【0044】
当該仮想環境画面は、第1の仮想キャラクタ31の視角から見た3次元仮想環境の画面である。例えば、3次元仮想環境において第1の仮想キャラクタ31の視角でカメラモデルを設置し、当該カメラモデルによって3次元仮想環境を撮影することにより、仮想環境画面を取得する。当該仮想環境画面は、仮想環境にある第1の仮想キャラクタ31及び第2の仮想キャラクタ32を含む。さらに、第2の仮想キャラクタ32は、敵方仮想キャラクタであってもよい。
【0045】
少なくとも1つのコントローラは、ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display、HUD)層として仮想環境画面に浮遊するように表示され、仮想環境画面の画面内容が変化したとしても、少なくとも1つのコントローラの表示位置が当該画面内容によって影響されることはない。当該少なくとも1つのコントローラは、左側にある移動ホイール33と右側にある複数のスキルコントローラ34とを含む。移動ホイール33は、仮想環境において移動するように第1の仮想キャラクタ31を制御するためのものであり、複数のスキルコントローラ34は、様々なスキルを発動するように第1の仮想キャラクタ31を制御するためのものである。
【0046】
例示的には、複数のスキルコントローラ34は、スキル1~スキル6の6つのスキルボタンと、右下隅の3つの普通攻撃ボタンとを含む。本実施例では、スキル3が範囲型スキルのスキルボタンであるものとする。なお、コンシューマーゲームのシーンでは、スキルコントローラ34は、物理キーまたは物理スティックで実現してもよい。
【0047】
ステップ204:スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示し、範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、発動範囲は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する。
【0048】
トリガ操作は、クライアントが受け付けたスキルボタンに作用するユーザ操作であり、クライアントは、受け付けたユーザ操作に基づいてトリガコマンドを生成する。例示的には、ユーザ操作は、UIコントローラに対する操作、音声操作、動作操作、文字操作、マウス操作、キーボード操作、ゲームスティック操作のうちの少なくとも一方であってもよい。
【0049】
範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものである。さらに、範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動及び発効の前に、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものである。範囲型スキルインジケータは、仮想環境の基準面に表示され、当該基準面は、範囲型スキルを発動する時の平面である。当該基準面が仮想環境の地面であることを例とすると、範囲的スキルインジケータは、仮想環境の地面に表示されるグラフィックインジケータであり、当該グラフィックインジケータは、仮想環境の地面における一部の領域を占め、当該領域は、範囲的スキルの発動範囲を指示するためのものである。
【0050】
本実施例では、発動範囲は、第1の境界点及び第2の境界点を有する密閉領域である。通常、第1の境界点及び第2の境界点は、密閉領域において最も離れている2つの点である。例示的には、当該密閉領域は、正方形、矩形、菱形、円形、楕円形、六角形、十二角形のうちのいずれか1つであり得る。そのうち、第1の境界点は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定され、第2の境界点は、ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される。
【0051】
基準面が地面であることを例とすると、第1の境界点は、地面における第1の仮想キャラクタの立脚点の位置に基づいて決定される。ドラッグコントローラは、ドラッグ操作によって第2の境界点の位置を変更するためのコントローラである。表示位置によって区分すると、ドラッグコントローラは、HUD層または基準面に表示される。ドラッグコントローラがHUD層に表示される場合、第2の境界点は、基準面におけるドラッグコントローラのマッピング位置に基づいて決定され、当該マッピング位置は、HUD層におけるドラッグコントローラの表示位置を基準面にマッピングして得られるものであり、ドラッグコントローラが仮想環境における基準面に表示される場合、第2の境界点は、基準面におけるドラッグコントローラのリアルタイム位置に基づいて決定される。
【0052】
図3を概略的に参照して、ユーザがスキル3のスキルボタンをクリックすると、ユーザインターフェース30にドラッグコントローラ35及び範囲型スキルインジケータ36を追加して表示する。範囲型スキルインジケータ36は、第1の境界点37及び第2の境界点38に基づいて決定される矩形領域である。ここで、第1の境界点37は、第1の仮想キャラクタ31の立脚点であり、第2の境界点38は、仮想環境の地面、即ち、仮想地面におけるドラッグコントローラ35のマッピング位置に基づいて決定される。
【0053】
ステップ206:ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、範囲型スキルインジケータの指示する発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0054】
ドラッグ操作は、ドラッグコントローラをドラッグして移動またはスライドさせる操作である。ドラッグ操作は、ドラッグコントローラがHUD層に表示される場合、ドラッグコントローラをHUD層に移動するようにドラッグし、ドラッグコントローラが基準面に表示される場合、ドラッグコントローラを基準面に移動するようにドラッグする操作である。
【0055】
ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、基準面における第2の境界点の位置を変更し、さらに、第1の境界点及び第2の境界点の制約によって範囲型スキルインジケータの指示する発動範囲の形状及び/又は面積を変更する。
【0056】
発動範囲が矩形であることを例とすると、発動範囲を変更することは、第2の境界点の移動によって矩形の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更することである。
【0057】
以上で説明したように、本実施例による方法は、ドラッグコントローラに対するドラッグ操作を受け付けることにより、第1の仮想キャラクタの位置及びドラッグコントローラの位置のそれぞれに基づいて発動範囲における2つの境界点を決定し、さらに、ドラッグ操作に応答して発動範囲の形状及び/又は面積を変更することで、1回の操作を受け付けるだけで範囲型スキルインジケータの画定した発動範囲の面積及び/又は形状を変更することができ、位置が分散している複数の敵方仮想キャラクタを攻撃する場合の端末の処理ステップを簡略化させ、端末の処理効率範囲型を向上させる発動範囲をカスタマイズ可能な範囲型スキルの発動方式を提供する。
【0058】
本願の実施例では、範囲型スキルインジケータの形状について限定しない。この形状は、第1の境界点及び第2の境界点によって決定できればよい。例示的には、当該範囲型スキルインジケータの形状は、正方形、矩形、菱形、円形、楕円形、六角形、十二角形のうちのいずれか1つであり得る。ここで、第1の境界点は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定され、第2の境界点は、ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される。
【0059】
幾つかの実施例では、範囲型スキルインジケータ36は、
図3に示すように、矩形領域である。例示的には、第1の境界点37を第1の仮想キャラクタ31の立脚点に位置決めし、第2の境界点38を地面におけるドラッグコントローラ35のマッピング位置に位置決めする。第1の境界点37及び第2の境界点38を矩形領域の対角線における2つの頂点として矩形を形成すると、当該矩形は、範囲型スキルインジケータとなる。
【0060】
幾つかの実施例では、範囲型スキルインジケータ36は、
図4に示すように、円形である。例示的には、第1の境界点37を第1の仮想キャラクタ31の立脚点に位置決めし、第2の境界点38を地面におけるドラッグコントローラ35のマッピング位置に位置決めする。第1の境界点37と第2の境界点38との距離を円形の範囲型スキルインジケータの直径の大きさとし、両者の間で両者との距離が等しい位置に円心を位置決めして円形を形成すると、当該円形は、範囲型スキルインジケータとなる。
【0061】
幾つかの実施例では、範囲型スキルインジケータ36は、
図5に示すように、六角形である。例示的には、第1の境界点37を第1の仮想キャラクタ31の立脚点に位置決めし、第2の境界点38を地面におけるドラッグコントローラ35のマッピング位置に位置決めする。第1の境界点37及び第2の境界点38を六角形の領域の対角線における2つの頂点として六角形を形成すると、当該六角形は、範囲型スキルインジケータとなる。
【0062】
表示位置によって区分すると、ドラッグコントローラ35は、少なくとも2種類の実現方式がある。
【0063】
第1種類の場合、ドラッグコントローラ35は、以下の
図6に示す実施例のように、HUD層に表示され、第2種類の場合、ドラッグコントローラ35は、以下の
図10に示す実施例のように、仮想環境の基準面に表示される。
【0064】
第1種類の方式について
【0065】
図6は、本願の例示的な一実施例による仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。当該方法は、コンピュータ装置によって実行されてもよく、例えば、
図1に示すような端末または端末におけるクライアントによって実行されてもよい。
図6に示すように、当該方法は、以下のようなステップを含む。
【0066】
ステップ202:第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示し、スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである。
【0067】
このステップについては、
図2に示すステップ202を参照できるので、ここで説明を省略する。
【0068】
ステップ204a:スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に範囲型スキルインジケータを表示するとともに、スキルコントローラをホイールコントローラに切り替える。ここで、ホイールコントローラは、ホイール領域とスティック部とを含み、範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、発動範囲は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及びドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する。
【0069】
例示的には、トリガ操作は、スキルコントローラをクリックする操作である。初期状態では、スキルコントローラは、スキルボタンの形態として表示される。
【0070】
ユーザがスキルコントローラをクリックすると、仮想環境の基準面に範囲型スキルインジケータを表示する。本実施例では、範囲型スキルインジケータが矩形領域のスキルインジケータであることを例として説明する。同時に、ユーザがスキルコントローラをクリックすると、スキルコントローラをスキルボタンの形態からホイールコントローラに切り替えて表示する。ホイールコントローラの表示過程において、元のスキルボタンの表示をキャンセルするか、または、依然として元の位置に保留して表示する。
【0071】
図7を概略的に参照して、ホイールコントローラは、ホイール領域35aとスティック部35bとを含み、ホイール領域35a及びスティック部35bはいずれも円形であり、かつ、スティック部35bの表示面積がホイール領域35aの表示面積よりも小さい。スティック部35bは、ホイール領域35aの示す円形の範囲内で移動するようにドラッグすることが可能である。ホイール領域35aの円心は、仮想環境の地面における第1の仮想キャラクタ31の立脚点37に対応し、即ち、第1の境界点37に対応する。仮想環境の地面にホイール領域35aに対応する円形範囲35cがあり、ホイール領域35aの半径と円形範囲35cの半径とはマッピング比率kをなしている。当該スティック部35bをホイール領域35a内に移動させた場合、ホイール領域35aの円形に対するスティック部35bの方向角及び距離に基づいて、マッピング比率kで仮想環境の地面に第2の境界点38をマッピングする。
【0072】
図8を概略的に参照して、初期状態では、スキルコントローラ35は、スキルボタンの形態として表示される。ユーザがスキルコントローラ35をクリックすると、仮想環境の基準面にホイールコントローラ35及び範囲型スキルインジケータ36を表示する。ホイールコントローラ35は、ホイール領域35aとスティック部35bとを含む。本実施例では、範囲型スキルインジケータ36が矩形領域のスキルインジケータであることを例として説明し、当該範囲型スキルインジケータ36は、第1の境界点37及び第2の境界点38に基づいて決定される。ホイールコントローラ35の表示過程において、元のスキルボタンである「スキル3」は、依然として元の位置に保留して表示される。
【0073】
ステップ206a:スティック部に対するドラッグ操作に応答して、仮想地面におけるスティック部のマッピング位置に基づいて第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得する。
【0074】
端末に範囲型スキルインジケータ36が表示された後、スティック部35bのドラッグ操作を検出したことに応答して、仮想地面におけるスティック部35bのマッピング位置に基づいて第2の境界点38を決定する。
【0075】
例えば、端末がスティック部35bの左へのスライド操作を検出したことに応答して、端末は、仮想地面におけるスティック部35bのマッピング位置に基づいて、左へのスライド操作に従って左へ移動することにより、第2の境界点38を決定し、第2の境界点38の表示位置を更新する。
【0076】
1つの好適な実施例では、範囲型スキルは、複数の候補境界点を有し、第2の境界点は、複数の候補境界点から選択することしかできない。スティック部に対するドラッグ操作に応答して、基準面におけるスティック部のマッピング位置に基づいて、複数の候補境界点から更新された第2の境界点を決定する。
【0077】
例示的には、マッピング位置に基づいて第2の境界点を決定する方式としては、マッピング位置に最も近い候補境界点を更新された第2の境界点として決定するようにしてもよい。または、マッピング位置の右上に位置する候補境界点であって、マッピング位置に最も近い候補境界点を、更新された第2の境界点として決定するようにしてもよい。または、マッピング位置の左下に位置する候補境界点であって、マッピング位置に最も近い候補境界点を更新された第2の境界点として決定するようにしてもよい。
【0078】
例示的には、各候補境界点は、1つの候補のスキル発効範囲にそれぞれ対応している。対応する候補境界点を第2の境界点として選択した後、この時にドラッグ動作を終了すれば、選択した発動範囲は、当該候補境界点に対応するスキル発効範囲となる。即ち、ドラッグ動作が終了したことに応答して、今回のスキル発効範囲内で範囲型スキルを発動し、今回のスキル発効範囲は、発動範囲と同じものである。
【0079】
ステップ206b:更新された第2の境界点に基づいて、発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0080】
発動範囲は、第1の境界点及び第2の境界点に基づいて決定されるため、第2の境界点が更新された場合、更新された第2の境界点に基づいて発動範囲の形状及び/又は面積を変更する。
【0081】
発動範囲が矩形形状であることを例として、本ステップは、以下の2つのステップを含む。
【0082】
S1:第1の境界点及び更新された第2の境界点を矩形形状の2つの対角点として、更新された矩形形状を決定する。
【0083】
S2:範囲型スキルインジケータの指示する発動範囲を更新された矩形状態に変更する。
【0084】
例示的には、ホイールコントローラのスティック部のドラッグスライド操作に基づいて仮想地面にマッピングされた第2の境界点を決定した後、クライアントは、第1の境界点及び更新された第2の境界点を矩形形状の2つの対角点として、更新された矩形形状の範囲型スキルインジケータを決定する。端末は、更新された矩形に基づいて範囲型スキルインジケータの範囲を変更させて、範囲型スキルの発動範囲を指示する。
【0085】
同様に、第1の境界点は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定されるため、範囲型スキルの発動過程において、ユーザがシフトコントローラを使用して第1の仮想キャラクタの位置を変更すると、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて更新された第1の境界点を決定して、更新された第1の境界点に基づいて発動範囲の形状及び/又は面積を変更する。
【0086】
1つの実現可能な設計において、範囲型スキルの発動過程において、シフトコントローラに対するシフト操作に応答して、第1の仮想キャラクタ及び第1の境界点の位置を同時に変更し、第1の仮想キャラクタの立脚点と第1の境界点の位置とは常に同じものである。別の実現可能な設計において、範囲型スキルの発動過程において、シフトコントローラに対するシフト操作に応答して、第1の仮想キャラクタの立脚点をそのまま保持しつつ、第1の境界点の位置を変更し、この場合、第1の仮想キャラクタの立脚点と第1の境界点の位置とは異なるものとなる。別の実現可能な設計において、範囲型スキルの発動過程において、シフトコントローラに対するシフト操作に応答して、第1の境界点の位置をそのまま保持しつつ、第1の仮想キャラクタの立脚点を変更し、この場合、第1の仮想キャラクタの立脚点と第1の境界点の位置とは異なるものとなる。
【0087】
ステップ208:ドラッグ動作が終了したことに応答して、発動範囲に基づいて範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を決定する。
【0088】
スキル発効範囲は、範囲型スキルが発動された時の発効範囲である。クライアントは、発動範囲に基づいて、範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を自動的に調整する。
【0089】
幾つかの実施例では、発動範囲とスキル発効範囲とは同じものである。端末は、発動範囲をそのままスキル発効範囲として決定する。
【0090】
幾つかの実施例では、発動範囲とスキル発効範囲とは完全に同じではなく、僅かな差異がある。端末は、発動範囲を基準としてスキル発効範囲を決定する。
【0091】
例示的には、範囲型スキルは、複数の候補のスキル発効範囲を含む。
図9を概略的に参照して、仮想環境における地面を基準面とし、第1の仮想キャラクタの位置を中心としてワールド座標系を確立し、かつ、範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲を3メートル単位で複数の正方形領域に分割するが、ここでの3メートルは、例示的なものに過ぎない。この場合、範囲型スキルは、5つの候補の正方形のスキル発効範囲及び複数の候補の矩形のスキル発効範囲を含む。
【0092】
第1のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標は(3,3)であり、ブロックAで構成され、
第2のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(6,6)であり、ブロックA、B、F、Gで構成され、
第3のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(9,9)であり、ブロックA、B、C、F、G、H、K、L、Mで構成され、
第4のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(12,12)であり、
第5のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(15,15)である。第5のスキル発効範囲は、範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲である。
【0093】
複数の候補の矩形のスキル発効範囲は、
ブロックA、及びBを含む第6のスキル発効範囲、
ブロックA、B、及びCを含む第7のスキル発効範囲、
ブロックA、B、C、及びDを含む第8のスキル発効範囲、
ブロックA、B、C、D、及びEを含む第9のスキル発効範囲、
ブロックA、B、C、F、G、及びHを含む第10のスキル発効範囲
を含む。
【0094】
各矩形のスキル発効範囲は、隣接する複数のブロックを含んでおり、以上のように類推できるので、ここでその説明を省略する。
【0095】
1つの実現可能な設計において、複数の候補のスキル発効範囲から発動範囲の最も小さい外接スキル発効範囲を選択して、範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。「最も小さい外接スキル発効範囲」は、発動範囲を含むかまたはカバーする複数の候補のスキル発効範囲のうちの面積が最も小さい1つである。
【0096】
図9を参照して、発動範囲に対応する第2の境界点の座標が(4,4)であると仮定すると、第2の境界点の座標を(6,6)にラウンドアップし、第2のスキル発効範囲を範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。また、例えば、発動範囲に対応する第2の境界点の座標が(2,4)であると仮定すると、第2の境界点の座標を(3,6)にラウンドアップし、ブロックA及びブロックFを範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。
【0097】
別の実現可能な設計において、複数の候補のスキル発効範囲から発動範囲の重なり面積比が最も高いスキル発効範囲を選択して、範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。
【0098】
図9を参照して、発動範囲に対応する第2の境界点の座標が(4,4)であると仮定すると、第1のスキル発効範囲と発動範囲との重なり面積比が9/16=56%であり、第2のスキル発効範囲と発動範囲との重なり面積比が16/36=44%であるため、第1のスキル発効範囲を範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。
【0099】
ステップ210:今回のスキル発効範囲内で範囲型スキルを発動させる。
【0100】
範囲型スキルを発動させると、当該範囲型スキルは、今回のスキル発効範囲内における第2の仮想キャラクタ32に対してスキル発効数値を生成する。当該スキル発効数値は、血量傷害値、血量回復値、魔法傷害値、魔法回復値などであってもよい。
【0101】
例示的には、発効面積割合に基づいて今回のスキル発効範囲内における範囲型スキルの発効数値を決定する。発効面積割合は、今回のスキル発効範囲の面積と範囲型スキルの最も大きいスキル発効面積との割合である。範囲型スキルの最も大きいスキル発効面積は、ユーザによるドラッグ操作によって生成された発動範囲がホイール領域のエッジにある場合、範囲型スキルが効果的に作用を発揮できる最も大きい範囲の面積であり、例えば、
図9における第5のスキル発効範囲である。
【0102】
1つの実現可能な設計において、発効面積割合に基づいて範囲型スキルの単位面積発効数値を決定する。単位面積発効数値は、単位面積当たりのスキル発効数値を指す。
【0103】
例示的には、範囲型スキルの総発効数値が一定であり、発効面積割合が小さいほど単位面積発効数値が大きくなり、発効面積割合が大きいほど単位面積発効数値が小さくなる。このように、敵方仮想キャラクタが少ない場合、より多くの傷害値をもたらすことができる。
【0104】
1つの実現可能な設計において、発効面積割合に基づいて範囲型スキルの総発効数値を決定する。総発効数値は、今回のスキル発効範囲の総面積に生成される発効数値である。
【0105】
例示的には、範囲型スキルの単位面積発効数値は一定であり、発効面積割合が小さいほど総発効数値が小さくなり、発効面積割合が大きいほど総発効数値が大きくなる。このように、総発効数値が小さい場合、第1の仮想キャラクタの魔法消費量を節約することができる。
【0106】
範囲型スキルが場所封鎖効果を有するスキルであることを例として、ユーザ操作に基づいて範囲型スキルを発動させると、今回のスキル発効範囲において封鎖効果を奏して、今回のスキル発効範囲内にある敵方仮想キャラクタが今回のスキル発効範囲から離れることができなくなり、今回のスキル発効範囲内で移動することしかできず、敵方仮想キャラクタに対して効果を持続的に奏する。
【0107】
図8を参照して、範囲型スキルを発動させると、ユーザインターフェース30に今回のスキル発効範囲39が表示され、当該今回のスキル発効範囲39に動画特殊効果が表示される。当該範囲型スキルを発動させるたびに当該動画特殊効果の表示が一致することを保証するために、エンジニアは、動画特殊効果を作成する際、最も大きいスキル発効範囲に応じて当該動画特殊効果を作成することができる。今回のスキル発効範囲39が最も大きいスキル発効範囲よりも小さい場合、マスク層を用いて今回のスキル発効範囲39に属しない動画特殊効果を遮蔽し、今回のスキル発効範囲39に属する動画特殊効果のみを保留して表示する。このような表示方式は、動画特殊効果を伸縮させる必要がないため、異なるスキル発効範囲の場合の動画特殊効果の表示の一致性を保証することができる。
【0108】
以上で説明したように、本実施例による方法は、ドラッグコントローラに対するドラッグ操作を受け付けることにより、第1の仮想キャラクタの位置及びドラッグコントローラの位置のそれぞれに基づいて発動範囲における2つの境界点を決定し、さらに、ドラッグ操作に応答して発動範囲の形状及び/又は面積を変更することで、1回の操作を受け付けるだけで範囲型スキルインジケータの画定した発動範囲の面積及び/又は形状を変更することができ、位置が分散している複数の敵方仮想キャラクタを攻撃する場合の端末の処理ステップを簡略化させ、端末の処理効率範囲型を向上させる発動範囲をカスタマイズ可能な範囲型スキルの発動方式を提供する。
【0109】
本実施例による方法は、さらに、ホイールコントローラのスティック部に対するドラッグ操作を受け付け、スティック部によって選択された位置を仮想環境の基準面にマッピングすることにより、範囲型スキルインジケータの画定した発動範囲の面積及び/又は形状を変更し、ホイールコントローラのスティック部を用いて発動範囲を制御することにより、端末の処理ステップを簡略化させ、端末が敵方仮想キャラクタを狙う過程を効率的に処理することができる。
【0110】
本実施例による方法は、さらに、発効面積割合に基づいて今回のスキル発効範囲内における範囲型スキルの発効数値を決定することにより、敵方仮想キャラクタの数や分布領域範囲に対して範囲型スキルの発動範囲を決定することができ、第1の仮想キャラクタの魔法消費量を節約するとともに敵方仮想キャラクタに対してより多くの傷害値を与えるという目的を達成することができる。
【0111】
第2種類の方式について
【0112】
図10は、本願の例示的な一実施例による仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。当該方法は、コンピュータ装置によって実行されてもよく、例えば、
図1に示すような端末または端末におけるクライアントによって実行されてもよい。
図10に示すように、当該方法は、以下のようなステップを含む。
【0113】
ステップ202:第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示し、スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである。
【0114】
このステップについては、
図2に示すステップ202を参照できるので、ここで説明を省略する。
【0115】
ステップ204b:スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に範囲型スキルインジケータを表示するとともに、範囲型スキルインジケータの第2の境界点にドラッグボタンを表示する。ここで、範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、発動範囲は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有する。
【0116】
例示的には、ドラッグコントローラは、ドラッグボタンを含む。ユーザは、スキルコントローラをトリガして仮想環境画面におけるドラッグボタンを呼び出して、仮想環境画面においてドラッグボタンを移動させることにより、第2の境界点の位置を自ら決定することができる。
【0117】
例示的には、
図11に示すように、ユーザがスキルコントローラにおける「スキル3」をクリックすると、仮想環境画面においてドラッグボタン35を呼び出し、かつユーザインターフェースの仮想環境画面に範囲型スキルインジケータ36及びドラッグボタン35を表示する。ユーザは、ドラッグボタン35を押下することにより仮想環境に表示された画面において移動させることができ、クライアントは、仮想環境の基準面におけるドラッグボタン35の最終位置を第2の境界点として決定する。範囲型スキルインジケータ36は、第1の仮想キャラクタ31が位置する位置を第1の境界点とし、基準面におけるドラッグボタン35の最終位置を第2の境界点として基準面に表示される矩形のものである。例示的には、ドラッグボタンを呼び出した場合、ドラッグボタンを押下して任意に移動させることにより、基準面における対応する第2の境界点の位置を変更し、範囲型スキルインジケータの指示する領域範囲を変更することができる。
【0118】
ステップ206c:ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、基準面におけるドラッグボタンの位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得する。
【0119】
例示的には、端末が範囲型スキルインジケータを表示した後に、仮想環境画面におけるドラッグボタンのドラッグ操作を検出すると、クライアントは、仮想地面におけるドラッグボタンの位置に基づいて第2の境界点を決定する。
【0120】
例えば、端末がスティック部35bの左へのスライド操作を検出したことに応答して、端末は、仮想地面におけるスティック部35bのマッピング位置に基づいて、左へのスライド操作に従って左へ移動することによって第2の境界点38を決定し、第2の境界点38の表示位置を更新する。
【0121】
1つの好適な実施例では、範囲型スキルは、複数の候補境界点を有し、第2の境界点は、複数の候補境界点から選択することしかできない。ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、基準面におけるドラッグボタンの位置に基づいて複数の候補境界点から更新された第2の境界点を決定する。
【0122】
例示的には、基準面におけるドラッグボタンの位置に基づいて第2の境界点を決定する方式として、当該位置に最も近い候補境界点を更新された第2の境界点として決定してもよい。または、当該位置の右上に位置する候補境界点であって、マッピング位置に最も近い候補境界点を更新された第2の境界点として決定してもよい。または、当該位置の左下に位置する候補境界点であって、マッピング位置に最も近い候補境界点を更新された第2の境界点として決定してもよい。
【0123】
例示的には、各候補境界点は、1つの候補のスキル発効範囲にそれぞれ対応している。対応する候補境界点を第2の境界点として選択した後、この時にドラッグ動作を終了すれば、選択した発動範囲は、当該候補境界点に対応するスキル発効範囲となる。即ち、ドラッグ動作が終了したことに応答して、今回のスキル発効範囲内で範囲型スキルを発動し、今回のスキル発効範囲は、発動範囲と同じものである。
【0124】
ステップ206d:更新された第2の境界点に基づいて、発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0125】
発動範囲は、第1の境界点及び第2の境界点に基づいて決定されるため、第2の境界点が更新された場合、更新された第2の境界点に基づいて発動範囲の形状及び/又は面積を変更する。
【0126】
同様に、第1の境界点は、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定されるため、範囲型スキルの発動過程において、ユーザがシフトコントローラを使用して第1の仮想キャラクタの位置を変更すると、第1の仮想キャラクタの位置に基づいて更新された第1の境界点を決定して、更新された第1の境界点に基づいて発動範囲の形状及び/又は面積を変更する。
【0127】
発動範囲が矩形形状であることを例として、本ステップは、以下の2つのステップを含む。
【0128】
S1:第1の境界点及び更新された第2の境界点を矩形形状の2つの対角点として、更新された矩形形状を決定する。
【0129】
S2:範囲型スキルインジケータの指示する発動範囲を更新された矩形状態に変更する。
【0130】
例示的には、ホイールコントローラのスティック部に対するドラッグスライド操作に基づいて仮想地面にマッピングされた第2の境界点を決定した後、クライアントは、第1の境界点及び更新された第2の境界点を矩形形状の2つの対角点として、更新された矩形形状の範囲型スキルインジケータを決定する。端末は、更新された矩形に基づいて範囲型スキルインジケータの範囲を変更し、範囲型スキルの発動範囲を指示する。
【0131】
ステップ208:ドラッグ動作が終了したことに応答して、発動範囲に基づいて範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を決定する。
【0132】
スキル発効範囲は、範囲型スキルが発動された時の発効範囲である。クライアントは、発動範囲に基づいて、範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を自動的に調整する。
【0133】
幾つかの実施例では、発動範囲とスキル発効範囲とは同じものである。端末は、発動範囲をそのままスキル発効範囲として決定する。
【0134】
幾つかの実施例では、発動範囲とスキル発効範囲とは完全に同じではなく、僅かな差異がある。端末は、発動範囲を基準としてスキル発効範囲を決定する。
【0135】
例示的には、範囲型スキルは、複数の候補のスキル発効範囲を含む。
図9を概略的に参照して、仮想環境における地面を基準面とし、第1の仮想キャラクタの位置を中心としてワールド座標系を確立し、かつ基準面を3メートル単位で複数の小面積領域に分割する。この場合、範囲型スキルは、5つの候補のスキル発効範囲を含む。
【0136】
第1のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標は(3,3)であり、
第2のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(6,6)であり、
第3のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(9,9)であり、
第4のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(12,12)であり、
第5のスキル発効範囲:第1の境界点の座標が(0,0)であり、第2の境界点の座標が(15,15)である。第5のスキル発効範囲は、範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲である。
【0137】
1つの実現可能な設計において、複数の候補のスキル発効範囲から発動範囲の最も小さい外接スキル発効範囲を選択して、範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。「最も小さい外接スキル発効範囲」は、発動範囲を含むかまたはカバーする複数の候補のスキル発効範囲のうちの面積が最も小さい1つである。
【0138】
別の実現可能な設計において、複数の候補のスキル発効範囲から発動範囲の重なり面積比が最も高いスキル発効範囲を選択して、範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。
【0139】
ステップ210:今回のスキル発効範囲内で範囲型スキルを発動させる。
【0140】
範囲型スキルを発動させると、当該範囲型スキルは、今回のスキル発効範囲内における第2の仮想キャラクタ32に対してスキル発効数値を生成する。当該スキル発効数値は、血量傷害値、血量回復値、魔法傷害値、魔法回復値などであってもよい。
【0141】
例示的には、発効面積割合に基づいて今回のスキル発効範囲内における範囲型スキルの発効数値を決定する。発効面積割合は、今回のスキル発効範囲の面積と範囲型スキルの最も大きいスキル発効面積との割合である。範囲型スキルの最も大きいスキル発効面積は、ユーザによるドラッグ操作によって生成された発動範囲がホイール領域のエッジにある場合、範囲型スキルが効果的に作用を発揮できる最も大きい範囲の面積であり、例えば、
図9における第5のスキル発効範囲である。
【0142】
1つの実現可能な設計において、発効面積割合に基づいて範囲型スキルの単位面積発効数値を決定する。単位面積発効数値は、単位面積当たりのスキル発効数値を指す。
【0143】
例示的には、範囲型スキルの総発効数値は一定である場合、発効面積割合が小さいほど単位面積発効数値が大きくなり、発効面積割合が大きいほど単位面積発効数値が小さくなる。このように、敵方仮想キャラクタが少ない場合、より多くの傷害値をもたらすことができる。
【0144】
1つの実現可能な設計において、発効面積割合に基づいて範囲型スキルの総発効数値を決定する。総発効数値は、今回のスキル発効範囲の総面積に生成される発効数値である。
【0145】
例示的には、範囲型スキルの単位面積発効数値は一定であり、発効面積割合が小さいほど総発効数値が小さくなり、発効面積割合が大きいほど総発効数値が大きくなる。このように、総発効数値が小さい場合、第1の仮想キャラクタの魔法消費量を節約することができる。
【0146】
範囲型スキルが場所封鎖効果を有するスキルであることを例として、ユーザ操作に基づいて範囲型スキルを発動させると、今回のスキル発効範囲において封鎖効果を奏して、今回のスキル発効範囲内にある敵方仮想キャラクタが今回のスキル発効範囲から離れることができなくなり、今回のスキル発効範囲内で移動することしかできず、敵方仮想キャラクタに対して効果を持続的に奏する。
【0147】
以上で説明したように、本実施例による方法は、ドラッグコントローラに対するドラッグ操作を受け付けることにより、第1の仮想キャラクタの位置及びドラッグコントローラの位置のそれぞれに基づいて発動範囲における2つの境界点を決定し、さらに、ドラッグ操作に応答して発動範囲の形状及び/又は面積を変更することで、1回の操作を受け付けるだけで範囲型スキルインジケータの画定した発動範囲の面積及び/又は形状を変更することができ、位置が分散している複数の敵方仮想キャラクタを攻撃する場合の端末の処理ステップを簡略化させ、端末の処理効率範囲型を向上させ得る発動範囲をカスタマイズ可能な範囲型スキルの発動方式を提供する。
【0148】
本実施例による方法は、さらにスキルコントローラに対するトリガ操作を受け付けることにより、仮想環境画面に位置するドラッグボタンを表示し、仮想環境画面におけるドラッグボタンによってドラッグ操作を受け付け、ドラッグ操作に基づいて第2の境界点の位置を決定することにより、範囲的スキルインジケータの画定した発動範囲の面積及び/又は形状を変更し、仮想環境画面にドラッグボタンを表示することにより、端末が受け付けたドラッグ操作の正確性を向上させ、端末がドラッグ操作に基づいて仮想環境画面に当該操作によって選択した発動範囲を正確に表示することができる。
【0149】
本実施例による方法は、さらに、発効面積割合に基づいて今回のスキル発効範囲内における範囲型スキルの発効数値を決定することにより、敵方仮想キャラクタの数や分布領域範囲に対して範囲型スキルの発動範囲を決定することができ、第1の仮想キャラクタの魔法消費量を節約するとともに敵方仮想キャラクタに対してより多くの傷害値を与えるという目的を達成することができる。
【0150】
範囲型スキルを使用した後、一定の冷却時間を経過しなければ当該範囲型スキルを再度使用することができない。本願は、今回のスキル発効範囲に基づいて冷却時間を返還するオプションステップをさらに提供する。
【0151】
図12は、本願の例示的な一実施例による仮想オブジェクトによるスキル発動の制御方法を示すフローチャートである。当該方法は、コンピュータ装置によって実行され、例えば、
図1に示すような端末または端末におけるクライアントによって実行されてもよい。当該方法は、上記の方法の実施例に加えて、以下のステップを含む。
【0152】
ステップ212:発効面積割合に基づいて範囲型スキルの冷却時間を決定し、発効面積割合は、範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する今回のスキル発効範囲の面積の割合である。
【0153】
範囲型スキルを発動した後、範囲型スキルに対して冷却緩衝処理を行い、冷却時間は、範囲型スキルを操作できなくなる時間を指し、発効面積割合に基づいて決定される。発効面積割合は、範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する今回のスキル発効範囲の面積の割合である。範囲型スキルの最も大きいスキル発効面積は、ユーザによるドラッグ操作によって生成された発動範囲がホイール領域のエッジにある場合、範囲型スキルが効果的に作用を発揮できる最も大きい範囲の面積であり、例えば、
図9における第5のスキル発効範囲である。
【0154】
例示的には、発効面積割合は、冷却時間に正比例する。発効面積割合が大きいほど冷却時間が大きくなり、発効面積割合が小さいほど冷却時間が小さくなる。
【0155】
例示的には、発効面積割合と冷却係数との積を範囲型スキルの冷却時間として決定する。さらに、補償係数は、線形補償に応じて選択されてもよく、非線形補償、放物線型補償などの様々な補償方式に基づいて選択されてもよく、本実施例ではこれについて限定しない。例示的には、範囲型スキルの今回のスキル発効面積が最も大きいスキル発効面積を占める割合が50%である場合、クライアントは、範囲型スキルに対して最も大きい冷却時間の50%を冷却緩衝として返還する。
【0156】
例示的には、発動範囲に基づいて複数の候補のスキル発効範囲から選択する場合、小さいスキル発効範囲を選択すると範囲型スキルの冷却時間を低減させることができる。
【0157】
ステップ214:ドラッグ動作が終了したことに応答して、スキルコントローラを冷却状態にあるスキルコントローラに切り替えて表示する。
【0158】
例示的には、ドラッグ動作の終了は、ユーザによるホイールコントローラに対するドラッグの終了、及びドラッグボタンに対する押下の終了のうちの少なくとも1つを含む。
【0159】
ユーザがドラッグ動作を終了すると、クライアントは、ホイールコントローラを冷却状態のスキルコントローラに切り替え、冷却段階では、ホイールコントローラを操作することができなくなり、即ち、範囲型スキルを発動することができなくなる。
【0160】
ステップ216:冷却状態にあるスキルコントローラの表示持続時間が冷却時間に達すると、使用可能状態にあるスキルコントローラを表示する。
【0161】
例示的には、冷却状態にあるスキルコントローラの冷却持続時間が冷却時間に達すると、スキルコントローラを使用可能状態に回復させ、この場合、スキルコントローラをドラッグすることにより範囲型スキルを再度発動することができる。
【0162】
本実施例は、以上の
図2、
図6及び
図9に示す3つの好適な実施例のうちのいずれとも組み合わせることができる。
【0163】
以上で説明したように、本実施例による方法は、端末がドラッグの終了動作を受け付けた後、スキルコントローラに対して一定の時間の冷却を行い、かつ冷却持続時間が冷却時間に達した時にスキルコントローラを使用可能状態に回復させ、冷却時間に対して補償することにより、範囲型スキルの有効使用回数を増加させる。
【0164】
本実施例による方法は、さらに発効面積割合に基づいて範囲型スキルの冷却時間を決定することにより、複数の候補のスキル発効範囲から小さいスキル発効範囲を選択して、範囲型スキルの冷却時間を低減させるという目的を達成することができる。
【0165】
図13は、本願の例示的な一実施例による仮想オブジェクトによるスキル発動の制御装置の構成を示す図である。当該装置は、ソフトウェア、ハードウェアまたは両者の組み合わせによって、コンピュータ装置の全部または一部として実現することができ、当該装置1300は、
第1の仮想キャラクタ及びスキルコントローラを表示するための表示モジュールであって、前記スキルコントローラは、範囲型スキルを発動させるためのものである表示モジュール1320と、
前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、範囲型スキルインジケータ及びドラッグコントローラを表示するためのインタラクションモジュールであって、前記範囲型スキルインジケータは、範囲型スキルの発動範囲を指示するためのものであり、前記発動範囲は、前記第1の仮想キャラクタの位置に基づいて決定される第1の境界点、及び、前記ドラッグコントローラの位置に基づいて決定される第2の境界点を有するインタラクションモジュール1340と、
前記ドラッグコントローラに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更するための変更モジュール1360と、を含む。
実現方式1に基づいて、前記ドラッグコントローラは、ホイール領域とスティック部とを含むホイールコントローラを含み、
前記インタラクションモジュール1340は、前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に前記範囲型スキルインジケータを表示するとともに、前記スキルコントローラを前記ホイールコントローラとして表示し、
前記変更モジュール1360は、前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0166】
本実施例のオプション設計において、前記変更モジュール1360は、前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記スティック部のマッピング位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得し、前記更新された第2の境界点に基づいて、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0167】
実現方式2に基づいて、前記ドラッグコントローラは、ドラッグボタンを含み、
前記インタラクションモジュール1340は、前記スキルコントローラに対するトリガ操作に応答して、仮想環境の基準面に前記範囲型スキルインジケータを表示するとともに、前記範囲型スキルインジケータの前記第2の境界点に前記ドラッグボタンを表示し、
前記変更モジュール1360は、前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0168】
本実施例のオプション設計において、前記変更モジュール1360は、前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記ドラッグボタンの位置に基づいて前記第2の境界点を更新して、更新された第2の境界点を取得し、前記更新された第2の境界点に基づいて、前記発動範囲の形状及び面積のうちの少なくとも一方を変更する。
【0169】
本実施例のオプション設計において、前記範囲型スキルインジケータは、矩形形状をなすスキルインジケータであり、前記第1の境界点は、前記矩形形状の第1の対角点であり、前記第2の境界点は、前記矩形形状の第2の対角点であり、
前記変更モジュール1360は、前記第1の対角点及び前記更新された第2の対角点を前記矩形形状の2つの対角点として、更新された矩形形状を決定して、前記範囲型スキルインジケータの指示する前記発動範囲を前記更新された矩形状態に変更する。
【0170】
本実施例のオプション設計において、前記装置は、
前記ドラッグ動作が終了したことに応答して、前記発動範囲に基づいて前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲を決定して、前記今回のスキル発効範囲内で前記範囲型スキルを発動させる発動モジュール1380をさらに含む。
【0171】
本実施例のオプション設計において、前記範囲型スキルは、複数の候補のスキル発効範囲を含み、
前記発動モジュール1380は、
前記ドラッグ動作が終了したことに応答して、前記複数の候補のスキル発効範囲から前記発動範囲の重なり面積比が最も高いスキル発効範囲を選択して、前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定するか、または、
前記ドラッグ動作が終了したことに応答して、前記複数の候補のスキル発効範囲から前記発動範囲の最も小さい外接スキル発効範囲を選択して、前記範囲型スキルの今回のスキル発効範囲として決定する。
【0172】
本実施例のオプション設計において、前記発動モジュール1380は、発効面積割合に基づいて前記範囲型スキルの単位面積発効数値を決定し、前記今回のスキル発効範囲内で前記単位面積発効数値に対応する前記範囲型スキルを発動し、前記発効面積割合は、前記範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する前記今回のスキル発効範囲の面積の割合である。
【0173】
または、前記発動モジュール1380は、発効面積割合に基づいて前記範囲型スキルの総発効数値を決定し、前記今回のスキル発効範囲内で前記総発効数値に対応する前記範囲型スキルを発動し、前記発効面積割合は、前記範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する前記今回のスキル発効範囲の面積の割合である。
【0174】
本実施例のオプション設計において、前記範囲型スキルは、複数の候補境界点を含み、
前記変更モジュール1360は、前記スティック部に対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記スティック部のマッピング位置に基づいて前記複数の候補境界点から更新された第2の境界点を決定する。
【0175】
本実施例のオプション設計において、前記範囲型スキルは、複数の候補境界点を含み、
前記変更モジュール1360は、前記ドラッグボタンに対するドラッグ操作に応答して、前記基準面における前記ドラッグボタンの位置に基づいて前記複数の候補境界点から更新された第2の境界点を決定する。
【0176】
本実施例のオプション設計において、前記発動モジュール1380は、前記ドラッグ動作が終了したことに応答して、今回のスキル発効範囲内で前記範囲型スキルを発動し、前記今回のスキル発効範囲は、前記発動範囲と同じものである。
【0177】
本実施例のオプション設計において、前記装置は、
発効面積割合に基づいて前記範囲型スキルの冷却時間を決定するための冷却モジュールであって、前記発効面積割合は、前記範囲型スキルの最も大きいスキル発効範囲の面積に対する前記今回のスキル発効範囲の面積の割合である冷却モジュール1390をさらに含み、
前記表示モジュール1320は、さらに前記ドラッグ動作が終了したことに応答して、前記ホイールコントローラを冷却状態にある前記スキルコントローラに切り替えて表示し、冷却状態にある前記スキルコントローラの表示持続時間が前記冷却時間に達した場合、使用可能状態にある前記スキルコントローラを表示する。
【0178】
図14は、本願の例示的な一実施例によるコンピュータ装置1400の構成を示す図である。当該コンピュータ装置1400は、例えばスマートフォン、タブレット、MP3(Moving Picture Experts Group Audio Layer III)プレイヤー、MP4(Moving Picture Experts Group Audio Layer IV)プレイヤーなどの携帯型モバイル端末であってよい。コンピュータ装置1400は、ユーザ機器、携帯端末などの他の名称とも称され得る。
【0179】
コンピュータ装置1400は、一般的にプロセッサ1401とメモリ1402とを含む。
【0180】
プロセッサ1401は、例えば4コアのプロセッサ、8コアのプロセッサなどのように1つまたは複数の処理コアを含むことができる。プロセッサ1401は、DSP(Digital Signal Processing)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLA(Programmable Logic Array)のうちの少なくとも一方のハードウェアによって実現され得る。プロセッサ1401は、起動状態でのデータを処理するためのものであってCPU(Central Processing Unit)とも呼ばれるメインプロセッサと、待機状態でのデータを処理するための低消費電力プロセッサであるコプロセッサを含んでもよい。幾つかの実施例では、プロセッサ1401は、GPU(Graphics Processing Unit)がさらに集積されてもよく、GPUは、ディスプレイスクリーンに表示すべきコンテンツのレンダリングや描画を担当する。幾つかの実施例では、プロセッサ1401は、機械学習に関する計算動作を行うためのAI(Artificial Intelligence)プロセッサをさらに含んでもよい。
【0181】
メモリ1402は、有形的や非一時的な1つまたは複数のコンピュータ読取可能な記憶媒体を含むことができる。メモリ1402は、高速ランダムアクセスメモリ、及び1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリなどのような不揮発性メモリをさらに含んでもよい。幾つかの実施例では、メモリ1402における非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体は、プロセッサ12401によって実行されることにより、本願の実施例が提供する仮想環境画面の表示方法を実現するための少なくとも1つのコマンドを記憶するためのものである。
【0182】
幾つかの実施例では、コンピュータ装置1400は、周辺機器インターフェース1403と少なくとも1つの周辺機器とをさらに含んでもよい。具体的には、周辺機器は、RF(高周波)回路1404、ディスプレイスクリーン1405のうちの少なくとも一方を含む。
【0183】
周辺機器インターフェース1403は、I/O(Input/Output)に関する少なくとも1つの周辺機器をプロセッサ1401及びメモリ1402に接続するために用いられる。幾つかの実施例では、プロセッサ1401、メモリ1402及び周辺機器インターフェース1403は、同一のチップまたは回路基板に集積されている。幾つかの他の実施例では、プロセッサ1401、メモリ1402及び周辺機器インターフェース1403のうちのいずれか1つまたは2つは、独立したチップまたは回路基板で実現することができるが、本実施例はこれについて限定しない。
【0184】
RF回路1404は、電磁信号とも呼ばれるRF(Radio Frequency:無線周波数)信号を送受信するためのものである。RF回路1404は、電磁信号を介して通信ネットワーク及び他の通信機器と通信を行う。RF回路1404は、電気信号を電磁信号に変換して送信し、または受信した電磁信号を電気信号に変換する。さらに、RF回路1404は、アンテナシステム、RF送受信機、1つまたは複数の増幅器、チューナ、発振器、デジタル信号プロセッサ、コーデックチップセット、及びユーザ身分モジュールカードなどを含んでもよい。RF回路1404は、少なくとも一方の無線通信プロトコルに従って他の端末と通信することができる。当該無線通信プロトコルは、ワールドワイドウェブ、メトロポリタンエリアネットワーク、イントラネット、各世代の移動通信網(2G、3G、4G及び5G)、無線ローカルエリアネットワーク及び/又はWi-Fi(Wireless Fidelity)ネットワークを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施例では、RF回路1404は、NFC(Near Field Communication)に関する回路をさらに備えていてもよいが、本願はこれについて限定しない。
【0185】
ディスプレイスクリーン1405は、UI(User Interface)を表示するためのものである。当該UIは、図形、テキスト、アイコン、ビデオ及びそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ディスプレイスクリーン1405は、その表面または表面の上方におけるタッチ信号を収集する能力も有している。このタッチ信号は、制御信号としてプロセッサ1401に入力して処理を行うことができる。ディスプレイスクリーン1405は、仮想ボタン及び/又は仮想キーボード(ソフトボタン及び/又はソフトキーボードとも言われる)を提供するためのものである。幾つかの実施例では、ディスプレイスクリーン1405は、コンピュータ装置1400のフロントパネルに設けられる1つであっても良い。他の幾つかの実施例では、ディスプレイスクリーン1405は、それぞれがコンピュータ装置1400の異なる表面に設けられ、または折り畳んで設けられる少なくとも2つであってもよい。さらに幾つかの実施例では、ディスプレイスクリーン1405は、フレキシブルディスプレイスクリーンであり、コンピュータ装置1400の湾曲面または折畳面に設けられてもよい。ひいては、表示画面1405は、非矩形の不規則な図形に設けられてもよく、即ち、異形のものであってもよい。ディスプレイスクリーン1405は、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light-Emitting Diode)等の材質で制作することができる。
【0186】
コンピュータ装置1400は、
図14に示す構成に限定されず、図示よりも多いまたは少ない要素を含んだり、幾らかの要素を組み合わせたり、異なる要素の配置を採用したりしてもよいことは、当業者が容易に理解できろう。
【0187】
本願の実施例によれば、プロセッサとメモリとを含み、当該メモリには、プロセッサによってロードされ実行されることにより上記の各方法の実施例が提供する仮想環境画面の表示方法を実現するための少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたはコマンドセットが記憶されているコンピュータ装置をさらに提供する。
【0188】
本願の実施例によれば、プロセッサによってロードされ実行されることにより上記の各方法の実施例が提供する仮想環境画面の表示方法を実現するための少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたはコマンドセットが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0189】
なお、本明細書に記載の「複数」とは、2つまたはそれ以上を意味する。また、「及び/又は」は、関連対象の相関関係を記述するものであり、3種類の関係が存在することを示す。例えば、A及び/又はBは、単にAが存在し、AとBが同時に存在し、及び単にBが存在するという3種類の場合を示す。「/」という文字は、一般的に、その前後の関連対象同士が「又は」という関係にあることを示す。
【0190】
また、本分野の一般的技術者であれば、上記の実施例の全部または一部のステップは、ハードウェアによって実行されてもよいし、関連するハードウェアが実行するようにプログラムによって指示してもよく、前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、上記の記憶媒体は、ROM、磁気ディスク、光ディスクなどであってもよい。
【0191】
以上は、あくまでも本願の好適な実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神と原則内で行われるいかなる修正、均等置換、改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。