(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】折り曲げフィルタ付きシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20240910BHJP
B01D 29/07 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A47K3/28
B01D29/06 510C
B01D29/06 510B
(21)【出願番号】P 2022574087
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2022015442
(87)【国際公開番号】W WO2024005267
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0079961
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520468346
【氏名又は名称】ブルーインダス カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BLUEINDUS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】17-30,Eogokgongdan 4-gil,Yangsan-si,Gyeongsangnam-do,50591,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、チュンシク
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-002840(JP,A)
【文献】特開2012-057458(JP,A)
【文献】特開平10-071327(JP,A)
【文献】国際公開第2020/174251(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第2022-0032201(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2331869(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0055888(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
B01D 29/07
E03C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に水が流入し、一部が開口された形状の筐体と、前記筐体における開口された部分に結合され、外部へ水が排出されるキャップとで構成されるシャワーヘッド;
前記シャワーヘッドの内部に設けられるものであって、外周面に沿って内外に連続的に折り曲げられ、外側から内側に水が流動されて濾過できるフィルタと、前記フィルタの内周面に設けられ、周縁に複数の通孔を有する管状のコアと、前記フィルタの外周面に設けられ、周縁に複数の通孔を有する管状のアウターケージとで構成されるフィルタパック;並びに
前記フィルタパックを内部に収容して前記シャワーヘッドの内部に取り付けられるものであって、前記フィルタパックのコア内側に挿入される内側支持具と、前記フィルタパックのアウターケージの外周面を取り囲み、複数の通孔を有する管状の外側フレームと、前記外側フレーム及び内側支持具の一側を密閉する第1の側板と、前記外側フレーム及び内側支持具の他側に結合され、排出孔を有する第2の側板とで構成されるケースフレーム;を含んでなり、
前記ケースフレームの内部にフィルタパックが含まれるようにして、前記シャワーヘッドに対して挿入または脱離されるようにすることを特徴とし、
前記ケースフレームの内側支持具は、外周面に沿って突出した突条が形成されており、前記ケースフレームに前記フィルタパックを結合するとき、前記内側支持具と前記フィルタパックのコアとは内部間隔を維持し、前記外側フレームと前記フィルタパックのアウターケージとは外部間隔を一定に維持することを特徴とする、折り曲げフィルタ付きシャワーヘッド。
【請求項2】
前記第2の側板には、前記突出した突条による内部間隔に相当する部分に前記排出孔が形成されることにより、前記フィルタを通過した水が排出されることを特徴とする、請求項1に記載の折り曲げフィルタ付きシャワーヘッド。
【請求項3】
前記ケースフレームの第1の側板と第2の側板とは、
前記フィルタパックの側面と熱融着されることにより、前記ケースフレームの内部に前記フィルタパックが固定されることを特徴とする、請求項1に記載の折り曲げフィルタ付きシャワーヘッド。
【請求項4】
前記キャップは、
最外側に前記シャワーヘッドと締結されるねじ部が形成され、
前記ねじ部の内側方向へ前記ケースフレームの第2の側板の縁部に密着される密着部が形成され、
前記密着部から下方に段差をつけて前記第2の側板と内部空間を形成し、底面に孔を有することにより、前記第2の側板の排出孔を通過した水が放射状に拡散され、前記キャップの孔に広がって排出される段差部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の折り曲げフィルタ付きシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドに関し、内外に折り曲げられるフィルタを一つのパックの形態にして取り替えやすくする折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、シャワーは、フィルタリングの効率を高めるためにハンドルにフィルタを別途連結して使用してきたが、シャワー機の体積が大きくなるのでシャワーヘッドの内部に入れられる方法が開発されている。
【0003】
特に、円形に沿って繰り返し折り曲げられたフィルタは、折り曲げられた形態で重畳しているため、フィルタリングの効率を最大限高めることができるようになる。
【0004】
一方、フィルタは、一定の大きさの面積を有する生地で作製される。このフィルタを折り曲げて円形の形態に保持することにより、逆放射状に水が流入してフィルタリングされるが、このような折り曲げられたフィルタの形状を保持するために内外に支持具が必要である。
【0005】
韓国公開特許第10-2021-0158352号には、「事前濾過フィルタエレメントを含むフィルタ配列体、およびフィルタ装置」という折り曲げられたフィルタが形状を保持するための支持具についての図面及び内容が一部開示されており、これを
図8に示した。
【0006】
しかし、
図8は、従来のシャワーヘッドの分離斜視図であって、従来の技術においては、フィルタの内部にはコア530が存在し、外部にはアウターケージ520が存在してフィルタ550の形状を保持しており、フィルタパック(pack)の形態が開示されており、フィルタパックの両側は開放されているため、配送中あるいは使用中の水圧のためフィルタが離脱する場合が度々ある。
【0007】
また、従来のフィルタパックは、シャワーヘッドの内部に正確な位置に固定されてフィルタリング時に水の流入と排出を円滑にすることが求められる。
【0008】
さらに、水は、逆放射状に流入してフィルタの内径に水が排出されるが、フィルタの内径よりも小さい半径を介して排出されるようにその大きさが決まるので、シャワー機として使用しにくく、流し台の水道や洗面台の水栓として使用するしかないという限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、折り曲げられたフィルタの形状を保持させ、かつ、容易に取り替え可能な折曲フィルタ付きシャワーヘッドを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、フィルタパックをケースに入れて水の流入や排出に対する経路を提供することで、水圧による損失を最小限に抑えることができる折曲フィルタ付きシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、内部に水が流入し、一部が開口された形状の筐体と、前記筐体における開口された部分に結合され、外部へ水が排出されるキャップとで構成されるシャワーヘッド;前記シャワーヘッドの内部に設けられるものであって、外周面に沿って内外に連続的に折り曲げられ、外側から内側に水が流動されて濾過できるフィルタと、前記フィルタの内周面に設けられ、周縁に複数の通孔を有する管状のコアと、前記フィルタの外周面に設けられ、周縁に複数の通孔を有する管状のアウターケージとで構成されるフィルタパック;並びに、前記フィルタパックを内部に収容して前記シャワーヘッドの内部に取り付けられるものであって、前記フィルタパックのコア内側に挿入される内側支持具と、前記フィルタパックのアウターケージの外周面を取り囲み、複数の通孔を有する管状の外側フレームと、前記外側フレーム及び内側支持具の一側を密閉する第1の側板と、前記外側フレーム及び内側支持具の他側に結合され、排出孔を有する第2の側板とで構成されるケースフレーム;を含んでなり、前記ケースフレームの内部にフィルタパックが含まれるようにして、前記シャワーヘッドに挿入または脱離されるようにすることを特徴とする。
【0012】
前記ケースフレームの内側支持具は、外周面に沿って突出した突条が形成されることにより、前記ケースフレームに前記フィルタパックを結合するとき、前記内側支持具と前記フィルタパックのコアとは内部間隔を維持し、前記外側フレームと前記フィルタパックのアウターケージとは外部間隔を一定に維持することを特徴とする。
【0013】
前記第2の側板には、前記突出した突条による内部間隔に相当する部分に前記排出孔が形成されることにより、前記フィルタを通過した水が排出されることを特徴とする。
【0014】
前記ケースフレームの第1の側板と第2の側板とは、前記フィルタパックの側面と熱融着されることにより、前記ケースフレームの内部に前記フィルタパックが固定されることを特徴とする。
【0015】
前記キャップは、最外側に前記シャワーヘッドと締結されるねじ部が形成され、前記ねじ部の内側方向へ前記ケースフレームの第2の側板の縁部に密着される密着部が形成され、前記密着部から下方に段差をつけて前記第2の側板と内部空間を形成し、底面に孔を有することにより、前記第2の側板の排出孔を通過した水が放射状に拡散され、前記キャップの孔に広がって排出される段差部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、次の効果が期待できる。
シャワーヘッドの内部に、折り曲げられたフィルタを挿入することで、制限された空間でフィルタリングの効率を高めることができる。
フィルタパックによって折り曲げられたフィルタの形状を保持することができ、ケースフレームの内部に取り付けられてシャワーへのフィルタ交換をモジュール形式で取り替えることができる。
ケースフレームの内部に結合されたフィルタパックは、円周面に沿って隙間が一定であって、外周面から内周面への水の流入と排出が容易であるから、水圧損失が少ないというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による折曲フィルタ付きシャワーヘッドの斜視図である。
【
図2】
図1におけるキャップが分離された内部図である。
【
図4】ケースフレームとフィルタパックとの結合例示図である。
【
図6】本発明の実施形態による折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドの上面視の内部構成図である。
【
図7】本発明の実施形態による折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。下記の説明及び添付図面は、本発明の全般的な理解を助けるために提示されたものなので、本発明の技術的範囲がこれらに限定されない。また、本発明の要旨を無駄に濁らす恐れがある公知の構成及び機能についての詳細な説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態による折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドの斜視図であり、
図2は、
図1からキャップが分離された内部図であり、
図3は、
図1の分離斜視図であり、
図4は、ケースフレームとフィルタパックとの結合例示図である。
【0020】
図1~
図4を参照すると、本発明の折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドは、大きく、シャワーヘッド100、フィルタパック200、及びケースフレーム300を含んでなる。
【0021】
前記シャワーヘッド100は、シャワーヘッドの外形に該当する部分である。
【0022】
前記シャワーヘッド100は、内部に水が流入し、一部が開口された形状の筐体120と、前記筐体120における開口された部分に回転結合され、外部へ水が排出される複数の通孔を有するキャップ140とで構成される。
【0023】
前記フィルタパック200は、水をフィルタリングする部分である。
【0024】
前記フィルタパック200は、フィルタ220と、コア240と、アウターケージ260とで構成され、相互結合されたパッケージに該当する。
【0025】
まず、本発明によるフィルタ220は、外周面に沿って内外に連続的に折り曲げられて環状に形成されており、外側から内側に水が流動されて濾過でき、連続的な折曲によって制限された空間でフィルタリングの容量を大きくすることができるというメリットがある。
図5は、折り曲げフィルタの詳細図である。
図5を示すように、フィルタは、円周方向に沿って連続的に折り曲げられており、最外側222から最内側221へ流体が通過して濾過される。
【0026】
また、コア240は、フィルタ220の内側を支持する部品であって、アウターケージ260は、フィルタ220の外側である外周面を支持する部分であって、前記コア240及びアウターケージ260によってフィルタ220が繰り返し折り曲げられた状態で円形状を保持することができる。
【0027】
ここで、前記コア240及び前記アウターケージ260は管状に形成され、フィルタの内外を支持することができ、周縁にそれぞれ複数の通孔を有することにより、外部の水が外側から流入してフィルタを通過してフィルタリングされ、内側へ排出され得る経路を提供する。
【0028】
前記ケースフレーム300は、前記フィルタパック200を内部に収容して、前記シャワーヘッド100の内部に取り付けられるようにする部品である。
【0029】
前記ケースフレーム300は、内側支持具320と、外側フレーム340と、第1の側板360と、第2の側板380とで構成されることで、前記フィルタパック200のすべての面を収容する。
【0030】
前記内側支持具320は、前記フィルタパック200のコア240内側に挿入されるように管状に形成される。
【0031】
前記外側フレーム340は、前記フィルタパック200のアウターケージ260の外周面を取り囲む管状に形成され、外周面に複数の通孔を有する。
【0032】
前記第1の側板360は、前記外側フレーム340及び内側支持具320の一側を密閉させる。
【0033】
前記第2の側板380は、前記外側フレーム340及び内側支持具320の他側に結合され、排出孔382を有する。ここで、前記第2の側板380は、キャップ140の方向に位置させて、前記排出孔382を介してキャップ140へ水が排出されるようになる。
【0034】
前述したように、ケースフレーム300の内部にフィルタパック200が含まれるようにして、前記シャワーヘッド100に対して挿入または脱離させるという点において、フィルタ交換が有用である。
【0035】
一方、前記ケースフレーム300の内側支持具320は、外周面に沿って突設された突条322を有することにより、前記ケースフレーム300への前記フィルタパック200の結合時に、前記内側支持具320と前記フィルタパック200のコア240とは内部間隔を維持し、前記外側フレーム340と前記フィルタパック200のアウターケージ260とは外部間隔を一定に維持することを特徴として、つまり、隙間によって水の移動経路及び流体圧力を一定にすることができるという効果がある。
【0036】
さらに、前記第2の側板380には、前記突出した突条322による内部間隔に相当する部分に排出孔382が形成されることにより、前記フィルタを通過した水が排出されることを特徴とする。
【0037】
さらに、前記ケースフレーム300の第1の側板360と、第2の側板380とは、前記フィルタパック200の側面と熱融着されることにより、前記ケースフレームの内部に前記フィルタパック200が固定されるようにして、前記ケースフレーム300の内部で前記フィルタパック200が回転することを防止する。
【0038】
また、前記キャップ140は、最外側に前記シャワーヘッドと締結されるねじ部が形成されており、前記ねじ部の内側方向に前記ケースフレーム300の第2の側板380の縁部に密着される密着部が形成されており、前記密着部から下方に段差をつけて前記第2の側板と内部空間を形成し、底面に孔を有することにより、前記第2の側板の排出孔を通過した水が放射状に拡散され、前記キャップの孔に広がって排出される段差部が形成されることを特徴とする。
【0039】
図6は、本発明の実施形態による折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドの上面視の内部構成図である。
図7は、本発明の実施形態による折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドの断面図である。
【0040】
図6を参照すると、フィルタ220は、コア240とアウターケージ260との間の空間に周縁に沿って円周方向に繰り返し折り曲げられた構造で設けられており、制限された空間でも広い濾過面積を有するので、一度に多量の水をフィルタリングすることができ、水圧損失も少ない。
【0041】
次に、シャワーヘッドの水の流動について説明する。
まず、シャワーヘッドのハンドルからシャワーヘッドに流入し、内部にあるケースフレームの外側フレーム340に流入した水は、アウターケージ260との隙間142を介してフィルタパックに水が流入する。また、水はフィルタ220を通過してコア240を介して隙間144に排出される。
【0042】
ここで、ケースフレームの内側支持具320の突条322が突設されており隙間144が形成され、かつ、隙間142も外周面に沿って間隔を一定にすることにより、水の流入及び排出を円滑に行うことができるので、水圧損失を減らすことができる。
【0043】
図7を参照すると、シャワー100の筐体120におけるバンドルとの連結通路112を介して流入した水は、外側フレーム340とアウターケージ260との隙間142を介して流入し、フィルタ220を介してフィルタリングされ、コア240を介して隙間144に水が通過して第2の側板380の排出孔382を通過する。その後、水が拡散され、隙間146を介してシャワーヘッド100のキャップ140の前面を介して拡散されて排出される。ここで、隙間は1~3mmの間隔となるようにして、流路を確保して水を流入させるとともに一定の水圧を保持することが好ましい。
【0044】
以上のように、本発明は、折り曲げフィルタ付きシャワーヘッドを基本的な技術的思想としていることが分かり、このような本発明の基本的な思想の範疇内で、当該分野における通常の知識を有する者にとっては、他の多様な変形が可能であるのは、当たり前である。